2007年07月16日 (月)
こんばんは。
今日は朝から「ホリスティック医学シンポジウム・2007・大阪」に行ってきました。
高槻市の高槻現代劇場に約1600名の参加者で、大変な盛況でした。
「ホリスティック医学とスピリチュアルヘルス」というテーマで、ガン終末期の緩和ケアなどいろいろ活発なパネルディスカッションが展開されとても興味深い会でした。
パネリストの一人は、かの有名なスピリチュアルカウンセラー江原啓之さんでした。
地に足のついた(決して体型のことではないですよ・・・)しっかりした発言で、とても好感を持ちました。
さて、油脂の話に戻ります。
戦後長期に渡って「動物性油脂が身体に良くなくて植物性油脂が良い」と保健所などで指導されてきました。例えば「バターはやめてマーガリンにしなさい。」といった指導パターンです。
しかしながら調理に使う油脂に関してですが、近年リノール酸(大豆油、コーン油、紅花油などほとんどの植物油の主成分)の過剰摂取 が、アレルギーや炎症や心筋梗塞・脳梗塞の誘因になると指摘されています。
確かにリノール酸はα-リノレン酸と共に必須脂肪酸と呼ばれ、人体内で合成できないので、必ず食物から摂取する必要があります。
しかし、日本人のリノール酸1日必須量は1~2g以下で良いのに、現実には平均20gと大量に摂取しているのが問題となっているのです。
一方オリーブ油に含まれるオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)や紫蘇油・エゴマ油に含まれるα-リノレン酸は、心筋梗塞の予防効果があり、魚油に含まれるEPAやDHAは脳の代謝に良く、血液をサラサラにするので、積極的に摂取したいものです。
α-リノレン酸は白菜・キャベツ・大根などナタネ科、カボチャ、ネギ、ピーマン、トマト、ホウレン草、春菊などの野菜、芋類、大豆、マメ科植物、果実にも含まれています。
なお、加熱調理に最適な酸化しにくい油はオリーブオイルです。
α-リノレン酸は残念ながら、熱に非常に弱いです。
肉類などの飽和脂肪酸、コーン油・大豆油・紅花油など多くの植物油の多価不飽和脂肪酸(リノール酸など)は一価不飽和脂肪酸(オリーブ油やキャノーラ油などの主成分)よりやや少なめに摂取するのがよいでしょう。
厚生労働省は 「S:M:P=3:4:3」 を推奨しています。
Sは飽和脂肪酸、Mは一価不飽和脂肪酸、Pは多価不飽和脂肪酸です。
なお、マーガリンは 植物性油脂(不飽和脂肪酸)に人工的に水素を添加して液状の油脂を固化させた硬化油脂であり、自然には存在しないトランス脂肪酸の含有量が多いので使用しない方がいいでしょう。
この最近何かと話題になっているトランス脂肪酸については次回詳しく検証します。
江部康二
今日は朝から「ホリスティック医学シンポジウム・2007・大阪」に行ってきました。
高槻市の高槻現代劇場に約1600名の参加者で、大変な盛況でした。
「ホリスティック医学とスピリチュアルヘルス」というテーマで、ガン終末期の緩和ケアなどいろいろ活発なパネルディスカッションが展開されとても興味深い会でした。
パネリストの一人は、かの有名なスピリチュアルカウンセラー江原啓之さんでした。
地に足のついた(決して体型のことではないですよ・・・)しっかりした発言で、とても好感を持ちました。
さて、油脂の話に戻ります。
戦後長期に渡って「動物性油脂が身体に良くなくて植物性油脂が良い」と保健所などで指導されてきました。例えば「バターはやめてマーガリンにしなさい。」といった指導パターンです。
しかしながら調理に使う油脂に関してですが、近年リノール酸(大豆油、コーン油、紅花油などほとんどの植物油の主成分)の過剰摂取 が、アレルギーや炎症や心筋梗塞・脳梗塞の誘因になると指摘されています。
確かにリノール酸はα-リノレン酸と共に必須脂肪酸と呼ばれ、人体内で合成できないので、必ず食物から摂取する必要があります。
しかし、日本人のリノール酸1日必須量は1~2g以下で良いのに、現実には平均20gと大量に摂取しているのが問題となっているのです。
一方オリーブ油に含まれるオレイン酸(一価不飽和脂肪酸)や紫蘇油・エゴマ油に含まれるα-リノレン酸は、心筋梗塞の予防効果があり、魚油に含まれるEPAやDHAは脳の代謝に良く、血液をサラサラにするので、積極的に摂取したいものです。
