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肉食と動物性脂肪と糖質制限食
こんばんは。

今回は肉食と動物性脂肪と糖質制限食について、ふいさんからコメント・質問をいただきました。


【10/03/30 ふい
結局のところ、
方法論としてアトキンスと目立った違いはないということでしょうか?ノンカーボダイエットを提唱している崇高クリニックの荒木裕氏は、著書「肉食健康ダイエット」で、アトキンス式の大きな欠点は<動物性脂肪を摂取しても良い>としたことにあると書いています。これによって死亡例なども出てしまったと。ネットで色々見ていても、主食抜きをする場合は、動物性脂肪も最小限にしないと危険といった記述をよく見かけます。しかし、先生のブログを拝見してても、とくに「動物性脂肪を控える」といった内容は見かけません。どのようにお考えか、ご指導をいただければ幸いに存じます。
ちなみに、荒木氏の本では、魚の油はOK、バターもOKのようです。魚の油は江部先生も勧められているので分かるのですが、バターは動物性脂肪ではないんですかね??チーズはどうなんでしょう??
だらだらと書いてしまい、すみません。】



ふいさん。コメントありがとうございます。

まずアトキンスダイエットとの差ですが、基本原理は一緒です。一方、サプリメントの評価とか、細部には差があります。

アトキンスとの差については、2010年02月09日 (火)のブログ

「糖質制限食とアトキンス式ダイエット(低インスリンダイエット)」

をご参照いただけば、幸いです。

なお、アトキンスご本人は、冬に道路で滑って転倒して亡くなっておられるようですが、誰かがアトキンスダイエットで死亡したという報告を、私は知りません。

さて次いで、動物性脂肪や動物性タンパクですね。

① 赤肉(牛・豚・羊)
世界ガン研究基金の2007年の報告
World cancer reserch fund
http://www.wcrf-uk.org/preventing_cancer/recommendations.php
世界ガン研究基金の食生活指針の中で

「動物性食品 赤肉(牛・豚・羊)を制限し、加工肉(ハム、ベーコン、サラミ、燻製肉、熟成肉、塩蔵肉)は避ける。赤肉より、鶏肉や魚が推奨される。赤肉は週500g以下に。」

と記載されています。これは、ひとつの目安でしょうか。

「赤肉(牛・豚・羊)の摂取量を、週500g以下」というのは、日本人にとってはそんなに高いハードルではないですね。

ちり鍋、寄せ鍋、水炊き、湯豆腐、ちゃんこ鍋、かき鍋、石狩鍋・・・、野菜炒め、煮魚、焼き魚、おでん、ラカントSを使って麻婆豆腐、鶏肉料理・・・、週1回は、150gの牛ステーキを食べて・・・。

結構豪華な食生活でも、赤肉500g/週以下で目標達成ですね。でも、赤肉500g/週以下というのは、米国人には超厳しい目標ですね。

まあ、世界ガン研究基金には逆らうようですが、私個人の意見としては、赤肉をもう少し摂取してもいいような気がします。

②脂肪摂取量

柴田博著「ここがおかしい日本人の栄養の常識」(技術評論社)2007年 を参考にさせていただいて、
脂質摂取量80~100g/日くらいまではOKと思います。

そして脂肪摂取が40g以下とか少なすぎるよりは、100gを超えたとしても平均寿命に関しては、はるかにましのようです。

なお日本人の動物性脂肪供給量は、2003年の統計では米国の71.5gに対してわずか34.5gです。この国連食料農業機関の統計は供給量ですから、摂取量はもっと少ないです。

脂肪摂取量に関しては、

2010年01月28日 (木)のブログ「脂肪摂取量が多いほど寿命が延びる」
2010年02月12日 (金)のブログ「糖質制限食と脂質の摂取量・続き」
2010年02月15日 (月)のブログ「糖質制限食と脂質の摂取量・続き・お詫びと訂正」

をご参照下さい。

③コレステロール低下医療と脂質栄養の方向転換(プレスセミナー)
2009年10月20日(火)東京
主 催:金城学院大学「脂質栄養」オープン・リサーチ・センター、日本脂質栄養学会
後 援:日本薬学会
「コレステロール仮説の崩壊と動物性油脂の復権」 奥山治美(*)
コレステロール低下医療の方向転換が進み始めた。リノール酸摂りすぎが多くの病気を増やしており、また数種の植物油脂は実験動物に有害作用を示す。これに対し動物性脂肪は安全性が高い。健康に良い油脂の選び方は、完全に方向転換しなければならない。

日本脂質栄養学会の奥山先生は「リノール酸の摂りすぎが良くなくて、動物性脂肪は安全性が高い」と明言しておられます。植物性油脂の主成分がリノール酸です。

④<米国医師会雑誌2006年2月8日号>
米国の大規模介入試験において脂質熱量比率20%で強力に指導したグループは、対照群に比較して意外なことに心血管疾患、乳がん、大腸がんリスクを下げないことが米国医師会雑誌2006年2月8日号で報告されました。
総コレステロール値に関しても、両群に優位な差はありませんでした。

この研究は、5万人弱の閉経女性を対象に対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した大がかりなもので、所謂EBM(科学的根拠に基づいた医療)的にはトップランクに位置する権威あるものです。
権威ある研究により、従来の常識(脂肪悪玉説)が根底から覆ったわけです。

①②③④
を合わせて考えてみると、少なくとも、大食漢ではない、通常の日本人が糖質制限食を実践するとき、結構お腹いっぱい食べても、動物性脂肪や動物性タンパク(赤肉)が過剰になる心配は少ないといえますね。 (^_^)

なお高雄病院方式の糖質制限食では、バターやチーズは0K食品です。


*)奥山 治美
薬学博士 東京大学薬学部卒。東京大学大学院薬学研究科修了。東京大学助手、名古屋市立大学助教授、教授を歴任。現在金城学院大学特任教授、「脂質栄養」オープンリサーチセンター・センター長。日本脂質栄養学会初代会長。名古屋市立大学名誉教授。脳機能、生活習慣病に及ぼす脂質栄養の影響を広く研究し、新方向へ転換を推進中。油の正しい選び方・摂り方、農文協、2008年

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
お久しぶりです。

こつこつと糖質制限を続けてはいるものの、リバウンドした分に関してはなかなか戻らず苦戦しています。(先生にカロリー制限をしないと落ちないと言われ気にはしていますが・・・)

つい最近、寿命が延びる・・・という番組で、黒豆ダイエットというのが放送されたの御存知ですか? 自分なりに考えたところ、たんぱく質ダイエットということで、糖質制限に近い考え方なんだろうなぁと思いました。
そこで、気になったのが糖質なんですが、糖質制限ドットコムで蒸し大豆、蒸し黒大豆が売られていて、やっぱり食べてもいいんだとは思いましたが、黒豆ダイエットのように、茶碗1杯黒豆を食べたら、糖質がかなり多くなり、糖質制限では食べたらタブーになってくるんじゃないかと、思い先生はこのダイエットをどう思われるか、お聞きしてみたくて。

カロリー制限するのに、大豆や黒豆が使えれば、おなかは膨れて、肉とかだけよりは抑えらるんじゃないかと思っています。

お忙しいのにダラダラとすみません。先生のお考えを聞かせてください。

P.S,4月5日に発売の本早速、予約しました。
届くのが待ち遠しいです。
2010/04/03(Sat) 17:13 | URL | みかん | 【編集
ハワイアンの遺伝子を持つ肥満女性の解決方法
江部先生、はじめまして。もしかしたら自分も血糖値が高めかもと感じていた者です。1ヶ月前に、とあるサイトで、アイスクリームが二度と口にできなくなる話があると書いてあって、その方は理由を教えてくれませんでしたので、インターネットで検索していると、江部先生のブログが目に留まり、読み進めるうちに引き込まれていきました。
3年ほど前、妊娠中に高血糖を疑われて負荷検査を受けましたが、その時は大丈夫だった経験があります。数値はまったく知らされませんでした。もしかするとグレーラインだったのかもしれません。あれから3年、自分の血糖値を調べたことはありませんが、炭水化物好きと、アイスティーに砂糖をたっぷり入れたりと好き放題の食生活をおくっているので、血糖値が悪化しているかもという不安がありました。さらに5年前から、高血圧でもあり、BMI値も25ありました。
すべての悩みを解決できるかもしれないと、その日のうちに、スーパー糖質制限食を開始しました。翌日には、アマゾンで先生の著書「実践編」「春のレシピ」「夏のレシピ」やラカントS、カロリーゼロ飴、大豆クッキー、エリスリトール、大豆粉、おから、血糖値計測器やランセット(針)とストライプ(検査用紙)等々を買いまくって、今では、手作りのおからケーキに生クリームをたっぷり添えていただいたり、チキンや豚肉や刺身で赤ワインや焼酎を楽しんでいます。それでも、体重は減少中です。現在開始時より5キロ減です。BMI値が24になりました。もう少し減らしたいです。できれば学生時代の体重まで戻したいです。食後血糖値もいつも良好です。(糖質制限食なので当然なのですが。)大好きな、生クリームやバターが使えるということが私にストレスを与えません。
それにしても何故現代人はこんなにも甘みを欲するのでしょうか。昔のイヌイットさんたちや御先祖さまたちは甘いものをほとんど食べなかったのですよね。
エンゲル係数が多少上がりましたが、健康的だし、毎日がエキサイティングです。江部先生には本当に感謝します。これからも、ブログ読み続けます。私も糖質制限食を広げる輪に参加したいので、理解のある身内から始めています。将来、両親が糖尿病にならないように。先生のブログをメールに貼り付けて送ったり、血糖値計測器をプレゼントもしました(日本の1/6の安さです)。先生が東京で講演されるときには、ぜひ両親を参加させたいです。
先生にご質問したいのですが、私はビールの味が好きではないらしく、始めの一口で飽きてしまいますが、ノド越しの爽快感が好きでペリエを良く飲んでおりましたが、最近は安価な炭酸水を大量に購入し消費しています。ラベルを見るともちろん砂糖は入っていませんが、カーボネーテッドウォーターと、つまり炭化された水。炭水化物に関係あるのかしら。まさかとは思いますが、血糖は上げませんよね。念のため。
もうひとつ、主人の姪っ子・現在大学生で日本語勉強中の女の子のことなのですが。肥満しています。父親が日本人と母親がハワイアンです。母親も肥満体型です。ハワイアンは同じものを食べても太りやすいと聞きます。倹約遺伝子を持っているかもしれないのと、小さいころからの食生活にも問題があるかもしれません。本人も気にしており、いつもダイエットコークを飲んだり、野菜だけのサンドイッチを食べたりしています。この方法は私からすると正しくはないのですが、本人にとっては最善だと思っているようです。インスリンのコントロールが重要であることを彼女に教えたいのです。先生のブログの内容を私なりに英訳して渡そうか考えましたが、恥ずかしながら私の英語力はあまり高くなく、ましてや医学用語はさっぱりで、なんだかインチキくさいものが出来上がりそうです。また、自分の意見のように取られて、押し付けがましく感じられるかもという遠慮もあります。ちなみに彼女の日本語もあまり上達がないようです。バーンスタイン博士のダイアビテス ソリューション:コンプリート ガイド トゥ アチービング ノーマル ブラッド シュガースとアトキンス博士のニュー ダイエット レボリューションを彼女に読んで貰おうと、アマゾンで購入しましたが、両博士の著書で、糖質制限食を始めてくれるかどうか自信がありません。後は本人の問題なのかもしれませんが、フィアンセが日本の上場企業に就職が決まり、いずれは彼女も日本に住むことになるでしょう。まだまだ日本では肥満女性への視線は冷たいですし、実際日本ではかなり目立つ体型です。まだ若いのだし人生を楽しんでもらいたいのです。勿論、将来糖尿病にならないためにも。何か良い方法はあるでしょうか?他に江部先生の論説を支持するような、糖質制限食を試してみるきっかけとなりえる英文で書かれた本はありますでしょうか?
彼女以外にも親類でパーティーの時だけお会いする日系3世の方なのですが、糖尿病でインスリンを使用しています。食事の様子を見ていると甘いものがお好きなようで、食後のデザートも人より多く摂られています。その後おもむろに、血糖を調べて、人目も気にせずインスリンを太ももに注射しています。そのときは糖尿病だから可哀想にと思ってましたが、今では、わざわざ毒を取り、解毒剤を使用しているものだと思います。主治医は日本の医師ではないのに、糖質管理食を勧められないのかと不思議に思います。この方にも機会をみて糖質管理の重要さを説明してみたいです。
長々と書いてしまいすみません。炭酸水の件、英語で書かれた糖質制限食の本の件をどうぞ、教えてください。お願いいたします。
Re: ハワイアンの遺伝子を持つ肥満女性の解決方法
(パイナップルは食べない)ハワイのパイナップル さん。

