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学会誌「糖尿病」に掲載された石田均氏の糖質制限食批判論文への論評
おはようございます。

日本糖尿病学会・学会誌「糖尿病」(Vol.54 No.4 Apr.2011)に、杏林大学の石田均先生が「カーボカウントの利点と欠点」というタイトルで解説されています。2011年の4月号です。

その論文の「おわりに」で以下のように述べておられます。

低炭水化物食(糖質制限食)への批判展開ですね。

本当に根拠があるのか検討してみましたが、やはり根拠なしでした。( ̄_ ̄|||)


【「カーボカウントの利点と欠点」について、中立的な立場で述べてみた。

しかしながら本稿の最後に警笛を鳴らしたいことは、この方法の一種の悪用により極端な糖質の制限に走らないように留意すべき点である。

ごく最近の糖尿病症例を対象としたRCTにおいても、極度の低炭水化物食(炭水化物20%、脂質60%)の場合、通常の炭水化物60%+脂質20%の食事と比較すると全身の動脈の硬化度がむしろ悪化しているとの成績が示されており、一見血糖値が下降して糖尿病の病態が改善した様に見えたとしても、大動脈のみならず全身の臓器に張りめぐらされている血管系に対し、高血糖以外の機序により何らかの悪影響を及ぼしている可能性が推測されている。

すなわち従来からの和食の基本となる低脂肪食が長期にわたる心血管の保護に大いに寄与していることが、いま改めて臨床のエビデンスとして明らかとなって来ている。・・・(後略)】


糖尿病学会誌にこういう記事が掲載されたのは、いよいよ糖尿病学会としても「糖質制限食」の流れを、無視できなくなってきたということだと思います。

また、糖質制限食とカロリー制限食の学問的論争が起こることは大いに望ましいことです。論争は熱烈歓迎です。


それで早速、『ごく最近の糖尿病症例を対象としたRCT』として、石田均先生が論文の根拠として引用しておられる、以下の英文の文献を取り寄せて読んでみました。

『Una Bradley1, Michelle Spence2, C. Hamish Courtney1, Michelle C. McKinley2, Cieran N. Ennis1, David R. McCance1, Jane McEneny2, Patrick M. Bell1, Ian S. Young2 and Steven J. Hunter1
Low-Fat Versus Low-Carbohydrate Weight Reduction Diets
Effects on Weight Loss, Insulin Resistance, and Cardiovascular Risk: A Randomized Control Trial
Diabetes 58:2741-2748』


米国糖尿病協会の医学雑誌Diabetesですから、それなりの文献かと思ったのですが、なんと

『SUGAR BUREAU (砂糖局)U.K.』、英国砂糖局がスポンサーの一つで、怪しさがたっぷり漂って来ました。

この論文、肥満者24人を被験者として8週間ですから、期間も短いし人数も少ないので、そもそも信頼度はいまいちです。

結論から言います。

かなりひどい歪曲された論文でした。

このような論文しか引用できなかった、杏林大学の石田均先生に同情したくなるほどです。

言い換えれば、糖質制限食に不利なデータを示す信頼度の高い文献が、現時点で存在しないことの裏返しと言えますね。 (^_^)


【極度の低炭水化物食(炭水化物20%、脂質60%)の場合、通常の炭水化物60%+脂質20%の食事と比較すると全身の動脈の硬化度がむしろ悪化しているとの成績が示されており】

石田均先生は英文の原著の本文を読まれたのでしょうか?

原著の本文を読むと、

Aortic augumentation index(動脈硬化の指標の一つ)は、低炭水化物食では有意な変化をしていません。

つまり、悪化していません。

原著の冒頭の要約の「結果」には、あたかも低炭水化物食でAortic augumentation indexが悪化したかのような記載があるのですが、石田均先生はそれをそのまま引用されたようです。

