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糖質制限食と膵臓のβ細胞
こんにちは。

糖質制限食膵臓β細胞について、Coさんから、コメント・質問をいただきました。


「10/04/22 C。
β細部の萎縮について。
江部先生、はじめまして。
私はアレルギー(主に果物や野菜による口腔アレルギー)&肥満を改善したく3食主食を摂らない糖質制限に取り組んでいます。
先生やあらてつサンのブログを拝見しながら、 やる気を維持しております。
ありがとうございます!

実施からおよそ2ヶ月が経過し、見た目のボディラインは大きく変化していますm(_ _)m
が、体重は3キロ減少程度という状況です。
まぁ、うまずたゆまずやっていこうとおもっています。
そうした中で、気になる記述がありました。
お忙しいところ恐縮ですが、教えて下さい。

低糖質食を推めている医師のブログ中に、
『低糖質食」でB細胞が委縮してしまわないように、ジャヌビアを使った方が良いのでは』とありました。
Bはβと理解して、膵臓β細胞は糖質を制限すると働く必要がないから萎縮する、とも読めます。

素人なりに考えますと、インシュリンは常時(?)分泌されてるからそんな風になるはずはないのになぁ、と。
先生のお手元で、そのような臨床の研究結果が報告されておりますでしょうか。」



Cさん。
コメントありがとうございます。
3kgの減量成功、よかったですね。

『低糖質食でB細胞が委縮してしまわないように、ジャヌビアを使った方が良いのでは』

と、低糖質食を推めている某医師のブログ中に記載されていたのですね。

この医師は私とは無関係の方ですので、まずはそのことをお断りしておきます。

そして、糖質制限食(低糖質食)で、インスリンをつくっている膵臓β細胞が、萎縮するようなことはありませんのでご安心ください。 (^_^)

さて、2型糖尿病で認められる膵β細胞の異常には、質的異常と量的異常があります。

<質的異常>
①インスリン分泌のリズムが異常
②不活性型のプロインスリンの上昇(2型糖尿病の特徴)
③第1相追加分泌インスリン反応の欠落~不全
④第2相追加分泌インスリン反応の遅延

<量的異常>
β細胞のアポトーシスの亢進による膵β細胞量の進行性の減少。

質的異常は糖尿人の宿命として、受け入れるしか仕方ありません。 (*_*)
一方、量的異常に関しては何とかなります。

例えば量的異常に関して、SU剤の二次無効という例があります。

『SU剤を、内服し続けた場合、徐々に膵臓のβ細胞が障害されていき、インスリン分泌能が低下し、薬が効かなくなること』を、 <二次無効>といい、過去臨床現場で懸念されてきました。

この二次無効に関しては、日本糖尿病学会の最新の説では

『SU剤の直接の影響ではなく血糖コントロールが悪いことでβ細胞が傷害されていくためである』

というように変化しています。

これは、糖尿病学会の見解ですが、私も高血糖がβ細胞を傷害する最も大きな要因と考えており、この点では一致しています。即ち、高血糖そのものが、β細胞のアポトーシスを生じる最大のリスクと考えられます。

糖質制限食食後高血糖が防げますので、β細胞はアポトーシスを起こすことなく保護されます。つまり、糖質制限食でβ細胞の数は、量的に保たれるということですね。

さらに糖質を摂取して、頻回に追加分泌インスリンを大量に出すこと自体が、やはり膵臓への負担となると私は考えています。

基礎分泌インスリンに対して、糖質を摂取したときの追加分泌インスリンは、10~20~30倍レベルでます。

10~20~30倍というのは人体の代謝において、救急車・消防車レベルの緊急事態であり、β細胞には大変な負担です。

このような事態を、離乳食以降長年頻回に繰り返していくことは、農耕以前の400万年間は全くありえないことであり、β細胞が徐々に疲弊してついには疲れ果てて、インスリン分泌能力が低下して、糖尿病を発症するのもむべなるかなです。

糖質制限食なら、農耕以前の人類と同様に、追加分泌インスリンは、せいぜい2~3倍しかでませんので、β細胞が疲弊することがありません。

結論です。

糖質制限食なら食後高血糖がないのでβ細胞のアポトーシスが生じない。糖質制限食なら追加分泌インスリンはごく少量ですむのでβ細胞は疲弊しない。』

ということで、Coさん。
安心して、美味しく楽しく糖質制限食をお続け下さいね。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ありがとうございました。
安心しました(^o^)
本当に ありがとうございます!
これからも、美味しく楽しく続けていきます。
天候不順な折、先生もご自愛一層のほど。
2010/04/23(Fri) 22:21 | URL | C。 | 【編集
毎日拝見しています。
初めまして、DM一年目の50歳男性です。
先生のブログに出会い著書は全て購入して、拝読した結果、劇的な改善が見られました。
HbA1c11%は5.9%に、食後2H血糖値は300mg/dlを150mg/dlに改善でき担当医も驚いておりました。(投薬無しです)糖尿病と診断されてwebを一日中検索する日々が続いており、様々な意見を見ましたが糖質制限が理に適っており納得して実行出来る上に、痩せ型(体脂肪11%)の私にとって蛋白質を豊富に摂取できるメニューは最高です。
ひとつだけ心配な事が有り相談を、申し上げたいのです。中性脂肪が当初160mg/dl有ったのですが、先日の検査で37mg/dlで低すぎないかと心配しております。尚、LDL-C123mg/dl HDL-C64mg/dlでその他の尿検査は全て陰性です。ご多忙の中を大変恐縮ではありますが、宜しくお願い申し上げます。
2010/04/24(Sat) 09:35 | URL | daniel | 【編集
いつも拝読させて頂いております。
はじめまして。糖尿病と診断されて、3ヶ月弱、やっと心身とも落ち着いてきた者です。その際、先生のプログ、著書に素人としてどんなに助けられたか分かりません。まずは、お礼申し上げます。
私、37歳、飲食業歴6年のものです。今年の2月実家に何気なくあった尿糖試験紙で何気なく検査したのがきっかけでした。その際、食後と言うこともあって、プラス3以上の結果に驚き次の日に糖尿病専門医に直行。検査の結果、HbA1c8.6 空腹時207 中性脂肪1134 γーGTP197でした。
以前に、糖尿の検査はしたことがあり、4年2ヶ月前にHbA1c5.6 空腹時88.
1年11ヶ月前に尿糖がでたため、血液検査をして、HbA1c5.8 空腹時86 中性脂肪593でした。
こんなに、急に数値が上がることってあるんでしょうか?この2年弱の期間に、1日2箱のタバコをやめました。その結果、食事の量が大幅にふえ、体重も8キロほど増加しました。
現在、プチ糖質制限中で2ヶ月でHbA1c6.1 空腹時120 中性脂肪106 γーGTP35までになり体重も8キロ落としました。
現在は、空腹時85-110位まで落ち着いてきてます。そこで質問ですが、私のすい臓のインスリンはもしくは、インスリン抵抗性は、少しづつでも復活してきているんでしょうか?弱っていた細胞が元気よくなったら、以前の半分でいいので、炭水化物も食したいんですが?勿論、数年後とかの長い期間を考慮してですけど。

お忙しいところ、素人の質問でもうしわけございません。
2010/04/24(Sat) 12:50 | URL | suguru | 【編集
尿蛋白定性について
先日はご丁寧に摂取カロリーについてご指導頂きありがとうございました。
本日1ヶ月ぶりの検査に行ってまいりましてA1cが5.7まで下がっておりました!
本当にありがとうございました。
ただ担当の先生からご指摘がありまして、尿検査の結果
尿蛋白定性が+-
尿中ケトン体2+
尿潜血反応2+
という結果で、担当の先生から糖質制限は血糖値のコントロールはとてもよいが、腎臓へは負担になるから尿蛋白定性が+-の場合は低蛋白の食事へしたほうがよいと言われてしまいました。
(通常は-だそうです)
なお、クレアチニンは0.67、過去3回の検査では大体同じ値で、尿素窒素は過去2回は15.3と13.7で今回は23.9でした。
なお、尿検査は前回の尿蛋白定性も+-
尿潜血反応は前回は+ーでした。
血液検査での他の数値はすべて正常でした。

せっかく出会うことが出来た糖質制限を続けていきたいです....
続けていってもよいものでしょうか?
アドバイス頂ければと思います。

よろしくお願い致します。
2010/04/24(Sat) 15:20 | URL | けい | 【編集
グリコーゲンについて
いつもブログを読み、勉強させていただいています。
私は、ローカーボの生活を送っているのですが、貧血気味であり、年末から週4~毎日レバーを食べています(鶏、豚)。
最近、2キロほど太りまして、レバーの事を調べたらグリコーゲンとビタミンAが多く含まれていて、グリコーゲンは糖類だと知りました。
他にも貝類やエビにグリコーゲンが多く含まれ、保水性も高いと…。
ローカーボ生活には、レバー(その他内臓類含む)は不向きな食材なのでしょうか?
また、玉子も私には要注意食材なのですが、これは何故なのか、まだ調べ切れていません。
お手数をおかけしますが、グリコーゲンに関する事と合わせて教えていただけないでしょうか。
2010/04/24(Sat) 21:53 | URL | kamille | 【編集
高インスリン血漿の値
検診で、予備群という事もありブドウ糖負荷試験をしてきました。
結果
空腹時:血糖95、インスリン値:11

1時間値:血糖110 、インスリン値103

2時間:血糖110、インスリン値60

でした。検査を受けた医院の先生は「これなら心配いらない。」とおしゃっていましたがインスリン値が高い様に思います。

どこを探してもインスリン値の「正常値」が見つからないのですがこれは「高インスリン血症」という状態の様に思います。

インスリン値については数値で高い低いは言えないのでしょうか?

高インスリン血症とは、どの位の事をいうのでしょうか?

インスリン値について教えて下さい。

よろしくお願いします。
2011/01/15(Sat) 19:09 | URL | 金蔵 | 【編集
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