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コレステロール値が高い方が長生き。信頼度の高い研究で証明。
こんばんは。
新型コロナウイルス感染症の位置づけは、これまで、「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」でしたが、
令和5(2023年)年5月8日から「5類感染症」になりました。
これを受けて、糖質制限食の講演会も、ぼちぼち再開しています。
講演会で必ずといっていいほど質問されるのが、「コレステロール」のことです。
今回は、コレステロールについて、復習しようと思います。

浜六郎医師の「薬のやめ方」辞典(三五館、2017年)を
読み返しました。
コレステロールに関してもう一度、勉強しようと思ったのです。

同書
第4章 コレステロールは気にしない P85
下げる必要はまったくない


P86,P87
「コレステロール値が高い人の方が低い人よりも長生きであり、下げる必要はまったくありません。」
と、明確に記載してあります。
勿論、根拠はしっかりと示されています。

2016年6月に発表された信頼度の高い研究(☆)で、このことが証明されたのです。
この論文、一部の調査をみて結論をだすのではなく、一定の条件を満たす研究を、
できるだけ多く総当たりで集めて検討した『システマティック レビュー』ですので
エビデンスレベルは一番上です。

以下、同書の87ページより引用です。
【この研究は、60歳以上の人を対象にし、LDLコレステロールの値でわけて
その後の総死亡の危険度を報告した研究を総当たりして分析したものです(☆)。
2016年6月に出版された最新の調査結果です。この研究は「英国医師会雑誌」の
オープンアクセス版(BMJ OPen)のサイトによれば、発行以来、5ヶ月間もっとも
よく読まれた記事であり続けたという、きわめて重要な論文です。】


この『システマティック レビュー☆』の結論は
『コレステロール値が高い人の方が低い人よりも長生き』ということです。


「日本脂質栄養学会、コレステロールガイドライン策定委員会」監修の「長寿のためのコレステロールガイドライン2010年版」
(中日出版社)が2010年9月に出版されました。
2014年には、続「長寿のためのコレステロールガイドライン」が、刊行されました。

2007年改訂の日本動脈硬化学会のガイドラインでは、「LDLコレステロール140mg/dl未満」が目標数値です。
その後も2019年現在まで、
病院ではLDLコレステロール140mg/dl以上は、高LDLコレステロール血症と診断されます。

日本動脈硬化学会は、『 総コレステロールやLDLコレステロールは、低ければ低いほどいい』という見解です。
一方、「脂質栄養学会、コレステロールガイドライン策定委員会」監修のガイドラインでは、
「 総コレステロール値あるいはLDLコレステロール値が高いと、 日本では総死亡率が低下する。」
つまり、
脂質栄養学会は『総コレステロール値やLDLコレステロール値は、高い方が日本では長生き』としています。
2010年後半、日本脂質栄養学会と日本動脈硬化学会の間で、コレステロール論争が持ち上がったのは記憶に新しいところです。

真っ向から対立する見解なので、患者さんはもとより、現場の医師も戸惑っていると思いますが、
この『システマティック レビュー(☆)』 により、欧米でも日本でも
『コレステロール値が高い人の方が低い人よりも長生き』 という結論が導かれると思います。


(☆)
Cardiovascular medicine Research
https://bmjopen.bmj.com/content/6/6/e010401
Lack of an association or an inverse association between low-density-lipoprotein cholesterol and mortality in the elderly: a systematic review
日本人の死因と糖質制限食の有効性
こんばんは。

厚生労働省が公表した「人口動態統計月報年計(概数)」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/index.html
によると、2022年度の日本人の死因の順位は、

第1位 悪性新生物(腫瘍)
第2位 心疾患(高血圧性を除く)
第3位 老衰
第4位 脳血管疾患
第5位 肺炎 


となっています。

「老衰」は定義が難しいと思います。
厚労省が刊行している「死亡診断書記入マニュアル」をみると、
老衰は「高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合のみ用いる」死因だとしています。
この時点で、すでに曖昧であり、結局老衰の定義など、あってないようなものですが、
「糖化」「酸化」老化の元凶です。
糖質制限食で、AGEsの蓄積を最小限度にとどめれば、
「糖化」「酸化」は、かなり予防できます。
そうすると、健康寿命が延びて、老化と老衰もあるていど予防できると思います。

残りの疾患を考慮すると、結局がん動脈硬化(心疾患と脳血管疾患)が、
死因の双璧と言っていいでしょう。

生活習慣病型のがんと動脈硬化は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いです。
肺炎も血清アルブミン4.3g/dl以上あれば、予防しやすいのです。
糖質制限食で動物性たんぱく質をしっかり摂取して、
血清アルブミンを増やせば、肺炎も予防しやすくなります。

死因の第6位以下はこうなっています。
第6位 誤嚥性肺炎
第7位 不慮の事故
第8位 腎不全
第9位 アルツハイマー病
第10位 自殺


かつて死因として「糖尿病」が挙げられていたこともありましたが、
2022年度では10位以内には入っていません。

しかし、がん・心疾患・脳血管疾患・認知症には、
かなり色濃く糖尿病が関わっています。
肺炎も糖尿病のコントロールが悪いと重症化して命に関わります。
腎不全アルツハイマー病に関しても糖尿病がおおいに関わっています。

こうみると、日本人の死因トップ10の内、6つに糖尿病が大きく関わっているので、
単独の糖尿病による死亡が順位に入っていなくても、安心できるものではありません。

スーパー糖質制限食実践で、
「血糖コントロール」「インスリン分泌コントロール」「肥満改善」を達成し、
<AGEsの蓄積><酸化ストレスリスク>を減らして、
動脈硬化・がん・老化・アルツハイマー病等を予防して、
楽しい快適な人生を送りましょう。


江部康二
糖質制限食で花粉症が治った。糖化・老化予防に糖質制限食。
【24/03/28 小野々

お疲れ様です

自分は10代半ばあたりから約15年間、糖質制限を継続しているので
老化予防、認知症リスクの軽減が見込めますかね…?

あと気になるのが、糖質制限を開始+ヨーグルトを1日1回摂取、
という生活を10代当時から開始して以降、
それまで毎年苦しんでいた
花粉症がスッパリと発症しなくなったという経緯があります。

糖質制限に花粉症から脱却できる…といった感じの効果ってあるのでしょうか?】



こんにちは。
小野々 さんから、糖質制限食に関してコメント・質問を頂きました。


【自分は10代半ばあたりから約15年間、糖質制限を継続しているので
老化予防、認知症リスクの軽減が見込めますかね…?】


糖質セイゲニストは、一般の人に比べると
AGEs(終末糖化産物)の蓄積が最小限で済みます。
つまり、<糖化⇒老化>が最小限ですんでいるので
老化予防になっていると思います。

認知症の大きなリスク要因が「AGEsの蓄積」 です。
糖質制限食で「AGEsの蓄積」が最小限ですめば、
当然、認知症の予防も可能と考えられます。

以下の緑文字の本ブログ記事を参考にして頂ければ幸いです。
糖質制限食の実践は、老化を抑制する効果あり。
2023年12月21日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6450.html


【あと気になるのが、糖質制限を開始+ヨーグルトを1日1回摂取、
という生活を10代当時から開始して以降、
それまで毎年苦しんでいた
花粉症がスッパリと発症しなくなったという経緯があります。】


それは素晴らしいですね。
糖質制限食は、花粉症、アトピー性皮膚炎、気管支喘息など
アレルギーが関与する疾患の改善・予防にも有効です。

以下の緑文字の本ブログ記事を参考にして頂ければ幸いです。
花粉症と漢方と糖質制限食
2023年02月01日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6199.html


アレルギー疾患以外にも、様々な生活習慣病に糖質制限食が有効です。
糖質制限食が有効な生活習慣病
糖尿病
• メタボリックシンドローム
• 肥満
• 肥満に伴う高血圧
• アトピー性皮膚炎
• 花粉症
• 尋常性乾癬
• 逆流性食道炎
• 尋常性痤瘡(ニキビ)
• 片頭痛
• 機能性低血糖
• 歯周病
• 潰瘍性大腸炎
• 認知症(アルツハイマー病など)
• がん予防


☆生活習慣病とは、その本質は『糖質過剰摂取病』です。
☆糖質制限食が『糖化・酸化ストレス』を防ぎ老化を予防します。
☆1個のがん細胞が、CTなどで発見できる5~10mm径になるのに
 10年~20年かかります。従って、糖質制限食実践して20年を経過したら
新たながんは発生しないので安全圏と言えます。
私は22年間糖質制限食を実践して、足かけ23年間なので、
がんとは無縁と考えられます。

以下の緑文字の本ブログ記事をも参考にして頂ければ幸いです。

早期がん診断時にはすでに10年以上が経過。糖質制限食で予防は?
2023年08月11日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6345.html




江部康二
身体組成について検討してみました。
身体組成(しんたいそせい)
e-ヘルスネット

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-089.html    
【身体組成(しんたいそせい)身体の成分組成のことで、
体脂肪と骨と除脂肪軟組織の三要素に分類される。
体組成とも呼ばれる。
身体は「水分・たんぱく質・脂質・ミネラル」の4つの主要成分で組成され、
「脂肪・骨・除脂肪軟組織」の3要素に分類できます。
これらのバランスが崩れていると
肥満・浮腫・栄養失調・骨粗鬆症などの生活習慣病や
慢性疾患症状が現れてくる可能性があります。
近年では脂肪・骨・除脂肪軟組織などの構成比を
手軽に測定出来る「体組成計」と呼ばれる機械が市販されており、
これらの中には体重や体脂肪だけでなく
基礎代謝や内臓脂肪・筋肉量なども測定出来るものや
各部位毎に測定出来るものなど、
目的に応じて色々なレベルの機種があります。
身体組成を継続的に測定することにより、
より効果的な健康管理ができます。
また様々なエクササイズの成果を数値化し管理することも可能になります。】



こんにちは。
今回は身体組成について、検討してみました。

厚生労働省のe-ヘルスネットによれば、
身体は「水分・たんぱく質・脂質・ミネラル」の4つの主要成分で組成され、
「脂肪・骨・除脂肪軟組織」の3要素に分類できます。

このように、e-ヘルスネッの記載においては、
身体組成の成分には糖質が含まれていません。
実際には、身体組成の成分としての糖質は、1%以下と思われます。
具体的には体重が60kgの男性で、固形成分として、
肝臓のグリコーゲン(約100g)、筋肉のグリコーゲン(約300g)がありますが、
体組成の成分としては、微々たるものですね。
なお、液体成分中のブドウ糖は、
細胞内液のブドウ糖(約40g)と細胞外液のブドウ糖(約20g)があります。

女子栄養大の教科書(パワーポイントスライド)をみても、
糖質は体組成の成分としては無視してあります。

女子栄養大学
解剖・栄養生理学
序論
~解剖・生理学とは~
香川雅春
教科書:第1、3&4章
男性 水分:55~65% 脂肪:15~20% ミネラル:5.8~6.0% タンパク質:16~18%
女性 水分:55~65% 脂肪:20~30% ミネラル:5.5~6.0% タンパク質:14~16%

このように、人体の構成成分を検討してみると、
糖質はほとんど関与していないことが明らかです。
これなら、必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維
食材から摂取することが必要ですが、必須糖質はないというのも納得がいきます。
実際、理論的には必須糖質はゼロです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告でも、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
と明記されています。


次に体組成の中でも、脳の組成を検討してみます。
脳は乾燥重量の約6割弱が脂質、約4割弱が蛋白質、数%がミネラルであり、
体組成に対して、脂質の割合がとても多いです。
神経細胞やグリア細胞の細胞膜成分の割合が大きいので、
結果としてコレステロールやリン脂質が多くなるのです。
リン脂質を構成する脂肪酸の中でも、
脳にはドコサヘキサエン酸(DHA)やアラキドン酸などの多価不飽和脂肪酸(PUFA)が
多く含まれています。

そのため、これらの PUFAs は適切な脳形成に必須の栄養素であると考えられています。

アラキドン酸が多く含まれる食材はまずは「母乳」です。
乳幼児の脳の発達に必須な成分がDHAやアラキドン酸ですが、
さすが母乳ですね。母乳にはDHAも含まれています。
アラキドン酸が多い食材はレバーや肉類、魚類、卵です。
魚には、DHAも多いです。

糖質制限食なら、肉類、魚類、卵をしっかり摂取するので、
乳幼児の脳の発達のためにも、質の良い母乳のためにも好ましい
ですね。


(☆)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/10365996
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits
of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy
Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerste
in MK, Jequier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O,
Uauy R.


