お医者さんの知らない糖質制限食基礎理論2009年12月・最新版
一般のお医者さんや栄養士さんが知らない<栄養・代謝・生理学>

糖質制限食基礎理論」の増補・改訂・最新版です。

以下は基本的に栄養・代謝・生理学的事実であり、議論の余地はありません。
知っているか知らないかの差だけです。

糖質制限食基礎理論】

<栄養・代謝>
血糖値を急峻に上昇させるのは、糖質だけである。
②タンパク質・脂質は血糖値を上昇させない。
③追加分泌インスリンが大量に必要なのは、糖質だけである。
④タンパク質を摂取すると、少量の追加分泌インスリンがでる。
⑤脂質を摂取しても、追加分泌インスリンは、分泌されない。
糖質制限食高血糖は改善するが、肝臓の糖新生などにより、低血糖にはならない。

<人体のエネルギー源Ⅰ:脂肪酸-ケトン体システム>
①脳はケトン体(脂肪酸の代謝産物)をいつでも利用できる。
②心筋・骨格筋など多くの体細胞は日常生活では脂肪酸-ケトン体が主エネルギー源であ り、人体を自動車に例えるならガソリンの代わりは脂質である。
③赤血球を除く全ての細胞はミトコンドリアを持っているので、脂肪酸-ケトン体エネル ギーシステムを利用できる。
糖質制限食実践中や絶食中の血中ケトン体上昇は、インスリン作用が保たれており生理的なもので病的ではない。農耕開始前の人類は、皆そうであった。

<人体のエネルギー源Ⅱ:ブドウ糖-グリコーゲンシステム>
①人体で唯一赤血球だけはミトコンドリアがないのでブドウ糖しか利用できない。
②日常生活でブドウ糖を主エネルギー源として利用しているのは赤血球・脳・網膜など。
③ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステムの本質は
 「常に赤血球の唯一のエネルギー源」
 「筋肉が収縮したときのエネルギー源」
 「血糖値が上昇しインスリンが追加分泌された時、筋肉・脂肪細胞のエネルギー源」
 「日常生活では脳・網膜・生殖腺胚上皮など特殊細胞の主エネルギー源」

血糖値確保(赤血球に絶対必要)のためのバックアップシステム>
①グルカゴン
②エピネフリン
③副腎皮質ステロイドホルモン
④アミノ酸からの糖新生
⑤グリセロール(中性脂肪の分解産物)からの糖新生
⑥乳酸から糖新生

血糖値を下げるシステム>
血糖値を下げるのは唯一インスリンのみでありバックアップシステムがない。
②農耕以前の399万年血糖値を下げる必要性はまれ。

<肥満改善と糖質制限食
糖質制限食実践中は常に脂肪が燃えている。
②糖質制限食実践中は追加分泌インスリン(肥満ホルモン)がほとんど出ない。
③糖質制限食実践中はケトン体が尿中や呼気中に排泄され、体重減少に効果。
④糖質制限食実践中は肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ、大量のエネルギーを消費。
⑤少なくとも同一カロリーなら、①②③④の4つの利点により
 糖質制限食が高糖質食に比し、体重減少効果がある。→カロリー神話の崩壊

*糖質制限食を3ヶ月~半年続けていると、体細胞のケトン体利用効率が高くなり、
 血中ケトン体が高値でも利用されるので尿中や呼気中に排泄されなくなる。
*糖質を摂取すれば血糖値が急峻に上昇し、インスリンが追加分泌され
 ①②③④の4つの利点は、即失われるので肥満しやすい。


<摂取エネルギーと消費エネルギー>
①単純には摂取エネルギーが消費エネルギーをを上回れば太る、下回れば痩せる。
②通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」
③糖質制限食なら
「消費エネルギー=基礎代謝+運動エネルギー+食事誘発熱産生」に加えて、
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費、尿・呼気中ケトン体でエネルギーを消失」が追加。


江部康二
テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
江部先生へ

昨日から風邪を引いたみたいで、鼻水と鼻づまり朝鼻をかむと黄色い鼻水がでます。また、喉も若干痛く多少の咳が出ます。熱は今のところありません。食欲もあります。
ただ、血糖値が空腹時で138mgを示したのですが、これはシックデイというものなのでしょうか?
市販の風邪薬を飲んでいるのですが、風邪が長引くような場合血糖値は上がり続けてしまうのでしょうか?また、糖質制限食を続けてよろしいのでしょうか?
他のサイトで調べると糖質を100mg~150mg以上摂るようにと書いてあるのですが江部先生の見解を教えて下さい。