しかし、繰り返しますが、本文の記載では有意差はなく、低炭水化物食による悪化は認められません。

このように、本文をよく読めば真実が判明しますが、冒頭の「結果」や「結論」だけみると騙されてしまいます。

典型的な歪曲論文の手口です。

英国砂糖局がスポンサーの論文には、同様の歪曲論文が多いので注意が必要です。

さらに英文原著の本文を読むと、低炭水化物食群において中性脂肪値とHbA1cが有意差をもって改善していますが、低脂肪高炭水化物食群では改善なしです。

原著では、低炭水化物食群における中性脂肪値とHbA1cの有意な改善を、意図的に冒頭の「結果」から省いています。

これは、せこいを通り越して、詐欺同然ですね。

インパクトファクター(*)が8.261のDiabetesにして、このようなことがまかり通るのですから
ゆめゆめ油断は禁物ですね。


(*)インパクトファクター(Impact Factor)とは1論文あたりの引用回数の平均値を計算したものです。自然科学・社会科学分野の学術雑誌の影響力を示すとされています。インパクトファクターが高いほど、影響力の高い論文を収録していることになります。


最後に、糖質制限食の効果を証明する、信頼度の高い疫学研究の報告です。

糖質制限食によりHDLコレステロールが増加し、体重も減少しています。上述の英国砂糖局がスポンサーの論文とは、研究期間も人数もけた違いで信頼度が全く違います。

ちなみに、ニューイングランド・ジャーナルのインパクトファクターは50.0(1位)
米国医師会雑誌のインパクトファクターは31.7(2位)

です。
 
☆☆☆

①<2008年のニューイングランド・ジャーナル、イスラエルの研究報告>
NENGLJ MED JULY17,2008、 VOL359. NO.3 229-241

「低炭水化物食(糖質制限食)が最も体重を減少させ、HDL-Cを増加させた。」

が、長年の食事療法の論争に決着をつけたと思います。

これは、ネットの1個人の意見や仮説ではなく、322人を2年間追跡した権威ある疫学的研究です。

低炭水化物法が最も体重減少。HDL-Cも増加。
• イスラエルの322人(男性86%)
• (1)低脂肪法(カロリー制限あり)
• (2)オリーブ油の地中海法(カロリー制限あり)
• (3)低炭水化物法(カロリー制限なしのアトキンス式ダイエット)
• 3グループの食事法を2年間経過観察。
• 低炭水化物法が最も体重減少。HDL-Cも増加。
• NENGLJ MED JULY17,2008、 VOL359. NO.3 229-241

体重などを分析した結果、2年後の体重減少幅の平均は
(1)低脂肪法 2.9キロ
(2)地中海法 4.4キロ
(3)低炭水化物法 4.7キロ
となり、
(3)低炭水化物法が最も減少していた。また、善玉コレステロールも増えていた。


②<JAMA(米国医師会雑誌)>

2007年3月,JAMA297:969-977

「the A TO Z Weight Loss Study: a randomized trial.」という論文が発表されました。

アトキンス(Atkins)、ゾーン(Zone)、ラーン(LEARN)、オーニッシュ(Ornish)ダイエットのそれぞれの1年間の体重減少効果をみた研究論文です。

311人の女性を上記4グループに分けて追跡したものです。これら4種のダイエット法は、いずれも米国でポピュラーなものです。

結果は、アトキンスダイエット( 糖質制限食)が、」最も体重を減少させ、HDL-コレステロールを増加、中性脂肪を減少させることが明らかとなりました。 (^O^)

アトキンスダイエットは低糖質食で、私達の糖質制限食と基本的考えは一緒です。1年間で平均4.7kg減少です。

ゾーンダイエットは、タンパク質・炭水化物・脂質の比率を40:30:30にするというものです。平均1.6kg減少です。

ラーンダイエットは、高炭水化物、低脂肪食です。平均2.6kg減少です。

オーニッシュダイエッは、菜食主義風のダイエットです。カロリーの10%を脂肪分から、20%をたんぱく質、70%を炭水化物からという割合の食事です。平均2.2kg減少です。最も高炭水化物で、最も低脂肪です。

このように①ニューイングランド・ジャーナルと②米国医師会雑誌という2つの権威ある医学雑誌に載った論文で、「糖質制限食」が「高糖質低脂質食」より体重減少効果があることが証明されました。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
総コレステロール
江部先生

学会も糖質制限食を無視できなくなってきたことは、ご同慶の至です。病理研究者も親分が炭水化物主義だと弟子はやりにくいのが普通ですから、少しでも研究者が増えることを祈ります。
小生の場合を申し上げますと、カーボン25%、蛋白50%
脂肪25%の大まかな食生活だと思いますが、HDL-C
も増え、LDL-Cはあまり変化せず、中性脂肪は60になりました。しかし総コレステロール値は219上限いっぱいに張り付いたままです。運動は殆どしない65歳です。通勤でエスカレーターなどを利用せず、階段を利用して1日の歩数が4千歩弱でしょうか。運動量で総コレステロール値は改善しますでしょうか。
2011/05/31(Tue) 10:45 | URL | mmx | 【編集
Re: 総コレステロール
mmx さん。

