2023年08月31日 (木)
こんにちは。
今回は、α(アルファ)-グルコシターゼ阻害薬剤(α-GI薬)について考えてみます。
糖質制限食を実践していても、旅行や外食などで、
どうしても糖質摂取せざるを得ないこともありますので
その様なときは、α(アルファ)-グルコシターゼ阻害薬剤の出番なのです。
デンプンのような多糖類は、α-アミラーゼという消化酵素の作用を得て、
二糖類(麦芽糖や蔗糖)やオリゴ糖に分解されます。
つまり、α-アミラーゼは、穀物や芋のデンプンと呼ばれる多くの糖の集合体を、
まず第一段階で分解して少し大きさを小さくしています。
その後、この二糖類やオリゴ糖は、
マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素により、
単糖(ブドウ糖、果糖、ガラクトース等)に分解されて小腸から体内に吸収されます。
マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素を総称して、
α-グルコシダーゼと呼びます。
この、α-グルコシダーゼの働きを阻害することにより、
腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、
食後高血糖を抑制するお薬が、
『α-グルコシダーゼ阻害薬』(グルコバイ、ベイスン、セイブルなど)です。
グルコバイ(アカルボース)はα-グルコシダーゼだけではなく、
α-アミラーゼに対する阻害作用も、もっています。
ベイスン(ボグリボース)やセイブル(ミグリトール)は、
α-グルコシダーゼの活性を阻害しますが、α-アミラーゼには影響を与えません。
従って、グルコバイの方が少し効果が強いですが、副作用もやや生じやすいです。
副作用とは、ガス、腹満、腹痛、軟便などです。
それぞれ常用量で下記程度に血糖値を下げるとされています。
グルコバイ: 1時間値50mg、 2時間値40mg
ベイスン: 1時間値40mg、 2時間値30mg
セイブル: 1時間値60mg、 2時間値20mg
しかし、これほど下がらない人もあります。
セイブルは1時間値を下げるけれど、2時間値はあまり下げないのが特徴です。
いずれの薬も結構個人差が大きいですし、
印象としては上記の数字ほど下がらない人のほうが多いようです。
作用機序から考えて、膵臓のβ細胞には全く影響を与えないので、
SU剤のように疲れた膵臓を鞭打つといった欠点はありません。(^^)
しかし、比較的頻度の多い副作用として、
分解が遅れて腸管に残った糖質が醗酵してガスがでたり、
お腹が張ったり、下痢をすることがあります。(-_-;)
ガスの貯留により、腸閉塞(イレウス)のような症状になる事があるので、
腹部手術歴の有る方は、禁忌とされています。
私自身で行った人体実験では、かなり興味深いことがありました。
グルコバイの常用量を食直前に服用して何種類かの食品を試食してみました。
蕎麦はほとんど腹満がなかったのですが、
お餅は最悪で、腹満・腹痛・ガスのフルコースで、
病院に行こうか?(∵)?と思ったくらいでした。
うどんやご飯は、蕎麦に比べたらやや腹満・ガスなど出やすかったですね。
個人差はあると思いますが、参考にしていただければと思います。
現在は、私は、食事の工夫(スーパー糖質制限食)をしていますので、
内服薬は一切なしです。
52歳の時に糖尿病発症し、HbA1Cが6.7%でした。
即、スーパー糖質制限食を実践し、一ヶ月後には、HbA1c5.9%と改善しました。
以来、73歳現在まで21年間、内服薬なしで、HbA1cは5.6~5.9%でコントロール良好を維持しています。
糖尿人でスーパー 糖質制限食実践中の患者さんの場合は、ほとんど薬はなしですが、
お昼だけ主食ありの『スタンダード 糖質制限食』の時は、α-GI薬を食直前に内服してもらうことがあります。
従いまして、「糖尿病には糖質制限食」の高雄病院でも
比較的使用頻度の高いのが『α-グルコシダーゼ阻害薬』です。
高雄病院入院中にグルコバイ100mgを、食時開始30秒前に内服して、
昼食に例えば炊いたご飯100gなどで実験し、
食後2時間血糖値値が180mgを超えない量をリサーチすることもあります。
炊いたご飯お茶碗一杯は約150gで、糖質を55g含んでいますが、
それでは糖質が多すぎて太刀打ちできないので、約100gに減らして実験します。
グルコバイ・ベイスン・セイブルを飲み忘れた場合、
食べ始めてからすぐに飲んでもそれなりに有効です。
食事終了時に内服しても無効です。
基本的に安全性の高い薬ですが、まれに肝障害を来す例があるので、
定期的な血液検査を推奨します。
朗報として、最近のCGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システムの普及で、
α-GI薬が、食後高血糖と共に平均血糖変動幅増大をある程度コントロールしていることが判明し、
その有効性が見直されています。
2002年、2003年に、LancetやJAMA(米国医師会雑誌)に掲載されたSTOP-NIDDMという臨床試験(*)(**)で、
アカルボース(α-グルコシダーゼ阻害薬・グルコバイ)による治療は、
2型糖尿病の発症を36%、心血管疾患の発症を49%抑制すると報告されました。
2008年6月にヘルシンキで「第5回糖尿病とその合併症予防に関する世界会議」(WCPD)が開催され、STOP-NIDDM試験のまとめが発表されました。
あまりにも、結果が良すぎるので、当時私は信用していなかったのですが、
近年のCGMの普及により、STOP-NIDDMの結果は、
信頼できるものであったと納得がいきました。
CGMの普及により、α-GI薬のように見直される薬剤もあれば、
SU剤のように欠点がもろに暴露された廃れた薬剤もあり、栄枯盛衰ですね。
(*)
Lancet. 2002 Jun 15;359(9323):2072-7.
Acarbose for prevention of type 2 diabetes mellitus: the STOP-NIDDM randomised trial.
Chiasson JL1, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M; STOP-NIDDM Trail Research Group.
(**)
Chiasson JL, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M, STOP-NIDDM Trial Research Group
: Acarbose treatment and the risk of cardiovascular disease and hypertension in patients with impaired glucose tolerance: the STOP-NIDDM trial. JAMA 2003; 290: 486-494.
江部康二
今回は、α(アルファ)-グルコシターゼ阻害薬剤(α-GI薬)について考えてみます。
糖質制限食を実践していても、旅行や外食などで、
どうしても糖質摂取せざるを得ないこともありますので
その様なときは、α(アルファ)-グルコシターゼ阻害薬剤の出番なのです。
デンプンのような多糖類は、α-アミラーゼという消化酵素の作用を得て、
二糖類(麦芽糖や蔗糖)やオリゴ糖に分解されます。
つまり、α-アミラーゼは、穀物や芋のデンプンと呼ばれる多くの糖の集合体を、
まず第一段階で分解して少し大きさを小さくしています。
その後、この二糖類やオリゴ糖は、
マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素により、
単糖(ブドウ糖、果糖、ガラクトース等)に分解されて小腸から体内に吸収されます。
マルターゼ、スクラーゼ、グルコアミラーゼなどの酵素を総称して、
α-グルコシダーゼと呼びます。
この、α-グルコシダーゼの働きを阻害することにより、
腸管からの糖質の分解・吸収を遅延させて、
食後高血糖を抑制するお薬が、
『α-グルコシダーゼ阻害薬』(グルコバイ、ベイスン、セイブルなど)です。
グルコバイ(アカルボース)はα-グルコシダーゼだけではなく、
α-アミラーゼに対する阻害作用も、もっています。
ベイスン(ボグリボース)やセイブル(ミグリトール)は、
α-グルコシダーゼの活性を阻害しますが、α-アミラーゼには影響を与えません。
従って、グルコバイの方が少し効果が強いですが、副作用もやや生じやすいです。
副作用とは、ガス、腹満、腹痛、軟便などです。
それぞれ常用量で下記程度に血糖値を下げるとされています。
グルコバイ: 1時間値50mg、 2時間値40mg
ベイスン: 1時間値40mg、 2時間値30mg
セイブル: 1時間値60mg、 2時間値20mg
しかし、これほど下がらない人もあります。
セイブルは1時間値を下げるけれど、2時間値はあまり下げないのが特徴です。
いずれの薬も結構個人差が大きいですし、
印象としては上記の数字ほど下がらない人のほうが多いようです。
作用機序から考えて、膵臓のβ細胞には全く影響を与えないので、
SU剤のように疲れた膵臓を鞭打つといった欠点はありません。(^^)
しかし、比較的頻度の多い副作用として、
分解が遅れて腸管に残った糖質が醗酵してガスがでたり、
お腹が張ったり、下痢をすることがあります。(-_-;)
ガスの貯留により、腸閉塞(イレウス)のような症状になる事があるので、
腹部手術歴の有る方は、禁忌とされています。
私自身で行った人体実験では、かなり興味深いことがありました。
グルコバイの常用量を食直前に服用して何種類かの食品を試食してみました。
蕎麦はほとんど腹満がなかったのですが、
お餅は最悪で、腹満・腹痛・ガスのフルコースで、
病院に行こうか?(∵)?と思ったくらいでした。
うどんやご飯は、蕎麦に比べたらやや腹満・ガスなど出やすかったですね。
個人差はあると思いますが、参考にしていただければと思います。
現在は、私は、食事の工夫(スーパー糖質制限食)をしていますので、
内服薬は一切なしです。
52歳の時に糖尿病発症し、HbA1Cが6.7%でした。
即、スーパー糖質制限食を実践し、一ヶ月後には、HbA1c5.9%と改善しました。
以来、73歳現在まで21年間、内服薬なしで、HbA1cは5.6~5.9%でコントロール良好を維持しています。
糖尿人でスーパー 糖質制限食実践中の患者さんの場合は、ほとんど薬はなしですが、
お昼だけ主食ありの『スタンダード 糖質制限食』の時は、α-GI薬を食直前に内服してもらうことがあります。
従いまして、「糖尿病には糖質制限食」の高雄病院でも
比較的使用頻度の高いのが『α-グルコシダーゼ阻害薬』です。
高雄病院入院中にグルコバイ100mgを、食時開始30秒前に内服して、
昼食に例えば炊いたご飯100gなどで実験し、
食後2時間血糖値値が180mgを超えない量をリサーチすることもあります。
炊いたご飯お茶碗一杯は約150gで、糖質を55g含んでいますが、
それでは糖質が多すぎて太刀打ちできないので、約100gに減らして実験します。
グルコバイ・ベイスン・セイブルを飲み忘れた場合、
食べ始めてからすぐに飲んでもそれなりに有効です。
食事終了時に内服しても無効です。
基本的に安全性の高い薬ですが、まれに肝障害を来す例があるので、
定期的な血液検査を推奨します。
朗報として、最近のCGM(Continuous Glucose Monitoring:持続ブドウ糖測定)システムの普及で、
α-GI薬が、食後高血糖と共に平均血糖変動幅増大をある程度コントロールしていることが判明し、
その有効性が見直されています。
2002年、2003年に、LancetやJAMA(米国医師会雑誌)に掲載されたSTOP-NIDDMという臨床試験(*)(**)で、
アカルボース(α-グルコシダーゼ阻害薬・グルコバイ)による治療は、
2型糖尿病の発症を36%、心血管疾患の発症を49%抑制すると報告されました。
2008年6月にヘルシンキで「第5回糖尿病とその合併症予防に関する世界会議」(WCPD)が開催され、STOP-NIDDM試験のまとめが発表されました。
あまりにも、結果が良すぎるので、当時私は信用していなかったのですが、
近年のCGMの普及により、STOP-NIDDMの結果は、
信頼できるものであったと納得がいきました。
CGMの普及により、α-GI薬のように見直される薬剤もあれば、
SU剤のように欠点がもろに暴露された廃れた薬剤もあり、栄枯盛衰ですね。
(*)
Lancet. 2002 Jun 15;359(9323):2072-7.
Acarbose for prevention of type 2 diabetes mellitus: the STOP-NIDDM randomised trial.
Chiasson JL1, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M; STOP-NIDDM Trail Research Group.
(**)
Chiasson JL, Josse RG, Gomis R, Hanefeld M, Karasik A, Laakso M, STOP-NIDDM Trial Research Group
: Acarbose treatment and the risk of cardiovascular disease and hypertension in patients with impaired glucose tolerance: the STOP-NIDDM trial. JAMA 2003; 290: 486-494.
