2011年05月10日 (火)
こんにちは
日本人は欧米人に比べ、基礎分泌も食後の追加分泌も、共にインスリン分泌能が低いとされてきました。
しかし、広島大学が昭和45年から継続中の疫学研究
「ハワイ・ロサンゼルス・広島医学調査」
によると、生活習慣や環境が変われば、インスリン分泌能も上昇することがわかりました。
1998年、医学雑誌・糖尿病に載った論文によれば、広島県在住の日本人7,334例とハワイ在住の日系米国人3,367例の75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)におけるインスリン分泌量を比較したところ、同じ遺伝的背景因子を持ちながら、ハワイ在住の日系米国人の空腹時および食後30分、60分、2時間におけるインスリン分泌量は、広島県在住の日本人よりも、基礎分泌、追加分泌とも倍くらいあり、欧米人並みの量ありました。
これは、おそらく肥満などによるインスリン抵抗性を代償するための、インスリン過剰分泌であり、決して好ましいものではありません。
事実、ハワイ在住の日系米国人は、広島在住の日本人より、糖尿病罹患率も多いです。
これは、インスリン抵抗性が主たる原因の欧米型の糖尿病と思われ、インスリン分泌能はまだ残っており、従来のインスリン分泌能が低下する日本型糖尿病とは違うと考えられます。
肥満も日系米国人が多く、インスリン抵抗性増大の原因となっています。
インスリン抵抗性があればインスリン分泌量は増加し、肥満ホルモンであるインスリンが増加するとますます肥満して悪循環します。
小児期から肥満があれば、インスリン抵抗性がでてくるので、それに対抗してインスリン分泌能が増加していった可能性があります。
インスリンは必要最低限あればよく、大量に分泌されれば様々な生活習慣病のもととなるので、日系米国人は高インスリン血症というリスクを背負っていることとなります。
炭水化物の摂取比率は、米国日系二世の2002年の報告で49.9%です。
全米の男性の総摂取カロリーに対する比率は
1971年→2000年
炭水化物 42.4 →49.0%
脂質 36.9 →32.8%
ですから、ハワイの日系二世の炭水化物摂取比率も、全米平均とほとんど同じです。
この間、米国民の肥満と糖尿病は、この30年で激増ですが、欧米人に比しアジア人の方が糖尿病になりやすいことも指摘されています。
2009年1月、大阪で開かれた「食事・栄養と糖尿病、口腔保健推進セミナー」(主催・サンスター歯科保健振興財団、ハーバード大学医学部附属ジョスリン糖尿病センター)において、ジョスリン糖尿病センターのウィリアム・C・シュー氏が講演しました。
以下は同セミナーの資料から抜粋しました。
【米国でのアジア系米人の2型糖尿病の発症率の高さに触れ、
「軽度のβ細胞機能不全でも、インスリン抵抗性が進展してしまう日系、アジア人の遺伝的素因が、肥満などを呈する環境の変化によって顕在化してくる」
と説明した。
また、シアトルの日系2世調査では、糖尿病が16~20%の発症率を示し、3世ではさらに増加。
中心性肥満、腹部肥満といった指標の方がBMI(体格指数、体重÷身長の2乗)よりもインスリン抵抗性糖尿病の発症を予測できることを明らかにした。】
日本人やアジア人は、肥満によるインスリン抵抗性が欧米人より進展しやすく、その分糖尿病を発症しやすいようです。
米国では1971年から2000年にかけての30年間で、
脂質摂取比率は、36.9%から32.8%に減少
炭水化物摂取比率は、42.4%から49.0%に増加
肥満率は、14.5%から30.9%に倍増以上です。
米国のデータからは、肥満のもとは、精製炭水化物の頻回・過剰摂取摂取であることは明らかです。
肥満の改善・予防には糖質制限食ですね。
江部康二
日本人は欧米人に比べ、基礎分泌も食後の追加分泌も、共にインスリン分泌能が低いとされてきました。
しかし、広島大学が昭和45年から継続中の疫学研究
「ハワイ・ロサンゼルス・広島医学調査」
