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糖質制限食とテーラーメード・ダイエット③2011年1月版
こんにちは。

今回は糖質制限食とテーラーメード・ダイエット③です。


糖尿病の人が糖質を一人前摂取すると、未精製の穀物でさえも、食後血糖値は軽く200mgを超えてきます。この急峻な食後高血糖のことを「グルコーススパイク」とよび、糖尿病の人で動脈硬化が生じる元凶となります。

精製炭水化物を摂取した時に、耐糖能が正常の人でも生じる食後血糖値が160mg、170mgという状態を、私は「グルコースミニスパイク」と名付けました。

このグルコースミニスパイクが、生体の恒常性をかく乱し、アレルギー疾患を悪化させたり、将来の生活習慣病のもととなると思います。

過去、世界中にいろんな食事療法がありましたが、経験的に有効とされているものは、玄米菜食、ゲルソン療法、甲田療法など、基本的にグルコースミニスパイクが少ないという一点で一致しています。

私は現在、世界の文明国に氾濫する生活習慣病の元凶は、精製炭水化物やジャンクフードや清涼飲料水による、グルコースミニスパイクとインスリンの頻回・過剰追加分泌と考えています。


繰り返しますが、グルコースミニスパイクの考えは、

「耐糖能が正常な人でも高GI食品を摂取すると食前血糖値が100mgくらいから食後160~170mgくらいまで上昇し、インスリンの頻回・過剰追加分泌を生じる。」

ということです。

しかし、低GI食品なら、耐糖能が正常な人は、食前100mgくらいから食後140mgくらいまでの上昇ですみ、インスリンの追加分泌も高GI食品にくらべれば少なくてすみます。

つまり、グルコースミニスパイクは、糖尿人ではなく正常人におけるお話しです。

そして、食前と食後の血糖値の差が少ないほど、代謝の恒常性(ホメオスターシス)が保たれて身体に優しいということです。

糖尿病を発症していない段階の人においては、グルコースミニスパイクを防ぐことが、生活習慣病の予防に重要です。

糖尿病以外の慢性疾患の患者さんにおいても、グルコースミニスパイクを防ぎ代謝を安定させて自然治癒力を高めることが大切です。

グルコースミニスパイクを防ぐには、糖質制限食、低GI食品そして運動という選択肢があります。とくに糖質制限食なら、食後の血糖値はほとんど上昇しません。

一方、糖尿人においては、低GI食品でも普通に糖質を一人前摂取すれば、食後血糖値は200mg/dlを超えてきます。

すなわち、正常人では意味のあったGIが、糖尿人ではほとんど無意味となります。

糖尿人においては、糖質制限食以外の食事療法は、必ず食後高血糖を生じて動脈硬化のリスクを背負うこととなり、危険です。従って、糖尿人には糖質制限食が唯一の安全で有効な食事療法です。


☆高雄病院食生活十箇条
アトピー性皮膚炎などアレルギー疾患の患者さんや糖尿病・肥満以外の患者さんに、
そして生活習慣病予防に、「食生活十箇条」を提案しました。

『高雄病院食生活十箇条』

一、主食は未精製の穀物(玄米、全粒粉のパンなど)。運動量により量を調整。
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物も適量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は極力減らし、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで 



☆☆
糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-

一、魚貝・肉・豆腐・納豆・チーズなどタンパク質や脂質が主成分の食品はしっかり食べてよい。
二、糖質特に白パン・白米・麺類及び菓子・白砂糖など精製糖質の摂取は極力控える。
三、やむを得ず主食を摂るときは未精製の穀物(玄米、全粒粉のパンなど低GI食品)。
四、液体でエネルギーを摂取しない。水や茶はOK。成分未調整豆乳は適量OK。
五、糖質含有量の少ない野菜・海草・茸類は適量OK。果物は少量にとどめる。
六、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)は積極的に摂り、リノール酸を減らす。
七、マヨネーズ(砂糖無しのもの)やバターもOK。
八、お酒は蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)はOK、醸造酒(ビール、日本酒、など)は控える。
九、間食やおつまみはチーズ類やナッツ類を中心に適量摂る。菓子類、ドライフルーツは不可。
十、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ。


『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。

*抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。
*炭水化物=糖質+食物繊維



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
No title
初めてコメントさせていただきます。36歳、独り暮しの女子です。

実は先日、5年半ぶりの200ml献血での検査数値について、衝撃を受けてしまい慌ててネットで調べたところ、こちらを拝見し、とっても丁寧な説明にすがる想いでコメントさせていただくことにしました。

