2010年11月16日 (火)
こんにちは。
【carbohydrate(英語)=炭水化物(日本語)】
【炭水化物=糖質+食物繊維】
英語と日本語で炭水化物に関しては、ピッタリの訳語があって何の問題もないのです。
ところが、日本語の糖質にピッタリ一致する英語がないのです。
このことが、日本の論文を読むときと英語の論文を読むときに、一定の混乱を生んできました。 (∵)?
例えばGI(glycemic index 血糖上昇指数)にしても、英語の論文はcarbohydrate(炭水化物)50gを含む食品のデータをみている可能性が高いのに対して、日本語の論文では、糖質50gを含む食品のデータをみています。
これでは、日本のGIと欧米のGIで、食物繊維(fiber)分のずれが生じてしまいます。
【carbohydrate=starch+sugar+fiber】
と定義してある英語論文がありました。
そうすると、
【starch+sugar=糖質】
ということになるのですが、
【starch=デンプン】
として、sugarの意味が含む範囲が、いまいちよくわかりません(∵)?
どなたか、このあたりのことご存じでしたら是非ご教示ください。 m(_ _)m
さて。
日頃何気なく使っている言葉、「炭水化物、糖質、糖類」これらの違いはどうなっているのでしょう。復習と追補を兼ねて考えてみましょう。
日本では、健康増進法における栄養表示基準というのがあって、各メーカーさんはこれに従っています。
栄養表示基準では栄養成分表示を行う場合、基本表示は
<エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム>
の5成分表示とされています。
「炭水化物、糖質、糖類」を整理すると下記の如くにまとめることができます。
①栄養表示基準上は、たんぱく質や脂質、灰分(ミネラル分)のいずれにも分類されないものは炭水化物に計算。
②炭水化物=糖質+食物繊維
③糖質=糖類+糖アルコール+三糖類以上+合成甘味料
④糖類=単糖類+二糖類
*三糖類以上=でんぷん、オリゴ糖、デキストリン
*二糖類=砂糖、麦芽糖、乳糖
*単糖類=ブドウ糖、果糖、ガラクトース
*糖アルコール=エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールなど
*合成甘味料=アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、ネオテームなど
**食物繊維(ヒトで消化・吸収されないので基本的にはゼロカロリー)
一、水溶性食物繊維
a)ポリデキストロース
海藻、こんにゃくの他、野菜、果汁類にも含まれる水溶性の食物繊維
です。ぶどう糖などから作られます。
b)難消化性デキストリン
とうもろこしなどに含まれる水溶性の食物繊維です。とうもろこしでんぷん
などを分解して作られます。糖質の吸収を穏やかにする作用があり、
血糖値が高めの方向けの特定保健用食品の機能素材となっています。
二、不溶性食物繊維 セルロース
植物の細胞壁の構成成分です。不溶性の食物繊維です。食品には粘性を
与えたりするために利用されています。
食品100g中の炭水化物を表示するとき、基準に則れば、
炭水化物=100g-<水分+タンパク質+脂質+灰分>
となります。
つまり、栄養表示上は、たんぱく質、脂質、灰分のいずれにも分類されないものは、炭水化物に計算されます。
合成甘味料が糖質に分類されるのは、何だか変ですが、炭水化物・糖質の栄養表示基準の定義に従えばそうなるようです。(∵)?
