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Q&A 有酸素運動・無酸素運動と糖尿病
saka10さん、権現森さんコメントありがとうございます。
テレビ生出演みていただけましたか?テレビ写りどうでしたか?(=^_^=)

さて今回は
運動に関する質問なのでお二人まとめてお答え致します。

「江部先生こんにちは。
運動の効果について伺いたいことがあるのですが、
無酸素運動と有酸素運動でGLUT4を介した骨格筋へのグルコースの取り込みに
差はあるのでしょうか?
2007/06/28(木) 17:57:04 | URL | saka10」

「こんにちは
江部先生、こんにちは。権現森です。
先生が出演されたNHK番組、拝見させていただきました。
そこで、またまたご質問があるのですが、糖尿病治療には運動が良いのは、前回書かれたブログで分かりました。けれども、よく、スポーツしてると糖尿病になりにくいと言われているのは、正しいのでしょうか。
GLUT4があればインスリンの追加分泌が無くてもブドウ糖を取り込めるのがその理由なのでしょうか。
そうであるならば、スポーツ選手は糖尿病にならないと思うのですが、現に糖尿病の元スポーツ選手はテレビなどで多々見かけます。私自身、学生時代はラグビーをしておりましたが、糖尿病です。
これは、食生活に問題があるのでしょうか。
スポーツをしていると糖質をたくさん食べますし、いわゆるスポーツドリンクをよく飲みます。
これは、糖質の過剰摂取と、NHKにご出演されたおり、先生が仰ってた「ペットボトル症候群」に似た状態を、長期間続けていることになると思います。
だとすれば、スポーツ選手こそ糖尿病の危険が高いと思うのですが、これは正しいのでしょうか。
お忙しい中、何度も質問致しまして甚だ恐縮ですが、お手空きの折にでもお答え頂ければ嬉しく思います。
2007/06/29(金) 12:16:25 | URL | 権現森」


無酸素運動でも有酸素運動でも、普段細胞内に隠れているGLUT4が細胞膜表面に出てきて(トランスロケーション)、血液中のグルコース(ブドウ糖)を取り込むと考えられます。

これは筋収縮により、インスリンによる刺激とは別の経路で、GLUT4のトランスロケーションが起こるからです。

インスリンが追加分泌された時も、違う経路をたどってGLUT4のトランスロケーションが起こります。

従って、筋収縮が起これば筋肉細胞はブドウ糖を取り込むのですが、強い強度の運動をすると、グルカゴンやカテコールアミンなどのインスリン拮抗ホルモンの分泌が増加するので、かえって血糖値が上昇することもあります。

有酸素運動と無酸素運動では、面白い研究があります。長距離選手と重量挙げ選手と運動をしていない人の3つのグループで、筋肉細胞のインスリン感受性を調べたものです。

その結果、重量挙げ選手は筋肉の量は多いのですが、筋肉細胞の質的なインスリン感受性は、運動をしていない人とほぼ同じでした。まあ筋肉の量が多いので体全体のインスリン感受性は重量挙げ選手のほうが運動しない人よりはよいですが。

一方、マラソン選手は筋肉細胞のインスリン感受性は、質的に高まっていました。

従いまして、マラソン、ジョギング、水泳などの有酸素運動は、インスリンの効きが良くなるので、糖尿病の予防や高血糖の改善に役立ちます。

重量挙げや100m走のような無酸素運動は、筋肉の量を増やしますが、インスリン感受性の改善は期待できません。

有酸素運動をしている最中は、筋肉がブドウ糖を取り込んで血糖値が下がりますし、定期的に有酸素運動を続ければ、細胞のインスリン感受性が良くなるということで、一挙両得ですね。

海外の研究でも、糖尿病境界領域の人の6年後の糖尿病発症率が、食事療法単独で31%、運動療法単独で46%低下したそうです。

権現森さん、ラグビーは有酸素運動と無酸素運動と混ざったスポーツで、糖尿病にはよいと思います。

スポーツのあと、砂糖やブドウ糖入りのソフトドリンクをガブガブ飲むことは、当然糖尿病には大敵です。

運動の良い効果と清涼飲料水など糖質の過剰摂取の害は、分けて考えるのがよいと思います。
 
江部康二
テーマ:糖尿病
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
ありがとうございました。
江部先生、こんにちは。権現森です。
いつもながら早速ご回答くださり、その上ブログ紙面で取り上げていただいて、本当にありがとうございます。
先生のブログを読ませて戴きながら、質問してみたいけどお忙しいしと、いつも葛藤しております。結局はコメントいれてしまいますが…。
これからも、先生のブログを楽しみにしておりますので、お身体ご自愛くださいませ。
2007/07/02(Mon) 18:17 | URL | 権現森 | 【編集
ありがとうございました
お忙しい中、御回答いただきありがとうございました。

食後血糖降下を目的にした運動方法とインシュリン感受性改善を目的にした運動方法がこんがらがって解らなくなっていたのですが、お陰さまで疑問が解消しました。重量挙げ選手とマラソン選手のお話は、興味深いです。
筋肉量が増えれば、相対的にインシュリン感受性は良くなるのかと思っていましたが、運動しない人にくらべるとマシな程度とは・・・認識をあらためました。

食後運動で、もっと有酸素運動の時間の割合を増やそうと思います。
2007/07/02(Mon) 21:05 | URL | saka10 | 【編集
はじめまして
先生、おはようございます。
夫が高血圧症、糖尿病との健康診断の結果が出て、検索し幸いにも先生のところにたどり着け感謝です。
すぐに専門医の診察を受けるよう指示されましたが、なかなか日程が取れず、その間、糖質制限食を早速実行しています。先生の御本も早速、注文させていただきました。先生の講演会にも行かせていただきたいと思っております。出来れば東海地区でも開催をお願いしたいところです。

夫の場合、塩分制限と糖質制限で妻としていろいろ悩むところですが、先生やみなさまのご意見やご質問、また先生のご回答を参考に頑張っていく気持ちになれました。ありがとうございます。

これから、毎日こちらに伺うことにさせていただきますが、先生もご多忙と存じますので、どうぞご自愛ください。
2007/12/03(Mon) 08:49 | URL | フーミン | 【編集
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