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糖尿病と糖質管理食①
こんばんは。江部康二です。
今日の京都の夜は、そこそこ涼しいです。今夜は、久しぶりにクーラーなしで眠れそうです。

さて今回は、時々ブログにも登場していた「糖質管理食」についてのお話、その①です。

糖尿病は、一般には『インスリンの絶対的、相対的不足のために糖代謝や蛋白質代謝、脂質代謝に異常を生じ、慢性的な高血糖の結果、特有の糖尿病合併症をもたらす病気』と定義されています。

しかし私達は、糖尿病の本態は、あくまでも糖質処理システムの機能低下・破綻が主と捉えています。なぜなら、血糖値を急峻に上昇させるのは糖質・タンパク質・脂質のうち糖質だけだからです。

糖尿病の患者に糖質摂取を制限する食事療法は、日本では高雄病院以外にはあまり見られません。しかし、2003年に発表されたDiabetes UK. Diabetic Medicineによれば、欧米、特にヨーロッパにおいては、糖質摂取量を計算してある程度減らす食事療法が特に異端ではなく、糖質管理食(carbohydrate counting)という概念が定着しています。

また米国においても、1993年に発表された1型糖尿病研究のDCCTにおいて糖質管理食が成功を収めたことで、食品交換表(カロリ-制限最優先)一辺倒ではなくなっています。

例えば、1999年ミス・アメリカ ニコール・ジョンソンさんの食事療法が糖質管理食です。

さらに、2002年の米国糖尿病協会(ADA)ガイドラインで、糖質とオリーブオイルなど1価不飽和脂肪酸(MUFA)でカロリー比60%~70%を摂る「地中海型の食事」が正式に推薦されました。

この結果、米国の糖尿病患者は、従来の「高炭水化物、低脂肪食」、地中海型の「低炭水化物、高脂肪食」、そして糖質管理食などを自分で選択できることとなりました。

これに対して、日本では相変わらず「糖質60%、タンパク質20%、脂質20%」の高糖質食一辺倒です。

一方、2005年の日本糖尿病学会総会で、米国から糖質管理食の専門医が招聘されてシンポジウムが開催されたのは、とても良いことだったと思います。

また、2006年3月に「かんたんカーボカウント」(医薬ジャーナル)という本が大阪市大の小児科グループにより出版され、日本でもやっと糖質管理食の夜明けという状況になりつつあるようです。

なお、欧米の「糖質管理食」という考え方をさらに発展させ、3食とも主食を摂取しなくても良いと徹底したのが、高雄病院の「糖質制限食という見方もできます。

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Diabetes UK:糖尿病患者への英国最大の慈善団体。ケア及び治療、原因と予防などに関する様々な研究を援助し、糖尿病患者を支援している。
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
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