それと、風邪とは関係ないのですが、日常生活で、水分をあまり摂らないと血糖値は上がるようなことはありますか?もしよろしければ1日の水分摂取量の目安などあれば教えて頂きたくお願い致します。
2009/12/29(Tue) 11:52 | URL | mk | 【編集
Re: パカラパカラ…かわいい

ベィビィ さん。

ヒストリエ5巻、早速読みました。とても面白い漫画ですね。
土佐焼酎、靴下もありがとうございます。
今夜飲みます。
2009/12/29(Tue) 17:23 | URL | 江部康二 | 【編集
Re: タイトルなし
mkさん。

シックデイの間は、血糖値が上昇します。
糖質制限食はいつも通り続けてよいです。

必須アミノ酸、必須脂肪酸はありますが、必須糖質はありません。
肝臓がブドウ糖をつくるので、特に糖質は摂取しなくても何の問題もありません。

水分は、体重にもよりますが、1~1.5リットルくらいが目安です。
2009/12/29(Tue) 17:32 | URL | 江部康二 | 【編集
Re: 糖質制限食基礎理論への賛同
GreenIsar さん。

ありがとうございます。
生化学が専門のDrに、糖質制限食理論に賛同していただき
とても勇気づけられます。
2009/12/29(Tue) 17:34 | URL | 江部康二 | 【編集
私はなんども糖質制限食にトライしているのですが、長くて1ヶ月で断念してしまいます。理由は、家族と同居しており食事を自分の自由に出来ないことと、自分の意志の弱さです。
どうにか、最低3ヶ月という、上にあるブレークスルーまでがんばれる方法、工夫はありませんかね。
2009/12/29(Tue) 19:07 | URL | とり | 【編集
追記
私の動機は、機能性低血糖症(あくまで自己診断ですが)を改善させたいからです。しかし江部先生が仰るように、糖質制限食の食段階で生じる「思考が働いていない」感がどうしても消えません。それで、「やっぱりカラダによくない」と糖質を摂取してしまうのです。
しかしやはり摂るや否や低血糖の諸症状が再び発症するので、こっちのほうがカラダに悪いのは明白なのですが、でも「思考する」生活が私には重要なので、どうしても続かないのです・・・。
お助け願いますm(__)m
2009/12/29(Tue) 19:12 | URL | とり | 【編集
野菜の加熱によるカロリーの変化について教えて下さい、さつまいもなど成分表では加熱法によってカロリーがかなり違いますが、カロリー計算する時は生の状態で測るべきでしょうか。
2009/12/29(Tue) 22:23 | URL | まめ | 【編集
サツマイモは糖質制限食NG食材ですよ、それに原則カロリーを考えないでよいとゆうのが糖質制限食の楽なとこなのです、ほかのblogの管理栄養士さんにでも質問してみたらいかがでしょう?
2009/12/29(Tue) 22:42 | URL | 通りすがり | 【編集
糖質制限食の目安を教えて下さい。
こんにちは。
私も「とり」さんのように、なかなか制限食を実践できず、途中で糖質摂取してしまう経過になって、困っています。

まず、バーンスタイン博士の提唱するスーパー糖質制限は一日30gまでで、これは毎日では無理。一日50g程度ならば、調味料を換算しても実践できる日が多くあります。

ただ、途中でコントロール失敗から糖質(砂糖チョコ)などを食した時、気分も塞いで、自己嫌悪で普通食に戻ってしまう事が多くなります。
どの程度の量ならば、制限食効果持続と判断できるのか、目標値を教えてくださると助かります。
2009/12/30(Wed) 08:08 | URL | 松 | 【編集
Re: 追記
とりさん。

糖質制限食で高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
肝臓で日常的にアミノ酸やグリセロールや乳酸からブドウ糖を作るからです。
従って脳のエネルギー源はいつも確保されています。

高糖質食→糖質制限食
の過程で慣れるまでは一定の異和感がありますが、脳の働きは大丈夫です。
とりさん、おそらく炭水化物中毒タイプの可能性が高いですね。
これは1~3ヶ月で抜けると思います。
2009/12/30(Wed) 10:02 | URL | 江部康二 | 【編集
Re: 糖質制限食の目安を教えて下さい。
松さん

1回の糖質摂取量が、「10~20g」
でよろしいです。

「10~20g」×3回/日

バーンスタイン先生はご自身が1型糖尿病なので厳しいですね。
2009/12/30(Wed) 10:10 | URL | 江部康二 | 【編集
『高糖質食→糖質制限食の過程で慣れるまでは一定の異和感がありますが、脳の働きは大丈夫です。とりさん、おそらく炭水化物中毒タイプの可能性が高いですね。これは1~3ヶ月で抜けると思います。』

