2010年12月28日 (火)
こんにちは。
今回はあきらさんから、
『日本糖尿病協会発行の月刊誌「さかえ」に、糖質制限食に有利な記事』
という大変興味深いコメントをいただきました。
【10/12/28 あきら
月刊誌「さかえ」の記事
初めてコメントさせていただきます。
約1年間糖質制限を続けている糖尿人です。従来の食事療法ではどうがんばっても5.5を下回らなかったHbA1cですが、糖質制限のおかげで現在は5.0まで下がり、すこぶる快調に毎日を過ごしております。
ところで糖尿病協会が発行している月刊誌「さかえ」の2011年1月号に、「食品交換表の温故知新」という特別企画がありまして、津田謹輔先生が食品交換表の歴史等を解説されています。
その記事の中で津田先生は現在の食品交換表について「診療の場で最も大切な血糖コントロールと血糖値に大きな影響を与える糖質について特別の記載がありません。血糖コントロールが合併症予防に重要であり、食後血糖値に影響するのは、エネルギーではなく糖質であることを明記してよいのではないかと思います。」と述べられています。
やや控えめな表現ながら、「さかえ」にこういう内容の記事が掲載されたことは非常に大きな意義があるのではないでしょうか?
糖質制限食の確かな広がりを感じて、大変嬉しく思いました。】
あきらさん。
とても嬉しい情報をありがとうございます。
仰有る通り、この記事、非常に大きな意義があると思います。
(社)日本糖尿病協会の理事長は、清野裕先生です。
関西電力病院の院長であり、日本糖尿病学会の重鎮のお一人です。
月刊誌「さかえ」は、日本糖尿病協会のオフィシャルな糖尿病専門雑誌です。
患者さんにも医療従事者にも役立つ本だそうです。
津田謹輔先生は、京都大学人間・環境学研究科(研究院)教授で、ご専門は内分泌・代謝学です。
「よくわかるカーボカウント」中外医学社 (2008年)
を出版しておられますので、糖質管理食に関するエキスパートです。
「診療の場で最も大切な血糖コントロールと血糖値に大きな影響を与える糖質について特別の記載がありません。血糖コントロールが合併症予防に重要であり、食後血糖値に影響するのは、エネルギーではなく糖質であることを明記してよいのではないかと思います。」
この言及は、
『血糖値を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げない』
という生理学的事実は重々ご承知の上での、ご発言と思います。
ともあれ、控えめな表現とはいえ、
「食後血糖値に影響するのは、エネルギーではなく糖質であることを明記してよい」
と、今までのカロリー制限(エネルギー制限)一辺倒の、日本糖尿病学会推奨の糖尿病食に、明確に一石を投じていただいたという意味は大きいと思います。
一方で、2010年度の日本糖尿病学会編の「糖尿病治療ガイド」には、糖質制限食はおろか糖質管理食についてさえも、一切記載がないのが現状です。
津田謹輔先生に投じて頂いた一石が、今後日本糖尿病学会にどのような影響・変化を与えていくのか見守りたいと思います。
江部康二
今回はあきらさんから、
『日本糖尿病協会発行の月刊誌「さかえ」に、糖質制限食に有利な記事』
という大変興味深いコメントをいただきました。
【10/12/28 あきら
月刊誌「さかえ」の記事
初めてコメントさせていただきます。
約1年間糖質制限を続けている糖尿人です。従来の食事療法ではどうがんばっても5.5を下回らなかったHbA1cですが、糖質制限のおかげで現在は5.0まで下がり、すこぶる快調に毎日を過ごしております。
ところで糖尿病協会が発行している月刊誌「さかえ」の2011年1月号に、「食品交換表の温故知新」という特別企画がありまして、津田謹輔先生が食品交換表の歴史等を解説されています。
その記事の中で津田先生は現在の食品交換表について「診療の場で最も大切な血糖コントロールと血糖値に大きな影響を与える糖質について特別の記載がありません。血糖コントロールが合併症予防に重要であり、食後血糖値に影響するのは、エネルギーではなく糖質であることを明記してよいのではないかと思います。」と述べられています。
やや控えめな表現ながら、「さかえ」にこういう内容の記事が掲載されたことは非常に大きな意義があるのではないでしょうか?
