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糖質制限食と野菜
こんにちは。

朝から雨が降り続いています。暖かくてコートを着ていると汗ばむほどです。

今日は祇園で同級生の集まりがあるので、雨の中これからでかけます。

さて今回は、野菜分の糖質について、Kotarohさんからコメント・質問をいただきました。

「10/02/26 Kotaroh
断糖食について
はじめまして、Kotarohと申します。

ここ数年、人間ドックで空腹時血糖値が高い(120-130)と言われておりましたが、昨年、6月の職場検診で尿糖+、その後の9月の人間ドックの再検査で空腹時血糖が151、HbA1cが6,7、10月の精密検査で食後2時間の血糖値が236、でした。かかりつけの医院で糖尿病型だと言われ、毎朝食前にボグリボースODフィルム0.2を服用するよう処方されました。

その後、ネットで先生の糖質制限食に出会い、ご本も読ませていただきて、10月下旬からスーパー糖質制限食を実行し始めました。我流では不安なため、1月28日に貴高雄病院の京都駅前診療所を受診、その際の検査では、随時血糖が106、HbA1cが5.2で、糖質制限食の効果に本当に驚きました。ちなみに、体重も、10月に83キログラムあったものが、現在71キログラムまで減少しています(身長は174センチです)。ほんとうにありがとうございました。

これから、定期的に京都駅前診療所に通院させていただき、健康管理に努めるつもりです。よろしくお願いいたします。

ところで、昨日、書店で、断糖食という本を見つけ、立ち読みしたのですが、そこには、野菜に含まれる糖質もよくないと書かれていました。

現在私は、先生ご指摘のように、イモ類やレンコンなどは避け、キャベツや、大根、白菜などを比較的多く摂っています。これらの野菜に含まれる糖質についても、あまりよくないのでしょうか。

それと、かかりつけの医院で処方されているボグリボースという薬を、毎朝食前に服用する必要があるのかどうか悩んでいます(なお、かかりつけ医は、かなり年配で、糖質制限食のことを話しても判ってもらえそうにないので、話していません)。」


Kotaroh さん。
コメント、本のご購入ありがとうございます。

「9月の人間ドックの再検査で空腹時血糖が151、HbA1cが6,7、10月の精密検査で食後2時間の血糖値が236」

「10月下旬からスーパー糖質制限食を実行し始めました。我流では不安なため、1月28日に貴高雄病院の京都駅前診療所を受診、その際の検査では、随時血糖が106、HbA1cが5.2」


3ヶ月の糖質制限食で、劇的な改善です。
良かったですね。ヾ(^▽^)

これだけ良くなっていれば、もうボグリボースは必要ないと思います。高雄病院京都駅前診療所の主治医とも相談されて、中止されてもいいと思いますよ。

ご質問の野菜ですが、高雄病院の糖質制限食は、人類400万年の進化の過程で摂取してきたものを基本としています。従って適切な野菜、適量のナッツ類や果物は許容できると思います。

ここら辺は、釜池先生の「糖質ゼロ食」や、荒木先生の「断糖食」と高雄病院の糖質制限食は、少しスタンスが違うと思います。

400万年の進化の過程で狩猟・採集を生業として突然変異を繰り返しながら、生理・栄養・代謝のシステムを人類は完成させてきました。

この間、主食は肉や魚介類や骨髄だったと思うのですが、野菜は食べていると思いますし、実りの秋には果物やナッツも食べていたと思います。

そう考えると、その程度の適量の野菜・果物・ナッツを処理することは、人体にとってそれほどの負担ではないと思います。

例えば葉野菜の白菜1枚が100gで、糖質含有量が1.9gで、低糖質食材です。 ただし白菜、半玉なら、1kgくらいあります。 大食タイプの人が、鍋で煮て半玉食べたら、糖質19gですね。野菜でも大食には要注意です。

