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1,5-AGと糖質制限食2010
おはようございます。

今回は、TGさんから1,5-AGに関するコメントをいただきました。

「10/04/14 TG
1,5-AG
ご無沙汰しております。いつもブログ記事を興味深く拝見しております。

1,5-AGについては、以前の記事(2008年04月14など)で糖質制限食ではデンプンを摂らないために低値になると書かれていらっしゃいましたが如何でしょうか?この場合、糖質制限下では1,5-AGはあまり指標として役に立たないように思えます。」


TGさん。
コメントありがとうございます。

自分でブログ記事を書いて、すっかり忘れていました。助かりました。

ご指摘通り、糖質制限食実践中は、デンプンを摂取しないので、食物に含まれる1,5-AGがごく少量となります。

そのため、食後血糖値がコントロール良好で、尿中に1,5-AGが排泄されなくても、血中の1,5-AGは低値となります。
従って、糖質制限食実践中に1,5-AGを測定する意味はありません。

一方、糖質(デンプン)を摂取している人は、食物中に1,5-AGが含まれているので、正常より血中1,5-AGが低値なら、尿中にたくさん排泄されていることになります。すなわち、食後高血糖の証拠となります。


<2008年4月23日の江部康二の血液検査>
1.5AG:5.8μg/ml(12~43) 
食後4時間血糖値:115mg/dl
HbA1c:5.3%
ケトン体:498μM/L(26~122)
尿酸:2.9(3.4~7.0)
TC:229
TG:73
HDL-C:104.6
LDL-C:109
BUN:21.4(8~20)
クレアチニン:0.62(0.6~1.1)

1.5AG、ケトン体、BUNが基準値を外れていますが、いずれもスーパー糖質制限食実践中であれば生理的なものです。


江部康二


☆☆☆
糖質制限食と1.5AG
2008年04月14日 (月)
こんばんは。

天気予報どおり、雨は朝にはあがってました。先週の月曜日、診療終了後、高雄病院京都駅前診療所で傘を借りて帰ったのですが、本日無事届けました。傘はたいていどこかに忘れてしまうのですが、借りた傘をなくしたらさすがに洒落になりませんものね。 (*_*)

さて今回は、いのうえさんから、コメント・質問です。

『1.5AG低値の意味
私は軽度の2型糖尿病で、先生のスーパー糖質制限食を実行したおかげでこの2年間、空腹時血糖値はほぼ90~110(高くても120以下)、Hba1cは4.7~5.2です。ところが先日1.5AGを検査して、10.8と低値でした。尿糖が出るような高血糖を起こしていると言われましたが、自己血糖測定器で空腹時、食前、食中、食後他含めて、この2~3日1時間おきに測定(睡眠時の6時間は計測不可)した結果、すべて120以下でした。これは高血糖の為でなく、スーパー糖質制限食の為、糖分が低く、一種の飢餓状態が原因ではないかと思いますが、先生のご教示をお願い致します。

2008/04/12(土) 13:11:05 | URL | いのうえ』

いのうえさん。スーパー 糖質制限食で
「この2年間、空腹時血糖値はほぼ90~110(高くても120以下)、Hba1cは4.7~5.2」とても上手に実践されているのですね。
ほぼ正常人のデータですね。おめでとうございます。(^_^)

1,5-AGは、ブドウ糖についで多い単糖で、広く生物界に存在します。食物から経口的に摂取され、腎臓でほとんど再吸収され、ごく一部が尿中に排泄されます。

栄養素としての働きはほとんどないようですが、ブドウ糖と同じように血液中にいつも一定量存在しています。また体内の各臓器に広く分布しプールされています。食事からの供給量に比べて体内蓄積量が大きいので、通常は食事の前後で血中濃度の差はありません。

血中1,5-AGはフルクトサミンやHbA1cより速やかに短期の血糖コントロール状況をしることができます。

高血糖があり尿中にブドウ糖が排泄されるようになると、1,5-AGも尿中に排泄されるようになり、結果として血中の1,5-AGが低下します。

これはブドウ糖と1,5-AGとは構造が似ているため、腎の尿細管での1,5-AG再吸収がブドウ糖により競合阻害されるためです。

即ち、基本的には「尿糖が陽性であるから、血中1,5-AGが低下する」という公式が成り立ちます。例えば高血糖がなくても尿糖が陽性になる腎性糖尿でも1,5-AGが低下します。

例外として、飢餓があります。高血糖もなく尿糖もなくても食事から摂取される1,5-AGが枯渇したために、血中の1,5-AGが低下するのでしょう。妊娠、慢性腎不全、重症肝硬変でも低下します。また、アカルボース(グルコバイ)内服中の人も低値を示します。


「食前、食中、食後他含めて、この2~3日1時間おきに測定(睡眠時の6時間は計測不可)した結果、すべて120以下でした。」すなわち、いのうえさんの場合、高血糖のための尿糖陽性はありえないですね。腎性糖尿でなければ、当然尿糖も陰性ですよね。
また薬も飲んでおられないと思います。

1,5-AGはいろんな食材に含まれているそうなのですが、どのような食材に多く含まれているのか調べてもはっきりわかりませんでした。

しかし、植物体のなかでデンプンから1,5-AGが生合成されるとの文献がありましたので、どうやらデンプンの多い食材に1,5-AGが多く含まれいるようです。

そうすると 糖質制限食をある程度長期間実践していたら1,5-AGを多く含む食材の摂取が減るので、血中1,5-AGが生理的に低下しても不思議ではありませんね。この場合生理的な低下なのでまったく問題はありません。

保険診療では1,5-AGはHbAlc、グリコアルブミンと同じ扱いを受け、いずれか1つの項目を月1回に限ってしか認められていません。

高雄病院ではHbAlcを調べているので、血中1,5-AGは調べませんのでデータがありません。興味がありますので一度私自身で調べてみます。

江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
保険適応について
江部先生

説明が足りなくてすみませんでした。
今後気をつけます。

HbA1c、GA、1,5-AGの保険適応の変更についてですが、

『1型糖尿病、もしくは経口血糖降下薬を変更して6か月以内の患者さん に限り、月に2回まで算定可能になった』

と記載するべきでした。
本当に申し訳ありません。

以下ケアネットの森 豊 先生の解説です。
http://www.carenet.com/diabetes/drmy/contents001/01.html

勿論、糖質制限中の患者さんにはあてはまりませんが・・・


内科大学院生
2010/04/14(Wed) 12:37 | URL | 内科大学院生 | 【編集
Re: 保険適応について
内科大学院生さん

了解です。
情報、ありがとうございます。
2010/04/14(Wed) 12:58 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: 質問
t.yさん。

空腹時血糖値が100mgと改善しているので問題ないと思います。
5.1-5.3%くらいの変動はありますので・・・
2010/09/09(Thu) 20:30 | URL | ドクター江部 | 【編集
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