2011年05月23日 (月)
おはようございます。
コーヒーに含まれているカフェイン、血糖値を上昇させるとか、いろんな情報が錯綜しています。
復習を兼ねて整理してみましょう。
五訂日本食品標準成分表によると
「コーヒー・浸出液100g中に
エネルギー(kcal) 4.0
たんぱく質(g) 0.2
脂質(g) 0.0
炭水化物(g) 0.7
※食物繊維(g) 0.0
カフェイン40mg 」
が含まれています。
食物繊維はゼロなので、炭水化物0.7gは全て糖質です。
しかし100g中に0.7gの糖質なら、通常の量のコーヒーなら心配いりません。
とは言っても、1日に2リットルのコーヒーを飲む強者がいたら、14gの糖質ですね・・・これはさすがに困りますが・・・ (*_*)
私もよくブラックコーヒー、あるいは生クリームを入れて飲みます。
コーヒーが好きで、毎日、4~5杯は飲んでいるので、いろいろ調べてみました。
たかがコーヒーされどコーヒー、いやはや調べてみると結構沢山、コーヒーと糖尿病の研究があるんですね。
成分表からみると、コーヒー1杯が約150gとして、1回の糖質量はしれていますので、通常の量なら糖質そのものによる血糖値への影響は少ないです。
一方、コーヒーにはカフェインが入っています。
「カフェインが血糖値を上げる」という報告が、医学雑誌「Diabetes Care」2008年2月号に掲載されました。
糖尿病患者10例を対象にした小規模な研究です。
対象者に1日4杯分のコーヒーに相当するカフェインを錠剤で摂取させたところ、血糖値が8%上昇したとのことです。
この研究は、24時間の短期間の血糖値をみたもので、長期間ではありません。
また、カフェインは錠剤で、コーヒーそのものとは違います。
さらに、極めて少人数なので、研究としての価値はボチボチです。
コーヒーと糖尿病に関する大規模研究は、オランダから発表されたものが最初だと思います。
男女1万7000人を7年間追跡した研究で、1日7杯以上コーヒーを飲む人は、1日2杯以下の人よりも糖尿病の発症率が5割少ないことが、2002年のLancet誌に掲載されました。
また「Annals of Internal Medicine誌1月6日号、2004年」に米国の大規模コホート研究結果が掲載されました。
『男性4万人、女性8万人を最長18年間追跡し、コーヒーを1日6杯以上飲む人では、2型糖尿病の発症率がコーヒーを飲まない人より大幅に低い。
一方、カフェイン抜きコーヒーを飲む人では、2型糖尿病の発症率が飲まない人より低いものの“予防効果”は通常のコーヒーほどではない。』
2型糖尿病の予防には、カフェインが有効な可能性が高いと、研究グループはみているそうです。
米医師会雑誌Journal of American Medical Association(JAMA)2004年3月10日号に載ったスウェーデンのUppsala大学公衆衛生・介護学部のJohan Arnlov氏らの研究グループの前向きコホート研究
「Uppsala Longitudinal Study of Adult Men(ULSAM)」に、
コーヒーの飲用に関する記述があり、2型糖尿病患者でない936人のデータを分析対象としています。
その結果、コーヒー摂取とインスリン分泌量には、関連性が見られませんでした。
上述の如く、オランダと米国の大規模研究では、コーヒーおよびカフェインが、糖尿病発症予防に役立つ可能性が高いことを示していますので、コーヒー党の私としては一安心です。ヾ(^▽^)
研究としては<10人で24時間の研究>に対し、二つの大規模研究のほうがはるかに価値が高いのです。
結論です。
カフェインは、ごく短期的に血糖値上昇作用が少しある可能性は否定できません。
しかし、カフェインを含む食品の代表であるコーヒーは、日常的な長期的な摂取により、2型糖尿病発症のリスクを低減させることが、複数の疫学的調査で確認されているので、安心して、コーヒーや緑茶などを飲んでよいと思います。(⌒o⌒)v
なおカフェインを1日200~300mg以上摂取した場合は 個人差はありますが、不眠・動悸・いらいら・頭痛・振戦・神経過敏などのカフェイン過剰症状がでることがありますので、飲みすぎには注意ですね。( ̄_ ̄|||)
カフェインを含む飲料には、コーヒー以外にお茶があります。
健茶王のカフェイン含有量は、番茶についで低いですね。
それに比べ、玉露のカフェイン含有量、半端じゃないですね。ヾ(゜▽゜)
**飲料別カフェイン含有量(福岡県薬剤師会調べ)
コーヒー 40mg/100ml