糖質制限食の確かな広がりを感じて、大変嬉しく思いました。】
あきらさん。
とても嬉しい情報をありがとうございます。
仰有る通り、この記事、非常に大きな意義があると思います。
(社)日本糖尿病協会の理事長は、清野裕先生です。
関西電力病院の院長であり、日本糖尿病学会の重鎮のお一人です。
月刊誌「さかえ」は、日本糖尿病協会のオフィシャルな糖尿病専門雑誌です。
患者さんにも医療従事者にも役立つ本だそうです。
津田謹輔先生は、京都大学人間・環境学研究科(研究院)教授で、ご専門は内分泌・代謝学です。
「よくわかるカーボカウント」中外医学社 (2008年)
を出版しておられますので、糖質管理食に関するエキスパートです。
「診療の場で最も大切な血糖コントロールと血糖値に大きな影響を与える糖質について特別の記載がありません。血糖コントロールが合併症予防に重要であり、食後血糖値に影響するのは、エネルギーではなく糖質であることを明記してよいのではないかと思います。」
この言及は、
『血糖値を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は上げない』
という生理学的事実は重々ご承知の上での、ご発言と思います。
ともあれ、控えめな表現とはいえ、
「食後血糖値に影響するのは、エネルギーではなく糖質であることを明記してよい」
と、今までのカロリー制限(エネルギー制限)一辺倒の、日本糖尿病学会推奨の糖尿病食に、明確に一石を投じていただいたという意味は大きいと思います。
一方で、2010年度の日本糖尿病学会編の「糖尿病治療ガイド」には、糖質制限食はおろか糖質管理食についてさえも、一切記載がないのが現状です。
津田謹輔先生に投じて頂いた一石が、今後日本糖尿病学会にどのような影響・変化を与えていくのか見守りたいと思います。
江部康二
日本糖尿病学会が旧態然とカロリー計算や食品交換表をやってる事を大変不満に思い日本糖尿病学会を軽蔑しておりました。
今回、この記事を読み日本糖尿病学会にも人はいたんだ。と安心いたしました。
しかし、治りもしない食事療法を長年つずけさせた怠慢の罪は、忘れる事はできません。
どれほど多くの方が、食品をはかりにかけながら交換表とにらめっこしてむなしい戦いに、時間を使ってきたか?だんだん悪くなっていく事を悲しみながら、薬が増つずける恐怖におびえながら、無念のうちに死んでいったか?
中には多くの財をむなしく投入し又ある人は、なけなしのお金を使い果たし、金の工面に奔走するような苦しい生活を強いられたかもしれないのです。
それをおもうと、あまりにも遅すぎる反応は怠慢と言わざるを得ません。
生死を決する医療にとっては怠慢は重罪です。江部先生やそのほかにも、カロリー計算でやる事の非を説いてる方がいるのを無視し続けた事は、どうしても許されません。
今回、この記事を読み日本糖尿病学会にも人はいたんだ。と安心いたしました。
しかし、治りもしない食事療法を長年つずけさせた怠慢の罪は、忘れる事はできません。
どれほど多くの方が、食品をはかりにかけながら交換表とにらめっこしてむなしい戦いに、時間を使ってきたか?だんだん悪くなっていく事を悲しみながら、薬が増つずける恐怖におびえながら、無念のうちに死んでいったか?