このあたりのことは、
アサヒ飲料のホームページ
http://www.asahiinryo.co.jp/customer/dictionary/ing_carbohydrates.html
にわかりやすく図解してあるので、是非覗いてみて下さいね。
アサヒ飲料さん、お世話になります。今日の記事は、貴社のホームページをおおいに参考にさせていただきました。ほぼ毎日アサヒスタイルフリー飲んでますのでご容赦のほど・・・m(_ _)mV
なお、栄養表示基準に則り、糖類ゼロなら、無糖と表示できます。
つまり砂糖やブドウ糖などの二糖類、単糖類がなければ、合成甘味料や糖アルコールが含まれていても無糖と表示できるのです。
従って、無糖表示でマルチトールやキシリトールが含まれていても法律上はOKだけど、血糖値は砂糖の半分くらい上昇することになりますので、糖尿人の皆さんはご用心ご用心。(=_=;)
最後に追加ですが、「糖分」という単語は、かなり曖昧に使用されています。
糖質あるいは糖類と同じ意味で、一般用語として使用されていて、ますます混乱の元となっています。栄養表示基準には「糖分」という言葉は記載無しです。
☆☆☆
血糖値を上昇させるのは、糖質だけでタンパク質・脂質は上昇させません。
糖質に分類される中で、糖アルコールのエリスリトール、合成甘味料のアスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、ネオテームなどは、血糖値を上昇させません。
ワインに含まれる有機酸(リンゴ酸、クエン酸、コハク酸・・・)やポリフェノールも、栄養表示基準上は糖質に分類されることになりますが、血糖値は上昇させません。
◎◎◎
五訂日本食品標準成分表では、炭水化物からの除外物質として欄外に下記が記載されています。
アルコール、硝酸イオン、酢酸、タンニン、カフェイン、テオブロミンを比較的多く含む食品では、
(水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計g数)に加えて、これらも差し引いた残りを炭水化物とする。
◇◇◇
アサヒビールのホームページには、食物繊維の中で、難消化性デキストリンは1gあたり1kcalと計算されています。ポリデキストロース、 セルロース は、ゼロカロリーとされています。
このあたり検討課題ですね。
江部康二
【carbohydrate(英語)=炭水化物(日本語)】
【炭水化物=糖質+食物繊維】
英語と日本語で炭水化物に関しては、ピッタリの訳語があって何の問題もないのです。
ところが、日本語の糖質にピッタリ一致する英語がないのです。
このことが、日本の論文を読むときと英語の論文を読むときに、一定の混乱を生んできました。 (∵)?
例えばGI(glycemic index 血糖上昇指数)にしても、英語の論文はcarbohydrate(炭水化物)50gを含む食品のデータをみている可能性が高いのに対して、日本語の論文では、糖質50gを含む食品のデータをみています。
これでは、日本のGIと欧米のGIで、食物繊維(fiber)分のずれが生じてしまいます。
【carbohydrate=starch+sugar+fiber】
と定義してある英語論文がありました。
そうすると、
【starch+sugar=糖質】
ということになるのですが、
【starch=デンプン】
として、sugarの意味が含む範囲が、いまいちよくわかりません(∵)?
どなたか、このあたりのことご存じでしたら是非ご教示ください。 m(_ _)m
さて。
日頃何気なく使っている言葉、「炭水化物、糖質、糖類」これらの違いはどうなっているのでしょう。復習と追補を兼ねて考えてみましょう。
日本では、健康増進法における栄養表示基準というのがあって、各メーカーさんはこれに従っています。
栄養表示基準では栄養成分表示を行う場合、基本表示は
<エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム>
の5成分表示とされています。
「炭水化物、糖質、糖類」を整理すると下記の如くにまとめることができます。
①栄養表示基準上は、たんぱく質や脂質、灰分(ミネラル分)のいずれにも分類されないものは炭水化物に計算。
②炭水化物=糖質+食物繊維
③糖質=糖類+糖アルコール+三糖類以上+合成甘味料
④糖類=単糖類+二糖類
*三糖類以上=でんぷん、オリゴ糖、デキストリン
*二糖類=砂糖、麦芽糖、乳糖
*単糖類=ブドウ糖、果糖、ガラクトース
*糖アルコール=エリスリトール、キシリトール、マルチトール、ソルビトールなど
*合成甘味料=アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、ネオテームなど
**食物繊維(ヒトで消化・吸収されないので基本的にはゼロカロリー)
一、水溶性食物繊維
a)ポリデキストロース
海藻、こんにゃくの他、野菜、果汁類にも含まれる水溶性の食物繊維
です。ぶどう糖などから作られます。
b)難消化性デキストリン
とうもろこしなどに含まれる水溶性の食物繊維です。とうもろこしでんぷん
などを分解して作られます。糖質の吸収を穏やかにする作用があり、
血糖値が高めの方向けの特定保健用食品の機能素材となっています。
二、不溶性食物繊維 セルロース
植物の細胞壁の構成成分です。不溶性の食物繊維です。食品には粘性を
与えたりするために利用されています。
食品100g中の炭水化物を表示するとき、基準に則れば、
炭水化物=100g-<水分+タンパク質+脂質+灰分>
となります。
つまり、栄養表示上は、たんぱく質、脂質、灰分のいずれにも分類されないものは、炭水化物に計算されます。
合成甘味料が糖質に分類されるのは、何だか変ですが、炭水化物・糖質の栄養表示基準の定義に従えばそうなるようです。(∵)?