2007年の日本動脈硬化学会のガイドラインから、総コレステロールは、はずされています。
HDL-CとLDL-Cが、ガイドラインに基準値があります。
HDL-Cが多いほど、ガンと心筋梗塞のリスクがへります。
LDL-Cが、低すぎるとガンになりやすいです。
TC219mgは全く問題ありません。

2011年4月の私のデータです。HDL-Cが多ければ、TCもこのくらいが一番いいと思います。
TC:247mg/dl(150~219)
TG:58mg/dl(50~149)
HDL-C:100.6mg/dl(40~98)
LDL-C:134mg/dl(140未満)
2011/05/31(Tue) 12:01 | URL | ドクター江部 | 【編集
なぜ高蛋白障害を声高に挙げ連ねるのか理解できません
毎日、楽しく拝見しております。
先生のおっしゃる通り、糖質制限食に不利なデータを示す信頼度の高い文献は、現時点で見つけだすのが至難です。

LoBAGを始めるにあたって、まずは素人ながら、さまざまなレポートを調べまくってみたのですが「だめ、よくない」との話はあっても、論拠となるdataがどれもこれもチープなものばかりでした。
それもあって、やるしかないねと思って主治医とタッグを組んで血液/尿検査を随時行いながら。そして牧田先生に合併症の有無を見ていただきながら実施したLoBAGは、半年で予想通りの効果を僕にもたらしました。
驚くばかりです。

日本の糖尿学界は、高蛋白質障害の起きる可能性を言い続ける「理由」は・・・実のところ、もっと別の政治的理由があるのでは?と思ってしまうのは邪智でしょうか??
2011/05/31(Tue) 13:47 | URL | 隅田川散人 | 【編集
No title
毎日、貴重な情報ありがとうございます。

拍手、1000回!!。

UK砂糖局の情報 → 日本の精糖団体、製菓団体、製粉団体 →

→ 糖尿病学会、糖尿病協会
    OR/AND
→ 石田均氏 → 雑誌(駄)文  

なのでしょうか。
2011/05/31(Tue) 13:48 | URL | サヌカイト | 【編集
Re: お久しぶりです!
ミナ さん。

糖質制限食で食後高血糖が正常になります。
しかし肝臓で糖新生するので、
低血糖の可能性は少ないと思います。

一方、低カロリー過ぎて力がでないことがたまにあるのでご注意ください。
脂質・タンパク質は充分量摂取してくださいね。

食後5.6時間でしんどくなるなら、適宜ナッツ類を20~30粒くらい間食で補給してみたら如何でしょう。
2011/05/31(Tue) 14:43 | URL | ドクター江部 | 【編集
御用学者なのでしょうか
糖質制限が糖尿病治療には有効である事は、江部先生の書かれたものを読み、さらに私自身が実践(約10ヶ月)した結果でも明らかです。

お医者さんに限らず日本の学者(原子力学者、歴史学者、など)の中には、自分の地位(美味しい生活)を守るためだけに恥も外聞も無く発言する御用学者がなんと目立つことか!

今まで、権威ある先生の発言どおりに治療してきた患者のことを考えて、もっと真摯に、責任ある議論をしてほしいです。 

江部先生、頑張ってください。

2011/05/31(Tue) 19:10 | URL | トマト生産者 | 【編集
石田Dr.は同級生
お久しぶりです。5/28-5/29の第11回日本抗加齢医学会総会で、当院の藤Dr.が糖質制限食の発表をしました。発表が始まって、会場の「耳が非常に大きくなった」印象を受けました。座長は糖尿病専門医の方でしたが、強烈な反対はされませんでした。副食についての質問をされましたが。
来年もCRのことで演題を発表する予定です。

石田Dr.は京大の同級生です。と言うことは先生の後輩です。
時々会いますので、今度CRについて、話をしてみたいと思います。
2011/06/01(Wed) 12:36 | URL | 馬渕茂樹 | 【編集
ありがとうございました。
江部先生お返事ありがとうございました。
確かに少し食が細くなりすぎていたのかもしれないので、しっかり復習して、5、6時間後のクルミの摂取も心掛けようと思います(*^-')b11日の採血を楽しみに頑張ります!!
またご報告させてください。
2011/06/01(Wed) 12:57 | URL | ミナ | 【編集
このネタは是非、次著に!
江部先生。