によると、生活習慣や環境が変われば、インスリン分泌能も上昇することがわかりました。
1998年、医学雑誌・糖尿病に載った論文によれば、広島県在住の日本人7,334例とハワイ在住の日系米国人3,367例の75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)におけるインスリン分泌量を比較したところ、同じ遺伝的背景因子を持ちながら、ハワイ在住の日系米国人の空腹時および食後30分、60分、2時間におけるインスリン分泌量は、広島県在住の日本人よりも、基礎分泌、追加分泌とも倍くらいあり、欧米人並みの量ありました。
これは、おそらく肥満などによるインスリン抵抗性を代償するための、インスリン過剰分泌であり、決して好ましいものではありません。
事実、ハワイ在住の日系米国人は、広島在住の日本人より、糖尿病罹患率も多いです。
これは、インスリン抵抗性が主たる原因の欧米型の糖尿病と思われ、インスリン分泌能はまだ残っており、従来のインスリン分泌能が低下する日本型糖尿病とは違うと考えられます。
肥満も日系米国人が多く、インスリン抵抗性増大の原因となっています。
インスリン抵抗性があればインスリン分泌量は増加し、肥満ホルモンであるインスリンが増加するとますます肥満して悪循環します。
小児期から肥満があれば、インスリン抵抗性がでてくるので、それに対抗してインスリン分泌能が増加していった可能性があります。
インスリンは必要最低限あればよく、大量に分泌されれば様々な生活習慣病のもととなるので、日系米国人は高インスリン血症というリスクを背負っていることとなります。
炭水化物の摂取比率は、米国日系二世の2002年の報告で49.9%です。
全米の男性の総摂取カロリーに対する比率は
1971年→2000年
炭水化物 42.4 →49.0%
脂質 36.9 →32.8%
ですから、ハワイの日系二世の炭水化物摂取比率も、全米平均とほとんど同じです。
この間、米国民の肥満と糖尿病は、この30年で激増ですが、欧米人に比しアジア人の方が糖尿病になりやすいことも指摘されています。
2009年1月、大阪で開かれた「食事・栄養と糖尿病、口腔保健推進セミナー」(主催・サンスター歯科保健振興財団、ハーバード大学医学部附属ジョスリン糖尿病センター)において、ジョスリン糖尿病センターのウィリアム・C・シュー氏が講演しました。
以下は同セミナーの資料から抜粋しました。
【米国でのアジア系米人の2型糖尿病の発症率の高さに触れ、
「軽度のβ細胞機能不全でも、インスリン抵抗性が進展してしまう日系、アジア人の遺伝的素因が、肥満などを呈する環境の変化によって顕在化してくる」
と説明した。
また、シアトルの日系2世調査では、糖尿病が16~20%の発症率を示し、3世ではさらに増加。
中心性肥満、腹部肥満といった指標の方がBMI(体格指数、体重÷身長の2乗)よりもインスリン抵抗性糖尿病の発症を予測できることを明らかにした。】
日本人やアジア人は、肥満によるインスリン抵抗性が欧米人より進展しやすく、その分糖尿病を発症しやすいようです。
米国では1971年から2000年にかけての30年間で、
脂質摂取比率は、36.9%から32.8%に減少
炭水化物摂取比率は、42.4%から49.0%に増加
肥満率は、14.5%から30.9%に倍増以上です。
米国のデータからは、肥満のもとは、精製炭水化物の頻回・過剰摂取摂取であることは明らかです。
肥満の改善・予防には糖質制限食ですね。
江部康二
江部先生こんにちは。
以前、教育入院後に関東で診察してもらえる病院について
質問させて頂いたTsunと申します。
いつもブログを楽しみにしています。
訳あって教育入院が、当分出来そうにない状況になってしまったので
糖質制限をしている事を内緒にしている医師に、未だ診てもらっています。
昨日診察の際、血液検査の結果LDLコレステロール値が高いので
薬を処方するかもしれませんと言われてしまいました。
以下がこれまでの結果です。(身長150cm 30代前半の女性です)
■治験のプレ検診の血液検査で糖尿病が発覚
