2009年12月04日 (金)
おはようございます。
昨日から、雨がしとしと降り続けている京都です。
さて今回は、マリマリさんからレプチンについてコメント・質問をいただきました。
「09/11/10 マリマリ
レプチンについて
『われら糖尿人・・・』を読ませていただき、大変面白かったので、『主食を抜けば糖尿病はよくなる!』も読みました。私は糖尿病ではありませんが、身近に糖尿病の人がいますし、食事療法には興味があるので。
昨日の朝日新聞の夕刊コラム、「アンチエイジング10歳若返る」で、「脂肪は、体の栄養状態を食欲中枢に伝え、食欲を調節するレプチンと言うホルモンを効きにくくする。同じカロリーの糖質に比べると、太りやすいのだ。」と書いてありました。
本を読んで脂肪より糖質の方が太りやすいと思っていたので、どういうことなのだろうかとわからなくなりました。レプチンの作用は糖質や脂肪の代謝とはまた別の仕組みで働くのでしょうか?
脂肪を摂ると栄養状態がいいと体が判断して、
太りにくくなるのならわかるのですが・・・。」
マリマリさん。
コメントそして本のご購入、ありがとうございます。回答が遅くなってすいません。
レプチンに関してはわかっていることと、まだよくわかってないことがあるようでいろいろ調べていました。
レプチンは、脂肪細胞が分泌するホルモンで、脳の視床下部に作用して満腹感を感じさせ強力に摂食抑制させ、エネルギー消費昂進をもたらし、体重を適正に保つとされています。
一方、ほとんどの肥満者において血中レプチン濃度は、体脂肪量に比例して上昇しています。
すなわち肥満者においては、血中レプチン濃度は高値なのに、レプチン抵抗性による作用不足の状態にあり、肥満していると考えられています。
さまざまな摂食調節因子が発見されいて、摂食促進と抑制に働いて肥満症の発症に関与し、複雑な状態をなしています。
例えば、
摂食促進:副腎皮質ホルモン、ノルアドレナリン、成長ホルモン・・・
摂食抑制:レプチン、インスリン、セロトニン・・・
早食いすると、レプチンが分泌される前にどんどん食べてしまうので、満腹感がなくて、ついつい食べ過ぎてしまい、肥満しやすくなります。しかし、いまのところ、単純に肥満の原因や過程を説明することは困難です。
2009年11月9日の朝日新聞の夕刊コラム
「脂肪は、体の栄養状態を食欲中枢に伝え、食欲を調節するレプチンと言うホルモンを効きにくくする。同じカロリーの糖質に比べると、太りやすいのだ。」
という記事についてですが、??です。(∵)?
「高脂肪食は血中レプチンレベルを上昇させて摂食抑制し体重コントロールに繋がる」
という奈良教育大学のラットの研究がありました。(*)
朝日新聞の記事とは正反対ですね。
ともあれ、糖質制限食VSカロリー制限食(高糖質食)では、糖質制限食のほうが体重減少効果があることは、はっきりしています。
江部康二
(*)
<高脂肪食摂取が血中レプチン濃度に及ぼす影響>
http://near.nara-edu.ac.jp/handle/10105/1358
昨日から、雨がしとしと降り続けている京都です。
さて今回は、マリマリさんからレプチンについてコメント・質問をいただきました。
「09/11/10 マリマリ
レプチンについて
『われら糖尿人・・・』を読ませていただき、大変面白かったので、『主食を抜けば糖尿病はよくなる!』も読みました。私は糖尿病ではありませんが、身近に糖尿病の人がいますし、食事療法には興味があるので。
昨日の朝日新聞の夕刊コラム、「アンチエイジング10歳若返る」で、「脂肪は、体の栄養状態を食欲中枢に伝え、食欲を調節するレプチンと言うホルモンを効きにくくする。同じカロリーの糖質に比べると、太りやすいのだ。」と書いてありました。
本を読んで脂肪より糖質の方が太りやすいと思っていたので、どういうことなのだろうかとわからなくなりました。レプチンの作用は糖質や脂肪の代謝とはまた別の仕組みで働くのでしょうか?
