人類の主食は穀物ではない・ヒューマン・ニュートリションより

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こんにちは。

今回は、小豆好きさんから、

「主食(炭水化物・穀物)を食べないと、代謝が乱れて糖尿病のリスクになる」

という意見に対して、質問をいただきました。

結論としては、人類の主食は穀物ではないし、糖質制限食を実践すれば糖尿病発症の予防になりますが、リスクにはなりません。

「10/07/27 小豆好き
タイトルなし
初めまして、江部先生の本を拝見させていただきました。
とても勉強になります。
私自身は糖尿ではないのですが、甘いもの、炭水化物の食べ過ぎのせいで、食後だるかったり、空腹になるとイライラしていました(血糖値の急変によるものだと病院で言われました)
先生の本を読み、現在、できる範囲で炭水化物を抑えています。
前のようにあんこ1袋食いなんて恐ろしいことはしていません。
お陰でイライラすることが減りました。
炭水化物の摂取を制限することについて、
以下のような記事をみつけ、先生の御意見を伺えたらと思いコメントいたします。

>コロラド州立大学研究所より
「主食を十分に摂取しないと、人間の正常な新陳代謝に影響を与え、脂肪が分解したときに血液中の遊離脂肪酸が増え、糖尿病のリスクが高まると考えられています。よって、研究グループでは、1日100グラムは最低でも主食を摂取しなさいと結論づけています」 (ブログ:我が愛しの上海へ・2より)

炭水化物を制限しすぎるとDMのリスクになるというような内容ですが、これはなぜでしょうか?

初歩的な質問で失礼いたします。」


小豆好きさん。
コメント・質問ありがとうございます。

炭水化物を制限しても、糖尿病のリスクにはなりません。
むしろ、炭水化物を普通に摂取することが、糖尿病のリスクになります。

コロラド州立大学の説は、単なる一仮説に過ぎません。そして、出発点で根本的な間違いを犯しています。

つまり農耕が始まる前の人類の主食は、決して穀物ではありません。

ヒューマン・ニュートリション 基礎・食事・臨床 第10版
JS Garrow
WPT james
A Ralph 編
日本語版監修 細谷憲政

上記は、英国の最も権威ある栄養学の本で、920ぺージに及ぶ大著です。
2万円くらいしましたが、奮発して買いました。

この本の75ページに

『現代の食事では、・・・・・デンプンや遊離糖に由来する「利用されやすいグルコース」を大量に摂取するようになっている。このような食事内容は血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇をもたらし、糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化等、多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている。

農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとした食物を摂取するようになったが、進化に要する時間の尺度は長く、ヒトの消化管はまだ穀物ベースの食物に適応していない。ましてや高度に加工された現代の食物に対して、到底適応しきれてないのである。』


常日頃、糖質制限食の立場から

「人類の主食は穀物ではない。」

と、私が主張していることがそのまま記載してあったので、びっくりするやら嬉しいやらでした。(^-^)v(^-^)v

ヒューマン・ニュートリションでは、穀物の過剰摂取の害、特に精製炭水化物による「血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇」が多くの点で健康に有害と強調しています。

これも私が日頃主張している

「精製炭水化物摂取によるグルコースミニスパイクとインスリンの頻回・過剰分泌が生活習慣病の元凶である。」

という説と、全く同じといっていいと思います。ヾ(^▽^)

ヒューマン・ニュートリションの記載とコロラド州立大学の仮説、どちらが説得力があるか言うまでもありませんね。


江部康二

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