α-リノレン酸は白菜・キャベツ・大根などナタネ科、カボチャ、ネギ、ピーマン、トマト、ホウレン草、春菊などの野菜、芋類、大豆、マメ科植物、果実にも含まれています。
なお、加熱調理に最適な酸化しにくい油はオリーブオイルです。
α-リノレン酸は残念ながら、熱に非常に弱いです。
肉類などの飽和脂肪酸、コーン油・大豆油・紅花油など多くの植物油の多価不飽和脂肪酸(リノール酸など)は一価不飽和脂肪酸(オリーブ油やキャノーラ油などの主成分)よりやや少なめに摂取するのがよいでしょう。
厚生労働省は 「S:M:P=3:4:3」 を推奨しています。
Sは飽和脂肪酸、Mは一価不飽和脂肪酸、Pは多価不飽和脂肪酸です。
なお、マーガリンは 植物性油脂(不飽和脂肪酸)に人工的に水素を添加して液状の油脂を固化させた硬化油脂であり、自然には存在しないトランス脂肪酸の含有量が多いので使用しない方がいいでしょう。
この最近何かと話題になっているトランス脂肪酸については次回詳しく検証します。
江部康二
はじめましてです。
先生に質問なんですが、スーパー糖質制限をして1ヶ月で-5キロすとんと体重が落ちて喜んでました。
その後は停滞期でまったく体重の変化はありません。
それで痩せたので血液検査にいった結果全て正常値にもどってました。
ですが、3ヶ月目あたりから朝食後に限って、体のダルさとゆうか調子悪くなります。
それも2.3時間後にはだんだん回復していきます。
夕食その他ではまったく問題ないんですが、決まって朝食後に不調がおそってきます。
これは糖質制限の為でしょうか?
このままやっていても大丈夫でしょうか?
糖質制限をセーブしたほうがいいのかご教授お願いします。
すこし心配で・・・
先生に質問なんですが、スーパー糖質制限をして1ヶ月で-5キロすとんと体重が落ちて喜んでました。
その後は停滞期でまったく体重の変化はありません。
それで痩せたので血液検査にいった結果全て正常値にもどってました。
ですが、3ヶ月目あたりから朝食後に限って、体のダルさとゆうか調子悪くなります。
それも2.3時間後にはだんだん回復していきます。
夕食その他ではまったく問題ないんですが、決まって朝食後に不調がおそってきます。
これは糖質制限の為でしょうか?
このままやっていても大丈夫でしょうか?
糖質制限をセーブしたほうがいいのかご教授お願いします。
すこし心配で・・・
まさ さん
体重は、BMI20~25の間で、その個人の一番体調良好のあたりで減り止まります。
「3ヶ月目あたりから朝食後に限って、体のダルさとゆうか調子悪くなります。」
これは、よくわかりません。
糖質摂取後は、眠たくなったりだるくなったりが定番です。
しかし、糖質制限食の場合は通常そういうことはないのですが・・・。
体重は、BMI20~25の間で、その個人の一番体調良好のあたりで減り止まります。
「3ヶ月目あたりから朝食後に限って、体のダルさとゆうか調子悪くなります。」
これは、よくわかりません。
糖質摂取後は、眠たくなったりだるくなったりが定番です。
しかし、糖質制限食の場合は通常そういうことはないのですが・・・。
2014/03/10(Mon) 16:00 | URL | ドクター江部 | 【編集】
いま、「フードファディズムの食べ物神話の落とし穴」高橋久仁子を呼んでいます。
きょうも昼食にと、油揚げとか、厚揚げ、糖質制限にはよい食材なので使ってますが、みたらキャノーラ油使用とある。
トランス脂肪酸、いっぱい入ってますよね。
加熱で調理するから、よけい増える。
たくさん食べなきゃいいと思いますが、なんにしてもあれこれいってたら、食べるものがなくなるか、安いものにはこうした油が使われている、さけるため、オリーブオイルなどで揚げた商品は高いはずだから、お金がかかる。
少しは減らせるかもしれないから、お湯で油ぬきはぜったい必要、そう思います。
きょうも昼食にと、油揚げとか、厚揚げ、糖質制限にはよい食材なので使ってますが、みたらキャノーラ油使用とある。
トランス脂肪酸、いっぱい入ってますよね。
加熱で調理するから、よけい増える。
たくさん食べなきゃいいと思いますが、なんにしてもあれこれいってたら、食べるものがなくなるか、安いものにはこうした油が使われている、さけるため、オリーブオイルなどで揚げた商品は高いはずだから、お金がかかる。
少しは減らせるかもしれないから、お湯で油ぬきはぜったい必要、そう思います。
この記事へのトラックバック
| ホーム |