FC2ブログ
尋常性乾癬とビールと糖質制限食
こんにちは。

MT Pro(医師向けのサイトです)http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1008/1008041.html

に興味深い記事が載りました。☆☆☆

約11万例の女性看護師を対象とした前向き研究(Nurses' Health Study II:NHS II)において、1週間に約25g以上のアルコール(ビール小びん2本分に相当)を摂取する女性では全く摂取しない女性に比べ乾癬のリスクが2倍近く高まることがArch Dermatol8月16日オンライン版に報告されたのです。

本研究の報告者は、

「米国人女性を対象とした今回の検討から、アルコール飲料のなかでも、通常のビールだけが年齢や喫煙,BMI,運動,食事からの葉酸摂取といった因子とは独立して乾癬発症リスクを上昇させた。」

と述べています。

通常のビールによるリスクが最も高く、ライトビールやワインやその他の酒類との関連はなかったそうです。

ビール好きにはとても悲しいニュースということですが、これはアルコールというより、ビールに含まれる糖質が関係していると私は思います。

2009年10月23日 (金)のブログ「 糖質制限食糖尿病尋常性乾癬」で記事にしましたが、長年の尋常性乾癬糖質制限食で劇的に改善した例が複数あります。

イヌイットが生肉・生魚が主食であった伝統的食生活を保っている間は、尋常性乾癬は極めてまれな病気でした。
これらのことを考えあわせると、糖質の頻回・過剰摂取が尋常性乾癬の大きなリスクである可能性が高いのです。

1週間に約25g以上のアルコールを摂取するグループにおいて、ビールはワインなどに比べればかなり糖質の量が多いです。ビールで日常的に糖質を摂取することが、尋常性乾癬のリスクに繋がったと考えられます。

発表者も

「ビールが大麦を原料とした発酵飲料であることから、乾癬発症にはアルコールよりも、潜在的なグルテン感受性の存在がリスク上昇に関連している可能性が考えられる。一方,ライトビールではリスク上昇が見られなかったことについては,はっきりしたことはわからないとしながらも、通常のビールに比べ、穀物の含有量が少ないためではないか」

と述べて、穀物の含有量にも言及しています。

グルテンは大麦由来のタンパク質ですが、穀物含有量に関しては発表者も私と同意見のようです。

尋常性乾癬の治療に糖質制限食が有効、また一つ有力な状況証拠の出現ですね。


江部康二



☆☆☆MT Pro記事
ビール好きには悲しいニュース?
乾癬リスク上昇と関連の可能性/米Nurses' Health Study[2010年8月17日]

米Nurses' Health Study
 米Channing LaboratoryのAbrar A. Qureshi氏らは約11万例の女性看護師を対象とした前向き研究(Nurses' Health Study II:NHS II)から,1週間に約25gのアルコール(ビール小びん2本分に相当)を摂取する女性では全く摂取しない女性に比べ乾癬のリスクが2倍近く高まることをArch Dermatol8月16日オンライン版に報告した。アルコール飲料の種類別の検討では,通常のアルコール濃度のビール(nonlight beer)によるリスクが最も高かった一方,ライトタイプのビールやワイン,その他の酒類との関連は認められなかったという。

アルコールよりも穀物由来のグルテンがリスクに関与か

乾癬は白人に多い慢性かつ難治性の皮膚疾患の1つだが,発症原因は明らかでない。Qureshi氏らによると,これまでアルコールが乾癬の発症や増悪と関連する可能性が指摘されており,いくつかの後ろ向き研究による報告もあるという。

同氏らは今回,米国内の22~44歳の女性看護師11万6,671人を登録したNHS Ⅱのコホートにおける前向き研究を実施,アルコール飲料摂取とその種類による乾癬リスクとの関連を検討した。

1991~2005年の追跡期間中,2年に1度アルコール摂取に関する調査を実施。乾癬については,2005年の調査で試験登録時から医師の診断を受けたことがあるかを尋ね,乾癬に関するスクリーニング質問票(Psoriasis Screening Tool:PST)で確認が行われた。1991年以前に乾癬と診断されていた人は除外された。

