FC2ブログ
週間東洋経済が糖尿病特集・糖質制限食には批判的?
こんばんは。

週間東洋経済が糖尿病特集ということで発売されました。

その中で糖質制限食に批判的な内容がありました。

私は東洋経済新報社から、

「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」~「やせる食べ方」

までたくさん本を出してきましたので、意外といえば意外なのですが、まあ編集局により、立場が違うということですね。

私の方は、東洋経済新報社の別の編集局で今まで通り、糖質制限食関係の本を出版していきますので問題はありません。

さて、その週刊東洋経済2011年2月5日号を購入してきました。

59ページに津田先生の糖質制限食に否定的なコメントなどが載っていました。

【食事療法で昨今注目を浴びているのが、糖質制限食。白米やパン、麺類などの炭水化物は極力控える一方、肉やチーズといった脂質やタンパク質が主成分の食品はしっかりたべてよいというもいのだ。

しかし糖質制限食について、京都大学人間環境学研究科の津田謙輔教授は「血糖値をあげる糖質を制限する短期的な効果はあるかも知れないが、血糖値にだけ目を奪われており、長く続ける食事の方法としてはふさわしくないのではないか」という考えを示す。】

このコメントに関しては不思議であり、理解不能です。 (∵)?

というのが、UKPDSという英国の2型糖尿病の世界最大の研究において

「どのような治療をしようとも、2型糖尿病は徐々に進行する。」

ということが報告されているからです。

つまり、糖質をたっぷり摂取する、現行のカロリー制限が主体の食事療法を行う限り、2型糖尿病といえども、慢性進行性膵不全ともいうべき不治の病であることが、UKPDSで証明されたわけです。

実際、インスリン注射や経口血糖降下剤を内服して、カロリー制限食で一生懸命頑張っていても、残念ながらほとんどの糖尿病患者さんが、じり貧で悪化していきます。

UKPDSは、25-65才の4209例の新規の2型糖尿病患者について、英国で実施された平均10年間にわたる過去最大規模の疫学調査です。UKPDSは、1970年代から準備され1977年に開始、1998年に結果が報告されました。

4209例の10年間の統計をとると、どんな治療法をしていても、HbA1cは徐々に悪化し続けています。

これは恐らくは、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が、徐々に減少していくためと考えられます。

つまり、糖尿病患者が医師や栄養士の現行の指導をきっちり守って最善の努力をしても、結果は、慢性の進行性の膵不全とも言うべき病態が2型糖尿病なのです。 (*_*)

実は糖質を摂取する限りは、どんな薬物治療をしていても、食後高血糖が生じる可能性が極めて高いのです。

この180mg/dlを超える食後高血糖が、膵臓のβ細胞を傷つけます。高血糖により傷つき死滅し、β細胞は徐々に減少していくわけです。

また、ACCORD研究(2008年)やランセットの報告(2010年)で、

「(糖質たっぷりのカロリー制限食を実践するかぎり)厳格に血糖コントロールするとかえって総死亡率が増加する。」

というエビデンスもでています。

つまり、「糖質たっぷりのカロリー制限食を続ける限り、糖尿人の長期予後は不良」というエビデンスがすでに存在するわけです。

このように、長く続ける食事療法としてふさわしくないエビデンスが明確に存在するのは、現行のカロリー制限食です。

糖質制限食の方には、ヒトにおける否定的なエビデンスは、少なくとも現時点ではありません。

津田謙輔教授はこれらのエビデンスを、どのように総括されているのでしょうね?
疑問に思います。

それでは「2型糖尿病は不治の病で、もうどうしようもないのか!?」というと、そんなことはありません。

180mg/dlを超える食後高血糖さえ起こさなければ、β細胞が障害されることもなく、今現在生き残っている数を保つことができるのです。そこでいよいよ糖質制限食の出番です。

糖質制限食なら、薬に頼ることなく食後高血糖を防ぐことができます。食後高血糖がなければ、β細胞も障害されることなく元気に生き続けてくれます。

従って少なくとも理論的には、糖質制限食の実践によりUKPDSの恐るべき結論(慢性進行性膵不全)を、覆すことができると思います。 (^_^)


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
No title
ご存知かと思いもうしあげませんでしたが、出版社は戦時中から色々あります。印税払わない会社等、詐欺同然の会社が多いのです。
東洋○○は株式○○の○○です。
KKベスト○○も○○です。
契約して出版しても支払いは信用しないほうが○○ですよ。
今は刷り部数で印税はないと思います。
実売部数で支払いと、、、
とにかく糖尿人のためによろしくお願いします。
2011/02/07(Mon) 21:01 | URL | クワポン | 【編集
No title
こんばんは
お忙しい先生に、お手間を取らせないようになるだけ自分で調べるように、心がけているのですがどうしても教えていただきたいことがありメールをさせていただきました。

職業がら(ナース)特に夜勤の時など、糖質制限に準じたお弁当を作っていくのですが、食事をゆっくり座って摂れないことがあります。このような場合チョコレートを2~3個(糖質量10g程度)つまむか低糖な缶コーヒーを飲むかしてその場をしのいでいます。
しかし、ただ単に糖質量を基準にした方が良いのかそれともおにぎり1個(糖質30g~40g)を摂るべきなのか迷います。