江部康二
名医が考えた認知症にならない最強の食事術(宝島SUGOI文庫) 刊行。
こんばんは。
「名医が考えた認知症にならない最強の食事術」の文庫本が出版されました。
2024年3月6日(水)刊行です。

https://www.amazon.co.jp/dp/4299053435/ref
 名医が考えた認知症にならない最強の食事術(宝島SUGOI文庫) 文庫 

2020年6月10日刊行の「名医が考えた 認知症にならない最強の食事術 」単行本を文庫にしたものです。
折角ですから、この4年間の最新情報をしっかり盛り込んであります。
きっと読者の皆さんのお役にたてると思います。以下は文庫本の
はじめにです。

はじめに
私は1974年に京大医学部を卒業しました。
医師になり50年が経過して2024年現在74歳です。
同級生は110人卒業しましたが、10名はすでに逝去されました。
医者の不養生というわけでもないのですが、
仕事上の重責とか毎日のようなサービス残業とか、
精神的にも肉体的にもかなりストレスフルなのがこの職業なので、
医師は思った以上に短命なのです。 

岐阜県保険医協会が実施した調査(2008~2017年)で、
開業医の死亡時平均年齢が70.8歳と短く、
特に60歳代の死亡割合が34%と最も多いことが明らかになりました。
厚生労働省の統計にある死亡時平均年齢(2015年)は、
男性が77.7歳、女性が84.3歳であり、明らかな差がありました。

日本人全体の死亡割合では80歳代がピークであり、
医師の60歳代がピークというのはいかにも若すぎます。 
さてこのように医師は短命という事実もあり、
4年に1回オリンピックの年に開催していた同窓会を、
誰がいつ死ぬかわかならいということで近年は2年に1回と改めました。

数年前の同窓会で、「一番なりたくない病気は何?」という話題となりましたが、
約60名の出席者全員が「アルツハイマー病(認知症)」ということで一致しました。
認知症の患者とその予備軍は65歳以上では4人に1人もいます。 
認知症は、日本のような高齢化社会におけるもっとも重要な疾患の一つです。
2012年現在わが国には約 462 万人の認知症患者が存在し、
さらに認知症予備軍と考えられる軽度認知障害の高齢者が
約 400万人もいます。
軽度認知障害 は、認知症への進行リスクが高く、
該当者は年率 10 ~15% で認知症に進行するとされています。 

現代医学において認知症の根治につながる治療法はありません。
したがって可能な限り早期に認知症および 軽度認知障害を発見し、
なんらかの介入を行い、進行を止める、
あるいは症状を改善させることが求められます。 

認知症との関連で注目されている物質に AGEs(終末糖化産物)があります。
AGEs については本文で詳しく説明します。
AGEs は、糖尿病合併症(透析、切断、失明など)の元凶と考えられてきましたが、
近年糖尿病のみでなく、動脈硬化進展の主役の一つとされ、
老化、認知症、慢性炎症(74ページ参照)、
腎不全などにも関与していることが判明しました。 
糖尿病患者では AGEsの増加とともに
認知症あるいは軽度認知障害へ移行することが知られています。

一方、糖尿病でない人も皮膚AGEs の蓄積量と軽度認知障害とに関連があることが判明しました。
皮膚にAGEsが蓄積していれば脳にも同様に蓄積しているということです。 
このようにAGEsの蓄積が認知症に関与していることが
明らかとなっていますが、本書でご紹介する食事術なら、
AGEsの蓄積を最小量におさえることが可能なのです。

この食事術は、1999年、高現在私が理事長を高雄病院が
日本で初めて糖尿病治療に導入したもので
糖質を可能な限り制限する食事療法です。

近年糖尿病以外にもさまざまな生活習慣病に
効果があることが明らかとなっています。
2019年4月、米国糖尿病学会は、
「糖質制限食は最も研究されている食事パターンの1つである」  と明言し、
一推しで推奨しました。
この糖質制限食実践は早ければ早いほどいいです。

軽度認知障害の段階で糖質制限食を実践すれば、
認知症への進行を予防でき、症状が改善し正常に戻ることも期待できます。
なにしろ、アルツハイマー病を発症したあと、
「スーパー糖質制限食」の実践で一週間足らずで
正常に戻った方さえおられるのです(36ページ参照)。 

40代、50代から糖質制限食を実践していれば、
軽度認知障害のリスクを軽減でき、健康長寿が約束されます。
さらに早期の20代、30代から糖質制限食を実践すれば、
糖化に伴う老化が予防できます。 

読者の皆さんが健康長寿を達成されるよう、本書および糖質制限食がお役に立てれば幸いです。


江部康二
HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)に関する考察。
こんにちは。
今回の記事は、HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)に関しての考察です。

HbA1c
正常値 6.0%未満
糖尿病予備軍 6.0%~6.4%
糖尿病の可能性が高い 6.5%~


<HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)>
HbA1c(ヘモグロビン・エイワンシー)
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、鉄を含む赤色の色素部分のヘムと、
蛋白部分のグロビンでできています。
ヘモグロビンはグロビン部分の違いによりHbA、HbA2、HbFの3種類に分けられます。
成人では、HbAが97%を占めています。

血液中には、赤血球や糖類やその代謝産物が流れていて、
お互いに結合する傾向があります。
赤血球中のヘモグロビンと、血中のブドウ糖など単糖類が結合したものが、
グリケーティッドヘモグロビンです。

これを略してグリコヘモグロビンですが、HbA1とほぼ同義語として使用されています。
グリコヘモグロビンは、元のヘモグロビンとは電気的性質が異なるため、
検査により識別することができます。

HbA1は、さらにHbA1a、HbA1b、HbA1cなどに分けることができます。
このうち糖尿病の検査の指標として汎用されているHbA1cは、
ヘモグロビンA(HbA)にグルコース(ブドウ糖)が結合したものです。
当然、血糖値が高値であるほど、ヘモグロビンと結合しやすいのです。

HbA1cの生産量は、Hb(ヘモグロビン)の寿命と血糖値に依存します。
赤血球は骨髄で作られ、血液中を循環し寿命は約120日間ですから、
HbA1cは過去4ヶ月(120日間)の血糖値の動きを示しています。

より詳しく分析すると、HbA1c値の約50%は過去1ヶ月間の間に作られ、
約25%が過去2ヶ月、残りの約25%が過去3、4ヶ月で作られます。

従いまして、HbA1cの値は通常は、
過去1、2ヶ月の平均血糖値を反映していると考えればよいことになります。

血糖値は、空腹時や食後で変動するのに対し、
HbA1cはそれらにほとんど影響を受けないという特徴があります。
すなわち、血糖値は常に変化していますが、HbA1cは血中濃度が安定しています。

<HbA1cが実態より低値を示す場合>
溶血性貧血、腎性貧血など、赤血球の寿命が短縮するような病態のときは、
HbA1cの生産量がその分蓄積されずに減りますので、実際の値よりも低くなります。
肝硬変に伴う脾機能亢進による貧血も赤血球の寿命が短縮します。

鉄欠乏性貧血が鉄剤投与により急速に回復している時期も、
幼弱赤血球が増えて、赤血球の寿命が短くなり、HbA1cは低値となります。

糖尿病腎症から透析になった糖尿人の場合は、
腎性貧血で赤血球の寿命が短くなっているので、
見かけ上はHbA1cが改善して、低下したようにみえますが、
実態を反映していないことになります。

それで日本透析医学会では透析患者の血糖指標としては、
グリコアルブミン(GA)を推奨しています。

血液中のタンパク質の一種であるアルブミンに
ブドウ糖がくっついたものをグリコアルブミン(GA)といい、
GAは、約2週間の血糖状態をもっとも鋭敏に反映すると言われています。

そして、アルブミンは赤血球の寿命とは無関係なので、
貧血にも影響されないので、日本透析医学会が推奨しているわけですね。

<HbA1cが実態より高値を示す場合>

鉄欠乏性貧血の場合、鉄不足で貧血があり未治療のときは、
代償性に赤血球の寿命が延びるので、
HbA1cは寿命が延びた分蓄積して、高値にシフトします。

妊婦においては、妊娠の進行とともに胎児の鉄需要が増加しますが、
それに供給が追いつかず、しばしば鉄欠乏性貧血が生じます。
そのとき、代償的に赤血球寿命が延びて、
血糖と結合するヘモグロビンの量が相対的に増えます。
結果として、妊娠中、特に妊娠後期には、
HbA1cが偽高値をとることが知られています。
従って妊娠中の血糖コントロールの指標は
HbA1cではなく、グリコアルブミン(GA)が推奨されています。
「GA15.8%未満」をめざして妊娠中の血糖管理をします。


<HbA1cが異常値な場合に疑われる病気>

高値…糖尿病、異常ヘモグロビン血症、未治療の鉄欠乏性貧血など
低値…溶血性貧血、、腎不全、肝硬変、インスリノーマ(膵島線種)など


江部康二
ケトン体と脳と低血糖
こんにちは。
今回は、『ケトン体と脳と低血糖』について考察してみます。

脳のエネルギー源はブドウ糖とケトン体です。
脳のエネルギー源はブドウ糖だけと信じてる人は、
さすがに大分減ってきたと思います。

それでは、ケトン体が十分産生できていて、
脳のエネルギー源となっている場合は、
血糖値が低下したとき(60mg/dl以下)でも、
いわゆる低血糖症状はでないのでしょうか?

