FC2ブログ
「さつまいもダイエット」と血糖値
こんにちは。

今回は、内科大学院生さんから「さつまいもダイエット」について、コメント・質問をいただきました。

「10/04/12 内科大学院生
さつまいもダイエットについて
江部先生

おはようございます。
また1週間の始まりですね。

さて本日はさつまいもダイエットについて質問です。御覧になったかもしれませんが、4月6日にビュー〇ィーコロシアムというダイエット番組で『さつまいもダイエット』が放送されました。

番組の内容を簡単にまとめると以下の通りです。


『さつまいもには、クロロゲン酸というものがあり抗酸化作用で糖分の吸収をブロックす!
そして、ヤラピンという物質も便通を良くし、腸内環境を整えるので身体の代謝をアップするのでダイエット効果抜群!』

この番組の影響は絶大で、患者さんから
『さつまいもダイエットをして良いか?』
という質問をたくさん受けます。

確かにメンドーさんのGIホームページでは

Potato, boiled 78±4
Sweet potato, boiled 63±

じゃがいもよりは、GI値が低いですが、
江部先生のお話では、糖尿人にはGI値より糖質含有量が大切だという話を聞きました。

さつまいもは100g中、糖質が29.2g(江部先生の著書より引用)とかなり糖質の多い食品だと思います。

バナナダイエット(朝にバナナだけなら何本食べても良い)と同じで、グルコーススパイクを生み出し、糖尿病の悪化につながるのではと心配しているのですが、先生はどのようにお考えでしょうか?

内科大学院生」



内科大学院生さん。
コメント・情報ありがとうございます。
この番組知りませんでした。

またリンさんへのコメントもありがとうございます。
助かります。


ダイエット番組で『さつまいもダイエット』が放送されたのなら、反響は結構大きいでしょうね。
私も患者さんに質問されそうです。

クロロゲン酸は、コーヒーにも含まれていて、活性酸素に対する抗酸化作用があるとされる、ポリフェノールの一種ですが、血糖値を抑制するという研究報告もあるようです。

しかし、血糖値を下げる可能性があるにしても、せいぜい「特定保健用食品」レベル以下でしょう。

糖尿人がデンプンを普通に一人前食べて、一生懸命コーヒーを飲んでも、血糖値が期待通り下がる可能性はゼロです。

まあ、糖尿人がサツマイモを、1人前摂取すれば、クロロゲン酸が含まれていようといまいと関係なく、食後血糖値が200mg/dlを超えることはまちがいありません。

アメリカ糖尿病協会の糖尿病教室のテキストブックである

「Life with Diabetes 2004」

によれば、デンプンはさつま芋でもジャガイモでも麦でも米でもトウモロコシでも、全て同一の範疇に分類されていて、血糖値に与える影響は大きくて速いと明示されています。

確かに、正常人においてはメンドーサおじさんのGIホームページにある

potato, boiled 78±4
Sweet potato, boiled 63±

が意味があると思います。

すなわち、正常人では、サツマイモの方がジャガイモより血糖値を上昇させにくいと思います。

しかし、体重64kgの糖尿人においては(デンプンの)糖質1gは約3mg血糖値を上昇させるという事実の方が重要です。

糖尿人が、デンプンが主体の食物を1人前食べれば、血糖値は必ずや200アップです。

結論です。

糖尿人がサツマイモダイエットなど行えば、内科大学院生さんがご指摘の如く食後高血糖グルコーススパイク)をひきおこし、危険極まりないですね。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
江部先生

丁寧なコメントをいただき、ありがとうございます。

今日の外来でも一人さつまいもダイエットについて質問されたので、グルコーススパイクについて話をして、さつまいもダイエットはやらないように説明しました。

江部先生も同じご見解ですごく安心しました。これからは先生のように血糖値の上昇などを具体例をあげて、説明するようにしますね。

先生の解説はどんな本よりも参考になります。

しかしメディアの影響は凄いですね。
同じ番組で紹介された黒豆ダイエットも相当流行っているようです。

まあ、黒豆や大豆ダイエットに関しては糖尿人でも問題ないと思います。もちろん蛋白質が多いので、1型糖尿病患者が食べ過ぎると血糖値は多少上がると思いますが・・・

ACCORD試験、ADVANCE試験、VADT試験の結果では、HbA1cのみを指標にしていた為、強化療法群と標準療法で心血管イベントの発症率に差が出ませんでしたね。
この結果からグルコーススパイクがより重要だということが証明されたと思います。

そのためには糖質制限が必須です。

是非これからも糖質制限を広めていってくださいね。私も微力ながら応援させていただきます。

内科大学院生
2010/04/12(Mon) 21:01 | URL | 内科大学院生 | 【編集
HA1cよりは
GAすなわちグルコアルブミンの方がより、食後血糖値の値を反映することが出来るみたいです。今後は、GA値に指標がシフトしていくことでしょう。
2010/04/13(Tue) 12:57 | URL | 哲学者 | 【編集
哲学者 さん

太字の文GAも2-3週間の血糖値の平均ですので、食後高血糖はあまり反映しません。

食後高血糖は1,5-AGが有効です。太字の文

保険適応の変更で、1ヶ月にHbA1c、GA、1,5-AGを2回まで測定することができるようになりましたので、1.5-AGの有用性を皆さんに知ってもらえればと思います。

1,5-AGは14以上を目指したいところです。

内科大学院生
2010/04/13(Tue) 14:22 | URL | 内科大学院生 | 【編集
Re: タイトルなし
内科大学院生さん。

「保険適応の変更で、1ヶ月にHbA1c、GA、1,5-AGを2回まで測定することができるようになりました。」

2010年4月1日以降も

HbA1c、GA、1,5-AGの3項目中、1ヶ月内には1項目のみの算定と思いますが・・・

ご指摘通り、HbA1cが正常でも、1,5-AGが低値なら、食後高血糖がある可能性が高いです。

1,5-AGが保険点数が80点(800円)、
HbA1cが50点(500円)です。

1,5-AGを保険で検査して、HbA1cを私費なら安くつきますね。


2010/04/13(Tue) 16:39 | URL | ドクター江部 | 【編集
1,5-AG とは何の値でしょうか?
頭の悪い「らこ」です。江部先生の本は先日のダイエット本を含め、レシピー本以外は全部購入して読んだのですが、

●「1,5-AG」って何ですか?

状態です ><
 こんなバカな私に判るように、お手透きの時で結構ですから教えて下さい ><
2010/04/13(Tue) 22:10 | URL | らこ | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック