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糖尿病腎症と微量アルブミンと糖質制限食
おはようございます。

糖尿病腎症と微量アルブミンと糖質制限食について、てぃむさん、けいさんから,
コメントをいただきました。


「10/06/08 てぃむ
タイトルなし
お久しぶりです。糖質制限食を続けはや2年になろうとしています。A1Cは常に4.8~5.2の間で非常に良好で、かかりつけの医者からも糖尿に関してはもう心配がないと言われるほどで江部先生のおかげと深く感謝しております。

ただ、以前も申し上げた通り、改善してくるかと期待していた尿中微量アルブは毎回つねに30とか60とか80(単位は不明ですが随時尿で)で、+-とか+とかいわれ、腎臓に負担がかかるから長い目で見ると糖質をとりはじめたほうがいいですよ、と毎回言われ続けております。クレ値は0,65~0,73の間くらいで腎機能に問題がないので頑として糖質制限をやめることはしていませんが、ある意味でお医者さんとの話に根負けしそうです。本当に10年20年と大丈夫なのだろうか、と。
ちなみにシスタチンCは0,51で全く腎炎の状態ではないと別の病院の精密検査でいわれました。
よって、微妙に漏れつづけている原因が何かは現時点で特定できません。
お医者さんの推測では以前にどこかの時点でなった腎炎が治りきらなかったのでしょう、ということでした。一度正常でなくなった腎臓の状態は、まず10中8,9は元の状態にはならないそうです。

よしんば腎臓に負担がかかり粒子の大きな蛋白が漏れるようになってくるとして(信じたくはないですが)どの程度の蛋白尿レベルになってきたら糖質制限NGかどうか、具体的にお教え願えませんでしょうか?お手すきの時でもよろしくお願いいたします。」



「10/06/08 けい
タイトルなし
ていむさん

私も30代で糖尿、腎症2期です。
糖質制限も実施しています。

カロリーはオリーブオイルやマヨネーズで稼いで
蛋白は80程度にしていて5ヶ月で+-又は+だった尿蛋白が始めて-になりました。
尿潜血は+ですけど・・・

偶然の一回だけかもしれませんが、こんな方法でやっています。

お互いがんばりましょうね!」


てぃむさん、けいさん。
コメントありがとうございます。

まず尿中微量アルブミンですが、糖尿病腎症が原因ならば、糖質制限食で血糖コントロールを良好に保てば、正常に回復する可能性が高いと思います。

現実に、糖質制限食による血糖コントロールの改善で、薬物なしで微量アルブミンが正常化した人は、私の患者さんでも何人かおられます。

また、本ブログでも数人の方から、微量アルブミンさらには蛋白尿陽性レベルが改善したとのコメントをいただいています。

てぃむさんのデータ、30までが正常として60とか80のレベルで、A1Cが常に4.8~5.2の間なら、糖尿病腎症第2期(早期腎症期)であれば半年から1年で正常に回復するのが普通です。

一方、尿中微量アルブミンの原因が慢性腎炎とか、糖尿病以外のものであれば、血糖コントロールが正常レベルなっても、微量アルブミンは改善しません。なぜなら、慢性腎炎が糖質制限食単独で治るわけではないからです。

ごく軽症の慢性腎炎は、血液検査はシスタチンCもクレアチニンも全くの正常で、微量アルブミンのみ陽性の段階があります。

この場合、黄耆を主薬とした漢方薬で、約7割程度の改善が期待できますので選択肢の一つですね。

糖尿病腎症+慢性腎炎」の両方があるときは、血液検査でシスタチンCもクレアチニンも正常の段階なら、糖質制限食でしっかり血糖コントロールをして糖尿病腎症を改善させ、漢方薬で慢性腎炎の治療を併用というのがお奨めです。


江部康二


☆☆☆参考

糖尿病腎症と糖質制限食2010
2010年05月12日 (水)

おはようございます。

糖尿病腎症が始まれば、基本的には、じり貧で進行するのが、現在の西洋医学の常識的認識だと思います。

まあ、ACE阻害薬、または、アンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の投与により、微量アルブミン尿が改善したという報告はありますが・・・。

糖質制限食による血糖コントロールの改善で、薬物なしで微量アルブミンが正常化した人は、私の患者さんでも何人かおられます。

腎症第3期Aまでは、糖質制限食が可能と過去のブログで述べたのは、所謂EBMに基づくものではありません。

ただ、ご自身が1型糖尿病の米国のバーンスタイン医師は、小児期12才に1型糖尿病を発症され、以後インスリンを打ち続けておられます。「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」(メディカルトリビューン)の著者です。

