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低炭水化物食が、ガン予防・Cancer Research・2011
こんばんは

Cancer Researchという雑誌は、2010年のインパクト・ファクターは8.234で一流医学雑誌です。

そのCancer Researchに論文が載りました。

A Low Carbohydrate, High Protein Diet Slows Tumor Growth and Prevents Cancer Initiation

Cancer Res; 71(13); 4484–93. ©2011 AACR.

http://cancerres.aacrjournals.org/content/71/13/4484.full 
→フルテキスト論文を見ることができます。

「低炭水化物高タンパク質食が、腫瘍の発育を抑制し、発がんを予防した。」

という題名の論文です。

以下要約を、訳してみました。

<要約>

「がん細胞が正常細胞よりグルコースに依存することより、我々はマウスの腫瘍の成長率における低炭水化物食と西洋食の効果を比較した。

カロリー制限が誘導する効果を避けるため、我々は低炭水化物食と西洋食のカロリーを、脂質よりタンパク質を増やすことで同一にした。何故なら高脂質は腫瘍増進効果が、高タンパク質は免疫刺激効果が報告されているからである。

我々は「低炭水化物・高タンパク食」が「高炭水化物・低タンパク食」に比べて、マウス体内において、マウスとヒトのがんが共に成長が遅くなるのを見いだした。

加えて、低炭水化物食で給餌されたマウスはより低めの血糖値・インスリン・乳酸値を示した。
さらに低炭水化物食による抗腫瘍効果が観察された・・・中略・・・

遺伝的に極めて乳がんになりやすいマウスにおいて、腫瘍出現率は西洋食の場合は1年間で50%近くであったが、低炭水化物食では腫瘍は検出されなかった。

この相違は西洋食のマウスでみられて低炭水化物食では見られなかった体重増加と関連していた。

さらに、西洋食では、がん関連の死亡のため、正常な生存期間であったのはたった1匹であったが、低炭水化物食では50%以上が正常生存期間を超えた。

まとめれば、我々の調査結果は、体重増加だけではなく、がんの発育・進行を制限する、低炭水化物ダイエットの、臨床前の魅力的な可能性の例証を提供するものと思う。」


マウスの実験ですが、低炭水化物食が、がん細胞の増殖を遅くし、乳ガンねずみの発がんを予防したようです。

マウスの段階ですので、まだまだヒトにそのまま当てはめることはできないと思いますし、今後の検討が必要というパターンではあります。しかし、理論的にはとても魅力的ですね。



江部康二



☆☆☆☆☆
Abstract
Since cancer cells depend on glucose more than normal cells, we compared the effects of low carbohydrate (CHO) diets to a Western diet on the growth rate of tumors in mice. To avoid caloric restriction–induced effects, we designed the low CHO diets isocaloric with the Western diet by increasing protein rather than fat levels because of the reported tumor-promoting effects of high fat and the immune-stimulating effects of high protein. We found that both murine and human carcinomas grew slower in mice on diets containing low amylose CHO and high protein compared with a Western diet characterized by relatively high CHO and low protein. There was no weight difference between the tumor-bearing mice on the low CHO or Western diets.

Additionally, the low CHO-fed mice exhibited lower blood glucose, insulin, and lactate levels. Additive antitumor effects with the low CHO diets were observed with the mTOR inhibitor CCI-779 and especially with the COX-2 inhibitor Celebrex, a potent anti-inflammatory drug. Strikingly, in a genetically engineered mouse model of HER-2/neu–induced mammary cancer, tumor penetrance in mice on a Western diet was nearly 50% by the age of 1 year whereas no tumors were detected in mice on the low CHO diet. This difference was associated with weight gains in mice on the Western diet not observed in mice on the low CHO diet. Moreover, whereas only 1 mouse on the Western diet achieved a normal life span, due to cancer-associated deaths, more than 50% of the mice on the low CHO diet reached or exceeded the normal life span. Taken together, our findings offer a compelling preclinical illustration of the ability of a low CHO diet in not only restricting weight gain but also cancer development and progression.
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
いつも拝見させていただいております、広島のnissyと申します。
糖質制限食もはや三年になりました。
お蔭さまでHA1cの値も、2カ月に一度の検査で、今月は6.0になってしまいましたが、5.6から5.9の間を行ったり来たりの三年間です。
ただ尿素窒素とカリウムの値が毎回高く、食事内容を話していない主治医からは、水分が足らないのではとか、タンパク質が多すぎるのではと、毎回突っ込まれてしまいます。
今回は特に尿素窒素が31.8という数値でしたので、自分でも気になっています。
過去ログでも答えになるような記述が見当たらず、少しずつ正常範囲に近づくというものしか探せませんでしたので、アドバイスをいただければと思います。
来月53歳になり、177㎝67㎏で、発症時から約5kg減ってそれが維持されています。体調は良好です。
以上よろしくお願いします。
2011/07/28(Thu) 22:02 | URL | nissy | 【編集
Re: タイトルなし
nissy さん。

カリウムは糖質制限食とは関係ないと思います。
尿素窒素は基準値より高値はあります。
この場合、クレアチニン、血清シスタチンCを調べて正常なら問題ありません。

2010.10.30 (Sat)のブログ「クレアチニンとシスタチンCとBUN」
をご参照ください。

江部康二
2011/07/29(Fri) 08:35 | URL | ドクター江部 | 【編集
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