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「コーヒーを毎日飲んで新型コロナ予防」
【24/01/29 モン吉
新型コロナ予防にはコーヒー
江部先生、こんばんは                         

最近テレビ等での新型コロナのニュースは減ってきましたが、
ご存知の内容かもしれませんが、こんなニュースが有ります(大紀元より)
私もコーヒーは好きで、一時は一日7~8杯飲んでいましたが、
飲みすぎは良くないので今は、一日3~4杯にしています。

「コーヒーを毎日飲んでコロナ予防」 
2023年11月に「Cell & Bioscience」誌に掲載された研究によると、アルファ、デルタ、オミクロンなど多くの新型コロナウイルスの変異株による感染を抑制するには、1日1〜2杯程度のコーヒー摂取で十分であることが判明しました。

研究に使用されたコーヒーはスーパーで購入したもので、ラオス、ホンジュラス、インドネシア、グアテマラ、米国で挽いたコーヒー、日本、ブラジル、ドイツのインスタントコーヒー、日本のカフェインレスコーヒーが含まれています。いずれもウイルスが細胞に感染するのを阻止する働きを示しています。また、研究結果によれば、ミルクや砂糖を加えてもコーヒーの抗ウイルス効果には影響しません。

コーヒーは、ウイルスのスパイクタンパク質とヒトのアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)との結合を阻害し、膜貫通型セリンプロテアーゼ2とカテプシンLの活性を低下させ、ウイルスが細胞に感染するのを防ぐ働きをすることが判明しました。

他にも毎日適量のコーヒーを飲むことは、心血管疾患やがん死亡のリスクを減らし、うつ病や不安症を抑制する効果が期待できるようです。】



こんにちは。
モン吉さんから、コーヒー党にとってとても嬉しい情報をコメントをして頂きました。
ありがとうございます。

2023年11月に「Cell & Bioscience」誌に掲載された研究によると、
「新型コロナウイルスの変異株による感染を抑制するには、
1日1〜2杯程度のコーヒー摂取で十分である」
ことが判明しました。
各国のドリップコーヒー、インスタントコーヒー、
日本のカフェインレスコーヒーまでOKとはありがたいです。

元論文によれば、
コーヒーの摂取はCOVID-19の感染リスク低下と関連していて、
重症度とも相関していました。
しかし、コーヒーがCOVID-19のリスクを低下させるメカニズムはまだ不明です。

とは言いながら、モン吉さんのコメントにあるように
コーヒーがSARS-CoV-2スパイクタンパク質とヒトアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)の結合を抑制し、膜貫通型セリンプロテアーゼ2(TMPRSS2)およびカテプシンL(CTSL)活性を低下させることにより、SARS-CoV-2感染の複数の変異体を阻害できることを明らかにしたとのことです。

コーヒーは糖尿病発症予防効果もあるようです。
以下の緑字の本ブログ記事もご参照頂ければ幸いです。

コーヒー、カフェインと血糖値
2017年02月23日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4116.html



江部康二



☆☆☆
以下は、元論文の、要旨、背景、結果、結論の
DeepL翻訳ツールによる翻訳です。


Cell & Bioscience
Coffee as a dietary strategy to prevent SARS-CoV-2 infection

Published: 14 November 2023
Coffee as a dietary strategy to prevent SARS-CoV-2 infection
Chen-Shiou Wu, Yi-Chuan Li, Shin-Lei Peng, Chung-Yu Chen, Hsiao-Fan Chen, Po-Ren Hsueh, Wei-Jan Wang, Yen-Yi Liu, Ciao-Ling Jiang, Wei-Chao Chang, Shao-Chun Wang & Mien-Chie Hung
Cell & Bioscience volume 13, Article number: 210 (2023) Cite this article

Abstract 要旨

Background
To date, most countries lifted the restriction requirement and coexisted with SARS-CoV-2. Thus, dietary behavior for preventing SARS-CoV-2 infection becomes an interesting issue on a daily basis. Coffee consumption is connected with reduced COVID-19 risk and correlated to COVID-19 severity. However, the mechanisms of coffee for the reduction of COVID-19 risk are still unclear.


背景
現在までに、ほとんどの国でSARS-CoV-2の感染制限が解除され、SARS-CoV-2と共存している。従って、SARS-CoV-2感染を予防するための食事行動は、日常的に興味深い問題となっている。コーヒーの摂取はCOVID-19のリスク低下と関連しており、COVID-19の重症度とも相関している。しかし、コーヒーがCOVID-19のリスクを低下させるメカニズムはまだ不明である。



Results
Here, we identified that coffee can inhibit multiple variants of the SARS-CoV-2 infection by restraining the binding of the SARS-CoV-2 spike protein to human angiotensin-converting enzyme 2 (ACE2), and reducing transmembrane serine protease 2 (TMPRSS2) and cathepsin L (CTSL) activity. Then, we used the method of "Here" (HRMS-exploring-recombination-examining) and found that isochlorogenic acid A, B, and C of coffee ingredients showed their potential to inhibit SARS-CoV-2 infection (inhibitory efficiency 43–54%). In addition, decaffeinated coffee still preserves inhibitory activity against SARS-CoV-2. Finally, in a human trial of 64 subjects, we identified that coffee consumption (approximately 1–2 cups/day) is sufficient to inhibit infection of multiple variants of SARS-CoV-2 entry, suggesting coffee could be a dietary strategy to prevent SARS-CoV2 infection.


研究結果
ここでは、コーヒーがSARS-CoV-2スパイクタンパク質とヒトアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)の結合を抑制し、膜貫通型セリンプロテアーゼ2(TMPRSS2)およびカテプシンL(CTSL)活性を低下させることにより、SARS-CoV-2感染の複数の変異体を阻害できることを明らかにした。
そして、「Here」(HRMS-exploring-recombination-examining)の手法を用いて、コーヒー成分のイソクロロゲン酸A、B、CにSARS-CoV-2感染抑制の可能性を見出した(抑制効率43〜54%)。
また、カフェインレスコーヒーでもSARS-CoV-2に対する阻害活性は維持されていた。最後に、64人の被験者を対象としたヒト試験において、コーヒーの摂取(約1~2杯/日)は、SARS-CoV-2の複数の変異型の感染を阻害するのに十分であることが確認され、
コーヒーがSARS-CoV2感染を予防するための食事戦略である可能性が示唆された。



Conclusions
This study verified moderate coffee consumption, including decaffeination, can provide a new guideline for the prevention of SARS-CoV-2. Based on the results, we also suggest a coffee-drinking plan for people to prevent infection in the post-COVID-19 era.


結論
本研究により、カフェイン抜きを含む適度なコーヒー摂取がSARS-CoV-2予防の新たな指針となることが検証された。
この結果に基づき、ポストCOVID-19時代における感染予防のためのコーヒー飲用計画を提案する。


「五十肩と糖尿病」。糖尿病の診断基準。
【24/01/28 糖質制限ビギナー
糖尿病 高血糖状態 について
江部先生

五十肩になり、色々調べると糖尿病の人は長引くとの記載がありました。 
他の事でも糖尿病だと何々という表現をよく見ます。
糖尿病は、糖質の処理が上手く出来ない状態を指しており、
高血糖状態を指しているわけでは無いと理解していますが、
糖尿病=高血糖状態として記載されている様に感じます。

糖尿病だと何々という記載は、高血糖状態のことであり、
糖質制限によって高血糖状態にならない糖尿人には当てはまらない
という理解で良いですか。
それとも、高血糖状態にならなくても、インスリンのでが悪い、
インスリン抵抗性がある事が悪い事があるのでしょうか。

追伸
五十肩は、ほっとけば治ると思っていますが、
糖尿病を発症した人に多いとの事ですので、
良い方法をご存じであれば、ご教授頂けると助かります。】


こんにちは。
糖質制限ビギナーさんから、五十肩と糖尿病などについて、
コメント・質問を頂きました。

【糖尿病は、糖質の処理が上手く出来ない状態を指しており、
高血糖状態を指しているわけでは無いと理解していますが、
糖尿病=高血糖状態として記載されている様に感じます。】


糖尿病の診断に関しては、日本糖尿病学会による基準があります。


<糖代謝異常の判定基準(日本糖尿病学会)>
A) 糖尿病型
①早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上
②75gOGTTで120分後血糖値が200mg/dl以上
③随時血糖値200mg/dl以上
④HbA1c≧6.5%
①~④のいずれかが確認された場合は「糖尿病型」と判定する。

B) 正常型
⑤早朝空腹時血糖値が110mg/dl未満
⑥75gOGTTで120分後血糖値が140mg/dl未満
⑤および⑥の血糖値が確認された場合は「正常型」と判定する。

C) 境界型
正常型にも糖尿病型にも属さない場合は「境界型」と判定する。


<75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)>
*朝まで、10時間以上の絶食のあと検査を実施する。
*検査終了までは、運動・喫煙は控える。
*負荷試験の前3日間は、150g/日以上の糖質摂取を、日本糖尿病学会は推奨。
*糖尿病と診断がついている場合は、原則として実施しない。


<糖尿病の診断>

1)  異なる日に①②③を、再確認できたら糖尿病と診断。

2) 「①+④」「②+④」「③+④」が同時に確認できたらは糖尿病と診断。

3)  ④単独の場合、再検査で血糖値が糖尿病型なら、糖尿病と診断。

4)  血糖値が糖尿病型で糖尿病の典型的症状があるか糖尿病網膜症があれば糖尿病と診断。

* 糖尿病の診断には血糖検査は必須であり、HbA1cだけでは診断できない。


< 境界型の分類>
境界型にはWHO分類のIGT、IFG、IFG/IGTがある。

・IFG(Impaired fasting glycaemia): 空腹時血糖異常
・IGT(Impaired Glucose Tolerance): 耐糖能異常

a) 2時間値が140-199mg/dlとなる耐糖能異常であるIGT (Impaired Glucose Tolerance)
IGT単独なら早朝空腹時血糖値は110mg/dl未満で正常である。

b) 空腹時血糖値が110-125mg/dlとなるIFG (Impaired fasting glycaemia)
IFG単独なら75gOGTTにて2時間値は140mg/dl未満で正常である。

c) 両者の合併であるIFG/IGTの3つのパターンがある。



【糖尿病だと何々という記載は、高血糖状態のことであり、
糖質制限によって高血糖状態にならない糖尿人には当てはまらない
という理解で良いですか。】


その通りです、糖質制限食でコントロール良好の糖尿人は
その時点では健常人です。
例えば、私は52歳で糖尿病の診断が確定しましたが
74歳現在まで、内服薬なし、合併症なしで元気に過ごしています。
つまり、健常人です。
ただ、糖質制限食開始時点ですでに糖尿病合併症が存在した場合は
合併症があるので健常人とは言えません。


【五十肩は、ほっとけば治ると思っていますが、
糖尿病を発症した人に多いとの事ですので、
良い方法をご存じであれば、ご教授頂けると助かります。】

糖尿病のコントロールが良好なら、五十肩になっても
治りやすいと考えられますので、しっかり糖質制限食を実践しましょう。

糖尿病ネットワークの2017年08月28日の記事を以下、緑字で要約します。
【糖尿病の人の中には「五十肩」に悩まされている人が多い。
糖尿病が悪化すると五十肩も治りにくくなり、
五十肩の検査で糖尿病が発見されるケースもあるという。
糖尿病の人は「五十肩」になりやすいが、
40〜50歳代に起こりやすい要因として、
この年代は加齢によって肩周辺の組織がもろくなり始めること、
仕事や運動などで肩を動かすことが多いこと、
肩関節は動く範囲が大きいために骨以外の組織が引っ張られやすいことがあげられる。
 糖尿病で血糖コントロールが不良だと、
肩の動きに大きな役割を果たしている腱板の損傷部分が血行不良になり、
五十肩を起こしやすく、治りにくくなると考えられている。】


江部康二
糖質制限食実践者と塩分摂取について
こんにちは。
今回は、糖質制限食実践者と塩分摂取について考えてみます。

 インスリンは、交感神経を活性化させたり、腎臓でナトリウムの再吸収を促進させます。
ナトリウムと共に水分も再吸収されるので、高血圧の要因となります。
糖質ありの普通の食事をしていると過剰のインスリンが分泌されるので
浮腫みやすく血圧も上昇しやすくなります。

スーパー糖質制限食を実践すると、インスリン分泌が必要最小限に減るので
ナトリウムと水分は腎臓から排泄される方向にシフトします。
スーパー糖質制限食を開始して、2~3日で、2kgくらい体重が減少しますが
これは脂肪が燃えたのではなく水分の移動です。

糖質制限と共に『塩分制限』もしてしまうと、
摂取エネルギーは充分量であっても、
身体の塩分が不足することがあります。
こうなると、だるくなったり、ぼーっとしたり、頭重・頭痛があったり、
ぼんやりしたり、動きが鈍くなったりします。

過去の記事で、
「スーパー糖質制限食で血糖値は改善し体重も改善したが、
身体がだるかったり、動きが悪くなったりした。」
というような訴えがあったら
ほとんどが、『摂取エネルギー不足』であると説明してきました。

しかしながら、摂取エネルギーは明らかに充分であるにもかかわらず、
同様の訴えをする人が散見されるという実態があります。
このようなケースは、『塩分不足』の可能性が高いと思われます。

私自身、以前、塩分制限実験をしたことがあります。
摂取カロリーは普通にして、厳格な塩分制限食(味はほとんどないです)にしたら
ぼーとしてだるくなって集中力が低下しました。

このように考察してくると
糖質制限食実践の場合は、塩分制限は必要ないです。

また、とくにスーパー糖質制限食実践の場合は
『水分・塩分』が排泄されやすくなるので
しっかり水分補給して塩分も普通に摂るほうが良いです。


江部康二
ヒトの食生活。糖質。果糖。AGEs。アボカド。ベリー。
【24/01/26 TAKASHI MIYAMOTO

「果糖は、血糖値はほとんど上げないのですが、ブドウ糖の数十倍AGEsを生じやすく、さらに肥満の元凶なので、そもそもNG物質です。」とありますが、果糖が血糖値を上げないというのは正確ではありません。果糖は血糖値を上昇させる可能性があります。また、果糖がブドウ糖の数十倍AGEsを生じやすいというのは一部の研究で示されていますが、全ての研究で一致しているわけではありません。

「現代の果物はその果糖を多く含んでいるので危険な食材です。」とありますが、果物が危険な食材であると一概に言うことはできません。果物はビタミン、ミネラル、食物繊維など、人間の健康に必要な栄養素を豊富に含んでいます。果物の摂取はバランスの良い食事の一部として推奨されています。

「果物で唯一、アボカドは糖質制限OK食材です。」とありますが、これは誤りです。他にも低糖質の果物は存在します。例えば、ラズベリーやブラックベリーなどのベリー類は糖質が比較的少ないです。

以上の点を考慮に入れて、情報を正確に理解し、適切な食事を摂ることが重要です。専門家の意見や最新の研究結果を参考にすることをお勧めします。健康に関する情報は、個々の健康状態やライフスタイルにより異なる効果をもたらす可能性があるため、一般化することは難しいです。特に食事制限や特定の食品の摂取を始める前には、医療専門家と相談することをお勧めします。】



TAKASHI MIYAMOTO さん
コメントをありがとうございます。
勉強させて頂きます。
仰る通り、ラズベリーやブラックベリーなどのベリー類は糖質が比較的少ないですね。

ykさんから、以下詳細なデータをコメント頂きました。
ありがとうございます。

【24/01/26 yk
糖の含有量100g当たり
アボガド
デンプン 0.1g
ブドウ糖 0.4g
果糖    0.1g
ショ糖   0.1g
麦芽糖   0g

ラズベリー
デンプン 0.2g
ブドウ糖 2.4g
果糖    2.9g
ショ糖   0.1g
麦芽糖   0g

リンゴ
デンプン 0.1g
ブドウ糖 1.4g
果糖    6.0g
ショ糖   4.8g
麦芽糖   0g

やはり、アボガドが果糖もブドウ糖も少ないといえます。】


TAKASHI MIYAMOTO さん、
「果糖がブドウ糖の数十倍AGEsを生じやすい」
とは異なる結論の論文があるなら、ご教示頂ければ幸いです。


以下、分かっている範囲で回答させて頂きます。

①必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維は必要ですが、
 理論的には、必須糖質はゼロです。
国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
と明記されています。
(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits
of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy
Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerste
in MK, Jequier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O,Uauy R.


