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妊娠糖尿病の体験報告
こんにちは。

今回はくさりさんから、ご自身の妊娠糖尿病の体験をコメントいただきました。

【10/09/17 くさり
妊娠糖尿病
はじめまして。東京在住の38歳女性、くさりと申します。

妊娠糖尿病と言われ、糖尿病について必死に調べ、こちらのサイトに出会いました。
偶然にも、アトピーで高雄病院にはお世話になったことがあります。

妊娠の話題が出ましたので、(一方的な)妊娠糖尿病報告および先生への質問をさせていただきたく、コメントさせていただきます。不躾な質問で、誠に申し訳ございません。

妊娠糖尿病の出産情報がネット上に少なく、妊娠中に不安な日々を過ごしました。
みちゃさんや後人の為に、何らかの参考になればと、先生のブログに、誠に勝手ながら投稿させていただきます。

■(1)妊娠前(2007年)
36歳時点の人間ドックでは、空腹時血糖98、HbA1c5.4。
結果表には、「B判定:軽度の異常はありますが心配ありません」と表示されており、受診もせず。
糖尿病と妊娠の関係についても無知。

■(2)妊娠(2009年10月)
38歳で待望の妊娠。
妊娠8週の随時血糖値は68(たまたま朝食抜きで受診)。
妊娠25週の随時血糖値で140、大病院送りとなり、75g糖負荷検査。空腹時84、1時間値197、2時間値238、HbA1c5.6。

■(3)入院(2010年3月)
1週間の教育入院でインスリン療法開始。インスリン単位数は、以下のとおり。
妊娠28週頃: 朝6 昼6 夜11
妊娠36週頃: 朝20 昼15 夜11

*インスリン注射自体は苦ではなかったのですが、20単位!という量の多さに不安でいっぱいでした。

*低血糖の不安が、大きなストレスでした。頻回に血糖値を測定し、低血糖の予防に努めましたが、週2~3回は低血糖をおこしていました。自己血糖測定すると49~55ということもあり、お腹の子への影響がわからず、不安な日々でした。低血糖後には、「生きてる?生きてる?」とお腹に問いかけていました。血糖値測定チップ代として、50,000円ほど出費(涙)。

*インスリンは「ノボラピッド」を使用。私の場合、効果持続時間は6時間。
注射後3~6時間で、低血糖がおきやすく、夕食後も6時間は寝ないようにしていました。
これが苦痛で、夕食に糖質とらなければいいのでは?と思い、こっそり、夕食のみインスリン注射も止めたみたことが、私の糖質制限のスタートとなりました。

■(4)出産
妊娠37週で、2660gの男児を自然分娩にて出産。陣痛促進剤なども一切使用せず、分娩時間も5時間でスーパー安産。
子供も健康で、低血糖も無し。産後の回復も通常。ありがたいことです(^。^)

■(5)出産後の検査(2010年9月)
出産から3ヶ月が経ったので、先日、75gブドウ糖負荷検査を受けました。
出産後は、投薬なしで、一般的な食事をとっていました。検査の1週間前くらいから、糖質制限を始めました。

空腹時 GL 72(60)、 IR 3
30分後 GL 184(166)、 IR 17
1時間後 GL 266(257)、 IR 25
2時間後 GL 313(263)、 IR 30

*()内の数値は、簡易血糖測定器による自己測定数値。機種は三和化学のグルテストNeoスーパー。300以上の高値では、誤差が大きいですね。

*HOMA-R 0.53 ,HOMA-β 120

*HbA1c 5.6%, グリコアルブミン14.8%,

*LDLコレステロール 78,HDLコレステロール 76,中性脂肪 24,クレアチニン0.69

*年齢38歳,身長156cm,体重48g,BMI 19,痩せ型で筋肉少な目。


■(6)先生への質問
1、OGTTの検査結果が、妊娠中より極度に悪化し、落ち込んでいます。妊娠で、β細胞が疲弊したのでしょうか。

2、この検査結果を受けて、本格的にスーパー糖質制限を開始しようと思います。
私の場合、基礎分泌は残っているが、第1相がほとんど無いという理解でよろしいでしょうか?
先生のご経験からの推測していただいた場合、私のβ細胞の回復の余地はあると思われますでしょうか。お奨めの回復方法はありますでしょうか?
月に1~2回くらいは、正常人と同じくらい炭水化物を摂取できるようになるのが目標です。


■(7)つぶやき・・・その1
妊娠後期には、インスリン抵抗性が増して、通常の5倍(250uU/ml)以上のインスリン分泌が必要
という資料を読みました↓。
http://www.igaku.co.jp/pdf/tonyo1005-4.pdf
これは、僅かな糖質を、最大限、胎児に糖分を送る為のメカニズムかと。逆に考えると、糖質は大量に摂取しなくても、胎児には十分いきわたるのでは?・・・と、思いました、完全に素人考えですが、、、。

