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糖質制限食で耐糖能改善
こんばんは。

akira さんとモン吉 さんから、糖質制限食で耐糖能改善という、嬉しいコメントをいただきました。

【11/02/10 akira
糖負荷試験
糖質制限食前後での糖負荷試験(75gOGTT)

江部先生、毎日のブログ更新ご苦労様です。健康機器メーカーで計測機器を開発している者です。長期間の糖質制限食をした前後での糖負荷試験(75gOGTT)結果が話題になっておりましたので、若干古いデータにはなりますが私のデータを提供します。なお、糖負荷試験の前日(夜食)に糖分を摂らないと血糖が高くなる現象を理由として、糖質を摂らないと耐能が悪くなるという主張はあまりにもナンセンスですので、まじめに議論する必要はありません。研究レベルで糖負荷試験に与える食事の影響を調査するのであれば血糖だけではなく、インスリンの動態も同時測定して個々人の糖代謝の確認が最低限必要です。臨床現場での食事負荷試験の繰り返し再現性は決して良いものではなく、前日の食事のコントロール、負荷試験中3時間の身体活動の制限をきちんとコントロールしないと正確なデータは得られません。以下、2004年と2005年のデータです。

2004年1月  54歳男性 体重63.9kg 体脂肪率21.0% BMI 26.5
HbA1C 5.1 インスリン分泌指数0.77 HOMA-IR 3.2 ∑IRI(2時間)519
 (実データ)
  時間   0  30  60  90  120  180 (分)
  血糖   95  162  207  200  165  67
インスリン 14  65  104  156  180  14
  尿糖   3     247     446   8

データからは典型的なIGT(耐糖能異常)で、インスリン分泌低下型ではなくインスリン抵抗性による境界型です。しかし空腹時血糖とHbA1Cは正常ですから通常検査では耐糖能異常は検出されませんでした。食後尿糖検査で異常が見つかりましたので、1年間自己流の糖質制限食(朝食はオレンジジュース→牛乳、クロワッサン2個→果物少々)(昼食・夜食は主食の量のみ半減)(間食、清涼飲料水→お茶、お菓子類は禁忌)(アルコールはなし)をしました。残念ながら、この時点では江部先生の糖質制限食を存じ上げませんでした。

2005年3月  55歳男性 体重60.3kg 体脂肪率16.3% BMI 25.1
HbA1C 4.8 インスリン分泌指数0.85 HOMA-IR 2.1 ∑IRI(2時間)273
 (実データ)
  時間   0   30  60   90  120  180 (分)
  血糖  95  128  181  162  102  99
インスリン 9   37  88  87  51  26
  尿糖   5     68      404  10

結果、体重3.6kg減、体脂肪率5.7%減、血糖値の判定では正常型、HOMA-IRはやや高値、∑IRIも正常範囲ではあるもののやや高値、尿糖は高値ということでインスリン抵抗性は残っていますので無罪放免ではありませんが確実に改善はされています。ただ、体重は2ヶ月間で減量した後はほぼ横ばいでした。
前日夕食時の糖質制限が影響していたとしても、2004年に比べれば明らかに改善されているのですから、ネガティブデータにはなり得ませんね。

私の場合は、インスリン抵抗性が原因の耐糖能異常ですから減量によるインスリン抵抗性の改善が血糖にもインスリンにも表れています。特に2004年には2時間後でもインスリンの過剰分泌があり、3時間後の低血糖を引き起こしていましたが、2005年では血糖とインスリンの変化は同期しており3時間後の低血糖も認められません。糖質制限食の効果と思います。
一方、インスリン分泌低下型の方でも、糖質制限食によって耐糖能が悪化する理由は無いと思いますが、減量に対する効果はインスリン抵抗性の方とはやや異なるかもしれません。
インスリン抵抗性の方は、食後のインスリン分泌量が多いために体脂肪が蓄積しやすく、糖質制限によってインスリン分泌量が低下することでの減量効果が期待できます。しかしインスリン分泌低下型の方は、食後のインスリン分泌が不足していますので体脂肪の蓄積も起こりません。糖質を制限しても、血糖値の上昇は防げますが減量の効果はあまり期待できないと思われます。また、インクレチンが本当にすい臓の機能を回復してくれるのであればインスリン分泌低下型の方には正に夢の薬になりますが、インスリン抵抗性の方には何よりも糖質制限食が第一選択でしょう。

糖負荷試験では血糖とインスリンの同時測定が望まれますが、インスリン検査はオプションですので一般臨床ではまず費用面から不可能でしょう。便宜的には、糖尿病初期で痩せ型の患者さんは遺伝(インスリン分泌低下)、肥満型の患者さんはインスリン抵抗性と考えて良いのではないかと思いますが、エビデンスはありませんのでここだけの話です。

長々と失礼しました。
先生の一層のご活躍のほど祈念しております。】


akiraさん。
コメントありがとうざいます。

糖負荷試験の前日(夜食)に糖分を摂らないと血糖が高くなる現象を理由として、糖質を摂らないと耐糖能が悪化するとの議論もありましたが、1食だけ糖質を摂らない(食事を抜く)だけで耐糖能が悪くなるという主張はあまりにもナンセンスですので、まじめに議論する必要はありません。」