毎年の職場での検診では、6年前に一度、尿糖(+)となり仰天して医療機関にてブドウ糖負荷試験を受けたところ、血糖値と尿糖も上昇の仕方も下降の仕方も正常で、腎性糖尿といって病気ではなく、そういう体質だと知っておけばいいですよ、と一安心し、以降は異常なしでした。

それが先月末、献血で初めて知ったグリコアルブミンの数値が16.7%で医療機関を受診してくださいというものでした。
検診では空腹時での血糖値の検査しかなく、80台で推移しています。
確かに、お菓子はよく食べるものの、ご飯は黒米を少し混ぜて毎日1合、昼食は基本的にお弁当持参、パスタやパンは週末に1~2食ある程度で、炭水化物を取りすぎている自覚がありません。
また、昨年には通販で口の中の粘膜を採取しての肥満関連遺伝子検査で、脂質の代謝がやや苦手でむしろ糖質代謝は標準でした。
矛盾していると思うのですが、これとの関連性も謎です。

身内では、同居はしていませんでしたが祖母が糖尿病で合併症の心筋梗塞で亡くなっているのみです。
妹が検診で、やはり腎性糖尿らしいという事が一度ありました。
現在、運動は全くせず、BMIは標準もやせ寄りですし、健康には興味があって食べ物も好き嫌いが無いのですが、まさかの糖尿病予備軍なのでしょうか・・・?
早速、ご飯も半分は発芽玄米を混ぜることにしましたが、果物も控えなければいけないのかと、早くも制限しなければいけない生活は考えられません。医療費を今からかけたくないので、せめて今の状態を維持したいのですが、糖代謝機能が異常なのでしょうか?
これから妊娠をするのも、年齢的にハイリスクな上にこれでは不安でたまりません。
2011/01/09(Sun) 15:56 | URL | よう | 【編集
Re: No title
よう さん。

グリコアルブミンの基準値は<12.4~16.3%>です。
16.7%は、ほんの少し高値です。
空腹時血糖値は正常ですので、軽度の食後高血糖があるのだと思います。
糖尿病予備軍として主食を減らし気味にして、ゆるくてもいいので糖質制限食を実践されたら
将来糖尿病になるのが防げると思いますよ。
2011/01/10(Mon) 12:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
食後高血糖のまま下がらない
アメリカ在住のchihuahuaです。先月にインシュリン注射とメトホルミンの事で相談させて頂きましたが、その節は早速のアドバイスを有難うございました。メトホルミンを1000mg朝晩飲んでいたのを止めて、ランタスソロスターを夕食1時間後に打つだけにし、糖質制限食を続けているのですが、朝食前は血糖値100前後だったのに食後2時間で血糖値が148、食後3時間は158となり、そのまま下がらず昼食前も以前として血糖値が158あります。昼食後に直ぐ運動をするので2時間後血糖値は168でなんとか治まっているのですが、夕食前も158位にしか下がりません。そういうことからランタスも4単位から7単位になっています。糖質制限食でなかったらきっと食後血糖値は軽く250を超えていると思います。耐糖機能が全く破壊されてしまっているのでしょうか?糖を吸収する薬とかを飲まないといけないのでしょうか?メトホルミンを止めてから抜け毛が減ったのでほっとしているものの、血糖値が1日中150近くあるのでどうしたら良いものか悩んでおります。それと、ワインを少し飲んだ時は食後血糖値が120くらいに下がるのですが、お酒を血糖値を下げる為に飲むのはどう思われますか?長々となってしまいましたが、どうぞ宜しくお願いいたします。

2011/01/10(Mon) 15:26 | URL | chihuahua | 【編集
Re: 食後高血糖のまま下がらない
chihuahuaさん。

ランタスは基礎分泌インスリンの代わりです。
追加分泌インスリンが一定残っていると思いますが、
食後2時間血糖値140mg/dl未満が目標ですね。

日本では、熊本スタディという研究から、
食後2時間血糖値が180mg/dl未満なら動脈硬化は起こりにくいとされていますので、
chihuahuaさんはまあまあとは思うのですが・・・。

少量のワインは体にもいいですので、OKですよ。

あと、DPP-4阻害剤であるジャヌビア(シタグリプチンリン酸塩水和物・Sitagliptin phosphate hydrate)
とランタスの併用も選択肢の一つと思います。

ジャヌビアは膵臓にもやさしい薬ですので、Drと相談してみて下さい。

2010-09-10のブログ「糖質制限食とDPP-4阻害剤」をご参照ください。
2011/01/10(Mon) 19:07 | URL | ドクター江部 | 【編集
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