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 江部康二とライブ、バンド、ターニング・ポイント。アンチェインド・メロディー。
こんばんは。
現在は、知る人ぞ知るといった状況ですが、私は、コロナ前は、バンドとライブ活動を長年やってきました。
まずは、以下のYouTubeをご視聴頂ければ幸いです。
https://www.youtube.com/watch?v=4bIWnkhJhwc
Unchained Melody (Cover) Voc. 江部康二


京都のとあるライブハウスでの2013年頃の映像です。
私が歌っている「アンチェインドメロディー」は
1965年6月にライチャス・ブラザーズが録音したバージョンです。
1990年の映画『ゴースト/ニューヨークの幻』の主題歌に採用され、
全英シングルチャートで1位となりました。
ウィキペディアによれば、2012年12月28日に
BBC Fourが放送した『ザ・リッチエスト・ソングス・イン・ザ・ワールド』 (The Richest Songs in the World) で、
音楽著作権で史上最も稼いだ曲の第5位に選出されたそうです。


ターニング・ポイント(TURNING POINT)1987年結成、
当初年1回のライブ活動、
1992年から年3回のライブ活動。
1994年11月からマンスリー第三金曜ライブを開始。

第三金曜ライブは、2014年12月が最後で20周年で、いったん終了しました。
理由は、ライブハウス(憧夢)が閉店してしまったからです。
まあ20年よく続いたと思いますので、一区切りでした。

そこからは、年二回、春と秋に
京都のライブハウス「モダンタイムス」や「アメリカングラフィティー」で貸し切りのライブパーティーを開催してきました。
¥4500-で、2ドリンクつきで、バイキング形式の食べ放題ですから、お得感が満載です。

「下手な歌がなければもっとお得だけど・・・」。という影の声も聞こえてきそうですが、大丈夫です。
わたし、そこそこ歌はそこそこ上手なのです。 (^^)
まあ、好みはあると思いますが、聞いて頂ければわかると思います。

年二回のライブパーティーも、新型コロナ感染症の影響で、2020年からは開催できていません。
2019年秋までは、年2回の貸し切りライブパーティーは続いていたので、なかなかに息の長いバンドであったといえます。

レパートリーは、ビートルズ、ジョン・レノン、オールディーズ、レイ・チャールズ、エリック・クラプトン、
サイモンとガーファンクル、カーペンターズ、キャロル・キング、CCR、テンプテーションズ、ベン・E・キング、
ローリング・ストーンズ、ベット・ミドラー、ママス&パパス、ルイ・アームストロング、
日本のフォークソング、サザンオースターズ、尾崎豊、バンバン、井上陽水、
ワイルド・ワンズ、安全地帯、ユーミン、中島みゆき、モップス、いるか、坂本九、Jウォーク、ズー・ニー・ブー、と、
要するに何でもありのバンドです。

まあだからこそ煮詰まることなく長く続いたのかなと思います。
プレスリーバンドとか、特化すると、レパートリーが限られるので年二回とかのライブでも曲目がかぶってしまい、
お客さんもあきるので、なかなか長続きしないようです。

そろそろ、なんとか再開したい想いは強いのですが、
ボーカル3名・ギター1名・ドラムス1名・キーボード1名・ベース1名と大所帯であり、
練習も大変で、一部高齢化もあり、なかなか踏み切れないのです。

現在まだまだ思案中なのですが、ライブ活動再開の際は、
ブログ読者の皆さん、是非、応援よろしくお願い申し上げます。  m(_ _)m      

江部康二
病院食で血糖値が上がるのが心配。
【24/02/22 菊丸
病院食で血糖値が上がるので心配
お世話になります。
男 68歳

3月に入院することになり病院食で心配しています。
病院食は糖質制限しているからと希望が通るとも思えません。
糖尿病食になると考えています。

一時的には上がるかもしれませんが、
その後退院して自宅では従来通りに糖質制限した食事になれば、
時間はかかるけど元に戻るでしょうか。】



こんばんは。
菊丸さんから、
「病院食で血糖値が上がるのが心配」
というコメント・質問を頂きました。

【3月に入院することになり病院食で心配しています。
病院食は糖質制限しているからと希望が通るとも思えません。
糖尿病食になると考えています。】


そうですね。
私も、以前、声帯ポリープの手術で入院したことがあります。
お酒を飲んで、歌いすぎて、声帯ポリープができてしまったのです。
外来で、簡単に切除することもできたのですが、入院して
全身麻酔下で「プロボーカリスト」対応の手術をお願いしました。
当然、入院中は、丼飯や、食パンありの「糖尿病食」 でした。

結局、看護師さんに怪しまれながらも、(こっそり)、ゴミ箱に、
ご飯やパンを捨てて、おかずだけを食べるようにしました。
足らない分は、家から持ち込んだ糖質制限OK食品で補いました。
また、病院内のコンビニで、「豚しゃぶサラダ」「蒸し鶏サラダ」
おでんの「ダイコン」「ガンモドキ」「スジ肉」「豆腐」などを購入
して
しのぎました。


【一時的には上がるかもしれませんが、
その後退院して自宅では従来通りに糖質制限した食事になれば、
時間はかかるけど元に戻るでしょうか。】


上述の、持ち込みや、コンビ二の糖質制限OK食品で対処できないときは、
糖質を摂取するのもやむを得ないと思います。
でも退院して、糖質制限食に戻れば、すぐに元に戻ると思います。
可能なら、現在通院中の主治医に相談して、

「①αGI薬」「②グリニド系薬」を処方して貰って、準備しましょう。

「①αGI薬」
α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI:アルファー・ジーアイ)
アカルボース(グルコバイ)、ボグリボース(ベイスン)、ミグリトール(セイブル)など

デンプンのような多糖類は、α-アミラーゼという消化酵素の作用を得て、
二糖類(麦芽糖や蔗糖)やオリゴ糖に分解されます。

つまり、α-アミラーゼは、
穀物や芋のデンプンと呼ばれる多くの糖の集合体を
まず第一段階で分解して少し大きさを小さくしています。

その後、この二糖類やオリゴ糖は、
マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素により、
単糖(ブドウ糖、果糖、ガラクトース等)に分解されて小腸から体内に吸収されます。

マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素を総称して、
α-グルコシダーゼと呼びます。

この、α-グルコシダーゼの働きを阻害することにより、
腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、
食後高血糖を抑制するお薬が、
『α-グルコシダーゼ阻害薬』(アカルボース、ベイスン、セイブル)です。

それぞれ常用量で下記程度に血糖値を下げるとされています。

アカルボース: 1時間値50mg、 2時間値40mg
ベイスン:  1時間値40mg、 2時間値30mg
セイブル:  1時間値60mg、 2時間値20mg


より詳しくは、以下の本ブログ記事をご参照頂ければ幸いです。
『α-GI薬』(グルコバイ、ベイスン、セイブル)の役割と糖質制限食。
2023年05月02日 (火)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6267.html


「②グリニド系薬」

グルファスト、スターシスなどの「グリニド系薬(即効性インスリン分泌促進薬)」
を、糖質摂取直前30秒に内服して、対応しましょう。

グリニド系薬剤に関しては、
冠婚葬祭や旅行など、やむを得ず糖質を摂取せざるをえないようなとき
食直前30秒に内服しますが、このていどなら、
膵臓のβ細胞への負担は全く問題ありません。

私も、糖尿病患者さんに、
旅行中とか外食でやむを得ないときなどのために、
αGI薬やグリニド系薬剤を処方しています。

1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を、約3mg血糖値を上昇させます。

グリニド系薬剤の効果には個人差があり、
1錠で20~60mgくらい血糖値を下げる
とされています。


江部康二
糖質制限食で血糖値が劇的改善。でも合併症検査は必要。
こんばんは。
ブログ読者の皆さんから、「糖質制限食で血糖値が劇的に改善した」という、
とても嬉しいコメントを頂くことがあります。

例えば

「空腹時血糖値:200mg/dl以上
HbA1c:14%以上」

といった数値で、
医師から重度の糖尿病と診断されたようなケースが
糖質制限食で劇的に改善することはよくあります。
私のブログや本を参考に、糖質制限食を開始して
1週間後、購入した血糖値測定器が届いたので、
計測したところ空腹時95、食後125と正常値に戻っていたといった
ケースもあります。

空腹時血糖値:200mg/dl以上
HbA1c:14%以上
なら、医師は即入院が必要と説明すると思いますが、
入院したら、丼飯を食べさせられ、インスリンを打たれたと思います。(→ο←) 

血糖自己測定器の購入も正解だと思います。

『血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけで、蛋白質・脂質は与えない』

という生理学的事実を、自分で確認することができて、便利です。

「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」が、
酸化ストレスの最大のリスクであり、糖尿病合併症の元凶です。
糖質制限食なら、この二つを予防することができますが、
糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)では、この二つが必ず生じます。
従って、糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)は合併症予防が困難どころか、
誠に遺憾ながら「合併症製造食」としか言いようがありません。

しかしながら、糖質制限食で血糖値が劇的に改善したとしても、
いつ頃から糖尿病であったのか、わかりませんので、
糖尿病合併症の検査は必須です。
数年以上食後高血糖が続いたあと、
初めて糖尿病に気がついたというような場合もあり得るのです。


まずは眼科で眼底検査を行い、糖尿病網膜症の有無をチェックしましょう。
次いで循環器科で、頸動脈エコーを行い、
心電図・心エコーなど冠動脈・心臓の検査も実施しましょう。

それから、朝空腹時(前夜の食事から10時間以上絶食)に、
血中インスリン値と血糖値を測定しましょう。
この二つのデータで、HOMA-βとHOMA-Rが計算できます。
なお、カフェインが血糖値を上げることがあり得るので、
朝の水分補給は、お茶もなしで、水だけとしましょう。

あとは、、美味しく楽しく糖質制限食を実践して、
末長く健康ライフを目指しましょう。
なお、糖質制限食実践でAGEsの蓄積も最小限で済むので
将来の<糖化→老化>がかなり予防できると思います。

AGEs
に関しては、以下の本ブログ記事をご参照頂けば幸いです。
[ 高血糖の記憶(消えない借金)と糖質制限食。
2019年10月20日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5043.html ]



【HOMA-β】
HOMA-βは内因性インスリン分泌機能を推定する指数です。
HOMA-βは、空腹時血糖値と空腹時インスリン値で計算するのですが、
経口血糖負荷試験(OGTT)時の2時間値のインスリン分泌量と、
よく相関することがわかっています。
homeostatic model assessment beta cell function
→略してHOMA-β

という式で計算します。
空腹時血糖値130mg/dl以下なら信頼度が高いです。
正常値:40-60

【HOMA-R】

HOMA-Rとはインスリン抵抗指数のことです。

という式で計算します。
homeostasis model assessment insulin resistance
→略して HOMA-R
HOMA-Rが大きいほど、インスリン抵抗性が強いと考えられます。
1.6以下が正常で、2.5以上は抵抗性があると考えられます。
空腹時血糖値140mg/dl以下なら信頼度が高いです。



江部康二
糖質制限食とコレステロール値。


【24/02/20 倉田
肉中心の糖質制限食とコレステロール
江部先生、いつもお世話になっています。

スーパー糖質制限は、タンパク質・脂質無制限食とされていますが、
肉や卵を無制限に食べた場合も、コレステロールに影響はないのでしょうか。
近所の内科医は、コレステロールが高い場合、肉や卵を控えて、
魚と野菜をしっかり食べるようにと言っています。

私は、江部先生が説明されている縄文時代の肉を中心とした食事については
理解していますが、それでも、コレステロールとの関係はどうなのか、
コレステロール値を下げるには、肉より魚のほうが良いのか、
という点がよく分かりません。その点は、どうなのでしょうか。

また、その点がどうであれ、私が特にお尋ねしたいのは、
LDLの基準値は140mg未満とされていますが、
140mg以上であった場合は、薬で下げたほうが良いのかどうかということです。】



こんにちは。
倉田さんから、「糖質制限食とコレステロール値」について
コメント・質問を頂きました。

Ⅰ 米国糖尿病学会の見解
米国糖尿病学会は、2019年4月「コンセンサス・リコメンデーション」において
「糖質制限食(超低炭水化物食も含めて)は最も研究されている食事療法の一つである」
と明言して、一推しで推奨しました。
2020年、2021年、2022年、2023年のガイドラインでも同様の見解です。
米国糖尿病学会の見解ですから、エビデンスに基づいています。
急性心筋梗塞は、日本で年間約8万人、米国では約100万人が発症しています。
一般に、LDLコレステロール値が高値だと心筋梗塞のリスクとされていますが、
心筋梗塞が日本よりはるかに多い米国で、糖尿病学会が糖質制限食を一推しで推奨ですので、
「糖質制限食とLDLコレステロール値」に関しては、心配ないと思います。


Ⅱ 江部康二のコレステロール値
52歳から74歳現在まで、22年間スーパー糖質制限食を実践中の私のデータです。
コレステロール値は、2023年6月で
TC:176mg/dl
LDL-C:89mg/dl
HDL-C:74mg/dl
TG:65mg/dl



Ⅲ 肉 or 魚
「私は、江部先生が説明されている縄文時代の肉を中心とした食事については
理解していますが、それでも、コレステロールとの関係はどうなのか、
コレステロール値を下げるには、肉より魚のほうが良いのか、
という点がよく分かりません。その点は、どうなのでしょうか。」


日本列島にヒトが居住し始めたのは、38000年前の旧石器時代からです。
旧石器時代は22000間と長期にわたり続いて、そのまま縄文時代に移行しました。
旧石器時代は「ウルム氷期」という大変寒い時期で、針葉樹しかありませんでした。
当時は漁労の技術も未発達だったので、基本、肉ばかり食べていました。
ナウマン象、ヘラシカ、オオツノシカ、イノシシ・・・などです。
北海道ではマンモスも食べていたと思われます。
植物食としては、自然薯、松ぼっくり、コケモモくらいしかありませんでした。
日本人の身体は、22000年間、肉ばかり食べて形成されており、
肉に特化して適合していると考えられますので、肉食中心で問題ないと考えられます。
勿論、現代人は魚も食べて良いと思います。
江部康二の上述の検査データは、肉と魚が半々で野菜も食べてのものです。


Ⅳ LDLコレステロールが140mg/dl以上は内服薬は?
「また、その点がどうであれ、私が特にお尋ねしたいのは、
LDLの基準値は140mg未満とされていますが、
140mg以上であった場合は、薬で下げたほうが良いのかどうかということです。」


空腹時の採血で、
HDL-Cが60mg/dl以上、
TGが60~80mg/dl以下、

なら、悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cはほとんどないので安心です。
LDL-Cが140mg/dl以上の高値でも標準の大きさの善玉なので問題ないです。(☆)


①標準の大きさのLDLコレステロール:
 肝臓から末梢組織にコレステロールという細胞膜の原料を運ぶ善玉。
②小粒子LDLコレステロール:
 コレステロール輸送という本来の仕事をほとんどせずに、血管壁の傷などに入り込んで
 活性酸素に触れ、酸化して酸化LDLコレステロールになりやすいので危険。
③酸化LDLコレステロール:
 異物であり血管壁にこびりついて動脈硬化の元凶となる真の悪玉。

つまり、危険なのは②と③であり、
①はなくてはならない大切なものなのです。


(☆)http://promea2014.com/blog/?p=1101
ドクターシミズのひとりごと
に掲載してある、図を見て頂ければ上記が確認できます。
(図はAtherogenic lipoprotein phenotype. A proposed genetic marker for coronary heart disease risk.M A Austin, M C King, K M Vranizan and R M Krauss Circulation. 1990;82:495-506より抜粋)

清水先生、ありがとうございます。


江部康二

1900年代初期からの米国糖尿病食事療法の変遷。
こんにちは。
今回は、<1900年代初期からの米国糖尿病食事療法の変遷>
について考察してみます。

米国糖尿病食事療法の変遷 

<インスリン発見前>

1900年代初期までは米国では糖尿病治療食としては、糖質制限食が主流でし た。
それも、ほぼスーパー糖質制限食です。
おそら くヨーロッパでも同様で あった思われます。
この頃すでに、食後血糖値を上昇させるのは、
3大栄養素 のなかで主として糖質であるという ことが、認識されていたからです。
例えば、糖尿病学の父と呼ばれるエリオット・ジョスリン医師が執筆した
「ジョスリン糖尿病学」の初版は1916年出版ですが、
炭水化物は総摂取カロリーの20%が標準と記載してあります。

当時 は血糖値の測定はまだあまり一般的でなかったたので、
もっぱら尿糖を検査し ていました。
尿糖が でない食事療法が糖尿病治療において優れているとさ れ、
それが糖質制限食でした。
個人差はありますが尿に糖が出始めるのは、
血 糖値が 170~180mg/dLを超えたときですので、
当時としてはなかなか良い指標 でした。

このころ1型糖尿病は、診断後平均余命6ヶ月の致命的な病気でした。
その1型糖尿病患者に、フレデリック・アレ ン医師の考案した
「飢餓療法(炭水化物をほとんど含まない400kcal/日てい どの食 事)」が適用されて、
極端な低カロリー食で、寿命を数ヶ月から1~2 年、まれに3年延ばしましたが、
結局は致命的な疾患でした。
飢餓療法が一定の 効果をあげたのは、
内因性インスリンゼロの1型糖尿病においては、
糖質が直接血糖値を上昇させると共に、
タンパク質も間接的に糖新生により血糖値を上昇させることが
関与していたと考えられます。
ちなみにジョスリン医師とア レン医師は、
ハーバード大学医学 部の同窓生で良い友人でした。

<インスリン抽出以後>

1921年にカナダの整形外科医フレデリック・バンティングと
医学生チャール ズ・ベストがインスリンの抽出に初めて成功しまし た。
トロント総合病院に おいて、
1922年に当時14才の1型糖尿病患者(レナード・トンプスン少年)に 初めて注射し、血糖コント ロールに成功しました。
1型糖尿病はインスリン の登場までは、致命的な病気でしたが、
インスリンにより生命を保つことが可能となりました。

その後、インスリンを注射しておけば糖質を摂取しても血 糖値が上昇しないことが、
徐々に周知されるようになりました。
その結果、 正常人なみに糖質を食べても、
インスリンさえ打っておけばいいという流れと なっていき、
1型においても2型においても、米国糖尿人の糖質摂取量は徐々に増えていきました。

<ADA(米国糖尿病学会)食事療法ガイドラインの変遷など>

ADA(米国糖尿病学会)ガイドラインが初めて制定されたのが1950年です。
上 述の流れを受けて、第一回目のガイドライン制 定時には、
ADAは総摂取カロリーに対して、炭水化物の摂取量を以前より増やしました。

1950年のガイドラ インでは炭水化物40% を推奨。
1971年のガイドラインでは炭水化物45%に増えました。
1986年のガイドライン でさらに炭水化物60%と増加。

1994 年のガイドラインでは、
総摂取カロリー に対してタンパク質10~20%という規定がありますが、
炭水化物・脂質の規定 はなくなりまし た。
1994年のガイドラインの時、
オリーブオイルたっぷりの 地中海食も選択肢に加わわりました。
1994年以降、ガイドラインでは 炭水化 物と脂肪のカロリー比を固定しなくなりました。

1993年に発表された米国の1 型糖尿病研究・DCCTにおいて、
糖質管理食 (カーボカウント)が成功を収め たことから、
欧米では、糖質管理食が、1型糖尿病患者を中心に広まっていき ました。

1997年版米国 糖尿病学会の患者用テキストブックには
「糖質は 100%、タンパク質が50%、脂質が10%未満血糖に変わる」
とされていましたが、 2004年版では
「血糖値を上昇させるのは、糖質だけで、タンパク質・脂 質は上昇させない」
という記載に変更されました。

2005年、ボストンのジョ スリン糖尿病センターは、
炭水化物の推奨量を40%に下げました。
(Joslin Diabetes Mellitus 第14版、2005年、616ページ)。

ジョスリン糖尿病セン ターは、全米で最も評価の高い糖尿病治療センターの一つです。

<近年のADA(米国糖尿病学会)の、「食事療法に関する声明」の変遷>

2007年までは、ADA(米国糖尿病学会)は、
食事療法において、糖質制限食は 推奨しないとしていました。

ADA(米国糖尿 病学会)の「食事療法に関する声 明2008」において
「糖質のモニタリングは血糖管理の鍵となる」とランクAで 推奨され、
「減量が望 まれる糖尿病患者には低カロリー食、
もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」
と低糖質食を一定支持する見解が初めてだされました。

さらに2013年10月のADA(米国糖尿病学会)の、
成人糖尿病患者の食事療法に関する声明(Position Statement on Nutrition Therapy)では、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の食事パターンは
存在しないとの見 解を表明しました。

そして、患者ごとにさまざまな食事パターン
〔地中海 食,ベジタリアン食,糖質制限食,低脂質食,DASH食(高血圧食))食〕が受容可能であるとしています。
*DASH食は、Dietary Approaches to Stop Hypertensionの略称です。

糖質制限食も正式 に認められています。

このADAの見解は、1969年の食品交換表第2版 以降 2013年の第7版まで、
40年以上一貫して唯一無二のカロリー制限食を推奨し続 けている日本糖尿病学会への
痛烈な批判となっ ています。

ADAの「食事療法に 関する声明2013」は、日本の糖質制限食にとって、
大きな追い風となりました。

さらに、米国糖尿病学会は、
2019年4月「コンセンサス・リコメンデーション」において
「糖質制限食(超低炭水化物食も含めて)は最も研究されている食事療法の一つである」
と明言して、一推しで推奨しました。
2020年、2021年、2022年、2023年のガイドラインでも同様の見解です。
このことは、日本の糖質制限食推進派医師にとって
これ以上ない強力な援軍となりました。


江部康二

糖質制限とHbA1c、コレステロールについて。
『日付 名前
24/02/15 佐々木
糖質制限とHbA1c、コレステロールについて
いつもブログを拝見させて頂いています。
先生にHbA1c、コレステロールの件でご助言頂きたくコメントさせて頂きました。

昨年8月、妊娠糖尿病から境界型糖尿病になり、
先生の著書、ブログを参考に糖質制限を始めました。
現在、炭水化物や果物は摂取せず、
野菜やタンパク質、脂質は制限なく食べて緩やかに糖質制限をしていました。
間食にナッツや糖質制限のアイスを食べていました。

そして今月半年ぶりに血液検査、受診があったのですが、
空腹時血糖が94であってもHbA1cが5.6ということは
血糖値の変動幅が大きく質の悪いHbA1cになるのでしょうか?

また、主治医よりLDLコレステロール186 で高値と指摘がありました。
先生のブログよりHDLコレステロール60以上、中性脂肪60以下であれば
LDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉なので問題ないと拝見したのですが、
今回中性脂肪86と高値でした。
このような場合はどのように検査結果を捉えたら良いのでしょうか?


32歳
身長155cm
体重44kg

血液検査
【R5.8(空腹時)】
中性脂肪→42
HDL→103
LDL→154
血糖→87
HbA1c→5.9

【R6.2(食後1時間程)】
中性脂肪→86
HDL→72
LDL→186
血糖→94
HbA1c→5.6』



こんにちは。
佐々木さんから
【糖質制限とHbA1c、コレステロール】
について、コメント・質問を頂きました。


【今月半年ぶりに血液検査、受診があったのですが、
空腹時血糖が94であってもHbA1cが5.6ということは
血糖値の変動幅が大きく質の悪いHbA1cになるのでしょうか?】


推定平均血糖値は、
<28.7 × HbA1c> - 46.7
で、計算できます。
佐々木さんの平均血糖値は、114.0mg/dlとなります。

【現在、炭水化物や果物は摂取せず、
野菜やタンパク質、脂質は制限なく食べて緩やかに糖質制限をしていました。】


ということなら、佐々木さんのHbA1cは、
血糖変動幅の少ない質の良い HbA1cなので、心配ないです。


【主治医よりLDLコレステロール186 で高値と指摘がありました。
先生のブログよりHDLコレステロール60以上、中性脂肪60以下であれば
LDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉なので問題ないと拝見したのですが、
今回中性脂肪86と高値でした。
このような場合はどのように検査結果を捉えたら良いのでしょうか
?】

空腹時の血液検査が良いので、全く問題はないです。
LDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉です。

血液検査
【R5.8(空腹時)】
中性脂肪→42
HDL→103
LDL→154
血糖→87
HbA1c→5.9

【R6.2(食後1時間程)】
中性脂肪→86
HDL→72
LDL→186
血糖→94
HbA1c→5.6】


食後の検査は、食物中の中性脂肪を拾うので、
少々高くなることがありますが、それは問題ないです。
また食後1時間の中性脂肪値も基準値なので、とても良いです。
内服薬は、全く必要ありません。
これからも、美味しく楽しく末永く糖質制限食を続けられて、
健康長寿を目指して頂ければ、幸いです。


江部康二
『糖質制限食と耐糖能』について。正常人。糖尿人。境界人。
【24/02/15 なな

先生こんにちは😊
いつもためになるブログをありがとうございます!(´▽`)

私は4ヶ月でスーパー糖質制限をして20kg痩せました!
ここ1ヶ月ほどは1日の糖質量を10g以下に抑えています。
人生で今がいちばん元気です😄💪

早速ですが
2ヶ月後、結婚式にお呼ばれし、
糖質たっぷりの料理を食べることになりそうです🥹
コース料理なので 料理にかかっているソース等はなるべく避けて食べるようにしますw
ただデザートはどうしても避けようがないのです😭

ここで質問です。

数ヶ月もしくは数年の間、糖質を1日10g以下にしていて
急にケーキとか食べたら一般的に体はどうなりますか?(人によると思いますが🥲)

お忙しいところすみません(;_;)
よろしくお願いいたします(>人<;)】



こんにちは。
ななさんから、糖質制限食と耐糖能について
コメント・質問を頂きました。

【私は4ヶ月でスーパー糖質制限をして20kg痩せました!
ここ1ヶ月ほどは1日の糖質量を10g以下に抑えています。
人生で今がいちばん元気です😄💪】


素晴らしい成果です。
現在、身長と体重と年齢は、どのくらいですか?
厚生労働省は、BMIが20以上25未満で、その人の体調が良いなら
その体重でOKとしています。
厚生労働省の言う「推定エネルギー必要量」を摂取して
上記目標を達成して頂ければ幸いです。


【数ヶ月もしくは数年の間、糖質を1日10g以下にしていて
急にケーキとか食べたら一般的に体はどうなりますか?(人によると思いますが🥲)】

おそらく、血糖値が爆上がりすると思います。
血糖値の乱高下で、眠気が生じる可能性があります。
ショートケーキの糖質量は28gくらいなので、
冷や汗がでるほどの血糖降下はないと思います。

また一回だけの食後高血糖で。、動脈硬化になることはありません。
食後高血糖の長年の積み重ねで、動脈硬化となっていきます。


さて今回は、『糖質制限食と耐糖能』について考えてみます。


A)正常人
耐糖能正常な人が
スーパー糖質制限食を続けていて、
いきなり糖質摂取すると
血糖値が爆上がりする人が、おられます。
勿論、どうもない人もいます。

75g経口ブドウ糖負荷試験を実施する前の3日間は
150g/日以上の糖質を摂取することが推奨されています。

つまり、しばらく糖質制限食を続けていると、
いきなりの大量の糖質摂取に対して、
β細胞の準備ができていないので今までよりも、
血糖が上昇する人がいることは間違いないです。

しかし、スーパー糖質制限中でも、インスリン基礎分泌は出ていますし
野菜分の1回に約10gの糖質摂取に対して、
追加分泌インスリンも少量は出ています。
また、たんぱく質の摂取でもインスリンとグルカゴンが分泌されます。
従ってスーパー糖質制限食実践中でも、β細胞はある程度活動しています。

また、過剰な糖質摂取に対してβ細胞が疲弊して、
分泌能力が極端に減ってしまって発症するペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)が知られていますが、
スーパー糖質制限食の場合は、
β細胞は一定の休息を得て、疲弊はなく、基本的に元気です。
つまり、本当に耐糖能が低下しているのではないのです。

従って、150g/日の糖質を3日間摂取して、準備期間をおけば
β細胞はしっかりインスリンを分泌するので、本来の耐糖能に戻ると思います。



「糖質制限食を行うと耐糖能が低下する」という説を最初に唱えたのは、
ヒムスワースです。
「健康人に糖質の少ない食事を1週間与えて糖負荷試験を行った。高糖質食を与えたときには耐糖能は正常であったのに、
低糖質食によって糖尿病と判定されるほどに耐糖能が悪化した。」
というのが、ヒムスワースが1935年に発表した論文の結論です。

Himsworth HP. The dietetic factor determining the glucose tolerance and sensitivity to insulin of healthy men. Clin Sci 2, 67-94, 1935.

☆☆
ウィルカーソンらは
「糖質制限食を行っても耐糖能は低下しない」という論文を発表しました。
1960年、ウィルカーソン(Wilkerson)らが、
複数の受刑者を被験者として低糖質食が耐糖能に与える影響を再検討して、
糖質の摂取量を1日50グラムに制限しても、
耐糖能には大きな影響を及ぼさないという報告を行いました。
この報告がNew England Journal of Medicineという
影響力の大きな医学誌に掲載されました。

Wilkerson HLC, Hyman C, Kaufman M, McCuistion AC, Francis JO. Diagnostic evaluation of oral glucose tolerance tests in nondiabetic subjects after various levels of carbohydrate intake. N Engl J Med 262, 1047-1053, 1960.



B)糖尿人
2型糖尿病の診断基準をしっかり満たした人が、
1年間のスーパー糖質制限食実践で血糖値もHbA1cも正常値となり、
試しに白ご飯を一人前(糖質量は55g)摂取しても、
血糖はピーク140mg/dlを超えなくなった例もあります。

これは、スーパー糖質制限食で膵臓が休養できて、
β細胞が回復して耐糖能も改善したためと考えられます。

2008/10/29のブログ「糖質制限食と耐糖能改善」
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-590.html


もご参照いただければ幸いです。

以下は、糖尿人・江部康二のHOMA-βの推移です。
           HOMA-β            HbA1c(NGSP)
2004年:     12                5.5%(4.6~6.2)
2008年:     21                   5.7%
2009年:     29                    5.7%
2012年:     40                    5.9%
2014年:     40                    5.7%
2015年:     25.0                   5.9%
2016年:     40.6                   5.9%
2017年:     22.97                 5.8%
2018年:     31.6                   5.7%
2019年:     36.0       5.8%
2020年:          48                5.7%
2021年:         36                 5.7%
2022年:         33                 5.7%
2023年:        18.5        5.7% 

HOMA-β ・・・正常値:40-60  

インスリン分泌能は、トータルにみるとやや低めですが、
一定の波はありながらも、2004年に比べると、ほぼ維持できているようです。
HbA1cもコントロール良好を維持できています。
糖尿病発症は2002年6月のことです。HbA1cが6.7%ありました。

C)境界人

新潟労災病院消化器内科部長前川智先生の論文
「耐糖能異常に対する低炭水化物食の効果に関する後ろ向き研究」
Diabetes, Metabolic syndrome, Obesity, Target and Therapy
(ニュージーランドの英文雑誌)
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4063858/  → ここで全文が閲覧可能です。

Diabetes Metab Syndr Obes. 2014; 7: 195–201.
Retrospective study on the efficacy of a low-carbohydrate diet for impaired glucose tolerance
Satoshi Maekawa,1 Tetsuya Kawahara,2 Ryosuke Nomura,1 Takayuki Murase,1 Yasuyoshi Ann,1 Masayuki Oeholm,1 and Masaru Harada3

12ヶ月間の低炭水化物ダイエット(120g/日の糖質)により、
境界型糖尿病36名中25名(69.4%)が、OGTTで正常化。
11名(30%)は境界型(IGT)のまま。
糖尿病発症は0名(0%)。

対照群(普通食)36名中、3名(8%)が正常化。
28名(78%)は不変でIGTのまま。
5名(14%)が糖尿病発症です。

糖質制限食実践により、境界型糖尿病の耐糖能が69%も正常化していて、
対照群に比べて素晴らしい成果です。


江部康二
国内旅行中の食事。高速道路のサービスエリアは糖質制限困難。
【24/02/15 西村 典彦
旅行中の食事
国内旅行の事になりますが、低糖質のメニューがほとんどなくて困るのが高速道路のサービスエリアです。
最近は食材の高騰などにより、
ますますカロリー単価の安い炭水化物が中心のメニューばかりになって食べられるものがありません。

そこで私はサービスエリアのメニューは諦めてできるだけ低糖質のものを持っていくことにしています。
旅行に出発時は自宅で作れるので良いのですが、
帰りはちょっと困りますが、コンビニなどで低糖質パンやサラダチキンなどを買っていくことにしています。
コンビニでもだいぶ低糖質のものが入手できるようになって重宝しています。

ちょっとした旅行でも困るのに長距離ドライバーの方で糖質制限されていたら本当に困ると思います。
それとホテルもバイキング形式の食事が提供されるところを選ぶようにして低糖質のものをチョイスしています。
以前、バイキング形式ではないのですが予約時にアレルギーなどはないですかと確認していただいたことがあり、
炭水化物を抜いて欲しいとお願いしたところ上手く工夫していただきました。
通常のメニューとほとんど同じなのですが糖質の多いソース類は別添えにして頂いたり、
デザートは砂糖がほんの少しで済むコーヒーゼリーに変えて頂いたり、
ほんの少しの手間で低糖質の食事を提供して頂き経験豊富なシェフだろうと感心したことがありました。

対応して頂ける可能性もあるので予約時に聞いてみるのも良いと思います。】



こんにちは。
西村 典彦 さんから、
「海外旅行よりも、国内の高速道路のサービスエリアが糖質制限困難」
との
コメントを頂きました。
確かに、仰る通りです。

私は、コロナ禍(か)前の、2019年までは
富士見高原のペンション・ジョナサンにて夏期テニス合宿を
1982年から、34年間、ずっと続けていました。
体育会の部活ではなく、一般市民のテニス好きの集まりの会が
34年も続いたのは、ギネスブックものの快挙だと思っています。

京都から名神にのって中央道に移行して、富士見高原を目指します。
高速道路から降りれば、いろいろ食べ物屋さんはあるのですが、
そのためにわざわ高速道路を降りるのはさすがに無駄なので却下です。
サービスエリアでは、うどん、カレーライス、親子丼、とんかつ定食とか、
炭水化物ばかりです。
仕方がないので、とんかつ定食を頼んで、ご飯は食べずに、
とんかつの衣を一部剥がして、食べたりで凌いでいました。

数年目からは、サービスエリアで食事するのはやめて
トイレ休憩だけとして、
一気に富士見高原ペンション村までたどり着いて
「八ヶ岳カントリーキッチンレストラン」にて、
糖質制限OKなメニューを賞味することとしました。
京都市を午前8時ごろ出発して、12:30~13:00の間くらいに富士見高原に到着です。

まあ、いろいろ工夫すればなんとかなるものですが、
サーブスエリアのメニューは困ったものです。

ブログで、以前からよく、
「長距離ドライブをする時は是非、
糖質制限食実践で眠気を抑えて事故防止に役立てましょう。」

と書いているのですが、現実には、サービスエリアの食事では
困難です。

西村 典彦 さんのように、コンビニで糖質制限OK食品を購入して
自衛するのが賢明なようですね。


【以前、バイキング形式ではないのですが予約時にアレルギーなどはないですかと確認していただいたことがあり、
炭水化物を抜いて欲しいとお願いしたところ上手く工夫していただきました。
通常のメニューとほとんど同じなのですが糖質の多いソース類は別添えにして頂いたり、
デザートは砂糖がほんの少しで済むコーヒーゼリーに変えて頂いたり、
ほんの少しの手間で低糖質の食事を提供して頂き経験豊富なシェフだろうと感心したことがありました。
対応して頂ける可能性もあるので予約時に聞いてみるのも良いと思います。】


それは、素晴らしい対応ですね。
ホテルもシェフも、「good job」です。


江部康二
海外旅行と糖質制限食
こんにちは。
今回は久しぶりに海外旅行と糖質制限食について考えてみます。

私の患者さんでもそうなのですが、
海外旅行では糖質制限食は困難という懸念を持つ糖尿人が結構多いようで、
コメントでも時々相談があります。

私、ここ21年以上海外旅行に行ったことがないので、
大きなことは言えないのですが、
海外でも糖質制限食の旅は、ある程度可能と思います。

日本国内でも外食を考えれば同じことなのですが、
地中海料理でもフランス料理でも、どこの料理でも大抵大丈夫です。

フランス料理なら、パンやケーキなどさえ止めておけばフルコース食べることができます。
季節がよければ、ジビエ料理(野生の鳥獣料理)もいいですね。
語学力がある人は、デザートのケーキのかわりにチーズにして貰うのもいいですね。

イタリア料理でパスタやピザがないのはさすがに寂しいですが、
お魚やお肉や野菜料理を食べるなら問題はありません。

ギリシャなどの地中海料理はオリーブオイルたっぷりで、
海の幸が豊富で糖質制限食OK食材が多いと思います。

イギリスでも
ステーキ、ローストビーフ、卵料理、ソーセージ、ベーコンなど
糖質制限OK料理もあります。

中華料理も麺類やご飯やマントウ(パン)や餃子の皮などに注意して、
野菜、牛肉、豚肉、海鮮・・・いろんな 糖質制限食OK食材があります。

中華料理は、本場でも砂糖を使っている可能性があるのですが、
海外旅行中はこれくらいは目をつぶりますか。

アメリカでも、ステーキやハンバーグは大丈夫ですね。

カナダやオーストラリアは、お肉、お魚、野菜など食材が豊富で、
糖質制限食に不自由はしないと思います。

糖尿人でよくヨーロッパに出張される男性の言ですが

「日本料理は、寿司とかダシとか隠し味に砂糖とかをよく使ってあるので、結構血糖値が上昇します。
かえってフランス料理のほうが 糖質制限食的です。」

と仰ってました。

この糖尿人、糖質制限食を実践する前は、従来のカロリー制限食に従い、
フランスに行ってもわざわざ寿司を食べたりしていたそうです。
そうすると、血糖自己測定器で食後200アップの高血糖連発で困っていたのだそうです。
今は、フランス料理やステーキを食べて、血糖値はほとんど上昇しないそうです。

糖質制限食はカロリー制限食と違って、面倒くさい計算は要りません。
糖質制限食で必要なのは、食材の糖質量だけに留意することです。
まあ、簡単に言えば主食(糖質が主)を抜いておかずばかり食べていれば、
何料理でも概ねOKです。

抜くべき主食やそれに準ずるものとしては、
穀物、芋、バナナなどデンプン含有量が多い食材です。

あと、パック旅行などで料理のほとんどがデンプンなどピンチの時の用意に
蒸し大豆なども携帯用に便利ですね。
ナッツ類、ビーフジャーキー、サラミなどは、糖質制限OKです。
天日干しのスルメ、ゲソ、貝柱、めざし、鮭とば、干し海老などの干物もOKです。
あと、現地にスーパーがあれば、ハムやソーセージやチーズは手に入ると思います。

どうしても主食を食べざるをえないときのために、
アカルボースやベイスンなどαGI阻害剤、
あるいはグルファストやスターシスなど速効型インスリン分泌促進剤を
主治医に処方して貰っておいて、食直前30秒に内服という選択肢もありますね。
これなら食後高血糖があるていど軽減できます。

糖尿人の皆さん、
海外に行っても糖質制限食を美味しく楽しくどんどん食べてくださいね。ヾ(^▽^)


江部康二



ドイツ在住の小野さん、アメリカ在住の小野さん、wannabers さん、もえさん、
海外の食事体験、とても参考になります。
ありがとうございます。

【19/02/21   小野
海外旅行と糖質制限
ドイツ在住で、近隣諸国によく旅行します。機内食に期待するのは今のところ無理で、糖尿病食を選んでもそれは糖質制限ではないです。調べたら、過去に一回だけ糖質制限機内食がありましたが(ANAのシンガポール便)。でもその後は聞きません。
機内食には全く期待しないほうが賢明です。私は自分で作った糖質制限のお弁当を必ず持参します。

旅行中はレストランで肉か魚にサラダかブロッコリーのような糖質の少ない野菜を頼みます。じゃがいもの代わりにブロッコリーを、と言えばたいていOKしてくれます。
朝食用のパンは日数分焼いて持って行きます。エリスリトールを使って焼いたクッキーやカカオ99%で作ったチョコも日数分持参(チョコは南国には無理ですが)。
ホテルの部屋に着いたらすぐに冷凍室で保存。朝食付きだったらチーズやハム類は必ずあります。
最近はキッチン付きのホテルに泊まることが多いです。どんなに小さいキッチンでも、あれば鬼に金棒です!

地元の市場やスーパーマーケットで糖質の少ない食材を探すのも楽しいです。料理が面倒でも、グリルしたチキンならどこにでも売ってます。

私は今、「海外旅行で糖質制限」というテーマで本を書いていますけど、
よければ参考にしてください。(うまく出版にこぎつけたらの話ですが。笑)】



【小野
【19/02/22 wannabers
アメリカのサラダ
アメリカ在住です。
ステーキなどもいいですが、こちらのサラダはボリュームがあって、かつトッピングにグリルしたチキンやサーモンが載っているものがあります。クルトンを食べずに砂糖の入っていないドレッシングを選ぶとかなり抵糖質です。
またハンバーガーのお店でもLettuce Wrapと言って頼むと、パンなしで、中身をレタスで包んで出してくれることがあります。ただNo Bunsと言うと、中身だけ皿に入れて出してくれる店もあります。
ご参考になれば幸いです。】



【19/02/22 (自称 社会科学者) もえ
久々のトピックですね(^_^)
 私は、ちょうど先月末から今月初めに満州(中国)に1週間ほど旅してきました。
 まず機内食ですが、一般的な糖尿病食はオススメできないかな?と思います。例えば、ANAのは糖質制限じゃなくて、カロリー制限と繊維質(?)が重視されていると思います。私は、ANAの日本発の場合には、糖尿病食を事前にリクエストはしないで、普通に洋食?にして、炭水化物系や糖質多しは、遠慮なく残します。食べてないのに、ご丁寧に、パンのおかわりいかがですか?とか言われたりします(^_^) もちろん、お断りで(^_^)
 日本に帰国する便の場合、ANAでも出発地によるかと思います。かなり前にこちらでも情報提供しましたが、直接に電話なりメールで、糖質制限のリクエストをすると、やってくれることがあります。現地のケータリング会社次第かもしれないです。ただ、相手と外国語でのコミュニケーションと押しの強さ(こっちの方が重要かも?誰でもですが、面倒なイレギュラーな仕事はしたくないと思いますので)が必要かも?ですね。レジャーの海外旅行だと、そんなんやってられるか!となるかも?ですね。もしも、高級ホテルや面倒見がいいホテルに宿泊している場合には、そこの人に連絡してもらうという手もあるかもしれないです。たしか、私はまだリクエストしたことないですが、シンガポール航空だったら(ネットからでも)、糖尿病食とは別にロカボの特別食がリクエストできたんじゃなかったかな?と記憶しています。
 で、中国(の北の方?)での糖質制限ですが、自分で選べるのなら、火鍋がオススメかな?と思います。しゃぶしゃぶの原型なのかな?と思ったりします(ヨーロッパだと、フォンデュ・シノワーズみたいな発音で呼ばれてたりしますね)。あと、朝鮮系の人が多いところだと、焼肉ですかね?あ、あと、海鮮ですね。これも言葉で苦労するかもしれないですが、いけすの魚介をリクエスト通りに調理してくれるところだと、糖質ほぼ0ですみますね。
 マイルが失効しかけていたので、この機会に北朝鮮を見て、もう一回年越しするか?という軽い気持ちで行ってきましたが、ホテルの朝食バイキングと火鍋・焼肉・海鮮で、意外なほど糖質制限いけました。もちろん、押しの強さ(と、通訳アプリ)がなかったら、こうは行かなかったかな?と思います。
 ながながと失礼しましたm(_ _)m 】


【19/02/22 小野
海外旅行(台湾)と糖質制限
続きです。

私は仕事で台湾によく行きます。
台湾でスーパー糖質制限を実行するには今のところ、心の準備と強い意志が必要です。美味しそうなものがありすぎますから。

まず、ナイトマーケットで食べられる物はないと思ったほうがいいです。例外的に、豆腐を発酵させた臭豆腐(チョウ・ドウフ)がありますが、蒸した物であれば付いてくる汁は飲まないこと。揚げた物であれば、素揚げなのでOKですが、必ず付く漬物は砂糖がかなり使ってあります。

経済的な旅であれば、自分でおかずが選べる弁当屋がたくさんあるので、まず「ご飯は要らない」と伝えて、焼き魚や炒め野菜を指差すといいです。普通、座るところもあります。

レストランでは蒸し鶏や蒸し魚がありますが、タレは甘いものが多いです。コンビニではゆで卵と素焼きアーモンドぐらいが安全圏内。台湾コンビニおでんも避けたほうが無難。おでんのこんにゃくは出汁のこと考えると健康的ではないと思うし、見た目が低糖に見えても甘い。
味噌汁も甘いので要注意。

食堂や屋台では青菜をさっと湯がいたものと、素材がはっきりわかる食べ物が最も安全です。

デザートでは、豆腐花(ドウフ・ホア)が美味しいですよ。ただし、「豆腐花だけでいい。シロップもその他色々も要らない」と言うこと。そして、持参したエリスリトールをかければ大満足のデザートになりますよ。

私は台湾で台湾人のための糖質制限の料理本を出版した際、台湾中を講演してまわりましたが、江部先生の御本(中国語版)を見せて、「理論はこれを読めばなぜ糖質制限がいいのかハッキリわかります」としっかり紹介しました!

ちなみに、台湾ではまだ、糖尿病2型は薬でコントロールしながら、玄米を食べてカロリー制限という考え方が多いです。

一ヶ月台湾に滞在して上記の食生活の後、Hb1cは普通5.7前後なのに
5.4と、全く上がっていませんでした。

ご参考まで。】
市民検診や健康診断の意義。
こんにちは。
今回は、健康診断の意義について、考えてみます。

かつて医師になりたての頃、自営業などのおじさんなどで、
「自分は元気でどこも悪くないから健康診断など必要ない。」
などと豪語していた人が、
いきなり心筋梗塞とか、いきなり眼底出血で視力低下とかいうことが、
結構ありました。
ベースに糖尿病などが隠れているとそういうことがあり得ます。
多くの場合、血糖が200mg、300mgあっても無症状であり、
血液検査をしない限りわかりませんので、このようなケースがあったのです。

近年、会社などでは、1/年の健康診断が、法律で義務づけられているので
糖尿病や高血圧でも早期発見が可能となっています。
糖尿病に関しては、
HbA1c6.5%以上、早朝空腹時血糖値126mg/dl以上で
糖尿病型と基準が決まっているので、わかりやすいです。


尿検査では、尿たんぱくや尿潜血など腎臓病(IgA腎症など)のチェックができます。
尿中微量アルブミン検査で、糖尿病腎症が一番初期の段階でチェックできます。


大腸がんが増えているので、検便も有用です。
近年は大便を1日に1回ずつ2日に分けて採取する「便潜血2日法」が主流で、
通常は検査当日を含む3日以内の便で検査します。


胸部X線写真や心電図もあります。
日本では、欧米に比べて結核もまだまだ多いし、
肺がんも、大腸がん、胃がんについで第三位なので、油断は禁物なのです。


血圧は、健康診断とか病院で測定すると、普段よりかなり高めになる人が多いです。
従って、健康診断で高血圧と言われて、すぐに内服薬を飲むのではなくて、
家で朝の血圧を測定してみるのが、良いのです。

京都府立医大糖尿病治療学講師・牛込恵美医師の
『血圧測定データに基づく10年間の研究データ報告』
によると
①2型糖尿病患者において、早朝に家庭で測定した収縮期血圧(SBP)の最大値は、
合併症の一つである糖尿病腎症の予測因子になり得る
②家庭血圧が大事で、病院で測定した血圧は参考にならない。
③特に朝の収縮期血圧が大事で、拡張期血圧は参考にならない。
④120/未満が、糖尿病腎症予防には、一番安全。
⑤季節変動のある血圧は、前もって処方して、自己管理が良い。


つまり、朝測定した家庭血圧が最も信頼度が高いのです。


さて、問題となるのは血清コレステロール値中性脂肪値です。
いずれも、早朝空腹時のデータが信頼度が高いです。

基準値
総コレステロール:140~149mg/dl
HDLコレステロール:40mg/dl以上
LDLコレステロール:60~119mg/dl
中性脂肪:30~149mg/dl

一般の医療機関では、健康診断でLDLコレステロール値が120mg/dl以上あると
高コレステロール血症と診断されてしまい、即スタチン系製剤を処方されることが
よくあります。
しかしここで、よく考える必要があります。
通常、HDLコレステロールが善玉で、LDLコレステロールが悪玉とされていますが、
実はLDLコレステロールにも善玉があるのです。

標準の大きさの善玉のLDLコレステロールは、
肝臓から細胞膜の原料であるコレステロールを末梢組織に運ぶ大切な役割があります。
そこで細胞膜の原料となったあと余ったコレステロールを、
HDLコレステロールとして肝臓まで回収するわけです。

つまり、善玉のLDLコレステロールと善玉のHDLコレステロール
人体にとって必要不可欠な大事な物質ということです。

悪玉のLDLコレステロールは、
小さくて比重の重い「小粒子LDL-C」と活性酸素を浴びた「酸化LDL-C」
2種となります。
HDL-Cが低値で、中性脂肪が高値の場合は、これらの悪玉コレステロールが
増加
するので、動脈硬化のリスク要因となります。

一方、、HDLコレステロールが60mg/dl以上あり、
中性脂肪値が60mg/dl以下ならば、
小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールといった悪玉は皆無で、
LDLコレステロール値が180mg/dlとかあっても、全て善玉
なので
問題ないのです。
スーパー糖質制限食を実践して早朝空腹時の採血であれば
ほとんどの人で、この目標が達成できます。

あと、脂肪肝の診断は腹部エコー検査で確定するのですが、
血液検査でもあるていど、判断できます。


ブログ読者の皆さん、スーパー糖質制限食を実践されて
美味しく、楽しく、末長く、健康長寿を目指しましょう。

江部康二
「腹八分目」で健康長寿。Dr.中川のがんのヒミツ。毎日新聞。
こんにちは。

毎日新聞
くらしナビ
-ライフスタイル-
https://mainichi.jp/articles/20240212/ddm/013/040/027000c

Dr.中川のがんのヒミツ
「腹八分目」で健康長寿
毎日新聞2024/2/12(月・祝)



こんにちは。
今朝の毎日新聞の朝刊に 
Dr.中川のがんのヒミツ
「腹八分目」で健康長
寿
という記事が掲載されました。

米国の研究で、カロリー制限によって、アカゲザルの寿命は大きく延びました。
がんや心血管系の病気の発症率も減少し、健康寿命も延長しました。 
なかには43歳まで生きるサルも現れ、アカゲザルの最長寿記録を樹立しました。
43歳はヒトでは129歳に相当します。

ウィスコンシン大学と米国国立老化研究所は共著で2017年初頭に
「カロリー制限はアカゲザルの健康長寿に効果がある」
と英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに報告しました。