江部康二
2023年08月29日 (火)
こんにちは。
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
と題して、一般の方向けの講演会を開催します。
講師は、江部康二 と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
わかりやすいお話をしたいと思っています。
私の講演は、「旧石器時代」の話がトピックになります。
今回、日本人はいつから存在していて、何を食べていたのかを、一から考察してみました。
一般的な歴史の教科書には全く書いてないので講演会に参加される皆さんもご存じない可能性が高いと思います。
実は日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
この間ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、
肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
北海道ではマンモスも食べていました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
このように日本人は22000年間肉ばかり食べて身体を形成していったのであり、
肉食に特化して適合していると言えます。
16000年前から『縄文時代』が始まり、
狩猟・採集・漁労の3本柱が生業となりました。
2002年に東京大学の米田穣氏によって、
「縄文人は地域ごとに食生活違う」ことが示されました。
縄文時代は、約13000年くらい続きました。
約2500年前から、『弥生時代』で、農耕が始まって1300年続き、
古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代・・・と続き、現代にいたっています。
肉食の歴史が22000年間に対して、米食の歴史は、わずか2500年にすぎません。
スーパー糖質制限食を「極端な食事」と批判する人がいますが、
実は「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率」なのです。
つまり、スーパー糖質制限食は、日本人の標準の食事と言えます。
ブログ読者の皆さん、是非、奮って、講演会にご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
9月23日(土・祝)大阪市内で、「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、当会理事長の江部康二 医師と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加をお待ちしております。
また、講演会終了後には、交流会を開催いたします。こちらも奮ってご参加くださいませ。
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
◆日程:2023年9月23日(土・祝)14:15~16:30頃 ※開場・受付は、14:00~
◆会場:大阪大学中之島センター6階 セミナー室6E・6F
大阪市北区中之島4-3-53
https://www.onc.osaka-u.ac.jp/access/
◆受講費:賛助会員 2,300円 / 一般(会員の方以外)2,800円
◆内容:
・第1部
「美味しく、楽しく続けていただくために。高雄病院の糖質制限給食と栄養指導」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科
*講師より*
高雄病院では、1999年から糖質制限食の入院食を提供することとなり、当初は主食なしの献立を立てるのはなかなか大変なことで、とまどいも多かったです。
一方で、リアルタイムに改善されていく患者さんの血液データを見ることで、それまでのエネルギーコントロール食とは明らかに違うことに気づかされ、糖質制限食の威力を感じたものです。
今回は、高雄病院の糖質制限給食や栄養指導についてご紹介しつつ、糖質制限食を美味しく、楽しく実行するためにおさえておきたい初歩的なポイントと、継続していく中でよく耳にする悩みや問題点、それらに対するアドバイスや解決策についてお話ししていきます。
・第2部
「データと歴史が示す糖質制限食の有効性」
講師: 江部 康二 医師 / (一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*講師より*
血糖値を直接上昇させるのは三大栄養素のなかで、糖質だけです。
糖質の摂取を控えると、食後高血糖を防げ、良好な血糖コントロールが可能となります。
糖尿病治療には、従来の「カロリー制限食」ではなく「糖質制限食」が出番です。
しかし、糖質制限食を「極端な食事」と批判する人もおられます。本当にそうでしょうか。
日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
このように日本人は22000年間、肉を主として食べて身体を形成していったのであり、肉食に特化して適合していると言えます。
そして、スーパー糖質制限食は、この「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事」と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率です。
私も52歳での糖尿病発症以来21年間スーパー糖質制限食を続けて、内服薬・合併症なし、視力・聴力低下なし、血圧も正常で、元気な73歳を過ごしています。
今回は、日本人の食の歴史と糖質制限食の理論、糖尿病治療をはじめとする、糖質制限食の有効性と安全性について、様々な角度からお話したいと思います。
※第1部35分、第2部60分程度、最後に質疑応答を予定しております。
◇◆◇ 交流会 ◇◆◇
◆日時: 2023年9月23日(土・祝) 17:15~(2時間程度)
◆場所: ダイビル本館 1F 「ドノスティア(Donostia)」
大阪市北区中之島3-6-32 ※講演会場から徒歩3、4分
https://kcks602.gorp.jp/
◆参加費: 賛助会員 6,000円 / 一般(会員以外の方) 6,500円
◆形式など:立食 / お食事+フリードリンク
【以下大阪講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:
事務局へメールにて、参加ご希望のイベント名とご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/23大阪講演会、交流会)をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、講演会もしくは、講演会・交流会への参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日は直接各会場へお越し頂き、受付にてお名前をお伝えください。
・講演会のキャンセルは9月20日(水)までに、交流会のキャンセルは9月18日(月・祝)までに事務局へメールにてご連絡願います。
これら以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
と題して、一般の方向けの講演会を開催します。
講師は、江部康二 と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
わかりやすいお話をしたいと思っています。
私の講演は、「旧石器時代」の話がトピックになります。
今回、日本人はいつから存在していて、何を食べていたのかを、一から考察してみました。
一般的な歴史の教科書には全く書いてないので講演会に参加される皆さんもご存じない可能性が高いと思います。
実は日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
この間ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、
肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
北海道ではマンモスも食べていました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
このように日本人は22000年間肉ばかり食べて身体を形成していったのであり、
肉食に特化して適合していると言えます。
16000年前から『縄文時代』が始まり、
狩猟・採集・漁労の3本柱が生業となりました。
2002年に東京大学の米田穣氏によって、
「縄文人は地域ごとに食生活違う」ことが示されました。
縄文時代は、約13000年くらい続きました。
約2500年前から、『弥生時代』で、農耕が始まって1300年続き、
古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代・・・と続き、現代にいたっています。
肉食の歴史が22000年間に対して、米食の歴史は、わずか2500年にすぎません。
スーパー糖質制限食を「極端な食事」と批判する人がいますが、
実は「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率」なのです。
つまり、スーパー糖質制限食は、日本人の標準の食事と言えます。
ブログ読者の皆さん、是非、奮って、講演会にご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
9月23日(土・祝)大阪市内で、「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、当会理事長の江部康二 医師と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加をお待ちしております。
また、講演会終了後には、交流会を開催いたします。こちらも奮ってご参加くださいませ。
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
◆日程:2023年9月23日(土・祝)14:15~16:30頃 ※開場・受付は、14:00~
◆会場:大阪大学中之島センター6階 セミナー室6E・6F
大阪市北区中之島4-3-53
https://www.onc.osaka-u.ac.jp/access/
◆受講費:賛助会員 2,300円 / 一般(会員の方以外)2,800円
◆内容:
・第1部
「美味しく、楽しく続けていただくために。高雄病院の糖質制限給食と栄養指導」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科
*講師より*
高雄病院では、1999年から糖質制限食の入院食を提供することとなり、当初は主食なしの献立を立てるのはなかなか大変なことで、とまどいも多かったです。
一方で、リアルタイムに改善されていく患者さんの血液データを見ることで、それまでのエネルギーコントロール食とは明らかに違うことに気づかされ、糖質制限食の威力を感じたものです。
今回は、高雄病院の糖質制限給食や栄養指導についてご紹介しつつ、糖質制限食を美味しく、楽しく実行するためにおさえておきたい初歩的なポイントと、継続していく中でよく耳にする悩みや問題点、それらに対するアドバイスや解決策についてお話ししていきます。
・第2部
「データと歴史が示す糖質制限食の有効性」
講師: 江部 康二 医師 / (一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*講師より*
血糖値を直接上昇させるのは三大栄養素のなかで、糖質だけです。
糖質の摂取を控えると、食後高血糖を防げ、良好な血糖コントロールが可能となります。
糖尿病治療には、従来の「カロリー制限食」ではなく「糖質制限食」が出番です。
しかし、糖質制限食を「極端な食事」と批判する人もおられます。本当にそうでしょうか。
日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
このように日本人は22000年間、肉を主として食べて身体を形成していったのであり、肉食に特化して適合していると言えます。
そして、スーパー糖質制限食は、この「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事」と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率です。
私も52歳での糖尿病発症以来21年間スーパー糖質制限食を続けて、内服薬・合併症なし、視力・聴力低下なし、血圧も正常で、元気な73歳を過ごしています。
今回は、日本人の食の歴史と糖質制限食の理論、糖尿病治療をはじめとする、糖質制限食の有効性と安全性について、様々な角度からお話したいと思います。
※第1部35分、第2部60分程度、最後に質疑応答を予定しております。
◇◆◇ 交流会 ◇◆◇
◆日時: 2023年9月23日(土・祝) 17:15~(2時間程度)
◆場所: ダイビル本館 1F 「ドノスティア(Donostia)」
大阪市北区中之島3-6-32 ※講演会場から徒歩3、4分
https://kcks602.gorp.jp/
◆参加費: 賛助会員 6,000円 / 一般(会員以外の方) 6,500円
◆形式など:立食 / お食事+フリードリンク
【以下大阪講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:
事務局へメールにて、参加ご希望のイベント名とご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/23大阪講演会、交流会)をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、講演会もしくは、講演会・交流会への参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日は直接各会場へお越し頂き、受付にてお名前をお伝えください。
・講演会のキャンセルは9月20日(水)までに、交流会のキャンセルは9月18日(月・祝)までに事務局へメールにてご連絡願います。
これら以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
2023年08月28日 (月)
こんにちは。
糖質制限食実践を開始した時に、
それまでは基準値内におさまっていたLDLコレステロール値が
急速に上昇することがあります。
今回は、「糖質制限食と高LDLコレステロール血症とその対処法」について
考察してみます。
<高LDLコレステロール血症と糖質制限食>
日本動脈硬化学会のガイドラインにおいて、
総コレステロール(TC)は評価項目から外れています。
評価対象は、HDLコレステロールとLDLコレステロールです。
糖質制限食で、HDLコレステロールは増加するので、良いことです。
LDLコレステロールに関しては、<低下・不変・増加>の3パターンがあります。
何故3パターンあるのかを突き止めるために、
まずはコレステロールの成り立ちを考えてみます。
コレステロールは、生体のあらゆる細胞膜の構築に必須の物質であり、
肝臓で合成し腸肝循環によって制御・調節されています。
このように、コレステロールは、人体にとって必要不可欠な、
重要な構成成分の一つです。
ヒトだけではなく、約2億2500万年前に哺乳類が誕生して以来、
生命現象の根幹をなす細胞膜などの原料として一貫して利用されてきたのです。
そのため血清コレステロール値は、
摂取された食物から得られるコレステロールが少ない場合
肝臓での合成が高まり、
一方、摂取コレステロールが多い場合は、肝臓での合成が徐々に減少して、
一定量を必ず確保するよう調整しています。
例えば玄米菜食の実践により
「コレステロールを食事からあまりとらない食生活」だったとすれば、
肝臓でのコレステロール合成能力はかなり高まっています。
玄米菜食的な食生活をしていて糖尿病を発症した人が、
糖質制限食を開始して食事からコレステロールがたくさん入ってきたら、
「肝臓のコレステロール合成増強 + 食事からのコレステロールの増加」
となりますので、普通の食事だった人に比し、
血清コレステロールが高値となりやすいです。
この場合、基準値(140mg/dl未満)だったLDLコレステロール値が、
200mg/DL超えなどに一旦上昇します。
総コレステロール値は、300mg/dlを超えてきます。
しかし、一旦上昇したコレステロールも、
肝臓が徐々にコレステロール産生を調整するので、
半年、1年、2年或いは数年単位で基準値に落ち着いてきます。
なお、糖質制限食実践でLDLコレステロール値が上昇した場合、
HDLコレステロールが上昇して、60mg/dl以上になり、
空腹時中性脂肪は改善して、80mg/dl以下になるので、
悪玉の小粒子LDLコレステロールや酸化LDLコレステロールは、
ほとんどないので安心です。
糖質制限食実践でLDLコレステロール値が上昇した場合は、
肝臓から末梢組織へコレステロールという細胞膜の原料を運んでいく
標準の大きさの善玉のLDLコレステロールなので心配ないのです。
<高LDLコレステロール血症と糖質制限食とゼチーア>
どうしてもLDLコレステロール高値が気になる人は、
ゼチーアが食材から体内へののコレステロール吸収を減らすので、
しばらくの間、内服するのもありと思います。
ゼチーアはスタチンよりは副作用が少ないです。
ゼチーアは、食材からのコレステロール吸収を抑制する藥なので、
糖質制限食開始により上昇した高LDL血症には、劇的に効きます。
一ヶ月の内服で、LDLコレステロール250mg/dlくらいあったのが
150mg/dlとかに低下し、100mgくらい下がります。
もともと卵とか肉とかコレステロールを多く含むものをよく食べていた人は、
糖質制限食を実践しても血清コレステロール値はあまり変化がないと思います。
このように糖質制限食開始前の食生活において
コレステロールをどの程度摂取していたかで、
開始後のコレステロール値が、かなり影響を受けると考えられます。
いずれにせよ、スーパー糖質制限食を長期間実践している人は、
皆さん、LDLコレステロール値もHDLコレステロール値も
空腹時中性脂肪値も基準値となっていくことがほとんどです。
江部康二
2023年08月27日 (日)
おはようございます。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
【医師が教える】
運動する人こそ糖質制限するべき決定的裏付け
https://diamond.jp/articles/-/326969
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.27
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
糖質は体内にどれだけ
蓄えられているか?
脂質は桁違いのエネルギー源
糖質制限でパフォーマンスUP
無酸素運動は例外的
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
【医師が教える】
運動する人こそ糖質制限するべき決定的裏付け
https://diamond.jp/articles/-/326969
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.27
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
糖質は体内にどれだけ
蓄えられているか?
脂質は桁違いのエネルギー源
糖質制限でパフォーマンスUP
無酸素運動は例外的
2023年08月26日 (土)
こんにちは
新型コロナウイルス感染症の位置づけが、令和5年5月8日以下の如く変更になりました。
厚生労働省
【新型コロナウイルス感染症の位置づけは、これまで、「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」としていましたが、令和5年5月8日から「5類感染症」になりました。 法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の皆様の自主的な取組をベースとした対応に変わります。】
それで、私の宴会も3年ぶりに復活しています。
お店では、今の季節は、暑いので、もっぱらハイボールです。
私は、お酒は、外でも中でも、比較的よく飲みます。
糖質制限OKのお酒を、雨の日も風の日も晴れの日も雪の日も・・・、
ほぼ毎日、律儀に飲んでいます。
しかしながら、定期的に検査している肝機能は全く正常であり、
人生で一回も肝機能障害を経験したことはありません。
万一、肝機能障害が発症したら、きっと酒を減らすと思います。
家では、糖質ゼロのビール(350ml缶)をまず一缶のんで、
そのあとは、焼酎が多いです。
25%の焼酎をオンザロックで、チビチビ呑みます。
37%とか40%とか濃い酒は、咽頭・食道粘膜に刺激過剰となり、
発がんリスクとなるので、避けています。
辛口の赤ワインも飲みますが、ほぼピノ・ノワールです。
一方、タバコは人生で一回も吸ったことはありません。
ですから、患者さんを診察するときには、
酒飲みには優しく、喫煙者には厳しい傾向があります。
このように、私は、
酒とタバコに関してかなりバイアスの入った診療をする医師ということになりますが、
さて、「飲酒」と「喫煙」と、どっちがより悪いのでしょう?