本のご購入ありがとうございます。

「炭酸水 aerated [carbonated] water; soda (water)」

カーボネーテッドウォーターは炭酸のことのようです。
ゼロカロリーですね。

英語の本はバーンスタイン先生とアトキンス先生のものしかないようです。

姪御さん、肥満対策なら
2009年12月06日 (日) のブログ
体重減少効果:「糖質制限食」VS「高糖質低脂質食」

を英訳してあげたら如何でしょう。
2010/04/04(Sun) 18:51 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: ハワイアンの遺伝子を持つ肥満女性の解決方法
江部先生
  ブログをときどき拝見しております。糖質制限、もっと普及すればいいと思っております。
英語での文献ですが、先生があげられたものの他にもきがついたものがありましたので書き込みをさせていただきます。
糖質制限食については、wikipediaの記事が役に立つと思います。http://en.wikipedia.org/wiki/Low-carbohydrate_diet
ハーバード大学の栄養学のサイト
http://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/index.html
は糖質制限については慎重ですが、精白された炭水化物はなるべくとらないように、またインシュリンの分泌を押さえた方がよいことを力説しています。
Gary Taubesの「Good Calories, Bad Calories」は糖質制限に近い考えをここ50年間の栄養学の研究のレビューに基づいて提唱しています。グーグルブックスに概要があります。
http://books.google.com/books?id=ONZXAwAACAAJ&dq=Good+Calories,+Bad+Calories:++Challenging+the+Conventional+Wisdom+on+Diet,+Weight+Control,+and+Disease
2010/04/05(Mon) 16:53 | URL | Tova | 【編集
夫の高血圧と子供達のアトピー
はじめまして。
子供達のアトピー治療法を探していたら、あるブログの方から糖質制限食と江部先生のことを聞き、ブログを参考にさせていただいています。
先生のブログ内に、高血圧でも糖質制限食を進める記事がありましたが、それについて詳しく解説してある本もありますか?私は今まで肉の食べすぎは高血圧に良くないと思っていたので、糖質制限食の考えに本当にびっくりしています。
ですがあまり表立ってと効果がありますという記述を発見できずにいます。
糖質制限を知り色々考えてみると、私の貧血や低血糖の症状がある気もするし、子供達のアトピーにも絶対甘いものは良くないって思いますが、はたして主人は???疑問に思っています。低血圧の私とは正反対の人です。
普段の食事にはお刺身やお肉が好きで私と子供達のおかずより1、2品は多くたんぱく質を取っています。刺身やステーキ、豆腐なども好きなようです。
ちなみに血圧も160~180あることも普通で今でこそ降圧剤を飲んでいますが200越えてさすがにだるく病院に行き、治療が終わると仕事に戻ってしまいかかりつけの病院から「ご主人このままでは、倒れてしまうから仕事休ませて入院させなさい」と電話が来たこともあります。本人はいつもより少しだるいとだけと言いますが・・・。
主人の家族はみな高血圧で(みなさん肉好きで塩分好きですね)主人も若い時からそうです。ちなみに170cm67kg、40代後半です。
糖質制限食についてまだまだ不勉強なのにこのようなコメントをして良いのか迷いましたが、これから夏になるとなぜだか血圧や調子が悪くなることがある主人ですので、参考になる本などありましたらぜひ教えていただきたいのです。
手が空いた時でかまいません、よろしくお願いします。
2010/04/05(Mon) 17:29 | URL | えり | 【編集
Re: 夫の高血圧と子供達のアトピー
えり さん。

糖質制限食も何でも万能というわけではありません。
また、高血圧に焦点をあてた本もありません。

高血圧も肥満を伴うタイプには有効率が高いですが
やせ型にはそれほどでもありません。

ただ高血圧の患者さんが糖質制限食を実践すると良くないということはありません。
塩分は控えめがいいですね。

糖質制限食で代謝全てが改善し、毛細血管にいたるまで血流がよくなるので
多くの症状がよいほうに向く可能性が高いのです。
2010/04/05(Mon) 17:55 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございます
早速のお返事、ありがとうございます。
やはりそういった本は、ないのですね。
ただ、主人は炭水化物も大好きなので、もしかしたら効果があるかもしれません。それと軽肥満との診断もありましたし…。
対高血圧について色々試してみたのですが、お肉をたくさん食べれるなら長続きするのではないかと思ったのです。
まずは先生の本を購入してみたいと思います。
効果がありましたら報告しますね!
2010/04/06(Tue) 00:06 | URL | えり | 【編集
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