脂肪を摂ると栄養状態がいいと体が判断して、
太りにくくなるのならわかるのですが・・・。」
マリマリさん。
コメントそして本のご購入、ありがとうございます。回答が遅くなってすいません。
レプチンに関してはわかっていることと、まだよくわかってないことがあるようでいろいろ調べていました。
レプチンは、脂肪細胞が分泌するホルモンで、脳の視床下部に作用して満腹感を感じさせ強力に摂食抑制させ、エネルギー消費昂進をもたらし、体重を適正に保つとされています。
一方、ほとんどの肥満者において血中レプチン濃度は、体脂肪量に比例して上昇しています。
すなわち肥満者においては、血中レプチン濃度は高値なのに、レプチン抵抗性による作用不足の状態にあり、肥満していると考えられています。
さまざまな摂食調節因子が発見されいて、摂食促進と抑制に働いて肥満症の発症に関与し、複雑な状態をなしています。
例えば、
摂食促進:副腎皮質ホルモン、ノルアドレナリン、成長ホルモン・・・
摂食抑制:レプチン、インスリン、セロトニン・・・
早食いすると、レプチンが分泌される前にどんどん食べてしまうので、満腹感がなくて、ついつい食べ過ぎてしまい、肥満しやすくなります。しかし、いまのところ、単純に肥満の原因や過程を説明することは困難です。
2009年11月9日の朝日新聞の夕刊コラム
「脂肪は、体の栄養状態を食欲中枢に伝え、食欲を調節するレプチンと言うホルモンを効きにくくする。同じカロリーの糖質に比べると、太りやすいのだ。」
という記事についてですが、??です。(∵)?
「高脂肪食は血中レプチンレベルを上昇させて摂食抑制し体重コントロールに繋がる」
という奈良教育大学のラットの研究がありました。(*)
朝日新聞の記事とは正反対ですね。
ともあれ、糖質制限食VSカロリー制限食(高糖質食)では、糖質制限食のほうが体重減少効果があることは、はっきりしています。
江部康二
(*)
<高脂肪食摂取が血中レプチン濃度に及ぼす影響>
http://near.nara-edu.ac.jp/handle/10105/1358
ピンクさん。
HOMA-R:4.4
HOMA-R2.5以上が、インスリン抵抗性ありです。
体重が減少すれば、インスリン抵抗性も減ります。
HOMA-R:4.4
HOMA-R2.5以上が、インスリン抵抗性ありです。
体重が減少すれば、インスリン抵抗性も減ります。
2009/12/04(Fri) 16:15 | URL | 江部康二 | 【編集】
アザミとドルフィンママさん。
中野講演、ありがとうございました。
曽我部さんが大変、感謝しておりました。
キムチ届いたら早速試食します。
中野講演、ありがとうございました。
曽我部さんが大変、感謝しておりました。
キムチ届いたら早速試食します。
2009/12/04(Fri) 22:29 | URL | 江部康二 | 【編集】
ピンクさん。
薬というより
糖質制限食で
血糖値は即座に100~200~300改善します。
1gの糖質が、2型糖尿人の血糖値を3mg上昇させます。
糖質の摂取量で、血糖値はリアルタイムに変動します。
タンパク質・脂質は血糖値を上昇させません。
薬というより
糖質制限食で
血糖値は即座に100~200~300改善します。
1gの糖質が、2型糖尿人の血糖値を3mg上昇させます。
糖質の摂取量で、血糖値はリアルタイムに変動します。
タンパク質・脂質は血糖値を上昇させません。
2009/12/04(Fri) 22:34 | URL | 江部康二 | 【編集】
ドリーム さん。
了解です。事務に伝えておきます。
糖尿病の人にブドウ糖の点滴をする必要がある時は、点滴内にインスリンをいれることもあります。
新実先生は、あるていど糖質制限食のことは知っておられると思いますが、
京大病院の給食は糖質制限食は無理ですね。
入院中は仕方ないと思います。
できるとしたらおかずは食べて、主食は半分~1/3とかでしょうか。
必要ならインスリン注射も選択肢の一つです。
了解です。事務に伝えておきます。
糖尿病の人にブドウ糖の点滴をする必要がある時は、点滴内にインスリンをいれることもあります。
新実先生は、あるていど糖質制限食のことは知っておられると思いますが、
京大病院の給食は糖質制限食は無理ですね。
入院中は仕方ないと思います。
できるとしたらおかずは食べて、主食は半分~1/3とかでしょうか。
必要ならインスリン注射も選択肢の一つです。
2009/12/05(Sat) 08:30 | URL | 江部康二 | 【編集】
こんにちわ。
はじめて書きこみします。40代女子です。
職場の健康診断は毎年受けていますが、HbA1cはオプションのため
3年前に調べたきりです(5.2でした。今なら「ちょっと高め」と思いますが)。
空腹時血糖はずっと80~90あたりです。
先日、たまたま数年ぶりに献血に行きました。
今年から生化学検査でグリコアルブミンを調べるようになったのですが、
「16.5」でチェックマーク付きでした。
「正常値16.5未満、ただし15.6以上も要注意」と但し書き付き。
自分の血糖値が高いなどと考えたこともなかったので、ビックリです。
あわてていろいろ調べるうち「糖質制限」を知り、
これなら簡単にできそう!と3週間チャレンジ。
きっちり1ヶ月後にまた献血に行ったのですが、
16.5だったグリコアルブミンが15.2に落ちてました!
