Mon
08/13
2007
肥満、糖質制限食でもやせない、なぜ?
こんばんは。今日も丸一日猛暑の続く京都です。
お盆の影響で町の中は空いてますから、車の流れがいいのは救いですね。
でも、狙い撃ちのように道路工事がやたら増えているのは困りものです。
さて 匿名希望さんからの質問です。
「2007/08/07(火) 13:20
本文
件名 : 本当に悩んでます
糖質制限食はじめて2ヶ月程になるんですがいっこうに痩せず…それどころか最近太ったと言われて(/_;)
甘い物大好きなので大豆フィナンシェとか大豆クッキーかロッスチョコレ-トを間食してるんですがなぜか自分でもあちこち太くなっていってる気がしてなりません
昔からずっとダイエットしてるのでどこか悪いのでしょうか? 医者に診て頂いたりした方がいいのでしょうか? こんな質問ですいません でも本気でなやんでます。」
「糖質制限食を実践しても痩せない」まれですが、そういう人が確かにいます。
高雄病院の入院患者さんで、150cm、90kgの女性がおられました。1200キロカロリーの 糖質制限食でも減量できずに、1000キロカロリーでやっと体重が減り始めました。
どうやら世の中には、痩せやすい人と痩せにくい人がいることは間違いないようですが、その大きな要因として基礎代謝があります。
吉田俊秀先生(京都府立医大臨床教授・肥満外来)によれば、日本女性の平均基礎代謝量は約1200キロカロリー/日ですが、個別には600〜2400キロカロリー/日とかなりのばらつきがあるそうです。
単純には、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回れば太るし、下回れば痩せます。
<消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生>です。
基礎代謝は、何も活動していない時でも人体の機能維持に必要なエネルギーで、男性で平均約1500キロカロリー、女性で平均約1200キロカロリーです。
運動エネルギーは、1万歩歩けば、標準体重の人が350キロカロリー、肥満の人は400〜500キロカロリーを消費します。
食事誘発熱産生は、食事摂取中に消費するエネルギーですが、日本人は、平均200キロカロリー/日とされています。
こう見てくると消費エネルギーのなかで、基礎代謝が一番大きな割合を占めていることがわかります。
基礎代謝が800キロカロリー/日しかない人ならば、1200キロカロリー/日という低カロリーでもなかなか痩せないことは理解できますよね。
さて、1995年、米国アリゾナ州に居住するネイティブアメリカンの「ピマ族」に、「β3アドレナリン受容体」という物質をつかさどる遺伝子に変異が発見され、これを持つ人は糖尿病や肥満になりやすいことが報告されました。
この報告にヒントを得て、吉田先生が肥満外来の患者さんを調べたところ、34%の人に「β3アドレナリン受容体」の遺伝子変異が見つかったそうです。この遺伝子変異があると、日本人では基礎代謝量が200キロカロリー/日も低下していて、他の人と同じように食べていても太りやすく痩せにくいのです。
ピマ族や日本人に比較的多く見られるこの遺伝子変異は「倹約遺伝子」とも言うべきもので、脂肪をためやすく燃えにくいようにするものです。
即ち、摂取エネルギーを最大限に吸収し、消費エネルギーを最小限に抑えるという、私達の祖先がかつて食料不足で飢えに苦しめられていたころには、大いに有利に働いていたものと考えられます。
かつては「倹約遺伝子」として有利に働いていたものが、飽食の現代では「肥満遺伝子」と変貌してしまったわけです。
ここまで、肥満治療に関する最新のカロリー理論を紹介してきました。しかし、カロリー理論だけで肥満が語れるわけではありませんので、 糖質制限食でなぜ痩せるかを次回復習しましょう。
今日のブログは
「日本人が一番やせるダイエット」マキノ出版、吉田俊秀先生のご著書を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
江部康二
お盆の影響で町の中は空いてますから、車の流れがいいのは救いですね。
でも、狙い撃ちのように道路工事がやたら増えているのは困りものです。
さて 匿名希望さんからの質問です。
「2007/08/07(火) 13:20
本文
件名 : 本当に悩んでます
糖質制限食はじめて2ヶ月程になるんですがいっこうに痩せず…それどころか最近太ったと言われて(/_;)
甘い物大好きなので大豆フィナンシェとか大豆クッキーかロッスチョコレ-トを間食してるんですがなぜか自分でもあちこち太くなっていってる気がしてなりません
昔からずっとダイエットしてるのでどこか悪いのでしょうか? 医者に診て頂いたりした方がいいのでしょうか? こんな質問ですいません でも本気でなやんでます。」
「糖質制限食を実践しても痩せない」まれですが、そういう人が確かにいます。
高雄病院の入院患者さんで、150cm、90kgの女性がおられました。1200キロカロリーの 糖質制限食でも減量できずに、1000キロカロリーでやっと体重が減り始めました。
どうやら世の中には、痩せやすい人と痩せにくい人がいることは間違いないようですが、その大きな要因として基礎代謝があります。
吉田俊秀先生(京都府立医大臨床教授・肥満外来)によれば、日本女性の平均基礎代謝量は約1200キロカロリー/日ですが、個別には600〜2400キロカロリー/日とかなりのばらつきがあるそうです。
単純には、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回れば太るし、下回れば痩せます。
<消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生>です。
基礎代謝は、何も活動していない時でも人体の機能維持に必要なエネルギーで、男性で平均約1500キロカロリー、女性で平均約1200キロカロリーです。
運動エネルギーは、1万歩歩けば、標準体重の人が350キロカロリー、肥満の人は400〜500キロカロリーを消費します。
食事誘発熱産生は、食事摂取中に消費するエネルギーですが、日本人は、平均200キロカロリー/日とされています。
こう見てくると消費エネルギーのなかで、基礎代謝が一番大きな割合を占めていることがわかります。
基礎代謝が800キロカロリー/日しかない人ならば、1200キロカロリー/日という低カロリーでもなかなか痩せないことは理解できますよね。
さて、1995年、米国アリゾナ州に居住するネイティブアメリカンの「ピマ族」に、「β3アドレナリン受容体」という物質をつかさどる遺伝子に変異が発見され、これを持つ人は糖尿病や肥満になりやすいことが報告されました。
この報告にヒントを得て、吉田先生が肥満外来の患者さんを調べたところ、34%の人に「β3アドレナリン受容体」の遺伝子変異が見つかったそうです。この遺伝子変異があると、日本人では基礎代謝量が200キロカロリー/日も低下していて、他の人と同じように食べていても太りやすく痩せにくいのです。
ピマ族や日本人に比較的多く見られるこの遺伝子変異は「倹約遺伝子」とも言うべきもので、脂肪をためやすく燃えにくいようにするものです。
即ち、摂取エネルギーを最大限に吸収し、消費エネルギーを最小限に抑えるという、私達の祖先がかつて食料不足で飢えに苦しめられていたころには、大いに有利に働いていたものと考えられます。
かつては「倹約遺伝子」として有利に働いていたものが、飽食の現代では「肥満遺伝子」と変貌してしまったわけです。
ここまで、肥満治療に関する最新のカロリー理論を紹介してきました。しかし、カロリー理論だけで肥満が語れるわけではありませんので、 糖質制限食でなぜ痩せるかを次回復習しましょう。
今日のブログは
「日本人が一番やせるダイエット」マキノ出版、吉田俊秀先生のご著書を参考にさせて頂きました。ありがとうございました。
江部康二


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