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糖尿病の海外文献と疑問
おはようございます。
今回はたいかーすさんから、
糖尿病の海外文献についてコメントいただきました。

「10/02/27 たいかーす
明後日の方向
強力な血糖コントロールは死亡リスクを高める(2010.2.25掲載)
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=2337&Itemid=54

重度の低血糖が2型糖尿病高齢患者の認知症リスクを上昇させる(2009.5.14掲載)
バランスの良い血糖管理は優れた糖尿病治療戦略だが、積極的に管理すると低血糖リスクが上昇し、そうでなければ高血糖になってしまう。このため、目標を達成することも監視することも難しい。
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=76&Itemid=34

血糖値構成要件の中核を成す糖質について
全く触れないのは、故意かそれとも重大な過失か。

糖尿人にとっての血糖コントロール=HbA1cのみ と考えているのか

いずれにしても、どこまで本気なのか甚だ疑問に思えます。」



たいかーすさん。
コメントありがとうございます。

一つ目は、2010年02月23日 (火)の本ブログの記事にした、英国の医学雑誌「ランセット」の報告ですね。

確かにこの研究報告では、

「強力な治療をして血糖コントロールするとかえって死亡率が上昇する」

という、パラドックスが生じています。

HbA1c7.5%の死亡率が一番低くて、それより高くても低くても死亡率上昇という、U字型カーブを描いたとのことです。

また二つ目の記事「積極的に管理すると低血糖を生じる。」

糖質を摂取しながら、血糖値正常になるよう薬物療法を強化すれば、現実として低血糖になりやすいです。

「血糖値構成要件の中核を成す糖質について全く触れないのは、故意かそれとも重大な過失か。」

同感です。故意、過失いずれにしても糖質無視は残念です。

一つ目に関しては、正確に表現すると糖質を摂取する限りは

「強力な治療をして血糖コントロールするとかえって死亡率が上昇する」

ということであり、糖質を摂取しなければこのパラドックスは生じないと考えられます。

二つ目に関しては、糖質制限食実践で血糖コントロールすれば、正常血糖値になる糖尿人も多いですが、薬物を使用していないので低血糖は生じません。

スーパー糖質制限食を実践している群の、HbA1cを測定して死亡率を検証してみたらいいのでしょうが、現実には臨床試験は困難ですね。


江部康二


★★★
以下にグーグルが貼り付けている3つの業者の宣伝は、本ブログとは一切関わりはありませんのでご注意ください。

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
初めまして
江部先生、初めましてジロリアンと申します。
先日の四谷講演会に出席させて頂きました。
先生のとてもユーモア溢れる、そして元気なトークのお陰で楽しく勉強する事が出来ました。
私の友人も出席したがっておりましたが、申し込みが遅くキャンセル待ち状態でしたが、結局参加できなくて残念がっておりました。
江部先生はじめ大柳さん、曽我部さん、手作りパンを頂きました石居さん(パン美味しかったです)、関係者の方々に感謝申し上げます。

さて、私は昨年12月の会社の健康診断にて、成人病の巣窟である事が判明致しました。

男 45歳
血圧 177-105
総コレステロール 349
HDL-C 50
LDL-C 266
空腹時血糖 129
尿糖 2+
尿酸 7.4
GPT 71
クレアチニン 0.91
163cm 68kg 腹囲86cm

上記の数値をたたき出しまして、糖尿病、高脂血症、肝機能障害、高尿酸血症、高血圧症、メタボリックと診断されました。
中でも糖尿病との診断には大変ショックで、必死に糖尿病の事をネットで検索し先生のブログに辿り着きました。こちらのブログと先生の出版されている本を全て購入し糖尿病の勉強をさせて頂きました。

治療に関しては、12月の診断直後より降圧剤を飲み、今年の1月3日よりスーパー糖質制限食を実施し、1月下旬よりコレステロールを下げる薬を飲んでます。

1月9日の検査では、
血圧 140-80
中性脂肪 84
総コレステロール 344
LDL-C 269
空腹時血糖 133
A1C 6.1
尿酸 7.7
尿素窒素 13.0
GPT 51
この日から地元のかかり付けの内科医師にお世話になっているのですが、この先生の診断だと糖尿病境界型だと言われました。数値的には糖尿型では?と思っていますが。
この日の結果で驚いたのは、中性脂肪とGPTが下がっていること。
開始してから日が浅いですが、これも糖質制限食のおかげなのかなと。

2月25日に再度検査しまして、
血圧 145-80
総コレステロール 219
LDL-C 152
空腹時血糖 127
A1C 5.6
尿酸 7.0
尿素窒素 22.8
クレアチニン 0.88
GPT 23
薬の効果もあってかコレステロール値が下がりました。嬉しかったのはA1Cが下がったことですが、空腹時血糖が依然高いのは基礎分泌量が少ないんでしょうか?尿酸、GPTも下がって良かったです。
ただ、尿素窒素が急に高値になっています。これも以前の先生の記事では大丈夫のような事が書かれておりましたので、安心して糖質制限食を続けていきます。

