2009年11月13日 (金)
こんばんは。
アラキドン酸、必須脂肪酸について飯山忍さんから、わかりやすいコメントをいただきました。
「09/11/12 飯山忍
あらきどん
りんりんさん>
はじめまして。ちょっと誤解されているようなので訂正させてください。
アラキドン酸は「必須脂肪酸」のひとつです。厳密に言えばリノール酸からの代謝で作れるので、完全な必須ではありませんが、皮膚をきれいに維持したり細胞を健康に保つために、なくてはならない栄養素です。
ただ、その代謝経路(アラキドン酸カスケードと言います)の中でプロスタグランジンE2と言う物質になり、こいつが『多すぎる』と炎症を起こしたりするので、控えましょうって言うことです。
先生もお書きのように、日本人には植物性油脂信仰が強いので、アラキドン酸やリノール酸は決して不足はしないと思います。
ちなみに、牛脂にはアラキドン酸に変化するリノール酸は3.7%含まれており、アラキドン酸そのものはゼロです。
ラードはリノール酸が9.8%アラキドン酸は0.1%ですね。
ちなみに植物性油の代表格、大豆油やコーン油にはリノール酸が50%以上含まれていて、これはその代謝経路の中でアラキドン酸に変化します。
また、牛脂やラードにはオレイン酸が45%程度、大豆油やコーン油には25~30%含まれています。
アラキドン酸は、いわゆるn-6系多価不飽和脂肪酸で、動物性油脂に含まれるステアリン酸などの飽和脂肪酸からは合成されません。
合成と言うか代謝でアラキドン酸が生成されるのは同じn-6系多価不飽和脂肪酸で、植物性油脂に多く含まれるリノール酸からなんですよ。
くれぐれも動物性油脂悪者説というか、植物性信仰の罠にはまらないでくださいね。」
飯山忍さん。
適切なコメントありがとうございます。
ご指摘通り、厳密な必須脂肪酸はリノール酸とα-リノレン酸だけですね。この2つは、人体で作れないので、食事から摂取することが必須です。
<リノール酸→γリノレン酸→アラキドン酸>(体内で合成)
<α-リノレン酸→EPA→DHA>(体内で微量は合成)
このようにアラキドン酸、EPA・DHAは体内で合成されますが、ゆるい基準では、アラキドン酸、EPA・DHAも必須脂肪酸にいれることがあります。
現在の日本人の食生活では、「リノール酸の過剰摂取→アラキドン酸の過剰」となっています。
従って、摂取は控えた方がいいです。
一方、α-リノレン酸は摂取不足気味ですので、体内で作られるEPA・DHAも不足気味です。EPA・DHAはマグロ・ハマチ・サバ・タイ・サンマ・イワシ・・・、などお魚にたくさん含まれています。しっかり魚を食べてEPA・DHAを補給しましょう。
α-リノレン酸は紫蘇油やエゴマ油、緑の濃い野菜に含まれています。
α-リノレン酸→EPA→DHA
というルートはありますが、生産能力はぼちぼちなので、直接、魚からEPA・DHAを摂取する方が、はるかに効率がいいです。
EPA・DHAに共通する働きとして中性脂肪の低下と血小板凝集の抑制があります。EPAには血液サラサラ作用があり、DHAには脳代謝の賦活作用などがあるようです。
結論です。
リノール酸摂取を減らしてオリーブオイル(オレイン酸)、α-リノレン酸、EPA・DHAをしっかり摂取しましょう。
江部康二
アラキドン酸、必須脂肪酸について飯山忍さんから、わかりやすいコメントをいただきました。
「09/11/12 飯山忍
あらきどん
りんりんさん>
はじめまして。ちょっと誤解されているようなので訂正させてください。
アラキドン酸は「必須脂肪酸」のひとつです。厳密に言えばリノール酸からの代謝で作れるので、完全な必須ではありませんが、皮膚をきれいに維持したり細胞を健康に保つために、なくてはならない栄養素です。
ただ、その代謝経路(アラキドン酸カスケードと言います)の中でプロスタグランジンE2と言う物質になり、こいつが『多すぎる』と炎症を起こしたりするので、控えましょうって言うことです。
先生もお書きのように、日本人には植物性油脂信仰が強いので、アラキドン酸やリノール酸は決して不足はしないと思います。
ちなみに、牛脂にはアラキドン酸に変化するリノール酸は3.7%含まれており、アラキドン酸そのものはゼロです。
ラードはリノール酸が9.8%アラキドン酸は0.1%ですね。