いつも貴重なご投稿に、心から感謝・敬服いたしております。私自身、
糖質制限のお陰で、減量と健康増進に大成功できた人間の1人ですから。

さて本日のご投稿は、いつにもまして、超素晴らしい。拍手一億回です。

ぜひ次著にも、本日のご投稿を反映くださいませ。いや、いっそのこと、
ですね。本日のご投稿の内容を思い切り膨らませて、本一冊に仕立て
上げられないか、プロの編集者にご相談なさるべきです。

  (ご高承の通り、そういうアクロバット技こそ彼らの本領ですから)
2011/06/01(Wed) 21:47 | URL | 元熊男 | 【編集
日本の文化社会
コメ作りを基本として長年なりたってきたから、保守派=米作農民であるからして、現時点での糖尿病患者および予備軍の多く[約1000万人]が糖質制限で主食を抜きだしたら、保守派から大反撃を食らうのは必然でしょうね。米作農家は糖質制限食の行方を戦々兢々と見守っているのかも知れません。もちろんマスコミの関係者たちもです。彼らの本音としてはカロリー制限とインシュリン多用のことなかれ主義で延命したいのが金儲けの本質なのでしょう。
現代の忌まわしいものは花粉症産業の巨大化。
人工透析産業の巨大化。
2011/06/01(Wed) 23:34 | URL | 風男 | 【編集
Re: 石田Dr.は同級生
馬渕茂樹先生、
第11回日本抗加齢医学会総会での藤先生のご発表、ごくろう様です。
そうですか。馬淵先生の同級生で私の後輩ですか。
ともあれ「この方法の一種の悪用」と書かれたら、反論するしかないですね。

2011/06/02(Thu) 07:56 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖尿病食事療法Q&A
konkon さん。

情報ありがとうございます。
その本、早速購入して読んでみます。

糖質制限食が、人体に有害であるという、信頼に値する研究報告は、
本ブログ<学会誌「糖尿病」に掲載された石田均氏の糖質制限食批判論文への論評>2011.5.31
にも明らかなように、基本的にありません。

一方、糖質制限食が有効であるというデータは、上記ブログにも明らかなように
信頼度の高い研究報告が複数あります。

逆に有効性の科学的根拠がないのが、高糖質食です。
2011/06/03(Fri) 19:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
先生のお考えには同意いたしますが。
先生のご意見はとても勉強になります。しかし、ブログという公共性の高い場所で個人を実名を挙げて批判するのは如何なものかと。実名をあげずとも、雑誌掲載記事に対する反論は十分できるはず。少し下品な手段ですよ。余程、後輩の石田氏がお嫌いなのですね。
2011/06/04(Sat) 18:29 | URL | 一閲覧者 | 【編集
Re: 先生のお考えには同意いたしますが。
一閲覧者 さん。

一面識もないので、石田先生にはうらみもつらみもありません。

単純な学術論争と認識していただけば幸いです。
2011/06/04(Sat) 19:23 | URL | ドクター江部 | 【編集
Diabetes誌の原著を読んでみました
3週間ほど前に江部先生の本を読んで触発されて、糖質制限食を始めた一市民です。おかげさまで、体重が減少し始め、また尿糖も検出されなくなりました。大喜びしているところです。ありがとうございました。

私にとって、神様のような人に指摘するのは気が引けるのですが、気になる点があったので、指摘しておきます。早速、Diabetes誌の原著を読んでみました。 「低炭水化物食群における中性脂肪値の有意な改善」は言えると思いますが、「低炭水化物食群におけるHbA1cの有意な改善」は言えないのではないでしょうか?確かに、P値が<0.01なので有意ではありますが、5.3± 0.3から 5.2±0.003 への変化をもって、改善とするのは無理があると思います。SDが0.003であったために、たまたま有意な差になったのだと思います。
2011/09/01(Thu) 15:33 | URL | 一市民 | 【編集
Re: Diabetes誌の原著を読んでみました
一市民 さん。

体重と尿糖の改善、良かったですね。

私は、統計処理は苦手な分野です。 (∵)?
一市民さんのご指摘通り、この論文
数値の改善だけみたら、HbA1cは、低炭水化物群と低脂質食群とで、そんなに差はないように思えます。
感覚的には私も一市民さんと同様に思います。