このあたりのことは、
アサヒ飲料のホームページ
http://www.asahiinryo.co.jp/customer/dictionary/ing_carbohydrates.html
にわかりやすく図解してあるので、是非覗いてみて下さいね。
アサヒ飲料さん、お世話になります。今日の記事は、貴社のホームページをおおいに参考にさせていただきました。ほぼ毎日アサヒスタイルフリー飲んでますのでご容赦のほど・・・m(_ _)mV
なお、栄養表示基準に則り、糖類ゼロなら、無糖と表示できます。
つまり砂糖やブドウ糖などの二糖類、単糖類がなければ、合成甘味料や糖アルコールが含まれていても無糖と表示できるのです。
従って、無糖表示でマルチトールやキシリトールが含まれていても法律上はOKだけど、血糖値は砂糖の半分くらい上昇することになりますので、糖尿人の皆さんはご用心ご用心。(=_=;)
最後に追加ですが、「糖分」という単語は、かなり曖昧に使用されています。
糖質あるいは糖類と同じ意味で、一般用語として使用されていて、ますます混乱の元となっています。栄養表示基準には「糖分」という言葉は記載無しです。
☆☆☆
血糖値を上昇させるのは、糖質だけでタンパク質・脂質は上昇させません。
糖質に分類される中で、糖アルコールのエリスリトール、合成甘味料のアスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、ネオテームなどは、血糖値を上昇させません。
ワインに含まれる有機酸(リンゴ酸、クエン酸、コハク酸・・・)やポリフェノールも、栄養表示基準上は糖質に分類されることになりますが、血糖値は上昇させません。
◎◎◎
五訂日本食品標準成分表では、炭水化物からの除外物質として欄外に下記が記載されています。
アルコール、硝酸イオン、酢酸、タンニン、カフェイン、テオブロミンを比較的多く含む食品では、
(水分、たんぱく質、脂質及び灰分の合計g数)に加えて、これらも差し引いた残りを炭水化物とする。
◇◇◇
アサヒビールのホームページには、食物繊維の中で、難消化性デキストリンは1gあたり1kcalと計算されています。ポリデキストロース、 セルロース は、ゼロカロリーとされています。
このあたり検討課題ですね。
江部康二
こんにちは。
糖質に関わる仕事をしています。かつ母が糖尿病で、自分も予備軍です。先生のブログと書籍はいつも参考にさせていただいております。
日本語の糖質に当たる英語はavailable carbohydrateです。
一部でglycaemic carbohydrateを推すむきもありますが、glycaemic index (GI)と混乱するおそれがあることから、現在のところavailable carbohydrateの方が推奨されています。
carbohydrateの定義、難しいです。国によっても違います。
分析法から規定すると、
差分法では、
炭水化物=100g-<水分+タンパク質+脂質+灰分+アルコール>
直接分析法では、
炭水化物=単糖+二糖+オリゴ糖+多糖(繊維を含む)
とするのが一般的です。
sugarは一般的な用語ですが、定義が曖昧ですので、私たちは使いません。
ところで、食物繊維も曲者です。分析法としては食品成分表ではProsky変法が使われますが、難消化性澱粉(Resistant starch)の一部が入ってきます。消化されないという定義の下ではでは問題ないのですが、では難消化性澱粉は糖質か繊維か?
GIは有用な指標だと私は思っているのですが、間違って解釈されることが多く、それ故医療関係者に使ってもらえないのではないかと思っています。糖質50g摂取したとき、という定義でありながら、実は炭水化物50gになっている場合が非常に多いとみています。世界的には、available carbohydrate 50g摂取したとき、という定義にしようという動きですが、肝心のavailable carbohydrateの分析法は曖昧なままです。
気になりましたので、コメントさせていただきました。糖質の仕事をしながら、皮肉にも予備軍となってしまい、糖尿病に移行しないためにも、公私ともに勉強中です。今後ともよろしくお願いします。
糖質に関わる仕事をしています。かつ母が糖尿病で、自分も予備軍です。先生のブログと書籍はいつも参考にさせていただいております。
日本語の糖質に当たる英語はavailable carbohydrateです。
一部でglycaemic carbohydrateを推すむきもありますが、glycaemic index (GI)と混乱するおそれがあることから、現在のところavailable carbohydrateの方が推奨されています。
carbohydrateの定義、難しいです。国によっても違います。
分析法から規定すると、
差分法では、
炭水化物=100g-<水分+タンパク質+脂質+灰分+アルコール>
直接分析法では、
炭水化物=単糖+二糖+オリゴ糖+多糖(繊維を含む)
とするのが一般的です。
sugarは一般的な用語ですが、定義が曖昧ですので、私たちは使いません。
ところで、食物繊維も曲者です。分析法としては食品成分表ではProsky変法が使われますが、難消化性澱粉(Resistant starch)の一部が入ってきます。消化されないという定義の下ではでは問題ないのですが、では難消化性澱粉は糖質か繊維か?