とりあえず、一番懸念される「がん」について
国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)を調べて見ました。
<お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい>
時々飲酒しているグループと比べると、男性において、
アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、
がん全体の発生率は高くなりませんでした。
一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、
がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。
要するに、お酒をたくさん呑むほど、
単純にがん発症リスクが増えるということであり、
左党にはとても頭の痛いお話しです。
なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、
ウイスキーダブルで1杯です。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、
はっきりした傾向がみられませんでした。
<飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる>
ところが、この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、
たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。
この事実は、左党には大変嬉しいことと言えます。
一方、たばこを吸う人では、ときどき飲むグループに比べて、
飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、
1日平均3合以上のグループでは2.3倍、がん全体の発生率が高くなりました。
このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、
喫煙によって助長されることがわかります。
げにタバコの害、恐るべしです。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、
喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなるので、油断は禁物です。
ともあれ、そうすると、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など特殊な部位のがんを除けば、飲酒単独で喫煙なしなら、飲酒量が増えてもがんのリスクにはならないと言えます。
私など左党(酒飲み)には大変嬉しいJPHC研究報告であり、
国立がんセンターの方角に足を向けて眠れないですね。
なお、とても嬉しいことに
「酒飲みでも、タバコ(-)なら食道がんのリスクなし」
です。
2018年05月01日 (火)の本ブログ記事
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4547.html
をご参照頂けば幸いです。
<飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか>
アルコール(エタノール)の分解物のアセトアルデヒドが、がんの発生にかかわるようです。
そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、
たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
<やはり多量飲酒はよくない>
がんを含めて、いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、
お酒は日本酒換算で一日1合程度までに控えておいた方が安全なようです。
大量の飲酒は、シンプルに肝臓や膵臓にダメージを与えます。
結論です。
アルコール依存症の問題はありますが、総合的に飲酒と喫煙のどっちがより悪いのかと言えば、喫煙と結論できます。
しかし、当たりまえではありますが、大量の飲酒は厳禁です。
本日のブログ記事、グラフや図も含めてより詳しくは
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
をご参照頂けば幸いです。
江部康二
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
飲酒とがん全体の発生率との関係について
―多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告―
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防に役立てるための研究を行っています。
平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県柏崎、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2004年現在)管内にお住まいの方々に、アンケート調査の回答をお願いしました。そのうち、40~59歳の男女約73,000人について、その後平成13年(2001年)まで追跡した調査結果に基づいて、飲酒とがん全体の発生率との関係について調べた結果を、専門誌で論文発表しましたので、紹介します(British Journal of Cancer 2005年92巻182-187ページ)。
お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい
調査開始時には、男性の70%はほぼ毎日飲酒していると回答していましたが、女性ではほぼ毎日飲酒しているのは12%でした。調査開始時の飲酒の程度により6つのグループに分けて、その後のがん全体の発生率を比較してみました。調査開始から約10年間の追跡期間中に、調査対象者約73,000人のうち約3,500人が何らかのがんにかかりました。
時々飲酒しているグループと比べると、男性では、アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、がん全体の発生率は高くなりませんでした。一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。(なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、ウイスキーダブルで1杯です。)
この結果をもとにして、平均1日2合以上のような多量飲酒に起因してがんになる、すなわち、多量の飲酒を避けていれば何らかのがんにかからなくてすんだ割合を推計したところ、13%でした。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、はっきりした傾向がみられませんでした。
図1.飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる
この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。ところが、たばこを吸う人では、飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、ときどき飲むグループと比べて、1日平均2-3合以上のグループでは1.9倍、1日平均3合以上のグループでは2.3倍がん全体の発生率が高くなりました。このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、喫煙によって助長されることがわかります。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・食道・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなりますが、喫煙が重なることにより、さらに発生率が高くなるという結果になりました。
図2.喫煙習慣別に見た飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか
お酒に含まれているエタノールは分解されてアセトアルデヒドになりますが、これががんの発生にかかわると考えられています。そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
やはり多量飲酒はよくない
この研究からは、何らかのがんになりにくくするには、日本酒換算で一日平均2合以上の多量飲酒は慎んだ方がいいといえます。しかし、同じ多目的コホート研究からの結果では、最近増加している糖尿病や大腸がんなら、一日平均1合を超えると危険性が高くなるという結果となっています。いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、お酒は日本酒換算で一日1合(ビールなら大びん1本、ワインならグラス2杯)程度までに控えておいた方がよいといえるでしょう。
新型コロナウイルス感染症の位置づけが、令和5年5月8日以下の如く変更になりました。
厚生労働省
【新型コロナウイルス感染症の位置づけは、これまで、「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」としていましたが、令和5年5月8日から「5類感染症」になりました。 法律に基づき行政が様々な要請・関与をしていく仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の皆様の自主的な取組をベースとした対応に変わります。】
それで、私の宴会も3年ぶりに復活しています。
お店では、今の季節は、暑いので、もっぱらハイボールです。
私は、お酒は、外でも中でも、比較的よく飲みます。
糖質制限OKのお酒を、雨の日も風の日も晴れの日も雪の日も・・・、
ほぼ毎日、律儀に飲んでいます。
しかしながら、定期的に検査している肝機能は全く正常であり、
人生で一回も肝機能障害を経験したことはありません。
万一、肝機能障害が発症したら、きっと酒を減らすと思います。
家では、糖質ゼロのビール(350ml缶)をまず一缶のんで、
そのあとは、焼酎が多いです。
25%の焼酎をオンザロックで、チビチビ呑みます。
37%とか40%とか濃い酒は、咽頭・食道粘膜に刺激過剰となり、
発がんリスクとなるので、避けています。
辛口の赤ワインも飲みますが、ほぼピノ・ノワールです。
一方、タバコは人生で一回も吸ったことはありません。
ですから、患者さんを診察するときには、
酒飲みには優しく、喫煙者には厳しい傾向があります。
このように、私は、
酒とタバコに関してかなりバイアスの入った診療をする医師ということになりますが、
さて、「飲酒」と「喫煙」と、どっちがより悪いのでしょう?
とりあえず、一番懸念される「がん」について
国立がん研究センターの多目的コホート研究(JPHC研究)を調べて見ました。
<お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい>
時々飲酒しているグループと比べると、男性において、
アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、
がん全体の発生率は高くなりませんでした。
一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、
がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。
要するに、お酒をたくさん呑むほど、
単純にがん発症リスクが増えるということであり、
左党にはとても頭の痛いお話しです。
なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、
ウイスキーダブルで1杯です。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、
はっきりした傾向がみられませんでした。
<飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる>
ところが、この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、
たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。
この事実は、左党には大変嬉しいことと言えます。
一方、たばこを吸う人では、ときどき飲むグループに比べて、
飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、
1日平均3合以上のグループでは2.3倍、がん全体の発生率が高くなりました。
このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、
喫煙によって助長されることがわかります。
げにタバコの害、恐るべしです。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、
喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなるので、油断は禁物です。
ともあれ、そうすると、口唇・口腔・咽頭・(食道)・肝・喉頭など特殊な部位のがんを除けば、飲酒単独で喫煙なしなら、飲酒量が増えてもがんのリスクにはならないと言えます。
私など左党(酒飲み)には大変嬉しいJPHC研究報告であり、
国立がんセンターの方角に足を向けて眠れないですね。
なお、とても嬉しいことに
「酒飲みでも、タバコ(-)なら食道がんのリスクなし」
です。
2018年05月01日 (火)の本ブログ記事
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4547.html
をご参照頂けば幸いです。
<飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか>
アルコール(エタノール)の分解物のアセトアルデヒドが、がんの発生にかかわるようです。
そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、
たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
<やはり多量飲酒はよくない>
がんを含めて、いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、
お酒は日本酒換算で一日1合程度までに控えておいた方が安全なようです。
大量の飲酒は、シンプルに肝臓や膵臓にダメージを与えます。
結論です。
アルコール依存症の問題はありますが、総合的に飲酒と喫煙のどっちがより悪いのかと言えば、喫煙と結論できます。
しかし、当たりまえではありますが、大量の飲酒は厳禁です。
本日のブログ記事、グラフや図も含めてより詳しくは
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
をご参照頂けば幸いです。
江部康二
多目的コホート研究(JPHC研究)
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/269.html
飲酒とがん全体の発生率との関係について
―多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告―
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などの病気との関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防に役立てるための研究を行っています。
平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県柏崎、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2004年現在)管内にお住まいの方々に、アンケート調査の回答をお願いしました。そのうち、40~59歳の男女約73,000人について、その後平成13年(2001年)まで追跡した調査結果に基づいて、飲酒とがん全体の発生率との関係について調べた結果を、専門誌で論文発表しましたので、紹介します(British Journal of Cancer 2005年92巻182-187ページ)。
お酒も量が過ぎれば将来がんになりやすい
調査開始時には、男性の70%はほぼ毎日飲酒していると回答していましたが、女性ではほぼ毎日飲酒しているのは12%でした。調査開始時の飲酒の程度により6つのグループに分けて、その後のがん全体の発生率を比較してみました。調査開始から約10年間の追跡期間中に、調査対象者約73,000人のうち約3,500人が何らかのがんにかかりました。
時々飲酒しているグループと比べると、男性では、アルコール摂取量が日本酒にして1日平均2合未満のグループでは、がん全体の発生率は高くなりませんでした。一方、飲酒の量が1日平均2合以上3合未満のグループでは、がん全体の発生率が1.4倍、1日平均3合以上のグループでは、1.6倍でした。(なお、日本酒1合と同じアルコール量は、焼酎で0.6合、泡盛で0.5合、ビールで大ビン1本、ワインでグラス2杯(200ml)、ウイスキーダブルで1杯です。)
この結果をもとにして、平均1日2合以上のような多量飲酒に起因してがんになる、すなわち、多量の飲酒を避けていれば何らかのがんにかからなくてすんだ割合を推計したところ、13%でした。
女性では、定期的に飲酒する人が多くないためか、はっきりした傾向がみられませんでした。
図1.飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとがんの発生率が高くなる
この結果を、たばこを吸う人と吸わない人とに分けてみてみたところ、たばこを吸わない人では、飲酒量が増えても、がんの発生率は高くなりませんでした。ところが、たばこを吸う人では、飲酒量が増えれば増えるほど、がんの発生率が高くなり、ときどき飲むグループと比べて、1日平均2-3合以上のグループでは1.9倍、1日平均3合以上のグループでは2.3倍がん全体の発生率が高くなりました。このことから、飲酒によるがん全体の発生率への影響は、喫煙によって助長されることがわかります。
もちろん、口唇・口腔・咽頭・食道・肝・喉頭など、飲酒と特によく関連していると考えられているがんだけでみてみると、喫煙していなくても飲酒量が増えればがんの発生率が高くなりますが、喫煙が重なることにより、さらに発生率が高くなるという結果になりました。
図2.喫煙習慣別に見た飲酒とがんの発生率.男
飲酒と喫煙が重なるとなぜいけないのか
お酒に含まれているエタノールは分解されてアセトアルデヒドになりますが、これががんの発生にかかわると考えられています。そして、喫煙者では、エタノールをアセトアルデヒドに分解する酵素が、たばこの煙の中に含まれる発がん物質を同時に活性化してしまっているとも考えられています。
やはり多量飲酒はよくない
この研究からは、何らかのがんになりにくくするには、日本酒換算で一日平均2合以上の多量飲酒は慎んだ方がいいといえます。しかし、同じ多目的コホート研究からの結果では、最近増加している糖尿病や大腸がんなら、一日平均1合を超えると危険性が高くなるという結果となっています。いろいろな生活習慣病をまとめて予防しようと考えると、お酒は日本酒換算で一日1合(ビールなら大びん1本、ワインならグラス2杯)程度までに控えておいた方がよいといえるでしょう。
2023年08月24日 (木)
【23/08/23 挑戦中
高脂肪食について
江部先生
いつもブログで勉強させていただいております。ありがとうございます。
以前ブログにて相談させて頂いて以来、順調に糖質制限生活を楽しんでおります。
今日はコレステロールの事でお知恵を拝借できないかと思いメッセージさせていただきました。
先生の過去のブログ記事やYoutubeを拝見したのですが、理解が及ばずにおります。
今回、居住地イギリスの医師から動物性たんぱく質を減らすよう指示が出ました。
私としては動物性たんぱく質を取ることでBMIが安定し、血糖値も安定したので、悩みどころです。
2019年7月出産(妊娠糖尿病になりました)
2020年5月(日本・糖質制限開始前)
身長:155㎝ 体重:44.5㎏
総コレステロール:236MG/DL
HDL-C: 99MG/DL
中性脂肪:69MG/DL
non-HDL :137MG/DL
LDL-C : 123 MD/DL
HbA1c(NGSP) : 6.0
2023年4月(日本・糖質制限約2.5年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:239mg/dL/DL
HDL-C: 87mg/dL
中性脂肪:58mg/dL
non-HDL :152㎎/dL
LDL-C : 140 mg/dL
HbA1c : 5.5
2023年8月(英国・糖質制限3年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:5.8mmol/l (約225mg/dL/DL?)
HDL-C: 1.74mmol/L (約67mg/dL?)
中性脂肪:計測なし
non-HDL :4.1mmol/L(約159㎎/dL?)