答えは、「yes、低血糖症状はでない。」です。
血中総ケトン体値が3000~4000μmol/L以上のレベルであれば、
脳のエネルギー源はケトン体だけでも賄えると思われます。

私が初めて本断食(カロリーゼロ、塩分ゼロ、水摂取のみ)を3日間行ったとき、
4日目朝の空腹時血糖値は、35mg/dlでした。
1984年、34才の時のことです。

断食前は普通に糖質を摂取していましたし、初めての断食なので、
肝臓の糖新生があまり上手くできていなかったのでしょう。
またスーパー糖質制限食でも30~60g/日の糖質を摂取しますが、
断食の場合は0g/日の糖質摂取という差もあります。

糖尿病専門医研修ガイドブックには、
低血糖症の定義として、

「低血糖症状があり血糖値60mg/dl以下」

と記載されています。

35mg/dlという検査データは完全な低血糖ですが、
動悸・頻脈・頭痛などいわゆる低血糖症状はなかったので、
厳密には「低血糖症」とは言えないかもしれません。

35mg/dlというのは、普通なら意識不明で昏睡のレベルですが、
断食中は血中ケトン体(脂肪酸の代謝産物)が高値となり、
脳の主エネルギー源となっているので、大丈夫なのです。

実際、ちゃんと外来診察も行っていました。
脳はケトン体をしっかり利用するという事実を34才の本断食当時、
既に自らの人体実験で証明していたみたいです。
脳がケトン体を利用できないならば、私は血糖値35mg/dlのとき、
あの世に旅立っていたはずですね。

低血糖症の症状は、まずは低血糖によって誘発された自律神経系の
変化に基づく反応から始まります。
個人差がありますが60mg/dl~70mg/dl以下になると、
自律神経症状(アドレナリンなどの分泌による症状)が出現します。

自覚症状不安、心悸亢進、動悸
他覚所見:発汗、蒼白、低体温、頻脈、振戦、高血圧、不整脈・・・


次いで血糖値が50mg/dl以下になると、
中枢神経系の機能不全による症状が出現します。

中枢神経機能低下症状

自覚症状:頭痛、かすみ目、複視、異常知覚、嘔気、眠気、倦怠感・・・
他覚所見:錯乱、奇異行動、興奮、譫妄、傾眠、失語、麻痺、痙攣、昏睡・・・

私の血糖値は35mg/dlでしたから、
通常なら、上記の低血糖症状が出現して当たり前なのですが、
基準値よりはるかに高値の血中ケトン体が脳のエネルギー源となって、
低血糖症状から、身体を守ってくれたのです。
ケトン体、とても頼りになる良い奴ですね。

江部康二
ケトン体の体内投与で、ラットの運動能力が向上。人間も同様。
https://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=3119
2023.04.07 NEWS
“ケトン食”で運動による健康維持・増進に期待! ケトン体摂取が、様々な運動パフォーマンスに 短時間で効果を発揮することを証明

研究 産学官連携 びわこ・くさつキャンパス
 立命館大学スポーツ健康科学部の家光素行教授、株式会社坪田ラボ(本社:東京都新宿区)代表取締役社長の坪田一男(慶應義塾大学名誉教授)、大阪ガス株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長 社長執行役員:藤原正隆)などからなる研究チームは、
ケトン体の1つであるβ-hydroxybutyrate(β-ヒドロキシ酪酸)を体内に投与することによって、短時間の最大運動を繰り返し発揮する運動(短時間最大運動)パフォーマンスおよび最大筋力を発揮する運動(筋力系)パフォーマンスが高まることを動物実験にて明らかにしました。
さらに、ケトン体を投与することで、骨格筋内の代謝応答の変化がこれらの運動パフォーマンス向上のメカニズムに関与している可能性を メタボローム解析1にて明らかにしました。
本研究成果は、2023年2月24日(日本時間)に、
米科学雑誌「Medicine & Science in Sports & Exercise」(オンライン版)に掲載されました。


【本件のポイント】

ケトン体投与により、異なる運動パフォーマンス(持久系パフォーマンスと、筋力系パフォーマンスおよび短時間最大運動系パフォーマンス)の一時的な増加効果を動物実験にて検討。
ケトン体は、摂取後速やかに体内に取り込まれ、筋力系パフォーマンスを約9%向上、短時間の最大運動を繰り返し発揮する運動パフォーマンスを約60%向上させることを明らかに。また、短時間の最大運動を繰り返し発揮する運動時の乳酸産生を17%低下させる効果も証明。
ケトン体投与による短時間最大運動系パフォーマンス向上には、骨格筋におけるエネルギー供給能(クレアチンリン酸2やTCAサイクル3の代謝経路)の活性化が関与することを明らかに。
 本研究の結果は、ケトンサプリメントやケトン食(ココナッツオイル、青魚、卵、きのこ類、野菜、海藻類などの糖質を控えて脂肪を増やす食事など)によって、短時間最大運動パフォーマンス(バスケットやサッカー、ラグビーなど)および筋力系パフォーマンス(筋トレなど)を一時的に向上させる可能性を示した知見になります。


 本研究の結果は、ケトンサプリメントやケトン食(ココナッツオイル、青魚、卵、きのこ類、野菜、海藻類などの糖質を控えて脂肪を増やす食事など)によって、短時間最大運動パフォーマンス(バスケットやサッカー、ラグビーなど)および筋力系パフォーマンス(筋トレなど)を一時的に向上させる可能性を示した知見になります。


持久系運動パフォーマンス:7.4%増加
筋力系運動パフォーマンス:9.1%増加
短時間最大運動系パフォーマンス:60.2%増加


詳しくは、
https://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=3119
をクリックして、サイトを覗いてみて頂ければ、幸いです。

持久系運動パフォーマンス:7.4%増加
筋力系運動パフォーマンス:9.1%増加
短時間最大運動系パフォーマンス:60.2%増加

なので、
バスケット、サッカー、ラグビー、筋トレには勿論のこと
テニス、バレーボール、バトミントン、フットサル、卓球、ハンドボール、
陸上、水泳・・・
ほとんどの運動において、パフォーマンスが向上すると思われます。

スーパー糖質制限食を実践中の私の血中ケトン体は、
660~1590μM/L(26~122μM/L)レベルであり
「ケトン体質」になっています。

私は、74歳ですが、
テニスの試合中でも、速歩中でも、まったく息切れはしませんし、
スタミナも充分です。
同年配のテニス仲間は、たいてい、試合中に息切れしていますし、
2試合くらいすると動きが重くなります。
私は、連続で、3試合とか4試合も可能です。
ただかわりばんこにテニスをするので、通常は1試合してしばらく休んで
次の試合です。
空いているときは連続で試合することもあります。

月、火、水、木、金、土と仕事なので、日曜日しかテニスに行けません。
朝は、ブラックコーヒーと生クリーム10cc、昼と夕はスーパー糖質制限食です。
平日は、昼夕の1日2食ですが、 日曜日だけは、朝8時頃、最初の食事をします。
車で30分かけて、テニスクラブに到着して、
午前11時から100分くらい中級コースで練習です。
その後、13時くらいから、ダブルスの試合を3~4試合します。
練習が終わったあと帰る方々は、このあと試合をしますというと、
「すごいスタミナですね!」とびっくりされます。
平日は、約8000歩ですが、日曜日は約15000歩となります。

私の場合、
筋肉のほとんどのエネルギー源は<ケトン体-脂肪酸>システムであり、
<ブドウ糖-グリコーゲン>システムはほとんど利用していないと思います。
それで、スタミナが充分なのだと考えられます。

ともあれ、スポーツをしている人にとって、
スーパー糖質制限食で、運動時のスタミナは大丈夫か?
といった疑問が湧いてくると思いますが、
結論は、『大丈夫』なのです。 (^^)   


江部康二
3年間スーパー糖質制限食を実践中。
【24/03/20 ながやま

江部先生
こんばんは
いつもブログで勉強させていただいております。ありがとうございます。
3年前から、スーパ糖質制限を実行しはじめました。
今日人間ドックの結果が届きました。人間ドックは今回初めてでした。

44才、男性です。
身長 :174.5cm
体重:75.1kg
BMI :24.6

白血球数:43.3
赤血球数:517
ヘモグロビン:15.5
ヘマトクリット:46.2
血小板数:14.2(L)
MCV:89.4
MCH:30
MCHC:33.5

         去年  今年
血圧      130/103 139/90(H)

総コレステロール   218→219
HDLコレステロール 52 → 55
LDLコレステロール  143→ 141
中  性  脂 肪 64 → 51

血   糖 値   129→ 115
  HbA1c - → 6.1 (H)
クレアチニン    0.93→ 0.97
尿 素 窒 素     - → 21.6(H)
  eGFR 71.4 → 67.7
ナ ト リ ウ ム      - → 141.2
カ リ ウ ム       - → 4.46
クロール    - → 102
カルシウム       - → 9.9
無機リン - → 3.7
尿   酸 8.3→9.0(H)
AST(GOT) 20→ 18
ALT(GPT) 26→ 26
γ-GTP 23→19
ALP 67 → 67
LDH - →141
総ビリルビン     - → 1.41(H)
総蛋白        - →7.7
アルブミン      - →5.1
A/G比        - →1.96

今回脳•心臓セットの検査も追加しました。 
MRI :異常なし
MRA:異常なし
頚動脈エコー:左球部に石灰化プラークを認める、
左最大内膜中膜複合体2.0mm、右最大内膜中膜複合体1.2mm、
動脈硬化検査(ABI):両下肢体軽度動脈硬化
心エコー:左室肥大
[心臓超音波検査】左室機能は良好です。
        左室肥大を認めると書いてます。
安静時心電図:正常範囲、
心拍数:65
以上は今回結果です。

血圧と血小板数と尿素窒素とHbA1cは正常値じゃないです。
先生にこれらについてちょっと質問がありコメントさせて頂きました。
3年前からずっと3食ともスーパ糖質制限を実行しています。
でも、空腹血糖値はいつも高いです。
昼食と晩食は全部スーパ糖質制限食です、
食後血糖値は自分で測った時、大体120未満です。
寝る前も血糖値は正常で、
でも、朝起きてからの空腹時血糖値が逆に高くて、なかなか下がらないです。
朝起きて、空腹時血糖値は大体115~128の範囲で、
先生、薬は飲まなくても大丈夫ですか?
HbA1cは高いと言われました、先生、私のは質の悪HbA1Cですか?
血圧も高めで、問題ありますか。
血圧を図る時間は大体何時くらいほうがいいですか。
いつも夜寝る前に測った時、正常値ですが、朝測った時は寝る前より高いです。どっちの値を見たらいいですか。

先生、もう一つ心配なことがコレステロールと心臓・脳の検査(頚動脈エコー、動脈硬化検査(ABI)、心エコー:左室肥大)です。
先生のプログで中性脂肪60以下、HDL-C60以上をクリアしているので、
小粒子LDLは、ほぼ皆無でと書いてます。
私のほうは中性脂肪 51で、HDLコレステロール 55で、
HDL-C60以上をクリアしていないから、ちょっと心配です、
この数値は大丈夫ですか。

また、頚動脈エコー、動脈硬化検査(ABI)、心エコー(左室肥大)について、
先生からみたら、大丈夫ですか。

最後、尿酸のことも心配です。
今回は9です。
今毎日卵とチーズをたべてます。
これと関係ありますか。
薬を飲んだ方がいいですか。

今の食事は大体
朝無糖青汁、低糖パン一つ、
昼には、牛肉野菜炒め、チーズ四つ、卵一つ、豆腐(すこし)、
夜には肉野菜炒め、刺身、ピーナッツバター炒め、ナッツ。

夜、週に2〜3回30分ランニングマシンで運動しています。 
先生、長々と申し訳ございません。
もし、これを御覧になられましたら、アドバイスをいただけると幸いです。】