紅茶 50mg/100ml
せん茶 20mg/100ml
玉露 160mg/100ml
番茶 10mg/100ml
ウーロン茶 20mg/100ml
健茶王 13mg/100ml
江部康二
コーヒーに含まれているカフェイン、血糖値を上昇させるとか、いろんな情報が錯綜しています。
復習を兼ねて整理してみましょう。
五訂日本食品標準成分表によると
「コーヒー・浸出液100g中に
エネルギー(kcal) 4.0
たんぱく質(g) 0.2
脂質(g) 0.0
炭水化物(g) 0.7
※食物繊維(g) 0.0
カフェイン40mg 」
が含まれています。
食物繊維はゼロなので、炭水化物0.7gは全て糖質です。
しかし100g中に0.7gの糖質なら、通常の量のコーヒーなら心配いりません。
とは言っても、1日に2リットルのコーヒーを飲む強者がいたら、14gの糖質ですね・・・これはさすがに困りますが・・・ (*_*)
私もよくブラックコーヒー、あるいは生クリームを入れて飲みます。
コーヒーが好きで、毎日、4~5杯は飲んでいるので、いろいろ調べてみました。
たかがコーヒーされどコーヒー、いやはや調べてみると結構沢山、コーヒーと糖尿病の研究があるんですね。
成分表からみると、コーヒー1杯が約150gとして、1回の糖質量はしれていますので、通常の量なら糖質そのものによる血糖値への影響は少ないです。
一方、コーヒーにはカフェインが入っています。
「カフェインが血糖値を上げる」という報告が、医学雑誌「Diabetes Care」2008年2月号に掲載されました。
糖尿病患者10例を対象にした小規模な研究です。
対象者に1日4杯分のコーヒーに相当するカフェインを錠剤で摂取させたところ、血糖値が8%上昇したとのことです。
この研究は、24時間の短期間の血糖値をみたもので、長期間ではありません。
また、カフェインは錠剤で、コーヒーそのものとは違います。
さらに、極めて少人数なので、研究としての価値はボチボチです。
コーヒーと糖尿病に関する大規模研究は、オランダから発表されたものが最初だと思います。
男女1万7000人を7年間追跡した研究で、1日7杯以上コーヒーを飲む人は、1日2杯以下の人よりも糖尿病の発症率が5割少ないことが、2002年のLancet誌に掲載されました。
また「Annals of Internal Medicine誌1月6日号、2004年」に米国の大規模コホート研究結果が掲載されました。
『男性4万人、女性8万人を最長18年間追跡し、コーヒーを1日6杯以上飲む人では、2型糖尿病の発症率がコーヒーを飲まない人より大幅に低い。
一方、カフェイン抜きコーヒーを飲む人では、2型糖尿病の発症率が飲まない人より低いものの“予防効果”は通常のコーヒーほどではない。』
2型糖尿病の予防には、カフェインが有効な可能性が高いと、研究グループはみているそうです。
米医師会雑誌Journal of American Medical Association(JAMA)2004年3月10日号に載ったスウェーデンのUppsala大学公衆衛生・介護学部のJohan Arnlov氏らの研究グループの前向きコホート研究
「Uppsala Longitudinal Study of Adult Men(ULSAM)」に、
コーヒーの飲用に関する記述があり、2型糖尿病患者でない936人のデータを分析対象としています。
その結果、コーヒー摂取とインスリン分泌量には、関連性が見られませんでした。
上述の如く、オランダと米国の大規模研究では、コーヒーおよびカフェインが、糖尿病発症予防に役立つ可能性が高いことを示していますので、コーヒー党の私としては一安心です。ヾ(^▽^)
研究としては<10人で24時間の研究>に対し、二つの大規模研究のほうがはるかに価値が高いのです。
結論です。
カフェインは、ごく短期的に血糖値上昇作用が少しある可能性は否定できません。
しかし、カフェインを含む食品の代表であるコーヒーは、日常的な長期的な摂取により、2型糖尿病発症のリスクを低減させることが、複数の疫学的調査で確認されているので、安心して、コーヒーや緑茶などを飲んでよいと思います。(⌒o⌒)v
なおカフェインを1日200~300mg以上摂取した場合は 個人差はありますが、不眠・動悸・いらいら・頭痛・振戦・神経過敏などのカフェイン過剰症状がでることがありますので、飲みすぎには注意ですね。( ̄_ ̄|||)
カフェインを含む飲料には、コーヒー以外にお茶があります。
健茶王のカフェイン含有量は、番茶についで低いですね。