質問の意味がわかりずらいかもしれませんが、よろしくお願いします。
(私が勤務している病院では、まだ、糖質制限について質問できる雰囲気ではありません)
2011/02/08(Tue) 00:02 | URL | トマト | 【編集
私も週刊東洋経済読みました。
こんばんは。発投稿させていただきますオジと申します。先生の著作やサイトのおかげで、血糖コントロールをさほど苦労もなく良好に行っております。昨年の8月に骨折し、手術前の血液検査でA1c7.8%血糖値360を叩き出して 即入院。入院中余りに暇なので携帯で糖尿病関連を検索したところ、幸運なことに江部先生の糖質制限食に出会う事が出来ました。退院後はスーパー糖質制限食を実行し、3ヶ月後にはA1c4.9、コレステロール関連の数値も驚く程の改善と成りました。本当にありがとうございます。
さて、私も週刊東洋経済を読みました。一般的であろう治療法を採った人々の治療経過を興味深く読みました。この記事で紹介しているケースでは、殆どの人が薬を服用し厳しい食事制限や日々の運動で、なんとかコントロールしている様子が見て取れます。経済的負担も大きそうです。たぶんこれでも一般的には良い部類なのでしょう。 江部先生の著作やサイトにもたびたび登場する久山町研究についての記述も、糖尿病と他疾患の関連のものだけで、肝心の従来の食事療法による糖尿病予防の失敗の記述はありませんでしたね。
糖質制限についての津田教授の反論は、明らかに糖質制限食の有効性を知った上でのものであると感じられます。糖尿人の満腹感を満たす程の糖質を摂ったらどうなっちゃうんだろう。
とりとめのない長文になってしまい申し訳ありませんでした。今後も糖質制限食の普及宜しくお願いします。
2011/02/08(Tue) 00:36 | URL | オジ | 【編集
糖質制限食実践中!
 始めまして、30台後半のサラリーマン(男性)です。
数年前から健康診断で血糖値に関して、要再検→要精検→要加療
となってましたが、自覚症状も全く無く、特に気にしておりませんでし
たが、昨年の数値が空腹時血糖185、A1c7.9。
 はてこれは一体どのくらいの数値なのだろうと、ふとネットで検索。
結構とんでもない数字だということを初めて認識し、食事療法でも始め
ようと、ネットで検索したところ先生の糖質制限食に触れ、著書を熟読
し、理屈は合ってると納得。※偉そうですみません
また糖質制限食の実践者の皆さんのブログ等で効果をはっきりと認識
し、昨年11月末から実践しております。
 朝、夜は納豆、豆腐を主食代わりにし、昼飯は選べない弁当なので
当初は米を1/3だけ食べてましたが、やはり体に良くないモノを摂って
いるという認識があり、食べても美味しく感じなくなり、すぐにスーパー
糖質制限食に変えました。
 体重計も血糖値測定器も無いので、効果は不明ですが、ウエストは
5~6cm細くなりました。それと良いのか悪いのか判りませんが、以前は昼食を食べると、すぐに昼寝してましたが、最近は昼寝ができなくなってきました。皆さんも当初はなっているようですが、便秘気味ですね。
それでも実践初期に比べれば大分良くなってきました。
 現状の数値は判りませんが、間違いなく良化しているだろうと、
確信しており、今後とも継続していきたく思っております。
 先を行く者は常に、旧習,呪縛に囚われた既得権益者,旧来の権威
の誹謗中傷、ねたみそねみの的になってしまうのが世の習わしですか
ら。。。 先生には今後とも糖尿病患者のためにご研究を重ね、成果を
ご披露していただきたく、切にお願い申し上げます。

※表現が穏やかでない箇所が有りますが、小生の本心から出た表現
です。ブログ運営上、適切でない場合は、遠慮なくご削除願います。
 
2011/02/08(Tue) 09:11 | URL | 虎釣 | 【編集
Re: No title
トマトさん。

チョコではグルコーススパイクがおこりそうです。
ナッツ類がいいと思いますよ。

1回の糖質は10~20gですので、40粒くらいOKです。
2011/02/08(Tue) 13:28 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 私も週刊東洋経済読みました。
オジ さん。

素晴らしい改善ですね。
良かったです。
カロリー制限の糖尿人は、そのまま不治の病なのでお気の毒ですね。
2011/02/08(Tue) 14:11 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖質制限食実践中!
虎釣さん。

本のご購入ありがとうございます。
ウエストが5~6cm細くなったのなら、上手に糖質制限食が実践できていると
思います。
血糖もきっと改善していますよ。
2011/02/08(Tue) 14:14 | URL | ドクター江部 | 【編集
74ページ
江部先生

74ページの榊原さんの食事として紹介されているのが、
糖質制限を多少意識したような食事なのかと思って
雑誌をみておりました。

まあ63ページのご飯の写真は『白米食べちゃうんだ』と
驚かされましたが。

この特集は、糖質制限とは真っ向から対立なんですね。
なんだか残念だなあと思いました。スーパー糖質制限といかなくても、私のような予備軍ならばゆるめの糖質制限で十分対応できるかたも多いのかななんて感じています。

仕事柄(不妊治療の鍼灸院で妊婦さんを多くフォローしております)妊婦さんの昨今の糖尿に対する厳しさと直面し、主食を白米から玄米にし、かつ食べる順序を変え、なるべく炭水化物を少な目にということで、かなりクリアできる方がいらっしゃるので、こういったゆるめもokなのかななどと思っておりました。ぬるすぎますでしょうか?
2011/02/08(Tue) 20:58 | URL | はつき | 【編集
Re: 74ページ
はつき さん。

いろんな個人差がありますので、
緩やかな糖質制限食で血糖コントロールできていればそれで問題なしです。
2011/02/08(Tue) 22:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可