GIは有用な指標だと私は思っているのですが、間違って解釈されることが多く、それ故医療関係者に使ってもらえないのではないかと思っています。糖質50g摂取したとき、という定義でありながら、実は炭水化物50gになっている場合が非常に多いとみています。世界的には、available carbohydrate 50g摂取したとき、という定義にしようという動きですが、肝心のavailable carbohydrateの分析法は曖昧なままです。
気になりましたので、コメントさせていただきました。糖質の仕事をしながら、皮肉にも予備軍となってしまい、糖尿病に移行しないためにも、公私ともに勉強中です。今後ともよろしくお願いします。
2010/11/16(Tue) 22:59 | URL | たつのおとしご | 【編集】
11月12日の質問のご回答、差し支えなければお願いします。
jp さん。
ピノコさんのお答えでいいと思いますよ。
ピノコさんのお答えでいいと思いますよ。
2010/11/17(Wed) 09:01 | URL | ドクター江部 | 【編集】
糖尿人であることが判明してから25年の68歳男性です。それ以前にも糖尿人であったにちがいないという、いわばすじがねいりです。
江部先生の宮本輝さんとの対談本を拝見して、今年3月6日から糖質制限食を実行しています。
それまで苦しみ・挫折感などをあじわいながらも、運動とカロリー制限によって10年にわたった内服薬(オイグルコン)をやめることができてから8年になります。 しかしながら、徐々にA1cが6.5を超えることが多くなり内服薬再開の瀬戸際にありました。
糖質制限食開始後はあまり苦しい思いをしなくて、A1cを5.8位に維持できておりとても感謝しています。
2010年3月6日という日付は長く苦しかった闘病の歴史に忘れられない日となりました。
そんな長い病歴と江部先生のブログの愛読者である私にとって今日の炭水化物と糖質と糖類の関連を整理して理解するのにとても役立ちました。ありがとうございました。
江部先生の宮本輝さんとの対談本を拝見して、今年3月6日から糖質制限食を実行しています。
それまで苦しみ・挫折感などをあじわいながらも、運動とカロリー制限によって10年にわたった内服薬(オイグルコン)をやめることができてから8年になります。 しかしながら、徐々にA1cが6.5を超えることが多くなり内服薬再開の瀬戸際にありました。
糖質制限食開始後はあまり苦しい思いをしなくて、A1cを5.8位に維持できておりとても感謝しています。
2010年3月6日という日付は長く苦しかった闘病の歴史に忘れられない日となりました。
そんな長い病歴と江部先生のブログの愛読者である私にとって今日の炭水化物と糖質と糖類の関連を整理して理解するのにとても役立ちました。ありがとうございました。
jpさん皆に情報提供しているつもりならもう結構ですよ(^^#)
ピノコさんの情報提供を参考にして下さい!
先生には無料で情報提供してもらってるんで節度を弁えてね^^
ピノコさんの情報提供を参考にして下さい!