しかし、論文の著者が何らかの統計的手法で検定をして、その結果HbA1cに関しては
低炭水化物群では有意な改善が認められ、一方低脂質食群では有意な改善は認められませんでした。

従いまして、私が主張しているのではなくて、この「Diabetes 58:2741-2748」の論文の本文の表に
明確に記載してある事実を、ブログで紹介しただけということをご理解いただけば幸いです。
2011/09/02(Fri) 08:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
公と私
新学期の準備、特に、課題テスト対策で、月末は慌ただしく過ごしていました。●さて、先生のブログを開いてみると、古いコメントが目に入りました。「ブログという公共性の高い場所で個人を実名を挙げて批判するのは如何なものかと。…」(一閲覧者)。ブログを書いていると辛いのがこういうとき。言っていることが、さも正論のようで、実は、匿名性ならではの言いたい放題。時には、誹謗中傷何でもありというもの。冗談じゃない、公共の場だからこそ名を名乗って尋常に勝負せい!と、私は言いたい。笑●ちなみに、(「テレビで言えないホントの話」(2011.9.2)、和田秀樹氏のブログより引用。)「…私はそのニュースを見ていないのだが、血液検査でうつ病の診断ができるとかいうニュースが流れたそうだというメッセージをいただいた。現在、その手の研究は現実にあるし、予想していたよりは精度が高いようだが、どのくらい確実なものかについては私は疑問をもっている。画像診断で、統合失調症やうつ病がわかるという研究も進んでいる。ただ、私はその手の研究をする人たちが、人間的に信頼できないことが問題だと思っている。脳死移植についても、悪気はなく、人助けのつもりなのかもしれないが、最初のケースが、腎臓移植だけだったら美談だったのに、糖尿病が治るとかという触れ込みで、やったことのない膵臓移植までやって、人工透析を受けながら働けていた人が、手術後、一度も社会復帰することなく、1年ちょっとで死んだという事件があった。ピッツバーグ大学で肝移植を学んだ、その膵臓移植をやったことのない医者は、その後、日本移植学会の理事長になった。ひどい移植だという批判をほかの移植医がしなかったとすれば、私は日本の移植医を信用する気にならない。いっぽうで、多くの人の命を救った病気腎移植の万波医師はコテンパンに叩かれた。そして、その調査委員会の委員長が、例のつくば大学膵腎同時移植の執刀医の深尾立医師だった。自分のやったことを棚にあげてよくそんなことができると思った。余談は長くなったが、画像診断で統合失調症やうつ病がわかると主張する某超有名大学の教授は、若い医者に、「患者の話なんか聞くから誤診をするんだ」と公言しているという(賢いから、マスコミにはそんなことを言わないが)この考え方だと、血液検査や画像診断上うつ病でないということになれば、どんなに患者が症状に苦しんでいても、偽物のうつ病とか、ひどい場合は仮病扱いされてしまう。しかし、日本で最高権威の大学の精神科の教授がそういう考え方の持ち主なのだから、これが笑い話ですまされないかもしれない。もちろん、確実な診断や、薬の効くタイプのうつ病をみつけるための生物学的研究を否定する気はない。ただ、そういう研究者の多くがカウンセリング無用論者で、医局から、カウンセリングの専門家を追い出していることが問題なのだ。・・・」というようなのもあって、ズバリ、名前を出しています。もちろん、文章としては、ブログのタイトル通り、過激で、どうやら一杯頂きながら、一日の終わりにお書きになっているようで、感情も高ぶっている。(笑)。それに比べると、先生の文章は、穏やかで、理知的で、名文の鏡と思っています(元代ゼミの国語・小論文講師が、Aを出します。失礼~笑)。古い話を蒸し返してすみません。業界、学会、さまざまな圧力はあると思いますが、頑張って正しい道をお披露目ください。(宗教ではないが。)●そうそう、塾生の親が、神戸屋サンドイッチの北九州地区の経営をしているので、先生のブログやご著書を紹介して、糖質制限サンドイッチを販売するように言いました。高知のアイスなど…やればできるし、糖尿病患者に喜ばれること請け合いと思いますが。
2011/09/02(Fri) 13:32 | URL | 三島  | 【編集
訂正
お披露目→お・広め・て→広めて
2011/09/02(Fri) 15:17 | URL | 三島  | 【編集
DVD鑑賞会
明日は、半月ぶりのお休みです。なんといっても、お楽しみは、先生のDVD鑑賞です。親子3人、正座して(笑)、鑑賞させていただきます。また、感想など、ご報告させていただきます。
2011/09/02(Fri) 15:23 | URL | 三島  | 【編集
Re: 公と私
三島さん。