卵やチーズ、お肉はガンガン食べてますが、
コレステロール値は以前と変わりありません。
血糖値測定器も購入しましたが、私の場合、
パンを食べたからといって
ピョーンと数値が上がるわけではないようで、
まんべんなく「ちょっと高いなあ」という印象です。
食前80~100、食後30分~1時間後で120~140くらい。
糖質制限食でも150越えたこともあります。
私の膵臓は失速寸前なのかもしれませんね。
(境界域?ブドウ糖負荷試験受けるべきでしょうか…)
糖質制限は私のライフワークとして続けていくつもりです。
料理に手間がかかるようになりましたが、
少ない小麦粉でおからパンを作ったり、
封印していたオーブンを使い始めたりと
食卓が賑やかになりました。
献血がなかったら、自分の食後血糖にあと3年くらい気づかなかったかもしれません。
たまたま献血に行ったおかげで、ほんとうにいろいろ勉強になりました。
なにをどう食べるかというのは、
どう生きていくかと同義だと思います。
大袈裟でなく、自分の人生を見直す機会になりました。
ありがとうございます。
はじめて書きこみします。40代女子です。
職場の健康診断は毎年受けていますが、HbA1cはオプションのため
3年前に調べたきりです(5.2でした。今なら「ちょっと高め」と思いますが)。
空腹時血糖はずっと80~90あたりです。
先日、たまたま数年ぶりに献血に行きました。
今年から生化学検査でグリコアルブミンを調べるようになったのですが、
「16.5」でチェックマーク付きでした。
「正常値16.5未満、ただし15.6以上も要注意」と但し書き付き。
自分の血糖値が高いなどと考えたこともなかったので、ビックリです。
あわてていろいろ調べるうち「糖質制限」を知り、
これなら簡単にできそう!と3週間チャレンジ。
きっちり1ヶ月後にまた献血に行ったのですが、
16.5だったグリコアルブミンが15.2に落ちてました!
卵やチーズ、お肉はガンガン食べてますが、
コレステロール値は以前と変わりありません。
血糖値測定器も購入しましたが、私の場合、
パンを食べたからといって
ピョーンと数値が上がるわけではないようで、
まんべんなく「ちょっと高いなあ」という印象です。
食前80~100、食後30分~1時間後で120~140くらい。
糖質制限食でも150越えたこともあります。
私の膵臓は失速寸前なのかもしれませんね。
(境界域?ブドウ糖負荷試験受けるべきでしょうか…)
糖質制限は私のライフワークとして続けていくつもりです。
料理に手間がかかるようになりましたが、
少ない小麦粉でおからパンを作ったり、
封印していたオーブンを使い始めたりと
食卓が賑やかになりました。
献血がなかったら、自分の食後血糖にあと3年くらい気づかなかったかもしれません。
たまたま献血に行ったおかげで、ほんとうにいろいろ勉強になりました。
なにをどう食べるかというのは、
どう生きていくかと同義だと思います。
大袈裟でなく、自分の人生を見直す機会になりました。
ありがとうございます。
2009/12/05(Sat) 14:40 | URL | 久居 | 【編集】
ドリーム さん。
HbA1c:6.4%
ならコントロール良好ですね。
HbA1c:6.4%
ならコントロール良好ですね。
2009/12/05(Sat) 16:21 | URL | 江部康二 | 【編集】
ドリーム さん。
ツインパル
1層液(糖・電解質液)350mL中
ブドウ糖:37.499g
です。
数日くらい200アップがあっても大丈夫です。
「1日3回測定し300や400を超えた場合のみインスリンの注射する様にしましょう!」
妥当な線と思います。
ツインパル
1層液(糖・電解質液)350mL中
ブドウ糖:37.499g
です。
数日くらい200アップがあっても大丈夫です。
「1日3回測定し300や400を超えた場合のみインスリンの注射する様にしましょう!」
妥当な線と思います。
2009/12/05(Sat) 16:26 | URL | 江部康二 | 【編集】
久居さん。
境界領域だと思います。
グリコアルブミン15.6以上16.5未満だと正常高値になります。
「糖質制限は私のライフワークとして続けていくつもりです。」
