2011年08月19日 (金)
こんばんは。
norikky さんから、<男性の糖尿病リスク 魚で低下>
という毎日新聞の記事に関するコメントをいただきました。
私も毎日新聞をとってます。
この記事は2011年8月18日(木)の毎日新聞朝刊に載ってました。
あと京都新聞もとってます。高雄病院では朝日新聞です。
新聞業界も売り上げが減って、大変みたいですがささやかながら協力です。
【11/08/18 norikky
いつも江部先生をのサイトをはじめ あらてつさんのサイトを愛読させていただいています。
今回m3.comに 魚摂取の重要な記事がありましたので報告させていただきます。 いままで江部先生がここのサイトで言ってきていたデータそのもです。以下、文面です。
魚を食べれば糖尿病予防 ただし男性のみ… 国立がんセンター調査
2011年8月18日 提供:毎日新聞社
糖尿病:魚を食べれば予防 ただし男性のみ…--国立がんセンター調査
魚を多く食べる男性ほど、糖尿病になる危険性が低くなるとの調査結果を、国立がん研究センターなどのチームが17日、発表した。米臨床栄養雑誌(電子版)に掲載された。
調査は95年と98年に実施。対象は45~74歳の男女計5万2680人で、魚介類を食べる頻度や量、種類を尋ね、摂取量が少ない人から順番に並べ4群に分類。各群の真ん中に位置する人の1日当たりの摂取量は、男性の場合(1)36・6グラム(2)65グラム(3)100・8グラム(4)171・7グラムとなった。
追跡調査の結果、それぞれ5年後に糖尿病を発症していた人は男性572人、女性399人。各群の発症者の割合(発症率)は、男性で(1)2・9%(2)2・5%(3)2・4%(4)2・2%――となり、摂取量が多い群ほど発症率が低い傾向があった。発症リスクを計算したところ、摂取量が最多の(4)は最少の(1)より約3割低かった。一方、女性は摂取量と発症リスクに相関関係が見られなかった。
魚の種類によっても違いが見られ、小・中型の魚(アジ、イワシ、サンマ、サバ、ウナギなど)と、脂の多い魚(サケ、アジ、イワシ、サンマ、タイ類など)を多く食べる男性ほど発症リスクが低下することも分かった。マグロ、カツオ、タラなどに代表される、大型で脂が少ない魚では、摂取量と発症リスクの関連は確認されなかった。
チームの南里明子・国立国際医療研究センター栄養疫学研究室長によると、魚の脂などに多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)、ビタミンDなどが、糖尿病を防ぐインスリンの量や効きやすさに良い効果を与えた可能性がある。女性で差が見られなかった理由として、糖尿病発症を抑える栄養素が男女で異なることや、女性は男性に比べ体脂肪が多いため、魚に蓄積された水銀などの環境汚染物質を体内に取り込みやすく、魚の栄養効果を打ち消した可能性もあるとしている】
norikky さん。
コメントありがとうございます。
確かに男性では、糖尿病の発症率が4群の分類のなかで
2.9%→2.5%→2.4%→2.2%
と、魚の摂取量の一番少ない群から多い群にむけて、発症率が順調に減っています。
魚の摂取量が一番多い群は、一番少ない群に比べて発症リスクが約3割低かったそうです。
ところが、女性では魚の摂取量と糖尿病発症リスクに相関関係はなかったのです。
小・中型の魚(アジ、イワシ、サンマ、サバ、ウナギなど)と、脂の多い魚(サケ、アジ、イワシ、サンマ、タイ類など)を多く食べる男性ほど発症リスクが低下して、マグロ、カツオ、タラなどに代表される、大型で脂が少ない魚では、摂取量と発症リスクの関連は確認されなかったとのことです。
南里明子先生は、魚油に多く含まれるEPAやDHAが、よい効果を与えた可能性がある、とのことですが、私はことはそれほど単純な話ではないと思います。
つまり、
「エパデール(EPA)を内服している人は、糖尿病の発症リスクが減る」
というような単純なことではないということです。
EPAやDHAという部分的なものだけでなく、小魚や脂の多い魚の食材としてより全体的な要因が関わっていると思います。
この研究報告、
『小魚と脂の多い魚を多く食べる男性の糖尿病発症リスクが減少して、女性では魚の摂取量とは関連がなかった。』
という、ことは事実として言えると思います。
しかしその背景には、さらに食生活以外にも、ライフスタイル全てが関わっているような気がします。
江部康二
norikky さんから、<男性の糖尿病リスク 魚で低下>
という毎日新聞の記事に関するコメントをいただきました。
私も毎日新聞をとってます。
この記事は2011年8月18日(木)の毎日新聞朝刊に載ってました。
あと京都新聞もとってます。高雄病院では朝日新聞です。
新聞業界も売り上げが減って、大変みたいですがささやかながら協力です。
【11/08/18 norikky
いつも江部先生をのサイトをはじめ あらてつさんのサイトを愛読させていただいています。
今回m3.comに 魚摂取の重要な記事がありましたので報告させていただきます。 いままで江部先生がここのサイトで言ってきていたデータそのもです。以下、文面です。
魚を食べれば糖尿病予防 ただし男性のみ… 国立がんセンター調査
2011年8月18日 提供:毎日新聞社
糖尿病:魚を食べれば予防 ただし男性のみ…--国立がんセンター調査
魚を多く食べる男性ほど、糖尿病になる危険性が低くなるとの調査結果を、国立がん研究センターなどのチームが17日、発表した。米臨床栄養雑誌(電子版)に掲載された。
調査は95年と98年に実施。対象は45~74歳の男女計5万2680人で、魚介類を食べる頻度や量、種類を尋ね、摂取量が少ない人から順番に並べ4群に分類。各群の真ん中に位置する人の1日当たりの摂取量は、男性の場合(1)36・6グラム(2)65グラム(3)100・8グラム(4)171・7グラムとなった。
追跡調査の結果、それぞれ5年後に糖尿病を発症していた人は男性572人、女性399人。各群の発症者の割合(発症率)は、男性で(1)2・9%(2)2・5%(3)2・4%(4)2・2%――となり、摂取量が多い群ほど発症率が低い傾向があった。発症リスクを計算したところ、摂取量が最多の(4)は最少の(1)より約3割低かった。一方、女性は摂取量と発症リスクに相関関係が見られなかった。
魚の種類によっても違いが見られ、小・中型の魚(アジ、イワシ、サンマ、サバ、ウナギなど)と、脂の多い魚(サケ、アジ、イワシ、サンマ、タイ類など)を多く食べる男性ほど発症リスクが低下することも分かった。マグロ、カツオ、タラなどに代表される、大型で脂が少ない魚では、摂取量と発症リスクの関連は確認されなかった。
チームの南里明子・国立国際医療研究センター栄養疫学研究室長によると、魚の脂などに多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)、ビタミンDなどが、糖尿病を防ぐインスリンの量や効きやすさに良い効果を与えた可能性がある。女性で差が見られなかった理由として、糖尿病発症を抑える栄養素が男女で異なることや、女性は男性に比べ体脂肪が多いため、魚に蓄積された水銀などの環境汚染物質を体内に取り込みやすく、魚の栄養効果を打ち消した可能性もあるとしている】
norikky さん。
コメントありがとうございます。
確かに男性では、糖尿病の発症率が4群の分類のなかで
2.9%→2.5%→2.4%→2.2%
と、魚の摂取量の一番少ない群から多い群にむけて、発症率が順調に減っています。
魚の摂取量が一番多い群は、一番少ない群に比べて発症リスクが約3割低かったそうです。
ところが、女性では魚の摂取量と糖尿病発症リスクに相関関係はなかったのです。
小・中型の魚(アジ、イワシ、サンマ、サバ、ウナギなど)と、脂の多い魚(サケ、アジ、イワシ、サンマ、タイ類など)を多く食べる男性ほど発症リスクが低下して、マグロ、カツオ、タラなどに代表される、大型で脂が少ない魚では、摂取量と発症リスクの関連は確認されなかったとのことです。
南里明子先生は、魚油に多く含まれるEPAやDHAが、よい効果を与えた可能性がある、とのことですが、私はことはそれほど単純な話ではないと思います。
つまり、
「エパデール(EPA)を内服している人は、糖尿病の発症リスクが減る」
というような単純なことではないということです。
EPAやDHAという部分的なものだけでなく、小魚や脂の多い魚の食材としてより全体的な要因が関わっていると思います。
この研究報告、
『小魚と脂の多い魚を多く食べる男性の糖尿病発症リスクが減少して、女性では魚の摂取量とは関連がなかった。』
という、ことは事実として言えると思います。
しかしその背景には、さらに食生活以外にも、ライフスタイル全てが関わっているような気がします。
江部康二
こんにちわ。
先生質問です。気長に待ってますので回答いただけたら嬉しいです。
私は血糖値関係なく昔から人工甘味料を料理に使ったり、それが入った飲料をとることが多いです。
以前雑誌に人工甘味料は確かにふとらないが脳の働きを狂わして飢餓感を高めると載ってたのを覚えてます。
だったらとっくに私は狂ってますが・・・これは裏付けあるんでしょうか?
