FC2ブログ
タンパク質と血糖値
こんにちは。

今朝、車の温度計はマイナス2度をさしていました。
相変わらず寒さ厳しき京都です。

さて、今回は内科大学院生さんから、タンパク質と1型糖尿病と血糖値について貴重なコメントをいただきましたので検討してみます。

【11/01/28 内科大学院生
蛋白質の影響
江部先生
こんにちは。内科大学院生です。
焼肉の翌日に血糖値を上昇させているのは、蛋白質が原因だと思います。2004年からADAから 『蛋白質の50%は血糖に変わる。脂質はその10%が血糖に変わる』 という記載が消えているのは確かですが、蛋白質や脂質が食後4時間以降の血糖上昇に影響しているのは間違いないと思います。
そして蛋白質と脂質の摂取量が基礎インスリン量に関与していることも明らかです。これはカーボカウントの第一人者、川村先生もおっしゃっていました。
1型糖尿病の患者さん10人に協力してもらい、チーズ50g(糖質1g以下)を寝る前に食べてもらったところ、食べない時より翌朝の血糖値がかなり高くなりました。インスリン量は変えず、2日間全く同じ食事を食べて貰いました。
チーズを食べない時の空腹時の血糖値の平均 120mg/dl
チーズを食べた時の空腹時の血糖値の平均  161mg/dl
本当に見事なくらい全員が血糖値が高くなりました。
バーンスタイン先生のおっしゃる通り、蛋白質1gは1型糖尿病患者において、約0.93mg/dl以上、血糖を上昇させるのでしょうね。
蛋白質は食後高血糖は起こしませんが、血糖上昇作用をもたらすことは間違いありません。】



内科大学院生 さん。
貴重なデータをありがとうございます。

<バーンスタイン医師の糖尿病の解決・第2版>214ページによれば

「全くインスリンを産生しない1型糖尿病患者では、インスリン1単位は通常64kgの成人で血糖値を40mg/dl下げることをわれわれは知っている。またわれわれは1gの炭水化物が血糖値を5mg/dl上げることを知っている。したがって1単位のレギュラーインスリンは8gの炭水化物をカバーする。われわれは、また1単位のレギュラーインスリンがタンパク質(タンパク質食品)約1.5オンス(43g)をカバーすることを知っている。」

→インスリン抵抗性や内因性インスリンのこともあり1型でも個人差あり。

バーンスタイン医師によれば、肉などのタンパク質食品に含まれるタンパク質は、1オンス(28.4g)中に約6gで、残りは脂肪、水分、炭水化物だそうです。

上述の記載に基づいて計算すると、

「1gのタンパク質食品が1型糖尿人の血糖値を0.93896mg上昇させる」

ということになりますが、これはレギュラーインスリンがカバーするということなので、1型においては、食後血糖値を上昇させるという意味と思います。

米国の栄養学の教科書(クラウスの食品・栄養・食事療法 第11版。訳本805ページ)によれば、 コントロールが悪い1型糖尿病では、タンパク質からブドウ糖への変換が急速におこるそうです。

コントロールが悪い2型では、タンパク質摂取で肝臓の糖新生が加速されるそうです。

残念ながら、どういう経路でそうなるかが書いてありません。 タンパク質が分解されたアミノ酸から糖新生なのか、別の経路なのか良くわかりません。

2型の場合も、肝臓で糖新生するとして、食べたタンパク質由来のアミノ酸からなのか、もともと体内にあるるアミノ酸からの糖新生なのかグリセロールや乳酸も関わるのかも、記載がないので良くわかりません。

一方、コントロール良好な2型も1型も、摂取したタンパク質は、血漿血糖値を上昇させなかったそうです。

こうなると2型に関しては、コントロール良好か否かで、摂取したタンパク質が食後血糖値を上昇させるか否かが違ってくることとなります。

また、2型でコントロール良好でも、午後9時以降の、タンパク質食品(肉、魚など)の摂取が、夜間の肝臓の糖新生に何らかの影響を与えて、翌朝の血糖値が若干上昇する可能性もあります。

何だか、まだまだわからないことだらけですね。

さて次に内科大学院生さんの1型のデータです。

1型糖尿病の患者さん10人に協力してもらい、チーズ50g(糖質1g以下)を寝る前に食べてもらったところ、食べない時より翌朝の血糖値がかなり高くなりました。インスリン量は変えず、2日間全く同じ食事を食べて貰いました。
チーズを食べない時の空腹時の血糖値の平均 120mg/dl
チーズを食べた時の空腹時の血糖値の平均  161mg/dl 】


見事に翌朝の空腹時血糖値が上昇しています。

例えばカマンベールチーズ50gなら、タンパク質は9.55gで糖質0.45gなので、糖質の影響は考えられないですね。

少なくとも、1型においては、眠前のタンパク質摂取が、翌朝の早朝空腹時血糖値を上昇させることは間違いないようです。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
Re: チーズ
境界人間さん。