こんばんは。
スーパー糖質制限食を3年間実践中の中山さんから
コメント・質問を頂きました。


【44才、男性です。
身長 :174.5cm
体重:75.1kg
BMI :24.6】


3年間の糖質制限食である程度、減量されて、BMIが25未満で、肥満脱却ですね。


【血圧  去年:130/103   今年:139/90 】

血圧も、改善しています。
血圧は、朝起きて、排尿したあと測定するのが一番、正確とされています。
家庭血圧の正常値は、最高血圧が135mmHg未満、最低血圧が85mmHg未満です。


【総コレステロール   218→219
HDLコレステロール 52 → 55
LDLコレステロール  143→ 141
中  性  脂 肪 64 → 51
血  糖 値   129→ 115】


中性脂肪が60以下なので、あとはHDL-C60以上を目指しましょう。
HDL-Cを増やすには、<スーパー糖質制限食 + インターバル速歩>
がよいです。
早朝空腹時血糖値が、115mg/dlと改善していますが、
まだ境界型レベルで、暁現象と考えられます。
以下の本ブログ記事をご参照頂ければ幸いです。

暁現象の改善に、インターバル速歩、ながらジョギング。
2023年10月01日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6388.html



【尿酸  8.3→9.0 】

尿酸は食事由来が、約100mgで、体内での産生が約700mgです。
9mg/dlを超えると薬物療法の対象となります。
詳しくは以下の本ブログ記事をご参照頂ければ幸いです。

http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6446.html
血清尿酸値について。糖質制限食との関連は?
2023年12月17日 (日)



【頚動脈エコー:左球部に石灰化プラークを認める】

年に1回は、頸動脈エコーを実施して、経過をみましょう。


【動脈硬化検査(ABI):両下肢体軽度動脈硬化】

血糖コントロール良好を保って、動脈硬化の進行を予防しましょう。


【心エコー:左室肥大
[心臓超音波検査】左室機能は良好です。】


血圧が高いと左室肥大となりますが、
超音波で、左室機能良好なので、心配ないです。


【クレアチニン    0.93→ 0.97
尿 素 窒 素     - → 21.6(H)
  eGFR 71.4 → 67.7】


尿素窒素は、スーパー糖質制限食が、相対的に高タンパク食となるので
上昇することがありますが、46歳で、クレアチニンが正常で、
eGFR:67.7で、60以上なので大丈夫です。


【血小板数:14.2(L)】

Lがついていますが、ごく軽度なので問題ないです。


【HbA1c - → 6.1 (H)】

HbA1cの正常範囲は、
糖尿病治療ガイドライン(日本糖尿病学会)で4.6〜6.2%です。
人間ドック学会ではHbA1cの基準値は5.5%以下とされています。
なかやまさんの、HbA1c:6.1%は、スーパー糖質制限食を実践中なので
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」のない、
質の良いHbA1cなので、5.5以下でなくても大丈夫です。
私も、足かけ23年間、HbA1cは5.6~5.8%です。

人間ドック学会のHbA1cの基準値5.5%以下というのは
糖質を食べている人達の場合で、当然「食後高血糖」「血糖変動幅増大」のある
可能性が高い質の悪いHbA1cです。


江部康二
糖質制限食とスタンス。高雄病院方式と山田悟医師方式。
こんばんは。
私自身は、2002年糖尿病発症以来、
焼酎飲んで、辛口ワイン飲んで、糖質ゼロビール飲んで、肉や魚貝を食べて、卵にチーズに豆腐に野菜・海藻・茸を食べて、
糖質制限チョコ、糖質制限ピザ、糖質制限ケーキ・・・を食べて、
2024年まで、美味しく楽しく、
そしてきっちり長くスーパー糖質制限食を続けてきました。

実に、足かけ23年ですが、私はこの食事がつらくないから、
健康長寿のためにも、がまんすることもなく、今後も末長く糖質制限食を続けようと思います。

しかしながら、人はなかなか弱いものです。
「わかっちゃいるけど、やめられない」人もまた結構おられます。
私の患者さんでも、どうしても糖質がやめられない人もおられます。

私は糖質制限食の先達の医師として、糖尿病患者さんに、
最良の糖尿病食事療法である糖質制限食を説明して、
糖尿病のコントロールの仕方を指導するのがお仕事です。

糖尿病合併症の話もして、
それを防ぐことができるのは糖質制限食だけであることも説明します。
しかし、それを患者さんが受け止めて理解してどう実践するかは、
患者さん自身の仕事であり、私の仕事ではありません。

『馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。』
というイギリスの諺があります。

英語表記では
「You  can  take  a  horse  to  the  water, but  you  can’t  make  him  drink.」
です。
ですから、私は糖質制限食を患者さんに、決して押しつけることはありません。


もちろん高雄病院の
1)スーパー糖質制限食
2)スタンダード糖質制限食
3)プチ糖質制限食

のなかで、
1)が一番効果があることは明らかですのでそれを薦めます。
しかし患者さんによっては、1)ができない人もいます。
そのようなときは、2)でも3)でもいいです。
糖尿人だと、2)は一日一回、食後高血糖を生じ、
3)は一日二回食後高血糖を生じるのでなんといっても、1)がお奨めです。

もっとも、糖質制限食は、やらないよりやった方が、例えどのタイプであれ、
糖尿病学会推奨のカロリー制限食(高糖質食)よりは、はるかにましなのです。
私は、ぬるいかもしれませんが、そういうスタンスの医師です。

また、話のしやすい対等感覚の医師もいれば、
残念ながら上から目線の相談しにくい医師もいるのが現実です。
まあ、このブログへのコメント・質問も糖質制限食に関することなら、
初歩的なことも含めて大丈夫、OKです。
反復して似たような質問があっても、
またそれがブログ読者の皆さんの復習になるし新たな勉強にもなります。
糖質制限食に関する知識をインターネットで世界中で共有できて・・・。
それが、私の貢献感にもなりますので・・・

さて、今、日本で実践されている糖質制限食には

A)高雄病院のスーパー糖質制限食(1回の食事の糖質量20g以下)
B)山田悟医師の緩い糖質制限食(1回の食事の糖質量20~40g)


などがあり、1回の糖質摂取量設定に違いがあります。

それでは、各糖質制限食のスタンスはどう違うのでしょうか?
まず、A)B)について検討してみます。


1)継続し易さと普及に関する配慮

継続し易さ、普及という面からは、普通に考えてB)が楽です。

A)スーパー-糖質制限食はつらくない人は継続できます。
また「スタンダード」「プチ」といったラインナップも設定されていて、
最近は「緩やかな」という選択肢もあるので、
継続し易さと普及ということも考慮しているわけです。
緩やかなというのは、山田流と一緒の糖質量です。



2)食後高血糖改善効果

食後高血糖改善効果はA)が高いです。
B)はかなり劣ります。
A)は、臨床的に合併症予防ができるレベル、
食後1時間血糖値180mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満達成を目指していて、ほとんどの場合それが可能です。

B)は食後1時間血糖値180mg/dl未満、食後2時間血糖値140mg/dl未満を達成することは、
困難な糖尿人が多いと思いますが、従来の糖尿病食(高糖質食)よりはましです。

3)追加分泌インスリン
A)は耐糖能正常型の人の場合でもインスリン追加分泌は2~3倍レベルですみます。
B)は耐糖能正常型なら、追加分泌インスリンは10倍~20倍レベルでます。
インスリンは人体に絶対必要であり、基礎分泌インスリンがなければヒトは死にます。
しかし、インスリンには発ガンリスクやアルツハイマー病発症のリスクがあるので、
少量ですむにこしたことはないのです。

従って、B)の場合は、野放しの高糖質食に比べればましですが、
インスリン過剰のリスクがあるていどあることになります。
A)の場合は、人類700万年間の狩猟・採集時代に、野生の果物、ナッツ類、根茎類を食べたレベルと同程度の追加分泌インスリンなので許容範囲と思います。


4)問題点


B)は、インスリン分泌が多いこと以外にも、食後高血糖と平均血糖変動幅増大という酸化ストレスリスクに関しては、
効果が弱いので問題と言えます。


5)考察

A)の場合、殆どの糖尿人において、合併症予防という観点からは、
問題ないと思われます。

体重減少効果も同様であり、「継続し易さ」「普及」「治療効果」において
バランスのとれた食事療法と言えます。

B)は、「継続し易さ」「普及」は優れていますが、
肝腎の治療効果が劣ることと、
食後高血糖と平均血糖変動幅増大という問題点を抱えています。


結論として、自画自賛になりますが、高雄病院のスーパー糖質制限食がバランスがいいのかなと思います。(^^) 

一方、山田悟医師の緩い糖質制限食も、役割分担という視点に立てば、
対立するというよりも、一人一人の嗜好やニーズに応じて、相補的なものと思います。

A)B)ともに、日本糖尿病学会推奨の従来の糖尿病食(高糖質食)に比べれば治療効果ははるかに高いのですから。




江部康二
名医が考えた認知症にならない最強の食事術(宝島SUGOI文庫) 刊行。
こんばんは。
「名医が考えた認知症にならない最強の食事術」の文庫本が出版されました。
2024年3月6日(水)刊行です。

https://www.amazon.co.jp/dp/4299053435/ref
 名医が考えた認知症にならない最強の食事術(宝島SUGOI文庫) 文庫 

2020年6月10日刊行の「名医が考えた 認知症にならない最強の食事術 」単行本を文庫にしたものです。
折角ですから、この4年間の最新情報をしっかり盛り込んであります。
きっと読者の皆さんのお役にたてると思います。以下は文庫本の
はじめにです。

はじめに
私は1974年に京大医学部を卒業しました。
医師になり50年が経過して2024年現在74歳です。
同級生は110人卒業しましたが、10名はすでに逝去されました。
医者の不養生というわけでもないのですが、
仕事上の重責とか毎日のようなサービス残業とか、
精神的にも肉体的にもかなりストレスフルなのがこの職業なので、
医師は思った以上に短命なのです。 

岐阜県保険医協会が実施した調査(2008~2017年)で、
開業医の死亡時平均年齢が70.8歳と短く、
特に60歳代の死亡割合が34%と最も多いことが明らかになりました。
厚生労働省の統計にある死亡時平均年齢(2015年)は、
男性が77.7歳、女性が84.3歳であり、明らかな差がありました。

日本人全体の死亡割合では80歳代がピークであり、
医師の60歳代がピークというのはいかにも若すぎます。 
さてこのように医師は短命という事実もあり、
4年に1回オリンピックの年に開催していた同窓会を、
誰がいつ死ぬかわかならいということで近年は2年に1回と改めました。

数年前の同窓会で、「一番なりたくない病気は何?」という話題となりましたが、
約60名の出席者全員が「アルツハイマー病(認知症)」ということで一致しました。
認知症の患者とその予備軍は65歳以上では4人に1人もいます。 
認知症は、日本のような高齢化社会におけるもっとも重要な疾患の一つです。
2012年現在わが国には約 462 万人の認知症患者が存在し、
さらに認知症予備軍と考えられる軽度認知障害の高齢者が
約 400万人もいます。
軽度認知障害 は、認知症への進行リスクが高く、
該当者は年率 10 ~15% で認知症に進行するとされています。 