②日本列島にヒトが居住し始めたのは、旧石器時代の38000年前からです。
 旧石器時代は22000年間続きましたが、この間、ナウマン象、ヘラシカ、イノシシ、オオツノシカなど
 肉食が主でした。北海道ではマンモスも食べていました。
 旧石器時代は氷期で寒かったので、基本、針葉樹しかありませんでした。
 果物もなくクルミもドングリもクリもありません。
 植物食としては、自然薯、マツボックリ、コケモモくらいしかありませんでした。
 旧石器時代の22000年間で日本人の身体は形作られ、そのまま縄文人に移行しました。
 米食開始は、縄文後期から弥生時代以降の2500~3000年前がらに過ぎません。


③現代の日本の栄養学は、人の進化の過程という縦系列の歴史的観点が欠落しています。
 現代の平面的な視点しかないので、困ったものなのです。


④ヒューマン・ニュートリション 基礎・食事・臨床 第10版
JS Garrow WPT james A Ralph 編
日本語版監修 細谷憲政
上記は、英国の最も権威ある栄養学の本で、920ぺージに及ぶ大著です。
この本の75ページに

『現代の食事では、・・・・・デンプンや遊離糖に由来する「利用
されやすいグルコース」を大量に摂取するようになっている。この
ような食事内容は血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上
昇をもたらし、糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化等、多くの点で
健康に有害であることが強く指摘されている。

農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとした食物を摂取するように
なったが、進化に要する時間の尺度は長く、ヒトの消化管はまだ穀
物ベースの食物に適応していない。ましてや高度に加工された現代
の食物に対して、到底適応しきれてないのである。』
と記載してあります。


⑤人類の食生活の変遷。人類の進化と遺伝子と食生活。
人類は700万年前、チンパンジーとわかれて進化して来ました。
猿人(アウストラロピテクス)、
原人(ホモ・エレクトス)、
旧人(ホモ・ネアンデルターレンシス)などを経て、
新人(ホモ・サピエンス)になったとされています。
唯一現世人類(ホモ・サピエンス)だけが現存しています。
ホモ・サピエンスは約30万年前にアフリカで誕生したとされています。
本質的なことは、これらの人類は、全て狩猟・採集が生業でした。
従って消化吸収・生理・栄養・代謝・行動の遺伝子セットは
狩猟・採集に適応するように700万年間進化したと考えられます。
世界史的には、人類が穀物を食べ始めたのは、約1万年前からです。
今のヨルダン川の流域、シリア/あたりで、
小麦の組織的栽培が開始されたを言われています。
なお、ヒトとチンパンジーのDNA情報は99%同一です。(国立遺伝学研究所)。


江部康二
果糖は ブドウ糖の約数十倍AGEsを生じやすい危険な物質。果物もNG。
こんにちは。

果物はヘルシーなイメージがありますが、はたしてそうでしょうか?
果物に含まれる糖質は、果糖・ブドウ糖・ショ糖などです。
果物と果糖について、その安全性を検討してみます。

果糖(フルクトース)とブドウ糖(グルコース)は単糖類です。
<ショ糖=ブドウ糖+果糖>です。
ショ糖(砂糖の主成分)も人体に吸収されるときは、
ブドウ糖と果糖に分解されて吸収されます。

なんとなく、果糖もブドウ糖も似たようなものと思いがちですが、
実は、化学的にも栄養学的にもフルクトースはグルコースと極めて異なる物質です。
ブドウ糖は体内に吸収されたあとの代謝は、ほぼ解明されています。
一方果糖は、生体内に入ってからの動態の詳細はほとんど判明していません。
唯一、果糖がAGEsを極めて生じやすいことだけは確定しています。。

帝京大学医学部の山内俊一教授は、
「血液中の糖は、エネルギーとして使われる一方、
体のたんぱく質と結びついてAGEs(終末糖化産物)を作り出し、
毛細血管を傷つけるなど“毒性”を持つ。
果糖は体内のたんぱく質と結びつく力が理論上、
ブドウ糖の約100倍であることが分かってきた」

と述べておられます。
日経ヘルス 2013年10月31日
https://wol.nikkeibp.co.jp/article/column/20131023/164861/


なお、食と医療.2017では、
「試験管内の実験では、果糖は体内のたんぱく質と結びつく力が、
ブドウ糖の数十倍に達する」
とされています。(☆)

果糖が脂肪合成を誘導しやすい糖質であることは、以前から知られています。
ヒトにおいて、高果糖食が肝臓での脂肪合成を促進し、
血中の中性脂肪濃度を上昇させ、
インスリン抵抗性を生じることが報告されています。

果物中の果糖は、GLUT5によって吸収されますが、
果糖のGIは20と低く、血糖値はほとんど上昇させません。
血糖にはほとんど変わらずに肝臓まで運ばれ、ブドウ糖代謝系に入ります。
このとき果糖は、ブドウ糖より急速に代謝されるという特徴があります。
果糖は、ブドウ糖よりも約100倍AGEsを生成しやすいので、
急速に代謝する必要があるのかと思われます。
つまり、毒消しのようなものですね。

果糖は、肝臓での脂肪合成酵素群の発現を促進させる作用も持っており、
急速に代謝されることと合わせて、とても中性脂肪に変わり易いのです。
このように、果糖は中性脂肪をためやすく肥満しやすい性質をもっているし、
AGEsを生じやすいので、現代では果物は、NG食材といえます。

特に品種改良により糖度が高くて、大きくなった果物は
ショ糖・ブドウ糖・果糖の全てが多く含まれています。
従ってく血糖値を大きく上昇させ、AGEsも多く生じるので危険な食材です。
なお果物の中で、
アボカドだけは、100g中に糖質がわずか0.9gなので、糖質制限OK食材です。

また、フルクトースコーンシロップが砂糖よりもコストが安価なので
米国で大量に使用されるようになりました。
例えばコーラなど清涼飲料水の原材料の一つとして
「果糖ブドウ糖液糖」がよく使用されます。
果糖ブドウ糖液糖のフルクトースコーンシロップの含有率は50%~90%です。
当然、フルクトースコーンシロップも
ブドウ糖の100倍くらいAGEsを生成しやすく危険な食材です。


果糖のほうがが多いと「果糖ブドウ糖液糖」、
ぶどう糖のほうがが多いと「ブドウ糖果糖液糖」です。
「果糖ブドウ糖液糖」は果糖が多いので、血糖値はやや上昇させにくいですが、
AGEsを生じやすく、肥満しやすいという特徴があります。
「ブドウ糖果糖液糖」は、当然血糖値を急速に上昇させやすいです。
いずれにせよ、『こんなもの要らない』食材です。

結論です。
①現代の果物は、血糖値を大きく上昇させるので、糖質制限NG食材です。
①果糖は、血糖値はほとんど上げないのですが、ブドウ糖の数十倍AGEsを生じやすく、さらに肥満の元凶なので、そもそもNG物質です。
現代の果物はその果糖を多く含んでいるので危険な食材です。
③果物で唯一、アボカドは糖質制限OK食材です。



(☆) 山内俊一:フルクトースの代謝と影響.食と医療.2017 SUMMER -FALL Vol.2


江部康二
脳梗塞、後遺症ほぼなし。糖質制限食で元気。
【24/01/23 なな
いっぱい質問申し訳ございません!!
先生こんにちはわ!
いくつか質問がありコメントさせて頂きました!!

・50歳 女性 63kg
・昨年アテローム脳梗塞になりました
※身体的な後遺症ほぼなし
・服用薬/ロスバスタチン/バイアスピリン

スーパー糖質制限を初めて約3カ月で82kgから19kg痩せました!

1日の糖質摂取量は3~7gくらいです。
1日に1万歩~2万歩ウオーキングしてます
(楽しいので歩きすぎてます笑)
脂質56%とたんぱく質32%を少し超える感じで摂取してます。
毎日すごく元気です!

「血液検査の結果」
中性脂肪 175→132
総コレステロール 221→148
HDLコレステロール 47→52
LDLコレステロール 152→72
HbA1c 5.7→5.4
γ-GTP 63→18
白血球数 7.4→9.3
赤血球数 4.82→4.54
※採血4時間前に食事してます

1/11に血液検査を行い結果が随分改善されていてとても嬉しく思ってます♪

この時の検診で私から主治医に言いました。
「次の血液検査で中性脂肪が80以下
HDLコレステロールが60以上に
なったらスタチンを辞めたい」と
その旨を主治医に伝えましたところ

主治医からは

1、このコレステロール数値が下がってるのはスタチンのおかげだからやめたらほぼ必ず元の数値に戻る

2、糖質制限したり生活習慣を改善しても
コレステロールの数値が良くなることは期待できない

3、コレステロール数値自体が食事で左右されるものではない脂っこいものばかり食べてる人でも数値が低い人はいっぱいいる

4、食事含めて生活習慣改善したからと言ってスタチンをやめるという考えは辞めた方がいい

5、中性脂肪の数値なんて食事ですぐに左右されるから私達医者は中性脂肪の数値は気にしてない。見るのはコレステロール数値だ

と言われました。
次の検診が4月でその際も血液検査をします。

【質問1】
主治医の話を聞いた上でも
薬(特にスタチン)は辞めたいと思ってます。
次の検診までに以下のようにしてみようと思っているのですが先生はどう思われますか?

【1】引き続きスーパー糖質制限を行う
【2】3月初旬→スタチン服用状態で別の病院で血液検査
※この結果が中性脂肪80以下HDLが60以上だった場合ここから勝手にスタチン服用やめてみる(もちろん自己責任で)
【3】4月主治医検診→血液検査で結果確認してLDLコレステロール数値が上昇していたら
小粒子と酸化のLDLコレステロール数値の検査をしてもらって確認する。
本当の悪玉LDLがまだ多いのであれば大人しくスタチン服用。


【質問2】
一般的に
脳梗塞再発してしまうような危険因子を完全に無くしたとして
(高血圧、糖尿病、脂質異常、肥満、喫煙、多量飲酒、運動不足など)
スーパー糖質制限をし続けた場合でもアスピリンの服用は辞めることはやはり難しいでしょうか?危険因子を無くしても血栓はできてしまう可能性があり再発してしまうものでしょうか?


【質問3】
「スーパー糖質制限している時」の
代謝の仕組み等を理解したくて
素人質問で申し訳ございません!!

【1】ケトン体代謝に切り替わったあと筋肉分解が行われるときはどんなときでしょうか?
カロリー摂取が足りない時以外ありますでしょうか?

【2】MTCオイルのような中鎖脂肪酸を
摂り続けたり多量に摂取すると
中性脂肪が分解されずに先に中鎖脂肪酸をエネルギーに使ってしまいますか?

【3】糖新生が起きる理由はブドウ糖しかエネルギー源として使えない赤血球や目の網膜のためと血糖値維持のためにブドウ糖を作るで合ってますでしょうか?

【4】糖新生の材料はグリセロール、乳酸、アミノ酸のうちどれを先に使うのでしょうか?

【5】たんぱく質を食べずぎてしまうと
糖新生が起こりすぎてグルコースがいっぱいできすぎてエネルギーに使うようになり脂肪分解が進まなくなりますでしょうか?

【4】
ボディビルダーの人のように筋肉ムキムキの方たちは糖質をいっぱい食べても筋肉に吸われるため血糖値はすぐに下がるのでしょうか? 筋肉ムキムキあっても糖質摂取でインスリンがいっぱい出ることには変わりないのでしょうか?

よろしくお願いいたします!】


こんにちは。
ななさんからコメント・質問を頂きました。


『・50歳 女性 63kg
・昨年アテローム脳梗塞になりました
※身体的な後遺症ほぼなし
・服用薬/ロスバスタチン/バイアスピリン

スーパー糖質制限を初めて約3カ月で82kgから19kg痩せました!

1日の糖質摂取量は3~7gくらいです。
1日に1万歩~2万歩ウオーキングしてます
(楽しいので歩きすぎてます笑)
脂質56%とたんぱく質32%を少し超える感じで摂取してます。
毎日すごく元気です!』


脳梗塞は大変でしたが、後遺症ほぼなしで良かったです。
スーパー糖質制限食を、とてもしっかり実践しておられて、
3ヶ月で19kg減量、素晴らしい成果であり、
毎日お元気で何よりです。
糖質制限食は<脂肪・蛋白質無制限食>ですから
厚生労働省のいう<推定エネルギー必要量>はしっかり摂取して
ゆっくり着実に減量していきましょう。


『「血液検査の結果」
中性脂肪 175→132
総コレステロール 221→148
HDLコレステロール 47→52
LDLコレステロール 152→72
HbA1c 5.7→5.4
γ-GTP 63→18
白血球数 7.4→9.3
赤血球数 4.82→4.54
※採血4時間前に食事してます。』

検査データも素晴らしい改善です。
脂肪肝もあったと考えられますが、かなり改善しています。
次回の血液検査は、可能ならば、10時間以上の絶食で朝検査しましょう。
脂質データはその方が正確です。


『【質問1】
主治医の話を聞いた上でも
薬(特にスタチン)は辞めたいと思ってます。
次の検診までに以下のようにしてみようと思っているのですが先生はどう思われますか?

