2010年05月11日 (火)
おはようございます。
スーパー糖質制限食なら、2型糖尿人の大多数は、経口血糖降下剤は不必要となります。
かくいう私も薬なしで、コントロール優レベル(HbA1c5.8%未満)で、5.1~5.4%くらいです。
たまに宴会などで、付き合いで主食を食べざるを得ないときだけ、グルコバイなどαグルコシダーゼ阻害剤や、グルファストなど超速効型インスリン分泌促進剤を直前に飲めば、あるていど食後高血糖を抑えることができるので、そのような使用法もあります。
この方法で、たいていの場合はコントロール良好レベル(HbA1c6.5%未満)を保てます。
一方で、糖質制限食をしているはずなのに、なかなかHbA1cが6.5%未満にならない糖尿人・・・。
どうしてもちょこちょこ糖質を食べておられるのでしょうね。( ̄_ ̄|||)
こういった方には、私もたまにSU剤を処方することがあります。
私はSU剤を処方するときは、基本的にアマリール(第三世代)としています。
なぜなら、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)は危険だからです。
グリペンクラミドは、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルだけでなく、ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルをも抑制します。このため、心筋障害を起こす可能性が明らかに高まるのです。
実際に、グリペンクラミド内服中の人は、有意差をもって心筋梗塞が多かったという研究報告もあります。
これに対して、グリメピリド(アマリール:第三世代)は、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルにだけ働いて
ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルには影響を与えません。従って心筋に対して悪影響がないのです。
アマリールを投与するときも、原則として、1mgの錠剤を0.5錠/日とか、 0.5錠×2/日とかの少量にしています。
SU剤は、疲れたβ細胞を鞭打つ側面がありますから、少量にこしたことはないのです。
実は、アマリールとオイグルコンは、販売メーカーはサノフィ・アベンティスで同一です。
今回のオイグルコンが危険というお話しは、 サノフィ・アベンティスのMRさんから伺いました。
メーカーとしても、心筋への危険性がはっきりと証明されているオイグルコンは、販売中止したいのだそうです。それでも、処方するお医者さんがおられる以上は、供給せざるを得ないのだそうです。
MRさんとしては、是非このことをブログに書いて欲しいとのことでした。
ブログ読者の糖尿人の皆さん、もし、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)や第一世代のSU剤(ジメリンなど)を服用しておられる方がいたら、せめてアマリールに変更してくださいね。
江部康二
スーパー糖質制限食なら、2型糖尿人の大多数は、経口血糖降下剤は不必要となります。
かくいう私も薬なしで、コントロール優レベル(HbA1c5.8%未満)で、5.1~5.4%くらいです。
たまに宴会などで、付き合いで主食を食べざるを得ないときだけ、グルコバイなどαグルコシダーゼ阻害剤や、グルファストなど超速効型インスリン分泌促進剤を直前に飲めば、あるていど食後高血糖を抑えることができるので、そのような使用法もあります。
この方法で、たいていの場合はコントロール良好レベル(HbA1c6.5%未満)を保てます。
一方で、糖質制限食をしているはずなのに、なかなかHbA1cが6.5%未満にならない糖尿人・・・。
どうしてもちょこちょこ糖質を食べておられるのでしょうね。( ̄_ ̄|||)
こういった方には、私もたまにSU剤を処方することがあります。
私はSU剤を処方するときは、基本的にアマリール(第三世代)としています。
なぜなら、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)は危険だからです。
グリペンクラミドは、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルだけでなく、ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルをも抑制します。このため、心筋障害を起こす可能性が明らかに高まるのです。
実際に、グリペンクラミド内服中の人は、有意差をもって心筋梗塞が多かったという研究報告もあります。
これに対して、グリメピリド(アマリール:第三世代)は、膵臓のβ細胞膜のカリウムATPチャンネルにだけ働いて
ミトコンドリアや心筋細胞のカリウムATPチャンネルには影響を与えません。従って心筋に対して悪影響がないのです。