現代医学において認知症の根治につながる治療法はありません。
したがって可能な限り早期に認知症および 軽度認知障害を発見し、
なんらかの介入を行い、進行を止める、
あるいは症状を改善させることが求められます。 

認知症との関連で注目されている物質に AGEs(終末糖化産物)があります。
AGEs については本文で詳しく説明します。
AGEs は、糖尿病合併症(透析、切断、失明など)の元凶と考えられてきましたが、
近年糖尿病のみでなく、動脈硬化進展の主役の一つとされ、
老化、認知症、慢性炎症(74ページ参照)、
腎不全などにも関与していることが判明しました。 
糖尿病患者では AGEsの増加とともに
認知症あるいは軽度認知障害へ移行することが知られています。

一方、糖尿病でない人も皮膚AGEs の蓄積量と軽度認知障害とに関連があることが判明しました。
皮膚にAGEsが蓄積していれば脳にも同様に蓄積しているということです。 
このようにAGEsの蓄積が認知症に関与していることが
明らかとなっていますが、本書でご紹介する食事術なら、
AGEsの蓄積を最小量におさえることが可能なのです。

この食事術は、1999年、高現在私が理事長を高雄病院が
日本で初めて糖尿病治療に導入したもので
糖質を可能な限り制限する食事療法です。

近年糖尿病以外にもさまざまな生活習慣病に
効果があることが明らかとなっています。
2019年4月、米国糖尿病学会は、
「糖質制限食は最も研究されている食事パターンの1つである」  と明言し、
一推しで推奨しました。
この糖質制限食実践は早ければ早いほどいいです。

軽度認知障害の段階で糖質制限食を実践すれば、
認知症への進行を予防でき、症状が改善し正常に戻ることも期待できます。
なにしろ、アルツハイマー病を発症したあと、
「スーパー糖質制限食」の実践で一週間足らずで
正常に戻った方さえおられるのです(36ページ参照)。 

40代、50代から糖質制限食を実践していれば、
軽度認知障害のリスクを軽減でき、健康長寿が約束されます。
さらに早期の20代、30代から糖質制限食を実践すれば、
糖化に伴う老化が予防できます。 

読者の皆さんが健康長寿を達成されるよう、本書および糖質制限食がお役に立てれば幸いです。


江部康二

人工甘味料の許容量や安全性は?
こんばんは。
人工甘味料に関してネガティブなことを書いているサイトが多くて、
気になっている人もおられると思います。
今回はゼロカロリー飲料水などに使用されている人工甘味料の許容量に関して、
考察してみます。

結論から言えば、
私は人工甘味料を、あまり気にしていません。

まず、人工甘味料は血糖値を上昇させませんし、インスリンも分泌させません。
現在、流通している人工甘味料には、
アスパルテーム、サッカリン、スクラロース、アセスルファムカリウム、ネオテーム、アドバンテーム
などがあります。
これらは米国食品医薬品庁(FDA)が認可しています。
ズルチン、チクロは使用禁止となっています。
まれな遺伝性疾患であるフェニルケトン尿症の患者さんは、
アスパルテームの成分であるフェニルアラニンの代謝困難になるので、アスパルテームの摂取を避けることが必要です。

http://www.ffcr.or.jp/shokuhin/upload/3f49dc74640c688e471ac1bcbf0c91b111a23406.pdf
各添加物の使用基準及び保存基準 (平成30年8月8日改正まで記載)
http://www.ffcr.or.jp/shokuhin/upload/3f49dc74640c688e471ac1bcbf0c91b111a23406.pdf (厚生省告示第370号 食品、添加物等の規格基準より抜粋)
各添加物の使用基準及び保存基準 (令和2年1月15日改正まで記載)
公益財団法人 日本食品化学研究振興財団
https://www.ffcr.or.jp/webupload/e3984852a08b38bffaa3d166a8176173c3916dd2.pdf
(厚生省告示第370号 食品、添加物等の規格基準より抜粋)


人工甘味料をはじめ添加物には使用基準と保存基準が決められています。

人工甘味料ではありませんが、
人工的に作る果糖ブドウ糖液化糖やブドウ糖果糖液化糖は異性化糖と呼ばれ、
血糖値も上げるし、インスリンも分泌させます。
安価なため、日本では清涼飲料水によく使用されており、
今では砂糖類の需要の40%程度となっています。
こちらは血糖値を上昇させますし、果糖はAGEsにブドウ糖の数十倍変わりやすいし、
これらの点に関して、果糖ブドウ糖液化糖など異性化糖は
人工甘味料よりはるかに危険がいっぱいです。

AGEsを考慮すれば、果糖ブドウ糖液化糖は、砂糖より危険と言えます。

人工甘味料のほうは、
使用基準と保存基準を守っていれば大丈夫と思います。

私自身も、サントリーオールフリーを時々飲んでいますが、
100mlあたり、エネルギーゼロ、糖質ゼロであり、糖質制限OK食品です。

オールフリーの栄養成分
麦芽、ホップ、香料、酸味料、糖類(糖化スターチ)、酸化防止剤(ビタミンC)、、
甘味料(アセスルファムK、スクラロース)  

人工甘味料のアセスルファムKとスクラロースが含まれていますが、
オールフリー350ml缶を3本/日くらいなら、なんの問題もないと思います。
まあ私は、1日にせいぜい1本ですが・・・。

さて、安全性に関してですが、
まず人工の添加物に対する無毒性量という基準があります。
無毒性量というのは「これ以上食べると毒になる」という量の1/2の量のことです。
無毒性量を、さらに安全係数100で割ったものが1日許容摂取量(ADI)です。

日本人の人工甘味料の一日摂取量について調べてみました。
JECFA 又は内閣府食品安全委員会において設定された
一日摂取許容量(ADI)に対する占有率(以下「対 ADI 比」という。)
をみると
どの年齢層においても ADI を大きく下回っています。
すなわち日本人の人工甘味料の摂取量については安全性上、
特段の問題はないと考えられます。
 
 
種々の添加物の安全性に関しては、
食品添加物のFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)による安全性評価  
https://www.ffcr.or.jp/tenka/secure/post-20.html  


を見ると、あいうえお順で、
人工甘味料を始めとしてほとんどの添加物が記載されています。

なお、ラカントSの主成分である
糖アルコールのエリスリトール
JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門委員会)により、1999年、
『安全性が十分に高いので、1日摂取許容量は定める必要がない(ADI not specified)』
との評価を受けており、その安全性は世界的にも認証されています。

ステビア甘味料に関しては、2008年6月の第69回JECFAで評価し、ADIが設定されました。
さらに2010年4月、EFSA(欧州食品安全機関)でも安全性に問題がないことが確認されました。 

江部康二
歯医者さんにいってきました。
こんばんは。
1年ぶりに歯医者さんに行ってきました。
年に1回、歯石を除去することにしているのです。
歯石は、一般の糖質を食べている人に比べると
かなり少ないとのことでした。
歯ブラシは、歯科医仕様の、ブラシ部分が小さくて細いものを使用しています。

朝食は、ブラックコーヒーと10ccの生クリーム、
昼食は、高雄病院のスーパー糖質制限給食、
夕食は、高雄病院の糖質制限給食か外食

一週間の夜の食事予定
月:高雄病院でスーパー糖質制限給食。
火:かごの屋のブタシャブ食べ放題。または、近所の割烹や居酒屋。
水:夜診が終わった後、「相棒」をみるので、生協の惣菜飯。
木:高雄病院でスーパー糖質制限給食。
金:近所の焼き肉屋さんで、ツラミ、ハラミ、ミノ、ロース、カイノミ、イチボ、カルビ、モモ・・・
  いろんな部位をお腹いっぱいになるまで食べます。。
土:家族で割烹とか惣菜専門店でいろいろ購入して食べたりです。
日:家で牛ヒレステーキとサラダとワイン。


昼食と夕食の後は、歯を磨きます。
歯間ブラシもしています。

現在、74歳ですが、歯は全部残っていて、虫歯はなく、歯周病もありません。
歯を磨いていて血が出ることもありません。
このような人物は、確率的には、かなり少ないと思います。

親知らずが、両方の奥歯の後ろに埋まっています。
「50歳とか60歳でついに生え始めることがあって、結構痛いですよ。」
と歯医者さんには、脅かされていましたが、
70歳を超えたのでもう大丈夫だと思います。

江部康二
生活習慣予防検診のHbA1cの基準値は5.5%以下。
【日付 名前 24/03/12 ももか

江部先生
こんばんは
いつもブログで勉強させていただいております。
ありがとうございます。
6年前に2人目の妊娠中に妊娠糖尿病にかかりましたが、
先生のブログとご著書を参考にさせていただき、
超健康な赤ちゃんを産むことができました。
両親が糖尿病ですから、
今も、6年前からずっとスーパ糖質制限を実行しています。

身長154.8cm、体重:47.4kg、43才、女性です。
今日、ことしの健康診断の結果がとどきました。
空腹血糖值:93
HbA1c:5.7
総コレステロール 216
HDLコレステロール 67
LDLコレステロール 137
中性脂肪 47
尿酸 6.7
尿糖-
クレアチニン 0.51
eGFR 101.8

先生にHbA1c、
コレステロールについてちょっと質問がありコメントさせて頂きました。

今回の検診のHbA1c:5.7、高値と言われました。
(生活習慣予防検診のHbA1cの基準値は5.5%以下で書いてますが、
ネットで調べたら、HbA1cの正常範囲は、4.6〜6.2%です)
どっちみたらいいですか?

6年前からずっと3食ともスーパ糖質制限食をしているのに、
HbA1cが5.7%で、ちょっと不思議です、
(食事の内容は大体朝:無糖青汁、ナッツ、昼:牛肉野菜炒め、ワカメスープ、茹で卵一つ、晩ごはん:魚、アボカドサラダ、チーズ四つ)。

先生、私のは質の悪いHbA1cですか?

