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糖尿病の診断基準改訂(新診断基準)を巡って2010年8月
こんにちは。

今日は京都市内、車がまばらでとても走りやすかったです。

まあ、お盆に働いている甲斐がありましたけど・・・。(-_-;)

さて。

2010年7月1日に、1999年以来11年ぶりとなる、糖尿病診断基準の改定が施行されました。

詳細は、2010年07月17日 (土) のブログ「糖尿病の新しい診断基準と実施時期」をご参照いただけば幸いです。

今の時期に何故改訂?という疑問に応える記事が、メディカル・トリビューンの2010年8月5日号に載ったので、簡単にまとめてみます。


日本糖尿病学会は2004年に「対糖尿病5か年計画」を策定し、糖尿病の研究と診療の向上を目指してきました。この間、アジア人のインスリン分泌能力は欧米人の約1/2であることや、欧米人とアジア人では2型糖尿病の主要な原因遺伝子が異なることが明らかとなりました。

診療面では3000人弱だった糖尿病専門医が4000人以上に増強されました。しかしながら2007年の調査で日本の糖尿病患者は約890万人で、年間約30万人ずつ増加している状況が判明しました。

患者の約半数は定期的な治療を受けておらず、定期的な治療を受けている患者においても、2/3はコントロール不良というのが現状です。

こういった状況を受けて、糖尿病の罹患率と合併症の減少をめざし、「第2次対糖尿病戦略5か年計画」が策定されました。

①糖尿病の早期診断・早期治療体制の構築(Diagnosis and Care)
②研究の推進と人材の育成(Research to Cure)
③エビデンスの構築と普及(Evidence for Optimum Care)
④国際連携(Aliance for Diabetes)
⑤糖尿病予防(Mentoring Program for Prevention)
⑥糖尿病の抑制(Stop the DM)

頭文字をとって、DREAMESが掲げられたわけです。

今回の診断基準の改定(新診断基準)により、HbA1cと血糖値を同一日に測定することになり、1回の検査で糖尿病の診断ができるようになりました。

また、従来のHbA1c値(JDS値)に、0.4%を加えるという極めて簡便な手法で、NGSP値によるHbA1c値と同一であることが示され、国際標準化が可能となりました。

新診断基準はDREAMESの6項目中とりわけ①と④を推進する強力な手段となると期待されています。】

以上、メディカル・トリビューンの記事のまとめでした。

ここまでは、いいお話しですし私も賛成です。

一方、現在の状況は、2004年の「対糖尿病5か年計画」以降も糖尿病は増え続け、糖尿病専門医の数も増加したのに、治療を受けている糖尿病患者の2/3はコントロール不良です。

つまり、日本糖尿病学会の様々な努力にも関わらず、糖尿病治療の現状は、決して上手くいっていないということです。

DREAMESの①②③④はいいとしても、

⑤糖尿病予防
⑥糖尿病の抑制

に関しては、久山町研究やUKPDSを考慮すれば、糖質を摂取する限りは不可能である可能性が高いと思います。
このままではDREAMESが悪夢と化してしまいます。 (*_*)

糖質制限食であれば、⑤⑥の目標達成は容易ですね。
こちらは DREAMES come true ですね。(^_^)


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
質問です(重要ではありません)

8月14日の記事の中にある
「日本糖尿病学会の糖尿病食における推奨カロリー」についてなのですが、先生には、珍しく数字が入ってないなぁって思って日本糖尿病学会のHP等を検索したのですが、意外なことに思いつく限りの項目で検索してもヒットしませんでした。
どうなっているんでしょうか?
カロリー無制限で一日三食食べて生活している
セインとしては、ちょっとだけ、気になるところであります。
お時間があったら、教えてください。
2010/08/16(Mon) 22:34 | URL | セイン | 【編集
糖尿病専門医の質の向上を望む
糖尿病専門医の数が増えたことに期待したいところですが、人数(量)とともに質の向上がどこまで図られたのかに大きな疑問を持ちます。

糖尿病の療法として従来から、食事療法、運動療法、薬事療法と言われてきました。

専門医ならこの3つの療法に関しての研鑽を積み、患者に対して適切な指導ができなければなりません。

医師の国家試験を受けるための学習の中に、どれだけ栄養学に関しての知識と経験の勉強が含まれているのでしょうか。糖尿病専門医に認定されるためには、プラス適切な指導ができるようどれだけの食事療法についての研鑽の機会があるのでしょうか。

糖尿病は専門医に任せなさい、というタイトルの本が出版されたりしています。私に言わせれば、とんでもないと言うことです。糖尿病専門医に任せた結果が久山町の実験結果、そして富山医科大学の実態調査結果に見られるように、HbA1c6.5%以下のコントロール良好が3割という低い数値です。

糖尿病専門医の人数を増やせば、この数値が良くなる、コントロール良好な糖尿病患者が増えるのでしょうか。

HbA1c6.5%を目指そうと専門医は言います。そこまではいいでしょう。目標を達成するために具体的に何をどうするのかの指導を、1年間にわたって私は糖尿病専門医からまったく受けることができませんでした。特に食事に関しては私の質問に対して納得のいく返答はまったく得られないばかりか、こんな基本的なことすらわかっていないのかという場面にもたびたび出会いました。

HbA1cは6.5%~7.1%を上下するにとどまりました。病状が改善されては困ると言わんばかりでした。HbA1cもこの範囲に留まってくれるのが、専門医の自分にとっては好都合なのだと言わんばかりだと、私には感じられました。診察のたびに私は大きなストレスを抱え込む結果になりました。

糖尿病専門医の人数が増えたことには一定の評価が得られるでしょう。しかし、質の向上に関しては大きな疑問が残ります。
2010/08/17(Tue) 02:12 | URL | kenm | 【編集
Re: 糖尿病専門医の質の向上を望む
kenmさん。

ご指摘のように、医学部では栄養学の講義はほとんどありません。

また糖質制限食の知識がない限りは、食後高血糖を防ぐことは不可能です。

糖質制限食普及活動を地道に続けることが必要ですね。
2010/08/17(Tue) 09:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
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