先生には無料で情報提供してもらってるんで節度を弁えてね^^
2010/11/17(Wed) 11:26 | URL | sky | 【編集】
いつもお世話になっております。ミズケンです。
アトキンズ博士の書籍では、
糖質のことをNet Carbと表現していますね。
本来のCarbから食物繊維などをマイナスするということでNetが前に付くようです。
アトキンズ博士の書籍では、
糖質のことをNet Carbと表現していますね。
本来のCarbから食物繊維などをマイナスするということでNetが前に付くようです。
ミズケンさん。
available carbohydrate と
Net Carb とが同じ意味なのでしょうね。
available carbohydrate と
Net Carb とが同じ意味なのでしょうね。
2010/11/18(Thu) 16:50 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生
先生と糖質制限については、米国在住の娘から教えてもらって以来、いろいろ勉強させていただいています。最近その娘から「血糖値正常の範囲は、食後一時間で140以下。2時間後で120以下。米国臨床内分泌学会と国際糖尿病連合会がこの基準を採用。ただし、本当に正常な人は何を食べても100をこえることはない。140を超えると、体の各器官に恒久的にダメージがではじめるそうです。アメリカ糖尿病学会の基準はだいぶ甘く、食後2時間後180。これは十分合併症が進むレベルの高血糖だと非難されています」とメールで知らせてきました。
夫と私は空腹時血糖値は、70と80ぐらいですが、早速調べてみました。有機野菜中心の食べ放題ランチをできるだけ糖質は取らないで通常以上の量を食べた後、1時間後の血糖値、夫は240台、私は180でした。その一週間後、中華の夕食をとり、夫はチャーハン、食後のアイスクリームも食べ、私はそれを除いて食べた後、家まで1時間歩いて血糖値を測りました。夫120台、私140台でした。普段あまり運動をしない夫が運動効果が出たということでしょうか。なかなか一筋縄ではいかない。血糖値です。以来、血糖値をあげない食べ方を心がけています。でも150を超えることもあります。江部先生のブログを勉強して健康な生活を送りたいです。
日本の食後1時間の血糖値は200の見直しの動きは無いのでしょうか。
先生と糖質制限については、米国在住の娘から教えてもらって以来、いろいろ勉強させていただいています。最近その娘から「血糖値正常の範囲は、食後一時間で140以下。2時間後で120以下。米国臨床内分泌学会と国際糖尿病連合会がこの基準を採用。ただし、本当に正常な人は何を食べても100をこえることはない。140を超えると、体の各器官に恒久的にダメージがではじめるそうです。アメリカ糖尿病学会の基準はだいぶ甘く、食後2時間後180。これは十分合併症が進むレベルの高血糖だと非難されています」とメールで知らせてきました。
夫と私は空腹時血糖値は、70と80ぐらいですが、早速調べてみました。有機野菜中心の食べ放題ランチをできるだけ糖質は取らないで通常以上の量を食べた後、1時間後の血糖値、夫は240台、私は180でした。その一週間後、中華の夕食をとり、夫はチャーハン、食後のアイスクリームも食べ、私はそれを除いて食べた後、家まで1時間歩いて血糖値を測りました。夫120台、私140台でした。普段あまり運動をしない夫が運動効果が出たということでしょうか。なかなか一筋縄ではいかない。血糖値です。以来、血糖値をあげない食べ方を心がけています。でも150を超えることもあります。江部先生のブログを勉強して健康な生活を送りたいです。
日本の食後1時間の血糖値は200の見直しの動きは無いのでしょうか。
金城恵美子様
「血糖値正常の範囲は、食後一時間で140以下。2時間後で120以下。米国臨床内分泌学会と国際糖尿病連合会がこの基準を採用。ただし、本当に正常な人は何を食べても100をこえることはない。140を超えると、体の各器官に恒久的にダメージ・・・」
そのようなことは聞いたことがありません。
日本でも熊本スタディなどをもとに、合併症予防にはまずは食後2時間値が180mg/dl未満をめざします。
糖尿病合併症予防のためには、現在までのEBMに基づけば
① 空腹時血糖値110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c5.8%未満
を目指せばいいと思います。
「血糖値正常の範囲は、食後一時間で140以下。2時間後で120以下。米国臨床内分泌学会と国際糖尿病連合会がこの基準を採用。ただし、本当に正常な人は何を食べても100をこえることはない。140を超えると、体の各器官に恒久的にダメージ・・・」
そのようなことは聞いたことがありません。
日本でも熊本スタディなどをもとに、合併症予防にはまずは食後2時間値が180mg/dl未満をめざします。
糖尿病合併症予防のためには、現在までのEBMに基づけば
① 空腹時血糖値110mg/dl未満
② 食後2時間血糖値140mg/dl未満
③ 理想的には食後1時間血糖値180mg/dl未満
④ HbA1c5.8%未満
を目指せばいいと思います。
2010/12/25(Sat) 16:29 | URL | ドクター江部 | 【編集】
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