私もそう思います。

「臨床現場での食事負荷試験の繰り返し再現性は決して良いものではなく、前日の食事のコントロール、負荷試験中3時間の身体活動の制限をきちんとコントロールしないと正確なデータは得られません。」

その通りですね。

従いまして、1回のブドウ糖負荷試験が前回より血糖値が上昇していたとしても、いろんなバイアスがありますので、それをもって単純に耐糖能悪化とは言えないですね。

2004年1月のOGTTは、2時間値が165mg/dlで追加分泌インスリンは180も分泌されているので、
かなりのインスリン抵抗性ですね。診断基準では、境界型の食後高血糖タイプです。

糖質制限食後の2005年3月のOGTTは、2時間値が102mg/dlで追加分泌インスリンは51と改善です。
インスリン抵抗性も随分改善です。診断基準では正常型に改善しています。→糖質制限食で耐糖能改善です。

1年2ヶ月糖質制限食を続けてのOGTTの改善は、意味があると思います。


【11/02/10 モン吉
耐糖能について
江部先生こんばんは

昨日のブログに耐糖能について書かれいましたが 私は糖質制限食を始めてもうすぐ4年になりますが とても良くなっています。この4年間をふり返ってみました。

平成19年3月7日 食後1時間血糖値:389 HbA1c:10.7
すぐに先生の糖質制限食を知りスーパーを始める。

平成19年10月12日 HbA1c:5.9
6.0をきったので、少しゆるめの糖質制限で3食ともご飯を お茶碗に1/4(40g)食べるようになりました。
毎食納豆を食べるのでやはりご飯はかかせません。 これ位だと食後1時間の血糖値は170位でした。
その後A1cは横ばいか少しずつ下がる。

平成20年10月24日 この日は試しにご飯をお茶碗一杯食べて 検査に臨みました。
食後1時間血糖値:227 HbA1c:5.5
やはりご飯一杯を食べると200越えになるんだと実感しました。
でも毎食ご飯40gは続けていました。
その後の毎月のA1cは5.4~5.5でずっと安定。
毎月検査の食後1時間血糖値も150位で前より低くなる。

平成21年11月6日 この日はご飯をお茶碗半分位食べました。
食後1時間血糖値:162 HbA1c:5.4

平成22年9月3日 この日は試しにご飯をお茶碗一杯食べました。
食後1時間血糖値:151 HbA1c:5.0
以前はお茶碗一杯食べると200越えだったので驚きました。
その後は、ご飯40g食べると以前150位だった食後血糖値が
110~120位になる。

平成23年1月7日 ご飯半分(80g)、納豆1パック、味噌汁 卵焼き、ハム2枚、青汁+オリーブオイルさじ1杯食べての検査 食後1時間血糖値:115 HbA1c:5.1
肝臓やその他の数値も正常。
尿中アルブミン(クレアチニン補正値)も8.2ですからじん臓も正常。
少し緩めの糖質制限ですが、4年間糖質制限を続けてきて 私の場合はすい臓のβ細胞がとても回復したのを実感し、長く続けて耐糖能が低下という事は有りません。ちなみに体重は13キロ減です。

セレブ病(糖尿病)の状態は10人10色で、皆さんそれぞれ すい臓の状態も疲弊しているのか、又細胞が減少している場合 その程度によっても状況は変りますので、色々試してみて ご自身に一番合った方法やペースを見つけ出すしかないと 感じます。】


モン吉さん。
コメントありがとうございます。

「平成19年3月7日 食後1時間血糖値:389 HbA1c:10.7
すぐに先生の糖質制限食を知りスーパーを始める。
 平成19年10月12日 HbA1c:5.9
 平成20年10月24日 
この日は試しにご飯をお茶碗一杯食べて検査に臨みました。
食後1時間血糖値:227 HbA1c:5.5 」


糖質制限食実践1年半で、HbA1cは10.7→5.5%と劇的改善をキープですが、ご飯を1膳普通に食べたら、1時間後227mgですか。。。

炊いたご飯1膳に50gくらいの糖質が含まれています。2時間値はもっと低いかもしれませんが、この時点では
1gの糖質がキッチリ、ピークは3mg近く血糖値を上げているのでしょうね。

「平成22年9月3日 この日は試しにご飯をお茶碗一杯食べました。 食後1時間血糖値:151 HbA1c:5.0 」

糖質制限食実践2年半で、ご飯を1膳普通に食べても、1時間後血糖値が151mgですか。。。

これは明らかに良くなってます。1gの糖質が、1mgくらいしか血糖値を上昇させていませんね。

結局、2年半の糖質制限食実践で、耐糖能の著明な改善が得られています。

通常「糖尿病は治らない。」と言われていますが、このデータなら、糖尿病型→正常型になったわけで、治ったというのは言い過ぎとしてもそれに近い状態です。

糖質制限食で血糖コントロール良好となり、糖毒が解除され、なおかつ膵臓のβ細胞はしっかり休養できて正常に近く回復したということですね。
モン吉さん、おめでとうございます。

akiraさん、モン吉さん、
お二人とも、これからも美味しく楽しく末長く糖質制限食をお続け下さいね。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
どうすれば良いのでしょうか?
またここでの質問をお許しください・・・。
今日、また受診でした。