カロリー制限ということは、蛋白質は減らせないので、
糖質と脂質を一定程度減らしたと考えられます。
つまり、このアカゲサルの研究は、
カロリー制限であると共に糖質制限でもあります。


52歳で糖尿病を「発症し、
スーパー糖質制限食を74歳現在まで22年間継続実践中の江部康二は、

1)歯は全部残っており、虫歯なし。
2)目は裸眼で広辞苑の文字が読め、車の運転もできます。
3)聴力低下なし。
4)夜間尿なし。
5)身長の縮みなし。
6)52歳で糖尿病発症ですが、一貫して、定期的内服薬なし。
7)糖尿病合併症なし。
8)血圧は、120~135/70~85と、ほぼ正常。勿論、降圧剤なし。
 (高血圧の基準は家庭血圧で 135/85mmHg 以上)
9)整体師のかたに、70代としては、尻と足の筋肉量がかなり多いと褒められました。
10)1日8000歩、歩き、そのうち5~6割は速歩です。
11)摂取エネルギーは、約1600~1800kcal/日と、厚生労働省の言う「推定エネルギー必要量」よりやや少なめ。
12)テニスは日曜日しか行けませんが、朝11時から中級コースで90分間練習して、
  昼からダブルスを3~4試合して、15時半頃、帰路につきます。
  日曜日は、15000~16000歩/日です。


明らかに、老化が比較的防げていると言えます。

江部康二



以下の青色文字の記載は、記事の要約です。

【ビタミンや栄養が不足しない範囲でカロリーを制限すると寿命が長くなることは、
酵母のような単細胞生物からマウスなどの実験動物まで広く認められています。 
酵母は通例では、20回分裂して死んでしまいます。
しかし、餌に含まれる糖分の濃度を4分の1に減らすと、
26回分裂できるようになります。
つまり、寿命が3割延びるわけです。 
日本人と同様、マウスでもがんが死因のトップですが、
餌のカロリーを減らすことで、発がん率が低下します。
もちろん、寿命も延長します。 
生物は細胞内で酸素を使って栄養をゆっくりと「燃焼」させながらATP(アデノシン三リン酸)として、エネルギーを蓄えます。
この代謝活動に伴って、どうしても副産物が発生します。
その一つが活性酸素で、これが遺伝子やたんぱく質を酸化させ、
老化や発がんにつながります。 
カロリー制限は代謝活動を抑えて、活性酸素の発生を減らします。
これが、がんの発生を抑え、寿命の延長につながると考えられています。 
人間でもカロリー制限が長寿をもたらすかどうか、興味のあるところですが、
ヒトとDNAの93%が共通するアカゲザルを使った実験が行われました。 
このサルはニホンザルに近い外来種の霊長類で、
近年はニホンザルとの交雑が問題となっています。
実験によく使われるサルで、平均寿命は約26歳、最長寿命は約40歳です。 
アカゲザルに与える餌のカロリーを3割制限して、
健康影響を前向きに調べる研究が、1980年代にアメリカの2施設で始まりました。
ただし、ビタミン、ミネラルは十分に与えています。 
この結果は驚くべきものでした。カロリー制限によって、
アカゲザルの寿命は大きく延びました。
がんや心血管系の病気の発症率も減少し、健康寿命も延長しました。 
なかには43歳まで生きるサルも現れ、アカゲザルの最長寿記録を樹立しました。
43歳はヒトでは129歳に相当します。】 


■人物略歴中川恵一(なかがわ・けいいち)さん 1985年東京大医学部卒。同大大学院医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。
イヌイット。糖質制限食。平均寿命。骨粗鬆症。
こんばんは。
糖質制限食の勉強をしていると、
イヌイットのことは、避けて通ることができません。
今回は、
イヌイットと骨粗鬆症、平均寿命、糖質制限食などについて考察してみます。

イヌイットは極寒の特殊環境に住んでいる民族です。
日光が少ないので、ビタミンDが作りにくくて
骨粗鬆症になりやすいと考えられます。

両手・顔を晴天日の太陽光に露出したと仮定した場合、
紫外線の弱い冬の12月の正午では、
那覇で8分、つくばでは22分の日光浴で
必要量のビタミンDを生成することができるものの、
緯度の高い札幌では、つくばの3倍以上の76分が必要です。(☆☆☆ )
イヌイットの生活環境は、札幌よりはるかに日光が少ないですね。

そしてイヌイットの平均寿命は世界でかなりも短い部類に入ると思います。
死因の一位は、狩猟時などに、海への転落とかクレバスに落ちるとか事故死です。
妊娠・出産に伴う周産期死亡もとても多いです。
若者が事故で死亡し、赤ちゃんや母親が出産で死亡するので
平均寿命が短くなります。

イヌイットとは真逆で、日本は、
周産期死亡は世界で一番少ないレベルですし、事故死も少ないと思います。

0才児の平均余命が「平均寿命」です。
平均寿命でポイントとなるのが乳幼児死亡率です。
例えば江戸時代の平均寿命は30~40歳と短いのですが、
生まれた子どもの半分以上が5歳までに死亡していた
ようです。
出産時の死亡や周産期の死亡、その後は感染症での死亡もあります。
麻疹や天然痘、コレラやインフルエンザ、
そして脚気でも多くの人が亡くなっています。
飢饉や火事、台風、水害など災害でも多くの人が亡くなっています。
江戸時代は出産で死亡する女性もかなり多かったとされています。

江戸時代も含め、昔は
赤ちゃんや乳幼児の死亡率、そして出産時の死亡率が高いので、
必然的に、平均寿命は短くなります。
実は、明治時代までは、
乳幼児死亡率と出産時の赤ちゃんの死亡率はかなり高かったのです。

赤ちゃんや乳幼児死亡、出産で死亡する女性は
医療の発展で激減しました。
江戸、明治までは、医療が未発達だったので、
赤ちゃんの死亡や出産時に死亡する女性は、かなり多かったのです。

平成の時代に、赤ちゃんが亡くなるとか、出産時に母親が亡くなることは
極めてまれなできごとなので、大変な事態なのですが、
江戸、明治では日常的な出来事だったのです。



それから長寿の人の糖質摂取が多いのは当たりまえであり、
現在の高齢者の方々の時代には糖質制限食自体が存在しません。
現代は<食糧事情、住宅事情、上下水道、医療水準が安定>といった条件が整ったので、
長寿が達成できたものと思われます。

糖質制限食が高雄病院で開始されたのが1999年です。
なお日野原重明先生は、文書で確認できた限りでは、
少なくとも100歳の時には糖質制限食を実践されていました。
確認はできていませんが、もっと以前から糖質制限食だったと思われます。
105歳で逝去されました。

ちなみに、
52歳で糖尿病発症時から、
スーパー糖質制限食を74歳現在まで22年間継続実践中の江部康二は、
1)歯は全部残っており、虫歯なし。
2)目は裸眼で広辞苑の文字が読め、車の運転もできます。
3)聴力低下なし。
4)夜間尿なし。
5)身長の縮みなし。
6)52歳で糖尿病発症ですが、一貫して、定期的内服薬なし。
7)糖尿病合併症なし。
8)整体師のかたに、70代としては、尻と足の筋肉量がかなり多いと褒められました。
9)1日8000歩、歩き、そのうち5~6割は速歩です。
10)テニスは日曜日しか行けませんが、朝11時から中級コースで90分間練習して、
  昼からダブルスを3~4試合して、15時半頃、帰路につきます。

明らかに、老化が比較的防げていると言えます。
<糖化 ⇒ 老化>
が最小限で済んでいる結果だと考えられます。
糖化が52歳から、最小限で済んでいるので、
<糖化⇒老化>も予防できていると思われます。

このように考察してくると、
現代のように<食糧事情、住宅事情、上下水道、医療水準が安定>している中での糖質制限食なら
動脈硬化や西洋型がんの予防が期待でき、
血流・代謝が良くなり免疫力も増強で肺炎予防効果
もあり、
平均寿命が延びる可能性が高いと考えられます。


なお、
イヌイットが理想的なスーパー糖質制限食を実践していたのは1855年頃までです。
バング、ダイアベルグらの試算で、
伝統的食生活の頃(1855年)のイヌイットは、3202kcal/日
蛋白質:377g・・・47.1%・・・1508kcal
炭水化物:59g・・・7.4%・・・236kcal
脂質:162g・・・45.5%・・・1459kcal
です。

1976年の調査
             Eskimos      Danes
Protein          23          11%
Fat             39         42%
Carbohydrate      38          47%
(*)Am.J.Clin.Nutr.33:2657-2661.1980.

1976年の調査ではかなり糖質が増えています。

1950年代半ば以降になると、カナダ政府の定住化政策もあり、
北ケベックのイヌイットは、急速な社会変動と食生活の変化を経験しました。
都市化、欧米化の進行です。
1993年、カナダのマッギル大学の先住民栄養環境研究センターの調査によれば、
イヌイットの若者は、
ハンバーガー、ピザ、ポテトチップス、コーラ、ガム、チョコレートを好み、
摂取カロリーの大半が、これら糖質を大量に含むジャンク・フ-ドでした。
このような食生活の変化により、疾病構造も急速に変化していきました。
かつて、極めて少なかった心筋梗塞や糖尿病が、
米国やカナダを上回るほど増えてしまったのです。



(☆☆☆)
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2013/20130830/20130830.html
体内で必要とするビタミンD生成に要する日照時間の推定
-札幌の冬季にはつくばの3倍以上の日光浴が必要-
(筑波研究学園都市記者会配布)
平成25年8月29日(木)
独立行政法人国立環境研究所 
地球環境研究センター
地球環境データベース推進室長 
中島英彰
同  高度技能専門員 
宮内正厚

国立環境研究所と東京家政大学の研究チームは、このほど健康な生活を送るのに必要不可欠な成人の1日のビタミンD摂取量の指標とされる、5.5 μgすべてを体内で生成するとした場合に必要な日光浴の時間を、日本の3地点である札幌、つくば、那覇について、季節や時刻を考慮した数値計算を用いて求めました。

その結果、両手・顔を晴天日の太陽光に露出したと仮定した場合、紫外線の弱い冬の12月の正午では、那覇で8分、つくばでは22分の日光浴で必要量のビタミンDを生成することができるものの、緯度の高い札幌では、つくばの3倍以上の76分日光浴をしないと必要量のビタミンDを生成しないことが判りました。紫外線を浴びすぎるとシミやしわ、皮膚がんの原因となることから、最近極度に紫外線を忌諱する風潮も一部で見受けられますが、冬季の北日本などでは食物からのビタミンD摂取に加え、積極的な日光浴が推奨されることが今回の研究で明らかとなりました。
なお、本研究結果は、8月30日発行の日本ビタミン学会の機関誌「Journal of Nutritional Science and Vitaminology」に掲載されます。




江部康二
糖質制限食の過去・現在・未来
こんばんは。
今回は「糖質制限食の過去・現在・未来」について
考察してみます。

<糖質制限食の過去・現在>
私が、一般向けの、日本初の糖質制限の本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!」2005年(東洋経済新報社)
を上梓したころは、
はっきり言って、四面楚歌の状態でした。

糖質制限食賛成派の医師は、高雄病院グループ以外は皆無であり、
本を読んで入院してきた糖尿病患者さんも、
「主治医には黙ってこっそり来た」「主治医に言ったら、怒られた」といった状況でした。

私も、勿論、他の医師には、奇人・変人扱いされていたと思います。
本ブログを立ち上げたのが、2007/2/27(火)です。
その後、理論面の本やレシピ本などを各社から多数出版してきました。

ブログを見たり、本を購入した糖尿病サバイバーの皆さんや減量に成功したダイエッターの方々が、
ご自分のブログ、ツイッター、フェイスブックなどで糖質制限食のことを
草の根的に広めて頂いたのも今日の隆盛の大きな力となったと思います。

この間、私自身も、ブログで毎日情報発信し、本を上梓するなど、
糖質制限食を日本に広める役目を確実に果たしてきたかなと自負しています。
2010年頃からは、テレビ・新聞・雑誌などのマスコミが、こぞって糖質制限食を取り上げるようになり、
世間一般の認知度は格段に上がりました。

さらに流れが、はっきり変わったのは、
2012/1/15(日)第15回日本病態栄養学会年次学術集会(国立京都国際会館)において
「糖尿病治療に低炭水化物食は是か?非か?」というディベートセッションが開催されてからです。

通常は3000人規模の学会に4000人の医師・栄養士が参加し大きな反響を巻き起こしました。
このことは糖質制限食が医学界の表舞台に初登場したという意味で、大きな一歩といえます。

私のブログ「ドクター江部の糖尿病徒然日記」のアクセス件数もこの日を境に1000件以上増えて、
現在1日に数千件のアクセスがある人気ブログとなりました。

このセッション以降、日本全国の医師会や病院から講演依頼が相次ぐようになり、
医学界にも爆発的に糖質制限食が広がり始めました。
2012年は、糖質制限食普及において、飛躍の年となりました。

