2010年05月30日 (日)
おはようございます。
昨日は、京都府歯科医師会学術研究会総会で、糖質制限食のお話しをさせていただきました。
糖尿病のコントロールと歯科治療の併用で、歯周症が、めきめきよくなることなど、ご教示いただきました。
糖質制限食と歯科治療のコラボ、おおいに期待できますね。
学術研究会の皆様、熊本会長、ありがとうございました。
さて、京都一般講演のご案内です。
この1年、東京、名古屋、長野、岐阜・・・全国で糖質制限食の講演を行ってきましたが、関西は久しぶりです。
6月13日(日)の大阪講演会は、定員100名、あっという間に満員御礼となりました。
これもブログ読者の皆さんのおかげです。ありがとうございました。
6月8日(火)の朝日カルチャーセンター京都の一般公開講座は、まだ席が空いています。
京都の皆さんのご参加をお待ちしております。
江部康二
<糖質制限食講演 公開講座>
朝日カルチャーセンター京都教室
<タイトル>
血糖値を下げる!糖質制限食
~メタボでない人の糖尿病、肥満に有効
<講師>
高雄病院理事長 江部 康二
<曜日>
2010年6月8日(火)
<時間>
10:30~12:00
<受講料 >
会員2940- 一般3465-
<朝日カルチャーセンター京都教室>
所在地 〒604-8005
京都市中京区河原町三条上ル
京都朝日会館8F
TEL 075-231-9693
FAX 075-255-4784
窓口営業時間 午前9時30分~午後6時30分
(日曜日は午後4時まで)
休館日 祝日(振替休日を含む)とお盆休み、年末年始は休館。
【糖質制限食とは】
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わります。タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは、含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が、大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を、約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
なお、1gの糖質が、体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を、5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。
なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
昨日は、京都府歯科医師会学術研究会総会で、糖質制限食のお話しをさせていただきました。
糖尿病のコントロールと歯科治療の併用で、歯周症が、めきめきよくなることなど、ご教示いただきました。
糖質制限食と歯科治療のコラボ、おおいに期待できますね。
学術研究会の皆様、熊本会長、ありがとうございました。
さて、京都一般講演のご案内です。
この1年、東京、名古屋、長野、岐阜・・・全国で糖質制限食の講演を行ってきましたが、関西は久しぶりです。
6月13日(日)の大阪講演会は、定員100名、あっという間に満員御礼となりました。
これもブログ読者の皆さんのおかげです。ありがとうございました。
6月8日(火)の朝日カルチャーセンター京都の一般公開講座は、まだ席が空いています。
京都の皆さんのご参加をお待ちしております。
江部康二
<糖質制限食講演 公開講座>
朝日カルチャーセンター京都教室
<タイトル>
血糖値を下げる!糖質制限食
~メタボでない人の糖尿病、肥満に有効
<講師>
高雄病院理事長 江部 康二
<曜日>
2010年6月8日(火)
<時間>
10:30~12:00
<受講料 >
会員2940- 一般3465-
<朝日カルチャーセンター京都教室>
所在地 〒604-8005
京都市中京区河原町三条上ル
京都朝日会館8F
TEL 075-231-9693
FAX 075-255-4784
窓口営業時間 午前9時30分~午後6時30分
(日曜日は午後4時まで)
休館日 祝日(振替休日を含む)とお盆休み、年末年始は休館。
【糖質制限食とは】
食べ物が消化・吸収されたあと、糖質は100%血糖に変わります。タンパク質・脂質は血糖に変わりません。
また糖質は、摂取直後から急峻に血糖値を高く速く上昇させ、2時間以内にほとんどすべてが吸収されます。
これらは、含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが血糖値を上昇させます。従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が、大きな問題として注目されています。食後高血糖が、心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。そして、食後高血糖を起こすのは、三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を、約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、血糖値を166mg上昇させます。
一方、牛サーロインステーキを200g(約1000キロカロリー)食べても、糖質含有量は1gもないので、食後高血糖はほとんど生じないのです。
なお、1gの糖質が、体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を、5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースにできるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。抜く必要がある主食とは米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、カロリー制限より糖質制限ということが、おわかりいただけたと思います。