このお言葉を信じ、もう一度頑張ります。正直これまで糖質制限食はやっぱり有害なのでは、と疑っていましたが、低血糖症状を抑えるためには糖質制限しか方法がないだろうと思っていますので、これにすがるしかないです。
あとは、慣れるまでの「違和感」、これさえ解消されれば、安心して糖質制限食を続けていけると思います。

お答えいただきありがとうございました。励みになります。
2009/12/30(Wed) 11:34 | URL | とり | 【編集
何度も申し訳ございません。
ウィキペディアに次のような記述がありました。「違和感」の解消はおそらく下記の過程に相関しているのですね。信憑性はともかく「科学的」に後ろ盾があると幾分安心できます。皆さんにも知っていただければ有益だろうと思い、追記させていただきました。では失礼します。
>>After the diet has been changed to lower blood glucose for 3 days, the brain gets 30% of its energy from ketone bodies. After about 40 days, this goes up to 70% (during the initial stages the brain does not burn ketones, since they are an important substrate for lipid synthesis in the brain). In time the brain reduces its glucose requirements from 120g to 40g per day.<<
2009/12/30(Wed) 11:54 | URL | とり | 【編集
なぜかくも意志の弱い人が多いのか。
糖質を断つだけでパーフェクトな健康を取り戻せると言うのに。
私には分かりません。
2009/12/30(Wed) 13:37 | URL | 通りすがり | 【編集
糖質制限食への適応条件について
糖質普通食から糖質制限食に切り替えたときの体の適応について、私の知っている範囲でご意見を述べさせていただきます。
1)筋肉や脳で炭素鎖12以上の脂肪酸がエネルギーとして使われるためには、ミトコンドリア内へ運び込む運搬体であるカルニチンが必須です。これは健常者では筋肉や脳に十分含まれていますが、高齢者やビタミンCが不足していると十分ではありません。このカルニチン量が十分準備されるのに一定の時間がかかるのかも知れません。
2)脂肪酸がミトコンドリアの中に輸送され、活性酢酸がクエン酸回路で燃焼するのに、オキザロ酢酸が触媒量必要で、これはピルビン酸から酵素で作られます。この過程が一定レベルになるのに酵素量が増えなければならないので、一定時間がかかるものと思います。糖尿病ではピルビン酸は糖からではなく、アラニンというアミノ酸から供給できます。
3)血中の脂肪酸ですが、私が測定したデーターでは、遊離脂肪酸でも中性脂肪でも、炭素数12以下の脂肪酸は殆ど含まれておらず、ラウリル酸以上の長鎖脂肪酸が主成分です。カルニチンは必要と思います。サプリメントと認められているので、これを供給しながら糖質制限食へ順応するのが賢明ではないかと思います。
2009/12/30(Wed) 18:08 | URL | GreenIsar | 【編集
Re: 糖質制限食への適応条件について
GreenIsarさん。

ご教示ありがとうございます。
難しいですが、カルニチンが重要なのですね。
勉強してみます。
2009/12/31(Thu) 11:31 | URL | 江部康二 | 【編集
Re: タイトルなし
まめさん

