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「オーストラリア研究・低糖質食で精神不安定?」への反論
こんにちは。

今回は、まーさんから、
「低糖質食で気分の落ち込みや不安が出る」というオーストラリアの研究について、コメント・質問をいただきました。

1999年からの高雄病院の1200名以上の糖質制限食実践者では、そんな経験はありませんので、不可解な研究です。ともあれ、検討してみます。

「09/11/13 まー
タイトルなし
拝啓 江部先生

毎日のブログ更新有難うございます。
さて、本日共同通信の配信記事だと思いますが、以下のような記事が載っておりました。
まぁ、糖質制限食を1年以上実践している私には、記事のような兆候は何もないのですが・・・。

ただ、私は以前から脳内「セロトニン」に興味があって、東邦大学の有田秀穂教授の著書「セロトニン欠乏脳」等を何冊か読みました。人間の日常的な不安や怒りなどを鎮めるには適当量のセロトニンが必要で、セロトニンの維持、活性化にはリズム運動と、食事は炭水化物が必要だと述べられています。

その関係では、今回の記事も(素人ながら)無関係ではなさそうな気もしておりますが、江部先生はいかがお考えでしょうか。

(以下、産経ニュースから)

「パンなど炭水化物を減らす「低炭水化物ダイエット」を続けると、気分が憂うつになったり、怒りっぽくなったりする-。

 オーストラリアの研究チームがこのほど、米医学誌「アーカイブズ・オブ・インターナル・メディシン」にこんな研究結果を発表した。

 研究は、24~64歳の肥満の人106人を対象に、(1)肉、乳製品などタンパク質や脂質を中心にし、パンなど炭水化物を抑える「低炭水化物」組(2)炭水化物を多く取る「高炭水化物」組-の二つの減量グループに分け、体重や精神状態を1年間調べた。カロリー摂取量は同じにした。

 両グループとも1年後の体重減少は平均13・7キロで変わりなかったが、精神状態では「高」組にダイエット前と比べ改善がみられたのに対し、「低」組は気分の落ち込みや不安を示すようになった。(共同)」


http://sankei.jp.msn.com/life/body/091113/bdy0911130846005-n1.htm

まーさん。
コメントありがとうございます。

まずは、人類は399万年間、糖質制限食と共に進化してきたことをお忘れなく・・・。

従って炭水化物を摂取しなくても、セロトニンを含めて脳の代謝に何の問題もないと思います。

また、糖質制限食(低炭水化物食)を実践すればグルコースミニスパイクがなくなり、代謝のミニ嵐がなくなります。

血糖値が急峻に上昇したり下がりすぎたりすることは、インスリン及びそれに拮抗するアドレナリンなどのホルモンが分泌され、心理面的に不安定になりやすいです。

かつて「切れる子供」とかで、砂糖の害が強調されたことがありますが、砂糖だけでなく、精製炭水化物は、全てグルコースミニスパイクを誘発して心理的に不安定となります。

単純に「腹が減ってイライラする」というような体験は、皆さんお持ちだと思います。

私自身も、糖質を摂取していた頃は結構気が短いと言われていて、家庭内でもよく喧嘩していました。

ところが、糖質制限食実践中の今は、見かけ通り??の穏やかな性格となりました・・・。

いや、ホントですよ。

連れ合いや子供、高雄病院や江部診療所のスタッフに
聞いてもらっても大丈夫です!!
たぶん、大丈夫と思います・・・!
きっと大丈夫なはずです・・・ (* ̄▽ ̄*)

私の秘書的な仕事もしてもらっている、糖質制限ドットコムのあらてつさん(元高雄病院職員です)は、高雄病院勤務のころは、知らぬ者はいない「ぷっつんの新井」として、病院中に勇名をはせていました。

糖質制限食実践中の今は、「仏の新井」として穏やかな人生を、30数年ぶりに歩んでおられますよ。

一流スポーツ選手である、お二人の医師とお話しする機会があり、食事をどうされているかお尋ねしました。そうすると結果としてお二人とも糖質制限食に辿り着いたということでした。

