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農耕前のGLUT4とインスリン、果糖は貴重な中性脂肪蓄積システム
こんばんは。

ここ3回、肥満や中性脂肪やインスリンやGLUT4について考えてきました。

今回は、さらに突っ込んで、インスリンやGLUT4の役割を、農耕が始まる前の狩猟・採集時代にまで遡って考察してみました。

大変興味深い大胆な仮説を思いつきましたので、是非読んでくださいね。 (^^)

そもそも、GLUT4は、今でこそ(農耕開始以後)獅子奮迅の大活躍なのですが、農耕前は、ほとんど活動することはなかったと考えられます。

つまり、農耕後、日常的に穀物を摂取して、食後血糖値が上昇するようになってからは

『食後血糖値上昇→インスリン追加分泌→GLUT4が筋肉細胞・脂肪細胞表面にトランスロケーション』

というシステムが、毎日食事のたびに稼働するようになりました。

しかし、狩猟・採集時代には、穀物はありませんので、たまの少量の糖質摂取(果物やナッツ類)で、ごく軽度血糖値上昇があり、インスリン少量追加分泌のときだけGLUT4の出番があったに過ぎません。年間を通して、時々運良く、果物やナッツ類が採集できた場合のみですね。

この頃は、血糖値は慌てて下げなくてはいけないほど上昇していないので、GLUT4の役割は、筋肉細胞で血糖値を下げるというよりは、脂肪細胞で中性脂肪を作らせて冬に備える役割のほうが、はるかに大きな意味を持っていたと思います。

すなわち、農耕以前は「インスリン+GLUT4」のコンビは、たまに運良く糖質(野生の果物やナッツ類)を摂取して時だけ、もっぱら中性脂肪生産システムとして活躍していたものと考えられます。

そして農耕以前の糖質を摂取しない日常の食生活においては、「インスリン+GLUT4」のコンビは、ほとんど働く必然性はなかったわけです。

同じ糖輸送体でも、GLUT1(脳・赤血球・網膜の糖輸送体)のほうは、インスリンには無関係に常に細胞表面にあって、農耕前も農耕以後も24時間常に活動しているわけで、GLUT4とは大きな違いがあります。

また、糖質を摂取すれば血糖値が上昇し、インスリンには無関係に、肝臓に取り込まれてグリコーゲンを蓄積しますが、余った血糖が中性脂肪に変えられます。

この中性脂肪蓄積システムも、農耕後には日常的に稼働していますが、狩猟・採集時代には、食後血糖値の上昇はほとんどないので、肝臓に取り込まれるブドウ糖もごく少量であり、中性脂肪に蓄積されるほどはなかったと思います。


<続く >

次回は、果糖と中性脂肪の考察です。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
Re: やせ型の糖質制限食
tuta さん。

本のご購入ありがとうございます。
血中インスリン値はどのくらいだったのでしょう?

糖質制限食で肥満の人は体重が減少し、痩せすぎている人は適正体重に増加します。
糖質制限食を実践されてよいと思います。

夕食に糖質を摂取すると、あとは寝るだけなので筋肉も脳もブドウ糖消費が少なく、血糖値が下がりにくいです。

目の充血は血糖値とは直接の関係はないと思います。
2011/04/23(Sat) 08:44 | URL | ドクター江部 | 【編集
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