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医療崩壊は救えるか?
こんにちは。

厚生労働省によると、日本の医師数は2008年現在で、28万6699人です。

OECD調査によれば、臨床医数は国民1000人あたり、2.15人で先進7ヶ国中最低です。

1983年に、当時の厚生省保険局長が「医療費亡国論」を唱えて以後、日本では、一貫して国を挙げて、医療費抑制政策が実施されてきました。

単純に医師数の増加を抑えれば、医療費は抑制されるだろうという厚生労働省の長年にわたる政策により、上述の先進国中最低の医師数という結果となってしまいました。

しかし、2008年の閣議決定で「医師不足の原因は絶対数不足」ということが、送ればせながら確認され、医学部の定員を増やす方針にやっと転換しました。

厚生労働省が、「医師不足の原因は都会への偏在で、絶対数不足ではない」と長年強弁してきましたが、やっと真実を認めるに至ったのです。

この方針は、2009年8月の自民党から民主党への政権交代でも引き継がれ、2010年度の医学部定員は過去最高の8846人、2011年度はさらに増えて8923人となりました。

OECD加盟国の国民1000人あたり平均医師数3.1人と同等になるためには、日本の総医師数は、12万人不足しています。

しかし、2010年に厚生労働省は戦後初めてとされる本格的な実態調査を行い、「2万4000人の医師不足」と発表しています。

世界標準から12万人不足する医師数が、たったの2万4000人とは・・・。

「国民を騙すのもええ加減にせい!!!」と怒りが沸々と湧いてきます。(`□´)

なおかつ、日本では、出産後数年間勤務していない女医さんや、100才で、家で寝たきり状態のお医者さんでも、医師免許証を国家に返上しない限り、医師数にカウントされているのが現状であり、ひどいものです。(┰_┰)

諸外国ではもちろん、実際に勤務している医師だけのカウントです。

日本の人口あたりの救急専従医数は米国の1/10しかいないにもかかわらず、厚生労働省の発表では、必要数は現状のたった1.28倍だそうです。

医師のサービス残業は当たり前、当直した外科医が睡眠不足でそのまま翌日手術・・・

先進国ではありえない常軌を逸した日本の医療は、医師の過剰労働でギリギリ成り立ってきました。

厚生労働省の試算は、医師の過剰労働を前提として、過労死を推奨しているとしか思えません。

何度でも、強調したいです。

日本の医療は、医師不足、看護師不足を中心に、産科や小児科、救急医療などすでに崩壊しつつあります。もう間に合ってないけれど、それだけに今すぐに対処しなくてはなりません。

医学部の定員が増えたのは、とても良いことですが、入学して医師として戦力となるには最低でも8~10年かかります。

私達、団塊の世代の医者が定年過ぎて普通に引退したら、日本の医療はそのまま即崩壊です。

定年過ぎてもわれわれが働いている間に(せいぜい数年ですぞ!)、日本国民は、医師不足、看護師不足、医療崩壊問題の正しい情報を見極め、未曾有の高齢化社会を前に、自分たち自身で今どのような手を打てばいいのか、しっかり判断する必要があります。

OECDが発表している「Health Data 2008」に、2006年度のデータで、OECD加盟国の総医療費の対GDPに対する割合が報告されています。

それによると、日本は8.2%です。

これは米国の約半分にすぎません(米国は15.3%)

米国、フランス、ドイツ、カナダ、イタリア、イギリス、日本の先進7カ国の総医療費の対GDPに対する割合の平均は10.4%です。

それで日本は、イギリスにも抜かれてとうとう最下位となりました。(;ー;)

医師を増やし、看護師を増やし、医療や福祉に積極的に投資して医療費も増やし、経済の活性化を目指せば、これ以上の医療崩壊は防げます。

現実にEU諸国では、医療に積極的に投資して、経済の活性化に成功しています。

国の事情がいろいろ異なるとはいえ、成功モデルは目の前にあるのです。日本がEU諸国から見習うことはたくさんありそうです。


江部康二


テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
マンスリーの結果報告です
先生いつも有難うございます。
昨日マンスリーの検査に行って参りました。

相変わらず尿潜血は+-ですが、赤血球、白血球、扁平上皮は全て1個未満でしたので大丈夫そうです。
前にも精密検査がOKなら大丈夫と先生に言って頂けたのですが、正常のひとは常に+-にはならないと思うのですが、やはりなにか少しは問題があるのでしょうか?
タンパク質を多く摂っているのでもし問題があるなら心配です。
クレアチニンはいつも通りで0.66、A1cは4.8でした。

もうひとつご質問なのですが、糖質制限食をはじめる前は5400だった白血球数が糖質制限食の為か、とても痩せた為か理由は分からないのですが、2800までさがり、1年ほどあがっても3200程度で心配していました。
それが今回4400まで上がっていました。
素人のかってな考えなのですが、私が糖質制限食をはじめた時は腎臓が悪かったので油を200gにしてたんぱく質は60g程度にしていました。
ところがここ3ヶ月ぐらいは腎臓が良くなったので油150g程度、タンパク質を100~150位にしているので私の体にはタンパク質が必要だったのでは?なんて考えています。