【1】引き続きスーパー糖質制限を行う
【2】3月初旬→スタチン服用状態で別の病院で血液検査
※この結果が中性脂肪80以下HDLが60以上だった場合ここから勝手にスタチン服用やめてみる(もちろん自己責任で)
【3】4月主治医検診→血液検査で結果確認してLDLコレステロール数値が上昇していたら
小粒子と酸化のLDLコレステロール数値の検査をしてもらって確認する。
本当の悪玉LDLがまだ多いのであれば大人しくスタチン服用。』


これで、良いと思います。
「小粒子と酸化のLDLコレステロール数値の検査」は、
普通の外来血液検査ではできないので、
10時間以上の絶食で朝検査して「中性脂肪80以下、HDLが60以上」
を目指しましょう。
それから内服薬ですが、必要なら、
スタチンよりゼチーアのほうが副作用が少なくて望ましいです。
普通の食事の場合はゼチーアのLDL-Cを下げる効果は少ないですが
糖質制限食の場合は、200mg/dlが120mg/dlになるとか
劇的に効きます。


『【質問2】
一般的に
脳梗塞再発してしまうような危険因子を完全に無くしたとして
(高血圧、糖尿病、脂質異常、肥満、喫煙、多量飲酒、運動不足など)
スーパー糖質制限をし続けた場合でもアスピリンの服用は辞めることはやはり難しいでしょうか?危険因子を無くしても血栓はできてしまう可能性があり再発してしまうものでしょうか?』


スーパー糖質制限食の実践で、血液サラサラになるので、
危険因子がなくなれば、中止も可能と思います。


『【質問3】
【1】ケトン体代謝に切り替わったあと
筋肉分解が行われるときはどんなときでしょうか?
カロリー摂取が足りない時以外ありますでしょうか?

【2】MTCオイルのような中鎖脂肪酸を
摂り続けたり多量に摂取すると
中性脂肪が分解されずに先に中鎖脂肪酸をエネルギーに使ってしまいますか?

【3】糖新生が起きる理由はブドウ糖しかエネルギー源として使えない赤血球や目の網膜のためと血糖値維持のためにブドウ糖を作るで合ってますでしょうか?

【4】糖新生の材料はグリセロール、乳酸、アミノ酸のうちどれを先に使うのでしょうか?

【5】たんぱく質を食べずぎてしまうと
糖新生が起こりすぎてグルコースがいっぱいできすぎてエネルギーに使うようになり脂肪分解が進まなくなりますでしょうか?

【6】
ボディビルダーの人のように筋肉ムキムキの方たちは
糖質をいっぱい食べても筋肉に吸われるため
血糖値はすぐに下がるのでしょうか?
筋肉ムキムキあっても糖質摂取で
インスリンがいっぱい出ることには変わりないのでしょうか?』



『【1】ケトン体代謝に切り替わったあと
筋肉分解が行われるときはどんなときでしょうか?
カロリー摂取が足りない時以外ありますでしょうか?』

人類は700万年前、チンパンジーと分かれて誕生しました。
それ以降、現在に到るまで、全ての人類において
数時間以上の空腹時や睡眠時は<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>
が主たるエネルギーシステムです。
糖質を食べている人でも同じです。
従って糖質制限食実践で、筋肉が分解されることはありません。
絶食や飢餓で糖質と脂肪をエネルギー源として使い切った後は
筋肉をエネルギー源としますが、そのときは生命の危機です。


『【2】MTCオイルのような中鎖脂肪酸を
摂り続けたり多量に摂取すると中性脂肪が分解されずに
先に中鎖脂肪酸をエネルギーに使ってしまいますか?』


以下は日清オイリオのサイトの記載です。
https://www.nisshin-oillio.com/sports/oshiete/index.html#:~:text=%E6%9C%80%E8%BF%91%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%80%81%E4%B8%AD,%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%8B%E3%82%82%E3%81%97%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93%E3%80%82
・・・通常の食事に含まれる油を中鎖脂肪酸を含んだ油に替えて毎日摂取したところ、筋肉を太くし、体脂肪も減少する変化が認められました。つまり、毎日の食事に中鎖脂肪酸を加えることで、アスリートでも体に脂肪がつきにくく、さらに筋肉量の維持や増加が期待できると考えられます。また、中鎖脂肪酸の摂取は、体脂肪率が高めのアスリートでは筋肉などを減らさず、体脂肪を減少させるという研究結果もあります。

・・・最近の研究では、中鎖脂肪酸を毎日摂取することで、持久力を必要とする運動の能力が向上し、疲労が軽減することが認められました。さらに、運動後にスタミナ源といわれるグリコーゲン蓄積を早めて疲労回復を高めることへの効果も期待されています。これからは、中鎖脂肪酸はアスリートにとって欠かせない栄養成分となるかもしれません。


『【3】糖新生が起きる理由はブドウ糖しかエネルギー源として使えない赤血球や目の網膜のためと血糖値維持のためにブドウ糖を作るで合ってますでしょうか?』

脳も網膜も、ケトン体をエネルギー源にできます。
赤血球はミトコンドリアがないのでブドウ糖しかエネルギー源にできません。
つまり、糖新生はもっぱら、赤血球のためと考えられます。


『【4】糖新生の材料はグリセロール、乳酸、アミノ酸のうちどれを先に使うのでしょうか?』

乳酸とアラニン(アミノ酸)が主要な糖新生の前駆体です。
その次がグリセロールです。


『【5】たんぱく質を食べずぎてしまうと
糖新生が起こりすぎてグルコースがいっぱいできすぎてエネルギーに使うようになり脂肪分解が進まなくなりますでしょうか?』


たんぱく質を食べて、細胞内の蛋白質が限度まで満たされると体液中のアミノ酸は分解しエネルギーとして使われたり、
主に脂質あるいはわずかながらグリコーゲンとして貯蔵されます。


『【6】
ボディビルダーの人のように筋肉ムキムキの方たちは
糖質をいっぱい食べても筋肉に吸われるため
血糖値はすぐに下がるのでしょうか?
筋肉ムキムキあっても糖質摂取で
インスリンがいっぱい出ることには変わりないのでしょうか?』


筋肉の量が多いと、ブドウ糖取り込み装置が多いことになります。
しかし、筋肉細胞の糖輸送体・GLUT4は、筋肉の収縮があるか
インスリン分泌がないと細胞の表面に移動できません。
つまりムキムキの人でも、運動していないときに糖質を食べれば
インスリンが分泌されます。


江部康二
リンと老化。
【24/01/22 匿名で失礼します
リン
先生の糖質制限のご説に心から賛成します。
一つだけ気になるのはタンパク質が高いものはリン含有率も高くて
リンをたくさんとると老化するというお話です。
これについてご説明いただければ幸いです。よろしくお願いします。】


こんにちは。
リンと老化について、コメント・質問を頂きました。
匿名さん、応援ありがとうございます。

慶應義塾大学病院
KOMPAS医療・建康情報サイト
リン代謝を制御するものは老化を制御する
宮本健史(整形外科)
https://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/medical_info/science/201802.html


上記の信頼度の高いサイトを見つけました。
詳しくは、上記URLをご参照頂ければ幸いです。

この研究、普通食の1.5~2倍ていどのリンを含む食事を与えても、
普通のマウスでは何ともないです。
一応、ヒトにあてはめても、スーパー糖質制限食ていどの蛋白質摂取で
問題はないと考えられます。

私の蛋白質摂取量は、144g/日と普通の人の倍くらいあります。
74歳になりましたが、定期的内服薬は何もありません。
歯は全部残っていて、虫歯はありません。
聴力低下もありません。
眼は裸眼で車の運転ができて、広辞苑の文字も読むことができます。
夜間の尿もいきません。
身長も縮んでいません。
筋肉量も74歳にしては多いと整体師の方に褒めて頂きました


糖尿病ではありますが、スーパー糖質制限食の実践により
「AGEs」の蓄積が最小限で、正常人よりも少ないと考えられます。
すなわち<糖化→老化>のパターンが最小限で、
普通のひとより老化があるていど予防できている
と思います。
歯、耳、眼、尿、身長、内服薬・・・それぞれ十人に一人の確率とすると
百万人に一人の確率となります。
スーパー糖質制限食22年間と速歩の賜物と思います。
ブログ読者の皆さんも<スーパー糖質制限食+インターバル速歩>などで
美味しく楽しく末長く健康長寿を目指して頂ければ幸いです。



☆☆☆
この研究は動物実験なのですが、以下の緑字の記載は要約です。

【リンは生体の恒常性を保つ上で大切な働きを持つミネラルですが、
過剰に摂取すると老化を促進してしまいます。
リン代謝を制御する分子である
Ectonucleotide pyrophosphatase/phosphodiesterase 1 (Enpp1)
という膜貫通型タンパク質に注目し、
その自然変異によりEnpp1の機能を喪失した変異マウスである
Enpp1欠損マウスの解析を行うことにしました。】


要するにリン代謝を制御できないマウスを作って、
動物実験をしたということです。

【Enpp1欠損マウスにリンを余分に投与する解析を行ったところ、
急激に老化が進み、短命になってしまうことが明らかになりました。
この時、リンを投与されたEnpp1欠損マウスでは
腎臓で老化制御因子として有名なKlothoという遺伝子の発現が顕著に低下することが分かりました。
つまり、過剰なリンの摂取時には、
Enpp1はKlothoの発現を維持することで、
老化が進まないようにしていたことを明らかにすることができました。
不老不死の薬などはまだ夢物語ですが、
将来的には、今回の発見が何らかのヒントになればと思っているところです。】

リン代謝制御のできないマウスに、リンを余分に投与すると
急劇に老化が進み、短命となりました。

【通常の食事の1.5〜2倍程度のリンを含む食事を与えると、野生型マウスでは何ともないのですが、Enpp1欠損マウスではリン投与後3週間程度で致死となってしまうことが分かりました。】

普通食の1.5~2倍ていどのリンを含む食事を与えると
普通のマウスでは何ともないのですが、
リン代謝制御のできないマウスは、3週間程度で死亡しました。


江部康二
炭水化物摂取は太る。糖質制限を実践すれば楽にやせる。
こんばんは。世の中にはいろいろなダイエット法があります。
しかしながら、原理原則は、
 「炭水化物を摂取すれば太る。糖質制限を実践すれば楽にやせる。」
ということに尽きます。

炭水化物摂取しても減量できるというダイエット法は
現実には『カロリー制限食』になります。

カロリー制限食を開始して6ヶ月くらいまでは、体重は減少します。
しかしそこで、必ず減り止まります。
何故なら、カロリー制限食で半年経過すると
人体は、基礎代謝量を減らして、低エネルギー状態に適応していきます。

そして、カロリー制限食から元の摂取エネルギーに戻せば
リバウンドして、かえって体重は元より増加してしまいます。
つまり基礎代謝が減った分、太りやすい身体になってしまったわけです。

このように、理論的には、
「カロリー制限食で一旦減量できても必ずリバウンドする」
ことは明らかです。
無理に我慢してカロリー制限食を長期間続ければ、
筋力低下や骨粗鬆症のリスクとなります。

糖質制限食は人類本来の食事であり、人類の健康食です。
厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」はしっかり確保して
糖質制限食を実践すれば、

A)太りすぎの人は、適正体重まで減量。
B)痩せすぎの人は、適正体重まで増加。


が、達成できます。
適正体重とは、BMIが20以上25未満で、
その人の体調が良い体重です。

減量を目指す場合も、ひもじい感や飢餓感は全くなしで、
筋力低下や骨粗鬆症リスクもなしで、
美味しく楽しく楽々と達成可能です。
糖質制限食は言い換えれば「脂肪・蛋白無制限食」です。

脂肪や蛋白質を沢山摂取することに何となく不安がある人もおられると思います。
医学界では、長い間、肥満に関して、「脂肪悪玉説」が席巻していましたから無理もありません。

さて、それでは脂肪悪玉説は正しいのでしょうか?
日本列島にヒトが居住し始めたのは旧石器時代の38000年前からです。
旧石器時代は約22000年間も続きました。
日本人は、この22000年間で、身体を形成していき、そのまま縄文人に移行していきました。

旧石器時代は、ウルム氷期というとても寒い期間に相当しています。
寒さのため、植物は針葉樹しかなくて、広葉樹はありませんでした。
すなわち、ドングリやクリども全く手に入りませんでした。

食料としては、ナウマン象、ヘラシカ、オオツノシカ、イノシシ、ウサギ・・・など肉食が主であり
植物食としては、自然薯、コケモモ、松ぼっくりくらいしかありませんでした。
北海道では、マンモスも食べていたと思われます。

当時はまだ漁労の技術も未発達だったので、ほぼ肉ばっかりでした、。
つまり、我々日本人は、肉食に特化して適合した身体を持っていると言うことなのです。
肉食とはすなわち「脂肪・蛋白無制限食」ということで、
日本人の身体は、「脂肪・蛋白無制限食」に特化して、適合していると言えるのであり、
「脂肪悪玉説」は否定されました。

学校教育で、縄文時代以降のことは、しっかりカリキュラムに取り入れられていますが、
旧石器時代のことは、ほとんど学習機会がないのです。
それで、ほとんどの日本人が、医師も含めて旧石器時代のことを知らないというのが現状です。
とても困ったことだと思います。
ブログ読者の皆さん、是非、旧石器時代のご先祖に思いを馳せて、しっかり肉を食べましょう。


江部康二


☆☆☆
なお、「日本人は昔から米を食べきた。」というのは
完全な誤解ということですね。
肉食が、38000年前から22000年間続いて
米を食べ始めたのは、縄文後期から弥生以降で2500年から3000年くらの歴史しかありません。







「Low T3 syndrome(低T3症候群)」は甲状腺機能低下症ではありません。
こんばんは。

今回は、
「Low T3 syndrome(低T3症候群)」について考えてみます。

「Low T3 syndrome(低T3症候群)」とは、
FT3という甲状腺ホルモンだけが低値で、FT4という甲状腺ホルモンは正常で、
TSH(甲状腺刺激ホルモン)も正常な病態ですが、
これは、甲状腺機能低下症ではありません。