HDL ratio : 3.3
total protein: 74g/L
HbA1c : 5.6
英国では中性脂肪は測っていません。
両国でカリウムやクレアチニン、ALT、アルブミン、eGFRなど他も調べましたが、
特に何も問題はありませんでした。
また計測値や項目名が異なり申し訳ございません。
この状態ですとやはり脂質制限は考慮した方が良いのでしょうか? 】
こんにちは。
挑戦中 さんから、高脂肪食について、コメント・質問を頂きました。
2019年7月出産(妊娠糖尿病になりました)
2020年5月(日本・糖質制限開始前)
身長:155㎝ 体重:44.5㎏
総コレステロール:236mg/dl
HDL-C: 99mg/dl
中性脂肪:69mg/dl
non-HDL :137mg/dl
LDL-C : 123 mg/dlL
HbA1c(NGSP) : 6.0
2023年4月(日本・糖質制限約2.5年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:239mg/dL/DL
HDL-C: 87mg/dL
中性脂肪:58mg/dL
non-HDL :152㎎/dL
LDL-C : 140 mg/dL
HbA1c : 5.5
糖質制限食を2.5年実践されて、
HbA1c(NGSP)が、 6.0から5.5%に改善しています。
HDL-Cはもともと良かったのですが、 99mg/dl⇒87mg/dlです。
中性脂肪も元々よかったのですが、69mg/dl⇒58mg/dlです。
いつも本ブログで、述べていますが
HDLコレステロールが、60mg/dl以上あり
TGが 60mg/dl以下であれば、
悪玉の小粒子LDLコレステロール、酸化LDLコレステロールは皆無であり、
LDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉なので問題ないです。
①標準の大きさのLDLコレステロール:
肝臓から末梢組織にコレステロールという細胞膜の原料を運ぶ善玉。
②小粒子LDLコレステロール:
コレステロール輸送という本来の仕事をほとんどせずに、血管壁の傷などに入り込んで
活性酸素に触れ、酸化して酸化LDLコレステロールになりやすいので危険。
③酸化LDLコレステロール:
異物であり血管壁にこびりついて動脈硬化の元凶となる真の悪玉。
つまり、危険なのは②と③であり、
①はなくてはならない大切なものなのです。
http://promea2014.com/blog/?p=1101
ドクターシミズのひとりごと
に掲載してある、図を見て頂ければ上記が確認できます。
(図はAtherogenic lipoprotein phenotype. A proposed genetic marker for coronary heart disease risk.M A Austin, M C King, K M Vranizan and R M Krauss Circulation. 1990;82:495-506より抜粋)
清水先生、ありがとうございます。
【今回、居住地イギリスの医師から動物性たんぱく質を減らすよう指示が出ました。
私としては動物性たんぱく質を取ることでBMIが安定し、血糖値も安定したので、
悩みどころです。】
スーパー糖質制限食を継続されて、何の問題もありません。
問題がないどころか良いことばかりです。
糖質制限食は、言いかえれば脂肪・蛋白無制限食です。
しっかり動物性たんぱく質や動物性脂肪を摂取して、
血糖値を安定させ、体重を<44.5kg⇒46kg>を維持しましょう。
BMIも、もうすこし増やしてよいです。
体重47~48kgなら、BMIは、19.56~19.98
となります。
日本列島にヒトが居住し始めたのは、38000年前の旧石器時代からです。
当時はウルム氷期でとても寒い時期でした。
日本の旧石器時代は22000間と非常に長期にわたり続きました。
寒さのため、基本、針葉樹しかありませんでした。
ナウマン象、イノシシ、シカなど肉食が主でした。
北海道ではマンモスも食べていました・
植物食は、自然薯かコケモモくらいしかありませんでした。
広葉樹がないので、ドングリ、クリ、果物などはありませんでした。
我々のご先祖は、22000年間、肉食が主であり、動物たんぱく・動物脂肪をしっかり食べて
日本人の身体は形成されていったと考えられます。
挑戦中 さんも、しっかり動物たんぱく・動物脂肪を摂取して、
美味しく楽しく末長く、健康ライフを送って頂ければ幸いです。
江部康二
高脂肪食について
江部先生
いつもブログで勉強させていただいております。ありがとうございます。
以前ブログにて相談させて頂いて以来、順調に糖質制限生活を楽しんでおります。
今日はコレステロールの事でお知恵を拝借できないかと思いメッセージさせていただきました。
先生の過去のブログ記事やYoutubeを拝見したのですが、理解が及ばずにおります。
今回、居住地イギリスの医師から動物性たんぱく質を減らすよう指示が出ました。
私としては動物性たんぱく質を取ることでBMIが安定し、血糖値も安定したので、悩みどころです。
2019年7月出産(妊娠糖尿病になりました)
2020年5月(日本・糖質制限開始前)
身長:155㎝ 体重:44.5㎏
総コレステロール:236MG/DL
HDL-C: 99MG/DL
中性脂肪:69MG/DL
non-HDL :137MG/DL
LDL-C : 123 MD/DL
HbA1c(NGSP) : 6.0
2023年4月(日本・糖質制限約2.5年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:239mg/dL/DL
HDL-C: 87mg/dL
中性脂肪:58mg/dL
non-HDL :152㎎/dL
LDL-C : 140 mg/dL
HbA1c : 5.5
2023年8月(英国・糖質制限3年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:5.8mmol/l (約225mg/dL/DL?)
HDL-C: 1.74mmol/L (約67mg/dL?)
中性脂肪:計測なし
non-HDL :4.1mmol/L(約159㎎/dL?)
HDL ratio : 3.3
total protein: 74g/L
HbA1c : 5.6
英国では中性脂肪は測っていません。
両国でカリウムやクレアチニン、ALT、アルブミン、eGFRなど他も調べましたが、
特に何も問題はありませんでした。
また計測値や項目名が異なり申し訳ございません。
この状態ですとやはり脂質制限は考慮した方が良いのでしょうか? 】
こんにちは。
挑戦中 さんから、高脂肪食について、コメント・質問を頂きました。
2019年7月出産(妊娠糖尿病になりました)
2020年5月(日本・糖質制限開始前)
身長:155㎝ 体重:44.5㎏
総コレステロール:236mg/dl
HDL-C: 99mg/dl
中性脂肪:69mg/dl
non-HDL :137mg/dl
LDL-C : 123 mg/dlL
HbA1c(NGSP) : 6.0
2023年4月(日本・糖質制限約2.5年経過)
身長:155㎝ 体重:45.5~46㎏
総コレステロール:239mg/dL/DL
HDL-C: 87mg/dL
中性脂肪:58mg/dL
non-HDL :152㎎/dL
LDL-C : 140 mg/dL
HbA1c : 5.5
糖質制限食を2.5年実践されて、
HbA1c(NGSP)が、 6.0から5.5%に改善しています。
HDL-Cはもともと良かったのですが、 99mg/dl⇒87mg/dlです。
中性脂肪も元々よかったのですが、69mg/dl⇒58mg/dlです。
いつも本ブログで、述べていますが
HDLコレステロールが、60mg/dl以上あり
TGが 60mg/dl以下であれば、
悪玉の小粒子LDLコレステロール、酸化LDLコレステロールは皆無であり、
LDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉なので問題ないです。
①標準の大きさのLDLコレステロール:
肝臓から末梢組織にコレステロールという細胞膜の原料を運ぶ善玉。
②小粒子LDLコレステロール:
コレステロール輸送という本来の仕事をほとんどせずに、血管壁の傷などに入り込んで
活性酸素に触れ、酸化して酸化LDLコレステロールになりやすいので危険。
③酸化LDLコレステロール:
異物であり血管壁にこびりついて動脈硬化の元凶となる真の悪玉。
つまり、危険なのは②と③であり、
①はなくてはならない大切なものなのです。
http://promea2014.com/blog/?p=1101
ドクターシミズのひとりごと
に掲載してある、図を見て頂ければ上記が確認できます。
(図はAtherogenic lipoprotein phenotype. A proposed genetic marker for coronary heart disease risk.M A Austin, M C King, K M Vranizan and R M Krauss Circulation. 1990;82:495-506より抜粋)
清水先生、ありがとうございます。
【今回、居住地イギリスの医師から動物性たんぱく質を減らすよう指示が出ました。
私としては動物性たんぱく質を取ることでBMIが安定し、血糖値も安定したので、
悩みどころです。】
スーパー糖質制限食を継続されて、何の問題もありません。
問題がないどころか良いことばかりです。
糖質制限食は、言いかえれば脂肪・蛋白無制限食です。
しっかり動物性たんぱく質や動物性脂肪を摂取して、
血糖値を安定させ、体重を<44.5kg⇒46kg>を維持しましょう。
BMIも、もうすこし増やしてよいです。
体重47~48kgなら、BMIは、19.56~19.98
となります。
日本列島にヒトが居住し始めたのは、38000年前の旧石器時代からです。
当時はウルム氷期でとても寒い時期でした。
日本の旧石器時代は22000間と非常に長期にわたり続きました。
寒さのため、基本、針葉樹しかありませんでした。
ナウマン象、イノシシ、シカなど肉食が主でした。
北海道ではマンモスも食べていました・
植物食は、自然薯かコケモモくらいしかありませんでした。
広葉樹がないので、ドングリ、クリ、果物などはありませんでした。
我々のご先祖は、22000年間、肉食が主であり、動物たんぱく・動物脂肪をしっかり食べて
日本人の身体は形成されていったと考えられます。
挑戦中 さんも、しっかり動物たんぱく・動物脂肪を摂取して、
美味しく楽しく末長く、健康ライフを送って頂ければ幸いです。
江部康二
2023年08月23日 (水)
こんにちは。
今回の記事は、1型糖尿病と食事療法 その2です。
成人で糖質制限食がつらくなければ、
バーンスタイン医師と同様にスーパー糖質制限食が、一番のお奨めです。
人類約700万年間の歴史で、農耕以前の700万年は、人類みんな糖質制限食ですので、
本来の食生活に戻るということです。
スーパー糖質制限食だと、「毎食前の超速効型インスリン(追加分泌インスリンの代わり)」は量的に1/3以下に減らせることが多いです。
「約24時間持続型インスリン(基礎分泌インスリンの代わり)」は同量の場合もあれば、
1/2程度まで減らせることもあります。
ただ1型糖尿病は小児期の発症が多く、学校での給食等もあり、
糖質制限食が困難な場合もあります。
その場合は糖質管理食で良いと思います。
糖質管理食では、摂取する糖質量に応じて、食前のインスリンの単位を調整します。
小児の1型糖尿病は、家にいる時は、糖質制限食でインスリンの量を減らす、
給食時はインスリンの量を増やして糖質管理食的に摂取する、
というようなパターンも有効かと思われます。
インスリンの量は、少なくてすむほど血糖コントロールも良くなりますし、
身体への影響は少ないので、工夫してみる価値はあるでしょう。
過剰のインスリンは酸化ストレスとなり、
がん、老化、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などのリスクとなります。
カロリー計算だけに頼って、インスリンの量を決めるのは、
食後血糖値の予測が不可能ですので危険です。
1型糖尿病は、血糖値が乱高下するというように言われていますが、
これは血糖値を直接上昇させる糖質摂取量の計算をしないからそうなるのです。
糖尿病専門医の先生方も1型糖尿病患者さんに対して、
血糖値乱高下を避けるために糖質制限食は無理でも、
せめて糖質管理食は導入して欲しいものです。
江部康二
以下の青字の記載は、中嶋一雄先生の、糖尿病学会誌に掲載された論文です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/61/11/61_787/_article/-char/ja/
編集者への手紙
1 型糖尿病患者における糖質制限について
中嶋 一雄
Key words:1 型糖尿病,食事療法
〔糖尿病 61(11):787~788,2018〕
近年糖尿病の食事療法に糖質制限食が注目され,米国のジョスリン糖尿病センターでは,2004 年より食事療法勧告において炭水化物を 40 %エネルギーと定めている1).
米国糖尿病学会は 2013 年 10 月より,食事療法においてあらゆる栄養素比率を選択することが可能であるとの見解を出した2).
本誌 60 巻 6 号に「厳密な糖質制限と持効型溶解インスリン 1 回法を約 15 年継続している罹病歴 33 年の 1型糖尿病の 1 例」と題する症例報告3)が掲載された.日本糖尿病学会により推奨される食事療法(炭水化物 50-60 %)を摂取し必要なインスリンを追加することが標準的な糖尿病の治療であり推奨することを説明したとある.一方,1 型糖尿病における糖質制限については統一見解には至っていないと思われる.
1 型糖尿病とてんかんの合併例に,超低炭水化物食であるケトン食療法を実施して,血糖維持と痙攣発作がいずれも改善し安定した状態を得られたと,すでに複数の症例が報告されている4~6).
2018 年になり,1 型糖尿病と低炭水化物食との研究について系統的レビューが発表された7).炭水化物を45 %エネルギー以下とした論文のレビューを実施したが,HbA1c の低下がみられた論文とみられなかった論文とが混在しており,エビデンスとしては限界があるため全体として結論は下せず,さらなる臨床研究をすすめる必要があると記載されている.
一方,近年に使用開始された Flash glucose monitoring(FGM)とインスリンポンプを併用して,1 型糖尿病患者にそれまでの 1 日量 100-150 g から,30-50 g 迄に減量した低炭水化物食を実施した症例報告も行われている8).
本例ではインスリンの 1 日量が 50 単位から30 単位に減量でき,FGM により記録された毎日の平均血糖値は改善し,脂質異常等の合併症も生じなかったとある.FGM による血糖変化の観察と適切なインスリン調節が安全な血糖維持をもたらしたと考えられ,頭痛は減少し睡眠も良好化し情動面が改善するなど,本人の QOL も向上した.1 型糖尿病患者における糖質制限についてさらなる臨床研究が望まれる
著者の COI(conflicts of interest)開示:特になし
文 献
1)Chalmers KH (2004) Medical Nutrition Therapy: Joslinʼs Diabetes Mellitus 14th Edit. Kahn CR, et al (eds)
Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, p 611-631
2)Evert AB, Boucher JL, Cypress M, Dunbar SA, Franz
MJ, Mayer-Davis EJ, Neumiller JJ, Nwankwo R, Verdi
CL, Urbanski P, Yancy WS Jr (2013) Nutrition Therapy Recommendations for the Management of Adults
With Diabetes. Diabetes Care 36: 3821-3842
3)長谷川夕希子,春日崇臣,奥山尚美,三浦順之助,大
屋純子,内潟安子(2017)厳密な糖質制限と持効型溶
解インスリン 1 回法を約 15 年継続している罹病歴 33
年の 1 型糖尿病の 1 例.糖尿病 60:449-455
4)Dressler A, Reithofer E, Trimmel-Schwahofer P, Klebermasz K, Prayer D, Kasprian G, Rami B, Schober E,
Feucht M (2010) Type 1 diabetes and epilepsy: efficacy and safety of the ketogenic diet. Epilepsia 51 :
1086-1089
5)Roxana L. Aguirre Castaneda, Kenneth J. Mack, Aida
Lteif (2012) Successful Treatment of Type 1 Diabetes
and Seizures With Combined Ketogenic Diet and Insulin. Pediatrics 129: e511-e514
6)Aylward NM, Shah N, Sellers EA ( 2014) The Ketogenic Diet for the Treatment of Myoclonic Astatic
Epilepsy in a Child with Type 1 Diabetes Mellitus.
Can J Diabetes 38: 223-224
7)Turton JL, Raab R, Rooney KB ( 2018 ) Lowcarbohydrate diets for type 1 diabetes mellitus: A systematic review. PLOS ONE 13: e0194987
8)Eiswirth M, Clark E, Diamond M (2018) Low carbohydrate diet and improved glycaemic control in a patient with type one diabetes. Endocrinology, Diabetes
& Metabolism Case Reports 03 2018, EDM180002
医療法人稲門会いわくら病院精神科(〒606-0017 京都府京都市左京区岩倉上蔵町 101)
連絡先:中嶋一雄(〒606-0017 京都府京都市左京区岩倉上蔵町 101 医療法人稲門会いわくら病院精神科)
受付日:2017 年 10 月 22 日╱採択日:2018 年 8 月 8 日
今回の記事は、1型糖尿病と食事療法 その2です。
成人で糖質制限食がつらくなければ、
バーンスタイン医師と同様にスーパー糖質制限食が、一番のお奨めです。
人類約700万年間の歴史で、農耕以前の700万年は、人類みんな糖質制限食ですので、
本来の食生活に戻るということです。
スーパー糖質制限食だと、「毎食前の超速効型インスリン(追加分泌インスリンの代わり)」は量的に1/3以下に減らせることが多いです。
「約24時間持続型インスリン(基礎分泌インスリンの代わり)」は同量の場合もあれば、
1/2程度まで減らせることもあります。
ただ1型糖尿病は小児期の発症が多く、学校での給食等もあり、
糖質制限食が困難な場合もあります。
その場合は糖質管理食で良いと思います。
糖質管理食では、摂取する糖質量に応じて、食前のインスリンの単位を調整します。
小児の1型糖尿病は、家にいる時は、糖質制限食でインスリンの量を減らす、
給食時はインスリンの量を増やして糖質管理食的に摂取する、
というようなパターンも有効かと思われます。
インスリンの量は、少なくてすむほど血糖コントロールも良くなりますし、
身体への影響は少ないので、工夫してみる価値はあるでしょう。
過剰のインスリンは酸化ストレスとなり、
がん、老化、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などのリスクとなります。
カロリー計算だけに頼って、インスリンの量を決めるのは、
食後血糖値の予測が不可能ですので危険です。
1型糖尿病は、血糖値が乱高下するというように言われていますが、
これは血糖値を直接上昇させる糖質摂取量の計算をしないからそうなるのです。
糖尿病専門医の先生方も1型糖尿病患者さんに対して、
血糖値乱高下を避けるために糖質制限食は無理でも、
せめて糖質管理食は導入して欲しいものです。
江部康二
以下の青字の記載は、中嶋一雄先生の、糖尿病学会誌に掲載された論文です。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/61/11/61_787/_article/-char/ja/
編集者への手紙
1 型糖尿病患者における糖質制限について
中嶋 一雄
Key words:1 型糖尿病,食事療法
〔糖尿病 61(11):787~788,2018〕
近年糖尿病の食事療法に糖質制限食が注目され,米国のジョスリン糖尿病センターでは,2004 年より食事療法勧告において炭水化物を 40 %エネルギーと定めている1).