2010年12月14日採取
AST/GOT:35
ALT/GPT:84
γ-GTP:189
総コレステロール:292
HDLコレステロール:49
LDLコレステロール:172
中性脂肪:510
空腹時血糖値:208
HbA1c:9.0
体重:70.0
■治験に参加せず通院する事にした通院初日の検査結果
2011年2月15日採取 グリコラン250mgを処方された(1日2錠)
AST/GOT:27
ALT/GPT:54
γ-GTP:106
総コレステロール:293
HDLコレステロール:50
LDLコレステロール:189
中性脂肪:271
空腹時血糖値:-
HbA1c:9.1
体重:67.0
■スーパー糖質制限を2011年3月10日から開始
2011年3月18日採取
AST/GOT:18
ALT/GPT:31
γ-GTP:34
総コレステロール:261
HDLコレステロール:48
LDLコレステロール:167
中性脂肪:230
空腹時血糖値:-
HbA1c:7.1
体重:64.15
■2011年4月18日採取
AST/GOT:14
ALT/GPT:22
γ-GTP:28
総コレステロール:239
HDLコレステロール:49
LDLコレステロール:167
中性脂肪:116
空腹時血糖値:103
HbA1c:5.8
体重:62.3
IRI (ECLIA):8.4
HOMA-R:2.1
HOMA-β:76
このまま医師の言う通り、コレステロールを下げる薬を飲んでも良いのでしょうか。
まだ処方されていないので薬名は不明です。
お忙しい所恐れ入りますが、お時間のある時にでもご回答頂けると幸いです。
宜しくお願い致します。
以前、教育入院後に関東で診察してもらえる病院について
質問させて頂いたTsunと申します。
いつもブログを楽しみにしています。
訳あって教育入院が、当分出来そうにない状況になってしまったので
糖質制限をしている事を内緒にしている医師に、未だ診てもらっています。
昨日診察の際、血液検査の結果LDLコレステロール値が高いので
薬を処方するかもしれませんと言われてしまいました。
以下がこれまでの結果です。(身長150cm 30代前半の女性です)
■治験のプレ検診の血液検査で糖尿病が発覚
2010年12月14日採取
AST/GOT:35
ALT/GPT:84
γ-GTP:189
総コレステロール:292
HDLコレステロール:49
LDLコレステロール:172
中性脂肪:510
空腹時血糖値:208
HbA1c:9.0
体重:70.0
■治験に参加せず通院する事にした通院初日の検査結果
2011年2月15日採取 グリコラン250mgを処方された(1日2錠)
AST/GOT:27
ALT/GPT:54
γ-GTP:106
総コレステロール:293
HDLコレステロール:50
LDLコレステロール:189
中性脂肪:271
空腹時血糖値:-
HbA1c:9.1
体重:67.0
■スーパー糖質制限を2011年3月10日から開始
2011年3月18日採取
AST/GOT:18
ALT/GPT:31
γ-GTP:34
総コレステロール:261
HDLコレステロール:48
LDLコレステロール:167
中性脂肪:230
空腹時血糖値:-
HbA1c:7.1
体重:64.15
■2011年4月18日採取
AST/GOT:14
ALT/GPT:22
γ-GTP:28
総コレステロール:239
HDLコレステロール:49
LDLコレステロール:167
中性脂肪:116
空腹時血糖値:103
HbA1c:5.8
体重:62.3
IRI (ECLIA):8.4
HOMA-R:2.1
HOMA-β:76
このまま医師の言う通り、コレステロールを下げる薬を飲んでも良いのでしょうか。
まだ処方されていないので薬名は不明です。
お忙しい所恐れ入りますが、お時間のある時にでもご回答頂けると幸いです。
宜しくお願い致します。
2011/05/10(Tue) 16:37 | URL | Tsun | 【編集】
有難うございました!
