2010年06月20日 (日)
2010年7月1日から、糖尿病新診断基準施行で、今後HbA1cはNGSP値に相当する値が基準でJDS値は併記となります。☆☆☆
日本糖尿病学会から新診断基準は発表されたのですが、「血糖コントロール指標と評価基準」はまだ発表されていません。
臨床現場ではHbA1c測定方法はこれまでと同様のJDS値なのですが、単純に0.4を足した値をNGSP値として示すことになります。
ここまではいいのですが、さて「血糖コントロール指標と評価基準」はどうなるのでしょう?
今まで、JDS値での「血糖コントロール指標と評価基準」は、
優:5.8%未満
良:6.5%未満
不十分:6.5~7.0%未満
不良:7.0~8.0未満
不可:8.0%以上
でした。
そうすると、JDS値では6.4%でコントロール良だった糖尿人が、NGSP値ではいきなり6.9%になるので、コントロール不十分になってしまうのは、何だか釈然としないですよね。 (*_*)
それでもまあ、糖尿人のご同輩、一応ご安心下さい。 (^_^)
新「血糖コントロール指標と評価基準」において、NGSP値を採用するなら、単純に0.4を足して
優:6.2%未満
良:6.9%未満
不十分:6.9~7.4%未満
不良:7.4~8.4未満
不可:8.4%以上
ということで決着しそうです。
江部康二
☆☆☆参考
2010年05月31日 (月) のブログです。
糖尿病の新診断基準、7月1日に施行
第53回日本糖尿病学会年次学術集会において、開催初日の2010年5月27日に、糖尿病の新しい診断基準の概要と、2010年7月1日に新基準を施行することが発表されました。
今回新しくなる診断基準は、前回の基準から11年ぶりに改訂されます。改訂の目玉は、診断基準に「HbA1c 6.5%以上」(6.1%[JDS値])が追加されたことです。
HbA1c値については、日本独自の測定法によって得られるJDS値と、欧米を中心に使われている測定法によって得られるNGSP値があり、両者のデータにはずれがありました。
換算するとJDS値に0.4を加えた値が、NGSP値となります。当然国際基準としては、NGSP値が優先されます。
新診断基準のHbA1c:6.5%は、NGSP値相当であり、現行の日本の測定法によるJDS値では、6.1%となります。
今後HbA1cはNGSP値に相当する値を基準としますが、HbA1c測定方法はこれまでと同様のJDS値なので、単純に0.4を足した値をNGSP値として示すことになります。
国際標準化作業が行われて、JDS値に0.4を足せばNGSP値と同じになることが確認されました。
従来の診断基準では、
①空腹時血糖値126mg/dL以上なら糖尿病型
② 75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上なら糖尿病型
③随時血糖値200mg/dL以上なら糖尿病型
①②③の糖尿病型いずれかが別の日に2回以上、確認された場合に糖尿病と診断しており、HbA1c値は補助的な位置付けで、診断基準には入っていませんでした。
近年HbA1cは、糖尿病の診断基準として国際的評価が高く、米国糖尿病学会(ADA)は、2009年、糖尿病診断に原則HbA1C検査を適用することとしました。
これを受けて日本でも、今回の改訂で、「補助的な項目」から格上げで診断基準の1つとして取りあげられることとなりました。
診断基準項目の1つとなったHbA1c値は、6.5%以上(6.1%以上[JDS値])とされました。
これは、日本のデータを用いて、網膜症の出現頻度や血糖値とHbA1c値との関係を解析した結果から、決定したそうです。
新診断基準にはHbA1c値が加わりましたが、糖尿病の診断は
<血糖値>
①空腹時血糖値126mg/dL以上なら糖尿病型
② 75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上なら糖尿病型
③随時血糖値200mg/dL以上なら糖尿病型
のうちいずれか(従来の基準と同じです)と
<HbA1c>
6.5%以上(JDS値で6.1%以上)なら糖尿病型
の両方で評価するよう決められていますが、血糖値データは必ず必要です。
すなわち患者さんが「HbA1c:6.5%以上(JDS値で6.1%以上)」のみを満たすだけでは糖尿病と診断できません。
HbA1cと同時あるいは再検査で血糖値を測定し、血糖値も診断基準を超えて糖尿病型であった場合に初めて糖尿病と診断されます。
1回目の検査でHbA1c値が「HbA1c:6.5%以上(JDS値で6.1%以上)」で糖尿病型と診断され、再検査でHbA1c値再度糖尿病型と診断されても、血糖値が糖尿病型でなければあくまで「糖尿病疑い」にとどまるとされました。
また、血糖値のみ糖尿病型の場合、糖尿病の典型的症状が確認されたり、眼底検査で糖尿病網膜症が認められれば、糖尿病と診断されます。
**6月20日追加
従来の診断基準
①空腹時血糖値126mg/dL以上なら糖尿病型
② 75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上なら糖尿病型
③随時血糖値200mg/dL以上なら糖尿病型
のいずれかが別の日に2回以上、確認された場合に糖尿病と診断というのは新診断基準でも同様です。
すなわち、HbA1cが正常型でも、血糖値データだけで診断できるわけですね。
江部康二
日本糖尿病学会から新診断基準は発表されたのですが、「血糖コントロール指標と評価基準」はまだ発表されていません。
臨床現場ではHbA1c測定方法はこれまでと同様のJDS値なのですが、単純に0.4を足した値をNGSP値として示すことになります。
ここまではいいのですが、さて「血糖コントロール指標と評価基準」はどうなるのでしょう?