グリコーゲンローディングなどいろいろ試したけれど、糖質を摂取すると心理的に不安定になって競技にならない」と強調されていたのが印象に残っています。

ブログ読者の皆さんも、ほとんどの方が、心理的に安定したとコメントを寄せて頂いてます。

以下、ポンちゃんとケイさんのコメントです。

「低」でむしろ元気!
私も豪の研究結果記事には、驚きました。見事に私とは反対だったからです^^)v

甲状腺機能低下症と和食党ながら米菓子・チョコ・ケーキ大好きの食生活で、横綱も真っ青な体型に。定期健診でA1cが6を越えたことから、あわてて玄米・雑穀中心の食生活に変えました。

横綱当時は機能低下症のためもあると思いますが、手足は冷え、肌はかさかさ、なんとなくボーっとしていつも気分が優れず、疲れやすく、物忘れもはげしくなり、毛も抜けやすく、片側の足に神経痛のような軽い痺れ…むくんでパンパンでした。
(どれが甲状腺ホルモンの影響で、どれが糖の影響でしょうか?医者からは甲状腺ホルモンをきちんと飲んで補充しているので問題ないはずだ、更年期では?と言われたのですが。10年早い更年期かと思いました。)

少しは玄米食等で体重が減りましたが、食事療法を探して糖尿病を悪化させない(診断は受けていませんが)ため、このブログで糖質制限を知り実行。
節約遺伝子のせいか、食べすぎだからか、今は標準まではほど遠く小結程度ですが、かなり軽くなりました(体も気分も)。

糖質制限(いい加減ですが)にしてから、なんとなくすぐれず具合が悪いこともなくなり、開いていた毛穴と肌のかさかさも少しは良くなり、気分も安定し、意欲が増し、まだ冷え性ですが、前よりはマシ、むしろ快活で元気になって5歳くらい若返ったと感じています。

なので、私の場合、低炭水化物で糖毒から解放→体調が良くなり、気分も安定→気力が充実してきて意欲がでる→運動をしたいと思うなど活動的になる、です。

豪の結果は、まるで禁煙中でまだ成功していないニコチン中毒の人みたいですね。1年も低炭水化物なら、炭水化物中毒から離れられて、いらいらしたりしなくなると思うのですけど。

以下、記録です。

H19.5会社の健康診断 体重86.2kg 血糖値98
  (血糖が高めに出ると知ってたので、昼食を抜いて血液検査を受けました…)
H19.8頃、甲状腺で定期通院している医院で血液検査の結果、A1cが6を越えたと連絡あり。
H19.12頃から玄米・雑穀中心に。
H20.1定期健診 体重82~4Kg位 血糖155 A1c5.7
  (もし負荷試験をすると、間違いなく境界型になるだろうと言われました…
   このころからいい加減ながら糖質制限をはじめています。)
H20.5定期健診 体重78kg位 血糖94 A1c5.4
  (昼食もきちんと食べて、食後2時間くらいの血糖値です)
H20.7会社の健康診断 体重77.5kg A1c5.6
H20.10定期健診 体重76kg位 血糖105 A1c5.2
H20.12定期健診 体重78kg位 血糖96 A1c5.5
  その後、体重は78kgくらいでそのまま安定。

血糖値も良くA1cが5.5前後のままであることから、以後血液検査で血糖値は対象から外れました。
H21.6から、運動(登山)をはじめました。筋力もまるでなく、ディスクワークの仕事なので、普通の人よりは、まだ体力がないです。でも有酸素運動をしているせいか、体重がまた減り始めました。おかげで運動も楽しくなります。
H21.7会社の健康診断で、体重74kg、A1c5.4に、そして現在は体重72~71kgをうろうろです。

糖質制限をはじめて迎えた夏のH20の会社の健康診断では、A1c5.6とコレステロール高く再検査でしたが、今年の健康診断ではひとつも引っかかりませんでした。(BMIは相変わらず高いですが><)

長文でゴメンナサイ!
2009/11/13(Fri) 20:24 | URL | ポンちゃん」


「09/11/24 ケイ
精神力
いつも拝見しています。ケイです。
昔からアガリ症で、人前で話すのが苦手でしたが、糖質制限食を始めてから、性格が穏やかになり、めったに緊張することがなくなりました。ストレスに強くなり、精神的にいつもフラットな状態です。血糖値と精神状態は関係あるのでしょうか?糖質制限食を始めてから社交的になり、仕事がうまくいっています。