米国糖尿病学会は 2013 年 10 月より,食事療法においてあらゆる栄養素比率を選択することが可能であるとの見解を出した2).
本誌 60 巻 6 号に「厳密な糖質制限と持効型溶解インスリン 1 回法を約 15 年継続している罹病歴 33 年の 1型糖尿病の 1 例」と題する症例報告3)が掲載された.日本糖尿病学会により推奨される食事療法(炭水化物 50-60 %)を摂取し必要なインスリンを追加することが標準的な糖尿病の治療であり推奨することを説明したとある.一方,1 型糖尿病における糖質制限については統一見解には至っていないと思われる.
1 型糖尿病とてんかんの合併例に,超低炭水化物食であるケトン食療法を実施して,血糖維持と痙攣発作がいずれも改善し安定した状態を得られたと,すでに複数の症例が報告されている4~6).
2018 年になり,1 型糖尿病と低炭水化物食との研究について系統的レビューが発表された7).炭水化物を45 %エネルギー以下とした論文のレビューを実施したが,HbA1c の低下がみられた論文とみられなかった論文とが混在しており,エビデンスとしては限界があるため全体として結論は下せず,さらなる臨床研究をすすめる必要があると記載されている.
一方,近年に使用開始された Flash glucose monitoring(FGM)とインスリンポンプを併用して,1 型糖尿病患者にそれまでの 1 日量 100-150 g から,30-50 g 迄に減量した低炭水化物食を実施した症例報告も行われている8).
本例ではインスリンの 1 日量が 50 単位から30 単位に減量でき,FGM により記録された毎日の平均血糖値は改善し,脂質異常等の合併症も生じなかったとある.FGM による血糖変化の観察と適切なインスリン調節が安全な血糖維持をもたらしたと考えられ,頭痛は減少し睡眠も良好化し情動面が改善するなど,本人の QOL も向上した.1 型糖尿病患者における糖質制限についてさらなる臨床研究が望まれる
著者の COI(conflicts of interest)開示:特になし
文 献
1)Chalmers KH (2004) Medical Nutrition Therapy: Joslinʼs Diabetes Mellitus 14th Edit. Kahn CR, et al (eds)
Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, p 611-631
2)Evert AB, Boucher JL, Cypress M, Dunbar SA, Franz
MJ, Mayer-Davis EJ, Neumiller JJ, Nwankwo R, Verdi
CL, Urbanski P, Yancy WS Jr (2013) Nutrition Therapy Recommendations for the Management of Adults
With Diabetes. Diabetes Care 36: 3821-3842
3)長谷川夕希子,春日崇臣,奥山尚美,三浦順之助,大
屋純子,内潟安子(2017)厳密な糖質制限と持効型溶
解インスリン 1 回法を約 15 年継続している罹病歴 33
年の 1 型糖尿病の 1 例.糖尿病 60:449-455
4)Dressler A, Reithofer E, Trimmel-Schwahofer P, Klebermasz K, Prayer D, Kasprian G, Rami B, Schober E,
Feucht M (2010) Type 1 diabetes and epilepsy: efficacy and safety of the ketogenic diet. Epilepsia 51 :
1086-1089
5)Roxana L. Aguirre Castaneda, Kenneth J. Mack, Aida
Lteif (2012) Successful Treatment of Type 1 Diabetes
and Seizures With Combined Ketogenic Diet and Insulin. Pediatrics 129: e511-e514
6)Aylward NM, Shah N, Sellers EA ( 2014) The Ketogenic Diet for the Treatment of Myoclonic Astatic
Epilepsy in a Child with Type 1 Diabetes Mellitus.
Can J Diabetes 38: 223-224
7)Turton JL, Raab R, Rooney KB ( 2018 ) Lowcarbohydrate diets for type 1 diabetes mellitus: A systematic review. PLOS ONE 13: e0194987
8)Eiswirth M, Clark E, Diamond M (2018) Low carbohydrate diet and improved glycaemic control in a patient with type one diabetes. Endocrinology, Diabetes
& Metabolism Case Reports 03 2018, EDM180002
医療法人稲門会いわくら病院精神科(〒606-0017 京都府京都市左京区岩倉上蔵町 101)
連絡先:中嶋一雄(〒606-0017 京都府京都市左京区岩倉上蔵町 101 医療法人稲門会いわくら病院精神科)
受付日:2017 年 10 月 22 日╱採択日:2018 年 8 月 8 日
2023年08月22日 (火)
こんにちは。
2023年7月21日(月)のヤフーニュースに
【アルツハイマー病新薬「レカネマブ」承認へ
原因物質を除去、国内初
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7eb2c37be2d65777cd024052cdbe0412953de77
8/21(月) 21:36配信
日本の製薬大手エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」について、
厚生労働省の専門家部会が21日、国内での製造販売承認を了承した。
正式に承認されれば、認知症の原因物質を除去する初めての治療薬となる。
今後、厚労相が正式承認する。】
という記事が掲載されました。
軽度認知症など早期アルツハイマー病に関わる適応を対象としています。
同新薬は2013年1月6日、米国で迅速承認を取得しています。
症状の進行を遅らせる効果が確認できたとしています。
しかし、正式承認までに、かなりの期間を要しました。
今回やっと日本でも承認されて、発売開始となるようです。
アルツハイマー病に有効な藥が開発されたのはよいことです。
しかし、アルツハイマー病に罹らないことはもっとよいことです。
高齢化の進展とともに、認知症患者数も増加しています。
2012年時点で約462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。
65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人です。
そして、その数が2025年には730万人へ増加し、
65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されています。
今日は認知症が糖質制限食で予防・改善できるというお話です
「認知症」という言葉には、ほとんどの人が不安を感じると思います。
認知症とは「いったん正常に発達した知能が、後天的な脳の障害によって低下した状態」と定義されています。
知能の低下とは、たとえば「さっき人と会ったことを覚えていない」「食事をしたことを忘れる」などの記憶障害、
「文字を読んでも意味がわからない」「簡単な計算ができない」といった判断力の低下、
「見えないものが見える」という幻覚、「財布を盗まれた」という妄想に至るまで
記憶や判断力に障害が起こることを指します。
認知症の患者とその予備軍は65歳以上では4人にひとりであり、これは大変な数といえます。
さて、この認知症ですが、ひとつの病気のことを指すのではなく、いくつかの病気の総称として用いられています。
つまり、知能を低下させる病気はひとつに限定されるわけではないということです。
その代表的なものとしては4つあり、
それぞれ「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」と呼ばれています。
さて、この認知症のなかで、圧倒的に多いのが、アルツハイマー病で、およそ70%を占めています。
70%というのはすごい数字ですが、逆に言えばアルツハイマー病に気をつけておけば、
認知症に対する不安は大きく軽減されることになるわけです。
そしてアルツハイマー病をはじめとする認知症の予防に絶大な効果を発揮するのが、糖質制限食です。
認知症は、日本のような高齢化社会において、もっとも重要な病気の一つです。
2012年時点でわが国には約 462 万人の認知症患者がいます。
また認知症予備軍とされる軽度認知障害(MCI)を呈する高齢者は約 400万人存在すると考えられています。
MCI は、アルツハイマー病を含む認知症のリスクを増加させる
老化の一般的な障害とされています。
MCI と判定された場合は、年率 10 ~15% で認知症に進行することが知られています。
認知症患者数は 、2020年で631万人にのぼり、
今後さらに増加していくと予想されますが、
これまで認知症の根治につながる治療法は確立していません。
近年認知症との関連で注目されている糖化ストレスマーカーとして
終末糖化産物(advanced glycation endproducts: AGEs)があります。
AGEs の産生増加は糖尿病にともなう炎症や酸化ストレスの亢進など多くの病態と関連し、
加齢や動脈硬化もその一つです。
そして、アルツハイマー病のような認知症では正常老化のそれに比べてAGEsの蓄積が加速されているのです。
AGEsの蓄積という糖化ストレスが、酸化ストレスも招きアルツハイマー病の元凶となっていますし、
他の型の認知症にも関与していると思われます。
また、動脈硬化や老化も同様にAGEsのせいです。
アルツハイマー病を改善させる治療法も治療薬もない現状では、
可能な限り早期に認知症および MCIを発見して何らかの介入を行うことが必要です。
そしてその唯一の解決法が『糖質制限食』です。
糖質制限食なら、蓄積するAGEsを最小限に抑えることができるので
MCIや認知症の予防・改善が可能です。
本ブログに、よくコメントを頂いている『らこさん』の場合も、
釣り銭が計算できなくなるといったアルツハイマー病発症の段階から
糖質制限食開始してわずか1週間足らずで正常に復活しておられ、
その後現在まで10年間以上元気に過ごしておられます。
ブログ読者の皆さんも、是非糖質制限食を実践されて、
将来のMCIやアルツハイマー病の予防を心がけて頂ければ幸いです。
江部康二
2023年7月21日(月)のヤフーニュースに
【アルツハイマー病新薬「レカネマブ」承認へ
原因物質を除去、国内初
https://news.yahoo.co.jp/articles/e7eb2c37be2d65777cd024052cdbe0412953de77
8/21(月) 21:36配信
日本の製薬大手エーザイと米バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病の新しい治療薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」について、
厚生労働省の専門家部会が21日、国内での製造販売承認を了承した。
正式に承認されれば、認知症の原因物質を除去する初めての治療薬となる。
今後、厚労相が正式承認する。】
という記事が掲載されました。
軽度認知症など早期アルツハイマー病に関わる適応を対象としています。
同新薬は2013年1月6日、米国で迅速承認を取得しています。
症状の進行を遅らせる効果が確認できたとしています。
しかし、正式承認までに、かなりの期間を要しました。
今回やっと日本でも承認されて、発売開始となるようです。
アルツハイマー病に有効な藥が開発されたのはよいことです。
しかし、アルツハイマー病に罹らないことはもっとよいことです。
高齢化の進展とともに、認知症患者数も増加しています。
2012年時点で約462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。
65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人です。
そして、その数が2025年には730万人へ増加し、
65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されています。
今日は認知症が糖質制限食で予防・改善できるというお話です
「認知症」という言葉には、ほとんどの人が不安を感じると思います。
認知症とは「いったん正常に発達した知能が、後天的な脳の障害によって低下した状態」と定義されています。
知能の低下とは、たとえば「さっき人と会ったことを覚えていない」「食事をしたことを忘れる」などの記憶障害、
「文字を読んでも意味がわからない」「簡単な計算ができない」といった判断力の低下、
「見えないものが見える」という幻覚、「財布を盗まれた」という妄想に至るまで
記憶や判断力に障害が起こることを指します。
認知症の患者とその予備軍は65歳以上では4人にひとりであり、これは大変な数といえます。
さて、この認知症ですが、ひとつの病気のことを指すのではなく、いくつかの病気の総称として用いられています。
つまり、知能を低下させる病気はひとつに限定されるわけではないということです。
その代表的なものとしては4つあり、
それぞれ「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」と呼ばれています。
さて、この認知症のなかで、圧倒的に多いのが、アルツハイマー病で、およそ70%を占めています。
70%というのはすごい数字ですが、逆に言えばアルツハイマー病に気をつけておけば、
認知症に対する不安は大きく軽減されることになるわけです。
そしてアルツハイマー病をはじめとする認知症の予防に絶大な効果を発揮するのが、糖質制限食です。
認知症は、日本のような高齢化社会において、もっとも重要な病気の一つです。
2012年時点でわが国には約 462 万人の認知症患者がいます。
また認知症予備軍とされる軽度認知障害(MCI)を呈する高齢者は約 400万人存在すると考えられています。
MCI は、アルツハイマー病を含む認知症のリスクを増加させる
老化の一般的な障害とされています。
MCI と判定された場合は、年率 10 ~15% で認知症に進行することが知られています。
認知症患者数は 、2020年で631万人にのぼり、
今後さらに増加していくと予想されますが、
これまで認知症の根治につながる治療法は確立していません。
近年認知症との関連で注目されている糖化ストレスマーカーとして
終末糖化産物(advanced glycation endproducts: AGEs)があります。
AGEs の産生増加は糖尿病にともなう炎症や酸化ストレスの亢進など多くの病態と関連し、
加齢や動脈硬化もその一つです。
そして、アルツハイマー病のような認知症では正常老化のそれに比べてAGEsの蓄積が加速されているのです。
AGEsの蓄積という糖化ストレスが、酸化ストレスも招きアルツハイマー病の元凶となっていますし、
他の型の認知症にも関与していると思われます。
また、動脈硬化や老化も同様にAGEsのせいです。
アルツハイマー病を改善させる治療法も治療薬もない現状では、
可能な限り早期に認知症および MCIを発見して何らかの介入を行うことが必要です。
そしてその唯一の解決法が『糖質制限食』です。
糖質制限食なら、蓄積するAGEsを最小限に抑えることができるので
MCIや認知症の予防・改善が可能です。
本ブログに、よくコメントを頂いている『らこさん』の場合も、
釣り銭が計算できなくなるといったアルツハイマー病発症の段階から
糖質制限食開始してわずか1週間足らずで正常に復活しておられ、
