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アメリカ糖尿病食近況2011
アメリカ糖尿病食近況2011

こんにちは。

今回は糖尿東京人(在米)さんから、アメリカ糖尿病食近況について、コメントをいただきました。


【11/06/16 糖尿東京人(在米)
アメリカ糖尿食近況
江部先生
この一年アメリカ駐在になりHBA1cが無投薬で4.8~5.2と 数値が良好でしたのでご無沙汰していました。
依然として日本の食事指導が総カロリー規制だと知り ややショックを受けコメントさせていただきました。
患者自身が「糖質摂取量と上昇血糖値」が比例している一点さえ教えられていれば自分の身体で試して実感するでしょうに、知らないことの怖さを感じます。

ところで、本題のアメリカですが、日本とはかなり違う方向で食事指導がされています。
インスリンが一番効果的なのは当然として、西海岸の都市部では肥満と糖質のコントロールが投薬以上に重要だという医師のほうが多いです。

患者の状態により、発覚直後の血糖値を下げるためにほぼ糖質をカットするという処置はありますが、 糖質自体は不可欠な栄養素なので、いかに血糖値を上げないように必要最低限の糖質を摂取する方法を指導されます。

1食事の最初に主食類をとらない、野菜や肉類を先にとり
 後半に主食類を。
2糖質量は個人の糖尿コントロール状態により減量幅を決める。
 主食の減った分は野菜を増やす。
3主食の種類も全粒粉など繊維質の多いものを選び
 固く調理することで吸収を遅らせる。
4インスリン分泌のある人は食後ならばデザートもOK、
 その分は主食の糖質量と調整する

私の先生はこんな感じでした、「FEWER, SLOWER, LATER」 (糖質は少なめに、吸収の遅いものを、あとから摂取)という感じで食事の重点はカロリー制限よりも糖質の量と取り方に置かれています。

私のいるカリフォルニアはアジア系が多く、食事指導の際も人種にあった話をしてもらえます。

アジア系の非肥満者の糖尿発症率が高いのは認識されていて担当医師のグループでは、食事が原因だと考えているそうです。

白人の典型的な食事と比べ糖質が多く、「空腹にいきなり糖質」的な食事多く膵臓への負担が大きいそうです。

非肥満のアジア系患者は、食事指導で糖質をコントロールするだけで数値が大幅に改善し、過半数が無投薬で観察状態になるそうです。

糖尿発症率が高いのは遺伝子ではなく食事習慣だろうと考えているようです。

アメリカでは個々の医師の裁量幅が広く、患者も治療を自由に選べるあくまで西海岸の都市部での一歩進んだ糖尿意識です。

人口が少なく生活習慣病医不足の中西部、南部では今でも 「EAT LESS, WALK MORE, AND LOSE WEIGHT」
(食事を減らして歩いて減量)が基本です。

即座に手術などが必要なく、毎日の食事が将来の病状を大きく左右する糖尿は永くつきあう友達のようで、悪魔のような存在ですね。】



糖尿東京人(在米)さん。
お久しぶりです。
とても貴重な情報をありがとうございます。

「HbA1cが無投薬で4.8~5.2%」

絶好調ですね。
良かったです。

【依然として日本の食事指導が総カロリー規制だと知りややショックを受けコメントさせていただきました。 患者自身が「糖質摂取量と上昇血糖値」が比例している一点さえ教えられていれば自分の身体で試して実感するでしょうに、 知らないことの怖さを感じます。】

その通りです。

日本では医師も栄養士も

「血糖値を上昇させるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上昇させない」

という基本的なことを、学校で教育されていないことが、根本的におかしいです。

栄養学に関しては文明国とはとても思えない医学教育レベルです。医師や栄養士が知らないのですから、患者教育以前の問題です。

幸い、日本糖尿病協会発行の「さかえ」2011年1月号の<食品交換表の温故知新>という特別企画記事で、京都大学大学院、人間・環境学研究科、教授、津田謹輔先生が、現行の食品交換表について

「・・・診療の場で最も大切な血糖コントロールと血糖値に大きな影響を与える糖質について特別の記載がありません。血糖コントロールが合併症予防に重要であり、食後血糖値に影響するのは、エネルギーではなく糖質であることを明記してよいのではないかと思います。」

と述べておられるので、やっと欧米水準に一歩近づこうとしている現状と思います。。

【西海岸の都市部では肥満と糖質のコントロールが投薬以上に重要だという医師のほうが多いです。

患者の状態により、発覚直後の血糖値を下げるためにほぼ糖質をカットするという処置はありますが、糖質自体は不可欠な栄養素なので、いかに血糖値を上げないように必要最低限の糖質を摂取する方法を指導されます。