それに比べ、玉露のカフェイン含有量、半端じゃないですね。ヾ(゜▽゜)
**飲料別カフェイン含有量(福岡県薬剤師会調べ)
コーヒー 40mg/100ml
紅茶 50mg/100ml
せん茶 20mg/100ml
玉露 160mg/100ml
番茶 10mg/100ml
ウーロン茶 20mg/100ml
健茶王 13mg/100ml
江部康二
学会報告のダイジェストが掲載されております。
相変わらず、炭水化物の摂取を改めようという動きはすくないようですね。
相変わらず、炭水化物の摂取を改めようという動きはすくないようですね。
学 さん。
本のご購入ありがとうございます。
尿中ケトン体陽性は、問題ありません。
経過良好ですので、このまま糖質制限食をお続け下さい。
本のご購入ありがとうございます。
尿中ケトン体陽性は、問題ありません。
経過良好ですので、このまま糖質制限食をお続け下さい。
2011/06/27(Mon) 16:06 | URL | ドクター江部 | 【編集】
はじめまして、江部先生。
本日気になるニュースを発見し、それについて検索しておりましたところ、このページにたどり着きました。
いきなりですが、ご質問させて頂きます不作法をお許しください。
本日のニュースは以下のものです。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6159154
私はダイエットの為半年ほど糖質制限生活を続けており、効果的に体重を減少させました。体調もすこぶるよく今後も体重減少とは関係なく、ずっと続けていこうと思っております。(51歳、女)
今日見つけた記事はカフェインが健康長寿にいいと理解したもので、今までコーヒーを好んで摂ることがなかったので、今後はコーヒーを飲む習慣を作ろうと思いました。
しかし、糖質制限的にはコーヒーはいかがなのかしら?と江部先生の上述記事を拝見させて頂きました。
量が過ぎなければコーヒーはいいものということですが、既ニュースでは1日3~4杯飲むことがほとんど飲まないより死亡率が低いらしいのでそのくらいの量は飲んでみようと思います。
今まで糖質制限生活が成功していたので、これが変なことにならないのであれば、是非私もこれからはコーヒー党になろうかな、というところです。
江部先生のお話をお聞きしたいです。
よろしくお願いいたします。
本日気になるニュースを発見し、それについて検索しておりましたところ、このページにたどり着きました。
いきなりですが、ご質問させて頂きます不作法をお許しください。
本日のニュースは以下のものです。
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6159154
私はダイエットの為半年ほど糖質制限生活を続けており、効果的に体重を減少させました。体調もすこぶるよく今後も体重減少とは関係なく、ずっと続けていこうと思っております。(51歳、女)
今日見つけた記事はカフェインが健康長寿にいいと理解したもので、今までコーヒーを好んで摂ることがなかったので、今後はコーヒーを飲む習慣を作ろうと思いました。
しかし、糖質制限的にはコーヒーはいかがなのかしら?と江部先生の上述記事を拝見させて頂きました。
量が過ぎなければコーヒーはいいものということですが、既ニュースでは1日3~4杯飲むことがほとんど飲まないより死亡率が低いらしいのでそのくらいの量は飲んでみようと思います。
今まで糖質制限生活が成功していたので、これが変なことにならないのであれば、是非私もこれからはコーヒー党になろうかな、というところです。
江部先生のお話をお聞きしたいです。
よろしくお願いいたします。
2015/05/07(Thu) 15:32 | URL | 青子 | 【編集】
青子 さん
コーヒー党にとって、とてもいいニュースですね。
糖質制限食的には、一日に3~4杯のコーヒーは全く問題ないと思います。
私もそれくらい飲んでいます。
100cc中には、0.7gの糖質で、40mgのカフェインです。
普通の喫茶店ででるコーヒーの量は、一杯で140ccくらいです。
コーヒー党にとって、とてもいいニュースですね。
糖質制限食的には、一日に3~4杯のコーヒーは全く問題ないと思います。
私もそれくらい飲んでいます。
100cc中には、0.7gの糖質で、40mgのカフェインです。
普通の喫茶店ででるコーヒーの量は、一杯で140ccくらいです。
2015/05/08(Fri) 08:24 | URL | ドクター江部 | 【編集】
| ホーム |