ちなみに植物性油の代表格、大豆油やコーン油にはリノール酸が50%以上含まれていて、これはその代謝経路の中でアラキドン酸に変化します。
また、牛脂やラードにはオレイン酸が45%程度、大豆油やコーン油には25~30%含まれています。
アラキドン酸は、いわゆるn-6系多価不飽和脂肪酸で、動物性油脂に含まれるステアリン酸などの飽和脂肪酸からは合成されません。
合成と言うか代謝でアラキドン酸が生成されるのは同じn-6系多価不飽和脂肪酸で、植物性油脂に多く含まれるリノール酸からなんですよ。
くれぐれも動物性油脂悪者説というか、植物性信仰の罠にはまらないでくださいね。」
飯山忍さん。
適切なコメントありがとうございます。
ご指摘通り、厳密な必須脂肪酸はリノール酸とα-リノレン酸だけですね。この2つは、人体で作れないので、食事から摂取することが必須です。
<リノール酸→γリノレン酸→アラキドン酸>(体内で合成)
<α-リノレン酸→EPA→DHA>(体内で微量は合成)
このようにアラキドン酸、EPA・DHAは体内で合成されますが、ゆるい基準では、アラキドン酸、EPA・DHAも必須脂肪酸にいれることがあります。
現在の日本人の食生活では、「リノール酸の過剰摂取→アラキドン酸の過剰」となっています。
従って、摂取は控えた方がいいです。
一方、α-リノレン酸は摂取不足気味ですので、体内で作られるEPA・DHAも不足気味です。EPA・DHAはマグロ・ハマチ・サバ・タイ・サンマ・イワシ・・・、などお魚にたくさん含まれています。しっかり魚を食べてEPA・DHAを補給しましょう。
α-リノレン酸は紫蘇油やエゴマ油、緑の濃い野菜に含まれています。
α-リノレン酸→EPA→DHA
というルートはありますが、生産能力はぼちぼちなので、直接、魚からEPA・DHAを摂取する方が、はるかに効率がいいです。
EPA・DHAに共通する働きとして中性脂肪の低下と血小板凝集の抑制があります。EPAには血液サラサラ作用があり、DHAには脳代謝の賦活作用などがあるようです。
結論です。
リノール酸摂取を減らしてオリーブオイル(オレイン酸)、α-リノレン酸、EPA・DHAをしっかり摂取しましょう。
江部康二
「我ら糖尿人、元気なのには理由(ワケ)がある。」を今年の9月7日に手に取り、読み、理屈に納得し、そして今日まで糖質制限食を自分なりに実践し、今日の病院での検査でヘモグロビンA1cが5.7となり、主治医から糖尿の薬を飲まなくともよいとなりました。
1ヶ月間薬を飲まなかった事を告げると、主治医は5.7まで下がったのには、驚いていました。だだ、糖質制限食を理解していないようで、体重減が血糖の状態をよくしたと思っているようです。
2007年9月から糖尿治療開始(アマリール)(A1c7.3)
2009年8月15日 6.5
9月7日より糖質制限食開始
9月19日 6.2
10月17日 5.9(自主的に糖尿の薬を飲みませんでした)
11月14日 5.7
この本と出合わなかったらと思うとゾッとしています。これからも糖尿人として糖質制限食を楽しく実践していきます。ありがとうございました。
1ヶ月間薬を飲まなかった事を告げると、主治医は5.7まで下がったのには、驚いていました。だだ、糖質制限食を理解していないようで、体重減が血糖の状態をよくしたと思っているようです。
2007年9月から糖尿治療開始(アマリール)(A1c7.3)
2009年8月15日 6.5
9月7日より糖質制限食開始
9月19日 6.2
10月17日 5.9(自主的に糖尿の薬を飲みませんでした)
11月14日 5.7
この本と出合わなかったらと思うとゾッとしています。これからも糖尿人として糖質制限食を楽しく実践していきます。ありがとうございました。
2009/11/14(Sat) 12:26 | URL | 北の熊 | 【編集】
北の熊さんのコメントを見て私の経過と全く同じだと思いました。
そして、江部先生への感謝の気持ちが益々高まった上に、もっと早く先生のブログに出会えていたら、ここまで苦しまなくても良かったのにと思っても、過ぎ去った日は帰ってきません。
しかし、私のかかる医師は、Hba1cが5.6、5.5と2ヶ月続いても未だに血糖降下剤を処方し続けます。
糖尿病が得意だと言う過信が災いしているのか、もしかしたら糖尿病治療法を理解していない医師なのかもしれませんね。
悪く取ると、処方した方が金になるとでも思っているのかな???