ADAもバーンスタインもクラウスも脂質が血糖値を上げるとは記載がないので
まあ大丈夫と思います。
2011/01/31(Mon) 17:33 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: はじめまして
mi さん。

拙著の本たくさんのご購入ありがとうございます。
HbA1c、体重の改善も良かったですね。

シャクリーのプロテインはたんぱく質含有率が57%、糖質25%ですね。
糖質が結構含まれているので要注意です。
糖質制限食の場合、肉・魚・大豆製品を充分摂取するので、タンパク質の補充はまずいらないと思います。
2011/01/31(Mon) 21:56 | URL | ドクター江部 | 【編集
早朝空腹時の血糖値に変化が・・・
江部先生。こんにちは。kenmです。


食後の運動として、ノルディックウォーキングを導入してから、約6週間が経ちました。

食後の運動により血糖値が下がるのではなく、かえって上昇するという経験をしています。

10日のうち7日、約70%の割合で、運動により血糖値が上昇するのです。
午後のノルディックウォーキングは約30分、必ず血糖値は下がります。
平均40mg/dlでしょうか。20mg/dlが多く見られます。

実際の数値については、http://bit.ly/dLEWfH 2011年早速ミラクルな経験をしています をご覧ください。

この記事投稿以降も、約3週間ノルディックウォーキングを続けてきました。歩数でいうと、平均約13,000歩、時速約6km、運動後の心拍数は130前後です。


そしてある血糖値の変化が気になるようになりました。
それは、早朝空腹時の血糖値についてです。

ノルディックウォーキングを導入する以前(歩数約8,000歩)は、血糖値110mg/dl以下が多く、二桁の数値も多く見られました。

最近はその頃より高い数値を示すようになったのです。
110mg/dl以上120mg/dl台が多く見られるようになりました。

激しい運動の積み重ねによって、早朝空腹時の血糖値が高目を示すことがあるのでしょうか。

またそうだとすると、HbA1cの数値にどのような影響が見られるようになるのでしょうか。

私自身は、HbA1cの数値改善を目標に、現在の運動を続けているつもりです。

ちなみに食事に関してはスーパー糖質制限食を続けています。
特に内容を変更したということはありません。

>また、2型でコントロール良好でも、午後9時以降の、タンパク質食品(肉、魚など)の摂取が、夜間の肝臓の糖新生に何らかの影響を与えて、翌朝の血糖値が若干上昇する可能性もあります。

そう言えば、夜9時以降にチーズを食べることがあります。
心当たりがあるとすれば、チーズですね。

2011/02/01(Tue) 17:03 | URL | kenm | 【編集
Re: 早朝空腹時の血糖値に変化が・・・
kenm さん。

血糖値が上昇しない程度に運動強度を少し落として、今後も長期間続けるという方法は如何でしょうか?

軽い運動を長期間つづけることで、インスリンの効きが良くなります。

2011/02/01(Tue) 21:04 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます
今日は。先日、広島市内の先生をご紹介くださいましてありがとうございました。仕事がおちついたら行ってみます。

1月の空腹時朝の平均血糖値が102でHbA1cの値は4.9となりました。
糖質制限食の効果はすごいですね。
2011/02/04(Fri) 12:49 | URL | 広島の京都人 | 【編集
先生こんにちは。
わたしは2型ですがランタスを注射するほどの重症なので、夕食にチーズを食べすぎて翌朝の血糖値が高くなることは何度か経験しました。

しかし、昨夜の実験で、赤ワインを一緒に飲んだら翌朝血糖値は98で普段よりもむしろ低下しました。

糖尿病ブログ更新しました。

昨夜の無謀な実験(あえて寝る前に赤ワイン・チーズ・ゆで卵を食す)の結果、今朝の血糖値と体重がどうなったかの結果を記事にしました。
http://ameblo.jp/misakodiabetes/entry-12012835586.html

ご参考までに。

2015/04/11(Sat) 12:15 | URL | misako | 【編集
追記

すみません、ブログURLの上の文章3行は消し忘れです。。
2015/04/11(Sat) 13:50 | URL | misako | 【編集
Re: タイトルなし
misako さん

ブログでの拙著の紹介、ありがとうございます。

「しかし、昨夜の実験で、赤ワインを一緒に飲んだら翌朝血糖値は98で普段よりもむしろ低下しました。
糖尿病ブログ更新しました。
昨夜の無謀な実験(あえて寝る前に赤ワイン・チーズ・ゆで卵を食す)の結果、今朝の血糖値と体重がどうなったかの結果を記事にしました。」


無謀ではないと思いますよ。
個人的には、実験成功なので、今後もまず大丈夫と思います。
念のため、早朝空腹時のCペプチド値を測定して
自分自身の内因性インスリンが出ているかどうか、検査してみましょう。
2015/04/11(Sat) 16:34 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可