35才、顕性腎症前期(第3期A)となった頃、SMBGで血糖自己測定をしながら食事療法を研究し、徹底した糖質制限食を開始。

尿中微量アルブミンの増加する「早期腎症期」より進行した蛋白尿が出現する段階の「顕性腎症前期」から、糖質制限食で回復しタンパク尿消失。

45才で医学部に入学、49才で医師になり、糖尿病を徹底的に研究。以後、多数の糖尿病患者を診察。

2010年、76才現在、糖尿病合併症もなく、現役医師としてお元気にお過ごしです。

バーンスタイン医師の場合、HbA1c5%くらいでキープしておられると思います。

個人差も当然あるし、糖質制限食のコントロール・スタディなどありません。

従って、糖質制限食で尿中微量アルブミンや顕性腎症前期(第3期A)までなら、必ず改善すると断定したり保証することは当然できません。

ただ、糖質制限食でHbA1c:5.8%未満くらいまでコントロールすれば、バーンスタイン先生のような経過をたどる可能性もありえると思います。

ACCORD研究(2008年)と2010年2月のランセットの研究報告で糖質を摂取して、HbA1cをきっちりコントロールすれば、総死亡率がかえって上昇することが示唆されました。

糖質を摂取することによる食後高血糖、そして過剰な薬物治療による低血糖、これらの繰り返しによる血糖値の乱高下が、死亡率上昇の主たる要因と思います。

同様の理由で、糖質を摂取しながらインスリンなどでHbA1cをコントロールしても、食後高血糖を防ぐことは困難で、糖尿病腎症の進行は防ぎがたいと思います。

このように考察してみると、糖質制限食だけが食後高血糖を生じないし、薬物の使用がないので低血糖も生じないので、糖尿病腎症の進行を防ぎ、また総死亡率も減らす可能性をもっていることがわかります。

患者さんへの説明は、結構難しいですが、

①「血糖コントロールが悪ければ、糖尿病腎症は転がるように進行する。」
微量アルブミン尿→第3期A→第3期B→腎不全→透析

ということをまず説明します。

そして、

②「糖質制限食で血糖コントロールが良くなれば、100%とは言えないが進行が防げる可能性がある。」と説明します。

第3期A(タンパク尿1g/日未満)の段階までは、

<高タンパク食による蛋白尿へのリスク>と<食後高血糖による蛋白尿へのリスク>
を天秤にかけるという言い方もできます。

このような臨床試験はないので、結論は出ませんが・・・。

ただ、第3期A(タンパク尿1g/日未満)の段階までは兎も角として、第3期Bの段階(タンパク尿1g/日以上)の段階になると、糖質制限食も含めて治療に難渋します。

ともあれ、できるだけ早い段階で糖尿病腎症を発見し、糖質制限食実践で血糖コントロールを良好に保つことが、現時点で最善の道と考えられます。

糖尿人は、3ヶ月~半年に1回、尿中微量アルブミンを検査して、早期発見に努めて下さいね。


江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
アンジオテンシン
以前ムクミとアルドステロンでコメントしました。

アルドステロンは心臓、血管、脳、腎臓などの臓器障害作用があると知りました。

アルドステロンを阻害するには
「アンジオテンシン」を発生させなければいいことを知りました。

ワサビの辛味成分アリルイソチオシアネートがアンジオテンシンの変換酵素(ACE)を97%阻害。
ヨモギ 77.6%
ウコン 63%
だそうです。
糖質制限中の食事に、ワサビや辛子は使えますね。
参考までに。

2010/06/09(Wed) 11:44 | URL | ナオ | 【編集
ガム
私はよくキシリトールのガムを噛むのですが…ガムは糖質制限食をしていく上でやめた方がいいですか??

キシリトールは糖アルコールって別のサイトで書かれてたのを見て…

気になったので教えて頂けませんか??

もしだめなら…
食べてもよいガムがあるのか…
代わりになるものがあれば教えて下さい。

よろしくお願いします!!
2010/06/09(Wed) 21:15 | URL | kinako | 【編集
糖尿人の父の交通事故の顛末&ご相談
A1C が 10.1 になってもビールを医師と息子の私に隠れて呑んでいた父が自動車にはねられて地元の埼玉県久喜市のX病院(外科の専門医)に救急車に運び込まれました。他人から見れば「命あっただけで幸運」だと思いますが、肉親の眼で見れば「1日でも早く全快してほしい!」と思うのは当然だと思います。(いくらバカな親であっても)

 X病院から電話があり駆けつけたところ、「血糖値が高過ぎるので、足首が複雑骨折しているが、すぐには手術できない。血糖値が下がったら手術する。」と言われました。後で、確認したら入院時の血糖値は250を越していました。

 その後、「病院食を食べた1時間後血糖値 → 338」になり、「これでは手術は無理」と病院から言われたので、父に病院食の内容を尋ねたら「白米が信じられないほど山盛り出て、喰わないと寝かせてもらえないので喰った」と申しました。