期間中に乾癬と診断された1,150例のうち,1,069例が解析対象となった。アルコール飲料を1週間に2.3ドリンク(1ドリンク:アルコール12.8gと定義)以上摂取していた場合,全く摂取しない人に比べ乾癬の多変量相対リスク(RR)は1.72(95%CI 1.15~2.57,P for trend=0.003)であった。

アルコール摂取のサブグループにおいて,アルコール飲料の種類およびその量による解析を行ったところ,アルコール濃度やカロリーが低いライトビール,白ワイン,赤ワイン,その他の酒類(liquor)では,摂取量と乾癬の発症リスクに有意な関連は認められなかった。一方,通常のビールでは週に5ドリンク以上を摂取した場合,乾癬の発症リスクは2.29倍(95%CI 1.36~3.85,P for trend=0.003)に上昇していた。

同氏らは米国人女性を対象とした今回の検討から,アルコール飲料のなかでも,通常のビールだけが年齢や喫煙,BMI,運動,食事からの葉酸摂取といった因子とは独立して乾癬発症リスクを上昇させたと結論。同コホートよりも通常のビールの消費量が高いと考えられる米国一般人口での,週5ドリンク以上のビールによる乾癬の超過リスクは15.3%と推定されるという。

なお,ビールが大麦を原料とした発酵飲料であることから,乾癬発症にはアルコールよりも,潜在的なグルテン感受性の存在がリスク上昇に関連している可能性が考えられると同氏らは指摘。一方,ライトビールではリスク上昇が見られなかったことについては,はっきりしたことはわからないとしながらも,通常のビールに比べ,穀物の含有量が少ないためではないかと分析している。

(坂口 恵)

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
いろんなリスクに
先ほどはお返事頂きありがとうございました。調子が良かったので、ついつい調子に乗りハンバーグのコースを食べて帰ってきてはかったら、食後3時間の血糖値が194(-.-)更に糖尿患者は大腸癌やポリープ、ビールによる乾蘚のリスクあり。何だか落ち込んでしまいました。好きでなったわけじゃないのに~。まだまだ精神的に修行をしないと先生のような糖尿人にはなれないと落ち込んだ1日でした(>_<)
2010/08/19(Thu) 18:44 | URL | おどりこ | 【編集
尋常性乾癬について
江部先生こんばんは。
ご無沙汰しております。

今日は近況報告をさせてください。

前回コメントした時は尋常性乾癬は99%完治していたため、それから自分なりにいろいろと実験をしてみました。

経過
2008年3月~2010年3月
ほぼ99%の乾癬が消滅)
この時点では自分の乾癬の原因は糖質と牛脂、豚脂だと思っていました。

2010年4月~5月
意識して、牛肉を多く食べる。
ひざから下の約30%に乾癬が発生。
糖質制限をしているため、患部の広がり方は非常に緩やかでしたが、着実に広がっていく。

2010年6月
牛肉を一切食べずに過ごす。
脂たっぷりの豚肉は毎日欠かさず食べる。
1ヶ月かけて徐々に患部が消滅していく。

2010年7~8月
6月に続き、脂たっぷりの豚肉は毎日欠かさず食べる。
7月初旬に100%患部が消滅する。(発症後22年間で初めての経験です。)

ということで、自分なりの結論が出ました。
自分の乾癬にとっての最も重要な原因は「糖質」であり「牛脂(天然のトランス脂肪酸)」はその触媒である。
オレイン酸がメインである豚脂は全く影響なしです。

乾癬の原因は様々ですし、「糖質」や「牛脂」を避けても完治しない方もいらっしゃるでしょうが、
自分的の場合は今回の実験で22年かけて初めて100%の克服ができたわけですし、参考になる方も多数いらっしゃるかと思いコメントさせて頂きました。

余談ですが
毎日炭水化物と牛脂の大量摂取で1ヶ月以内に全身に乾癬を広がらせる自信もあります。
そんなことは決してしませんが・・・

江部先生のブログのカテゴリ「体に良いアブラとは」が凄く参考になりました。
ありがとうございました。
2010/08/20(Fri) 20:14 | URL | さわ | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック