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高糖質食と糖尿病
こんにちは。

高糖質食と糖尿病について、小少佐さんから、コメント・質問をいただきました。

【10/02/12 小少佐
高糖質食と糖尿病
こんにちは
常々疑問に思っていることをお尋ねします(というか確認したいのです)。
佐藤先生の支持説「糖尿病には高糖質食」についてですが
その主旨は
・高糖質食であるから膵臓の働きがよくなり、糖尿が改善される。
・糖質(炭水化物)の少ない食事では、膵臓のはたらきが悪くなり、糖尿へ向かってしまう。
この2点であると理解しています。
そこで、江部先生にお尋ね確認したいことは
1 これまで高雄病院の糖尿患者さんの中で「明らかに低糖質(炭水化物)食事が原因」であった糖尿患者さんが存在したか
2 同じく、糖尿患者さんの中で、「明らかに高糖質食事によって糖尿改善がみられた(≒HbA1cの改善)」糖尿患者さんは存在したか
3 現代(これまで)の医学において、糖尿患者の糖質代謝を抜本的に治癒する(完治する)術は存在するか

以上3点についてです。よろしくお願いします。】



小少佐 さん。

【1 これまで高雄病院の糖尿患者さんの中で「明らかに低糖質(炭水化物)食事が原因」であった糖尿患者さんが存在したか】

おられません。

【2 同じく、糖尿患者さんの中で、「明らかに高糖質食事によって糖尿改善がみられた(≒HbA1cの改善)」糖尿患者さんは存在したか 】

高雄病院が玄米魚菜食一押しだったころは糖尿病食も高糖質食(玄米魚菜食)でした。それで当時、運動、カロリー制限の高糖質食でHbA1cが改善する人はおられました。

しかし、食後高血糖は、高糖質食では決して防げません。このことは、糖尿病の入院患者さん400人以上で確認済みです。

高糖質食による糖尿病治療に関しては、

『どのような治療(食事療法、SU剤、インスリン・・・)を行っても、2型糖尿病は進行性の膵β細胞障害があり、不治の病である。』

という恐るべき結論が、UKPDSという英国の2型糖尿病における過去世界最大の大規模疫学研究で1998年に示されました。

この結論は、食後高血糖をコントロールしない限り、正しいと言えます。このことは、世界中の糖尿病専門医や内科医師において、周知の事実です。UKPDSの報告以降、いかに食後高血糖を防ぐかに、医学界は腐心しています。

そして、食後高血糖を生じるのは糖質だけで、タンパク質・脂質は血糖値を上昇させません。

【3 現代(これまで)の医学において、糖尿患者の糖質代謝を抜本的に治癒する(完治する)術は存在するか】

存在しません。一時期待された膵頭移植も、5年後の定着率は、かなり悪いです。

しかし、2型糖尿人でも一定のインスリン分泌能力が残っているなら、糖質制限食を実践する限りは正常人です。一方、糖質を摂取すれば食後高血糖を生じる糖尿人です。

例えば、2型糖尿人である、江部康二は炊いた玄米や胚芽米を普通に一人前150g食べれば、食後血糖値は軽く200mgを超えます。

しかし、糖質の極めて少ないステーキ200gなど糖質制限食なら、食後血糖値が140mgを超えることはなく正常人です。


江部康二

テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
失礼します。
一糖尿人としての感想を述べます。
【1】私もそのようなはなしは聞いたことがありません
【2】A1cの改善はそれまでの過食が適正量になったからではないでしょうか。
しかし、御指摘説の、高糖質食→代謝機能改善
からすると食後高血糖こそがよくならなけらばいけないはずですが。
【3】 もし、糖尿病完治治療法を確立させた人がいるならば、その人はノーベル賞を受賞するであろう、という事を以前聞いたことがあります。
インスリン発見者がノーベル賞を受賞してから相当の年月が経っていますが、それほど糖尿病完治は難問であり、現状では血糖コントロールで治療するしかないのですね。
2010/02/12(Fri) 19:46 | URL | ナンシ | 【編集
私も、父が糖尿病だったので子供のころからかなり危機感を持っていました。当時良くないと思っていた脂肪は徹底して避け、カロリーと脂肪の摂取量を抑えることばかりに必死になっていました。主食は玄米or全粒粉のパン、おやつは果物やふかしたさつまいも、玄米の小さなおにぎりなど。スポーツしていたのでアミノ酸補給と称してアミノ酸の入ったスポーツドリンク。今考えると恐ろしいです。
そんなヘルシー?な食生活で、妊娠してスポーツをやめたらすぐに妊娠糖尿病になってしまいました。
また同じく糖尿病であろ叔父は昔、バナナが大好きでいちどに何本も食べたそうです。

やっぱり糖質が良くないような気がします。
それと糖質制限すると筋肉が落ちると言う話をよく聞きますが、少なくとも自分の経験においてそれはありません。むしろたんぱく質の摂取量と総摂取カロリーと運動の内容に関係があると思います。
2010/02/12(Fri) 22:24 | URL | リュカ | 【編集
お礼
江部先生、丁寧な回答有難うございます。

高雄病院の諸例からは説を裏付けるデータが皆無ですが
そもそもその説は、糖尿病治療の前提として、存在しないもの(代謝機能完治法)を存在するとしているところから、既に過ちを犯していたといえます。

重ね重ね、丁寧な回答有難うございました。
2010/02/13(Sat) 07:49 | URL | 小少佐 | 【編集
Re: 感謝です!“ココロは糖質制限(汗)”で成果が!
ビバ赤ワインさん。

ご主人の場合、インスリン分泌能力はあるていど残っていて、インスリン抵抗性が主で
発症した欧米人タイプの糖尿病だったと思われます。

メルビンは肥満タイプの糖尿病には定評のあるよい薬ですが
ここまで改善すれば必要ないと思います。

2010/02/13(Sat) 08:01 | URL | 江部康二 | 【編集
メルビンの件、ありがとうございます。
こんなに早く教えていただけるなんて、本当にありがとうございました。止めてみたら?と言っても「先生に言われたし・・・」と律儀に飲もうとしているので今日帰宅しましたら“赤ワインの先生”のコメントを水戸黄門の印籠よろしく読ませます。ちなみに主治医は30過ぎのお若い女医さん。嫁の言うことを聞かないのはそのせいか!?^^;
2010/02/13(Sat) 13:40 | URL | ビバ赤ワイン | 【編集
疲労回復
確かに膵臓は、筋肉のように鍛えれば強くなる、という性質のものではないですね。
しかしながら、疲弊した膵臓をインスリン強化療法や糖質制限によって、疲労回復をはかるのは可能だと思います。
もっとも、疲労回復を完治と勘違いして、再度膵臓を疲弊させては元の木阿弥ですが。
2010/02/13(Sat) 13:42 | URL | にこ | 【編集
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