中には多くの財をむなしく投入し又ある人は、なけなしのお金を使い果たし、金の工面に奔走するような苦しい生活を強いられたかもしれないのです。
それをおもうと、あまりにも遅すぎる反応は怠慢と言わざるを得ません。
生死を決する医療にとっては怠慢は重罪です。江部先生やそのほかにも、カロリー計算でやる事の非を説いてる方がいるのを無視し続けた事は、どうしても許されません。
やまんば@糖尿病 さん。
私も糖尿人の一人として、同じ思いです。
医学界に糖質制限食を広める努力を今後も続けていきますので・・・
私も糖尿人の一人として、同じ思いです。
医学界に糖質制限食を広める努力を今後も続けていきますので・・・
2010/12/29(Wed) 10:45 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生 こんにちは。kenmです。
糖尿病発病以来私はずっと日本糖尿病学会推奨の糖尿病食=カロリー制限食、高糖質食に対する疑問を持ち続けてきました。
血糖値を上昇させておいてインスリンで抑え込む、この繰り返しは決して身体に良くないはずだと問題を感じていました。
糖尿病専門医にかかっていた時にこの疑問を医師に何回となくぶつけましたが、食事について細かく考えすぎると、うるさがられるばかりで、納得のいく回答を得ることができませんでした。食事に対する指導は全くありませんでした。
そんな折、江部先生の、主食を抜けば糖尿病は良くなる!、同実践編、ドクター江部の糖尿病徒然日記に出会い、迷わず主食少し減らし食からスタートしました。
血糖値が50台、60台ばかり、HbA1c6.0%まで下がっているのに、これらの数値を無視し、私の話を一切聞こうとせずに、カロリー制限食用のインスリン処方を黙って続ける専門医の無神経さに、患者の生命より自分の儲けを優先させるのかと、私は言葉を失っていました。
「インスリンの量を減らしてください」と私から医師に願い出ました。2単位だけ減らしましたが、その根拠は未だにわかりません。
「生命の危険があるから、今すぐインスリン注射の量を減らしなさい、医師への報告は後でいいから」とドクター江部にブログのコメント欄で指導を受け、生命をとりとめました。
こんな経験を私はしていますので、日本糖尿病学会に対して、また糖尿病専門医に対して決していい印象は持っていません。
自分が知らないことは、人に教えを請う。知らないことは知らないと言う。間違いに気づけば、直ちに訂正する。このような態度や姿勢が人の信頼を得る道だと考えます。
私が日本糖尿病学会に求めるのはこのような在り方、姿勢です。まして多くの患者の生命がかかっているのです。1日でも早く間違いを訂正されることを強く願っています。
糖尿病発病以来私はずっと日本糖尿病学会推奨の糖尿病食=カロリー制限食、高糖質食に対する疑問を持ち続けてきました。
血糖値を上昇させておいてインスリンで抑え込む、この繰り返しは決して身体に良くないはずだと問題を感じていました。
糖尿病専門医にかかっていた時にこの疑問を医師に何回となくぶつけましたが、食事について細かく考えすぎると、うるさがられるばかりで、納得のいく回答を得ることができませんでした。食事に対する指導は全くありませんでした。
そんな折、江部先生の、主食を抜けば糖尿病は良くなる!、同実践編、ドクター江部の糖尿病徒然日記に出会い、迷わず主食少し減らし食からスタートしました。
血糖値が50台、60台ばかり、HbA1c6.0%まで下がっているのに、これらの数値を無視し、私の話を一切聞こうとせずに、カロリー制限食用のインスリン処方を黙って続ける専門医の無神経さに、患者の生命より自分の儲けを優先させるのかと、私は言葉を失っていました。
「インスリンの量を減らしてください」と私から医師に願い出ました。2単位だけ減らしましたが、その根拠は未だにわかりません。
「生命の危険があるから、今すぐインスリン注射の量を減らしなさい、医師への報告は後でいいから」とドクター江部にブログのコメント欄で指導を受け、生命をとりとめました。
こんな経験を私はしていますので、日本糖尿病学会に対して、また糖尿病専門医に対して決していい印象は持っていません。
自分が知らないことは、人に教えを請う。知らないことは知らないと言う。間違いに気づけば、直ちに訂正する。このような態度や姿勢が人の信頼を得る道だと考えます。
私が日本糖尿病学会に求めるのはこのような在り方、姿勢です。まして多くの患者の生命がかかっているのです。1日でも早く間違いを訂正されることを強く願っています。
kenmさん。
<さかえ>の記事に載りましたように、
「食後血糖値に影響するのはエネルギーではなく糖質である」
と、京都大学人間・環境学研究科(研究院)・津田謹輔教授が明言しておられます。
糖尿病専門医の間にも雪解けが始まったということと思います。
私も、このまま糖質制限食普及活動を続けていきますので・・・。
<さかえ>の記事に載りましたように、
「食後血糖値に影響するのはエネルギーではなく糖質である」
と、京都大学人間・環境学研究科(研究院)・津田謹輔教授が明言しておられます。
糖尿病専門医の間にも雪解けが始まったということと思います。
私も、このまま糖質制限食普及活動を続けていきますので・・・。
2010/12/30(Thu) 10:45 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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