■(8)つぶやき・・その2
担当医師は、糖質制限に理解がありませんでした。理解がないのか、経験がないのか、時間がないのかは不明。
治療方針は、半年後からの投薬開始を提案されました(現在は授乳中のため投薬なし)。
私が糖質削減を提案すると、「それじゃー、食事が単調になるでしょ」と一笑。
いやいや、患者の方がやりたいって、言ってるんですけれど。。。(笑)】



くさりさん。

とても参考になります。
ありがとうございました。

それにしても、アトピーで高雄病院に通院しておられたことがあるとは、何かのご縁ですね。

妊娠糖尿病をカロリー制限食(高糖質食)で治療すれば、インスリン注射が必要となります。

なおかつ、せめてカーボカウント(糖質管理)をしなければ、血糖値の乱高下や低血糖を生じる可能性があります。

くさりさんの場合も、低血糖を起こしておられますが、カーボカウントしていれば防げた可能性が高いです。

さらに糖質制限食実践なら、インスリン注射なしで、妊娠糖尿病のコントロールが可能となりますので、当然低血糖の心配はなくなります。

糖質制限食でなおかつインスリン注射が必要な場合でも、ごく少量ですみますので低血糖の確率は減ります。


『■(6)先生への質問
1、OGTTの検査結果が、妊娠中より極度に悪化し、落ち込んでいます。妊娠で、β細胞が疲弊したのでしょうか。

2、この検査結果を受けて、本格的にスーパー糖質制限を開始しようと思います。
私の場合、基礎分泌は残っているが、第1相がほとんど無いという理解でよろしいでしょうか?
先生のご経験からの推測していただいた場合、私のβ細胞の回復の余地はあると思われますでしょうか。お奨めの回復方法はありますでしょうか?
月に1~2回くらいは、正常人と同じくらい炭水化物を摂取できるようになるのが目標です。』


OGTTでは、現時点で糖尿病型です。

最近の報告では、妊娠糖尿病の人は産後早期の3~6ヶ月の検査でも、5.4%が糖尿病、全体で25%に何らかの耐糖能異常が見られると報告されています。

くさりさんは、インスリン基礎分泌は残っていますね。インスリン追加分泌、第1相、第2相ともやや低下しています。

糖質制限食で疲弊していたβ細胞は回復する可能性がありますがやせ型の2型糖尿病では、β細胞がすでに何割か壊れている可能性もあります。個人差がありますが、その分は戻りません。


『■(7)つぶやき・・・その1
妊娠後期には、インスリン抵抗性が増して、通常の5倍(250uU/ml)以上のインスリン分泌が必要という資料を読みました↓。
http://www.igaku.co.jp/pdf/tonyo1005-4.pdf
これは、僅かな糖質を、最大限、胎児に糖分を送る為のメカニズムかと。逆に考えると、糖質は大量に摂取しなくても、胎児には十分いきわたるのでは?・・・と、思いました、完全に素人考えですが、、、。』


農耕が始まる前の人類においては、糖質制限食で妊娠・出産ですので、食後血糖値の上昇は、ほとんんどないか極めて軽度です。その意味でくさりさんの仮説はありえますが、勿論断定はできません。

妊娠糖尿病そのものが、農耕以後の糖質大量摂取による病気と考えることもできます。すなわち農耕前の人類には、妊娠糖尿病はなかったかもしれませんね。


『■(8)つぶやき・・その2
担当医師は、糖質制限に理解がありませんでした。理解がないのか、経験がないのか、時間がないのかは不明。
治療方針は、半年後からの投薬開始を提案されました(現在は授乳中のため投薬なし)。
私が糖質削減を提案すると、「それじゃー、食事が単調になるでしょ」と一笑。
いやいや、患者の方がやりたいって、言ってるんですけれど。。。(笑) 』


おそらく担当医は、糖質制限食のことはご存じないと思いますよ。



江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ハンバーガー食べながらですが
江部先生、こんばんは。


今日は、一月ぶりに高雄病院に行って、検査してきました。


先生は、たくさんの糖尿人を診てこられたので驚かないでしょうが、私は、糖尿人としてビックリしています。



ヘモグロビンA1cですが、5.9%になりました。

糖質を避けるという単純な方法で改善できることが、よく分かりました。

私は、以前からファーストフード食べてきたので、そう簡単には、ファーストフードやめられません。

しかし、ハンバーガーでも、バンズの部分を残せば、大丈夫のようです。
もったいないですけど、自分の命を守るためです。

「ハンバーガーをバンズ抜きで!」という注文の仕方ができるといいのですが。
2010/09/18(Sat) 22:09 | URL | よし | 【編集
Re: ハンバーガー食べながらですが
よしさん。