まずはなんの検査結果か分からないものが・・・
「異常はないですね」と返されてたものです。
甲状腺の検査でしょうか?
TSH 1.03
FreeT3 2.88
FreeT4 1.44

それから血液検査の結果です。
GOT 14
GPT 13
γGTP 23
総コレステロール 242
中性脂肪 68

今までの検査結果。
空腹時血糖・・・正常
糖負荷試験・・・200超え
インスリン 前   7.44mIU/ml
       60   24.3
       120  53.8
       180  30.1

BMI 31

私は不妊専門の病院での診断なので、医師からは「これらを踏まえて内科受診をして様子を見ながら妊娠してもOKなのか、他の治療も必要になるのか、妊娠許可を得てきてください」との事でした。

治療が必要ならばそちらが優先になるのは最もなのですが、
どうするべきなのか判断に困っています。

今すぐに妊娠したい気持ちはあるので、
できればなるべく早くに不妊治療を始めたいのが本音です。

許可がなければこの先へ進めないことは分かっているのですが、
近所の病院には糖質制限を理解してくれる医師がいるのか不安です。
糖質制限の成果は個人差はあると思いますが、このまま標準体重まで減量してから内科に行ってみるべきなのか。
今の状態で受診して糖質制限をしていることを話すのがベストなのか。
話さないで血糖を下げる薬を処方されても困りますし・・・
どうしたらよろしいでしょうか?

助言して頂ければと思います。
2011/02/12(Sat) 21:37 | URL | はなこ | 【編集
No title
先生のブログ、いつも読ませてもらっています。

私は昔から朝食を摂取するのがとても苦手です。
先生も毎日2食でいらっしゃいますよね?
カロリー制限のダイエットに励んでいた頃は、
どんな本を見ても「1日3食」と謳われていました。
そして、朝食を抜くのは力士と一緒とよく目にします。

それで今日、また検索してみたのですが。
朝食抜きの1日2食タイプの人は、インスリン抵抗性(体の中で血糖値を下げるホルモン<インスリン>が働きにくくなっている状態)を発症している可能性が高くなります。
この状態が長く続くと、糖尿病を引き起こしたり、肥満になる可能性が高い傾向にあります。
毎日朝食をとる人はそうでない人に比べ、インスリン抵抗性・肥満にかかる率が37~55%も低いことが報告されています。
との記事がありました。

糖質制限をしていますが、朝食を食べずに昼食でお肉を食べた場合に脂肪を全部吸収してしまうとかそういうことは心配しなくてよろしいのでしょうか?


2011/02/12(Sat) 23:33 | URL | めたこ | 【編集
Re: どうすれば良いのでしょうか?
はなこ さん。

まずは減量して、BMI25程度を目指すのがいいですね。
そうなればインスリン抵抗性が改善して、正常型に近くなると思います。
スーパー糖質制限食で半年くらいで達成できそうです。

BMI31で、糖尿病型では、妊娠許可はでないと思います。
2011/02/13(Sun) 12:26 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: No title
めたこ さん。

その記事は糖質を食べることを前提としたものですね。
糖質を食べる人が一度にどか食いすると太りやすいということでしょう。

糖質制限食ならそもそも肥満しませんし、糖尿病にもなりませんので・・・。
2011/02/13(Sun) 12:33 | URL | ドクター江部 | 【編集
雑誌掲載読みました
先日リンクをお願いさせていただきましたはしゆかです。
先週発売の女性セブンの糖質制限の特集ページ読みました!
女性誌に載るということは、一般的な支持もかなりあるということかと
すごく嬉しくなるとともに
なぜもっともっと早くに情報提供が進まなかったのかと
悔しい思いもあります。
わたしのように糖質制限と出会って救われる人が
多くなることを願って、
私もブログでの普及活動させていただきます(^.^)
2011/02/13(Sun) 13:38 | URL | はしゆか | 【編集
No title
度々申し訳ありません。

今直ぐに内科受診というわけではなく、
BMI25程度になった地点で内科受診という流れが良いということでしょうか?

その受診をする際はこの結果とともに、何キロ減量したかを伝え、もう一度検査をしなおして許可という形なのですかね?

お忙しい中、本当に何度もすみません。
2011/02/13(Sun) 17:07 | URL | はなこ | 【編集
No title
度々申し訳ありません。

今直ぐに内科受診というわけではなく、
BMI25程度になった地点で内科受診という流れが良いということでしょうか?

その受診をする際はこの結果とともに、
何キロ減量したかを伝え、
もう一度検査をしなおして許可という形なのですかね?
2011/02/13(Sun) 17:08 | URL | はなこ | 【編集
Re: 雑誌掲載読みました
はしゆかさん。

糖質制限食普及活動、ありがとうございます。
2011/02/13(Sun) 18:14 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: No title
はなこ さん。

そのように思います。
2011/02/13(Sun) 18:16 | URL | ドクター江部 | 【編集
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