その後現在まで10年間以上元気に過ごしておられます。
ブログ読者の皆さんも、是非糖質制限食を実践されて、
将来のMCIやアルツハイマー病の予防を心がけて頂ければ幸いです。
江部康二
2023年08月20日 (日)
おはようございます。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
【医師が教える】
糖質制限はアスリートにも効果的という決定的理由
https://diamond.jp/articles/-/326963
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.20 4:38
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
アスリートにも
糖質制限は効果的
ジョコビッチ選手の糖質制限
運動のメインのエネルギー源は
「糖質」という勘違い
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
【医師が教える】
糖質制限はアスリートにも効果的という決定的理由
https://diamond.jp/articles/-/326963
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.20 4:38
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
アスリートにも
糖質制限は効果的
ジョコビッチ選手の糖質制限
運動のメインのエネルギー源は
「糖質」という勘違い
2023年08月19日 (土)
こんにちは。
今回は、1型糖尿病の人の食事療法について考えてみます。
1型糖尿の人の食事療法は、「糖質制限食」あるいは「糖質管理食」がお奨めです。
2020-2021・日本糖尿病学会・糖尿病治療ガイドでは、
糖質40~60%、タンパク質20%で、残りが脂質という構成です。
糖質が40%でタンパク質が20%なら残りの40%が脂質となるので、
最新の改訂では、随分、糖質制限食に歩み寄った感があります。
スーパー糖質制限食の構成は、糖質12%、タンパク質32%、脂質56%です。
歩み寄ったとはいえ、
たんぱく質、脂質、糖質のうち血糖値を直接上昇させるのは糖質だけですので、
これでは、まだまだ、血糖コントロールは極めて困難です。
糖質制限食なら、血糖コントロールは、比較的容易となります。
ただし、糖質制限食実践でリアルタイムに食後血糖値が改善するので、
インスリン注射中の場合、減量が必要です。
減量しないと低血糖の恐れがあるので、主治医とよく相談していただく必要があります。
欧米では、特に1型糖尿病に関しては、糖質管理食はすっかり定着している食事療法です。
日本では、残念ながら糖質管理食を実施している医療機関は、
まだ少ない段階ですが、
大阪市大小児科のグループなど、糖質管理食を導入している医療機関もあります。
1型糖尿病を診療している小児科医なら、
糖質管理食を導入していることもあると思います。
しかし、成人の1型糖尿病の場合は、糖尿病専門医においても、
まだまだ糖質管理食を導入している場合は少ないようです。
1型糖尿の人の食事療法の推奨図書として、
まずは「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」を是非お読み下さい。
とても参考になります。
バーンスタイン医師の糖尿病の解決 正常血糖値を得るための完全ガイド
2016/5/23 金芳堂; 第4版
リチャード・K・バーンスタイン (著), 柴田 寿彦 (翻訳)
★
摂取後血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけで、
糖質はほぼ100%血糖に変わります。
タンパク質や脂質は直接血糖値に影響を与えることはありません。
正常人やインスリン分泌能が残っている糖尿人の場合は、
タンパク質摂取で、血糖値は上昇しません。
しかし、1型糖尿人で、内因性インスリン分泌がゼロの場合、
タンパク質摂取によるグルカゴン分泌で糖新生がおこり、
間接的に血糖値が上昇します。
正常人やインスリン分泌能が残っている糖尿人の場合は、
タンパク質摂取により、
インスリンとグルカゴンが同時に分泌され効果が相殺されるので血糖値は上昇しません。
1型糖尿人でも、内因性インスリンがある程度残っている場合は、
タンパク質は血糖値にあまり影響を与えない場合が多いです。
★
バーンスタイン医師によれば、通常の64kg程度の成人で、
1gの糖質が1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
体重が32kg程度の小児なら、1gの糖質が10mg血糖値を上昇させます。
通常の64kg程度の成人で1gのタンパク質が1型糖尿人の血糖値を0.93mg上昇させます。
32kg程度の小児なら、1gのタンパク質が1.86mg血糖値を上昇させます。
摂取する糖質のグラム数を計算して、
血糖値がどのくらい上昇するかを予測して、
それに見合う超速効型インスリンを食前に打つのが、糖質管理食です。
2型の場合は糖質の計算だけで充分なのですが、
1型の場合は、タンパク質の摂取量の計算も必要なことがあります。
糖質の計算だけで血糖コントロールが上手くいかないときは、
タンパク質の計算も試してみましょう。
江部康二
今回は、1型糖尿病の人の食事療法について考えてみます。
1型糖尿の人の食事療法は、「糖質制限食」あるいは「糖質管理食」がお奨めです。
2020-2021・日本糖尿病学会・糖尿病治療ガイドでは、
糖質40~60%、タンパク質20%で、残りが脂質という構成です。
糖質が40%でタンパク質が20%なら残りの40%が脂質となるので、
最新の改訂では、随分、糖質制限食に歩み寄った感があります。
スーパー糖質制限食の構成は、糖質12%、タンパク質32%、脂質56%です。
歩み寄ったとはいえ、
たんぱく質、脂質、糖質のうち血糖値を直接上昇させるのは糖質だけですので、
これでは、まだまだ、血糖コントロールは極めて困難です。
糖質制限食なら、血糖コントロールは、比較的容易となります。
ただし、糖質制限食実践でリアルタイムに食後血糖値が改善するので、
インスリン注射中の場合、減量が必要です。
減量しないと低血糖の恐れがあるので、主治医とよく相談していただく必要があります。
欧米では、特に1型糖尿病に関しては、糖質管理食はすっかり定着している食事療法です。
日本では、残念ながら糖質管理食を実施している医療機関は、
まだ少ない段階ですが、
大阪市大小児科のグループなど、糖質管理食を導入している医療機関もあります。
1型糖尿病を診療している小児科医なら、
糖質管理食を導入していることもあると思います。
しかし、成人の1型糖尿病の場合は、糖尿病専門医においても、
まだまだ糖質管理食を導入している場合は少ないようです。
1型糖尿の人の食事療法の推奨図書として、
まずは「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」を是非お読み下さい。
とても参考になります。
バーンスタイン医師の糖尿病の解決 正常血糖値を得るための完全ガイド
2016/5/23 金芳堂; 第4版
リチャード・K・バーンスタイン (著), 柴田 寿彦 (翻訳)
★
摂取後血糖値に直接影響を与えるのは糖質だけで、
糖質はほぼ100%血糖に変わります。
タンパク質や脂質は直接血糖値に影響を与えることはありません。
正常人やインスリン分泌能が残っている糖尿人の場合は、
タンパク質摂取で、血糖値は上昇しません。
しかし、1型糖尿人で、内因性インスリン分泌がゼロの場合、
タンパク質摂取によるグルカゴン分泌で糖新生がおこり、
間接的に血糖値が上昇します。
正常人やインスリン分泌能が残っている糖尿人の場合は、
タンパク質摂取により、
インスリンとグルカゴンが同時に分泌され効果が相殺されるので血糖値は上昇しません。
1型糖尿人でも、内因性インスリンがある程度残っている場合は、
タンパク質は血糖値にあまり影響を与えない場合が多いです。
★
バーンスタイン医師によれば、通常の64kg程度の成人で、
1gの糖質が1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
体重が32kg程度の小児なら、1gの糖質が10mg血糖値を上昇させます。
通常の64kg程度の成人で1gのタンパク質が1型糖尿人の血糖値を0.93mg上昇させます。
32kg程度の小児なら、1gのタンパク質が1.86mg血糖値を上昇させます。
摂取する糖質のグラム数を計算して、
血糖値がどのくらい上昇するかを予測して、
それに見合う超速効型インスリンを食前に打つのが、糖質管理食です。
2型の場合は糖質の計算だけで充分なのですが、
1型の場合は、タンパク質の摂取量の計算も必要なことがあります。
糖質の計算だけで血糖コントロールが上手くいかないときは、
タンパク質の計算も試してみましょう。
江部康二
2023年08月18日 (金)
こんにちは。
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
と題して、一般の方向けの講演会を開催します。
講師は、江部康二 と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
わかりやすいお話をしたいと思っています。
私の講演は、「旧石器時代」の話がトピックになります。
今回、日本人はいつから存在していて、何を食べていたのかを、一から考察してみました。
一般的な歴史の教科書には全く書いてないので講演会に参加される皆さんもご存じない可能性が高いと思います。
実は日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
この間ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、
肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
北海道ではマンモスも食べていました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
このように日本人は22000年間肉ばかり食べて身体を形成していったのであり、
肉食に特化して適合していると言えます。
16000年前から『縄文時代』が始まり、
狩猟・採集・漁労の3本柱が生業となりました。
2002年に東京大学の米田穣氏によって、
「縄文人は地域ごとに食生活違う」ことが示されました。
縄文時代は、約13000年くらい続きました。
約2500年前から、『弥生時代』で、農耕が始まって1300年続き、
古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代・・・と続き、現代にいたっています。
肉食の歴史が22000年間に対して、米食の歴史は、わずか2500年にすぎません。
スーパー糖質制限食を「極端な食事」と批判する人がいますが、
実は「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率」なのです。
つまり、スーパー糖質制限食は、日本人の標準の食事と言えます。
ブログ読者の皆さん、是非、奮って、講演会にご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
9月23日(土・祝)大阪市内で、「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、当会理事長の江部康二 医師と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加をお待ちしております。
また、講演会終了後には、交流会を開催いたします。こちらも奮ってご参加くださいませ。
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
◆日程:2023年9月23日(土・祝)14:15~16:30頃 ※開場・受付は、14:00~
◆会場:大阪大学中之島センター6階 セミナー室6E・6F
大阪市北区中之島4-3-53
https://www.onc.osaka-u.ac.jp/access/
◆受講費:賛助会員 2,300円 / 一般(会員の方以外)2,800円
◆内容:
・第1部
「美味しく、楽しく続けていただくために。高雄病院の糖質制限給食と栄養指導」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科
*講師より*
高雄病院では、1999年から糖質制限食の入院食を提供することとなり、当初は主食なしの献立を立てるのはなかなか大変なことで、とまどいも多かったです。
一方で、リアルタイムに改善されていく患者さんの血液データを見ることで、それまでのエネルギーコントロール食とは明らかに違うことに気づかされ、糖質制限食の威力を感じたものです。
今回は、高雄病院の糖質制限給食や栄養指導についてご紹介しつつ、糖質制限食を美味しく、楽しく実行するためにおさえておきたい初歩的なポイントと、継続していく中でよく耳にする悩みや問題点、それらに対するアドバイスや解決策についてお話ししていきます。
・第2部
「データと歴史が示す糖質制限食の有効性」
講師: 江部 康二 医師 / (一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*講師より*
血糖値を直接上昇させるのは三大栄養素のなかで、糖質だけです。
糖質の摂取を控えると、食後高血糖を防げ、良好な血糖コントロールが可能となります。
糖尿病治療には、従来の「カロリー制限食」ではなく「糖質制限食」が出番です。
しかし、糖質制限食を「極端な食事」と批判する人もおられます。本当にそうでしょうか。
日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
このように日本人は22000年間、肉を主として食べて身体を形成していったのであり、肉食に特化して適合していると言えます。
そして、スーパー糖質制限食は、この「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事」と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率です。
私も52歳での糖尿病発症以来21年間スーパー糖質制限食を続けて、内服薬・合併症なし、視力・聴力低下なし、血圧も正常で、元気な73歳を過ごしています。
今回は、日本人の食の歴史と糖質制限食の理論、糖尿病治療をはじめとする、糖質制限食の有効性と安全性について、様々な角度からお話したいと思います。
※第1部35分、第2部60分程度、最後に質疑応答を予定しております。
◇◆◇ 交流会 ◇◆◇
◆日時: 2023年9月23日(土・祝) 17:15~(2時間程度)
◆場所: ダイビル本館 1F 「ドノスティア(Donostia)」
大阪市北区中之島3-6-32 ※講演会場から徒歩3、4分
https://kcks602.gorp.jp/
◆参加費: 賛助会員 6,000円 / 一般(会員以外の方) 6,500円
◆形式など:立食 / お食事+フリードリンク
【以下大阪講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:
事務局へメールにて、参加ご希望のイベント名とご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/23大阪講演会、交流会)をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、講演会もしくは、講演会・交流会への参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日は直接各会場へお越し頂き、受付にてお名前をお伝えください。
・講演会のキャンセルは9月20日(水)までに、交流会のキャンセルは9月18日(月・祝)までに事務局へメールにてご連絡願います。
これら以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
と題して、一般の方向けの講演会を開催します。
講師は、江部康二 と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