 祖父が44才で糖尿病の合併症で敗血症で死んでおり、私自身も49才で糖尿病の合併症で脳梗塞を起こしています。江部先生の本と出会い、後遺症も私は消え快適な人生を送っておりましたが、父は「隠れビール」を呑むような人間で、その祟りなのか(?)、交通事故に遭ってしまいました。

 問題なのは「隠れビールを呑んでいても、米は食わなかった父」に「無理矢理白米を食わせる病院の医師&栄養士(&その指示を実行している看護師)だと認識しています。

 外科手術が完了し、車椅子でも移動できるようになり次第、埼玉県から京都府の江部先生の病院に入院させて、根本的に直させようと決意しました。

 その前に「X病院の病院食の害」から逃れるにはどうすればよいのか、江部先生のお力を賜りたく書込しました。

 私は「栄養士さんの主義主張はわかりました。私の家系は3代40代で死に病として、糖尿病が発生している家系なので、特異体質です。カロリー計算して頂いた病院食は大概の人に有効だと思いますが、私の3代の家系には合いませんので、米などは残して、不足な栄養分は豆乳(スジャータの無調整豆乳)で補います。ご許可下さい。」と言ったのですが、私が立ち会わない時には無理に病院食を食わしているようです。このままでは、祖父と同じく父も敗血症で死ぬと思います。
 なにとぞお知恵を貸して下さい > 江部先生!
2010/06/09(Wed) 22:41 | URL | らこ | 【編集
Re: ガム
kinakoさん。

キシリトールは糖アルコールの一種です。
血糖値はショ糖の半分くらい上げます。
マルチトール、ソルビトールなども同様です。
糖アルコールの中で血糖値を上げないのは
エリスリトールだけです。

エリスリトールのガムは残念ながらないようです。
飴ならサラヤのラカントカロリーゼロ飴がありますよ。
2010/06/10(Thu) 08:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 糖尿人の父の交通事故の顛末&ご相談
らこさん。

「病院給食のおかずだけ食べて、主食は残して、
足らない分は家からもっていく。」

私が声帯ポリープの手術で入院したときは、上記の作戦でしのぎましたが・・・
2010/06/10(Thu) 08:33 | URL | ドクター江部 | 【編集
江部先生ありがとうございます
 早速実行しました! 後日お礼とご報告致します! 感謝、感謝!!!
2010/06/10(Thu) 20:54 | URL | らこ | 【編集
先生コメントありがとうございました
先月より先生の薦められるオウギ成分を調べ、漢方屋さんで処方していただいてます。慢性腎不全期にクレ値を下げる効能がある(可能性がある?)ようですね。その漢方屋さんは高雄病院のこともご存じらしく、あちらではオウギももっと量が多く出るよ、とおっしゃってました。煎じるため?でしょうか。よくわかりませんが・・・
飲んでいるものは顆粒のもので量は飲むのにつらいほどではありません。

現時点で最近の検査ではやはりアルブミン+-で、出てはいるようです。今までどおり数カ月は様子を見ようと思います。
それよりも、尿ケトンが毎回強く(スーパー糖質制限食開始より2年近く+2か+3)出ているということの方を問題にされました。
自分はケトン代謝によって血中も尿中も高いレベルで出るだろうということはわかっておりましたので特に驚きもしませんでしたが、先生の以前のコメントにありました、1年以内に正常化することが多い、ということを外れて2年、今後ずっとケトン+3でも腎臓や内臓に負担がかからないか、ということは未知の領域でありますから、多少の不安要素ではあります。
ともあれ、A1Cは5ジャスト程度を持続しておりますし、糖尿が進行しないということでの安心感は非常に強いものがありますので、今後とも糖質制限でいきたいと思っております。糖尿の母親の理解のために主食を抜けば~をもう一冊購入もさせていただきました。いつも的確なコメントありがとうございます。それでは失礼いたします。
2010/07/06(Tue) 21:54 | URL | てぃむ | 【編集
Re: 先生コメントありがとうございました
てぃむ さん。

小児ケトン食に近いような
非常に厳しいスーパー糖質制限食ですと、血中ケトン体は3000くらいあり、
3年後も尿中ケトン体陽性のことがあります。
ケトン体そのものは、ブドウ糖に比べて毒性はありません。
ブドウ糖は180mg/dlを超えると細胞毒です。

1回の糖質量(野菜が主)を15~20gくらい摂取されてもいいと思います。
それで血中ケトン体が1000くらいになり尿中ケトン体陰性化すると思います。
2010/07/07(Wed) 12:46 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: とても怖いです…
あずさん。

春日井市の灰本クリニックでご相談ください。

灰本クリニック 灰本元先生
〒486-0838 
愛知県春日井市弥生町1丁目80番

TEL(0568)85-0567
2010/08/30(Mon) 07:37 | URL | ドクター江部 | 【編集
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