この「Low T3 syndrome(低T3症候群)」は、臨床上、時々見かけます。

慢性消耗性の疾患で低栄養のときに見かけます。
神経性食思不振症、心不全、腎不全、肝硬変、糖尿病、慢性炎症など
全身性の消耗性疾患で、低T3症候群を来すことがあります。

エネルギー消費を節約するために、生体の反応として、
甲状腺ホルモンのT4が、
非活性型のリバースT3に転換されることによるものです。
非活性型のリバースT3が増えると、T3が減少して、
低T3症候群となります。

これらは、低栄養のため見かけ上、FT3が低値なだけで、
本当の甲状腺機能低下症ではありません。
従って、甲状腺ホルモンのチラージンSなどを投与しても無意味です。
治療は原疾患の慢性消耗状態や低栄養状態を改善してやれば、
おのずから低FT3も改善して正常値となるのです。

意外かもしれませんが、神経性食思不振症では、
高コレステロール血症が見られることが多いです。

つまり摂取エネルギー不足でもコレステロール値が上昇する場合があるということです。

スーパー糖質制限食を実践して、体力がおちて
ヘロヘロになったり、
筋力が落ちたり、生理が止まったり、
髪の毛が抜けたりといった症状を訴える方々がたまにおられます。
これは糖質制限食のせいではなく、脂質も制限して、
結果として摂取エネルギーが低過ぎたために生じる症状です。

この時、血液検査をしてFT3が低いと、
甲状腺機能低下症と誤診する可能性があります。

しかしこれは「Low T3 syndrome(低T3症候群)」であり、
TSHが正常ならば、本当の甲状腺機能低下症ではありません。
真の甲状腺機能低下症なら、必ずTSHが上昇しますので鑑別は容易です。
摂取エネルギーを標準まで増やせば、症状も改善してFT3も改善します。

要は 「Low T3 syndrome(低T3症候群)」という状態を
医師が認識しているかどうかです。

「Low T3 syndrome(低T3症候群)」という概念をご存じない医師が結構おられるので
注意が必要です。

江部康二
糖質制限批判について
【24/01/18 倉田
再度、糖質制限批判について
江部先生、先日、糖質制限批判の言説について質問しましたが、糖質制限批判派の論理は共通しているように思われます。江部先生はその批判に対して、米国糖尿病学会の見解を紹介することで反論の説明とされました。

糖質制限批判派の論理に対して、その説明とは別な視点で私の考えを述べてみますので、その私の考えに対してどのようにお考えになるかお聞かせ願えないでしょうか。糖質制限批判派の共通の論理は、次のようなものです。

1.糖質制限したつもりが、カロリー制限をしている可能性が高い
2.長期のカロリー制限は甲状腺の機能を低下させる
3.カロリーを補おうとして脂質を摂りすぎると、生活習慣病や心疾患のリスクがあがる
4.寿命が長くなるのはカロリー全体の50~60%を糖質にしたとき
5.痩せるペースが早いのは短期間だけ
6.糖質制限は副腎疲労を悪化させる

1に関して。北海道のある医師も、江部先生を名指しでこのような批判をしていました。
これは、ダイエットは糖質制限の効果とは限らず、カロリー全体を抑えたためという批判です。
白米などの主食を食べても食事のカロリー全体量を減らせば、確かにダイエット(減量)できるとは思います。

しかし、糖質制限の食事で同じカロリーを摂った場合のダイエット効果と比べてどうのか、という点は考慮されていないと思います。また、食事の回数の比較も必要です。糖質制限食と普通食を同じ回数食事した場合を比較する必要があると思いますが、批判派にはそのような視点はないと思われます。私は糖質制限食の効果の方が大きいと思います。

2に関して。これはカロリー制限一般のことを言っていると思いますが、糖質制限食だけでなく普通食でもカロリー制限(つまり少食の食事)を長期にしたら「甲状腺の機能を低下させる」というエビデンスがあるのでしょうか。
少食・断食主義者で健康な人はいくらでもいるので、そのエビデンスは疑わしいと思います。

3に関して。糖質制限に対して脂質摂取に関する批判が大きな意味を持っているように思います。
「脂質を摂りすぎる」といっても、どの程度の量のことかわかりませんが、脂質を摂ると、「生活習慣病や心疾患のリスク」があるというエビデンスはあるのでしょうか。「生活習慣病や心疾患」とは、糖尿病、高血圧、心筋梗塞なということでしょう。脂質摂取が原因で、糖尿病、高血圧、心筋梗塞になるのでしょうか。

4に関して。これはまさに、糖尿病学会などが推奨する食事における糖質の栄養比率だと思います。これは、糖質が
これより多くても少なくても死亡率が高くなるという根拠になっています。しかし、糖質摂取量別による死亡率というものを、どのようにして調査できるのでしょうか。私には想像がつきませんが、調査方法はあるのでしょうか。

5に関して。「痩せるペースが早いのは短期間だけ」といっても、それは当然であって、糖質制限すれば短期間でカロリー制限もせず無理なくダイエット(減量)できますが、無限に減量するわけがないので、減量は「短期間」に決まっています。一定程度減量した時点で、栄養摂取量が均衡状態になり、それ以上は減量しないと思います。

6に関して。糖質制限による副腎への悪影響につて、次のように説明されています。「糖質が枯渇した状態では、コルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンなどにより、肝臓のグリコーゲンや、筋肉・脂肪の分解などで血糖値を上昇させます。これらのホルモンを出す状況が副腎疲労を悪化させる。」
「ストレスやライフスタイルの乱れによって副腎の機能低下が続くと、ホ起こるルモンバランスが乱れ、慢性的な疲労、精神不安、食欲不振、下痢、アレルギー症状などの様々な症状を引き起こします。これを副腎疲労と言います。」

この説明は、糖質制限の批判になっていないと思います。副腎ホルモンが分泌され糖新生が起こって血糖値が上昇するのは、糖質制限によるのではなく何らかのストレスがあった場合と理解しています。それは糖質制限とは関係ないと思います。また、「糖質が枯渇した状態」とは、どういうことでしょうか。

糖質制限によって、食後血糖値も空腹時血糖値も上昇しないということでしょうか。だとしてとも、それによって副腎ホルモンが分泌して血糖値が上昇するという事実はありません。ほかに「糖質が枯渇」するという場合があるのか、よくわかりません。何らかの理由で低血糖になる場合とか、例えば1、2日の断食をする場合などでしょうか。

それは、ある意味ストレスともいえますから、副腎ホルモンによる糖新生が発生するということでしょうか。しかし、いずれの場合も、「副腎疲弊」は、糖質制限とは関係ないと思うのですが。

以上、私の考えを述べてみました。私の考えは間違っているかも知れませんが、それも含めて、江部先生はどのようにお考えでしょうか。】


こんにちは。
倉田さんから、再度、糖質制限食批判に対して、コメント・質問を頂きました。

【江部先生はその批判に対して、米国糖尿病学会の見解を紹介することで反論の説明とされました。】


これは、まずはEBM(evidence based medicine)の観点をおさえるという意味で、
米国糖尿病学会の見解を紹介しました。


【糖質制限批判派の共通の論理は、次のようなものです。

1.糖質制限したつもりが、カロリー制限をしている可能性が高い
2.長期のカロリー制限は甲状腺の機能を低下させる
3.カロリーを補おうとして脂質を摂りすぎると、生活習慣病や心疾患のリスクがあがる
4.寿命が長くなるのはカロリー全体の50~60%を糖質にしたとき
5.痩せるペースが早いのは短期間だけ
6.糖質制限は副腎疲労を悪化させる】


【1、これは、ダイエットは糖質制限の効果とは限らず、カロリー全体を抑えたためという批判です。】


システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス。ランセット。
1)低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults:
  A Systematic Review and Meta-Analysis Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
 DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu


システマティック・レビューのメタアナリシスは
最もエビデンスレベルが高い研究方法ですが、
「低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い」という結論です。


【2.長期のカロリー制限は甲状腺の機能を低下させる】

これは、「Low T3 syndrome(低T3症候群)」という病態です。
慢性消耗性の疾患で低栄養のときに見かけます。
例えば、神経性食欲不振症などです。
TSHは正常で、FT3が低値で、FT4は正常です。
TSHが正常なので、本当の甲状腺機能低下症ではありません。
甲状腺の治療は全く不必要で、低栄養を改善すれば、FT3も正常に戻ります。


【3.カロリーを補おうとして脂質を摂りすぎると、生活習慣病や心疾患のリスクがあがる】


21論文、約35万人をメタアナリシスして、5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease.  Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.


21論文、約35万人をメタアナリシスですから、とても信頼度の高い研究です。
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明しました。

【4.寿命が長くなるのはカロリー全体の50~60%を糖質にしたとき】

【4.カロリー制限で寿命が延びる】

食事のカロリー制限による寿命延長効果は、線虫やネズミなど
多くの動物種で認められています。
しかし、カロリー制限によるヒトでの寿命延長効果を検証するには、
時間と経費が膨大にかかるため、現時点では未確認です。


【5に関して。「痩せるペースが早いのは短期間だけ」といっても、それは当然であって、糖質制限すれば短期間でカロリー制限もせず無理なくダイエット(減量)できますが、無限に減量するわけがないので、減量は「短期間」に決まっています。一定程度減量した時点で、栄養摂取量が均衡状態になり、それ以上は減量しないと思います。】

その通りと思います。
標準摂取エネルギーより少し少なめの同一摂取エネルギーで、
「①脂質単独」「②タンパク質単独」「③糖質単独」
の3種類の食事を摂取して減量効果をみた研究があります。
①>②>③の順番で、減量効果がありました。


【6に関して。糖質制限による副腎への悪影響につて、次のように説明されています。「糖質が枯渇した状態では、コルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンなどにより、肝臓のグリコーゲンや、筋肉・脂肪の分解などで血糖値を上昇させます。これらのホルモンを出す状況が副腎疲労を悪化させる。」
「ストレスやライフスタイルの乱れによって副腎の機能低下が続くと、ホ起こるルモンバランスが乱れ、慢性的な疲労、精神不安、食欲不振、下痢、アレルギー症状などの様々な症状を引き起こします。これを副腎疲労と言います。」】


まず「副腎疲労」という概念は、近年提唱されている仮説に過ぎません。
この仮説が正しいが否か現時点ではよくわかりません。
そして、根本的なことは、
「人類は、700万年前にチンパンジーと別れて以降、農耕が始まるまでは
一貫して、穀物なしの狩猟・採集を生業とする糖質制限食で700万年間過ごしてきて妊娠・出産・子育ても行ってきた。」
という事実です。
農耕開始はわずか1万年前に過ぎません。
すなわち、穀物なしの糖質制限食は、
人類本来の食事・人類の健康食
と言えます。
副腎疲労仮説は、人類700万年の進化の過程を全く考慮していないので
最初から破綻していると言えます。


江部康二
ADAが一推しで推奨している糖質制限食に否定的なツイッター。
【24/01/17 田中
糖質制限は最悪にダメ?
先生いつもお世話になっております!
Twitterでこのような記事を見つけました
https://bunnshieiyougaku.com/899.html

糖質制限は最悪にダメとのことです。
そもそも分子栄養学とはなんでしょうか?
副腎疲労との関連性も含めて
ご教授いただきたいです。
よろしくお願いいたします。】



田中さん。
分子栄養学も副腎疲労も、近年提唱されている仮説です。
いずれも私は詳しくありませんので論評する立場にありません。

ただ、米国糖尿病学会が糖質制限食を一推しで推奨していることは
まぎれもない事実ですので、そこは、この方も勉強して欲しいと思います。

「米国糖尿病学会の糖質制限食に対する見解の変遷」が、
田中さんのご質問への良い回答となると思います。

米国糖尿病学会とスーパー糖質制限食とエビデンスについて、
以下、経時的に検討してみました。
 
<米国糖尿病学会(ADA)の糖質制限食に対する見解の変遷>

①ADAは、2007年まで糖尿病の食事療法において糖質制限食は推奨しないとしていた。

②2008年、「食事療法に関する声明2008」において、

 「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、

 1年の期限付きで、糖質制限食の有効性を認める見解を記載。

③2011年、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで糖質制限食の有効性を容認。

④2013年10月、「食事療法に関する声明2013」において期限や限定なしで、糖質制限食を容認

⑤2019年4月、コンセンサス・リコメンデーションで、糖質制限食が、
最も研究されている食事パターンと記載し、一推しで推奨。

⑥2020年4月、「栄養療法」(米国糖尿病学会ガイドライン)

 地中海式、低炭水化物、およびベジタリアン食事パターンは、

 いずれも研究で良好な結果が示されている

 健康的な食事パターンの例である。

 個別の食事計画は、個人の好み、ニーズ、

 および目標に焦点を当てるべきである。

 糖尿病患者の全体的な炭水化物摂取量を減らすことは、

 血糖値を改善するために最も多くのエビデンスが示されているので、

 個人のニーズや好みに応じた様々な食事パターンに

 適用することができる。



米国糖尿病学会(ADA)は、
蓄積したエビデンスに基づき、見解を発表しています。
2007年までは、エビデンス不足のため、糖質制限食を否定しています。
その後、エビデンスの蓄積により、徐々に糖質制限食を肯定していき、
2013年10月には、正式に容認するに到りました。
さらに、2019年4月には、
食事パターン・コンセンサス・リコメンンデーションにおいて
「糖質制限食は最も研究された食事パターンの一つである。」と明言し、一推しで推奨しました。
米国糖尿病学会は、糖質制限食に肯定的な論文も否定的な論文も全て網羅して検討して
この結論に達しています。
糖質制限食に関しては
Low-Carbohydrate or Very Low-Carbohydrate Eating Patterns
(低炭水化物食、超低炭水化物食)

と記載してあります。

タンパク質の摂取比率は、一定なので、超低炭水化物食は、間違いなく高脂肪食です。
高雄病院のスーパー糖質制限食はこの「超低炭水化物食」に相当し、
脂質摂取比率は56%です。
2020年のADAガイドラインの「栄養療法」においても『糖質制限食は最も研究された食事パターンの一つである』と再び明言して、
一推しで推奨しています。
2021年、2022年、2023年のADA(米国糖尿病学会)ガイドラインの「栄養療法」も、
2020年と同様の記載です。

耐糖能が悪化する可能性があるような
食事療法を米国糖尿病学会が容認することはあり得ません。
すなわち、糖質制限食の安全性は、米国糖尿病学会により担保されていると言えます。