もう一つ心配なことが総コレステロールです。
先生のプログで中性脂肪60以下、HDL-C60以上をクリアしているので、
LDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉なので
問題ないと拝見したのですが、
今回総コレステロール は高値で、216でした。
ちょっと心配です、この数値は大丈夫ですか。
もし、これを御覧になられましたら、
アドバイスをいただけると幸いです。】


こんにちは。
ももかさんから、HbA1cの基準値などについて、
コメント・質問を頂きました。

妊娠糖尿病で糖質制限食を実践されて、
超健康な赤ちゃんが誕生して、良かったですね。


【総コレステロール 216
HDLコレステロール 67
LDLコレステロール 137
中性脂肪 47】


中性脂肪60以下、HDL-C60以上をクリアしているので
LDLコレステロールは全て、標準の大きさの善玉であり、
小粒子LDLコレステロール、酸化LDLコレステロールといった悪玉は
皆無なので、心配ありません。
総コレステロールも216mg/dlも、220mg/dl未満で適正域です。


【空腹血糖值:93mg/dl
HbA1c:5.7%
6年前からずっと3食ともスーパ糖質制限食をしているのに、
HbA1cが5.7%で、ちょっと不思議です。
(食事の内容は大体
朝:無糖青汁、ナッツ、
昼:牛肉野菜炒め、ワカメスープ、茹で卵一つ、
晩ごはん:魚、アボカドサラダ、チーズ四つ)。】

推定平均血糖値
<28.7 × HbA1c> - 46.7


ももかさんの推定平均血糖値は、113.47mg/dl、です。
空腹時も食後も含めての平均血糖値ですから、とても良い数値です。
また、スーパー糖質制限食を実践しておられますので、
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」のない「質の良いHbA1c」です。

次に、HbA1cの通常の基準値は<4.6~6.2%>です。
人間ドック学会のHbA1cの基準値は<5.5%以下>です
こちらは、将来、
脳・心血管疾患発症しうる可能性を考慮した基準範囲となっています。


江部康二
糖質をたくさん摂っても痩せている人は?その2
こんにちは。
前回の続きです。
『炭水化物をしっかり食べても太らない人』とは、
基礎代謝が高いタイプ以外にはどんなパターンがあるのでしょう。

以下はあくまでも仮説ですが、
インスリンの効きが非常に良い(インスリン抵抗性が極めて低い)体質の人があるように思います。
つまり少量のインスリンでも筋肉が血糖値を取り込んでくれるので、
結構な量の炭水化物を摂取しても、
普通の人に比べて追加分泌インスリンが少なくてすんでいるタイプです。

また夜間の肝臓の糖新生も基礎分泌のインスリンが制御しているのですが、
インスリンの効きが悪いタイプだと、
夜中絶食中でもかなりの量のインスリンを分泌しないと、
早朝空腹時血糖値が制御できず高値になるので、
早朝空腹時の血中インスリン濃度が正常範囲でも高めとなります。
こういう人は、ぽっちゃり型で、糖尿病ではないですが、
早朝空腹時インスリンが、10~15μU/mL(基準値3~15)も出ていても、
早朝空腹時血糖値は100~109mg/dl(基準値109以下)とかで正常上限に近いです。

これに対して、インスリンの効きがいいタイプは、
夜中の基礎分泌も少量で糖新生をコントロールできるので、
早朝空腹時の血中インスリンは正常下限、
あるいはそれ以下でも制御できている人がいます。
こういう人はたいていやせ型で、
早朝空腹時インスリンが、1.5~3μU/mL(3~15)くらいなのに、
早朝空腹時血糖値は60~70mg/dlだったりします。
こういうタイプなら、かなり炭水化物を食べても太らないと思います。

さて、次にインスリンは二重三重の肥満ホルモンということを説明します。
脂肪細胞の周囲の毛細血管壁にあるLPL(リポタンパクリパーゼ)が活発になると、
血中の中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解して、
遊離脂肪酸を脂肪細胞内に取り込み中性脂肪に合成して蓄え太っていきます。
インスリンは脂肪細胞の周囲の毛細血管壁にあるLPLを活性化させるので、
脂肪細胞内に中性脂肪を蓄える方向に働きます。
これに対してHSL(ホルモン感受性リパーゼ)は脂肪細胞内にあって、
中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解して血中に放出させる作用があります。

まとめると、脂肪細胞の周囲の毛細血管壁にあるLPLは内部に中性脂肪を蓄えて太らせる働きがあり、
脂肪細胞内のHSLは逆に内部の中性脂肪を分解して血中に放出させ、やせさせる働きがあります。
インスリンはLPLを活性化させ、HSLを抑制するので、
インスリンが分泌されると太りやすいのです。

さらにインスリンは、GLUT4を介して余剰の血糖を脂肪細胞内に取り込み、
中性脂肪に合成して蓄えます。
このように二重三重の肥満ホルモンがインスリンなのです。

インスリン注射をしている糖尿病患者はしばしば太ります。
『ジョスリン糖尿病学』には
「食物摂取とは無関係の、インスリンの脂肪組織への直接的な脂肪生成効果」
と説明されています。

ハーバード大学医学部元教授、ジョージ・ケーヒルは
「脂肪を操るインスリンを、炭水化物(糖質)が操る」
と述べています。

肥満のメカニズムは、インスリンによる脂肪蓄積であり、
その血中濃度と総量が関係します。
そしてインスリンを大量に分泌させるのは糖質のみです。

基礎代謝が高い人とインスリンの効きが非常にいい人を例外として、
結局、糖質の頻回・過剰摂取とそれによるインスリンの頻回・過剰分泌が肥満の元凶と思います。


江部康二
糖質をたくさん摂っても痩せている人は?その1
こんにちは。

全く糖質制限せず、たくさん糖質を摂取していても、
太らないどころか痩せているうらやましい(?)人も一定います。
この人たちはなぜ太らないのでしょうか?
まず基本のおさらいです。

<摂取エネルギーと消費エネルギー>
<基礎代謝量、身体活動量、食事誘発熱産生>


1)摂取エネルギー > 消費エネルギー  → 体重増加
 摂取エネルギー = 消費エネルギー  → 体重不変
 摂取エネルギー < 消費エネルギー  → 体重減少


2)通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝量+身体活動量(運動や家事)+食事誘発
熱産生(DIT)」

3)糖質制限食なら、
高糖質食の時には無い
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費」→基礎代謝の増加
「高蛋白食摂取」→食事誘発熱産生(DIT)の増加 」

が認められる。

1)は生理学的事実です。
2)3)を比較すると糖質制限食の方が高糖質食に比し、体重が減少し
やすいことは明白です。

それでは
「全く糖質制限せず、たくさん糖質を摂取していても、太らないどころか痩せているうらやましい(?)人」
は、いったいどういうメカニズムになっているのでしょう。

まず基礎代謝が高い人が、そうなります。
かくいう私も30代までは、炭水化物をいくら食べても太りませんでした。
ラーメンもうどんもご飯もパンもおかずもしっかり食べてましたが体重は不変でした。
医学部で野球部だったので、6年間はかなり運動していて、細身でもそれなりの筋肉量があって、
基礎代謝が高かったのだと思います。
いくら食べても体重は学生時代と同じ56~57kgでした。
身長は167cmで、20歳の時とずっと変わらずです。

しかし40代になって、徐々にお腹がでてきて太りはじめました。
52歳の糖尿病発症時には、67kgとなっていました。
これは、十数年間学生時代と同じ体重であっても、運動してないので、
現実には筋肉量が徐々に減り続けて、脂肪が徐々に増え続けて
見かけ上の体重だけが一緒だったのだと思われます。
結局筋肉量が減って基礎代謝が減ったので、同じ摂取カロリーでも、
消費カロリーを上回るようになり太り始めたのだと思います。
このパターンが所謂中年太りの本態と思われます。

もう一つのパターンは、インスリンが曲者と思います。
インスリンの分泌が多ければ太ります。
基礎分泌インスリンも追加分泌インスリンも一緒のことで、その分泌量が多いほど太ります。
インスリンが肥満ホルモンたる所以です。

私見で仮説ですが、インスリンは基礎代謝を減らしている可能性があります。
インスリンは同化ホルモンであり、脂肪の分解(異化)を邪魔します
ので、基礎代謝が減る可能性があるのです。

常々言ってますように、糖質こそが肥満の元凶です。
それは、糖質だけが血糖値を上昇させ、インスリンを大量に分泌させるからです。
脂質は、単独ではインスリンを全く分泌させませんし、血糖値も上げません。

それでは、『炭水化物をしっかり食べても太らない人』とは、
基礎代謝が高いタイプ以外にはどんなパターンがあるのでしょうか?

次回に続きます。

江部康二
蛋白質・脂質・糖質と血糖値上昇に関しての論考。
こんにばんは。
今回は、復習を兼ねて、
蛋白質・脂質・糖質と血糖値上昇に関して、考察してみます。

まず、米国糖尿病学会によれば、
血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけで、
蛋白質・脂質は影響を与えません。
直接という言葉を使用しているのは、
1型糖尿病や2型でもインスリン分泌能が一定以上低下している場合には
蛋白質が間接的に血糖値を上げるからです。

脂質は直接的にも、間接的にも、
血糖値をあげませんし、インスリンも分泌させません。

蛋白質はインスリンとグルカゴンを両方分泌させるので
摂取しても、健常人や軽症糖尿人では血糖値を上昇させません。

1型糖尿病で、内因性インスリン分泌がなくて、グルカゴン分泌能が普通に
残っている場合は、グルカゴンによる糖新生で、
蛋白質が間接的に血糖値を上昇させますが、数時間以上持続します。
また2型糖尿病でも『 グルカゴン分泌 > インスリン分泌』の場合は
蛋白質が間接的に血糖値を上昇させます。


以下の青文字の記載は、高雄病院で検査した、
『蛋白質摂取と血糖値の変化』
2型糖尿人と1型糖尿人のデータです。
あえてささみだけ食べて実験しました。

2型糖尿病のAさん。60代男性。
2017/2/23(木)
          血糖値    インスリン     グルカゴン
8:30      139       8.0           151
ささみ200g摂取 210kcal。46.0gのたんぱく質。糖質ゼロ。脂質1.58g。
30分後       140    7.7           190
60分後       151    23.3          257
2時間後       147    26.2           195
3時間後       137    7.5           144
4時間後       127    5.7           100


1型糖尿病のBさん。インスリン強化療法中。10代男性。
ささみ。200g。210kcal。46.0gのたんぱく質。糖質ゼロ。脂質1.58g。

2017/2/17(金)
          血糖値     CPR         グルカゴン
8:30      115   0.6(1.5~3.5ng/ml)   128(70~174pg/ml)
ささみ200g摂取。210kcal。46.0gのたんぱく質。糖質ゼロ。脂質1.58g。
30分後       160    1.0         229
60分後       176    1.3         186
2時間後       193    1.3        154
3時間後       167    1.2         173
4時間後       159    0.9         122



2型糖尿人Aさんは、内因性インスリンはある程度分泌されていますが、グルカゴンの方が優性です。
そのため蛋白質摂取60分後がピークで、12mg血糖値上昇ですので、
1gの蛋白質が、0.26mg血糖値を上昇させています。
HbA1cは、5.7%~5.9%くらいで、コントロール良好です。

1型糖尿人Bさんも、内因性インスリンが少しだけ分泌されていますが、
グルカゴンの方がはるかに優性です。
そのため蛋白質摂取120分後がピークで、78mg血糖値上昇ですので、
1gの蛋白質が、1.7mg血糖値を上昇させています。
HbA1cは、6.0~6.5%くらいで、GAは18から19.5%くらいで、コントロール良好です。

このように、たんぱく質は、直接血糖値を上昇させることはありませんが、
グルカゴンによる糖新生によって、間接的に血糖値を上昇させることがあります。
その場合、以下のA)B)C)の3つのパターンがあると思います。
A)は確定ですし、B)C)はそれに準じると考えられます。

A)1型糖尿病で内因性インスリンがゼロレベルの人は、
 たんぱく質摂取でグルカゴンだけが分泌され、
 インスリンは分泌できないので、グルカゴンによる糖新生で、
 間接的にかなり血糖値が上昇する。
 高雄病院の1型の患者さん数人の検査で、個人差はあるが、
 1gのたんぱく質で、1.0~3.6mg/dl上昇した。

B)2型糖尿病でも、内因性インスリン分泌能がかなり不足している場合は、
 たんぱく質摂取で『グルカゴン分泌量 > インスリン分泌量』 となり、
 血糖値が上昇することがあると考えられる。