では。」


ポンちゃん、ケイさん
嬉しいコメントありがとうございます。
とても参考になります。

さて長くなりました。
オーストラリアの研究への直接の批判は次回に・・・。


江部康二

テーマ:糖質制限食
ジャンル:ヘルス・ダイエット
コメント
アポトーシス
江部先生こんばんはですo(^-^)o昨日は職場の忘年会で(少し早いですが(οдО;))自分が幹事ということもあり、イタリアンのお店をチョイスしました(*/ω\*)コース料理で糖質制限しやすく、みんなも自分も満足できる忘年会になりましたo(^-^)o
ところで、先生にお聞きしたいことがありまして、恐縮でありますが質問させていただきますm(__)m
糖尿病における、β細胞のアポトーシス亢進ということを自分なりに調べてはみたのですが、どうにも詰まってしまいました(/_\;)記述からは身体が脂肪を大量に貯蓄しようとするインスリンを敵とみなし、β細胞自身の自然死を促す(・・?)と解釈したのですが、アポトーシスが一旦始まった場合その細胞は不可逆としても、まだアポトーシスの始まっていない細胞は大丈夫なのでしょうか(・・?)それとも、細胞の一部だけでアポトーシスが発生すると、その他のβ細胞も感染するようにアポトーシスの開始と、亢進がゆるやかに起こってしまうのでしょうか?拙い文章ではありますが江部先生お願いしますm(__)m
2009/11/26(Thu) 18:35 | URL | 蝶々 | 【編集
Re: アポトーシス
蝶々さん。


「アポトーシスが一旦始まった場合その細胞は不可逆としても、まだアポトーシスの始まっていない細胞は大丈夫なのでしょうか(・・?)それとも、細胞の一部だけでアポトーシスが発生すると、その他のβ細胞も感染するようにアポトーシスの開始と、亢進がゆるやかに起こってしまうのでしょうか?」

感染とは違いますから、アポトーシスの始まっていない細胞は大丈夫です。

①インスリンの過剰分泌が続き限界を超えるとβ細胞がアポトーシスを起こします。
②高血糖そのものが活性酸素を発生させ、β細胞のアポトーシスを生じます。

ということは糖質を摂取することが
①②を生じ悪循環します。

2009年10月29日 (木) のブログ「疲弊したβ細胞と糖質制限食」もご参照ください。
2009/11/26(Thu) 20:11 | URL | 江部康二 | 【編集
これはあかんやろ、のカテゴリーづけに先生の意気込みを感じます。本格的反論を期待してます。
2009/11/26(Thu) 20:27 | URL | もんち | 【編集
アポトーシス
インスリンの過剰分泌と高血糖による活性酸素が引き金になるのですね( ̄□ ̄;)!!連鎖的にアポトーシスが進行していくものなのかと心配してしまいましてて(/_\;)
先生回答ありがとうございますm(__)m糖質制限でアポトーシスの始まっていない細胞を大事にしていきたいと思います(≧ω≦)
2009/11/26(Thu) 20:50 | URL | 蝶々 | 【編集
糖質制限食で
自分も糖質制限食にしてから、毎日の生活が楽しくなりました。体調がよくなり、生き生きしているような気がします。
また、運動も前はやろう!という気が起きませんでしたが、今は進んでやるようになりました。

このブログで見た、運動前にナッツ類を食べると、運動も楽しくできますね!
2009/11/26(Thu) 23:55 | URL | てつ | 【編集
ターザンの記事
tarzanの「元気になる食べ物」で、「低糖質ダイエットの危険性」について、今まであまり見たことのなりような、神経物質などに関する範囲まで掲載されていて、読んだら不安になってしまいました。

例えば、
「集中力や記憶力・学習能力などを高めるために必要な神経伝達物質を作る助けをするのは糖質である。」
という事が掲載されていて、セロトニンなどの神経物質の多くはアミノ酸から作られ、これを脳へ効率よく取り込むのに糖質が必要、という事が掲載されていました。