スーパー糖質制限食を8年間実践している江部康二の血中ケトン体は800~1200μM/L(26~122)ですが、尿中ケトン体は陰性です。

スーパー糖質制限食開始後、3ヶ月~6ヶ月間は尿中ケトン体陽性で、その後陰性化します。ケトン体の体細胞での利用効率や腎臓の再吸収が高まったためと考えられます。 一般的な基準値は超えていますが、糖質制限食中なら生理的で正常値です。おそらく農耕以前の狩猟・採集だったころの正常値と考えられます。

一方、小児難治性てんかん治療で効果を上げている「ケトン食」は糖質ゼロレベルで、脂質80%の食事療法です。

こちらだと、おそらく血中ケトン体レベルは3000~4000くらいあると思われ、尿中ケトン体も2年後も常に陽性です。腎臓の再吸収レベルを超える血中濃度であるためと考えられます。

即ち、ここまで厳しい糖質ゼロは、人類の進化の過程でも経験したことがないため、さすがに全てのケトン体を再吸収するほどのシステムがないと思われます。

このように考察してくると、高雄病院方式のスーパー糖質制限食(脂質56%、タンパク質32%、脂質12%)くらいが、人類の生理・栄養・代謝に一番自然な割合のような気がします。

清く正しくより美味しく楽しく糖質制限食ですね。(^-^)v(^-^)v


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
糖質と運動の関係
野菜も煮ると確かに血糖に変動があると思っていました。とくにキャベツは生で食べるときと煮るときでわたしの場合は差が結構出ます。

先日こちらの主治医に質問したのですが、ドクターからはっきりした返事がもらえなかったのでひとつ教えていただきたいことがあります。


以前糖質(甘いケーキ)を取った際に食後30分しておよそ30分近くの散歩をしたところ2時間後血糖値が90代になっていました。



ところが、こちらのサブウェイ(メニューにどれだけ炭水化物が含まれているか書かれています)を頼んでそれがローカーボだとこちらの栄養士さんに説明を受けたので食べたのですがやはり気になって同じように30分以上歩いてみました。


結果は118と、それくらいでした。明らかに甘いケーキのほうがもっと血糖値があがったままなはずなのに、これは単なる機械の誤差と解釈すべきなのか。



ドクターには『糖質を食べたときの散歩だからテキメンに血糖を下げるだけ。そうでない場合(脂質やたんぱく質)はそれほど明らかに下がったりしないこともある。』と言われたのですが、そういうこともあるのでしょうか。


たとえば、糖質をいっさいとらないときの血糖値は散歩をしてもそれほど変動がないのに、糖質を取った際に運動すると明らかに糖質をとっていないときよりも血糖値が低く安定してることが多い気がします。


また妊娠糖尿病と診断されるまでは、食パンをものすごい量で食べていましたし、健康のためとにんじんとリンゴのジュースも毎日飲んでいました。明らかに糖質を取りすぎていたのですがA1Cはあと2週間先に検査です。(ちょうど指導を受けて2ヶ月目くらいにあたります)
診断されるその間にひょっとして200以上の血糖値をキープし続けていたのではないかと思うのですが、ドクターからは今のところ朝食前、そして3度の食事2時間後だけの測定で良いといまは言われています。



なかには、2時間後血糖値は120以下に落ち着いていても1時間後血糖値は180以上あるひともいる、と聞いたのでよけいに自分の1時間後血糖値はどれくらいなものだろうと疑問です。まだ、怖くて測った事はないですが。
いまのところ120以下でキープ出来ていますが、実は1時間後は180以上で血管を痛め続けている可能性はありますでしょうか。



妊娠糖尿病は一過性(のちにかかるリスクは高いとのことですが)なので、ドクターには心配しすぎないでと言われますがやはり出産後も心配です。
妊娠中のこの高血糖で血管を痛めつけているということも私はあるように思うのですが。国柄でしょう。なんでも「心配しないで大丈夫」と説明されるのでよけいに心配になることもあります。。。。。
教えて下さい。

2010/02/26(Fri) 19:50 | URL | ことこ | 【編集
こんばんは
私は2年前の健康診断で血糖値120 A1c8.5
糖尿病ですと言われました。
次の検査では
血糖値95 A1c7.1
ここ1年は
血糖値85~92
A1c5.8~6.4です
薬は服用していません
A1cの数値からして
血糖値の数値が低い様な気がするのですが
どうでしょう?
2010/02/26(Fri) 21:51 | URL | 留美子 | 【編集
クレアチニン値と糖質制限について
江部先生 こんにちは。

以前に腎症について質問させていただいたハニービーと申します。
昨年のセミナーに参加し、1年超糖質制限を続けており体調もいいです。

今回は、父のクレアチニン値のことでお伺いします。

私の父は、糖質制限を始めて12ヶ月程です(糖尿病歴10年位の60代)。

スタンダード糖質制限をしており、主食を摂る際は服薬しており、Hba1cは、4.9~5.3です。
糖質制限を始める前からクレアチニン値が1.0をほんの少し超えていたですが、2週間前の検査で急に数値が上がってしまいました(1.45)。
過去7回のクレアチニンの検査の結果です。
1.18⇒1.21⇒1.11⇒1.14⇒1.06⇒1.12⇒1.45(2週間前)
そのときのHbA1cは4.9でした。

糖質制限していて血糖値管理も良好だったにもかかわらず、クレアチニン値が上昇したということはどういった原因が考えられますか?
また、クレアチニン値が1.45となった場合、糖質制限は適用外でしょうか?

本人曰く、特別変わったことはしていない、糖質制限を続けたい とのことです。
なにかいい方法はありませんでしょうか?
(以前ご紹介くださった漢方((名前を失念))はどういったものでしょうか?)

お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
2010/02/26(Fri) 22:10 | URL | ハニービー | 【編集
「クレアチン・モノハイドレート」という筋力を向上させたり、
心臓や脳の血管を保護するというサプリメントを摂っていたとき、
クレアチニン値は3.25、翌月は5.0を超えましたけれど、
主治医に警告されて止めたら0.7に戻りました。

また体内のクレアチニン値を高めるクレアチンリン酸は、
ニシンなどの魚や牛肉などに多く含まれているため、
魚を日常的に食べているオーストラリアの漁民の血中クレアチンを調べると、
飽和状態にあるとか。
このように食べ物によってもクレアチン値の増減はあるのではないかと??

2010/02/26(Fri) 23:09 | URL | 通りすがり | 【編集
Re: タイトルなし
留美子 さん。

空腹時血糖は正常ですが
食後高血糖があると思います。
2010/02/27(Sat) 08:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
Re: クレアチニン値と糖質制限について
ハニービーさん。

通りすがりさんのご指摘のように、サプリや食品でもクレアチニンが上昇することがあるようです。
また筋肉トレーニングで筋肉量が多い人もクレアチニンが高めにでます。

クレアチニンの再検査と血清シスタチンC(腎臓外の因子の影響が少ない腎機能検査)を
してみてください。

再びクレアチニンが、1.4とかなら漢方薬が6~7割の人に有効です。
2010/02/27(Sat) 08:25 | URL | ドクター江部 | 【編集
ありがとうございました
江部先生、さっそくにご教示いただきありがとうございました。

3月に京都駅前診療所を予約しておりますから、その折にボグリボースの服用については、ご相談いたします。

野菜類の糖質については、要は、「過ぎたるは及ばざるが如し」で、何事も、やりすぎはダメだということですね。野菜類から適度な糖質を摂取することは、人体の理にかなっているということだと分かりました。

2010/02/27(Sat) 12:38 | URL | Kotaro Uemichi | 【編集
Re: 糖質と運動の関係
ことこさん。
前半の質問はわたしにもよくわかりません。

妊娠中は
HbA1c5.8%以下が目標です。

血糖値の目安としては、
妊娠中
食前血糖100mg/dL 未満、食後1時間糖値140mg/dL未満、食後2時間血糖120mg/dL 未満、
です。

これが達成されていれば、妊婦にも胎児にも安全です。
2010/03/01(Mon) 20:19 | URL | ドクター江部 | 【編集
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