2007年08月14日 (火)
こんばんは。本日もまた晴天なり。猛暑がしつこく続く京都です。
今日は、高雄病院の夜診、さすがにお盆のせいなのか、いつもより早く定刻の8:30に終了しました。定刻終了は、本年度初めてのことですね。
さて、昨日は肥満治療と最新のカロリー理論を説明しましたが、今日はそれだけでダイエットを語ることは無理というお話です。
カロリーを全く無視することはできませんが、単なるカロリー制限食と糖質制限食では痩せる効果に大きな差があるのです。
それでは、糖質制限食は単なるカロリー制限食に比べてなぜダイエット効果が高いのでしょう?
お医者さんも栄養士さんも含めて皆さん、「同一カロリーであれば、何を食べても減量効果は変わらない」と思っている人が多いのではないでしょうか?
このカロリー神話、私もかつては信じてましたし、ほとんど根強い信仰のようになってますが、人体の生理・代謝を理論的に考察してみると、はっきり間違いなのです。
「糖質制限食」でやせるメカニズムに関しては、以下の三つの要素が決定的に重要です。糖質を摂取しないので
1 肥満ホルモン(インスリン)がほとんどでない。
2 体脂肪が常に燃えている。
3 血中のケトン体が高まり、尿中にカロリーと共に生理的に排泄される。
一方、従来の「カロリー制限食」では、糖質を摂取するので
A 血糖値が上昇して肥満ホルモン(インスリン)がたっぷり分泌される。
B 体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C ケトン体は出なくなる。
この<1、2、3>と<A、B、C>の比較をしてみれば、糖質制限食のほうがカロリー制限食より、ダイエット効果があることがお解りいただけると思います。
<1、2、3>に関しては、摂取カロリーとは全く無関係の生理学的な事実であり、あくまでも糖質を摂取するか否かが問題となります。
このように、少なくとも同一カロリーである限りは、 糖質制限食が脂肪制限食よりダイエット効果が高いことは理論的に証明できたと思います。
実際「アトキンス博士のローカーボダイエット」に、英国のアラン・ケトウィック教授とガストン・パワン博士の研究結果が紹介されています。両氏がロンドンのミドルセクス病院にある権威ある臨床医学研究所に所属していたときの研究です。
タンパク質90%以上、脂質90%以上、糖質90%以上というカロリー量の等しい3種類の食事を用意して、被験者の体重の変化を比較するというデザインでした。
結果は、脂質90%の食事を摂った被験者が一番体重の減り方が顕著で、ついでタンパク質90%の被験者であり、糖質90%の被験者は全く痩せませんでした。
(5.17、8.8のブログも参照していただけば幸いです)
江部康二
今日は、高雄病院の夜診、さすがにお盆のせいなのか、いつもより早く定刻の8:30に終了しました。定刻終了は、本年度初めてのことですね。
さて、昨日は肥満治療と最新のカロリー理論を説明しましたが、今日はそれだけでダイエットを語ることは無理というお話です。
カロリーを全く無視することはできませんが、単なるカロリー制限食と糖質制限食では痩せる効果に大きな差があるのです。
それでは、糖質制限食は単なるカロリー制限食に比べてなぜダイエット効果が高いのでしょう?
お医者さんも栄養士さんも含めて皆さん、「同一カロリーであれば、何を食べても減量効果は変わらない」と思っている人が多いのではないでしょうか?
このカロリー神話、私もかつては信じてましたし、ほとんど根強い信仰のようになってますが、人体の生理・代謝を理論的に考察してみると、はっきり間違いなのです。
「糖質制限食」でやせるメカニズムに関しては、以下の三つの要素が決定的に重要です。糖質を摂取しないので
1 肥満ホルモン(インスリン)がほとんどでない。
2 体脂肪が常に燃えている。
3 血中のケトン体が高まり、尿中にカロリーと共に生理的に排泄される。
一方、従来の「カロリー制限食」では、糖質を摂取するので
A 血糖値が上昇して肥満ホルモン(インスリン)がたっぷり分泌される。
B 体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C ケトン体は出なくなる。
この<1、2、3>と<A、B、C>の比較をしてみれば、糖質制限食のほうがカロリー制限食より、ダイエット効果があることがお解りいただけると思います。
<1、2、3>に関しては、摂取カロリーとは全く無関係の生理学的な事実であり、あくまでも糖質を摂取するか否かが問題となります。
このように、少なくとも同一カロリーである限りは、 糖質制限食が脂肪制限食よりダイエット効果が高いことは理論的に証明できたと思います。
実際「アトキンス博士のローカーボダイエット」に、英国のアラン・ケトウィック教授とガストン・パワン博士の研究結果が紹介されています。両氏がロンドンのミドルセクス病院にある権威ある臨床医学研究所に所属していたときの研究です。
タンパク質90%以上、脂質90%以上、糖質90%以上というカロリー量の等しい3種類の食事を用意して、被験者の体重の変化を比較するというデザインでした。
結果は、脂質90%の食事を摂った被験者が一番体重の減り方が顕著で、ついでタンパク質90%の被験者であり、糖質90%の被験者は全く痩せませんでした。
(5.17、8.8のブログも参照していただけば幸いです)
江部康二
こんばんは。入院中は大変お世話になりました。お蔭様で、最高に気持ちよい生活を送っております。カロリー神話は、教育入院で完全に理解できました。秋に高雄病院に入院していたDM仲間7人で、高雄病院の外来終了後に糖質制限食食べ歩きツアーを計画しています。この暑さの中ですが、人生の素晴らしさをしみじみ感じています。本当にありがとうございました。
2007/08/14(Tue) 23:04 | URL | はらり | 【編集】
iIDDMで、ケトアシードシスの経験者です。
糖質制限には合点がいきますが、
尿中ケトンは・・・・。
当方、体脂肪率も17-18%です。
糖質制限でケトンを排出しないレベルの基準値はどれくらいでしょうか?
ご教示願います。
糖質制限には合点がいきますが、
尿中ケトンは・・・・。
当方、体脂肪率も17-18%です。
糖質制限でケトンを排出しないレベルの基準値はどれくらいでしょうか?
ご教示願います。
非常に興味深い研究結果ですね。
この場合、脂質食、タンパク質食、糖質食による体重の違いは、尿から出たケトン体の量の違いと考えていいのでしょうか?
この場合、脂質食、タンパク質食、糖質食による体重の違いは、尿から出たケトン体の量の違いと考えていいのでしょうか?
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