自信も付き、次の通院への緊張も和らぎました。
「糖質管理食」ですね。
担当医の先生には、そのように説明させていただきます。
次の診察で前回の8,2以来のHba1cの値を測りに行くので、
良い結果が出ましたらまた報告させて頂きたいと思います。
本当に有難うございました^^
自信も付き、次の通院への緊張も和らぎました。
「糖質管理食」ですね。
担当医の先生には、そのように説明させていただきます。
次の診察で前回の8,2以来のHba1cの値を測りに行くので、
良い結果が出ましたらまた報告させて頂きたいと思います。
本当に有難うございました^^
2011/05/10(Tue) 17:25 | URL | yuki | 【編集】
日々、大変興味深い内容のご発信をいただき、楽しみにブログ拝読を日課にしております。毎日のブログ更新、誠に有難うございます。
さて、雑誌「わかい」を書店(東京丸善)で見つけ読んでみると、「糖質制限食」の大特集で、ついに来る時が来たか!と飛び上るほどうれしかったのでご報告いたします。もちろん、江部先生のご執筆も読ませていただきました。おめでとうございます!
私の夫の血糖値も「プチ糖質制限食」でHbA1c6.4で落ち着いていたのですが、外食(中華)が週末に続いたせいと、空腹時のチーズの食べ過ぎ(本人談。私はチーズは血糖値を上昇させないと思っていますが)で、今月は6.7に上昇し、本人ガックリしています。これを機に「スーパー糖質制限食」を密かに企画する妻でありますが、主治医に「たんぱく質の取りすぎは腎臓に悪影響です」と言われたそうで、企画倒れ・・・。
外食対策と主治医対策は、本当に悩みの種です。
さて、雑誌「わかい」を書店(東京丸善)で見つけ読んでみると、「糖質制限食」の大特集で、ついに来る時が来たか!と飛び上るほどうれしかったのでご報告いたします。もちろん、江部先生のご執筆も読ませていただきました。おめでとうございます!
私の夫の血糖値も「プチ糖質制限食」でHbA1c6.4で落ち着いていたのですが、外食(中華)が週末に続いたせいと、空腹時のチーズの食べ過ぎ(本人談。私はチーズは血糖値を上昇させないと思っていますが)で、今月は6.7に上昇し、本人ガックリしています。これを機に「スーパー糖質制限食」を密かに企画する妻でありますが、主治医に「たんぱく質の取りすぎは腎臓に悪影響です」と言われたそうで、企画倒れ・・・。
外食対策と主治医対策は、本当に悩みの種です。
Tsun さん。
糖質制限食で全てのデータが改善しています。
LDLコレステロールも当初よりは基準値に近づいています。
薬なしで半年、1年経過をみてよいと思います。
糖質制限食で全てのデータが改善しています。
LDLコレステロールも当初よりは基準値に近づいています。
薬なしで半年、1年経過をみてよいと思います。
2011/05/10(Tue) 22:44 | URL | ドクター江部 | 【編集】
梶本 照代 様
糖鎖ほ基本的二糖質なので、避けた方がよいです。
糖鎖ほ基本的二糖質なので、避けた方がよいです。
2011/05/10(Tue) 23:02 | URL | ドクター江部 | 【編集】
さゆこだ さん。
腎機能がすでに、血液検査で異常値の場合は、高タンパク食はなしです。
一方、「血液検査で腎機能正常の人が、高タンパク食を摂取したら腎機能が悪化する」
という報告はありませんので、腎機能正常の人は糖質制限食大丈夫です。
腎機能がすでに、血液検査で異常値の場合は、高タンパク食はなしです。
一方、「血液検査で腎機能正常の人が、高タンパク食を摂取したら腎機能が悪化する」
という報告はありませんので、腎機能正常の人は糖質制限食大丈夫です。
2011/05/10(Tue) 23:08 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ミナ さん。
本のご購入ありがとうございます。
激しい運動はともかく、普通に歩くくらい(ウオーキング)なら大丈夫です。
本のご購入ありがとうございます。
激しい運動はともかく、普通に歩くくらい(ウオーキング)なら大丈夫です。
2011/05/11(Wed) 22:59 | URL | ドクター江部 | 【編集】
糖質制限食を1年半続けているものです。
今更ながら。。なのですが膵臓をいたわる食生活で糖質制限食いがいにありましたらご教示いただけませんでしょうか?
先生は朝食は召し上がっていらっしゃらないようですが、膵臓にも良いのでしょうか?