先生の患者様などでタンパク質を減らして白血球が下がった方はいらっしゃいますか?
なにか関係があれば面白いですね。

最後に、前回昼食前に軽く糖質を摂っておくと昼食時の食後血糖値が低いとご報告しましたが、やはり私の場合間違いないです。
昼食は12:00に摂るのですが、10:00頃に牛乳40ccのコーヒーとチョコ20gで約糖質12gその後昼食で糖質20g摂取して1時間血糖値は150位になる予定ですが、118でした。同じメニューで10:00のミルクを摂取しないと141でした。
体は不思議ですね。

また実験のご報告させて頂きますね!
2011/05/17(Tue) 19:33 | URL | けい | 【編集
医師不足
こんばんは。
毎日、ブログ拝見させていただき、胸のつかえを取り除いてもらっています。
医師不足については、常々感じるところですが、実際に、これでも?というような医師が、仕事に就いているところをみると、この日本の悲惨な状況に愕然といたします。
私は、2年前に老健に勤務していました。そこの施設長(医師)は、御トシ、83歳でした。
某国立大学の教授職を経て、公立病院の理事まで務められた立派な先生でした。
ですが、入所者の方と間違うくらい高齢ですし、難聴でした。入所されている方からも、あの先生は認知症でないの?と聞かれることも多くあり、診察してほしくない、とまで言われていました。
ですが、ほかに適任の先生も入ってこられず、入所された方々は、次々に入院、亡くなられる、という事態もありました。(早く、対応出来れば、入院してもまた施設にもどることができたと思いますが)
若くて(と言っても中堅クラスの)先生方は、老健には来ないんだな~と、思っていました。
実際、他の老健の医師も、同じように80代の先生が多いと聞きました。
高齢社会と言われ、医師や看護師だって、高齢化しては行きますが、次代を担う医師不足が、このようなところで影響しているのかしら、と感じました。
最先端の病院や地域でも医師不足が言われているのですから、施設の医師は、このような先生でも仕方ないのでしょうかね。
一緒に仕事をしていて、悪くなっていくのに、対応が遅れるのを見ていくのが(何度も先生には、お伝えしていましたが)とてもストレスでした。
愚痴になってしまい、申し訳ありません。
日本の医師不足に、もっと厚労省が目を向け、改善されることを願うばかりです。
2011/05/17(Tue) 21:30 | URL | SUGAR NURSE | 【編集
医師会は?
 医師不足は、医師会がそのようにもっていってるのだ、と何となく思っていたのですが、厚生省なんですね。
 それとも、医師会と厚生省が結託なんでしょうか?


2011/05/17(Tue) 22:19 | URL | サヌカイト | 【編集
LDLコレステロールの増加
江部先生はじめまして。

私は52歳、男性です。
ちょうど2ヶ月前に内科で糖尿病と診断されて目の前が真っ暗になり、さあどう対処しようかと本屋で糖尿病関連の本をいろいろ調べていたときに先生の著書を手に取り理論的に間違いはないと思って購読しました。そして3食主食抜きを始めたところわずか1週間たらずで血糖値は383から68に劇的に改善しました。それ以来3スーパー糖質制限食を続けて今に至っています。
 
      2011年  3/17     4/01   5/06
血糖値         383      68     71 mg/dl
ヘモグロビンA1c   10.9     10.8     8.1 %
中性脂肪        259      64      53 mg/dl
HDLコレステロール  41       51      60 mg/dl
LDLコレステロール 128 148 185mg/dl

体重         60.0 56.5 52.0kg

ここでひとつだけ気になるのがLDLコレステロールが高くなっていることです。朝食は豆乳、トマトジュース、チーズ1ヶ。昼食は弁当箱に野菜と肉のおかずのみ。夕飯は野菜、肉中心に目玉焼き、味噌汁、大豆製品を多めに摂っています。
LDLコレステロールが高くなる要因について、これといって思い当たることがないのですが何が原因なのでしょうか?
2011/05/18(Wed) 00:27 | URL | さそりざ | 【編集
No title
こんにちは
私の住む地域でも医師不足が進み、午前は近くの大学病院から助っ人医師が来ていますが、午後は総合診療と称し、外科の医師が複数科の患者を診療しています。
一応総合病院なのに、外科の医師一人で運営してます。なので、数字をみて、薬を出すだけです。

話は変わりますが、お教えください。
最近、糖尿にゴーヤーが良いと聞きよく食べています。
ゴーヤーには植物インスリンという成分が豊富に含まれているとの事。
植物インスリンに対する先生のご考察をお聞かせいただければ幸いです。
よろしくおねがいします。
2011/05/18(Wed) 06:51 | URL | こう | 【編集
Re: No title
Ange さん。

ブログ解説のご報告および拙著のご購入ありがとうございます。
リンク了解です。
2011/05/18(Wed) 11:25 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 医師会は?
サヌカイト さん。

かなり昔に、医師会が医師を増やさないような方針のことがありましたが。。。
それを厚生労働省にていよく利用されたのでしょうね。
昨今はまったく違います。
2011/05/18(Wed) 12:44 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: LDLコレステロールの増加
さそりざ さん。

拙著のご購入、ありがとうございます。
このまま経過をみられたら、数ヶ月から1年で、基準値に入ることがほとんどです。

2010-09-26のブログ「糖質制限食とLDLコレステロール2010」
をご参照ください。
2011/05/18(Wed) 22:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
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