アマリールを投与するときも、原則として、1mgの錠剤を0.5錠/日とか、 0.5錠×2/日とかの少量にしています。
SU剤は、疲れたβ細胞を鞭打つ側面がありますから、少量にこしたことはないのです。
実は、アマリールとオイグルコンは、販売メーカーはサノフィ・アベンティスで同一です。
今回のオイグルコンが危険というお話しは、 サノフィ・アベンティスのMRさんから伺いました。
メーカーとしても、心筋への危険性がはっきりと証明されているオイグルコンは、販売中止したいのだそうです。それでも、処方するお医者さんがおられる以上は、供給せざるを得ないのだそうです。
MRさんとしては、是非このことをブログに書いて欲しいとのことでした。
ブログ読者の糖尿人の皆さん、もし、グリペンクラミド(オイグルコン、ダオニール:第二世代)や第一世代のSU剤(ジメリンなど)を服用しておられる方がいたら、せめてアマリールに変更してくださいね。
江部康二
モン吉さん。
了解です。
了解です。
2010/05/11(Tue) 22:45 | URL | ドクター江部 | 【編集】
かかすみさん。
「4月に処方された薬はベイスンOD錠0,2とグルファスト錠10mg、メルビン錠250mgです。どれも1錠ずつ、1日3回です。」
ベイスン、メルビンは膵臓に影響のない薬です。しばらく内服していいと思います。
グルファストは即効性で2時間くらい、インスリンを分泌させます。
やむをえず主食(糖質)を摂取するときだけ、内服でよいと思います。
脂質異常症にも、糖質制限食は効果があります。
ラカントS、エリスリトールは妊婦でもOKです。
勿論、子供にもOKです。
「4月に処方された薬はベイスンOD錠0,2とグルファスト錠10mg、メルビン錠250mgです。どれも1錠ずつ、1日3回です。」
ベイスン、メルビンは膵臓に影響のない薬です。しばらく内服していいと思います。
グルファストは即効性で2時間くらい、インスリンを分泌させます。
やむをえず主食(糖質)を摂取するときだけ、内服でよいと思います。
脂質異常症にも、糖質制限食は効果があります。
ラカントS、エリスリトールは妊婦でもOKです。
勿論、子供にもOKです。
2010/05/12(Wed) 07:43 | URL | ドクター江部 | 【編集】
5/12のためしてガッテンで、AMPキナーゼの活性化で糖尿病予防、と言う特集をやるみたいですね。
まぁ高脂肪食が云々とかお決まりのフレーズがついてましたが。
色々なプチ情報を集めた中の1つらしいのでどこまで突っ込んだ内容なのか、変なミスリードを誘わないかちょっと怪しい臭いもありますが、とりあえず視てみます。
まぁ高脂肪食が云々とかお決まりのフレーズがついてましたが。
色々なプチ情報を集めた中の1つらしいのでどこまで突っ込んだ内容なのか、変なミスリードを誘わないかちょっと怪しい臭いもありますが、とりあえず視てみます。
2010/05/12(Wed) 08:24 | URL | にんにく | 【編集】
主人が末期の膵臓癌になりました。平成17年5月から今日迄スーパー糖質制限食を続けてきました。糖質制限ドットコム・ソイコムから(大豆粉・パスタ・大豆パン)他にとばのポン酢やラカントS等で工夫して頑張ってきましたが、今年四月膵臓癌と言われ入院してます。病院食は普通食で体力が大事ですからシッカリ食べてくださいと言われ、(血糖値は200以上になるとインシュリンを打ってます) とてもやり切れません。私が糖質制限食を病院へ届けたいくらいです。膵臓に負担を掛けない食事と信じて励んできましたが、本当に残念です。 昨日からはインシュリンを止めて(アマリール3ミリを朝・夕1個ずつ)になり血糖値を計りながら高いとインシュリンを打つそうです。主人は退院したらランタスソロスターをお願いしたのですが、低血糖を心配して使いたがらないです。入院しながら疑問を持ってしまいます。
スイートさん。
残念ですね。
糖尿人は大腸癌や膵臓癌になりやすい傾向があります。
糖質制限食で血糖コントロールがよくなればリスクは減りますが
ゼロになるわけではありません。
退院後は仰有るとおり、ランタスソロスターとスーパー糖質制限食なら、
1回の注射でコントロールできる可能性が高いです。
ランタスは低血糖にはなりにくいです。
残念ですね。
糖尿人は大腸癌や膵臓癌になりやすい傾向があります。
糖質制限食で血糖コントロールがよくなればリスクは減りますが
ゼロになるわけではありません。
退院後は仰有るとおり、ランタスソロスターとスーパー糖質制限食なら、
1回の注射でコントロールできる可能性が高いです。
ランタスは低血糖にはなりにくいです。
2010/05/12(Wed) 13:34 | URL | ドクター江部 | 【編集】
江部先生 はじめまして。
スミコと申します。先生のかかわっているご本は
殆ど購入させていただいておりますです!