ただし、米国糖尿病学会の
<食事パターン・コンセンサス・リコメンデーション
糖質制限食(低炭水化物食、超低炭水化物食)>
において、
・・・中略
非常に低い低炭水化物食パターンを実践すると、利尿が生じ、速やかに血糖値が下がる。
それ故に、開始時には、脱水予防やインスリンと経口糖尿病薬を減らして低血糖を予防するために、知識豊富な医師などに相談する必要がある。・・・以下略


とありますので、念のため。


江部康二
血糖値の日内変動、糖新生、運動と血糖値、少食の人は?
【24/01/16 倉田
質問ですが、よろしくお願いします。
1月15日のブログ記事は、血糖値の動き、
つまりブドウ糖や糖新生の動きについて大変勉強になりました。
そこで質問です。

1.ブドウ糖や糖新生の動きについて、
江部先生の著書にもあれほど詳しく書かれたものはないと思いますが、
ブログ記事のように詳細に書かれている書物はあるのでしょうか。

2.正常人の糖尿人の血糖値の動き方は違いあるので、
その動きの意味を理解するのが非常に難しいですが、
私の場合、血糖値の動きが最も良好な時は、
早朝6時空腹時血糖値106、朝食なし、8時血糖値118、10時血糖値117、12時93、
→昼食(スーパー糖質制限食)、13時血糖値116、15時106、19時血糖値90、
→夕食(スーパー糖質制限食)、21時血糖値100、24時血糖値108、
となっています。(ただし、前日就寝前24時にスーグラ50mg一錠内服しています)

これは、正常人に近い血糖値の動きと言えるでしょうか。
それとも、正常人はもっと良好なのでしょうか。

3.正常人がスーパー糖質制限をすると食後血糖値も上がらないので、
一日中、空腹時血糖値のままなのでしょうか。

4.20~30分程度の速歩のウォーキングをした場合、
血糖値が上がることもありませんが、下がることもないようです。
これは、ウォーキング時間をもっと長くする必要がある、
ということを意味しているのでしょうか。

5.なんらかのストレスにより糖新生が起こり血糖値が上昇した場合、
正常人ではインスリンの基礎分泌又は追加分泌により、血糖値が下がるとしても、
糖尿人では、インスリンの基礎分泌又は追加分泌が機能していないので、
血糖値が上昇したままになるのでしょうか。
その場合、上昇の程度にもよると思いますが、
血糖値を下げるために内服薬を飲む必要があるでしょうか。

6.著書も多い石原結實という医師がおられますが、
石原医師は少食と断食を推奨されています。
本人は、食事は一日一回だそうです。
しかも、それも少食で。
それではカロリー不足ではないかと思われますが、
それでも特に痩せることもなく健康体を維持されているようです。
とすると、江部先生のスーパー糖質制限食の場合も、
糖質制限の上にそれも少食にすれば、さらに健康効果があることになる、
と言えるのでしょうか。】


こんにちは。
倉田さんから、血糖値の日内変動、糖新生、少食の人などについて
コメント・質問を頂きました。


【1.ブドウ糖や糖新生の動きについて、
江部先生の著書にもあれほど詳しく書かれたものはないと思いますが、
ブログ記事のように詳細に書かれている書物はあるのでしょうか。】


ないと思います。
改訂第7版糖尿病専門医研修ガイドブック、
いろんな大学病院の糖尿病内科のホームページの記載、
などを参考に、私が整理して記述しました。


【2.私の場合、血糖値の動きが最も良好な時は、
早朝6時空腹時血糖値106、朝食なし、8時血糖値118、10時血糖値117、12時93、
→昼食(スーパー糖質制限食)、13時血糖値116、15時106、19時血糖値90、
→夕食(スーパー糖質制限食)、21時血糖値100、24時血糖値108、
となっています。(ただし、前日就寝前24時にスーグラ50mg一錠内服しています)

これは、正常人に近い血糖値の動きと言えるでしょうか。
それとも、正常人はもっと良好なのでしょうか。】


このデータなら、正常人そのものです。
空腹時血糖値も109mg/dl以下で正常です。
食後血糖値も全て、140mg/dl未満であり、正常値です。


【3正常人がスーパー糖質制限をすると食後血糖値も上がらないので、
一日中、空腹時血糖値のままなのでしょうか。】


スーパー糖質制限食でも、野菜分の糖質を摂取します。
高雄病院のスーパー糖質制限給食でも、メニューによって
あるていどバラツキます。
1食あたり、数グラムから10数グラムの範囲の糖質量となります。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。
勿論、個人差はあります。


【4.20~30分程度の速歩のウォーキングをした場合、
血糖値が上がることもありませんが、下がることもないようです。
これは、ウォーキング時間をもっと長くする必要がある、
ということを意味しているのでしょうか。】


「糖尿病は薬なしで治せる」の著者・渡邊昌先生は、
食事開始後30分で30分運動すれば、
運動後も血糖は吸収され続けると記載しておられますが、
個人差はあると思います。

空腹時で心拍数が上昇するていどの運動をすれば糖新生で血糖値が上昇します。
私もテニスのダブルスの試合中は50mgくらい血糖値が急上昇しました。
心拍数上昇によるアドレナリン分泌で、
糖新生が生じ血糖値が上昇したものと思われます。
テニス終了後はすみやかに下がっていき、
2時間後にはテニス開始前より運動効果でか少し下がりました。


【5.なんらかのストレスにより糖新生が起こり血糖値が上昇した場合、
正常人ではインスリンの基礎分泌又は追加分泌により、血糖値が下がるとしても、
糖尿人では、インスリンの基礎分泌又は追加分泌が機能していないので、
血糖値が上昇したままになるのでしょうか。
その場合、上昇の程度にもよると思いますが、
血糖値を下げるために内服薬を飲む必要があるでしょうか。】


運動や怒りなどのストレスで血糖値が上昇する場合は、
アドレナリンなどのホルモン分泌による糖新生で上昇します。
この場合は、アドレナリンの分泌が止めば、
インスリンには関係なく自然に血糖値は下がります。


【6.著書も多い石原結實という医師がおられますが、
石原医師は少食と断食を推奨されています。
本人は、食事は一日一回だそうです。
しかも、それも少食で。】


鍼灸師の、森美智代さんは、1日1杯の青汁(150cc)、ビール酵母の整腸剤、
海の藍藻を原料とするサプリメント、ビタミンCの錠剤、
柿の葉茶と水(1.5~2リットル)
だけで健康に生きておられます。
この方は本物です。

森美智代さんは、「脊髄小脳変性症」という進行性の不治の難病からも生還されています。
21歳の時に脊髄小脳変性症に罹患されています。
1962年生まれです。

故甲田光雄先生の指導をうけて、断食療法や生菜食を実践されて、難病克服です。
その後、生菜食800kcal/日くらいでも、体重増加するので、
徐々に摂取カロリーを減らして50kcal/日になったようです。
この間、理化学研究所、順天堂大学病院、大阪市立大学などで、
科学的に徹底的に検査を受けておられます。

森美智代さんは、科学的・医学的に検証された本物の超少食と私は思います。

2024年現在、28年間の超小食生活で、お元気です。
自分の鍼灸院で鍼灸治療をしておられます。
開業されて、現在32年目になると思います。
故甲田光雄先生は私の尊敬する医師のお一人です。

ただ、超少食で生存できるか否かは、個人差が大きいです。
ほとんどの人は、超少食で生きていくのは困難と思われます。

現代科学で徹底的に検査して、森さんが本物ということは証明できています。
一方、この事実を、現代科学で説明することは、困難です。

あくまでも私の仮説ですが、パンダが参考になると思います。
パンダは、クマ科に属しますが、おそらく他の熊との勢力争いに敗れて、
生活圏をどんどん追い詰められて、山の上へ上へと逃げていったものと思います。
標高1,200 - 4,100メートルの竹林に生息しています。
もともとクマ科ですから、熊と同様に、
雑食で木の実・野草・果実・肉・魚などを食べていたものと思われます。
追い詰められて山の上に逃げていって、
竹くらいしか安定供給される食糧がない状況で、
かなりの数のパンダが脱落し死亡していったと思われます。
その中で、腸内細菌が竹を餌にして、
短鎖脂肪酸をしっかり作ってくれるタイプであれば、
その短鎖脂肪酸をエネルギー源として、パンダは生きていくことができます。
そのようなタイプの腸内細菌がいなかったパンダは、
脱落して死に絶えたと考えられます。

森さんの腸内細菌は、1日1杯の青汁(150cc)、ビール酵母の整腸剤、
海の藍藻を原料とするサプリメント、ビタミンCの錠剤などを餌にして
短鎖脂肪酸を産生していて、それが、身体のエネルギー源になっていると思われます。


江部康二
血糖調節システム。空腹時、食後、正常人、糖尿人。2024年1月。
【24/01/14 糖質制限ビギナー
江部先生

雑誌 TARZANにて糖質制限の特集が掲載されていました。
ロカボ中心ではありましたが、糖質は0でも良いとの記載もありました。
糖質制限が普通になる日が近づいて来ていると感じました。

一点気になった点は、2型糖尿病者は250g/日の糖新生を行うとの記載です。
正常人は、150g/日との事です。
そういうものなのでしょうか。
2型糖尿病者でも糖新生量は、人それぞれと思うのですが。】



糖質制限ビギナー さん。
コメントをありがとうございます。

【糖質制限が普通になる日が近づいて来ていると感じました。】
米国糖尿病学会は、2019年4月の<コンセンサス・リコメンデーション>
「糖質制限食は最も研究されている食事パターンの一つである。」と明言して、
一推しで推奨しています。
2020年、2021年、2022年、2023年のガイドラインでも同様の見解です。
日本糖尿病学会も早く、米国糖尿病学会に追いついて欲しいですね。

さて、
実は、2型糖尿病患者の糖新生は、総じて健常人より多いのです。
糖尿人では、<肝臓のグリコーゲン分解と糖新生>
摂食時にも抑制されにくいので、食後高血糖となります。


今回は、血糖調節システムについて検討してみます。
人体の血糖調節は、なかなか精妙で複雑なシステムにより維持されています。
血糖値は、

「食事」「肝臓によるグリコーゲン分解・糖新生と糖の取り込み」「運動」「ストレス」「インスリン・グルカゴンなどホルモン」「女性の生理」・・・

などなど、いろいろな要素が合わさって調節されています。


1) 空腹時

食物吸収が終了した直後(食事開始2時間後)には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、血糖値維持のために、筋肉など多くの組織のエネルギー源は、ブドウ糖から脂肪酸やケトン体に変わります。
そして、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生(*)に切り替わります。
なお、筋肉には「グルコース6リン酸→グルコース」 とする回路がないので筋肉中のグリコーゲンからはグルコース(ブドウ糖)は作れません。
つまり筋肉中のグリコーゲンは筋肉細胞のみのエネルギー源であり
血糖にはなりません。

2) 主食摂食時(糖質あり)

血糖値を直接上昇させるのは、糖質・脂質・タンパク質のうち、糖質だけです。
糖質摂食時には、消化管から吸収されたブドウ糖は、門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれ、それ以外が血液の大循環に回ります。
肝細胞でのブドウ糖取り込み自体は、糖輸送体Glut2(**)を介して行われ、インスリン追加分泌とは関係ありません。
しかし、肝に取り込まれたブドウ糖は、インスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。
糖質を摂取して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが追加分泌されます。この場合、追加分泌は基礎分泌の数倍~30倍レベルの大量となります。
例えば基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、30~150μU/mlとかです。
肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、インスリン追加分泌により細胞表面に移動した糖輸送体GLUT4により、骨格筋細胞や脂肪細胞に取り込まれます。骨格筋が、約70%の血糖を取り込みます。
これにより血糖値も速やかに下がります。

筋肉中に取り込まれた血糖は、エネルギー源として使われ、残りはグリコーゲンとして蓄えられます。
取り込まれず余った血糖は、インスリンにより脂肪組織か肝臓に取り込まれ、中性脂肪に変換され蓄えられます。

インスリン濃度が高いと、脂肪細胞の毛細血管にあるリポ蛋白リパーゼが活性化されて、血液中の中性脂肪が分解されて、脂肪酸とグリセロールになります。脂肪酸は、筋肉や体細胞や脂肪細胞のエネルギー源となります。
グリセロールはほとんどエネルギー源にはなりませんが、肝臓での糖新生の原料となります。
余剰の脂肪酸は、脂肪細胞に取り込まれて、中性脂肪として蓄えられます。

インスリンは、中性脂肪の合成を促進し、中性脂肪の分解を抑制します。
インスリンが肥満ホルモンたる所以です。

糖尿人では、<肝臓のグリコーゲン分解と糖新生>が摂食時にも抑制されにくいので、食後高血糖となります。
また糖尿人は、門脈血からの肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。

さらに糖尿人の場合は、血液中のブドウ糖(食後高血糖)は、
<インスリン分泌不足>と<筋肉や脂肪細胞におけるインスリン抵抗性>により、
処理されにくいので、食後高血糖が遷延します。
また、インスリン作用不足による脂質代謝異常、アミノ酸代謝異常、高血糖そのものによるインスリン作用低下、インスリン拮抗ホルモン優位など、様々な因子が重なり合って、高血糖が持続します。

さらに、糖尿人の一部においては、胃不全麻痺(***)による内容物の排出遅延があり、
吸収も遅延して通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。


3) 糖質制限食を摂取時(糖質がごく少量)

糖質摂取が野菜分のごく少量なので、食後血糖値はほとんど上昇しません。
追加分泌インスリンもごく少量で、基礎分泌の2倍くらいです。
正常人で基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、10μU/mlとかです。
糖質制限食を摂取時は、食事している最中にも脂質が常に燃えています。
また食事中にも、肝臓でアミノ酸などから糖新生も行われています。
このため糖質摂取がごく少量でも低血糖にはならないのです。
糖尿人が糖質制限食を実践すれば、食後高血糖が改善しますが、糖新生により低血糖にはなりません。
正常人が糖質制限食を実践すれば、食後血糖値は正常値の範囲で低めとなります。

例えば正常人で食後1時間のピークの血糖値は、
糖質ありでは、130~160mg/dl
糖質制限ならせいぜい110~120mg/dl
くらいです。
勿論、肝臓で糖新生しますので、低血糖にはなりません。


4) 運動時

安静時には、インスリンの基礎分泌はありますが少量なので、糖輸送体(Glut4)は細胞表面に出てこれず、筋肉細胞・脂肪細胞は血糖をほとんど取り込まめません。

運動時(筋収縮時)には筋肉細胞の糖輸送体(Glut4)がインスリン追加分泌がなくても細胞表面に移動して、
血糖を取り込むことが可能となり、血糖値が下がります。
筋肉細胞が血糖を取り込んでエネルギー源とした後、筋肉中のグリコーゲンが満杯になれば、取り込みはストップします。
脂肪細胞は、運動には無関係です。
ジョギングや歩行ていどの軽い運動が適切とされています。
糖尿人でインスリンの基礎分泌があるていど以上不足していると、
運動によりかえって血糖値が上昇することがあるので注意が必要です。
バーンスタイン医師によれば、個人差はありますが、空腹時血糖値170mg/dlを超えているような場合は、
そのような可能性があるとのことです。
また、強度の強い運動だと、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどのインスリン拮抗ホルモンが分泌されますので、
血糖値が上昇することがあります。


4) ストレス

急性のストレスがあると、アドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ステロイドホルモンなど血糖値を上げるホルモンが分泌されますので血糖値が上昇します。


血糖値は、1)、2)、3)、4)などの因子が複雑に絡み合ったシステムにより調節されています。
たかが血糖値されど血糖値、なかなか一筋縄ではいきませんね。

江部康二



(*)糖新生
①脂肪組織→グリセロール(中性脂肪の分解物)→肝臓→糖新生→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織

①②③はごく日常的に誰でも行っており、肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たり、日々糖新生の調節が行われているわけです。
糖新生の調整は、インスリンが行っています。
インスリンは、強力な糖新生抑制因子です。
インスリン不足だと肝臓がブドウ糖をつくり過ぎることになります。


(**)糖輸送体(Glut:glucose transporter)
ブドウ糖が細胞膜を通過して細胞内に取り込まれるためには、
グルコーストランスポーター(糖輸送体)と呼ばれる膜蛋白が必要です。

Glut1~Glut14が報告されています。
Glut1(脳、赤血球、網膜などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut2(肝臓、膵臓のβ細胞などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut4(筋肉細胞、脂肪細胞の糖輸送体)はインスリン依存性です。


(***)胃不全麻痺
バーンスタイン医師(米国の1型糖尿病の医師で糖質制限食実践中)の本にも記載されている<胃排泄遅延・胃不全麻痺>が
年期の入った糖尿人ではありえます。
欧米人には、胃不全麻痺が結構多いようですが日本人でも当然ありえます。
胃不全麻痺のある糖尿人は、夕食を午後6時頃食べても、胃からの排泄が遅延して吸収が遅くなり、
通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。
そのため翌朝の空腹時血糖値が高値となることがあります。



一日の大豆摂取量について
【24/01/12 ゴン助
一日の大豆摂取量について
江部先生こんにちは。

本日1月12日の下記アエラオンラインの記事について質問させてください。
長年糖質制限を実践している身でもあり大豆製品(特に枝豆、豆腐、豆乳、納豆)は毎日かかせない品目となっています。
高雄病院では1日に144gのタンパク質量とのブログ内容ですが、そのうち大豆製品の割合はいかほどでしょうか。
記事には1日どれだけの大豆を摂取して膵臓がんのマーカーが上がったのか記載がありませんし
、納豆を推奨する記事のようにも感じます。
糖質制限に大豆選択の割合が多い人にとっては少し揺さぶれる記事内容で、
具体的には毎日晩酌に枝豆や豆腐を食べ、
スタバでソイラテを注文するような生活習慣が本当に膵臓を弱めるのかご見解をご教示いただければ幸いです。

大豆は消化が悪く、摂りすぎはすい臓がんのリスクを高める!? 
医師が解説する、大豆の正しい摂り方とは | 概要 | AERA dot. (アエラドット)
https://dot.asahi.com/articles/-/210951


こんばんは。
ゴン助さんから、一日の大豆摂取量について、コメント・質問を頂きました。

ゴン助さん
 AERA dot. (アエラドット)の記事は、一医師の解説ですので
エビデンスレベルは低いです。。
この医師の記事にもあった引用元の
国立がん研究センターのサイトを見てみました。

要約すれば
『総大豆食品摂取量が多いと、膵がん罹患リスクが高いという関連がみられた。
非発酵性大豆食品(豆腐類、高野豆腐、油揚げ、豆乳)摂取において
同様の関連がみられた。
発酵性大豆食品摂取(納豆、みそ)において関連はみられなかった。』

ただし
『今回の研究の限界として、1回のアンケート調査から計算された摂取量で計算しており、追跡中の食事の変化については考慮していないことや、様々な要因について統計学的に十分調整できていないことがある。
今回の結果を確認するためには今後のさらなる研究が必要である。』


すなわち、国立がん研究センターそのものが、
この研究は、まだまだ未成熟であり、この結論は信頼度は低いので
さらなる研究が必要であると認めています。

結論としては、スーパー糖質制限食を実践していれば、
「AGEsの蓄積が最小限」
「糖化」⇒「老化」もl最小限
「AGEs蓄積がが最小限なので慢性炎症も最小限」
「全身の血流・代謝が良くなり、自然免疫も活性化」

など、がん予防の効果が大きいので、
普通に大豆製品を食べても問題ないと思います。
私は、豆腐も油揚もよく食べますよ。


江部康仁


☆☆☆
詳しくは、以下をご参照頂ければ幸いです。

現在までの成果
大豆食品の摂取量と膵がん罹患の関連
―多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告―
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8492.html



私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防と健康寿命の延伸に役立てるための研究を行っています。平成7年(1995年)と平成10年(1998年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の10保健所(呼称は2019年現在)にお住まいだった45~74歳の方々のうち、食事調査票に回答し、がんになっていなかった約9万人を、平成25年(2013年)まで追跡した調査結果にもとづいて、大豆食品とその後の膵がん罹患との関連を調べた結果を専門誌で論文発表しましたので紹介します(Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2020年6月公開)。

膵がんは予後が良くないがんなので、予防に関する研究結果の蓄積が望まれています。大豆食品には、たんぱく質、イソフラボン、レクチン等の多くの成分が含まれ、これまでにも循環器疾患や、一部のがんにおいてリスクが低下する可能性が報告されてきました。しかし、膵がん罹患との関連については報告も少なく、よくわかっていませんでした。そこで、私たちは、多目的コホート研究において、大豆食品摂取量と膵がん罹患との関連について検討しました。

食事調査アンケート調査の結果を用いて、総大豆食品・発酵性大豆食品・非発酵性大豆食品・各大豆食品(納豆、味噌、豆腐類)の摂取量を計算し、等分に4つのグループに分け、最も少ないグループと比較したその他のグループの、その後平均約17年間の膵がん罹患リスクを調べました。分析にあたって、性別、年齢、地域、肥満度、喫煙、飲酒、身体活動、糖尿病(または服薬)の有無、膵がん家族歴、コーヒー、魚類、肉類、果物類、野菜類、総エネルギー摂取量で統計学的に調整し、これらの影響をできるだけ取り除きました。

大豆食品摂取量の摂取と膵がん罹患リスクが関連

総大豆食品摂取量が多いと、膵がん罹患リスクが高いという関連がみられました。非発酵性大豆食品(豆腐類、高野豆腐、油揚げ、豆乳)摂取において同様の関連がみられましたが、発酵性大豆食品摂取(納豆、みそ)において関連はみられませんでした(図1)。
356_1

図1 
総大豆食品、発酵性大豆食品、非発酵性大豆食品摂取量と膵がん罹患との関連

個々の大豆食品では、豆腐類の摂取が多いと膵がん罹患リスクが高いという関連がみられましたが、その他の大豆食品において関連は見られませんでした(図2)。
356_2
図2 納豆、みそ、豆腐類摂取量と膵がん罹患の関連

今回の研究から見えてきたこと

今回の研究では、総大豆食品摂取量が多いと膵がん罹患リスクが高いという関連がみられましたが、発酵性大豆食品摂取については膵がん罹患との関連はみられませんでした。

これまでの欧米の疫学研究では、インゲン豆、レンズ豆、エンドウ豆、大豆などを含むマメ科の植物の摂取は膵がんリスク低下との関連が示唆されています。今回の研究では、豆類の種類の違いによる栄養成分の違い(インゲン豆、レンズ豆、エンドウ豆は大豆に比べて、炭水化物が多く、脂質が少ない、大豆はたんぱく質、脂質が多い)や、観察期間の違い(欧米の研究は6~8.3年であり、本研究は約17年と長い)などのため、先行研究とは異なる結果になったと考えられました。

総大豆食品摂取量が多いと膵がん罹患リスクが高い理由は、よくわかっていませんが、動物実験では非加熱大豆飼料を与えられた動物では、下痢などのほか、膵臓の腫れがみられたとの報告や、大豆に含まれるトリプシンインヒビターなどの消化酵素阻害成分の消化酵素や消化管ホルモンへの影響などが考察されます。

今回の研究の限界として、1回のアンケート調査から計算された摂取量で計算しており、追跡中の食事の変化については考慮していないことや、様々な要因について統計学的に十分調整できていないことがあります。
今回の結果を確認するためには今後のさらなる研究が必要です。
災害と糖質制限食。
こんばんは。
この度の能登半島地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈りし、
ご遺族の皆様にお悔やみを申し上げます。
また、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

きよすクリニックの伊藤喜亮先生から
災害時の備蓄の参考資料をメールで頂きました。
【豚の角煮の糖質10g/缶を3つ食べても30g/日の糖質量で、
おにぎり1個より圧倒的に少ないです。
糖質オフカップラーメンは
メーカーがビタミンB1を添加しているので不足しにくいようです。
糖質制限していればビタミンCの摂取は少なくてすむ可能性がありますが、
ポッカレモンやビタミン剤を常備しておくのも良いかもしれません。
あとはオリーブオイル、えごま、しそ、アマニ油などのαリノレン酸も
エネルギーアップの補助になります。】

伊藤先生、ありがとうございます。

今までの過去の地震の時や災害時の救援食品が
炭水化物ばかりだったということをよく聞きます。

安くて保存しやすく、大量に用意でき、すぐに搬送でき、
調理も要らずにそのまま食べてお腹がふくれるもの・・・。
結果として炭水化物ばかりになってしまうのも、
あるていどやむを得ないこととは思います。

しかしながら、糖尿人としては、
有事の際、糖質制限食が都合良く手に入るとは限らないので、
あるていど準備しておくのが安全です。

災害に備える食料の備蓄ですが、
冷蔵庫も使えなくなると仮定して室温保存でOKなものがいいですね。

ナッツ類、ビーフジャーキー、サラミなどは、糖質制限OKです。
天日干しのスルメ、ゲソ、貝柱、めざし、鮭とば、干し海老などの干物もOKです。
これらは、賞味期限もまあまあ長いです。
賞味期限が迫ってきたら、それは食べて、新しいものに入れ替えましょう。

コンビーフ、ツナ、マグロ、カツオ、サバ、イワシ、
カキ、ホタテ、ムール貝、豚肉・・・などの缶詰もOKです。
たけのこ、アスパラガス・・・などの野菜缶詰もOKです。
大豆の缶詰もあります。
グリーンピースの水煮缶は100g中13gの糖質ですが、
非常時にはよしとしましょう。

缶詰は賞味期限は長いです。
水産缶詰は製造日から3年、野菜缶詰2~3年、畜産缶詰は3年だといわれています。
賞味期限を考慮すると、糖質制限食の備蓄は、
缶詰をベースにしておくのがリーズナブルと言えます。
あと、水のペットボトル(2リットル)10本の備蓄もあると安心です。

缶詰って保存料が入ってないのに長期間腐らないのでなかなかの優れものですね。
食品を缶につめて中の空気をぬいて密封し、
熱を加えて完全殺菌するので長期保存可能なんです。

ところで缶詰や瓶詰めのルーツですが、
1804年、かの有名なナポレオンが遠征の時の食料確保に悩まされていて、
新しい食品貯蔵法を懸賞つきで公募したんです。
これにこたえて、
フランスのニコラ・アペールにより長期保存可能な瓶詰めが発明されました。
ガラス瓶は重くて壊れやすいので、
1810年にイギリスのピーター・デュランドが、
金属製容器に食品を入れる缶詰を発明しました。

このように缶詰は、初期には主に軍用食として利用されていました。
特に、アメリカの南北戦争で多く使用されて、
のちに一般向けにも製造されるようになりました。

現在では、災害対策用の備蓄用食品としても
各都道府県に確保されていると思いますので、
糖尿人には心強い味方となりますね。

糖尿人が被災したときに、
「パンやおにぎりは要らんからマグロの缶詰ください」というような台詞が、
周囲の人から「変???」と思われないていどに、
<糖尿病と 糖質制限食>の知識・情報が日本中に広がっていくように不肖江部康二、
力を注いでいきたいと考えています。


江部康二
糖質制限批判⇒糖質制限食は米国糖尿病学会が一推しで推奨している食事療法です。
【24/01/11 倉田
糖質制限批判の論説について
糖質制限を批判する記事が「東洋経済ONLNE」に掲載されています。
https://toyokeizai.net/articles/-/429882?page=5

江部先生は糖質制限批判の言説をご存じだと思いますが、
これはその代表的論説だと思われます。批判点を整理すると、
1.糖質制限ダイエットは、死亡率が高くなるなど健康を害する
2.炭水化物の摂取量は多すぎても少なすぎても不健康になってしまう
3.動物性蛋白質・脂質の摂取量が多い人の全死亡率、心筋梗塞による死亡率リスクが高い
4.肉は食べすぎると大腸がんのリスクを増やしてしまうなど健康に悪影響がある
5.糖質制限ダイエットは長期的に続けることが難しい食事法
6.糖質制限ダイエットは、低脂質ダイエットと比べて副作用も多い食事法
ということになります。

この論説は、正常人がダイエット(減量)をする上での問題点が指摘されているのだと思います。そして、ダイエット目的の正常人は、厳しい糖質制限を長期的に続けることが困難とは言えるかも知れませんが、血糖コントロールを目的とする糖尿人が普通に糖質を摂ると、血糖値が上がりこそすれ下がることはないと思います。

しかし、それ以外の点は糖尿人にも共通していることなので、エビデンスに基づき正否を明確にしてほしいと思います。この糖質制限批判の論説は、糖質をできるだけ少なくし、動物性タンバク質・脂質をメインとするスーパー糖質制限食に真っ向から対立する説だと思います。

江部先生は、糖尿人だけでなく正常人も(そもそも人類にとって)糖質制限食が健康に良いと主張されていると理解していますが、上記の糖質制限批判項目について、明確なエビデンスがあるのかないのか、また、あるとしたら、そのエビデンスに対してどのように考えられる(反論できる)のでしょうか。あるいは、このような糖質制限批判に対する反論を述べた、江部先生の著書なりブログ記事はあるでしょうか。】