また、記憶に必要なアセチルコリンの濃度をあげるのにも糖質が必要、など、いろいろと気になる事が書かれていました。

糖質の摂取について、数ページ割かれており、これを読んだ方は、一生懸命糖質を摂る事になるんだろうな~、と思いました。

先生はご覧になりましたか?

http://www.amazon.co.jp/Tarzan-%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%B6%E3%83%B3-2009%E5%B9%B4-11-11%E5%8F%B7/dp/B002S4RLUS/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=books&qid=1259249609&sr=8-2
2009/11/27(Fri) 00:44 | URL | もも | 【編集
OH!NOーーー
先生肉はやっぱり週500gぐらいですか?その二倍は食べてますいやそれ以上かも糖質が低いし好物なんですしかし肉好きタレント肉好き本何冊かを出しているネイチャーGさんはなんと脱腸になったそうです肉の摂りすぎでありえることならば肉摂取量見直します本には肉の摂りすぎで脱腸になったとあるんですが有り得る事なんでしょうか?
2009/11/27(Fri) 05:14 | URL | 通りすがり | 【編集
赤ら顔
いつも先生のブログ 楽しみにして拝見しています。先生の更新の素晴らしさ関心してしまいます。私も糖質制限1年になりますが、体調は良いですし鬱などないし 一番は肌が前は少しの温度変化で赤ら顔になっていたのが ならなくなりました。しばらくぶりに会った友達からも肌が奇麗になったと必ず言われます。自分でも自覚できます。それと前は蚊に刺されるとずーと跡が残り色が変わったりして汚くなっていたのが ふと 気がつくと今まで跡が残ってたのが薄くなって 治ってきています。こういう事は今までに無かった事です。今のところ私にとって糖質制限は良い事ばかりです。体重が減らなくなったのが…もう少し減らしたいんですが・・・たまーに 少しご飯口にしたりしたら あっという間に糖がおりて、ああ まだまだ 口にしたらいかんのだって 反省しています。私もお肉は凄く食べます。朝からバンバン食べますが 今のところ中性脂肪 コレステロールなども 全て平均値に下がり あれだけお肉食べてても 以前よりずっと 数値が良いです。これからも 努力していきます。先生のブログにどれだけ助けられ 励まされてきた事か~ありがとうございます 感謝!
2009/11/27(Fri) 06:44 | URL | まる子 | 【編集
Re: ターザンの記事
もも さん。

ターザン

「そのカギは「脳の唯一の栄養である糖質と、その賢い摂り方」にあり」

最初から間違ってますね。
脳はケトン体も利用します。

また糖質を摂取しなくても、肝臓がアミノ酸やグリセロールから、ブドウ糖を作りますので
低血糖にはなりません。

必須アミノ酸と必須脂肪酸はありますが、必須糖質はありません。
2009/11/27(Fri) 15:26 | URL | 江部康二 | 【編集
Re: OH!NOーーー
通りすがりさん。

それはちょっと考えられません。
米国人は、毎日300gくらい以上はは平気で食べているのではないでしょうか。
2009/11/27(Fri) 15:27 | URL | 江部康二 | 【編集
なるほど!因みにWikiによるとネイチャーG氏年間焼き肉屋だけで150万使うみたいです…G氏によると「野性動物は案外鈍感」「野犬と日本刀で五分五分」思わず茶吹いたーです、不覚にも笑たです、関係ない話すまません。
2009/11/27(Fri) 16:18 | URL | 通りすがり | 【編集
Re: タイトルなし
通りすがりさん。

2005年の統計で
米国では肉類として、1日に256.7g 摂取です。
日本では肉類として、1日に95.3g 摂取です。

肉類には、牛・豚・鳥・・・すべてが含まれていると思います。
米国人は牛肉が圧倒的に多いと思います。
2009/11/27(Fri) 20:07 | URL | 江部康二 | 【編集
お礼
江部先生

この度は、オーストラリアの文献への反論を長きにわたり頂き有難うございました。小生も性格が穏やかになっているような気が致します。安心しました。
お礼申し上げます。
2009/11/28(Sat) 17:50 | URL | まー | 【編集
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