今まで、JDS値での「血糖コントロール指標と評価基準」は、
優:5.8%未満
良:6.5%未満
不十分:6.5~7.0%未満
不良:7.0~8.0未満
不可:8.0%以上
でした。
そうすると、JDS値では6.4%でコントロール良だった糖尿人が、NGSP値ではいきなり6.9%になるので、コントロール不十分になってしまうのは、何だか釈然としないですよね。 (*_*)
それでもまあ、糖尿人のご同輩、一応ご安心下さい。 (^_^)
新「血糖コントロール指標と評価基準」において、NGSP値を採用するなら、単純に0.4を足して
優:6.2%未満
良:6.9%未満
不十分:6.9~7.4%未満
不良:7.4~8.4未満
不可:8.4%以上
ということで決着しそうです。
江部康二
☆☆☆参考
2010年05月31日 (月) のブログです。
糖尿病の新診断基準、7月1日に施行
第53回日本糖尿病学会年次学術集会において、開催初日の2010年5月27日に、糖尿病の新しい診断基準の概要と、2010年7月1日に新基準を施行することが発表されました。
今回新しくなる診断基準は、前回の基準から11年ぶりに改訂されます。改訂の目玉は、診断基準に「HbA1c 6.5%以上」(6.1%[JDS値])が追加されたことです。
HbA1c値については、日本独自の測定法によって得られるJDS値と、欧米を中心に使われている測定法によって得られるNGSP値があり、両者のデータにはずれがありました。
換算するとJDS値に0.4を加えた値が、NGSP値となります。当然国際基準としては、NGSP値が優先されます。
新診断基準のHbA1c:6.5%は、NGSP値相当であり、現行の日本の測定法によるJDS値では、6.1%となります。
今後HbA1cはNGSP値に相当する値を基準としますが、HbA1c測定方法はこれまでと同様のJDS値なので、単純に0.4を足した値をNGSP値として示すことになります。
国際標準化作業が行われて、JDS値に0.4を足せばNGSP値と同じになることが確認されました。
従来の診断基準では、
①空腹時血糖値126mg/dL以上なら糖尿病型
② 75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上なら糖尿病型
③随時血糖値200mg/dL以上なら糖尿病型
①②③の糖尿病型いずれかが別の日に2回以上、確認された場合に糖尿病と診断しており、HbA1c値は補助的な位置付けで、診断基準には入っていませんでした。
近年HbA1cは、糖尿病の診断基準として国際的評価が高く、米国糖尿病学会(ADA)は、2009年、糖尿病診断に原則HbA1C検査を適用することとしました。
これを受けて日本でも、今回の改訂で、「補助的な項目」から格上げで診断基準の1つとして取りあげられることとなりました。
診断基準項目の1つとなったHbA1c値は、6.5%以上(6.1%以上[JDS値])とされました。
これは、日本のデータを用いて、網膜症の出現頻度や血糖値とHbA1c値との関係を解析した結果から、決定したそうです。
新診断基準にはHbA1c値が加わりましたが、糖尿病の診断は
<血糖値>
①空腹時血糖値126mg/dL以上なら糖尿病型
② 75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上なら糖尿病型
③随時血糖値200mg/dL以上なら糖尿病型
のうちいずれか(従来の基準と同じです)と
<HbA1c>
6.5%以上(JDS値で6.1%以上)なら糖尿病型
の両方で評価するよう決められていますが、血糖値データは必ず必要です。
すなわち患者さんが「HbA1c:6.5%以上(JDS値で6.1%以上)」のみを満たすだけでは糖尿病と診断できません。
HbA1cと同時あるいは再検査で血糖値を測定し、血糖値も診断基準を超えて糖尿病型であった場合に初めて糖尿病と診断されます。