1食事の最初に主食類をとらない、野菜や肉類を先にとり
 後半に主食類を。
2糖質量は個人の糖尿コントロール状態により減量幅を決める。
 主食の減った分は野菜を増やす。
3主食の種類も全粒粉など繊維質の多いものを選び
 固く調理することで吸収を遅らせる。
4インスリン分泌のある人は食後ならばデザートもOK、
 その分は主食の糖質量と調整する

私の先生はこんな感じでした、「FEWER, SLOWER, LATER」(糖質は少なめに、吸収の遅いものを、あとから摂取)という感じで 食事の重点はカロリー制限よりも糖質の量と取り方に置かれています。】


基本的には、糖質制限と低GI食品の組み合わせですね。

これなら、欧米人の2型糖尿病のほとんどを占める、BMI30以上の肥満でインスリン抵抗性が主で、インスリン分泌能力はまだ残っている糖尿人には、一定の効果があると思います。

しかし、肥満がなくインスリン分泌不足が主たる要因である日本の糖尿人には、GIはあまり役に立ちません。

やはり糖質制限食にまさる食事療法はありません。

インスリン抵抗性が主の欧米タイプの糖尿人にも、実際には糖質制限食のほうが有効です。

【アジア系の非肥満者の糖尿発症率が高いのは認識されていて 担当医師のグループでは、食事が原因だと考えているそうです。

白人の典型的な食事と比べ糖質が多く、「空腹にいきなり糖質」的な食事多く膵臓への負担が大きいそうです。

非肥満のアジア系患者は、食事指導で糖質をコントロールするだけで数値が大幅に改善し、過半数が無投薬で観察状態になるそうです。

糖尿発症率が高いのは遺伝子ではなく食事習慣だろうと考えているようです。】


これは、その通りと思います。

【アメリカでは個々の医師の裁量幅が広く、患者も治療を自由に選べるあくまで西海岸の都市部での一歩進んだ糖尿意識です。 人口が少なく生活習慣病医不足の中西部、南部では今でも 「EAT LESS, WALK MORE, AND LOSE WEIGHT」 (食事を減らして歩いて減量)が基本です。】

そうらしいですね。

カリフォルニア州の西海岸の都市部やニューヨークでは、糖質制限食OKレストランやスーパーに糖質制限食コーナーまであるようです。

一方で、田舎の州ではカロリー制限食で糖質50~60%という感じで日本糖尿病学会の推奨する食事療法と同一のようですね。

ともあれ糖尿人は、美味しく楽しく糖質制限食で自己管理したいものです。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
はじめまして
5月1日に初めて糖尿病検査をし、HbA1cが7・1ということで糖尿病人の仲間入りをしましたさんちです。41歳女性です。最初は絶望してしまい、まだ子供も小学生だしどうしようと泣いてしまいましたが、たまたま江部先生のご本に出会える幸運に恵まれ、勉強しました。スーパー糖質制限で一ヶ月半、先週また二度目の検査に行ったところ、いきなり5・5ということで、クリニックの先生に大変驚かれました。ただ初期の眼底出血が左目にあることと、尿アルブミンが47ということで、それはまだ心配しなくていいと言われました。この尿アルブミンが高いと、糖質制限をしてお肉やチーズを中心に食べることはマズイですか?私としては血圧も安定し、体の調子もいいのでこのままスーパー糖質制限を続行したいと思っています。なおこの一ヶ月半、糖質制限と毎日一時間のウォーキングをしたところ、体重が83キロから67キロに減りました。これはかなり大きい数字だとおもうのですが問題ありませんか。いろいろ質問して本当に申し訳ありません。何卒宜しくお願いします!
2011/06/17(Fri) 23:18 | URL | さんち | 【編集
アドバイスありがとうございました。

母は自宅療養に切り替える事に決めました。
糖質除去食で頑張って行きます。

日本では、まずはお米をしっかり食べて、総カロリーを抑えましょう、みたいな指導をされる方が多い事なんですね。

最初の医師が江部先生の著作を参考にしていたので、新しく変わった医師が変人かと思っていたのですが…。
アメリカより遅れているみたいですね。
本当にありがとうございました。
2011/06/18(Sat) 07:09 | URL | マァちゃん | 【編集
Re: タイトルなし
マァちゃん

そうですね。

日本医学界の現状においては、江部康二が変人?で
新しく着任したカロリー制限派医師が普通です。

それでも、変人が徐々に増えていますのでご安心下さい。
2011/06/18(Sat) 15:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
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