私は血糖値があがらない方を選ぶので今後もノンシュガー生活だと思います
先生質問です。気長に待ってますので回答いただけたら嬉しいです。
私は血糖値関係なく昔から人工甘味料を料理に使ったり、それが入った飲料をとることが多いです。
以前雑誌に人工甘味料は確かにふとらないが脳の働きを狂わして飢餓感を高めると載ってたのを覚えてます。
だったらとっくに私は狂ってますが・・・これは裏付けあるんでしょうか?
私は血糖値があがらない方を選ぶので今後もノンシュガー生活だと思います
2011/08/19(Fri) 20:36 | URL | のの | 【編集】
私もこの記事を読んで疑問に感じました。
一番大きな疑問は、魚でたんぱく質と脂を多く摂るのであれば、その分糖質を摂らずに済むようになる=プチ糖質制限になるのではないか、ということです。
もっとも、だとすると男女差はどこからくるのか、という新たな疑問が湧いてきます。この点について、江部先生がどうお考えなのか、なにかのついでにでも伺えれば幸いです。
一番大きな疑問は、魚でたんぱく質と脂を多く摂るのであれば、その分糖質を摂らずに済むようになる=プチ糖質制限になるのではないか、ということです。
もっとも、だとすると男女差はどこからくるのか、という新たな疑問が湧いてきます。この点について、江部先生がどうお考えなのか、なにかのついでにでも伺えれば幸いです。
juntera さん。
いろんな要素がありすぎて、良くわからないのですが、
男女差は、運動量があるていど」関与しているかもと、思います。
いろんな要素がありすぎて、良くわからないのですが、
男女差は、運動量があるていど」関与しているかもと、思います。
2011/08/20(Sat) 16:53 | URL | ドクター江部 | 【編集】
のの さん。
パデュー大学(インディアナ州)の研究チームが学術誌「国際肥満ジャーナル」に、
2004年、そのような動物実験結果を報告したようです。
ヒトでは、わかりません。
また
米国食料医薬品庁は、人工甘味料を認めていますが、総量の規制はあります。
まあ、ダイエットコーラ1本/日くらいは、問題ないと思います。
そして、糖アルコールの中でエリスリトールは、糖質に分類されますが、
カロリーゼロで血糖値を上昇させず、安全性も高い優れものの甘味料です。
パデュー大学(インディアナ州)の研究チームが学術誌「国際肥満ジャーナル」に、
2004年、そのような動物実験結果を報告したようです。
ヒトでは、わかりません。
また
米国食料医薬品庁は、人工甘味料を認めていますが、総量の規制はあります。
まあ、ダイエットコーラ1本/日くらいは、問題ないと思います。
そして、糖アルコールの中でエリスリトールは、糖質に分類されますが、
カロリーゼロで血糖値を上昇させず、安全性も高い優れものの甘味料です。
2011/08/20(Sat) 17:46 | URL | ドクター江部 | 【編集】
いつもご多忙の中、コメントありがとうございます。
よくよく研究データと結果を 読み直すと 先生のおっしゃる通りです。
「魚油に多く含まれるEPAやDHAが、よい効果を与えた可能性がある」
ここなんですよね。 この可能性がある。=は、憶測の域なのか 根拠ある推測なのか・・。
可能性って言葉に あえて、日本語の解釈仕方の怖さを知りました。
よくよく研究データと結果を 読み直すと 先生のおっしゃる通りです。
「魚油に多く含まれるEPAやDHAが、よい効果を与えた可能性がある」
ここなんですよね。 この可能性がある。=は、憶測の域なのか 根拠ある推測なのか・・。
可能性って言葉に あえて、日本語の解釈仕方の怖さを知りました。
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