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現行の糖尿病治療の問題点⑥ビグアナイド系薬剤
おはようございます。昨夜はテニスクラブの仲間と鹿ヶ谷山荘で宴会でした。

哲学の道から山の方にひたすら急な細い坂道を上がっていきます。

知る人ぞ知る店なのですが、本当にこんなところにお店があるのと不安になるくらいのかなりの高台に位置していて眺望は抜群です。

糖質制限食と紫尾の露という鹿児島の芋焼酎をたっぷり楽しみました。

結局、帰ったら午前様になってしまったのですが、翌朝の二日酔いはというとほとんど無くて、やはり焼酎様々ですね。

さて今日は、糖尿病の内服薬の中でビグアナイド系薬剤のお話です。

ビグアナイド系薬剤は、その中の一つのフェンホルミンという薬が乳酸アシドーシスという副作用を起こしやすかったため、一時期他の薬も含めてほとんど使われていませんでした。

しかし乳酸アシドーシスを起こしにくい塩酸メトホルミン(メルビン、グリコランなど)塩酸ブホルミン(ジベトスB、ジベトンSなど)などが近年見直されてきました。

これは、大規模臨床試験(UKPDS:1998年報告)で、「塩酸メトホルミン投与により肥満のある2型糖尿病患者で死亡率を減少させた」という結果がでたことによる影響が大きいと思います。

ビグアナイド剤の作用は、肝臓での糖新生の抑制が主で、その他消化管からの糖吸収の抑制、末梢組織でのインスリン抵抗性の改善などがあります。従ってSU剤とは違って、膵臓に直接作用するのではなく、膵外作用で血糖値を下げますので膵臓には優しい薬といえます。

単独使用では、低血糖を起こす危険は極めて低いです。糖質制限食的にも、問題の少ない良い薬です。

しかし、肝腎の効きが良くないのです。理論的にはいい感じなのになぜでしょう?

実は、欧米における1日使用量は1500~2000mgなのですが、日本では1日、750mg以下となっているのです。

私も膵臓に負担をかけない糖質制限食にぴったりの薬ということで大勢の人に処方してみたのですが、量が少なすぎるためなのか、「効いた!」という印象が薄いのです。

それで現在、日本内分泌学会などが欧米並の1日量2000mgまで許可するように厚生労働省に申請中なのです。

なお、肝障害や腎障害がある人は、やはり乳酸アシドーシスを起こしやすいので注意が必要です。また、心肺機能に障害のある人や高齢者も、腎予備力の低下がありえるので慎重投与です。上記以外の人には、副作用は少ない薬です。

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乳酸アシドーシス
ビグアナイド系薬剤は、肝における乳酸からの糖新生を抑制することで血糖を下げるので、相対的に乳酸が増加します。通常は乳酸が増加すればその代謝が活発となり、乳酸値のバランスは保たれます。

しかし、肝での乳酸の代謝能が低下している場合や、腎機能障害があるときは、乳酸が増加した時に処理しきれずに高乳酸血症となり、乳酸アシドーシスを発症する危険性があります。

乳酸アシドーシスの初期症状として悪心、嘔吐、腹痛、下痢等や、倦怠感、筋肉痛などがあります。

江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ありがとうございました。
私の紹介で高雄病院の外来へ受診した知人が、糖尿病はもちろん何も悪いところがないと先生に太鼓判を押され大変喜んでいました。
年齢60歳のぽっこりとお腹の出た体型で、絶対に何かあると思っていたそうです。何もなかったと少し浮かれ気味なので、「食べ過ぎたりしないようにね」と言うと、彼女曰く、「大丈夫、江部先生に太らない食事方法を教えてもらったから」と嬉しそうに返してきました。紹介者として、私もとても感謝されました。先生、ありがとうございました。
2007/07/02(Mon) 13:40 | URL | せいちゃん | 【編集
1日の糖質量をきちんと管理していれば砂糖の入っているチョコレートも食べて大丈夫ですよね?

2007/07/02(Mon) 19:54 | URL | たな | 【編集
たなさん。
仰る通りです。チョコレートに含まれる砂糖も糖質の一つとして計算します。
まあミルクチョコレート100g中に砂糖など糖質が50g入ってますから、炊いた玄米ご飯150g(糖質50g)、即ちお茶碗1杯とほぼ同等ですね。1gの糖質が約3mg血糖値を上昇させます。
江部康二
2007/07/03(Tue) 11:24 | URL |  | 【編集
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