これなら、糖尿病に移行する心配はないですね。
75g経口ブドウ糖負荷試験は、特に必要ないと思いますが、
今の自分の耐糖能がどのくらいか知りたいということでしたら
調べてもいいと思います。
境界領域だと思います。
グリコアルブミン15.6以上16.5未満だと正常高値になります。
「糖質制限は私のライフワークとして続けていくつもりです。」
これなら、糖尿病に移行する心配はないですね。
75g経口ブドウ糖負荷試験は、特に必要ないと思いますが、
今の自分の耐糖能がどのくらいか知りたいということでしたら
調べてもいいと思います。
2009/12/05(Sat) 16:41 | URL | 江部康二 | 【編集】
お忙しのにお調べいただきありがとうございました。
夕刊の記事はやっぱり??なのですね。
小さいコラムで生理学的な説明ができないのは分かりますが、なんとなく、脂肪を目の敵にしているような書き方だ、と感じたのです。
でも、読んだ人は「やっぱり脂肪は良くないのね」とインプットされてしまいそうです。
私は血糖値は悪くないのですが、糖質制限食を試してみました。普段食べる物の糖質のパーセントを一覧表に書き出し、穀類、麺類、砂糖などは一切なし。でも、便秘するのは嫌なので昼はイモ類を主食にしました。糖質ですが米や小麦より割合が低いので。比べるとサトイモが糖質が少ないようでした。
夕食はもっぱら豆腐をご飯代わりにし、ビールは焼酎に変え、10日間ほどやってみました。便秘もなく、午後眠くなることもなくそれなりに快適でした。
でも、11日目に知人の家でお昼をいただき・・・ちらしずし。翌日は戸外でお弁当、ということでおにぎり。と続き、やはり人と付き合うと糖質食べないのは難しいなあと思いました。
毎日イモというのにも飽きたし糖尿病でもないので、また普通食に復帰しました。でも、軽食を食べようとしたり、お菓子を買おうとして、いかに糖質の食品が多いかわかりました。
今度健康診断の時に、わざと糖質食品を食べて2時間後位に行って、食後血糖値を調べてみようか、なんて思っています。
夕刊の記事はやっぱり??なのですね。
小さいコラムで生理学的な説明ができないのは分かりますが、なんとなく、脂肪を目の敵にしているような書き方だ、と感じたのです。
でも、読んだ人は「やっぱり脂肪は良くないのね」とインプットされてしまいそうです。
私は血糖値は悪くないのですが、糖質制限食を試してみました。普段食べる物の糖質のパーセントを一覧表に書き出し、穀類、麺類、砂糖などは一切なし。でも、便秘するのは嫌なので昼はイモ類を主食にしました。糖質ですが米や小麦より割合が低いので。比べるとサトイモが糖質が少ないようでした。
夕食はもっぱら豆腐をご飯代わりにし、ビールは焼酎に変え、10日間ほどやってみました。便秘もなく、午後眠くなることもなくそれなりに快適でした。
でも、11日目に知人の家でお昼をいただき・・・ちらしずし。翌日は戸外でお弁当、ということでおにぎり。と続き、やはり人と付き合うと糖質食べないのは難しいなあと思いました。
毎日イモというのにも飽きたし糖尿病でもないので、また普通食に復帰しました。でも、軽食を食べようとしたり、お菓子を買おうとして、いかに糖質の食品が多いかわかりました。
今度健康診断の時に、わざと糖質食品を食べて2時間後位に行って、食後血糖値を調べてみようか、なんて思っています。
2009/12/05(Sat) 22:50 | URL | マリマリ | 【編集】
すいません、転記ミスがありました。
記事の2行目、「直よく中枢」ではなく「食欲中枢」です。失礼しました。
記事の2行目、「直よく中枢」ではなく「食欲中枢」です。失礼しました。
2009/12/05(Sat) 22:54 | URL | マリマリ | 【編集】
ドリームさん。
インスリン2単位打って、食事、
適切な対応と思います。
シックデイを乗り切れば、インスリンも要らなくなると思います。
インスリン2単位打って、食事、
適切な対応と思います。
シックデイを乗り切れば、インスリンも要らなくなると思います。
2009/12/06(Sun) 11:45 | URL | 江部康二 | 【編集】
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