応援ありがとうございます。
私も、学術論争は活発にしたほうがいいし、曖昧さを排除する意味でも実名のほうがスッキリすると思います。

「穏やかで、理知的で、名文の鏡と思っています(元代ゼミの国語・小論文講師)が、Aを出します。」

光栄です。嬉しい限りです。
2011/09/02(Fri) 16:03 | URL | ドクター江部 | 【編集
「Diabetes誌の原著を読んでみました」です。
江部先生

上記の「Diabetes誌の原著を読んでみました」の者です。丁寧なお返事ありがとうございました。先生に言われていることに納得しました。

ところで、私の自己紹介しますと、職業は生化学の教育と研究です。研究対象はヒトや動物ではありませんが、この分野の学術的なことは、他の患者よりはよく理解できます。

Diabetes誌の論文の話を続けますと、そもそもSDが0.003であること自体が異常で、きちんと研究を行っていないことを示唆しています。

さて、話はかわります。前回の投稿の後の9/3(土)に開催された平成23年度日本栄養・食糧学会九州・沖縄支部のシンポジウムに出かけてきました。http://extwww.cc.saga-u.ac.jp/~knagao/Shibu2011.htmlです。

ここで石田均氏の講演がありましたので、その様子を報告します。石田均氏は、食品交換表の編集長で、カーボカウントを次の版で取り入れたいという話をしていました。「あまりにも遅すぎる」と感じました。

その後、糖質制限食批判に移りました。糖質制限食を主張する人たちを繰り返して「詐欺師」と批判していたのが印象的でした。Diabetes誌の論文の紹介もありました。そのプレゼンテーションの方法ですが、実際の数値を示すものではなく、矢印の傾斜で数値変化を示すというものでした。そして、Aortic augumentation index(動脈硬化の指標の一つ)を示す矢印が上昇していました。実際には、12.3±12.2から14.5±11.9への変化で、P値が0.32ですので、江部先生が言われるとおり、「変化していない」が正しいです。

いろいろ政治的な理由があり、その場で、石田均氏批判することはしませんでしたが、腹立たしい一日でした。私は科学者として、石田均氏の詐欺的プレゼンテーション手法が許せません。
2011/09/05(Mon) 11:59 | URL | 一市民 | 【編集
Re: 「Diabetes誌の原著を読んでみました」です。
一市民 さん。

基礎研究と教育分野の科学者さんなのですね。

「Diabetes誌の論文の話を続けますと、そもそもSDが0.003であること自体が異常で、きちんと研究を行っていないことを示唆しています。」

そういうことなのですね。よくわかりました。情報をありがとうございます。

石田均先生が、本文をきっちり読まれた上でのご発言なら、
意図して虚偽の結論を述べておられることになりますね。
また、本文を読まずに、要約だけを鵜呑みにされているのなら、科学者としては如何なものかと思います。
2011/09/05(Mon) 19:24 | URL | ドクター江部 | 【編集
石田均先生の講演の模様をもっと詳しく報告します
江部先生

上記の「一市民」です。シンポジウムのプレゼンテーションの模様をもっと詳しく報告します。

Diabetes誌の論文の結果について、各検査項目ごとに増減を矢印の傾斜で示している図でした。したがって、要約だけを読んで、この図を作ることは不可能です。

もちろん石田研究室の他のスタッフがこの図を作っ可能性があります。したがって、石田先生が虚偽であることに気がついていない可能性はあります。しかし、責任はボスにあるのが原則です。
2011/09/08(Thu) 17:27 | URL | 一市民 | 【編集
Re: 石田均先生の講演の模様をもっと詳しく報告します
一市民 さん。

詳しい情報をありがとうございます。

石田研究室として、本文を読んでおられるとしたら、
有意差がないということは、知っておられるはずです。

知っていて虚偽の発表とは、さすがによろしくないですね。
2011/09/08(Thu) 18:15 | URL | ドクター江部 | 【編集
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