HbA1cの改善、良かったですね。
2010/09/19(Sun) 08:01 | URL | ドクター江部 | 【編集
ハンバーガーをバンズ抜きで
私はよくハンバーガーをバンズ抜きで注文します。怪訝な顔をされますが、これも糖質制限を広めるため、がんばって注文しています。。どの店にもマニュアルにないらしく反応が様々です。ラップで包んだり、そのまま箱に入れたり見た目があまり良くありません。ファースト○ッチンの様なパスタとかあるお店ではちゃんと皿に盛り付けてフォークを出してくれたお店もありました。ひとつ気をつけたいことはバンズ抜きだとハンバーグの味が濃くなりますので塩、胡椒も抜いてもらいましょう(ケッチャップも場合によっては)。最近は、普通に注文してこっそりと持参した糖質オフのバンズと入れ替えて食べています。やはりこれが一番美味しいです。早くオプションでパンを糖質オフのも選べる時代になるといいですね。
2010/09/19(Sun) 10:30 | URL | 佐藤 | 【編集
バンズ抜き
佐藤さん。ありがとうございます。
僕も、頑張って、バンズ抜きで注文してみます。
糖尿人の先輩たちの努力のお陰で、僕たちも糖質オフライフを楽しめます。
ありがとうございます。
2010/09/19(Sun) 23:54 | URL | よし | 【編集
Re: 妊娠糖尿病の体験報告
江部先生、

お忙しい中、早速のご回答有難うございました。

高雄病院にアトピー入院したのは、もう20年!!も前のことです。大学1年生の夏でした。残念ながら、主治医は江部先生ではなかったのですが・・・。

華の女子大生になったのに、アトピーだらけで、暗い日々を過ごしていました。
入院でアトピーを改善して頂いたおかげで、明るい気持ちになり、2学期からサークルにも入り、楽しい学生生活になりました。

生死に関わる病気でもないのに京都まで行って入院なんて・・・と思いましたが、アトピー友達もできて、アトピーでも、それぞれに生活を楽しんでいることを知り、とても励まされました。入院効果は絶大でした。

また、京都っていうところが、東京人には、心くすぐられます。仁和寺までの散歩が、楽しかったです。

主人とは、入院後に始めたサークルで出会い結婚しましたので、今の私の生活があるのも、高雄病院のおかげと言っても過言ではありません(#^.^#)。


アトピー→糖尿病、私の身体は江部先生のご研究対象の後を追っているようです。


先生、どうぞ癌の研究などなさらないでくださいね(笑)。


心よりの御礼まで。
2010/09/20(Mon) 11:47 | URL | くさり | 【編集
Re: 妊娠糖尿病の体験報告
江部先生、

上記コメントを、ブログ本文にまで掲載していただき、有難うございました。

アトピー高雄学校のことが懐かしくなり、ついつい、そのことばかり書いてしまいましたが、糖尿病のアドバイスも有難うございました。

β細胞の回復は期待せずに、糖質制限で残されたβ細胞の温存に努めたいと思います。

また、病院も変えて、こちらのブログで紹介のあった、在東京の糖質制限に理解のある先生の所に伺ってみようと思います。

妊娠・出産の大イベントが終了し、冷静に考えてみると、なぜ、カロリー制限食が、ここまで幅をきかせているのか、大きな疑問です。

私が診て頂いた病院も、決して、小さな総花的な内科クリニックではありません。都内屈指の有名大手病院の糖尿病専門内科です。

なぜ、そこで、第一声として、糖質と血糖値の関係の大原則を教えてくれなかったのか?と思います。
治療方針として、投薬にするのか糖質制限にするのか、これは個人の好み次第だとは思いますが、スタートは、まず、この大原則を教えることから始めるべきだと思うのですが。。。

同病院に入院中も、隣のベッドのご婦人は、糖尿歴は長いにもかかわらず、「夕食、油っこいメニューだったから、今日は高いよー」と言いながら、看護師さんに血糖を計ってもらっていました。

・・・と、これは、このブログで、さんざん言い尽くされたことですね。

このブログの愛読者の皆様と同じく、ここで、多くを学ばせて頂きましたこと、改めて、感謝いたします。

ブログという形式も、糖尿病管理にぴったりです。このブログの更新を読んで、毎日、数分、糖質管理に思いを馳せることができます。これにより、孤独感に悩まされることなく、糖質制限を続けられます。


糖尿病学会の方針に従い、治療をされるほうが、医師として楽チンでしょうし、また、無用の責任を問われることもないでしょうに、このように独自の治療方法をご提案して頂いていますこと、感謝申し上げます。

これだけの内容を、毎日、更新されるご苦労を思いつつ、お礼のコメントと投稿させていただきます。
2010/09/21(Tue) 07:07 | URL | くさり | 【編集
Re: Re: 妊娠糖尿病の体験報告
くさり さん。

ありがとうございます。
医学部や栄養士の学校で、
「血糖値を上昇させるのは糖質だけである。」
という欧米なみの基本的な教育が必要ですね。
2010/09/21(Tue) 09:16 | URL | ドクター江部 | 【編集
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