私の関わる範疇に属する質問ではないので
断定はできませんが、カロリーの変化は
単純に100g中に含まれる水の量の差と思います。

「カロリー計算する時は生の状態で測るべきでしょうか。」
これは私にはわかりませんので、栄養士にお尋ね下さい。
2009/12/31(Thu) 11:50 | URL | 江部康二 | 【編集
真面目な患者さんの為に諸先生方に静岡講演をぜひ、お願い致します。
平成23年5月57歳。血糖値293HbA1C13.3の検査結果から2週間入院しました。2型糖尿病。しかし、かすかにインスリンが出ているので、注射をして、膵臓を休ませるとの話からと、ジュース・フルーツ・ゼリーで痩せるダイエットを始めてから、夜中の「こむら返り」に奥歯がぐらぐらして舌べろは、白く口臭もひどい状況の中で2週間の入院後、インスリン16単位夕飯前8単位の2回を続けていましたが、寝前23時血糖値測定129朝前6時血糖値測定91退院から1か月半で勝手にインスリン注射をやめてしまいました。ただし、病院には、数値の検査を受けたかった為、1か月に1度の血液検査と、インスリン注射関連セット1か月分を持ち帰りました。その後今日まで、江部先生の本に出会うまでの苦労がありました。食パンなら、8枚切を2枚食べていましたが、腹持ち悪く、16時には、早めの夕飯になります。そこで、肉・魚を食べ始めました。ただし、勝手にインスリン注射をやめたのですから、恐る恐るです。ところが、朝前の血糖値測定で98なのです。カロリー気にして、ごはん1杯170kcalかな。これで1600で収まったのかな。などと、心配していた毎日と変わらないのです。肉を食べると腹持ちいいので、満腹感が得られ、夕方にポテトチップスを食べることなく、ハラハラドキドキの毎日が楽になったのです。平成23年11月健康診断血糖値100HbA1c5.8でした。平成24年2月では血糖値104 HbA1c5.8でした。コレステロール値が289だったのが、221となりました。まだ高めで、ここであえなく撃沈コレステロールと血圧の薬が出されました。江部先生の本を読みながら、自己流でやっていたことが正しいことが今日わかりました。なお、私は、ダイエットから糖尿病患者との思いでしたので、インスリン注射を一生手放せなくなる患者になることを否定する意味で勝手に止めたのです。他の方には、マネして欲しくありません。私の究極ダイエットの結果です。ただし、最近の連休で羊羹、ピザ、寿司、スパゲッティ出前にきゅうりもみ、あの甘酢・砂糖がいっぱいやごはんに高カロリー食で朝前血糖値110です。未使用の2か月分のキット一式は、病院の血液検査室の針処分かごに捨てました。血糖値測定器は、薬局にて購入し、自身で検査を続けています。なお、担当医師には、「勝手に止めました。でも怖いから、予約日の今日出向いてきました。」と伝えています。現在、奥歯のぐらぐらが治っています。歯科医とも話しました。歯を抜かなくて良かったです。舌は、きれいになり、毎晩痛みで起こされた右足のこむら返りも、ありません。それから、インスリン注射がなぜ朝前と夕前の2回で始まったのかと言いますと、職業が営業の為、13時約束が多く、昼抜きが多いという1日の生活を医師が合わせた回数と単位だったと思います。これが救われたという思いです。でも、口の中がしょっぱくて、歯を磨いていても塩分を感じるのです。足の脛を押さえても異常なしです。むくみは、ありません。完全に病院から離れたので、心配です。透析です。話をまとめますと、静岡のまじめな患者さんの為にも、病院から(病院長、医師、看護師、管理栄養士の)意識を変えてくださる様に江部先生の講義をぜひぜひ実現させてください。そして、浸透して、糖尿病と楽しくつき合うという位の明るさを持たせてください。本当に辛く、悲観的な毎日でした。看護師、管理栄養士に否定され続けてきたのですから。今日は、先生の本から、高野豆腐と納豆、牛肉すき焼き風にと味噌汁の夕飯を予定しています。ごはん抜きなので、味付けは、薄くなりました。今まで通りですと、ごはんが欲しくなるからです。できれば、本の写真を見るだけでなく、味わいたいです。入院は、もうイヤですが、「糖質制限給食」は、昨日手にしてから気持ちが、とっても楽しいです。なぜか自分が明るくなりました。アルコールには、ビックリしましたが。私は、饅頭派です。ダメダメと言われてきて、我慢してきた甘いものですが、食べたら、イライラもおさまり、「どうしても食べたい」という異常な欲求は、なくなりました。
ありがとうございました。
2012/05/16(Wed) 08:29 | URL | 山口清美 | 【編集
Re: 真面目な患者さんの為に諸先生方に静岡講演をぜひ、お願い致します。
山口清美 さん。

糖質制限食でインスリンを離脱できて、HbA1c5.8%
とコントロール良好。

良かったです。

静岡県の医師会にもそのうち糖質制限食の講演に行きたいと思います。
2012/05/16(Wed) 11:17 | URL | ドクター江部 | 【編集
江部先生こんにちは
左手のばね指の手術を予定していたのですが、この正月に飲み会などが重なりHbA1Cがなんと8.9%ということで、急きょ手術を延期し手術のできる体を作るため運動とS糖質制限食を始めたばかりの初心者です。たまたまNHKのあさいちでこの食事を知り実践しています。今までは食後2時間の血糖値など恐ろしくてとることはできませんでしたが、なんととってみると、60分で123,120分で108じゃないですか。酒もそれまでは控えていましたが、糖質ゼロの発泡酒を飲んでもこんな状態です。とてもうれしくなりメールいたしました。今は薬がベイスンとメトグルコを食前にとり、ジャヌビアを朝1回だけ取っています。ちょっと心配なのですが、次回メトグルコについては主治医と相談したいと思いますが減らした方がいいのでしょうか?
2013/02/19(Tue) 17:13 | URL | ニャンミー | 【編集
Re: タイトルなし
ニャンミー さん

データ改善良かったですね。

ベイスンはスーパー糖質制限食なら、いらないと思います。

早朝空腹時血糖値が正常なら、メトグルコとジャヌビアもいらないと思いますので
主治医とよくご相談ください。
2013/02/19(Tue) 18:43 | URL | ドクター江部 | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック