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糖質制限食と1型糖尿病とインスリン
こんにちは。

糖質制限食1型糖尿病とインスリンについてあこさんから、コメント・質問をいただきました。

「10/02/22 あこ
タイトルなし
お忙しい日々をお過ごしのようですね。
講演にはなかなかお伺いできないのが残念ですが、いつも先生のブログに励まされ、糖質制限に精を出しています。

昨年5月に1型を発症し、約9ヶ月が経ちます。今回の検診でHbA1c、5.1まで下がりました。採血も次回から2ヶ月に1度で良いとのこと、1型には有り得ない回復ぶりに、主治医も喜んで下さいました。

そして勇気を出して、主治医に糖質制限の話を切り出したところ、意外にも賛同してもらい、詳しく知りたいとの事、来月の検診の時に、先生が出版されている本を持って行く約束をしました!
主治医は若い女性で糖尿病専門の先生なので、糖質制限がこれからの若い先生に受け入れられていく希望ができました。

私の方は、ハネムーン期はとうに終わり、ランタスが徐々に増え続けています。4単位から始まり、今は6単位ですが、ノボラピットはごく少量で4~6単位の間です。

ランタスはこのまま増え続ける一方なのでしょうか?糖質制限でHbA1cを良好に保つためにランタスが増えて行くのは仕方ない事なんでしょうか?

複雑な気持ちで終えた検診でした。

私の住む埼玉も毎日風が強くて寒いです。先生も風邪などひかず、お元気にお過ごし下さい。」



あこさん。
コメントありがとうございます。

「昨年5月に1型を発症し、約9ヶ月が経ちます。今回の検診でHbA1c、5.1まで下がりました。」

1型でコントロール優は素晴らしいですね。(^-^)v(^-^)v
上手に糖質制限食をされているのだと思います。

主治医の若い女性の先生、糖質制限食に賛同していただいたとは、嬉しい限りです。
本をもっていくついでに、以下の情報も是非知らせてあげてください。

☆☆☆糖質制限食・過去の学会発表
1)山門一平,江部康二,金大成,大櫛陽一:2型糖尿病における低炭水化物食の有用性とテーラーメード運動処方,第52回日本糖尿病学会年次学術集会.2009年

2)山田悟:主食抜き指導にて血糖コントロールが改善した一例,日本糖尿病学会関東甲信越地方会.2010年1月30日

☆☆☆糖質制限食・過去の医学雑誌掲載
1)江部康二他:糖尿病食事療法として糖質制限食を実施した3症例,
      京都医学会雑誌51(1):125-130、2004
2)坂東浩,中村巧:カーボカウントと糖質制限食, 治療,90(12):3105-3111,2008
3) 江部康二:主食を抜けば(糖質を制限すれば)糖尿病は良くなる!,
  治療,91(4):682-683,2009
4)中村巧,坂東浩:昨日の常識・食事療法ではカロリー制限すべきである
今日の常識・食事療法では糖質制限すべきである 治療,91(12):2858-2859,2009
5)江部康二:低糖質食(糖質制限食carbohydrate restriction)の意義,
  内科,105(1):100-103,2010


「私の方は、ハネムーン期はとうに終わり、ランタスが徐々に増え続けています。4単位から始まり、今は6単位ですが、ノボラピットはごく少量で4~6単位の間です。

ランタスはこのまま増え続ける一方なのでしょうか?糖質制限でHbA1cを良好に保つためにランタスが増えて行くのは仕方ない事なんでしょうか?」


ランタス、ノボラピッドともにもうそんなに増えることはないと思います。ランタス6単位も少量ですので心配要りません。

米国のバーンスタイン医師(バーンスタイン医師の糖尿病の解決の著者)は、ご自身が1型糖尿病です。小児期12才に1型糖尿病を発症され、以後インスリンを打ち続けておられます。

35才、糖尿病腎症の初期となった頃、SMBGで血糖自己測定をしながら食事療法を研究し、徹底した糖質制限食を開始。蛋白尿が出現する段階の顕性腎症前期から、糖質制限食で回復しタンパク尿消失。

45才で医学部に入学、49才で医師になり、糖尿病を徹底的に研究。以後、多数の糖尿病患者を診察。75才現在、糖尿病合併症もなく、現役医師としてお元気にお過ごしです。

バーンスタイン医師ご自身は、内因性インスリン分泌はゼロです。バーンスタイン医師によれば、1型の人でも1回の注射量は7単位までを目指すとしておられます。1回に3~5単位ですむ1型糖尿人もおられます。糖質制限食でそれは可能と考えられます。

1gの糖質が、体重64kgの1型糖尿人の血糖値を約5mg上昇させます。1gのタンパク質が体重64kgの1型糖尿人の血糖値を約0.93mg上昇させます。タンパク質は2型糖尿人の血糖値を上昇させませんが、1型は上昇させる可能性が高いです。

内因性インスリンゼロの体重64kgの1型糖尿人で、バーンスタイン医師によればノボラピッド1単位が約40mg血糖値を下げます。

これは個人差がありますので、あこさんにおいてノボラピッド1単位がどのていど、血糖値を下げるか計算してしっておけば、今後役に立つと思います。

<バーンスタイン医師の糖尿病の解決―正常血糖値を得るための完全ガイド>
(2009/12)太田 喜義訳 金芳堂

難しいところは飛ばして読んでもいいので
1型糖尿人には、一押しの本です。



江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ご丁寧に回答いただき、本当にありがとうございます!

私の場合は500ルールで計算していくと、ノボラピッド1単位につきおおよそ30下がる計算になります。

これからランタスもノボラピッドもそんなに増えて行かないと、凄い希望が持てました。ありがとうございます。

バーンスタイン医師の本も、きちんと読んでみて、さらなる改善を目指したいと思っています。

おいしく楽しく糖質制限、ですね。
料理のレパートリーも広がり、また主人の糖尿病予防のため(義父母は共に2型糖尿病)、台所で毎日奮闘しています(笑)

本当にありがとうございました!
2010/02/22(Mon) 19:42 | URL | あこ | 【編集
古事記の記述で気がついた友人の話。
江部 康二先生

 こんにちは。シープシペッタこと曽我部ゆかりです。
 実は、私の友人Yさんからいただいたコメントで実に興味深い記述があったのでご紹介しようと思い、こちらにコメントするこにしました。
 Yさんは、私と同じ助産院で私の4年後に出産した方ですが、当時は面識がありませんでした。赤ちゃんが生後5カ月になって、離乳食についての助産院の指導(お母さんは玄米菜食を中心に、赤ちゃんは1歳まで母乳だけでも良い)に疑問を持ち、色々インターネットで調べたところ、たまたまアトピー・ネットワーク・リボーンのホームページにアップしていた私の体験記をご覧になり、ご夫妻で野口整体の育児に興味を持たれ、ご連絡をいただきました。私の師であるT先生をご紹介し、以来整体を通じてのおつきあいしています。私も野口整体の補食(世間でいう離乳食)はまず動物性のものからあげていく、お米は最後でいい、というご指導に徹していましたが、彼女もしかり。しかも、当時は糖質制限食という知識を持っていなかったのに、旦那様が『古事記』を読んで、「日本人の食生活」の本来のありかたに気づいたということなのです。非常に勘のよいご夫婦で感激しました。以下がそのコメントです。こういう人たちもいらっしゃるのだなと思うとなんだか、非常にうれしい話ですので、ご紹介したくなりました。

<Yさんのコメント>~前略~野口整体の補食の進め方も動物質の食品については、なかなか頭で考えていると理解できない面もありますね。でも、ある時、夫が『古事記』を読んでいたのです(何を思ったのか?)。そうしたら、古事記の冒頭に、鹿肉の背脂(だったか?)の話題があったのです。それが地図に似ているとか、そんなような内容でした。そこに注意書きで、当時の日本人の食生活で、最も馴染のあったものが鹿肉だったと。あとは、木の実や果物など。それが日本人の食べていたものだったと。よく、日本人は米と野菜を食べていたから、それが体にあっているのだ、と言いますが、それは、歴史上ごくごく最近の習慣なのだ、と気づきました。農耕技術が広く日本全土に浸透した後、なのですから。これでわずかに私の頭に残っていた食養生系の考えが吹き飛びました。「なーんだ、食養生の考え方って、最もらしく聞こえるけれど、中学生レベルの国語(歴史?)を知っていれば、間違いだってすぐわかるんだ!」と。そうして、実際にT先生のご指導のとおりに、食べさせてみると、まぁ本当によく食べるし、目の輝きも太ももの弾力もまるで違うのです。見違えるかのように。とうとう全面的に整体の補食を軌道に乗せた10か月の時、こちらは何も言いませんでしたが、T先生が、お気づきになりました。「おや? 重いですね。いい重さですね。今までも悪いと感じていたわけではなかったのですが、今日は、全然、違います。すごくいいです。それに、とても落ち着いていますね。これが、(整体でいう)10か月らしい状態ですよ。とうとう、そうなりましたね。」と。本当に全てを見透かされているようで、私は、驚き感動しました。~略~またまた長くなってしまいましたが、世間からみれば、整体の発想は特殊なものに感じるようですが、これほど生きものの表面だけでなくその裡を見つめ、慈愛に満ちたまなざしは、私は他には知りません。理論や情報を好む現代女性には地道に見える内容もあるかもしれませんが、特別なこと、目新しいこと、理論的な見解、そういうところに命の法則があるのではないのだと気づくと、グッと楽になりますね。何も特別なことはしなくていいわけだし、何も読んだり勉強したりする必要もないのですものね。

 ということです。実際には、野口整体の補食を進めるにあたっては、本だけの知識ではむずかしい面もあるかと思います。世間に一般的に普及している離乳食の考えとはまったく違うからです。私たちは、T先生の指導があったからこそ、また整体を日々実践しているからこそ、できました。彼女も私も、赤ちゃんになにをあげたらいいか、あるいは食べない・食べ過ぎるなどで、悩んだことはまったくなく、それはいまも同じです。
 またコメントに、『太ももの弾力』という表現がありますが、整体では太ももの弾力を見て、栄養の充実を判断しますが、それは体重計に乗せて計った数値をグラフ化する平均値に照らしあわせて判断するものとはまったく異なっていますが、私たちにとってはもっとも信頼できるやりかたです。
 野口晴哉先生は、現在50~60歳代の息子さんたちが赤ちゃんの時に、自分のお子さんからまず整体の補食を試してみたそうですが、60年以上も前に、本来の日本人の食生活について確信があったのだな、と思われます。

2010/02/22(Mon) 20:32 | URL | ゆかりん。 | 【編集
整体(老人篇)
寝たきりになりかけた、あの「きん」さんを歩かせた整体師、久野信彦『労筋力 100歳になっても自力で歩きたい人の筋肉トレーニング』(祥伝社、1,300円)を読んだことがあります。近頃、母がちょっと「ロコモ」なもので。
2010/02/23(Tue) 01:06 | URL | 糖尿人の娘 | 【編集
整体(老人篇)、書名の訂正
正しくは、もちろん、『老筋力』です。書き間違って申し訳ありませんでした。
2010/02/23(Tue) 01:09 | URL | 糖尿人の娘 | 【編集
Ⅰ型十代発症の場合について
こんにちは。糖質制限食実践に励み、低血糖にちょっとだけ悩んでいる40代です。

今回の質問は自分のことではありません。
最近1型と診断された中学生のことで、よいアドバイスを頂けたらと思いまして、投稿しました。
食べ盛りの年頃ですので、糖質制限がよいと分かっていても、なかなか実践するには困難を極めると思います。カーボカウントで対処するしかないようにも思えます。

先生の病院では、若い世代の方たちへはどのような対処法を行っておられるのでしょうか?
実際問題、小・中学生の場合はできない相談かなと考えます。何かアドバイスを頂けたら幸いです。

2010/02/23(Tue) 10:48 | URL | まっつん | 【編集
Re: Ⅰ型十代発症の場合について
まっつん 様

小児の1型糖尿病は、仰有る通りカーボカウントがよいと思います。
カーボカウントしてインスリンの量を決めれば、
血糖値の乱高下がなくなり、低血糖も高血糖も起こしにくくなります。
2010/02/23(Tue) 11:29 | URL | ドクター江部 | 【編集
お返事ありがとうございました。納得です。
私は低糖質食で頑張ります。
上杉鷹山の名言:なせば成る なさねば成らぬ何事も ならぬは人のなさぬなりけり を肝に銘じ、自分を励ましています。
かのJFKの大好きな日本人だと最近知り、うれしくなりました。
2010/02/24(Wed) 10:18 | URL | まっつん | 【編集
1型糖尿
江部先生初めまして。
先生の本に出会い、またブログも拝見しています。少しお聞きしたいことがありメールしました。

44才の主人が1型糖尿病です。病気になってもう10年近くになると思います。朝晩のインスリンを打っています。

私と昨年結婚し、それまでは高血糖でした。独身男性ということで「炭水化物でおなかいっぱいにする」という食生活だったため、病院の先生からは頻繁に「これでは入院しないと」と言われていたようなのですが、私と結婚し野菜を多く摂るようになり、また先生の本を参考にご飯はお茶碗1杯まで(今のところ完全に抜くのは難しそうなので)おかずをいっぱい食べるようになってからは先生に「奥様は神様ですね(笑)」と言われるくらい数値も改善し、(正常値よりは高いのでしょうがそれでも入院は言われなくなった)なんとかほっとしています。

ところで、主人は夏になるとなぜか血糖値が上がり、また普段は自宅でパソコン相手の仕事ですが時々手伝いで外の過酷なイベント仕事をすると、過酷さに比例するように足がつり動けなくなってしまいます。
普段はブラックのアイスコーヒー(夏)を水代わりにのみ、外での仕事の時はインシュリンをきちんと打つのも難しいのでグラニュー糖を携帯し備えています。
ちなみに合わせてバセドー病もあるので汗を大量にかくととてもだるくなり辛いそうです。

夏の時期の高血糖の原因と対策、また手足がつる事に対してどう準備したらよいのでしょうか?
教えていただければ幸いです。
2010/08/08(Sun) 16:50 | URL | ゆきえ | 【編集
Re: 1型糖尿
ゆきえさん。

こむら返りに関しては、手っ取り早くは、カルシウム・マグネシウムの錠剤が安くてどこでも売ってますので
のんでみては如何でしょう。

ストレスやバセドーで血糖値上昇もあるので、主治医とよくご相談ください。
2010/08/09(Mon) 17:45 | URL | ドクター江部 | 【編集
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