なお、糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
一般的な標準摂取カロリーの範囲、すなわち男性なら1600~2000キロカロリー、女性なら1200~1600キロカロリーくらいが目安です。
私は山梨県の45歳男性、身長178cm、体重74kgです。
予てより「通常」の糖尿病治療をしておりました折の今年三月初旬、やはり同じく糖尿病を病んでおりました義父がすい臓がんで亡くなりました。
その葬儀の準備の際、生前義父が使用しておりました器具を用いて血糖値の自己検査をしましたところ、なんとその指し示した数値は「525(!)」。傍らにいた実父(やはりⅠ型糖尿人です)も驚き、その時かかっていた医者を変えるよう強く進言され、同時に自分もこの病に対する姿勢を改めなければ大変なことになる、と言う強い自覚を得ました。
その時までの投薬メニューは日々ファスティック90×3、メルビン250×3、ベザフィブレート200×3、オルメティック10×1と、さながら薬漬けのようなものでしたが、それでも直近のHbA1Cの数値は10を軽く超えていたのです。
早速、実父から紹介された糖尿病専門医にかかることにし、自分でもネットを中心にこの病について徹底的に調べていた途上、江部先生のこのブログに出会い、同時に先生の「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を購入し、熟読。
そして先生仰るところの「スタンダード糖質制限食」を実践し始めて三ヶ月がたとうとしております。酒好きの私にとって何より嬉しいのは、適量の酒(焼酎を糖質0のサワーで割ったもの)を何の気兼ねなく飲めるということで、以来、HbA1Cは7.3%、夕食後血糖値は100前後となっております。投薬メニューはジャヌビア50×1、メルビン250×3、オルメテック10×0.5となり、現在の担当医師も通院当初の諸検査では「Ⅰ型の素因があり、インスリン注射をお勧めする」診断だったのですが、その後の私の回復状態に目を見張っている状態です。今更ながら「糖質制限食」の糖尿病における多大な効果を実感しております。また、それを啓蒙してくださっている江部先生には衷心より深く感謝申し上げる次第です。誠に有難うございました。
予てより「通常」の糖尿病治療をしておりました折の今年三月初旬、やはり同じく糖尿病を病んでおりました義父がすい臓がんで亡くなりました。
その葬儀の準備の際、生前義父が使用しておりました器具を用いて血糖値の自己検査をしましたところ、なんとその指し示した数値は「525(!)」。傍らにいた実父(やはりⅠ型糖尿人です)も驚き、その時かかっていた医者を変えるよう強く進言され、同時に自分もこの病に対する姿勢を改めなければ大変なことになる、と言う強い自覚を得ました。
その時までの投薬メニューは日々ファスティック90×3、メルビン250×3、ベザフィブレート200×3、オルメティック10×1と、さながら薬漬けのようなものでしたが、それでも直近のHbA1Cの数値は10を軽く超えていたのです。
早速、実父から紹介された糖尿病専門医にかかることにし、自分でもネットを中心にこの病について徹底的に調べていた途上、江部先生のこのブログに出会い、同時に先生の「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」を購入し、熟読。
そして先生仰るところの「スタンダード糖質制限食」を実践し始めて三ヶ月がたとうとしております。酒好きの私にとって何より嬉しいのは、適量の酒(焼酎を糖質0のサワーで割ったもの)を何の気兼ねなく飲めるということで、以来、HbA1Cは7.3%、夕食後血糖値は100前後となっております。投薬メニューはジャヌビア50×1、メルビン250×3、オルメテック10×0.5となり、現在の担当医師も通院当初の諸検査では「Ⅰ型の素因があり、インスリン注射をお勧めする」診断だったのですが、その後の私の回復状態に目を見張っている状態です。今更ながら「糖質制限食」の糖尿病における多大な効果を実感しております。また、それを啓蒙してくださっている江部先生には衷心より深く感謝申し上げる次第です。誠に有難うございました。
2010/05/30(Sun) 12:55 | URL | 甲州人 | 【編集】
甲州人 さん。
HbA1c改善、良かったですね。
ジャヌビア、メルビンは糖質制限食でも良い薬です。
この薬なら低血糖の恐れもないので、できればスーパー糖質制限食にて
HbA1c6.5%未満をめざしてください。
HbA1c改善、良かったですね。
ジャヌビア、メルビンは糖質制限食でも良い薬です。
この薬なら低血糖の恐れもないので、できればスーパー糖質制限食にて
HbA1c6.5%未満をめざしてください。
2010/05/30(Sun) 22:07 | URL | ドクター江部 | 【編集】
特名希望様
糖尿人が漢方を飲んでも特にデメリットはありません。
一方、何も症状・所見がなければ、食事療法(糖質制限食)のみでいいと思うのですが・・・
糖尿人が漢方を飲んでも特にデメリットはありません。
一方、何も症状・所見がなければ、食事療法(糖質制限食)のみでいいと思うのですが・・・
2010/05/30(Sun) 22:15 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ちいさん。
血圧90/50くらいでも
糖質制限食、大丈夫です。
血圧90/50くらいでも
糖質制限食、大丈夫です。
2010/05/30(Sun) 22:16 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生、ご無沙汰しております。
おかげさまでA1cが5、6をキープしている
ゆうです。
さて、質問なのですが、糖尿病でいうところの
二次無効というのは、いわゆるSU剤に限った
はなしなのでしょうか。
例えばベイスンなどの類の薬についても
服用しているうちにある日突然効かなくなって
しまうようなことがあるのでしょうか?
もしそうなら連続した服用はなるべく避けて
頓服的な服用にした方が将来を考えると
よいのでしょうか?
お忙しいところ誠に恐縮ですがよろしくお願いいたします。
おかげさまでA1cが5、6をキープしている
ゆうです。
さて、質問なのですが、糖尿病でいうところの
二次無効というのは、いわゆるSU剤に限った
はなしなのでしょうか。
例えばベイスンなどの類の薬についても
服用しているうちにある日突然効かなくなって
しまうようなことがあるのでしょうか?
もしそうなら連続した服用はなるべく避けて
頓服的な服用にした方が将来を考えると
よいのでしょうか?
お忙しいところ誠に恐縮ですがよろしくお願いいたします。
2010/05/31(Mon) 04:18 | URL | ゆう | 【編集】
こんにちわ。
妊娠糖尿病と診断され現在11週です
食事治療中ですが運動療法は絶対ダメと言われてゴロゴロしています
A1Cは4.8でした。
今1日家で七回血糖を図っていますが1分も変わらないのに誤差が20近くある時があります。
ブドウ糖負荷試験でももし計り治したら正常値内だった可能性もありますよね?
自宅で計っていますが基準値より越えたりする事もあります。
普通の妊婦さんは絶対越えたりする事はないんでしょうか?
また妊娠糖尿病と診断されたら妊娠中にはもう治る事はないのでしょうか?
妊娠糖尿病と診断され現在11週です
食事治療中ですが運動療法は絶対ダメと言われてゴロゴロしています
A1Cは4.8でした。
今1日家で七回血糖を図っていますが1分も変わらないのに誤差が20近くある時があります。
ブドウ糖負荷試験でももし計り治したら正常値内だった可能性もありますよね?
自宅で計っていますが基準値より越えたりする事もあります。
普通の妊婦さんは絶対越えたりする事はないんでしょうか?
また妊娠糖尿病と診断されたら妊娠中にはもう治る事はないのでしょうか?
2010/05/31(Mon) 13:22 | URL | ゆああみ | 【編集】
ゆうさん。
二次無効は、SU剤だけと思います。
二次無効は、SU剤だけと思います。
2010/05/31(Mon) 19:22 | URL | ドクター江部 | 【編集】
ゆああみさん。
妊娠糖尿病と診断されたのなら、検査データが基準を満たしたのだと考えられます。
妊娠中は、妊娠糖尿病が治ることはないと思います。
血糖自己測定器のデータは、20%くらいの誤差があるのが普通です。
妊娠糖尿病と診断されたのなら、検査データが基準を満たしたのだと考えられます。
妊娠中は、妊娠糖尿病が治ることはないと思います。
血糖自己測定器のデータは、20%くらいの誤差があるのが普通です。
2010/05/31(Mon) 19:28 | URL | ドクター江部 | 【編集】
お忙し中素早い返答ありがとうございます。
ブドウ糖負荷試験の一時間後 二時間後は採血ではなく自宅に持ち帰っているのと同じテキスターだったのですが20%の誤差があると言うことは実際それより低かったりする事もあるんですよね?妊娠中はもう診断する試験はないのでしょうか?
また普通の妊婦さんは必要カロリー分を食べて血糖値は基準値を越える事は絶対ないのでしょうか?
身内に糖尿病の人がいないので自分が糖尿病になった事がまだどこか信じられなくて…
他の方は運動ウォーキングなど許されてるのに安静なのか納得できないでいます。
主治医の先生に質問したのですがうちは教科書通りやってますと言われただけでした
江部先生の妊娠糖尿病について書いてある事を読みよくわかったのですが上記の事がよくわからなくて…
お時間がある時でいいので教えて下さい。
よろしくお願いします
ブドウ糖負荷試験の一時間後 二時間後は採血ではなく自宅に持ち帰っているのと同じテキスターだったのですが20%の誤差があると言うことは実際それより低かったりする事もあるんですよね?妊娠中はもう診断する試験はないのでしょうか?
また普通の妊婦さんは必要カロリー分を食べて血糖値は基準値を越える事は絶対ないのでしょうか?
身内に糖尿病の人がいないので自分が糖尿病になった事がまだどこか信じられなくて…
他の方は運動ウォーキングなど許されてるのに安静なのか納得できないでいます。
主治医の先生に質問したのですがうちは教科書通りやってますと言われただけでした
江部先生の妊娠糖尿病について書いてある事を読みよくわかったのですが上記の事がよくわからなくて…
お時間がある時でいいので教えて下さい。
よろしくお願いします
2010/05/31(Mon) 20:03 | URL | ゆああみ | 【編集】
江部先生、お忙しい中
ご回答ありがとうございました。
ご回答ありがとうございました。
2010/05/31(Mon) 20:36 | URL | ゆう | 【編集】
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