今更ながら。。なのですが膵臓をいたわる食生活で糖質制限食いがいにありましたらご教示いただけませんでしょうか?
先生は朝食は召し上がっていらっしゃらないようですが、膵臓にも良いのでしょうか?
2011/05/12(Thu) 07:14 | URL | kiki | 【編集】
kiki さん。
人類は本来、1日1~2食に期間が長くて、1日3食の歴史は浅いです。
私自身は30才ごろから1日2食です。
3食より2食のほうが、人類本来のスタイルですので膵臓への負担も少ないと思います。
糖質の頻回・過剰摂取が膵臓のβ細胞に多大な負担をかけています。
それをいたわるには、糖質制限食以外にはありません。
人類は本来、1日1~2食に期間が長くて、1日3食の歴史は浅いです。
私自身は30才ごろから1日2食です。
3食より2食のほうが、人類本来のスタイルですので膵臓への負担も少ないと思います。
糖質の頻回・過剰摂取が膵臓のβ細胞に多大な負担をかけています。
それをいたわるには、糖質制限食以外にはありません。
2011/05/13(Fri) 17:17 | URL | ドクター江部 | 【編集】
http://www.eps1.comlink.ne.jp/~mayus/lifestyle2/lowcarbohydrate.html
上記のブログに先生のこの記事へのリンクが貼られています。
ブルグを書かれた方は 糖質制限に反対されているようです。
いろいろな意見があって 何が正しいのか分からなくなってきました。
上記のブログに先生のこの記事へのリンクが貼られています。
ブルグを書かれた方は 糖質制限に反対されているようです。
いろいろな意見があって 何が正しいのか分からなくなってきました。
2015/12/14(Mon) 02:05 | URL | ぽんた | 【編集】
ぽんたさん
そのサイト、糖質制限反対にしては程度が低いと思いますよ。
例えば最初の
「炭水化物を摂ると血糖値が上がってインスリンが分泌されることは間違いのない事実です。しかし困ったことに、一般の人だけでなく糖尿病の専門家という人たちも、炭水化物の多い食事によってインスリンの必要量(=分泌量)が増えると思っています。真実は正反対です。炭水化物が多く蛋白質と脂肪が少ない穀物中心の食事をしていると、あまりたくさんのインスリンを必要としません。炭水化物の多い食事によってインスリンの働き(効き目)が格段によくなるからです。」
ですが、確かに一見すればまともな意見に取れそうです。
しかし考えてみれば、炭水化物の多い食事でインスリンの効きが格段に良くなるのであれば、そもそもこれほど多くの国民が糖尿病にはなりませんよね?
現在700万人を超える日本人が糖尿病になっていることを全く説明できていません。
「炭水化物が多く蛋白質と脂肪が少ない穀物中心の食事をしていると、あまりたくさんのインスリンを必要としません。」
これは本当でしょうか?
その理由として
「炭水化物の多い食事によってインスリンの働き(効き目)が格段によくなるからです。」
とのことですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
インスリンの効きが良くなる=インスリンが少なくて済むというのは、あくまでも「インスリンが必要な状態である場合において」です。
であれば効きが良いほど少なくなるでしょう。
しかし糖質制限下においては、追加インスリンは僅かで済みますので、そもそもの前提が違います。
先のサイトの図(ターザンの掲載図No612 50P)を見ると、大よそ血糖値80の日本人でインスリン量40です。基礎分泌量を10と見たら追加インスリン量は30です。
血糖値100の日本人は追加インスリン量40以上(基礎=50)なので、効きが悪いから10以上多いと言えなくもないでしょう。
しかし、そもそも糖質を摂らなければ必要量は0な訳で、糖質制限であれば10分の1~15分の1程度の量で済みます。
つまり効きが良くても3食高炭水化物食の人は追加インスリン量=30x3=90、
方や糖質制限食は3食でも12以下です。
(多量の)追加インスリンが多い=悪とするならば、必要としない(少なくて済む)糖質制限よりも、いくら効きが良くても食事の度に多量に必要とする高炭水化物食の方が遥かに悪なことは言わずもがなではないでしょうか?
そのサイト、糖質制限反対にしては程度が低いと思いますよ。
例えば最初の
「炭水化物を摂ると血糖値が上がってインスリンが分泌されることは間違いのない事実です。しかし困ったことに、一般の人だけでなく糖尿病の専門家という人たちも、炭水化物の多い食事によってインスリンの必要量(=分泌量)が増えると思っています。真実は正反対です。炭水化物が多く蛋白質と脂肪が少ない穀物中心の食事をしていると、あまりたくさんのインスリンを必要としません。炭水化物の多い食事によってインスリンの働き(効き目)が格段によくなるからです。」
ですが、確かに一見すればまともな意見に取れそうです。
しかし考えてみれば、炭水化物の多い食事でインスリンの効きが格段に良くなるのであれば、そもそもこれほど多くの国民が糖尿病にはなりませんよね?
現在700万人を超える日本人が糖尿病になっていることを全く説明できていません。
「炭水化物が多く蛋白質と脂肪が少ない穀物中心の食事をしていると、あまりたくさんのインスリンを必要としません。」
これは本当でしょうか?
その理由として
「炭水化物の多い食事によってインスリンの働き(効き目)が格段によくなるからです。」
とのことですが、果たして本当にそうなのでしょうか?
インスリンの効きが良くなる=インスリンが少なくて済むというのは、あくまでも「インスリンが必要な状態である場合において」です。
であれば効きが良いほど少なくなるでしょう。
しかし糖質制限下においては、追加インスリンは僅かで済みますので、そもそもの前提が違います。
先のサイトの図(ターザンの掲載図No612 50P)を見ると、大よそ血糖値80の日本人でインスリン量40です。基礎分泌量を10と見たら追加インスリン量は30です。
血糖値100の日本人は追加インスリン量40以上(基礎=50)なので、効きが悪いから10以上多いと言えなくもないでしょう。
しかし、そもそも糖質を摂らなければ必要量は0な訳で、糖質制限であれば10分の1~15分の1程度の量で済みます。
つまり効きが良くても3食高炭水化物食の人は追加インスリン量=30x3=90、
方や糖質制限食は3食でも12以下です。
(多量の)追加インスリンが多い=悪とするならば、必要としない(少なくて済む)糖質制限よりも、いくら効きが良くても食事の度に多量に必要とする高炭水化物食の方が遥かに悪なことは言わずもがなではないでしょうか?
2015/12/14(Mon) 10:47 | URL | 福助 | 【編集】
MAKI さん
米国では「糖質管理食(カーボカウント)」は、ごく一般的な糖尿病食事療法です。
糖質だけが血糖値に直接影響を与えるという生理学的事実に基づき、
糖質のグラム数を計算して、食前のインスリン注射必要量を決めるわけです。
つまり糖質の摂取量が多いと必要なインスリン注射の量も多くなるということです。
米国糖尿病学会は、多くのエビデンスに基づいて、「糖質管理食(カーボカウント)」を推奨しています。
一個人の仮説(エビデンスレベルはゼロ)と、エビデンスに基づく米国糖尿病学会の見解を比べること自体が無意味です。
米国では「糖質管理食(カーボカウント)」は、ごく一般的な糖尿病食事療法です。
糖質だけが血糖値に直接影響を与えるという生理学的事実に基づき、
糖質のグラム数を計算して、食前のインスリン注射必要量を決めるわけです。
つまり糖質の摂取量が多いと必要なインスリン注射の量も多くなるということです。
米国糖尿病学会は、多くのエビデンスに基づいて、「糖質管理食(カーボカウント)」を推奨しています。
一個人の仮説(エビデンスレベルはゼロ)と、エビデンスに基づく米国糖尿病学会の見解を比べること自体が無意味です。
2015/12/14(Mon) 16:47 | URL | ドクター江部 | 【編集】
福助さん、
詳しいご回答ありがとうございました。たいへん助かりました。
詳しいご回答ありがとうございました。たいへん助かりました。
2015/12/15(Tue) 06:15 | URL | ぽんた | 【編集】
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