長々と書き込みいたしましてすみませんでした。
今後もこのブログ、講演会等で糖質制限食について勉強させて頂きますので、宜しくお願いいたします。
2010/03/03(Wed) 11:35 | URL | ジロリアン | 【編集
LDLコレステロールとグルコーススパイクについて
先生のブログを拝見させて頂いては気を引き締め直して、糖質制限を頑張っています。最近知人が手作りパン屋さんを始めたものですから、美味しいパンの誘惑に時々負けてしまう弱い私です。

質問なのですが、LDLコレステロールが高いのと、グルコーススパイクを頻繁に起こすのとではどちらが血管に対するリスクが高いのでしょうか

LDLを下げる薬を飲んでいればまず血管の動脈硬化は防げると、あるDrは言われます。

食後3時間後血糖値が97になったとき饅頭1個食べただけで1時間後は205になっていました。
グルコーススパイクですよね。
間食に糖質は絶対にダメな体ということを確信しました。
空腹時血糖はまだ何とか正常です。

2010/03/03(Wed) 22:43 | URL | よよ | 【編集
Re: 初めまして
ジロリアンさん。

講演会ご参加、本のご購入ありがとうございました。

「嬉しかったのはA1Cが下がったことですが、空腹時血糖が依然高いのは基礎分泌量が少ないんでしょうか?」

A1Cが改善して血糖コントロールが良くなった証拠ですね。
よかったです。
空腹時血糖値は基礎分泌がやや低下していると思われます。
糖質制限食継続で、膵臓が休養できたら回復することもあります。
あと一歩で境界型レベルに改善ですね。

「尿酸、GPTも下がって良かったです。
ただ、尿素窒素が急に高値になっています。」

脂肪肝がとれたのだと思います。
尿素窒素は、クレアチニンが正常なら心配いりません。
2010/03/03(Wed) 22:44 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: LDLコレステロールとグルコーススパイクについて
よよ さん。

家族制高コレステロール血症の人を除けば、
グルコーススパイクのほうがよくないです。

心筋梗塞患者の半数以上が、糖尿病か耐糖能異常です。
2010/03/03(Wed) 22:49 | URL | ドクター江部 | 【編集
教育入院
主人62歳が昨年6月に食後血糖値444で、一ヶ月間で、48キロが42キロにまで落ち痩せてしまいました。糖尿病と診断されました。
病院で1600カロリーの食事と朝食後アクトス 1錠 アマリール 1mgを2錠の処方でした。
最初の一ヶ月、規定通りの食事をしていたら、A1Cが9.5から11.0に跳ね上がりました。
私なりにインターネットで調べた結果 江部先生のブログに出会い、糖質制限を我流でしてみましたが、A1C9.6からさがらず、入院することになりました。

3月1日、入院した日の午後2時の血糖値は、278
二日目の午前11時の血糖値は、447
三日目も 440
で、インスリンを何単位か注射することになりました。

三食とも白米150gで、芋、牛乳ets…
病院では、1日1400カロリーなのに何故血糖値が、こんなに上がるのか!確かに入院のストレスもあるし、寝不足もあるかもしれませんが…
家に帰って来てから糖質制限食を実行してもいいですか??したら、絶対に低血糖になるような気がして不安です。
かと言って、カロリー制限では、主人は良くならないような気がします。
数値が悪いのは血糖値だけで、合併症も今の所ありません。
2010/03/03(Wed) 23:18 | URL | ひとみ | 【編集
Re: 教育入院
ひとみさん。

血糖値を上昇させるのは糖質だけで、蛋白質・脂質は上昇させません。
インスリンを注射している糖尿人が、いきなり糖質制限食を実践すると
低血糖になります。
近くの糖質制限食に理解のある医師とご相談下さい。
2010/03/04(Thu) 07:50 | URL | ドクター江部 | 【編集
正直者が何とやら
江部先生、私如きのコメントを記事返信頂き、ありがとうございます。

現在多くの2型DM患者は、真面目な患者ほど、
◎定量糖質摂取→(高血糖改善)薬物服用→低血糖発生→HbA1c値低下→◎定量糖質摂取→…
といった悪循環に陥り、本来甘受する理由のない低血糖リスク増大を余儀なくさせられています。
このような薬物2次被害をなくす=悪循環から抜け出す ために必要なことが、◎を見直すことであること、は瞬時にわかるはずだと思うのですが。

また、食後高血糖・低血糖こそが最重要リスクと判明したことからも、見直しは不可避だと思います。

しかし、見直しの動きが全くないのは、「特段の事情」が存在するから、としか思えません。


見直しが出来ないのなら、少なくとも、江部先生のブログ(2/23)解説を読むくらいのことは、実行してもらいたいです。
2010/03/04(Thu) 16:43 | URL | たいかーす | 【編集
Re: 正直者が何とやら
たいかーすさん。

全く同感です。
一方現場の糖尿病専門医の中にも糖質制限食に理解をしめす人が少数ですが出てきているのは救いです。
2010/03/04(Thu) 18:06 | URL | ドクター江部 | 【編集
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