1回目の検査でHbA1c値が「HbA1c:6.5%以上(JDS値で6.1%以上)」で糖尿病型と診断され、再検査でHbA1c値再度糖尿病型と診断されても、血糖値が糖尿病型でなければあくまで「糖尿病疑い」にとどまるとされました。
また、血糖値のみ糖尿病型の場合、糖尿病の典型的症状が確認されたり、眼底検査で糖尿病網膜症が認められれば、糖尿病と診断されます。
**6月20日追加
従来の診断基準
①空腹時血糖値126mg/dL以上なら糖尿病型
② 75g糖負荷試験で2時間値200mg/dL以上なら糖尿病型
③随時血糖値200mg/dL以上なら糖尿病型
のいずれかが別の日に2回以上、確認された場合に糖尿病と診断というのは新診断基準でも同様です。
すなわち、HbA1cが正常型でも、血糖値データだけで診断できるわけですね。
江部康二
先日はコメントのお返事ありかとうございました。
質問ばかりで本当にもうしわけないのですが、料理用に焼酎をかったのですが、原材料がサトウキビ糖蜜、おおむぎ、トウモロコシとなっているのですが大丈夫でしょうか?お酒なんて買ったことがないのでよくわからなくて・・・。
すみません。
質問ばかりで本当にもうしわけないのですが、料理用に焼酎をかったのですが、原材料がサトウキビ糖蜜、おおむぎ、トウモロコシとなっているのですが大丈夫でしょうか?お酒なんて買ったことがないのでよくわからなくて・・・。
すみません。
2010/06/20(Sun) 19:19 | URL | ソラ | 【編集】
ソラさん。
原材料がサトウキビ糖蜜、おおむぎ、トウモロコシ・・・米、芋・・・
何であれ、蒸留するときに糖質はなくなります。
従いまして、焼酎やウィスキーなど蒸留酒は糖質含有量ゼロと考えていただいてよろしいです。
原材料がサトウキビ糖蜜、おおむぎ、トウモロコシ・・・米、芋・・・
何であれ、蒸留するときに糖質はなくなります。
従いまして、焼酎やウィスキーなど蒸留酒は糖質含有量ゼロと考えていただいてよろしいです。
2010/06/20(Sun) 20:19 | URL | ドクター江部 | 【編集】
尿路結石を2度ほど経験しているのですが、病院からもらう指針によると、高蛋白・高脂質の食事が良くないそうです。高蛋白・高脂質と言えば、まさに糖質制限食だと思うのですが、大丈夫なのでしょうか?よろしくお願いします。
2010/06/21(Mon) 17:46 | URL | Oliver | 【編集】
今日健康診断の結果が出ました。
主治医に相談すべきですが社屋建て直しで診療がままならない状態ですのでここで質問させてください。
四谷の講演で先生は「アクトスは処方しない。心不全が、、、。」
私はアクトス30を毎朝食前に1錠飲んでいましたが、動悸がひどく目が覚めるようになり独断で中止しました。
今日の結果は中止する前の結果です。
血圧140 86→103 81
γーGT 92→50
HDLC59→104
HbA1c6.1→4.8
血糖156→132
気になるのは血糖で、9時間絶食してるのになぜ?コントロールが出来てるのにこの数字だとアクトスを続けるほうが良いのでしょうか?
何故こんな数字になるのか教えてください。
主治医に相談すべきですが社屋建て直しで診療がままならない状態ですのでここで質問させてください。
四谷の講演で先生は「アクトスは処方しない。心不全が、、、。」
私はアクトス30を毎朝食前に1錠飲んでいましたが、動悸がひどく目が覚めるようになり独断で中止しました。
今日の結果は中止する前の結果です。
血圧140 86→103 81
γーGT 92→50
HDLC59→104
HbA1c6.1→4.8
血糖156→132
気になるのは血糖で、9時間絶食してるのになぜ?コントロールが出来てるのにこの数字だとアクトスを続けるほうが良いのでしょうか?
何故こんな数字になるのか教えてください。
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