C)ロイシン、アルギニン、リジンなどの摂取刺激によって、
 体質的に、相対的にインスリン分泌量よりグルカゴン分泌量が多いタイプがあれば、
 2型糖尿病でインスリン分泌能が残っていても、たんぱく質摂取で血糖値が上昇すると思われる。



今まで、2型糖尿病では、基本的にB)パターン以外には、
たんぱく質が間接的に血糖値を上昇させることはないと考えていましたが
C)パターンがあることが明らかとなりました。
頻度がどのくらいあるかは、まだよくわかりませんが、ブログコメントなどを参考にすると
結構おられるように思います。

なお正常人では、蛋白質摂取で
インスリンとグルカゴンが同程度分泌されて、効果が相殺されるので
血糖値上昇がないと思われます。

日頃、摂取糖質量に比し、血糖値が上昇し過ぎるという2型糖尿人は、
上述の様な、ささみ実験をして、「たんぱく質と血糖上昇」に関して調べてみては如何でしょう。


江部康二
カロリー計算法に関する疑問        
こんばんは。 夏井睦先生が、ご著書「炭水化物が人類を滅ぼす~糖質制限からみた生命の科学」(光文社新書)の中で、現行のカロリー計算法に関して、第Ⅵ章で問題提起しておられますが、私も同感です。 

大分以前になりますが、「日経サイエンス 2013 12 特集 食欲」に掲載の記事
「間違いだらけのカロリー計算」 R.ダン(ノースカロライナ州立大学) P53-56
を読んで大変興味深かったので、抜粋を簡単に紹介したいと思います。

「間違いだらけのカロリー計算」
ということに関しては2013年も2024年現在も同様です。
食品業界において、カロリー信仰幻想はずっと続いています。
しかし、エネルギー必要量は、かなり個人差が大きいと思います。

例えば、74歳、男性、活動普通、私の「推定エネルギー必要量」は、2200 kcal/日、です。
実際の私の摂取エネルギーは、
朝初食は、ブラックコーヒーに生クリーム10ccです。⇒40kcal
昼食は高雄病院のスーパー糖質制限給食で500kcalです。
夕食は、例えばヒレステーキ200gと野菜サラダ(100g)です。⇒246kcalと41kcal、です⇒287kcal合計827kcal

<晩酌の糖質ゼロビールと焼酎水割り> おつまみで低糖質ロカボナッツを4袋⇒1袋155kcal × 4 = 620kcal827 + 620 = 1447 kcal 一日の合計が、<1447kcal> しかありません。
アルコールはエンプティーカロリーと言われ、体重は増やしません。
従って推定エネルギー必要量に対して、私の場合は、750kcal不足しています。
しかし20年以上、身長167cm、体重56~57kg、を維持しています。

つまり、本当のエネルギー必要量というのは、
極めて個人差が大きい可能性が高い
と言えます。
現行の大雑把なカロリー計算では、
個々人の「エネルギー必要量」は到底予測できないと思います。
また、食品のカロリー表示そのものが、信用できないという現状を認識しておく必要があります。

 鍵となる概念
 ■A) 現在売られている食品はほとんど全てにカロリー数がラベル表示されている。だが、これらの数値の大半は消化の複雑さを無視した平均値に基づいており、その意味で不正確だ。

 ■B) 食物から得られるカロリーが、食物の種類はもちろん、調理法や腸内微生物の種類、食物を消化するのに私達が費やすエネルギーによって変わることが、近年の研究で明らかになった。 

■C) 現在のカロリー計算はこうした要因をまったく考慮に入れていない。
消化は非常に複雑で入り組んだ過程なので、カロリー計算の改善に取り組んだとしても、
完璧に正確なものにするのは不可能だろう。
  

鍵となる概念(KEY CONCEPTS)に関して、R.ダン氏の言う通りと思います。 
今まで、19世紀の米国の化学者アトウオーターの計算式が、
現在までさしたる疑問もなく使われ続けたのが不思議と言えば不思議です。

アトウォーターの換算係数は、例の 脂質:9kcal/g 蛋白質:4kcal/g 糖質:4kcal/g  というやつです。 
食物の熱量=「食物を空気中で燃やした熱量」-「同量の食物を食べて出た排泄物を燃やして発生した熱量」 
これの概算値が得られるのが、アトウォーターの換算係数です。
 
今までアトウォーターの換算係数に基づくカロリー計算に関して、
きっちり追試した研究は皆無だったのですが、
ハーバード大学のカーモディーが近年研究したものがあります。

カーモディーの原著までは、調べていません。
すいません。 m(_ _)m

 マウスにさつまいもか赤身の肉を与えて、体重の変化を比較したものです。 
1)生で形もそのまま2)生で砕いたもの3)形はそのままで加熱4)砕いて加熱結果は、
食材を砕いても体重は増加しませんでしたが、
加熱すると、さつまいもでも赤身の肉でも、
加熱していない餌のマウスに比べて体重が増えました。 

加熱によって、消化吸収しやすくなり、
摂取エネルギーが生食マウスに比べて、多くなったったと考えられます。 

こうなると、アトウォーターの換算係数に基づくカロリー神話は、
加熱という調理法だけでも、簡単に崩壊している
ことがわかります。 

さらに、上記A)B)C)の、3つの鍵となる概念(KEY CONCEPTS)を考慮すれば、
人体の消化・吸収におけるカロリー計算はそう簡単にはいかないということがわかります。 

このように、食物の正確なカロリー計算は、ほぼ不可能と言えるのですが、
生肉、生魚、生野菜を食べると、加熱するよりは減量しやすいことは確かなようです。 
通常、魚の刺身はOKですね。
牛の生レバーと生豚肉は禁止です。
ユッケは腸管出血性大腸菌O111による食中毒の危険性がありますので、
規格基準の要件が、大変厳しくなりました。
鶏肉を生で食べると、カンピロバクター食中毒やサルモネラ食中毒のリスクがあるのでこちらも要注意であり、
規格基準がとても厳しくなりました。  


江部康二
脂肪になる前に運動で血糖値を消費!
【24/03/07 なな

質問させてくだい🍀*゜
先生こんにちわ(*´∀`*)ノ
いつもありがとうございます😊

私は51歳 162cm 61kg
昨年、脳梗塞を発症し(後遺症ほぼなし)
の後、先生のブログや本に出会い
スーパー糖質制限で4ヶ月で21kg痩せることが出来ました\(^o^)/

今回の新書
「認知症にならない最強の食事術」
昨日、購入させて頂きました🙋‍♀️

ものすごく分かりやすくて
めちゃくちゃ勉強になりますm(_ _)mありがとうございます🙇‍♀️

ひとつだけ質問させてください!
184ページの脂肪になる前に運動について

仮に糖質を摂取したとした場合。
糖質摂取から1時間後のグルコーススパイクが起きる前に
余分な糖質を消費するくらい筋肉を動かす運動をすれば
インスリンは追加分泌をせずに血糖値スパイクも起きないと言うことでしょうか?

どうしても糖質を食べたい時は
運動前の方がスパイクが起きないから安全ということでしょうか🤔】



なな さん

拙著「認知症にならない最強の食事術」
https://www.amazon.co.jp/dp/4299053435/ref

ご購入、
ブログのチェック、ありがとうございます。

【162cm 82kg BMI:31.2
     61kg BMI:23.2】


スーパー糖質制限を4ヶ月実践されて、21kgの減量に成功とは
素晴らしい成果です。
米国でも、肥満診断基準を満たす段階から
正常になりましたね。

184ページ
運動をすればインスリンの追加分泌を防げる
脂肪になる前に運動で血糖値を消費!


【仮に糖質を摂取したとした場合。
糖質摂取から1時間後のグルコーススパイクが起きる前に
余分な糖質を消費するくらい筋肉を動かす運動をすれば
インスリンは追加分泌をせずに血糖値スパイクも起きないと言うことでしょうか? 】


食事開始30分後から、30分間の運動(ウォーキング)です。
肥満のない人はこれで血糖値が下がり、追加分泌のインスリンが少なくてすみます。
ただし、BMI25以上の肥満の人は、運動効果が出にくいです。
また、自分自身の内因性インスリン分泌能力が、一定以上低下していると
運動効果が出にくいです。
これらは、以前実施した<東海大学・高雄病院共同研究>で確認しました。

【どうしても糖質を食べたい時は
運動前の方がスパイクが起きないから安全ということでしょうか】


そうですね。
糖質を摂取開始後30分で30分間の運動(ウォーキング)ができる条件のときに
糖質を摂取すれば、食後高血糖を防ぐ効果が期待できます。


江部康二
名医が考えた認知症にならない最強の食事術(宝島SUGOI文庫) 刊行。
こんばんは。
「名医が考えた認知症にならない最強の食事術」の文庫本が出版されます。
2024年3月6日(水)刊行です。

https://www.amazon.co.jp/dp/4299053435/ref
 名医が考えた認知症にならない最強の食事術(宝島SUGOI文庫) 文庫 

2020年6月10日刊行の「名医が考えた 認知症にならない最強の食事術 」単行本を文庫にしたものです。
折角ですから、この4年間の最新情報をしっかり盛り込んであります。
きっと読者の皆さんのお役にたてると思います。以下は文庫本の
はじめにです。

はじめに
私は1974年に京大医学部を卒業しました。
医師になり50年が経過して2024年現在74歳です。
同級生は110人卒業しましたが、10名はすでに逝去されました。
医者の不養生というわけでもないのですが、
仕事上の重責とか毎日のようなサービス残業とか、
精神的にも肉体的にもかなりストレスフルなのがこの職業なので、
医師は思った以上に短命なのです。 

岐阜県保険医協会が実施した調査(2008~2017年)で、
開業医の死亡時平均年齢が70.8歳と短く、
特に60歳代の死亡割合が34%と最も多いことが明らかになりました。
厚生労働省の統計にある死亡時平均年齢(2015年)は、
男性が77.7歳、女性が84.3歳であり、明らかな差がありました。

日本人全体の死亡割合では80歳代がピークであり、
医師の60歳代がピークというのはいかにも若すぎます。 
さてこのように医師は短命という事実もあり、
4年に1回オリンピックの年に開催していた同窓会を、
誰がいつ死ぬかわかならいということで近年は2年に1回と改めました。

数年前の同窓会で、「一番なりたくない病気は何?」という話題となりましたが、
約60名の出席者全員が「アルツハイマー病(認知症)」ということで一致しました。
認知症の患者とその予備軍は65歳以上では4人に1人もいます。 
認知症は、日本のような高齢化社会におけるもっとも重要な疾患の一つです。
2012年現在わが国には約 462 万人の認知症患者が存在し、
さらに認知症予備軍と考えられる軽度認知障害の高齢者が
約 400万人もいます。
軽度認知障害 は、認知症への進行リスクが高く、
該当者は年率 10 ~15% で認知症に進行するとされています。 

現代医学において認知症の根治につながる治療法はありません。
したがって可能な限り早期に認知症および 軽度認知障害を発見し、
なんらかの介入を行い、進行を止める、
あるいは症状を改善させることが求められます。 

認知症との関連で注目されている物質に AGEs(終末糖化産物)があります。
AGEs については本文で詳しく説明します。
AGEs は、糖尿病合併症(透析、切断、失明など)の元凶と考えられてきましたが、
近年糖尿病のみでなく、動脈硬化進展の主役の一つとされ、
老化、認知症、慢性炎症(74ページ参照)、
腎不全などにも関与していることが判明しました。 
糖尿病患者では AGEsの増加とともに
認知症あるいは軽度認知障害へ移行することが知られています。

一方、糖尿病でない人も皮膚AGEs の蓄積量と軽度認知障害とに関連があることが判明しました。
皮膚にAGEsが蓄積していれば脳にも同様に蓄積しているということです。 
このようにAGEsの蓄積が認知症に関与していることが
明らかとなっていますが、本書でご紹介する食事術なら、
AGEsの蓄積を最小量におさえることが可能なのです。

この食事術は、1999年、高現在私が理事長を高雄病院が
日本で初めて糖尿病治療に導入したもので
糖質を可能な限り制限する食事療法です。

近年糖尿病以外にもさまざまな生活習慣病に
効果があることが明らかとなっています。
2019年4月、米国糖尿病学会は、
「糖質制限食は最も研究されている食事パターンの1つである」  と明言し、
一推しで推奨しました。
この糖質制限食実践は早ければ早いほどいいです。

軽度認知障害の段階で糖質制限食を実践すれば、
認知症への進行を予防でき、症状が改善し正常に戻ることも期待できます。
なにしろ、アルツハイマー病を発症したあと、
「スーパー糖質制限食」の実践で一週間足らずで
正常に戻った方さえおられるのです(36ページ参照)。 

40代、50代から糖質制限食を実践していれば、
軽度認知障害のリスクを軽減でき、健康長寿が約束されます。
さらに早期の20代、30代から糖質制限食を実践すれば、
糖化に伴う老化が予防できます。 

読者の皆さんが健康長寿を達成されるよう、本書および糖質制限食がお役に立てれば幸いです。


江部康二

眼科と糖尿病網膜症。従来の糖尿病食と糖質制限食の差。
こんばんは。
従来の糖尿病治療において、短期間でHbA1cが急速に改善すると、
かえって糖尿病網膜症が悪化することが知られています。

確かに、インスリン注射やSU剤などにより急速に血糖値が改善した場合、
改善速度が速いほど、網膜症の悪化率が高かったという論文報告があります。
実際に日常臨床上、糖尿人を診察しておられる医師においては
同様の経験があると思います。とは言え、一時的な悪化はあっても、
長期的には血糖コントロールが良い方が網膜症にも良いということも報告されています。

それでは 糖質制限食によって、血糖値が急速に改善した場合はどうなのでしょう?
網膜症の悪化や眼底出血の心配はないのでしょうか?
実は当初、私達も糖質制限食で
インスリン注射以上に速やかに血糖コントロールが良くなるので、
このことを懸念していました。
幸い、1999年、高雄病院で糖質制限食開始以来の経験で、
糖質制限食による改善では基本的に網膜症の悪化はありませんでしたので、
今は全く心配はしていません。

しかし、

(A)インスリン注射やSU剤による急速なHbA1c改善:網膜症悪化や眼底出血あり。
何故、網膜症の悪化や眼底出血があるのか、現時点では原因不明。

(B)糖質制限によるより急速なHbA1c改善:網膜症の悪化なし
こちらも、何故、網膜症が悪化しないのか現時点では理由は不明。


同じようにHbA1cが改善するのに、なぜこうも違うのか、疑問が残ります。
平均血糖値(HbA1c)が同じように良くなるにもかかわらず、
インスリンやSU剤の投与による場合と糖質制限食による場合で、
このように明暗がわかれるのには、必ず理由があるはずです。

それで、以下、あくまでも仮説ですが考察してみました。
以前は、長年にわたって血糖コントロールの評価基準として、
空腹時血糖値とHbA1cが使用されてきました。

しかし、近年の信頼度の高い研究により、空腹時血糖値とHbA1cがコントロール良好でも、
糖尿病合併症は防げないことがわかってきたのです。
それどころか、糖質を普通に摂取しながら、インスリン注射やSU剤で厳格に治療すると、
総死亡率が上昇するという信頼度の高いエビデンスが報告されました。(*)
すなわち、食後高血糖と平均血糖変動幅の増大が、最大の酸化ストレスリスクであり、
糖尿病合併症の元凶ということがわかってきたのです。
空腹時血糖値とHbA1cだけによる評価では、
食後高血糖と平均血糖変動幅の増大は全く知ることができないのです。

人体は、酸化反応と抗酸化反応のバランスがとれていると、正常に機能します。
酸化反応が抗酸化反応を上まわった状態を酸化ストレスといいます。
酸化ストレスが、糖尿病合併症・動脈硬化・老化・癌・アルツハイマー・パーキンソン等、様々な疾病の元凶とされています。

このことは、世界中の医学界において、認められています。
糖質を普通に摂取しながら、インスリンやSU剤で厳格に治療して
HbA1cを急速に下げると、低血糖も生じやすくなるし、
平均血糖変動幅の増大も必ず生じます。

つまり、(A)の場合は、見かけ上はHbA1cは急速に改善したように見えても、
その実態は、「低血糖」と「平均血糖変動幅増大」という最大の酸化ストレスリスクをともなう『質の悪いHbA1c』だったのです。

従って、網膜症悪化や眼底出血を生じた可能性が高いのです。

一方、(B)糖質制限食でHbA1cが改善した場合には、
薬も使用していないので、「低血糖」も「平均血糖変動幅増大」もない『質のいいHbA1c』なのです。

そのため急速なHbA1c改善にもかかわらず、網膜症の悪化がないと考えられます。
これらにより、糖質制限食の場合、急速な血糖値改善にもかかわらず、
網膜症の悪化が生じにくいと考えられます。
既にインスリン注射やSU剤を内服していて、ある時に糖質制限食を開始して、
血糖値・HbA1cが急速に改善していく場合も、
インスリン注射やSU剤の量は基本的に減量されていくし、
代謝全般も改善されていくので、糖尿病網膜症は起こりにくいと思います。

糖質を摂取して、インスリンやSU剤の効能だけに依存して血糖値を下げた場合と、
糖質制限食で薬物に頼らずに自然に血糖値が改善した場合との差、
すなわち「低血糖、食後高血糖、平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクが、
両者で全く異なることがお解りいただけたでしょうか。

なお、過去の高血糖のため、すでに糖尿病網膜症が存在している時は、
糖質制限食で血糖コントロール良好を維持していれば糖尿病網膜症の進行は、
徐々に止まると思います。
そして時間をかけて、ある程度改善する可能性はあります。
しかし、糖質制限食で血糖コントロール良好となっても、
既存の糖尿病網膜症が、メキメキ治るわけではありませんので、念のため。

それから、一定の糖尿病罹病期間があって、血糖コントロールが悪かったけれど、
その時点では網膜症はないと言われていた人が、
糖質制限食を開始して血糖コントロール良好となり、
数ヶ月後眼底検査をしたら軽症単純網膜症が発見された、
というようなことがまれにあります。
これは糖質制限食開始時点で既に潜在的な網膜症はあったのが、
時間的経過で顕在化したもので、高血糖の記憶(**)によるものと思われます。
すなわち糖質制限食で網膜症になったのではなく、
過去の高血糖の借金が顕在化したものと思われます。

以上、仮説の段階ではありますが、それなりに説得力のある説明であると自負しています。

(*)2011/07/18 の本ブログ記事
「ACCORD試験の死亡リスクと低血糖とSMBGサブ解析2011」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-1741.html
をご参照ください。

(**)2010-11-14のブログ
「高血糖の記憶とAGE」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-1432.html
をご参照ください。


江部康二



低炭水化物食で、あるタイプの緑内障発症リスクが20%減少。
【24/03/01 中嶋一雄
米国眼科学会のNewsでも、糖質制限食でいい結果を報告しています
https://www.aao.org/education/headline/week-in-review-glaucoma-diet-paralysis-surgery-nov


こんにちは。
中嶋一雄先生から、興味深い情報を頂きました。
ありがとうございます。

米国眼科学会のニュースで、
『低炭水化物の摂取と植物性脂肪およびタンパク質の増加を伴う食事は、中心傍視野喪失を伴う原発性開放隅角緑内障サブタイプの発症リスクが 20% 低下することが明らかになりました。興味深いことに、動物ベースの低炭水化物食は保護的ではないようです。』
という内容の記事が掲載されました。
もとになっったのはコホート研究です。
3つの大規模なコホート研究を集めて、メタ解析したものです。
合計、185638名の参加者となりました。

コホート研究ですから、
スーパー糖質制限食(糖質摂取比率12%)の参加者は、いないと思います。
低炭水化物と言っても、せいぜい、炭水化物摂取比率40%くらいと考えられます。

従って、この研究は、スーパー糖質制限食実践者とは無関係と言えます。

あくまでも私見ですが、
スーパー糖質制限食なら、
AGEsの蓄積も最小限ですみ、
<糖化→老化><糖化→慢性炎症>が最小限ですむので
生活習慣病の予防にもなります。
この種の緑内障も生活習慣病の範疇に入りますので、
スーパー糖質制限食が有効な可能性がありますね。


江部康二




https://www.aao.org/education/headline/week-in-review-glaucoma-diet-paralysis-surgery-nov
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JUL 24, 2020
Week in review: Glaucoma diet, paralysis surgery, novel KPro
By Kanaga Rajan and Keng Jin Lee
Cornea/External Disease, Glaucoma, Oculoplastics/Orbit, Retina/Vitreous
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2020年7月24日
週の振り返り: 緑内障の食事療法、麻痺の手術、新しい KPro
カナガ・ラジャン、ケン・ジン・リー著
角膜/外部疾患、緑内障、眼形成/眼窩、網膜/硝子体
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A weekly roundup of ophthalmic news from around the web.
ウェブ上の眼科ニュースを毎週まとめて掲載。

A specific type of low-carb diet may guard against glaucoma, according to a new study led by glaucoma expert Louis R. Pasquale, MD. The large-scale meta-analysis revealed that low-carbohydrate intake along with a diet of increased plant-based fat and protein was tied to a 20% lower risk of developing a primary open-angle glaucoma subtype with paracentral visual field loss. Interestingly, low-carb diets that were animal based did not appear to be protective. According to Dr. Pasquale, these findings indicate low-carb diets based on vegetables could perhaps prevent glaucoma among high-risk groups. New York Eye and Ear Infirmary of Mount Sinai, Eye Nature

緑内障の専門家ルイス・R・パスクワーレ医学博士が主導した新しい研究によると、特定のタイプの低炭水化物食が緑内障を予防する可能性があるという。大規模なメタ分析により、低炭水化物の摂取と植物性脂肪およびタンパク質の増加を伴う食事は、中心傍視野喪失を伴う原発性開放隅角緑内障サブタイプの発症リスクが 20% 低下することが明らかになりました。興味深いことに、動物ベースの低炭水化物食は保護的ではないようです。パスクアーレ博士によると、これらの発見は、野菜を中心とした低炭水化物食が高リスク群の緑内障を予防できる可能性があることを示しているという。ニューヨーク市マウントサイナイ眼科耳鼻科、Eye Nature