このように、医学界だけではなく、
在野の糖質セイゲニスト達(糖尿人、ダイエッターなど)も今日の日本の糖質制限食の歴史を切り開いてきたと言えます。

さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において
地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、強い味方となりました。

さらに、米国糖尿病学会は、2019年4月、コンセンサス・レポートにおいて
『糖質制限食は2型糖尿病で最も研究されている食事パターンの1つ』
と明言し、一推しで推奨しました。
2020年、2021年、2022年、2023年のガイドラインでも同様の見解です。
このことは糖質制限食にとって、とても大きな追い風となりました。
すなわち、現在、糖質制限食の有効性と安全性に関しては
米国糖尿病学会のお墨付きがある
というわけです。

近年、外食産業やコンビニでも糖質制限食OK食材が販売されるようになりました。
NHKクローズアップ現代によれば2016年7月時点で、
糖質制限食の社会への浸透による市場規模は既に3000億円を超えているそうです。
近年、さらに市場規模は拡大していると思います。

<糖質制限食の未来>
このような現状において、糖質制限食は様々な生活習慣病の予防と治療に顕著な効果を発揮し、
医療費削減の切り札となると思います。
さらに糖質制限食により社会が大きく変わり、様々な経済効果をもたらし、
健康寿命をのばす可能性があります。
糖質制限食に内在する大きなポテンシャルにより、
日本において、栄養学や医学における意識革命、産業界における経済革命が起こる可能性が高いと考えています。

<間違った常識に囚われるのは危険>
そして最後に、従来の常識に囚われていたら、生命の危険があるのが、糖尿病の食事療法の世界です。
『血糖値を直接上昇させるのは糖質だけであり、タンパク質・脂質は上げない』という生理学的事実に基づき、
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を予防できるのは糖質制限食だけです。

糖質を摂取すれば、必ず「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」は酸化ストレスを生じ、合併症のリスクとなります。

従って、従来の糖尿病食(高糖質食)実践では、純粋理論的に合併症予防は不可能です。
従来の糖尿病食は、『合併症製造食』としか言いようがないのが現実なのです。

糖尿人の皆さんは、まだ間に合ううちに、是非、自分の頭でしっかり考えて、
常識の殻を打ち破り真実を理解していただき、身を守って欲しいと思います。


江部康二
新型コロナワクチン接種により免疫調整力が低下。リウマチ発症。
【24/02/06 J子

様々な情報をいつもありがとうございます。
ワクチンへの疑問を持ちながら2回接種しましたが、大変後悔しています。
57歳まで病気とは無縁だったのに『関節リウマチ』と診断されました。
ゆるい糖質制限で健康体重や血圧管理し
体調は最高状態だったので診断を受け入れられませんでした。
でも、こればかりは絶対にワクチンのせいだ!と証明できないですね(涙)

秋頃 ウォーキングで腿の筋肉が疲労したのかな?年かな?という感じがありました。
膝じゃなくてその上が張る感じだったし、診断を全く受け入れられませんでした。
血液検査の数値も「それ程高い訳でも無いけど…」だそうです。
リウマチがどの様な病か知らなかったんですが、非常に厄介な病ですね。
何故発症したのか?
思い当たる節と言えば ワクチンしかないな〜等と漠然と思ってしまっていました。
我ながら馬鹿な考えで現実逃避してる、、、と思いきや
『免疫力の低下による癌や 膠原病も懸念』
されていたんですね。

膠原病についてどう理解すれば良いのか?難しかったので教えていただきたいです。
癌は免疫力の低下というのはわかるのですが、
免疫力の拮抗?暴走?で自己を攻撃してしまい発症

免疫力を下げる薬で治療するリウマチの場合 
最近流行りの免疫力アップ効果が高い食べ物や生活様式というのは逆効果なんでしょうか? 
(私も年齢的に ちょっとした健康食品は摂っていました。黒ニンニクやら高麗人参やら 笑)

全身炎症なのだから 糖質制限はとても有効だと思うのですが、いかがですか? 
発症前の糖質制限生活に効果を実感していので無理せず続けていきたいのです。
免疫力アップし過ぎて良くないのでしょうか?】


こんにちは。
J子さんから新型コロナワクチン接種後に発症した「リウマチ」に関して
コメントと質問を頂きました。

新型コロナワクチン接種により、
自然免疫が低下することは間違いありません。
例えば、ワクチン接種前の年間の帯状疱疹患者数に対して
ワクチン接種後は、
年間の帯状疱疹患者数が、1.5~2倍に増えているからです。(☆☆)

自然免疫力が低下することに加えて、免疫調整力も低下すると思われます。
がんや帯状疱疹が増えるのは、
<自然免疫力の低下>で説明できます。

一方、リウマチなど膠原病の増加は
<免疫調整力の低下>が関与しているように思えます。
膠原病は免疫の誤作動で発症します。

確かに「ワクチンのせいだ!」と証明することは困難ですが、
私は、J子さんは、ワクチン接種をきっかけに、免疫調整力が低下したために
免疫の誤作動が生じて、リウマチを発症した可能性が高いと思います。

糖尿病、肥満、メタボ、膠原病を始めとして、
糖質制限食は<ほとんどの生活習慣病>の改善と予防に有効です。

AGEsの蓄積による糖化や慢性炎症
生活習慣病の発症要因の主たるものの一つであることは間違いありません。

J子さんも、是非<スーパー糖質制限食>を実践されて
リウマチの克服を目指しましょう。


そして、中嶋一雄先生から、タイムリーなコメントを頂きました。
ありがとうございます。
慶応義塾大学の論文によれば、
新型コロナワクチン接種後に、SLE(膠原病の一種)の活動性指数が増加し、
医療従事者の抗核抗体が増加したとのことです。(☆)


(☆)【24/02/06 中嶋一雄
コロナワクチンと膠原病
◇慶応義塾大学の論文です

SLE疾患活動性指数(SLEDAI)はワクチン接種後に緩やかではあるが大幅に増加

Risk of disease flares after SARS-CoV-2 mRNA vaccination in patients with systemic lupus erythematosus

https://doi.org/10.1080/25785826.2023.2300163


◇医療従事者にmRNAワクチン接種すると抗核抗体が増加した

The onset of novo autoantubodies in healthcare workers after mRNA based anti-SARS-CoV-2 vaccines: a single centre prospective follow-up study

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/08916934.2023.2229072


江部康二



(☆☆)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5928.html
2022年04月06日 (水)
「帯状ほう疹」患者が急増 3回目接種後に発症した男性(20代)の場合は…

こんにちは。
ヤフーニュースに2022年4月5日、
https://news.yahoo.co.jp/articles/9628f0c179564c9c75b3f81b988cdc53f4b98ac7
「帯状ほう疹」患者が急増 3回目接種後に発症した男性(20代)の場合は…

というBSS山陰放送の記事が掲載されました。

確かに、コロナ禍のなか、「帯状ほう疹」の患者が急増しています。
私の外来でも、帯状疱疹、単純疱疹ともに増えています。
一体なぜなのでしょうか。
近畿大学医学部皮膚科学教室 大塚篤司 主任教授  が、インタビューに答えておられます。
以下、一部を引用します。

近畿大学医学部皮膚科学教室 大塚篤司 主任教授 

①「私が近畿大学で患者さんを診ている限りでは、去年の春から夏にかけては、帯状疱疹の患者さんが非常に多く増えた印象があります。だいたい1.5倍~2倍くらい患者さんを診た印象はあります」  

②「高齢者の人が基本的にかかりやすいので、50代以上の人が多いんですが、20代でも受診される人がいて、それは普段とは違う印象がありました。コロナ禍でストレスがかかって、帯状ほう疹発症する可能性がひとつあります」

③「コロナワクチンを打ったことによって、イメージとして、脊髄のところにいた免疫が駆り出されて、ほかの免疫のところに働いたために、ヘルペスが増えやすくなったというのは論文等でいわれています。多いところの報告だと、コロナワクチン接種者の10%くらいの人にヘルペスウイルスの活性化があったという報告もあります。帯状ほう疹は治療薬もあるし、後遺症もほとんど無く治療が可能です。コロナは治療薬ほとんど出ていないですし、後遺症の問題もあるので、バランスを考えると、コロナワクチンをしっかり接種してもらいたいと思います」  



①大塚教授の仰るように、私の外来でも帯状疱疹の患者さんが1.5~2倍に増えた印象があります。
 また単純疱疹が、「熱の華」の「口唇ヘルペス」ていどが普通のはずが、
 顔面全体に皮疹・発赤・腫脹が出現して非常に重症化した症例を経験しました。
 医師になって48年ですが、これまで診てきた単純疱疹で、圧倒的に最も重症でした。
 「新型コロナワクチン接種による人体の免疫力低下」のせいと思われます。

②20代で帯状疱疹というのは、コロナ禍以前には、ほとんどなかったことであり、異常な状況と言えます。 
 コロナ禍のストレスというよりも、「新型コロナワクチン接種による人体の免疫力の低下」の可能性が高いと思われます。

③大塚篤司教授、ご自分でも、「新型コロナワクチン接種による免疫力の低下で 
 ヘルペスが増えた」
と認めておられます。 
 その上で、新型コロナワクチン接種のメリットのほうが大きいとしておられます。 
 しかしながら新型コロナ感染症は、そもそも59歳以下は、ほとんど重症化しないので、 
 59歳以下の人にワクチンを打つメリットはない
と思います。


 江部康二
糖尿病ケトアシドーシスは、糖質・蛋白質・脂質代謝全てが破綻している。
【24/02/04 倉田
糖尿病ケトアシドーシスについての質問です
江部先生は著書で「スーパー糖質制限を実践している場合、血中ケトン体濃度が高くなるが、インスリン作用が保たれている限り、生理的なものであり安全です。一方、糖尿病などでインスリン作用が欠落しているときに限定して起こりうる糖尿病ケトアシドーシスは、病的であり重篤で危険なものです」と説明されています。

この説明に関する疑問点の第一は、「インスリン作用が保たれている限り」とか「インスリン作用が欠落しているとき」という場合の、インスリン作用の程度についてです。
1型糖尿病はインスリン作用が完全に欠落しているが、2型糖尿病はインスリン作用が完全に欠落しているのではなく何割か残存していると理解しています。

しかし2型糖尿病の場合も、インスリン作用の欠落または残存はどの程度なら良いのか、というインスリン作用の限度についてはどのように理解したら良いのでしょうか。
あるいは、2型でもインスリン作用が完全に欠落することがあるのかどうか、
ということでもあります。

疑問点の第二は、1型、2型に関わらず、インスリン作用不足のためブドウ糖を細胞に取り込めなくても、ブドウ糖の代わりにケトン体がエネルギー源になるとすると、ケトン体濃度が高くなっても、危険な糖尿病ケトアシドーシスにはならないのではないでしょうか。
糖尿病ケトアシドーシスになるのはどのような場合なのか、
正確なところがよく分かりません。
江部先生のお考えをお聞かせ願えれば幸いです。】



【疑問点の第二は、1型、2型に関わらず、
インスリン作用不足のためブドウ糖を細胞に取り込めなくても、
ブドウ糖の代わりにケトン体がエネルギー源になるとすると、
ケトン体濃度が高くなっても、
危険な糖尿病ケトアシドーシスにはならないのではないでしょうか。
糖尿病ケトアシドーシスになるのはどのような場合なのか、
正確なところがよく分かりません。】


以下は、倉田さんの第二の疑問への回答です。
糖尿病ケトアシドーシスは、インスリン作用が欠落して、
糖質・蛋白質・脂質代謝全てが破綻している病態です。
インスリンは血糖値を下げるだけではなく、
脂質代謝や蛋白質代謝にも関与しています。

<インスリンの作用>
インスリンは、グリコーゲン合成・タンパク質合成・脂肪合成など、
栄養素の同化を促進し、筋肉、脂肪組織、肝臓に取り込みます。
インスリンが作用するのは、
主として、筋肉(骨格筋、心筋)、脂肪組織、肝臓です。

1)糖質代謝
*ブドウ糖の筋肉細胞・脂肪細胞内への取り込みを促進させる。
*グリコーゲン合成を促進させる。
*グリコーゲン分解を抑制する。
*肝臓の糖新生を抑制し、ブドウ糖の血中放出を抑制する。

2)蛋白質代謝
*骨格筋に作用してタンパク質合成を促進させる。
*骨格筋に作用してタンパク質の異化を抑制する。

3)脂質代謝
*脂肪の合成を促進する。
*脂肪の分解を抑制する。



これらのインスリン作用が欠落すれば、
各栄養素の異化が促進します。

糖質代謝:グリコーゲン分解と糖新生が過剰となり、高血糖となります。

蛋白質代謝:骨格筋の異化が過剰となり、筋肉が分解されます。

脂質代謝:脂質の分解が過剰となり、脂肪酸とケトン体が高値となります。

すなわち、糖尿病ケトアシドーシスというのは、
エネルギー源がブドウ糖ではなくケトン体になるという結果だけではなく
糖質代謝・蛋白質代謝・脂質代謝の全てのプロセスが破綻した病態ということです。