こんばんは。
倉田さんから糖質制限食を批判する記事についてコメント・質問を頂きました。
津川 友介 : カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)准教授の記事ですね。

【批判点を整理すると、
1.糖質制限ダイエットは、死亡率が高くなるなど健康を害する文字色
2.炭水化物の摂取量は多すぎても少なすぎても不健康になってしまう
3.動物性蛋白質・脂質の摂取量が多い人の全死亡率、心筋梗塞による死亡率リスクが高い
4.肉は食べすぎると大腸がんのリスクを増やしてしまうなど健康に悪影響がある
5.糖質制限ダイエットは長期的に続けることが難しい食事法
6.糖質制限ダイエットは、低脂質ダイエットと比べて副作用も多い食事法
ということになります。】


1、2、3、4、5、6、これらは「事実無根」ということではありません。
そういう結論の研究論文があるということです。

一方、
【1.糖質制限ダイエットは、死亡率が高くなるなど健康を害するようなことはない。
2.炭水化物の摂取量は多すぎても少なすぎても不健康になってしまうようなことはない。
3.動物性蛋白質・脂質の摂取量が多い人の全死亡率、心筋梗塞による死亡率リスクが高いようなことはない。
4.肉は食べすぎると大腸がんのリスクを増やしてしまうなど健康に悪影響があるようなことはない。
5.糖質制限ダイエットは長期的に続けることが難しい食事法ということはない。
6.糖質制限ダイエットは、低脂質ダイエットと比べて副作用も多い食事法ということはない。】


という結論の研究論文もあります。
科学的に検討するということは、
糖質制限食に肯定的な論文も否定的な論文も共に考慮する必要があります。

「米国糖尿病学会の糖質制限食に対する見解の変遷」が、
倉田さんのご質問への良い回答となると思います。

米国糖尿病学会とスーパー糖質制限食とエビデンスについて、
以下、経時的に検討してみました。

<米国糖尿病学会(ADA)の糖質制限食に対する見解の変遷>

①ADAは、2007年まで糖尿病の食事療法において糖質制限食は推奨しないとしていた。

②2008年、「食事療法に関する声明2008」において、

 「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、

 1年の期限付きで、糖質制限食の有効性を認める見解を記載。

③2011年、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで糖質制限食の有効性を容認。

④2013年10月、「食事療法に関する声明2013」において期限や限定なしで、糖質制限食を容認

⑤2019年4月、コンセンサス・リコメンデーションで、糖質制限食が、
最も研究されている食事パターンと記載し、一推しで推奨。

⑥2020年4月、「栄養療法」(米国糖尿病学会ガイドライン)

 地中海式、低炭水化物、およびベジタリアン食事パターンは、

 いずれも研究で良好な結果が示されている

 健康的な食事パターンの例である。

 個別の食事計画は、個人の好み、ニーズ、

 および目標に焦点を当てるべきである。

 糖尿病患者の全体的な炭水化物摂取量を減らすことは、

 血糖値を改善するために最も多くのエビデンスが示されているので、

 個人のニーズや好みに応じた様々な食事パターンに

 適用することができる。



米国糖尿病学会(ADA)は、
蓄積したエビデンスに基づき、見解を発表しています。
2007年までは、エビデンス不足のため、糖質制限食を否定しています。
その後、エビデンスの蓄積により、徐々に糖質制限食を肯定していき、
2013年10月には、正式に容認するに到りました。
さらに、2019年4月には、
食事パターン・コンセンサス・リコメンンデーションにおいて
「糖質制限食は最も研究された食事パターンの一つである。」と明言し、一推しで推奨しました。
米国糖尿病学会は、糖質制限食に肯定的な論文も否定的な論文も全て網羅して検討して
この結論に達しています。
糖質制限食に関しては
Low-Carbohydrate or Very Low-Carbohydrate Eating Patterns
(低炭水化物食、超低炭水化物食)

と記載してあります。

タンパク質の摂取比率は、一定なので、超低炭水化物食は、間違いなく高脂肪食です。
高雄病院のスーパー糖質制限食はこの「超低炭水化物食」に相当し、
脂質摂取比率は56%です。
2020年のADAガイドラインの「栄養療法」においても『糖質制限食は最も研究された食事パターンの一つである』と再び明言して、
一推しで推奨しています。
2021年、2022年、2023年のADA(米国糖尿病学会)ガイドラインの「栄養療法」も、
2020年と同様の記載です。

耐糖能が悪化する可能性があるような
食事療法を米国糖尿病学会が容認することはあり得ません。
すなわち、糖質制限食の安全性は、米国糖尿病学会により担保されていると言えます。


ただし、米国糖尿病学会の
<食事パターン・コンセンサス・リコメンデーション
糖質制限食(低炭水化物食、超低炭水化物食)>
において、
・・・中略
非常に低い低炭水化物食パターンを実践すると、利尿が生じ、速やかに血糖値が下がる。
それ故に、開始時には、脱水予防やインスリンと経口糖尿病薬を減らして低血糖を予防するために、知識豊富な医師などに相談する必要がある。・・・以下略


とありますので、念のため。


江部康二


お尻の筋肉量がとても多い。歯。視力。聴力。身長。夜間尿。薬。
こんばんは。
私は、1950年1月8日生まれです。
五黄の寅です。

.・・・

ずっと五黄の寅と思っていましたが、1月8日は節分前なので
六白金星・丑年でした。
ライフワーク水野さんにご指摘頂きました。
ありがとうございます。


昨日、74歳になりました。

エルビス・プレスリー
小泉純一郎
金正恩

の三氏も、1月8日生まれです。
なかなか濃い面子が揃っていますね。 (^^)

さて、本日の朝、整体に行ってきました。
整体師さんが、お尻を揉んでいて
「70歳を超えて、これだけの筋肉量がある人はめったにいませんよ。」
と褒めて下さいました。
すっかり嬉しくなってしまいました。  (⌒o⌒)v

スポーツジムとかに行く時間はないので
とにかく、何をするにも速歩きを心がけています。
院内で自分から電話をすることは、ありません。
栄養課に用事があるときは地下まで駆け下りて、
介護医療院に用事があるときは、三階まで駆け上がります。
1日に院内で6000歩くらい歩いていて、そのうち6割くらいが速歩です。
理事長室が小高い丘の上にあるので、往復が坂道なのも
脚力強化には最適です。
あと2000歩は、家の近くの本屋に行ったりして歩数を稼ぎます。
片道10分間で往復で20分間です。
また夕食のあと、テレビをみながら「ながらジョグ」をして
歩数を稼ぐこともあります。
新幹線のホームで待ち時間があるときは、ホームの端から端まで
2~3往復くらいします。
何だかとても変な奴ですね。 ( ̄_ ̄|||)

新型コロナのため、当分止めていたテニスですが、
2022年12月からは、2年ぶりに再開して、日曜日だけですが、続けています。
朝90分間、中級スクールで練習し、
昼からダブルスを3~4試合して、夕方家路につきます。
日曜日は、13000歩くらいになります。
テニスクラブの70代は数人がやめられて、残りは二人だけとなりました。

年一回の健康診断で身長は縮んでいません。167cm、55~57kg。
2023年2月、連れ合いが亡くなりまして、一時54kgまで減りました。
今は、55~56kgくらいです。
血圧は120~135/70~85くらいです。

定期的内服薬は何もありません。
アレルギー性鼻炎で、たまに小青竜湯を内服するくらいです。
歯は全部残っていて、虫歯はありません。
聴力低下もありません。
眼は裸眼で車の運転ができて、広辞苑の文字も読むことができます。
夜間の尿もいきません。
糖尿病は確定診断ですが、HbA1cは5.6~5.9%で22年間、推移しています。
勿論、糖尿病合併症はありません
糖尿病ではありますが、スーパー糖質制限食の実戦により
「AGEs」の蓄積が最小限で、正常人よりも少ないと考えられます。
すなわち<糖化→老化>のパターンが最小限で、普通のひとより老化があるていど予防できていると思います。

歯、耳、眼、尿、身長、内服薬・・・それぞれ十人に一人の確率とすると
百万人に一人の確率となります。

スーパー糖質制限食22年間と速歩の賜物と思います。
ブログ読者の皆さんも<スーパー糖質制限食+インターバル速歩>などで
美味しく楽しく末長く健康長寿を目指して頂ければ幸いです。


江部康二

糖尿人は何故、感染しやすい?
こんばんは。

一般によく知られていることですが、
糖尿人は、肺炎、尿路感染、胆道感染、皮膚・軟部組織感染、外耳道炎、
真菌感染、結核、歯周症など、様々な感染症を併発しやすいです。
それでは、糖尿人は何故、感染しやすいのでしょう?

糖尿病専門医研修ガイドブック(改定第7版)の、
第11章合併症、332ページに.感染症の項目があります。

以下、引用です。

・・・・・・・・・・・引用ここから・・・・・・・・・・・・

糖尿病患者においては、免疫低下がみられるが、
自然免疫および獲得免疫ともに機能が低下する。
好中球、単球、リンパ球の付着能、遊走能、細胞内殺菌能の低下がみられ、
細胞性免疫は低下する。

一方液性免疫についてはおおむね正常であり、
免疫グロブリン量は通常、正常を示す。
また糖尿病の合併症である血管障害や神経障害も易感染性の要因となる・・・・

糖尿病患者における感染症の予防や予後のために、
良好な血糖コントロールによる免疫機能の改善が重要である。

・・・・・・・・・・・引用ここまで・・・・・・・・・・・・



高血糖そのもので好中球の貪食機能低下や免疫反応の低下が生じます。
また高血糖で血流が悪くなると酸素や栄養が充分に行きわたらず
白血球も感染部位などに到達しにくくなります。

糖尿病神経障害があると内臓の活動が乱れやすくなり膀胱炎や
胆のう炎などになりやすいです。
さらに感染症に罹患すると血糖値は普段よりも高くなり悪循環が生じます。

正常人で、血流がスムースに循環していれば、
細菌がいても、そもそも感染は成立しません。

例えば、大腸ガンの手術で、癌を切り取って、
端々吻合して縫い合わせ、腹壁を閉じます。
その後、皮膚は消毒しますが、糞便(細菌の塊)が通過していく大腸粘膜は、
消毒しなくても感染しません。
また切れ痔も感染しませんが、痔瘻は袋状で血流が循環しないので感染します。

しかし、糖尿人では、
1)好中球、単球、リンパ球の付着能、遊走能、
細胞内殺菌能の低下
がみられ、細胞性免疫は低下しています。
これがあると、少々血流があっても感染する可能性があります。

さらに
2) 血行障害
3) 神経障害


が加わりますから、コントロール不良の糖尿人は大変ですね。
糖質制限食で血糖コントロール良好に保てば、1)はOKです。

2)3)は、糖尿病合併症ですが、これらが出現する前に、
糖尿人の目標を達成して、予防したいですね。

◆糖尿病合併症予防のための目標
日本糖尿病学会の熊本宣言2013では
[1] HbA1c7.0未満
[2] 空腹時血糖値130mg/dl未満
[3] 食後2時間血糖値180mg/dl未満

ですが、我々糖質セイゲニストの糖尿人は
(1) 空腹時血糖値110mg/dl未満
(2) 食後2時間血糖値140mg/dl未満
(3) 食後1時間血糖値160mg/dl未満
(4) HbA1c 6.2%未満


を目指したいですね。

江部康二
糖質制限食に肯定的な信頼度の高いエビデンス。レベル1+、レベル1。
【24/01/07ナカジマ 
論文について
先生お世話になっております!
いつも勉強させていただいております!

糖質制限や、健康についての
論文はどこで見ることができますか?

Google scholarとかでしょうか?】


こんばんは。
ナカジマさんから糖質制限や、健康についての
論文はどこで見ることができますか?
という質問を頂きました。
以前、糖質制限食に関するエビデンスをまとめたことがあります。

健康に関しては
http://afie.or.jp/correctness/?gclid=CjwKCAiAis3vBRBdEiwAHXB29M_lcA6vTCtw-OBzCn2psAmlftnhMHDulTYNq4LHNyumyEi4Te2ZfhoCmyQQAvD_BwE
食・健康情報評価協会

さんのサイトがとても参考になります。

糖質制限食に肯定的な信頼度の高いエビデンス。
レベル1+、レベル1。


まずは、エビデンスレベルのもっとも高い
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」
の論文で、糖質制限食の有効性を示すものを列挙してみました。

集めてみると、こんなにたくさんあるのですね。

一方、糖質制限食に否定的な、
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」の論文は皆無
です。

そして米国糖尿病学会は
2019年4月の<コンセンサスレポート>において
『糖質制限食は、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。』
『低炭水化物食、特に非常に低い低炭水化物食パターンは、HbA1cを下げて、
糖尿病薬を減らすことを示してきた。』
と明言し、一推しで推奨しています。
2020年、2021年、2022年、2023年の<ガイドライン>においても、
同様の見解です。


この時点で、「糖質制限食是非論争」に
エビデンスレベルで、明白な決着がついたと言えます。




RCT(ランダム化比較試験)レベル1+

①Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2009年
体重減少、中性脂肪減少、HDL-C増加は低炭水化物食が低脂質・低カロリー食に比し有効。13の電子データベースの2000年1月~2007年3月の低炭水化物食と低脂質食比較RCTをメタ解析。
Systematic review of randomized controlled trials of low-carbohydrate vs. low-fat/low-calorie diets in the management of obesity and its comorbidities M. Hession,et all
 Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)
 Volume 10, Issue 1, pages 36–50, January 2009

②Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2012年
23レポートのメタ解析によって
研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066Systematic review and meta-analysis of clinical trialsof the effects of low carbohydrate diets oncardiovascular risk factorsobr_1021

③システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス。ランセット。
1)低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults:
  A Systematic Review and Meta-Analysis Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
 DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu



RCT(ランダム化比較試験)レベル1

①低糖質食 vs. 低脂質食。低糖質食の圧勝
低糖質食 vs. 低脂質食、減量や脂質データなどCVD(心血管疾患)リスク低減で、
低糖質食の圧勝。148人の肥満者を、1年間研究。
低糖質食は40g/日未満。
Effects of low-carbohydrate and low-fat diets: a randomized trial.
Bazzano LA et all
Ann Intern Med. 2014 Sep 2;161(5):309-18

②DIRECT低炭水化物食で一番体重減少・ HDL-C増加 
脂肪制限食(カロリー制限)、                           
地中海食(カロリー制限)、                            
低炭水化物食(カロリー無制限)の3群
低炭水化物群のみカロリー無制限のハンディがあったが、結局3群全て同じだけのカロリーが減少。満足度と満腹度。
当初糖質20g/日以下。3ヶ月後から120g/日以下を目指すも、結局女性150g/日、男性180g/日で40%の糖質。
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)         
322人を3群に分けて、2年間の研究。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3  229-241

③DIRECTのフォローアップ研究。合計6年間。
地中海食、低炭水化物食の2群は、6年後も 体重減少に有意差あり。
Four-Year Follow-up after Two-Year Dietary Interventions
 N Engl J Med 2012; 367:1373-1374October 4, 2012

④低糖質地中海食(LCMD)。HbA1cレベルの大きな減少。
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT研究論文。
糖質50%未満のLCMD群(108人)と低脂肪群(107人)の比較。女性は1500kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.