何はともあれ、Hba1cが5.5まで下がったのだから江部先生の糖質制限食を続けます。
1日も早く、日本糖尿病学会でも取り入れられる日が早くなれば、私のように末梢神経障害を始めとする合併症に悩む人が少なくなるのですから、日本糖尿病学会関係者の自覚を祈っています。
そして、江部先生への感謝の気持ちが益々高まった上に、もっと早く先生のブログに出会えていたら、ここまで苦しまなくても良かったのにと思っても、過ぎ去った日は帰ってきません。
しかし、私のかかる医師は、Hba1cが5.6、5.5と2ヶ月続いても未だに血糖降下剤を処方し続けます。
糖尿病が得意だと言う過信が災いしているのか、もしかしたら糖尿病治療法を理解していない医師なのかもしれませんね。
悪く取ると、処方した方が金になるとでも思っているのかな???
何はともあれ、Hba1cが5.5まで下がったのだから江部先生の糖質制限食を続けます。
1日も早く、日本糖尿病学会でも取り入れられる日が早くなれば、私のように末梢神経障害を始めとする合併症に悩む人が少なくなるのですから、日本糖尿病学会関係者の自覚を祈っています。
2009/11/14(Sat) 18:25 | URL | 飯坂 | 【編集】
北の熊さん。
アマリール中止されても
素晴らしい改善ですね。
はれて薬なしで、美味しく楽しく糖質制限食お続け下さいね。
アマリール中止されても
素晴らしい改善ですね。
はれて薬なしで、美味しく楽しく糖質制限食お続け下さいね。
2009/11/15(Sun) 10:26 | URL | 江部康二 | 【編集】
悩めるSW さん。
90才とご高齢ですので
お好きに食べて頂けばいいのではないでしょうか?
インスリンを打ってもよいと思いますよ。
糖質制限食にも拘らず、
余生を美味しく楽しく過ごしていただけばいいのでは・・・
HbA1cも、90才の方の定説はないと思います。
90才とご高齢ですので
お好きに食べて頂けばいいのではないでしょうか?
インスリンを打ってもよいと思いますよ。
糖質制限食にも拘らず、
余生を美味しく楽しく過ごしていただけばいいのでは・・・
HbA1cも、90才の方の定説はないと思います。
2009/11/15(Sun) 18:30 | URL | 江部康二 | 【編集】
NGO日本食品油脂安全性協議会の会長、名古屋市立大学名誉教授の奥山治美さんの「本当は危ない植物油-その毒性と環境ホルモン作用」という本を読んでいます。
最悪なのは、必要もないのに過度に投与されるコレステロール低下剤といっておられます。
製薬業界の利益追求のためにデータの改ざん・隠蔽がされていること。
また、学術論文で油脂について警鐘ならしても、産業界は無視を決め込んでいるとも。
そこで、できることは自己防衛だといいます。少しでもよい油脂を選んで食卓に出してほしいといっています。
日本食品油脂安全性協議会の油脂食品推奨基準では、推奨されないものとして6項目中、部分水素添加の植物油脂(トランス脂肪酸含有にかかわらず)がありました。
きのうも買い物に行ったスーパーでマーガリンが売っていましたが、当然トランス脂肪酸のことはどこにも表示がありません。
植物油が健康にいいという宣伝文句につられて疑わないで、安いから買っていく、知るまでは自分もそんな一人でした。
テレビばかり見ているとこういうことはぜったい報道されません。スポンサーつきですから。
やはり、ネットで調べて、本を読んで自己防衛しなくてはいけないと思います。
最悪なのは、必要もないのに過度に投与されるコレステロール低下剤といっておられます。
製薬業界の利益追求のためにデータの改ざん・隠蔽がされていること。
また、学術論文で油脂について警鐘ならしても、産業界は無視を決め込んでいるとも。
そこで、できることは自己防衛だといいます。少しでもよい油脂を選んで食卓に出してほしいといっています。
日本食品油脂安全性協議会の油脂食品推奨基準では、推奨されないものとして6項目中、部分水素添加の植物油脂(トランス脂肪酸含有にかかわらず)がありました。
きのうも買い物に行ったスーパーでマーガリンが売っていましたが、当然トランス脂肪酸のことはどこにも表示がありません。
植物油が健康にいいという宣伝文句につられて疑わないで、安いから買っていく、知るまでは自分もそんな一人でした。
テレビばかり見ているとこういうことはぜったい報道されません。スポンサーつきですから。
やはり、ネットで調べて、本を読んで自己防衛しなくてはいけないと思います。
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