実際に糖尿病ケトアシドーシスとなるのは、
2024/2/5(月)の記事にも書きましたが、
1型糖尿病で、急にインスリン注射をやめた場合とか
ペットボトル症候群とか特殊例がほとんどです。

ただ
<スーパー糖質制限食 + SGLT2阻害薬>
で治療を実践したとき、脱水があると糖尿病ケトアシドーシスになりやすいので
注意が必要です。
しっかり水分補給をすることを心がけましょう。


糖尿病ケトアシドーシスの発症機序は、以下の如くです。
「インスリン作用の欠落或いは極端な不足→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用の低下・脂肪分解の亢進→高血糖・高遊離脂肪酸血症→ケトン体の産生亢進→ケトアシドーシス」
即ち、ケトン体高値は、始まりではなくあくまでも結果です。
つまり、糖尿病ケトアシドーシスの始まりは、
<インスリン作用の欠落或いは極端な不足>であり、それ以外にはないです。



江部康二

糖尿病ケトアシドーシス。インスリン作用の欠落。
【24/02/04 倉田
糖尿病ケトアシドーシスについての質問です
江部先生は著書で「スーパー糖質制限を実践している場合、血中ケトン体濃度が高くなるが、インスリン作用が保たれている限り、生理的なものであり安全です。一方、糖尿病などでインスリン作用が欠落しているときに限定して起こりうる糖尿病ケトアシドーシスは、病的であり重篤で危険なものです」と説明されています。

この説明に関する疑問点の第一は、「インスリン作用が保たれている限り」とか「インスリン作用が欠落しているとき」という場合の、インスリン作用の程度についてです。
1型糖尿病はインスリン作用が完全に欠落しているが、2型糖尿病はインスリン作用が完全に欠落しているのではなく何割か残存していると理解しています。

しかし2型糖尿病の場合も、インスリン作用の欠落または残存はどの程度なら良いのか、というインスリン作用の限度についてはどのように理解したら良いのでしょうか。
あるいは、2型でもインスリン作用が完全に欠落することがあるのかどうか、
ということでもあります。

疑問点の第二は、1型、2型に関わらず、インスリン作用不足のためブドウ糖を細胞に取り込めなくても、ブドウ糖の代わりにケトン体がエネルギー源になるとすると、ケトン体濃度が高くなっても、危険な糖尿病ケトアシドーシスにはならないのではないでしょうか。
糖尿病ケトアシドーシスになるのはどのような場合なのか、
正確なところがよく分かりません。
江部先生のお考えをお聞かせ願えれば幸いです。】



こんばんは。
倉田さんから、糖尿病ケトアシドーシスに関してコメント・質問を頂きました。

【この説明に関する疑問点の第一は、「インスリン作用が保たれている限り」とか「インスリン作用が欠落しているとき」という場合の、インスリン作用の程度についてです。
1型糖尿病はインスリン作用が完全に欠落しているが、2型糖尿病はインスリン作用が完全に欠落しているのではなく何割か残存していると理解しています。
しかし2型糖尿病の場合も、インスリン作用の欠落または残存はどの程度なら良いのか、というインスリン作用の限度についてはどのように理解したら良いのでしょうか。
あるいは、2型でもインスリン作用が完全に欠落することがあるのかどうか、
ということでもあります。】


糖尿病ケトアシドーシスの発症機序は、以下の如くです。
「インスリン作用の欠落或いは極端な不足→拮抗ホルモンの過剰→全身の代謝障害→糖利用の低下・脂肪分解の亢進→高血糖・高遊離脂肪酸血症→ケトン体の産生亢進→ケトアシドーシス」
即ち、ケトン体高値は、始まりではなくあくまでも結果です。
つまり、糖尿病ケトアシドーシスの始まりは、
<インスリン作用の欠落或いは極端な不足>であり、それ以外にはないです。

なお、1型糖尿病でも緩徐進行型1型糖尿病の場合は、
当分の間インスリン作用が保たれる場合もあります。
  
2型糖尿病の人は基本的にインスリン作用不足がありますが、
ほとんどの場合インスリン分泌欠落まではいっていません。(*)
従って、2型糖尿病の人が、『糖尿病ケトアシドーシス』を発症することはめったにないのです。
 
例えば、正常人のインスリン分泌能力が10あるとすれば、
2型糖尿病を発症した時点で、糖尿人の分泌能力は7くらいに減っています。
 
これが糖尿病歴10年、20年、30年と続き、血糖コントロールが良くなければ、
7→6→5→4→3→2→1→0 とインスリン分泌能力が低下していきます。
 
従って、2型糖尿病の人でも、血糖コントロールが不良で、
じり貧でインスリン分泌が減少して、なくなるような病態までいけば、
インスリン注射が絶対に必要でインスリン依存状態になりえるわけです。
高血糖が確実にβ細胞を障害するので、コントロール不良の糖尿病は
インスリン分泌能力が、経時的に減っていくわけです。
 
例えば、1998年に発表されたUKPDSというイギリスの大規模な疫学的研究では、
インスリン、経口血糖降下剤、従来の食事療法(カロリー制限・高糖質食)で徹底的に強化治療をしても、
10年たった時点では、HbA1cは基本的に悪化していて、
 
「2型糖尿病は慢性の進行性のインスリン分泌障害で不治の病である」
 
という、恐るべき結論になっています。(=_=;)  

いわゆる糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)を食べる限りは、UKPDSと同じ結論にならざるをえません。
 
まあこの結論は、糖質制限食で変えることができて、進行は止まると考えられます。
 
 
私も2型糖尿病で、正常人に比べれば、インスリン分泌不足は、存在します。
しかし、私のインスリン、それなりに働いてくれてますので、
糖質制限食で生理的ケトン体上昇はありますが、血糖値はほぼ正常です。
52歳で糖尿病を発症して、今74歳ですが、スーパー糖質制限食を22年継続していて糖尿病合併症もなく、
HbA1cは、5.6~5.9%くらいで、経過していて、糖尿病の進行は止まっています。
インスリン分泌能力も、22年間、ほとんど変化はありません。


 病理的ケトン体上昇を伴う糖尿病性ケトアシドーシスは、
1型のシック・デイとか2型のペットボトル症候群(**)とか、
1型でいきなりインスリン注射を中止したとか、
インスリン作用欠落(10→0~1)か極端な不足の時にしか生じません。
血糖値は、通常は500mg/dl以上となります。
 
いきなり急速に発症した1型なら、病理的ケトン体上昇を伴う糖尿病性ケトアシドーシスになりえます。
しかし2型であれば医療機関に全く受診せず放置したとかよほどのことが無い限り、
病理的ケトン体上昇を伴う糖尿病性ケトアシドーシスはまずありません。
糖質制限食を実践中の糖尿病患者さんで、血中ケトン体が今の基準値より高くても、
血糖コントロールが比較的良好なら、インスリン作用も確保されていて、生理的なもので何の問題もありません。
 
(*)
インスリン分泌不足とインスリン抵抗性(効きが悪い)が合わさってインスリン作用不足となり、糖尿病を発症します。
日本人の場合はインスリン分泌不足が主で、欧米白人はインスリン抵抗性が主とされています。
 
(**)

ペットボトル症候群
ペットボトルを持ち歩いたりして、
清涼飲料水を1日2~3リットル毎日飲み続ける人がいます。
もともと糖尿病の素因を持っていたり、軽度の糖尿病の人が、このように吸収されやすい糖質を多量に摂取していると、飲む度に血糖値が上昇してインスリンが追加分泌されるのですが、ついにはインスリンの供給が追いつかなくなり血糖値が高くなります。
 
一旦血糖値が高くなると糖毒状態となり、β細胞がどんどん障害されていきます。
それが続けば、インスリンがほとんど分泌されなくなり、糖尿病性ケトアシドーシスという危険な状態になり、ものの1~2週間で意識の混濁や昏睡に陥るケースもあります。
 
≪高血糖の持続→インスリン分泌低下とインスリン抵抗性増大→高血糖の持続→≫
この悪循環パターンを、臨床的には「糖毒」 と呼びます。
ペットボトル症候群の場合は、β細胞が疲弊しているだけで、
死滅しているわけではないので、
生理的食塩水の大量輸液などの治療で回復すれば、
インスリン分泌能力も改善します。

 

長くなりましたので、
倉田さんの疑問点の第二については、明日のブログ記事とします。



江部康二


新型コロナ感染で糖尿病発症。ワクチン接種の有無で差はある?
【24/02/02 ゆー
ワクチンについては
コロナ感染で糖尿病発症ということですが、
ワクチンを打った人、打ってない人との違いはどうなんでしょう? 】



こんばんは。
ゆー さんから、
「新型コロナ感染で糖尿病発症。ワクチン接種の有無で差はある?」
というコメント・質問を頂きました。

ヘルスケアに
新型コロナ感染後に糖尿病発症リスクが急増、
ワクチンで一定の予防効果。
https://forbesjapan.com/articles/detail/60982
ヘルスケア2023.02.15


という記事が掲載されています。

ヘルスケアの記事の原著は以下です。
https://www.forbes.com/sites/roberthart/2023/02/14/diabetes-risk-jumps-after-covid-infection-study-finds-vaccination-seems-to-offer-some-protection/?sh=4f1183c8d111

FORBESBUSINESS
BREAKING
Diabetes Risk Jumps After Covid Infection, Study Finds—Vaccination Seems To Offer Some ProtectionRobert HartForbes StaffI cover breaking news.

速報
新型コロナウイルス感染後に糖尿病のリスクが急上昇、
研究結果―ワクチン接種である程度の予防ができるようだと
ロバート・ハートフォーブスのスタッフが速報ニュースを取り上げています。


しかしながら、新型コロナワクチンは、
あまりにも問題の多いワクチンです。
1つくらい利点があったとしても、私は今まで1回も接種していませんし、
これからも接種することはありません。


新型コロナワクチンに関する考察としては
2023年10月9日の本ブログ記事を再掲します。

【23/10/08
ライフワーク光野 
ノーベル生理学・医学賞にカリコ氏
NHKETVで表記カリコ教授と山中教授のオンライン対談(再放送?)が放映されました。
2023年10月7日11:00
・mRNAの研究は、過去10年以上続けられおり、その成果がコロナワクチン開発のスピード化に貢献した。
・山中教授のIPSの増殖用途にも採用されている。
・以上の事を元に、山中教授よりお褒めの言葉があり、
 「日本でもワクチン接種を勧めるべきだ」とのコメントがありました。
 この対談を世俗の輩の「雑音」と看過する訳には行きません。
是非とも江部先生に解説を頂きたく存じます。】


『23/10/08ドクター江部
  Re: ノーベル生理学・医学賞にカリコ氏

ライフワーク光野 さん

東京の大新聞やテレビ、NHKは、いずれも政府に忖度するので、
新型コロナワクチンの副反応や接種後死亡者に関する報道が、極めて小さいし少ないです。

これに対して、名古屋のCBCテレビは、
新型コロナワクチンの副反応や接種後死亡者に関する報道を、しっかりと行なっています。
例えば、以下の記事があります。

<strong>https://www.chunichi.co.jp/article/696518
CBCテレビ、大石邦彦アナウンサーが追った新型コロナワクチン報道の特別番組『評価不能 新型コロナワクチンの光と影
27日午後放送
2023年5月25日 17時00分


CBCテレビによれば
「新型コロナワクチンによる副反応の症状は数万件、接種後の死亡事例は2000件に上る。」
です。


新型コロナワクチンを接種後、死亡例が、2023年5月時点で2000件です。
2023年10月現在は、ワクチン接種後死亡例はもっと増えています。

厚生労働省は、ほとんどの症例で、
「新型コロナワクチン接種と死亡との因果関係は評価不能」
という立場です。
しかし、健康だった人がワクチン接種後に急死するわけですから、
『死亡とワクチンとの関連は評価不能』ではなくて、
『死亡とワクチンとの関連を完全に否定することは困難である』と言うのがフェアな考えだと思います。

このように、新型コロナワクチンは危険がいっぱいの接種してはいけないワクチンです。
ノーベル賞などとんでもないです。


【ワクチン接種100万回あたりの死亡率

インフルエンザワクチン:0.1~0.2件
新型コロナワクチン:9.26件

月間保団連11
November 2021
No.1356 35-39
新型コロナウイルスワクチンにおける情報公開
小島 盛二 名古屋大学名誉教授 】


月刊保団連に掲載された小島 盛二 名古屋大学名誉教授の記事で、
新型コロナワクチンの接種後死亡率がインフルエンザワクチン接種後死亡率の46~92倍ということがわかります。



新型コロナワクチン「コミナティ筋注」の効果に関する理論的考察。
 以下は2022年9月22日((木))のブログ記事です。


おはようございます。
【新型コロナ】国内初のCOVID-19ワクチン「コミナティ筋注」
が承認取得し 
ワクチン接種は2021年2月17日に開始されています。
欧米より2ヶ月遅れということです。