⑤低炭水化物食が、肥満・HDL-C・TGを改善。   
       
JAMA  2007年3月  A TO Z 体重減少研究
アトキンス、ゾーン、ラーン、オーニッシュダイエットのそれぞれの1年間の体重減少効果などをみた。311人の女性を上記4グループに分けて追跡。これら4種のダイエット法は、いずれも米国でポピュラーなものである。
アトキンスは低炭水化物食(スーパー糖質制限食)、ラーンとオーニッシュは高炭水化物、低脂肪食、ゾーンは炭水化物40%
低炭水化物食が体重を最も減少させて、HDL-CとTGを改善。
Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women
 The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial ,JAMA297:969-977



エビデンスレベル 「糖尿病診療ガイドライン2016」

レベル1 + 質の高いランダム化比較試験(RCT)および
     それらのメタアナリシス(MA)/システマティック・ レビュー(SR)
レベル1  それ以外のRCTおよびそれらのMA/SR
レベル2   前向きコホート研究およびそれらのMA/SR
         (事前に定めた)RCTサブ解析
レベル3  非ランダム化比較試験 前後比較試験
         後ろ向きコホート研究
         ケースコントロール研究およびそれらのMA/SR
         RCT後付けサブ解析
レベル4  横断研究 
      症例集積

*質の高いRCTとは①多数例②二重盲検、独立判定③高追跡率④ランダム割り付け法が明確などをさす。




江部康二
糖尿病網膜症発症率。日本糖尿病合併症研究(JDCS)から。
こんばんは。
今回は、糖尿病合併症発症率はどのくらいあるのかを検討してみました。

わが国において2型糖尿病患者を対象に行われた、
代表的な無作為割り付け試験の一つにあげられるのが、
厚生労働省班研究
Japan Diabetes Complications Study(JDCS) 日本糖尿病合併症研究

です。

文字通り、糖尿病合併症の本格的研究です。
その中で、今回は糖尿病網膜症の発症について検討してみました。
JDCSにおいて網膜症の発症・進展について検討したサブ解析の検討です。

・デザイン:コホート
・試験期間:追跡期間は8年。試験期間は1996年3月~2003年3月
・対象患者:1631例。


JDCSの参加者(40~70歳の日本人の2型糖尿病患者2033例)のうち、
ベースラインに糖尿病網膜症を認めない患者1221例と、
ベースラインに軽度非増殖性糖尿病網膜症を認める患者410例が対象です。

参加者全員が糖尿病専門医療機関(主に大学病院)59施設の糖尿病患者です。
つまり、日本最高の治療を受けていたと考えられる糖尿病患者さんです。

JDCSに参加した患者さんは、全員医療機関に登録されて、
全員きっちり、糖尿病専門医の治療を受けておられました。
そしてそれでも約8年間で、
網膜症が1221例中に約28%発症するというデータが明らかになりました。
生活習慣介入群と非介入群では、有意差はありませんでした。

また8年間で軽度非増殖性糖尿病網膜症を認める患者410例中、
約15.9%に網膜症の悪化が見られました。
こちらも生活習慣介入群と非介入群では、有意差はありませんでした。

ということは、現行の日本最高水準の糖尿病治療を受けていても、
経年的に糖尿病網膜症は確実に、
年間3~4%ずつ新たに発症し続けていくことが本研究により、
明らかになったわけです。

従来の糖尿病治療<カロリー制限高糖質食+薬物療法>では、
「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクを防ぐことは、
理論的に不可能です。
だからこそ、経年的に糖尿病網膜症が確実に、
年間3~4%ずつ新たに発症し続けていって、
8年目で累計28%に達したわけです。

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://dm-net.co.jp/seasonalpost/pdf/vol02no1.pdf
糖尿病最前線


このサイトの2頁で、経年的に右肩上がりに増加していく糖尿病網膜症のグラフ
見ることができます。

網膜症だけではなく、他の糖尿病合併症発症も同じことで、
従来の糖尿病治療<カロリー制限高糖質食+薬物療法>では、
経年的に確実に増え続けていくことは明らかです。

現実に、毎年新たに
糖尿病網膜症からの失明が3000人以上、
糖尿病足病変からの足切断が3000人以上、
糖尿病腎症からの透析が16000人以上、

発症しています。

経年的に増加し続けて行く糖尿病合併症を予防できるのは、
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」を生じない『糖質制限食』だけです。

スーパー糖質制限食を実践している私の目標は、
糖尿病網膜症を含めて、糖尿病腎症、糖尿病神経障害、心血管合併症・・・など、
全ての合併症を予防し、発症させないことです。
スーパー糖質制限食を実践しておられる糖尿人は、それが可能と思います。
糖尿病合併症予防のためには、糖質制限食実践が早ければ早いほど、
良いと思います。

私は糖尿病歴21年で、現在73才ですが、上記目標を達成しています。
また、薬も一切服用していません。
ブログ読者の糖尿人の皆さん、是非糖質制限食を実践されて
上記目標を達成して頂ければ幸いです。


江部康二
糖質は、何のために存在するのでしょう?
こんばんは。
三大栄養素(脂質・蛋白質・糖質)における根源的な疑問として、
『糖質というのは、何のために存在するのでしょう?』
というのがあります。

必須アミノ酸、必須脂肪酸は、厳然と存在します。
人体で生産することができないアミノ酸と脂肪酸は、
必ず食物から摂取する必要があります。
ビタミンも体内で合成できないものがほとんどで、
食物から摂取する必要がありますし、ミネラルや微量元素も同様に必須です。
また、食物繊維も、腸内細菌と人体の関係性も含めて摂取する必要があります。

これに対して、必須糖質は存在しません。
体内で必要なブドウ糖は、肝臓や腎臓で、糖新生してまかなうので、
食物から摂取する必要はないのです。

国際食事エネルギーコンサルテーショングループの報告では、
「炭水化物(この場合は糖質とほぼ同義)の理論的な最小必要量はゼロである」(☆)
と明記されています。

人体内で唯一絶対にブドウ糖を必要とするのは、赤血球です。
赤血球は、人体の細胞で唯一、
ミトコンドリアというエネルギー生産装置を持っていないので、
ブドウ糖しか利用できません。
空腹時や睡眠時などを含めると赤血球へのブドウ糖供給は、
ほとんどが肝臓の糖新生によって、まかなわれており、食材からは少量です。

脳はミトコンドリアを持っているので、
脂肪酸の分解物のケトン体をいくらでもエネルギー源としますし、
ブドウ糖も利用します。

他の心筋、骨格筋、体細胞は日常的には脂肪酸・ケトン体を主エネルギー源として、
時々ブドウ糖も利用します。

<炭水化物(糖質)の役割>


人類の進化の歴史において、農耕が始まる前の狩猟・採集時代700万年間においては、
食材としての糖質の役割は、中性脂肪蓄積が第一義であったと考えられます。
初期の人類において、中性脂肪を体脂肪として蓄えておくことは、
日常的に襲ってくる飢餓への、唯一のセーフティーネットであったと考えられます。

狩猟・採集時代に時々手に入った糖質は、
野生の果物類、ナッツ類、そして山芋・百合根など根茎類です。
運良くこれらを得たとき、少量のインスリンが追加分泌されて、
脂肪細胞のGLUT4が細胞表面に上がり、血糖を取り込んで中性脂肪に変えていたのです。
インスリンが追加分泌されれば、筋肉細胞も血糖を取り込み血糖値を下げます。
しかし余った血糖は全てインスリンが脂肪細胞に取り込ませて、
中性脂肪に変えて蓄えていたのです。
GLUT4を保有しているのは、筋肉細胞と脂肪細胞だけです。

狩猟・採集時代においては、「インスリンと糖質」のコンビは、
もっぱら、『脂肪蓄積装置』として、稼働していたと考えられます。
また果物の果糖は、ブドウ糖にはほとんど変わりませんが吸収されて肝臓に至り、
ブドウ糖より速やかに中性脂肪になり蓄積されます。
果物の糖質には、ブドウ糖、ショ糖、果糖などがあります。
このように、人類の進化の過程では、糖質は時々しか手に入らない
ラッキー食材であり、貴重な中性脂肪蓄積のもとだったと考えられます。

本来、中性脂肪蓄積が第一義であった糖質を、
農耕が定着して以降は、日常的に摂取するようになりました。
さらにこの150年は、精製炭水化物を常食するようになったので、
大量の追加分泌インスリンがでて、非常に中性脂肪が蓄積されやすい状況となり、
肥満が発症しやすくなったのです。

大量のインスリンを分泌し続けて、膵臓のβ細胞が疲弊して、壊れていけば、
糖尿病を発症します。
糖尿病を発症した時点で、すでにβ細胞は4割~5割くらい壊れているとされています。

700万年間の狩猟・採集時代は、β細胞は、
基礎分泌インスリン産生以外はほとんど働く必要もなく、
のんびり過ごしていたと考えられます。

精製炭水化物登場以降の現代は、
β細胞にとって朝から晩まで過剰に働き続けざるを得ない受難の時代と言えるでしょう。
β細胞が過労死になってもおかしくないのが、現代の糖質過剰時代なのです。

(☆)
Eur J Clin Nutr. 1999 Apr;53 Suppl 1:S177-8.
Report of the IDECG Working Group on lower and upper limits
of carbohydrate and fat intake. International Dietary Energy
Consultative Group.
Bier DM, Brosnan JT, Flatt JP, Hanson RW, Heird W, Hellerste
in MK, Jequier E, Kalhan S, Koletzko B, Macdonald I, Owen O,
Uauy R.
糖質制限食実践で、HbA1c改善、体調良好、視力改善。
【23/12/31 モン吉
糖質制限食は万能薬
江部先生、こんばんは               

今年も無事1年を過ごす事が出来ました。
ありがとうございます。

糖質制限も来年は、17年目に入ります。
平成19年3月、糖尿病が発覚した時HbA1cは11.1で、
すぐに糖質制限を始めて薬もインスリン注射もなしで、
半年後には5.9になりました。
以来ずっと5.6~6.0で安定しております。
また、その他の数値も異常なしです。

それ以外にも私の場合は0.6の視力が1.5になり、
酷い胃もたれも無くなり、体も疲れにくくなり、
コロナやインフルエンザにも感染せず、
年齢より若く見られる等、他にも色々な効果が有ります。

ブログにも皆さんが、糖尿病以外に様々な効果の書き込みをされています。
私は糖質制限食は「万能薬」ではないかと思っています。
これからも美味しく、楽しく、末長く続けて参ります。
来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。】


おはようございます。
糖質制限歴17年目のモン吉さんから、
とてもうれしいコメントを頂きました。
私が、糖質制限歴22年目ですから、それに次ぐ記録でしょうかね。


【平成19年3月、糖尿病が発覚した時HbA1cは11.1で、
すぐに糖質制限を始めて薬もインスリン注射もなしで、
半年後には5.9になりました。
以来ずっと5.6~6.0で安定しております。
また、その他の数値も異常なしです。】


HbA1cは11.1%から半年で5.9%と素晴らしい改善です。
その後も、5.6%~6.0%で維持しておられ、こちらも見事です。
一旦、HbA1cが良くなっても、どうしても緩んでしまう方もおられますので、
モン吉さん、立派です。
継続は力なりです。

私は、もともと父も母も糖尿病で家族歴は完璧なので、
そこそこ警戒はしていたのですが、
2002年の病院の健康診断(52歳時)で
遂にHbA1Cが6.7%と糖尿病の域に達していました。
即、ス-パー糖質制限食を開始し、半年で5.9%と改善し、
その後、現在まで、モン吉さんと同様に、
5.6から5.9%で維持しています。
他の数値もすべて正常で、血圧も120~135/70~85くらいです。
勿論、定期的内服薬はなしです。

父は、糖質制限食導入前のことだったため、
77歳の時、糖尿病合併症による血流傷害のため右大腿切断手術をし、
その後心筋梗塞や肺炎にもなり、80歳で永眠しました。
母は糖質制限食が間に合って、コントロール良好となり、
91歳で天寿を全うしました。


【それ以外にも私の場合は0.6の視力が1.5になり、
酷い胃もたれも無くなり、体も疲れにくくなり、
コロナやインフルエンザにも感染せず、
年齢より若く見られる等、他にも色々な効果が有ります。】


私も、52歳の時より視力が改善しています。
眼鏡なしで広辞苑の文字が読めますし、車の運転もしています。
2022年に、新型コロナに感染しましたが、37.2℃が一日だけ出ただけで、
あとは症状なしで元気でした。
現在73歳ですが、70歳でテニスクラブをやめたメンバーが数人おられて、
あと70歳代はもう一名だけです。
日曜日しかテニスに行けませんが、午前中90分くらい練習して
昼からは3~4試合、ダブルスをして、夕方16時頃帰路につきます。
これで、疲れは感じませんし、体力的には全く問題ないです。


【ブログにも皆さんが、糖尿病以外に様々な効果の書き込みをされています。
私は糖質制限食は「万能薬」ではないかと思っています。
これからも美味しく、楽しく、末長く続けて参ります。】

そうですね。
ほぼ全ての生活習慣病が糖質制限食で改善・予防できるので
まさに「万能薬」と言えます。
<生活習慣病 = 糖質過剰摂取病>
です。
「糖質セイゲニスト」「それ以外の人」で、
糖化、老化、生活習慣病、健康寿命など全てが異なると思います。
ブログ読者の皆さんも、
是非、美味しく、楽しく、末永く糖質制限食を続けて頂きたいと思います。


江部康二
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
ブログ読者の皆さん
明けましておめでとうございます。

旧年中は、糖質制限なコメント・質問など
いろいろ応援を頂き、ありがとうございました。

本年もよろしくお願い申し上げます。 

江部康二