さて、いつもブログを立ち読みしていましたが
今回は、夢がかなって嬉しさのあまりコメント投稿いたしました。
2009/3に膀胱がんが見つかって、それまで真剣に血糖値のコントロールをしていなかったのですが、
血糖が高いと手術してもらえないと言われ困っていたところへ・・・
友人の勧めで先生のブログと本に出会い、すごい勢いで読みました。
なかなか新しいことは頭に入らない年齢なのですが、
それでも書いていただいていることの30%は頭に入ったと思います。。。
それまでの数年はHgA1Cが9~7を
行ったりきたりしていたのに、ご飯やパンなどの主食を抜いただけで、
6.3にさがり先月まで6.1~6.3を間をずっと安定していました。
お薬も、2009/3までアマリールを1日6m/mgを飲んでいたのが、
現在はグルファストに変わり、軽くなったみたいです。
※それで今回コメント投稿させていただいたのは…、
数ヶ月前から頂いているグラクティブの効果もあり、念願のHgA1Cが先月の検査で5.7になり、
ちゃんとした人間の範囲になって夢がかなったので、お礼を言わせていただこうと思いました。
先生の著書に出会わなかったら、暴行がん手術も受けられたかどうか。。。
それに、食事の量を制限しなくっても、ストレスの少ない方法でコントロールできることを知らなかったら、多分、インスリンのお世話になっていたことでしょう。。。考えるだけで恐ろしいです。
だって、今までの食事制限では、食事に量が減るので
私のようなものには、どうすれば?いいのか全く分からなかったんです。
当時の主治医は『あっさりしたものを食べなさい。菜っ葉とご飯しか食べてはいけませんよ~』とか
言うだけで、たとえそれを守ったときでも・・・結果は悪かったです。
先生の言うことを聞いても結果が出ないと、『運動をしなさい』と、注文が増えるばかりでした。。。
なので主治医とは信頼関係『0』で
なかば、投げやりな態度でお薬だけもらいに行っていた日々でした。
↑すみません。ぐちっぽくなりました。
あらためて、江部先生・ブログスタッフの皆様
本当にありがとうございました!
お礼の投稿ですので、お返事も不要です。v(@u@)v
スミコと申します。先生のかかわっているご本は
殆ど購入させていただいておりますです!
さて、いつもブログを立ち読みしていましたが
今回は、夢がかなって嬉しさのあまりコメント投稿いたしました。
2009/3に膀胱がんが見つかって、それまで真剣に血糖値のコントロールをしていなかったのですが、
血糖が高いと手術してもらえないと言われ困っていたところへ・・・
友人の勧めで先生のブログと本に出会い、すごい勢いで読みました。
なかなか新しいことは頭に入らない年齢なのですが、
それでも書いていただいていることの30%は頭に入ったと思います。。。
それまでの数年はHgA1Cが9~7を
行ったりきたりしていたのに、ご飯やパンなどの主食を抜いただけで、
6.3にさがり先月まで6.1~6.3を間をずっと安定していました。
お薬も、2009/3までアマリールを1日6m/mgを飲んでいたのが、
現在はグルファストに変わり、軽くなったみたいです。
※それで今回コメント投稿させていただいたのは…、
数ヶ月前から頂いているグラクティブの効果もあり、念願のHgA1Cが先月の検査で5.7になり、
ちゃんとした人間の範囲になって夢がかなったので、お礼を言わせていただこうと思いました。
先生の著書に出会わなかったら、暴行がん手術も受けられたかどうか。。。
それに、食事の量を制限しなくっても、ストレスの少ない方法でコントロールできることを知らなかったら、多分、インスリンのお世話になっていたことでしょう。。。考えるだけで恐ろしいです。
だって、今までの食事制限では、食事に量が減るので
私のようなものには、どうすれば?いいのか全く分からなかったんです。
当時の主治医は『あっさりしたものを食べなさい。菜っ葉とご飯しか食べてはいけませんよ~』とか
言うだけで、たとえそれを守ったときでも・・・結果は悪かったです。
先生の言うことを聞いても結果が出ないと、『運動をしなさい』と、注文が増えるばかりでした。。。
なので主治医とは信頼関係『0』で
なかば、投げやりな態度でお薬だけもらいに行っていた日々でした。
↑すみません。ぐちっぽくなりました。
あらためて、江部先生・ブログスタッフの皆様
本当にありがとうございました!
お礼の投稿ですので、お返事も不要です。v(@u@)v
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