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糖質制限食と生理的ケトン体
こんばんは、江部康二です。
8.19日曜日は、神戸・ 糖質制限食講演会(ポートピアホテル)、関西初の試みでしたが大盛況で感激でした。

ブログ読者の皆さんもたくさん来て頂き嬉しい限りです。

本もほぼ完売でしたし、 糖質制限食・推奨食品の販売も好評でした。
11月には京都で同様の講演会を考えていますので、またよろしくお願い申し上げます。

10月1日には、高雄病院京都駅前分院が診療開始になるので
、何かと便利になります。9月1日から高雄病院(075-871-0245)で京都駅前分院の予約受付開始となります。

さて今日は、ケトン体のお話です。myさんからも、コメント・質問がありました。

「ケトン体
iIDDMで、ケトアシードシスの経験者です。
糖質制限には合点がいきますが、
尿中ケトンは・・・・。
当方、体脂肪率も17-18%です。
糖質制限でケトンを排出しないレベルの基準値はどれくらいでしょうか?
ご教示願います。
by: my * 2007/08/14 23:35」

ケトン体に関して、かなり悪いイメージが一般的な医学界ではまかり通ってますので、myさんの気持ちは充分理解できます。まして、糖尿病性ケトアシドーシスの経験がおありなら、とても大変だったと思います。

ご自身糖尿人で欧米的糖質管理食を実践され、糖尿病には極めて造詣の深い河合勝幸さん(ホームページ、糖尿病ソリューションの管理者で私の尊敬する方です)でさえも、ケトン体に関してだけは誤解して恐れておられます。

まず、ケトン体について知っておいて頂きたいのは「正常で生理的な状態で産生が高まるケトン体」があるということです。

これは「糖尿病が大悪化した病理的な状態で産生が高まるケトン体」とは体内の状況が全く異なり、生体への危険性は全くありません。

「生理的な状態のケトン体」と「病理的状態のケトン体」をしっかり区別する必要があります。

アセトン、アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸のことをまとめてケトン体といいます。ケトン体は脂肪の分解により肝臓で作られ、血液中に出されます。

ケトン体は心筋、骨格筋、腎臓などさまざまな臓器で日常的にエネルギー源として利用されており、脂肪の合成にも再利用されます。

実際、基礎代謝の大部分を占める骨格筋や心筋は、安静時にはエネルギー源の大部分が脂肪酸-ケトン体です。つまり私達はごく日常的に「脂肪酸-ケトン体」エネルギーシステムを利用して生きているのです。

それで「正常で生理的な状態で産生が高まるケトン体」は、断食した時や 糖質制限食を実践して、「脂肪酸-ケトン体」エネルギーシステムが活発化したときに起こる現象です。この時は血糖値は基本的に正常です。

断食というと特殊に思えますが、人類の400万年の長い歴史の中では食料不足の方が普通ですので、「脂肪-ケトン体」エネルギーシステムは、ごく日常的に活発化したり普通に戻ったりしながら稼働してきたと考えられます。

ケトン体の基準値は26~122μM/lですが、これはあくまでも、現代人が日常的に三食以上糖質を摂取している条件下の基準値です。

断食中や 糖質制限食の初期の段階だと、ケトン体は2000~4000μM/lていど上昇するのが普通です。

江部康二のように3~4年間、スーパー糖質制限食を続けている場合、例えば2007.6.1、ケトン体:386μM/l、空腹時血糖値:95mg/dlでした。これは糖質制限食を実践している場合の正常値と考えられます。

だいたい、私のケトン体は120~400μM/lていどです。

要するに「脂肪酸-ケトン体」システムが活発化すれば、単純に血中のケトン体値は高値となりますが、血糖値が正常なら全く何の問題もありませんし、これは正常な生理的な現象なのです。

次回は、病理的なケトン体の出現を考えてみましょう。
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
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