わかりやすいお話をしたいと思っています。
私の講演は、「旧石器時代」の話がトピックになります。
今回、日本人はいつから存在していて、何を食べていたのかを、一から考察してみました。
一般的な歴史の教科書には全く書いてないので講演会に参加される皆さんもご存じない可能性が高いと思います。
実は日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
この間ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、
肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
北海道ではマンモスも食べていました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
このように日本人は22000年間肉ばかり食べて身体を形成していったのであり、
肉食に特化して適合していると言えます。
16000年前から『縄文時代』が始まり、
狩猟・採集・漁労の3本柱が生業となりました。
2002年に東京大学の米田穣氏によって、
「縄文人は地域ごとに食生活違う」ことが示されました。
縄文時代は、約13000年くらい続きました。
約2500年前から、『弥生時代』で、農耕が始まって1300年続き、
古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代・・・と続き、現代にいたっています。
肉食の歴史が22000年間に対して、米食の歴史は、わずか2500年にすぎません。
スーパー糖質制限食を「極端な食事」と批判する人がいますが、
実は「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率」なのです。
つまり、スーパー糖質制限食は、日本人の標準の食事と言えます。
ブログ読者の皆さん、是非、奮って、講演会にご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
9月23日(土・祝)大阪市内で、「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、当会理事長の江部康二 医師と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加をお待ちしております。
また、講演会終了後には、交流会を開催いたします。こちらも奮ってご参加くださいませ。
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
◆日程:2023年9月23日(土・祝)14:15~16:30頃 ※開場・受付は、14:00~
◆会場:大阪大学中之島センター6階 セミナー室6E・6F
大阪市北区中之島4-3-53
https://www.onc.osaka-u.ac.jp/access/
◆受講費:賛助会員 2,300円 / 一般(会員の方以外)2,800円
◆内容:
・第1部
「美味しく、楽しく続けていただくために。高雄病院の糖質制限給食と栄養指導」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科
*講師より*
高雄病院では、1999年から糖質制限食の入院食を提供することとなり、当初は主食なしの献立を立てるのはなかなか大変なことで、とまどいも多かったです。
一方で、リアルタイムに改善されていく患者さんの血液データを見ることで、それまでのエネルギーコントロール食とは明らかに違うことに気づかされ、糖質制限食の威力を感じたものです。
今回は、高雄病院の糖質制限給食や栄養指導についてご紹介しつつ、糖質制限食を美味しく、楽しく実行するためにおさえておきたい初歩的なポイントと、継続していく中でよく耳にする悩みや問題点、それらに対するアドバイスや解決策についてお話ししていきます。
・第2部
「データと歴史が示す糖質制限食の有効性」
講師: 江部 康二 医師 / (一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*講師より*
血糖値を直接上昇させるのは三大栄養素のなかで、糖質だけです。
糖質の摂取を控えると、食後高血糖を防げ、良好な血糖コントロールが可能となります。
糖尿病治療には、従来の「カロリー制限食」ではなく「糖質制限食」が出番です。
しかし、糖質制限食を「極端な食事」と批判する人もおられます。本当にそうでしょうか。
日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
このように日本人は22000年間、肉を主として食べて身体を形成していったのであり、肉食に特化して適合していると言えます。
そして、スーパー糖質制限食は、この「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事」と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率です。
私も52歳での糖尿病発症以来21年間スーパー糖質制限食を続けて、内服薬・合併症なし、視力・聴力低下なし、血圧も正常で、元気な73歳を過ごしています。
今回は、日本人の食の歴史と糖質制限食の理論、糖尿病治療をはじめとする、糖質制限食の有効性と安全性について、様々な角度からお話したいと思います。
※第1部35分、第2部60分程度、最後に質疑応答を予定しております。
◇◆◇ 交流会 ◇◆◇
◆日時: 2023年9月23日(土・祝) 17:15~(2時間程度)
◆場所: ダイビル本館 1F 「ドノスティア(Donostia)」
大阪市北区中之島3-6-32 ※講演会場から徒歩3、4分
https://kcks602.gorp.jp/
◆参加費: 賛助会員 6,000円 / 一般(会員以外の方) 6,500円
◆形式など:立食 / お食事+フリードリンク
【以下大阪講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:
事務局へメールにて、参加ご希望のイベント名とご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/23大阪講演会、交流会)をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、講演会もしくは、講演会・交流会への参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日は直接各会場へお越し頂き、受付にてお名前をお伝えください。
・講演会のキャンセルは9月20日(水)までに、交流会のキャンセルは9月18日(月・祝)までに事務局へメールにてご連絡願います。
これら以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
2023年08月17日 (木)
こんにちは。
一般に、「生のコメとかは、β化でんぷんなので、ヒトの消化管では消化・吸収されないが、コメを炊いてご飯になれば、でんぷんがα化されるので、消化・吸収できる」とされています。
しかしながら、β化でんぷんでも、ある程度消化・吸収される可能性があります。
故甲田光男先生の考案された「生菜食」は生の玄米粉と生野菜だけの摂取で、
約800kcal/日です。
生菜食で1年~2年~3年以上普通に生活しておられたかたは、
私の知る限りでも複数おられましたので、
耐糖能正常の人において、生玄米(β化でんぷん)はあるていど消化・吸収されていて、血糖値もあるていど上昇しているものと考えられます。
もしβ化でんぷんが全く消化・吸収されないなら、
通常は、「生菜食」で1~2年~3年以上生存できるとは考えにくいです。
さらに、糖尿人においては、生の玄米粉(β化でんぷん)でも
1人前摂取すると血糖値は軽く200mgアップです。
このことは、甲田光雄先生のご研究で複数例、確かめられています。
つまり糖尿人においては、β化でんぷん、α化でんぷんとかより 、
糖質の絶対量が血糖値に影響する可能性が高いです。
一方、やはり、この問題には個人差があるようで、
冷やご飯なら血糖値が上昇しない糖尿人や境界人もいるようです。
以下の秘密結社ブドゥ党の党首さん(境界型糖尿病)は、
私のちょっとした知り合いです。
この方の、各種食物と血糖値上昇に関する人体実験はとても面白いですので、
一見の価値があります。
今回の、β化でんぷんと血糖値上昇に関しては、2)3)4)が参考になります。
まあ、一個人(境界人)の実験データということは考慮にいれなくてはいけないし、
個人差もあります。
4)は党首以外の糖尿人などのデータです。
秘密結社ブドゥ党のサイト1)は、トリビア?な知識満載でとても楽しいので、
妖しい世界を探検したい読者は是非覗いて見てくださいね。(^^)
あ、良い子は覗かない方がいいかもです。( ̄_ ̄|||)
1)
秘密結社ブドゥ党
http://carbofree.jp/smbg/cold-rice2/
2)
実験A-9 神々の戦い3 ポリアフ vs 渾沌~冷やご飯は血糖値を上げない?おにぎりダイエットの真実に迫る!その1
http://www.carbofree.jp/smbg/hot-rice-cold-rice/
3)
実験A-10 神々の戦い4 スカジ vs 渾沌~ぼそぼその冷やご飯は血糖値を上げないことが分かったが、普通においしい冷やご飯はどうなのか?おにぎりダイエットの真実に迫る!その2
http://www.carbofree.jp/smbg/hot-rice-cold-rice/
4)
実験A-10 追記 冷やご飯でも血糖値上がる方がいます
http://www.carbofree.jp/smbg/cold-rice3/
江部康二
一般に、「生のコメとかは、β化でんぷんなので、ヒトの消化管では消化・吸収されないが、コメを炊いてご飯になれば、でんぷんがα化されるので、消化・吸収できる」とされています。
しかしながら、β化でんぷんでも、ある程度消化・吸収される可能性があります。
故甲田光男先生の考案された「生菜食」は生の玄米粉と生野菜だけの摂取で、
約800kcal/日です。
生菜食で1年~2年~3年以上普通に生活しておられたかたは、
私の知る限りでも複数おられましたので、
耐糖能正常の人において、生玄米(β化でんぷん)はあるていど消化・吸収されていて、血糖値もあるていど上昇しているものと考えられます。
もしβ化でんぷんが全く消化・吸収されないなら、
通常は、「生菜食」で1~2年~3年以上生存できるとは考えにくいです。
さらに、糖尿人においては、生の玄米粉(β化でんぷん)でも
1人前摂取すると血糖値は軽く200mgアップです。
このことは、甲田光雄先生のご研究で複数例、確かめられています。
つまり糖尿人においては、β化でんぷん、α化でんぷんとかより 、
糖質の絶対量が血糖値に影響する可能性が高いです。
一方、やはり、この問題には個人差があるようで、
冷やご飯なら血糖値が上昇しない糖尿人や境界人もいるようです。
以下の秘密結社ブドゥ党の党首さん(境界型糖尿病)は、
私のちょっとした知り合いです。
この方の、各種食物と血糖値上昇に関する人体実験はとても面白いですので、
一見の価値があります。
今回の、β化でんぷんと血糖値上昇に関しては、2)3)4)が参考になります。
まあ、一個人(境界人)の実験データということは考慮にいれなくてはいけないし、
個人差もあります。
4)は党首以外の糖尿人などのデータです。
秘密結社ブドゥ党のサイト1)は、トリビア?な知識満載でとても楽しいので、
妖しい世界を探検したい読者は是非覗いて見てくださいね。(^^)
あ、良い子は覗かない方がいいかもです。( ̄_ ̄|||)
1)
秘密結社ブドゥ党
http://carbofree.jp/smbg/cold-rice2/
2)
実験A-9 神々の戦い3 ポリアフ vs 渾沌~冷やご飯は血糖値を上げない?おにぎりダイエットの真実に迫る!その1
http://www.carbofree.jp/smbg/hot-rice-cold-rice/
3)
実験A-10 神々の戦い4 スカジ vs 渾沌~ぼそぼその冷やご飯は血糖値を上げないことが分かったが、普通においしい冷やご飯はどうなのか?おにぎりダイエットの真実に迫る!その2
http://www.carbofree.jp/smbg/hot-rice-cold-rice/
4)
実験A-10 追記 冷やご飯でも血糖値上がる方がいます
http://www.carbofree.jp/smbg/cold-rice3/
江部康二
2023年08月15日 (火)
こんにちは。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
【医師が教える】
間違いだらけの熱中症予防…死の危険性もある「ペットボトル症候群」にご用心
https://diamond.jp/articles/-/326979
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.15 4:44
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
【医師が教える】
間違いだらけの熱中症予防…死の危険性もある「ペットボトル症候群」にご用心
https://diamond.jp/articles/-/326979
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.15 4:44
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
2023年08月14日 (月)

【Amazon商品リンク】
こんにちは。
決定版! 作りおき&帰ってすぐでき!糖質オフのやせる!ラクうまレシピ350
(ほめられHappyレシピ)
大形本 2020/6/15 ナツメ社
江部康二 (著), 新谷友里江 (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4816368647/
2020年7月2日刊行です。
おかげさまで、2023年9月1日、第9刷が発行されます。
総発行部数は、39,000部となります。
これも、ブログ読者の皆様方の応援の賜物であり、ありがたいことです。
本書は簡単に作れる糖質オフのレシピを350種ほど紹介しています。
従来のカロリー制限食の場合、つらい思いをしてもやせることは、とても難しく、
そもそもひもじくて長く続けることはほとんど不可能です。
その点、糖質制限食なら、厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を、
しっかり摂取してよいので、満足感や満腹感があり、
しかも減量効果が速やかにでることでモチベーションも高まるため、
長く続けることが可能になります。
ただ、糖質オフメニューをつくろうとしても、
各人の料理のレパートリーって、そんなに多くないと思います。
本書は、冷凍作りおき、冷蔵作りおき、速攻レシピが満載で、
時短でラクに簡単に料理ができます。
レシピは糖質10g以下が基本であり、小鉢では、5g以下がほとんどで
スーパー糖質制限食に対応しています。
糖質を食べて血糖値が上昇すると、分泌されたインスリンが血液中のブドウ糖を
筋肉に取り込ませることで血糖値を下げますが、余ったブドウ糖は全て中性脂肪に
変えられ、脂肪細胞に蓄えられます。
これがインスリンが肥満ホルモンと言われる理由です。
一方、たんぱく質と脂質は直接血糖値を上げることはないので、食べても太りません。
糖質制限食なら肥満ホルモンインスリンの分泌が最小限ですむので
スムースな減量が可能なのです。
いざ減量のために糖質制限食を始めたとして、
料理の手間暇がなかなかのハードルとなります。
そこで、家庭で作る糖質オフ簡単レシピの出番です。
ラクに続けることができ、毎日美味しく楽しく食べられます。
本書が、読者の皆様の家庭内糖質制限食実践においてお役に立てれば幸いです。
江部康二
2023年08月13日 (日)
こんにちは。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
また嬉しいことに、
今朝公開した記事がバズっています。
https://diamond.jp/articles/-/326982
Amazonカテゴリランキング第1位
Amazon総合ランキング第79位
と大健闘中です!