以下の黒字の記載は、2021年2月18日の私のブログ記事です。
COVID-19ワクチン「コミナティ筋注」に対する当時の私の見解を述べています。

接種開始から、1年7ヶ月が経過した2022年9月22(木)時点での私の考えは、
青色字で記載しました。
基本は変わりませんが、追加があります。
2023年10月時点の私の考えは、茶色字で追加しました。


新型コロナワクチン「コミナティ筋注」の効果に関する理論的考察。
2021年02月18日 (木)
こんばんは。
今回は、新型コロナワクチンの効果と問題点に関して
理論的に考察してみます。

①感染は防げない。
インフルエンザワクチンも新型コロナワクチンも、
IgG抗体を産生させますが、粘膜面にあるIgA抗体は産生させません。
従って、水際(粘膜面)で感染防御というのは理論的には、あり得ません。
粘膜面で感染して、粘膜細胞内にウィルスが侵入して、
そこで初めて、IgG抗体が出動できるわけです。

ワクチン接種で感染が防げないことは明確となりました。
2023年10月も同様の見解です。そもそも、流行が防げていません。

②発症は防げる?
インフルエンザのように、
潜伏期が1~4日間くらい(多くは1~2日)の場合、
発症を防ぐことも困難です。
感染したあとIgG抗体が駆けつけてウイルスと闘いますが、
潜伏期が短いとIgG抗体も発症を防げないのです。

新型コロナウイルスの場合、潜伏期間は1~14日間ほどとされており、
感染してから症状を発症するまでの平均期間は5~6日ほどです。
こちらは、潜伏期が1~2日とか短ければ、
インフルエンザと同様にIgG抗体が駆けつけても発症予防は困難です。
一方、潜伏期が5~6日間とか長ければ、IgG抗体が間に合って
発症予防が可能と思われます。

ワクチン接種で発症が防げないことも明確となりました。
2023年も、同じ見解です。

③重症化は防げる。

新型コロナワクチンで生成されたIgG抗体が、
感染後すぐに駆けつけても発症が防げないことはあります。
それでも、IgG抗体がまともに働けば、新型コロナウイルスの数は
減少するので、発症したあとの重症化は防げる可能性があります。
つまりサイトカインストームに到る前の段階で、IgG抗体が働いて
重症化を防いでくれるということです。

ワクチンが重症化を防ぐかどうかは研究待ちですが、
オミクロン株はデルタ株に比べると、そもそも重症化率が明らかに低いです。

新型コロナウイルスが、変異するごとに弱毒化して軽症化しているので、
ワクチンの効果で重症化が防げているかどうかは不明です。


④ADEの可能性は?
ワクチン接種者が感染した場合に出てくるもので、
ADE(抗体依存性免疫増強)という現象があります。
ワクチン接種者が有すIgG抗体が、
新型コロナ感染時にかえって、症状を悪化させることがあり得るのです。
ADEがどの程度の頻度あり得るのかが懸念されます。

ワクチン接種後の死亡者も報告されているだけで、
1700名以上なので一定数のADEが発生していると思われます。

ワクチン接種後の死亡者は、2000名以上となっているので、
一定数のADEが発生している可能性が高いです。


⑤人類が未経験の遺伝子ワクチン
mRNAワクチンは人類は未経験です。
10年、20年後の副反応のことは全く担保されておらず、
長期的な安全性に不安があります。

この見解は、2022年9月現在も変わりません。
この見解は、2023年10月現在も変わりません。
新型コロナワクチンは自然免疫を低下させているので、
将来のがんや膠原病の発症が懸念されます。
接種開始前と開始後で比較すると「帯状疱疹」の患者数が2倍に増加しているので
このワクチンが自然免疫を低下させている可能性が極めて高いのです。


①②③④⑤を考慮すると
私自身は、今回のファイザー社の新型コロナワクチン「コミナティ筋注」を
1回も接種していませんし、今後も接種するつもりはありません。

モデルナ社のワクチンも同様です。その代わり、スーパー糖質制限食実践で
しっかり免疫力向上を維持していきたい
と思います。

この結論も、一貫して変わりません。
武田社の組換えタンパクワクチンは不活化ワクチンの一種であり、
B型肝炎ウイルスワクチンなど、他のワクチンでも使用実績があります。
mRNAワクチンのような未知のワクチンではありませんが、
高齢でリスクのある人など、適応はごく限られると思います。

江部康二
「糖尿病発症に到るプロセス」と「早期発見のこつ」
こんばんは。
今回はブログ読者の皆さんに、
糖尿病を早期発見するための方法をお知らせしたいと思います。

糖尿病の発見は、早ければ早いほどいいです。
境界型の段階で見つかれば、さらにいいです。
今回は、早期発見のノウハウを説明したいと思います。


< 糖尿病発症に到るプロセス>
Ⅰ) IGT→糖尿病(食後血糖値200mg/dl以上または75gOGTT2時間値200mg/dl以上) 
このパターンの場合、既に糖尿病を発症している段階でも
早朝空腹時血糖値は正常で健診で見逃されるので、注意が必要。

Ⅱ) IGT→IFG/IGT→糖尿病(上記200mg/dl以上または空腹時血糖値126mg/dl以上)

このパターンは、IFG/IGTの段階で、通常の健診でもチェックできる。 

Ⅲ) IFG→IFG/IGT→糖尿病  

通常の健診でもチェックできる。パターンとしては少ない。


日本人では、IGTや200mg/dl以上の食後高血糖が、数年から10年続いて、
初めて早朝空腹時血糖値が110mg/dlを超えることが、最も多いとされています。

つまりⅠ)Ⅱ)のパターンが多くて、Ⅲ)のパターンは少ないのですね。

従いまして、一般的な健康診断の早朝空腹時血糖値で、
糖尿病の早期診断をするのは、おおいに無理があります。
そもそも日本人ではIFG単独の例は、かなり少ないと考えられます。

Ⅰ)Ⅱ)Ⅲ)どのパターンでも、

最終的には、IGTを経て糖尿病型になると考えられます。
IFGからいきなり糖尿病型になるというのは、少ないと思います。

従って、なんとかIGTの段階(糖尿病発症前)でチェックできれば、
治療的には大変役立ちます。


<早期発見のこつ>
糖尿病早期発見のためには、75g経口ブドウ糖負荷試験が一番確実です。

しかし、かなり面倒で手間暇も費用もかかりますから、
デンプン(糖質)一人前を食べ始めて1時間後の血糖値、
あるいは尿糖を調べれば簡便です。
尿糖が陽性ということは、180mg/dlを超える血糖値があった可能性が高いです。

1時間値が180mg/dlを超えていると、2時間値が140mg/dl未満で正常でも、
将来糖尿病になりやすいので注意が必要なのです。

糖尿病は、インスリン作用不足(インスリン分泌不足+インスリン抵抗性)がベースにあり、発症します。

日本人では、インスリン分泌不足が主で、インスリン抵抗性が従と言われています。
IGTの段階で、まずインスリン追加分泌が不足、あるいは遷延しています。

それが数年以上続いて、インスリン基礎分泌も不足してきたら、IFGも合併してきます。

一方、欧米人では、インスリン抵抗性が主で、インスリン分泌不足が従とされています。

この場合、インスリン分泌能力はまだあるけれど、
効きが悪い(インスリン抵抗性)ため高血糖となります。

そうすると、インスリン抵抗性のため、
基礎分泌のインスリンの量では早朝空腹時血糖値がやや高いけど、
追加分泌は大量に出せるので食後高血糖は防いでいるというIFGの人が、
日本より高率に存在する可能性があります。

日本人でも肥満が目立つ人は、
インスリン抵抗性が主の欧米パターンの糖尿病発症もありえます。

この場合、早期に発見できれば、インスリン分泌能力は残っているので、
肥満が改善してインスリン抵抗性が改善すれば、
糖尿病がほぼ治ったごとくになることもあり得ます。

ともあれ、IGT、IFG、IFG/IGTの段階で発見できればおおきなアドバンテージです。
この段階でなら、緩やかな糖質制限食でも、糖尿病発症は防げると思いますよ。ヾ(^▽^)

勿論、すでに糖尿病と診断された人は、スーパー糖質制限食が最適です。


江部康二
新型コロナ感染後の血糖値の上昇は?
【24/01/31 ゆーげつ
江部先生

食後高血糖があり、もう10年近く糖質制限をしてきました。
始めは、厳しめに制限していましたが、ここ数年は緩めに。
それでも食後高血糖はそう高くならず経過してきました。

驚いたのは、先週末にコロナに感染。
二日間は無糖の水分を中心に過ごし、
体調回復で徐々に食事をしていたのですが、、、糖質はコロナにかかるまえより摂っていないのにもかかわらず、血糖値が妙に高い・・・。
糖質量は計算していませんが、明らかに高いのです。

今日のお昼は、野菜のお味噌汁、麹の甘酒おおさじ1杯、小さなさつま揚げとちくわ半分と紺んゃくの煮物、ブロッコリー、さつまいも25gくらいでしょうか、
糖質オフの小さなブランパン二分の一枚。あとはキムチ大匙1。
1時間後の血糖値は165㎎/dlでした。
2時間値は178㎎/dl…。

この食事量で、コロナ前ならあり得ないような数値です。
コロナを機に糖尿病が引き起こされますか?
運動や規則正しい生活などで、改善の見込みはありそうでしょうか?
あってもなくても、運動、睡眠、食事は大切にしますが。
ちなみに51歳、女性で、小柄のやせです。太りたいですが・・・。
江部先生のアドバイスをよろしくお願いいたします。】



こんにちは。
ゆーげつさんから、新型コロナ感染後の血糖値の上昇について
コメント・質問を頂きました。


【この食事量で、コロナ前ならあり得ないような数値です。
コロナを機に糖尿病が引き起こされますか? 】

実は、新型コロナ発症者は糖尿病の新規発症率が高いことが分かっています。
ゆーげつさんも、新型コロナ感染をきっかけに耐糖能が悪化した可能性があります。

以下の緑字の記載は糖尿病リソースガイドから要約して引用しました。

https://dm-rg.net/news/2742e1e6-6815-4c0a-b5da-142961191986
糖尿病リソースガイド
糖尿病診療・療養指導のための医療情報ポータル
新型コロナ発症者は糖尿病の新規発症率が高い 
240万人の日本人のビッグデータを分析
2023.09.01


 新型コロナを発症した人は、60日以内に糖尿病診療を開始した割合が高いことが、約240万人の日本人のメディカルビッグデータを用いた分析で明らかになった。
 発症率は2020年度の新型コロナの第4波と第5波で高く、年代が高いほど上昇し、第6波以降は減少した傾向が示された。新型コロナの発症者と未発症者の両方のデータを比較した。

新型コロナ陽性者は糖尿病発症率が高い 高齢者や男性で上昇
 名古屋工業大学先端医用物理・情報工学研究センターの平田晃正教授・センター長、小寺紗千子准教授らと、日本システム技術は、新型コロナと糖尿病の関連性について、レセプト(診療報酬明細書)のデータをベースとした約240万人の日本人のメディカルビッグデータを用いて分析した。

 研究は、2018年4月~2019年3月に診療のあった患者のうち、2022年4月~2023年3月に診療の記録のない人を除いた241万3,031のデータを解析したもの。新型コロナの発症者と未発症者での、直近1年間に糖尿病の診療費用が発生した患者を取り除き、年代、性別ごとの糖尿病の発症率について分析した。

 その結果、2020年度の第4波、第5波で新型コロナを発症した人は、60日以内に糖尿病診療を開始した割合が高いことが判明した。

 新型コロナ陽性者のうち、2ヵ月以内に糖尿病を新規に発症した患者の比率は、2020年度は2.3%(140人)、第4波(2021年4月~5月)は3.2%(98人)、第5波(2021年7月~9月)は2.2%(178人)、第6波(2022年1月~3月)は0.2%(165人)、第7波(2022年7月~9月)は0.13%(235人)となった。

 いずれも新型コロナ陽性になったことのない人では、糖尿病の新規発症は、2020年度は0.1%(23人)、第4波は0.05%(6人)、第5波は0.08%(33人)、第6波は0.07%(249人)、第7波は0.1%(739人)であり、いずれも新型コロナ陽性となった患者で糖尿病の新規発症率が高いことが示された。

 新型コロナ陽性となり糖尿病を発症した患者は、年代が高いほどその発症率が高くなり、ほぼすべてがインスリン依存ではない2型(TYPE II)だった。
また、第6波以降は発症率が減少する傾向がみられた。



【運動や規則正しい生活などで、改善の見込みはありそうでしょうか?
あってもなくても、運動、睡眠、食事は大切にしますが。
ちなみに51歳、女性で、小柄のやせです。太りたいですが・・・。】


<糖質制限食 + インターバル速歩>
などにより、改善する可能性はあります。
なお、糖質制限食は言いかえれば脂質・蛋白質無制限食なので
しっかり、美味しく楽しく、
充分量をお腹いっぱい食べて体重を増やしましょう。


江部康二