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4478106487/diamondinc-22/
江部康二
【医師が教える】
間違いだらけの熱中症予防…甘いスポーツドリンクや清涼飲料水を飲む“恐ろしいリスク”https://diamond.jp/articles/-/326982
江部康二ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術2023.8.13 4:11
https://diamond.jp/articles/-/326979
江部康二
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
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美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
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この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
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※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
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江部康二
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江部康二ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術2023.8.13 4:11
https://diamond.jp/articles/-/326979
江部康二
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
2023年08月11日 (金)
こんにちは。
厚生労働省は2023年6月2日、2022年の人口動態統計を公表しました
それにによれば、
第1位「悪性新生物(腫瘍)」、
第2位「心疾患(高血圧性を除く)」、
第3位「老衰」、
第4位「脳血管疾患」、
第5位「肺炎」でした。
悪性新生物というのは、がんのことです。
がんが日本人の死亡順位の一位です。
今日は、糖質制限食とがん予防のお話です。
現実にどのていど予防可能かを考察してみます。
がん細胞は人の体の中で毎日、数百から数千個も発生していますが、
通常は免疫細胞が排除してくれているので、がんを発症しません。
正常細胞ががん細胞に変わり、体の免疫細胞が排除に失敗すると、
がん細胞は徐々に成長を始めます。
実は、1個のがん細胞が発生してから、画像診断的に発見可能な大きさになるのには、
かなり長い年月がかかります。
細胞分裂により1個が2個になり、2個が4個、
4個が8個、そして16個、32個、64個と倍々で増加していきます。
30回分裂を繰り返すと、約10億個に増え、
重さは約1グラム、直径1cm程度になります。
細胞1個が0.01mmで、1cm経になるのに10~20年かかります。
個体差やがんの種類によっても発育速度は異なります。
がん細胞が生まれてから活発に成長するようになるまでには、
長い期間がかかります。
しかし、がん細胞は成長するにしたがって、
発育速度が速くなるとされています。
2倍の大きさになるのは、例えば早期胃がんでは数年(2-6年)、
進行がんでは数ヶ月、転移した胃がんでは数週間とされています。
従来のがん検診では、腫瘍の大きさが1cm程度にならないと発見できませんでしたが、
PET検査では、早期の5mm程度の大きさでの発見が可能です。
しかしながら、5mmや1cmで早期発見したがんということでも、
がん細胞が発生してから、
すでに約10~20年間が経過していることとなります。
つまり早期発見ということでも、すでに転移しているか否かは、運次第なのです。
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」「糖質摂取による過剰インスリン分泌」
が、酸化ストレスとなり、がん発症リスクとなりますが、
これらは「スーパー糖質制限食」で予防できます。
従って「スーパー糖質制限食」実践で理論的には、
『生活習慣病型がん』の発症予防が期待できます。
一方、すでに発症しているがんに対しては、
スーパー糖質制限食でも、縮小させることは困難です。
「ケトン食」レベルの厳しい食事が必要となりますが、
それでも食事療法単独で、がんを根治させるのは難しいと思います。
対策としては、がん細胞が発生する前に、間に合う内にできるだけ早く
「スーパー糖質制限食」を開始して予防を期待するということになるでしょうか。
糖尿人はがんになりやすいことは、よく知られていますが、
国立がん研究センターの研究によると、
糖尿病ではない人においても、HbA1cが高値であるほど、
右肩上がりで、がんのリスクが増えることがわかっています。
糖尿人も正常人も、スーパー糖質制限食でがん予防が望ましいです。
江部康二は2002年~スーパー糖質制限食を実践しています。
2023年8月現在で、21年間実践中です。
2002年以降は、いわゆる『生活習慣病型のがん』の発生は
かなり予防できている可能性が高いです。
一方で、2001年以前に、すでに原初のがん細胞が発生していたとしたら
予防はできていないこととなります。
まあ足かけ22年、経過しているので、まず大丈夫と思っています。
本日のブログは
PET検査ネット
http://www.pet-net.jp/pet_html/treat/gan.html
を参考にしました。
PET検査ネットさん、ありがとうございます。
江部康二
厚生労働省は2023年6月2日、2022年の人口動態統計を公表しました
それにによれば、
第1位「悪性新生物(腫瘍)」、
第2位「心疾患(高血圧性を除く)」、
第3位「老衰」、
第4位「脳血管疾患」、
第5位「肺炎」でした。
悪性新生物というのは、がんのことです。
がんが日本人の死亡順位の一位です。
今日は、糖質制限食とがん予防のお話です。
現実にどのていど予防可能かを考察してみます。
がん細胞は人の体の中で毎日、数百から数千個も発生していますが、
通常は免疫細胞が排除してくれているので、がんを発症しません。
正常細胞ががん細胞に変わり、体の免疫細胞が排除に失敗すると、
がん細胞は徐々に成長を始めます。
実は、1個のがん細胞が発生してから、画像診断的に発見可能な大きさになるのには、
かなり長い年月がかかります。
細胞分裂により1個が2個になり、2個が4個、
4個が8個、そして16個、32個、64個と倍々で増加していきます。
30回分裂を繰り返すと、約10億個に増え、
重さは約1グラム、直径1cm程度になります。
細胞1個が0.01mmで、1cm経になるのに10~20年かかります。
個体差やがんの種類によっても発育速度は異なります。
がん細胞が生まれてから活発に成長するようになるまでには、
長い期間がかかります。
しかし、がん細胞は成長するにしたがって、
発育速度が速くなるとされています。
2倍の大きさになるのは、例えば早期胃がんでは数年(2-6年)、
進行がんでは数ヶ月、転移した胃がんでは数週間とされています。
従来のがん検診では、腫瘍の大きさが1cm程度にならないと発見できませんでしたが、
PET検査では、早期の5mm程度の大きさでの発見が可能です。
しかしながら、5mmや1cmで早期発見したがんということでも、
がん細胞が発生してから、
すでに約10~20年間が経過していることとなります。
つまり早期発見ということでも、すでに転移しているか否かは、運次第なのです。
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」「糖質摂取による過剰インスリン分泌」
が、酸化ストレスとなり、がん発症リスクとなりますが、
これらは「スーパー糖質制限食」で予防できます。
従って「スーパー糖質制限食」実践で理論的には、
『生活習慣病型がん』の発症予防が期待できます。
一方、すでに発症しているがんに対しては、
スーパー糖質制限食でも、縮小させることは困難です。
「ケトン食」レベルの厳しい食事が必要となりますが、
それでも食事療法単独で、がんを根治させるのは難しいと思います。
対策としては、がん細胞が発生する前に、間に合う内にできるだけ早く
「スーパー糖質制限食」を開始して予防を期待するということになるでしょうか。
糖尿人はがんになりやすいことは、よく知られていますが、
国立がん研究センターの研究によると、
糖尿病ではない人においても、HbA1cが高値であるほど、
右肩上がりで、がんのリスクが増えることがわかっています。
糖尿人も正常人も、スーパー糖質制限食でがん予防が望ましいです。
江部康二は2002年~スーパー糖質制限食を実践しています。
2023年8月現在で、21年間実践中です。
2002年以降は、いわゆる『生活習慣病型のがん』の発生は
かなり予防できている可能性が高いです。
一方で、2001年以前に、すでに原初のがん細胞が発生していたとしたら
予防はできていないこととなります。
まあ足かけ22年、経過しているので、まず大丈夫と思っています。
本日のブログは
PET検査ネット
http://www.pet-net.jp/pet_html/treat/gan.html
を参考にしました。
PET検査ネットさん、ありがとうございます。
江部康二
2023年08月10日 (木)
おはようございます。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
なお期間限定にて
楽天スーパーDEAL ポイント10倍対象アイテムに
「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」
が設定されています。
江部康二
【医師が教える】
スポーツドリンクは必要ない? 熱中症予防は「水」で十分なワケ
https://diamond.jp/articles/-/326979
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.10 4:06
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
脱水予防には水で十分
お茶を飲むならカフェインゼロを
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
なお期間限定にて
楽天スーパーDEAL ポイント10倍対象アイテムに
「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」
が設定されています。
江部康二
【医師が教える】
スポーツドリンクは必要ない? 熱中症予防は「水」で十分なワケ
https://diamond.jp/articles/-/326979
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.10 4:06
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
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お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
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※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
脱水予防には水で十分
お茶を飲むならカフェインゼロを
2023年08月09日 (水)
こんにちは。
今回は、がんについて、考察してみます。
がんには、生活習慣病型と感染症型との2つのタイプがあります。
A)
生活習慣病型のがん
世界がん研究基金が2007年に
「腎臓がん、膵臓がん、食道がん、子宮体がん、大腸がん、乳がんの6つと、おそらく胆のうがんの7つには肥満がかかわっている」
と報告しています。
リスクを下げるには「適正体重の維持」が肝要であり、
BMI20~25未満に保つことを推奨しています。
肥満は生活習慣に起因しているため、これら7つのがんは生活習慣病型と呼ばれており、
日本を含めた先進諸国で増加しているタイプです。
そして、生活習慣病型のがんについて、元凶ではないかと疑われているのが、
高血糖であり高インスリン血症なのです。
高インスリン血症も高血糖も肥満すると起こりやすくなりますが、
この2つに発がんリスクがあることが、明らかになっています。
生活習慣病型のがんについて、
スーパー糖質制限食には予防効果のある可能性が非常に高いと考えられます。
なぜならば、肥満、高インスリン血症、高血糖、これら生活習慣病型のがんにつながると疑われている要因の全てについて、
スーパー糖質制限食で防ぐことができるからです。
肥満、高インスリン血症、高血糖は、いずれも糖質過剰な食生活で起こります。
生活習慣病型のがんに関しては、
1)高インスリン血症がない(高インスリン血症は発がんリスクでエビデンスあり)
2)食後高血糖がない(食後高血糖も発がんリスクでエビデンスあり)
3)肥満がない(肥満も発がんリスクでありエビデンスあり)
4)HDLコレステロールが増加する(HDLコレステロールにはがん予防効果あり)
あくまでも仮説ですが、1)2)3)4)の利点により、
生活習慣病型のがんは、スーパー糖質制限食で予防できる可能性があります。
B)
感染症型のがん
胃がん、肝がん、子宮頸がんなどがあります。
これらは、感染症が引き金になって起こるタイプのがんです。
がんの約3割が感染症型のがんです。
がん細胞は、正常な細胞が増殖するときに遺伝子つまりDNAの複製に失敗して、
生まれてしまいます。
細菌やウイルスに感染すると、炎症を起こし細胞が頻繁に壊れます。
それを修復するには細胞が増殖しなければなりませんが、
このときにDNAの複製にエラーが起こり、
それが蓄積されると、がん細胞が発生します。
つまり、細菌やウイルス感染により慢性炎症が起こり持続し、
細胞傷害と再生を繰り返す機会が増えて細胞内の遺伝子異常が蓄積されて発症するのが、感染症型のがんなのです。
持続炎症により細胞が頻繁に壊れると、
細胞はそれだけ多くの増殖をしなければなりません。
DNAの複製を頻繁に繰り返すため、
エラーが起こりやすくなり、がん細胞の発生リスクが増すわけです。
胃がんはヘリコバクターピロリという特殊な細菌の持続感染、
肝がんの場合はB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの持続感染、
子宮頸がんの場合は、ヒトパピローマウイルスの持続感染が、
主な原因でがん化を起こします。
あと、EBウイルスによる上咽頭がん、
ヘルペスウイルス8型によるカポジ肉腫、
ヒトT細胞白血病ウイルスによる成人T細胞白血病、
肝吸虫による胆管細胞がん、
ビルハルツ住血吸虫による膀胱がん
などがあります。
感染症型のがんに関しては、スーパー糖質制限食でも予防は困難と考えられます。
何故なら細菌やウイルスの持続感染を
食事療法(スーパー糖質制限食)で取り除くことはできないからです。
かつて伝統的な食生活(スーパー糖質制限食)の頃のイヌイットも、
外部から新たに持ち込まれたEBウィルスのために、
鼻咽頭と唾液腺のがんが多く発生した歴史があります。
EBウィルス持続感染で特に鼻咽頭と唾液腺のがんになったのは、
イヌイットの民族としての特異性とされています。
同じEBウィルス感染で、アフリカではバーキットリンパ腫発症が多いのです。
江部康二
今回は、がんについて、考察してみます。
がんには、生活習慣病型と感染症型との2つのタイプがあります。
A)
生活習慣病型のがん
世界がん研究基金が2007年に
「腎臓がん、膵臓がん、食道がん、子宮体がん、大腸がん、乳がんの6つと、おそらく胆のうがんの7つには肥満がかかわっている」
と報告しています。
リスクを下げるには「適正体重の維持」が肝要であり、
BMI20~25未満に保つことを推奨しています。
肥満は生活習慣に起因しているため、これら7つのがんは生活習慣病型と呼ばれており、
日本を含めた先進諸国で増加しているタイプです。
そして、生活習慣病型のがんについて、元凶ではないかと疑われているのが、
高血糖であり高インスリン血症なのです。
高インスリン血症も高血糖も肥満すると起こりやすくなりますが、
この2つに発がんリスクがあることが、明らかになっています。
生活習慣病型のがんについて、
スーパー糖質制限食には予防効果のある可能性が非常に高いと考えられます。
なぜならば、肥満、高インスリン血症、高血糖、これら生活習慣病型のがんにつながると疑われている要因の全てについて、
スーパー糖質制限食で防ぐことができるからです。
肥満、高インスリン血症、高血糖は、いずれも糖質過剰な食生活で起こります。
生活習慣病型のがんに関しては、
1)高インスリン血症がない(高インスリン血症は発がんリスクでエビデンスあり)
2)食後高血糖がない(食後高血糖も発がんリスクでエビデンスあり)
3)肥満がない(肥満も発がんリスクでありエビデンスあり)
4)HDLコレステロールが増加する(HDLコレステロールにはがん予防効果あり)
あくまでも仮説ですが、1)2)3)4)の利点により、
生活習慣病型のがんは、スーパー糖質制限食で予防できる可能性があります。
B)
感染症型のがん
胃がん、肝がん、子宮頸がんなどがあります。
これらは、感染症が引き金になって起こるタイプのがんです。
がんの約3割が感染症型のがんです。
がん細胞は、正常な細胞が増殖するときに遺伝子つまりDNAの複製に失敗して、
生まれてしまいます。
細菌やウイルスに感染すると、炎症を起こし細胞が頻繁に壊れます。
それを修復するには細胞が増殖しなければなりませんが、
このときにDNAの複製にエラーが起こり、
それが蓄積されると、がん細胞が発生します。
つまり、細菌やウイルス感染により慢性炎症が起こり持続し、
細胞傷害と再生を繰り返す機会が増えて細胞内の遺伝子異常が蓄積されて発症するのが、感染症型のがんなのです。
持続炎症により細胞が頻繁に壊れると、
細胞はそれだけ多くの増殖をしなければなりません。
DNAの複製を頻繁に繰り返すため、
エラーが起こりやすくなり、がん細胞の発生リスクが増すわけです。
胃がんはヘリコバクターピロリという特殊な細菌の持続感染、
肝がんの場合はB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスの持続感染、
子宮頸がんの場合は、ヒトパピローマウイルスの持続感染が、
主な原因でがん化を起こします。
あと、EBウイルスによる上咽頭がん、
ヘルペスウイルス8型によるカポジ肉腫、
ヒトT細胞白血病ウイルスによる成人T細胞白血病、
肝吸虫による胆管細胞がん、
ビルハルツ住血吸虫による膀胱がん
などがあります。
感染症型のがんに関しては、スーパー糖質制限食でも予防は困難と考えられます。
何故なら細菌やウイルスの持続感染を
食事療法(スーパー糖質制限食)で取り除くことはできないからです。
かつて伝統的な食生活(スーパー糖質制限食)の頃のイヌイットも、
外部から新たに持ち込まれたEBウィルスのために、
鼻咽頭と唾液腺のがんが多く発生した歴史があります。
EBウィルス持続感染で特に鼻咽頭と唾液腺のがんになったのは、
イヌイットの民族としての特異性とされています。
同じEBウィルス感染で、アフリカではバーキットリンパ腫発症が多いのです。
江部康二
2023年08月07日 (月)
こんにちは。
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
と題して、一般の方向けの講演会を開催します。
講師は、江部康二 と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
わかりやすいお話をしたいと思っています。
私の講演は、「旧石器時代」の話がトピックになります。
今回、日本人はいつから存在していて、何を食べていたのかを、一から考察してみました。
一般的な歴史の教科書には全く書いてないので講演会に参加される皆さんもご存じない可能性が高いと思います。
実は日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
この間ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、
肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
北海道ではマンモスも食べていました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
このように日本人は22000年間肉ばかり食べて身体を形成していったのであり、
肉食に特化して適合していると言えます。
16000年前から『縄文時代』が始まり、
狩猟・採集・漁労の3本柱が生業となりました。
2002年に東京大学の米田穣氏によって、
「縄文人は地域ごとに食生活違う」ことが示されました。
縄文時代は、約13000年くらい続きました。
約2500年前から、『弥生時代』で、農耕が始まって1300年続き、
古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代・・・と続き、現代にいたっています。
肉食の歴史が22000年間に対して、米食の歴史は、わずか2500年にすぎません。
スーパー糖質制限食を「極端な食事」と批判する人がいますが、
実は「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率」なのです。
つまり、スーパー糖質制限食は、日本人の標準の食事と言えます。
ブログ読者の皆さん、是非、奮って、講演会にご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
9月23日(土・祝)大阪市内で、「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、当会理事長の江部康二 医師と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加をお待ちしております。
また、講演会終了後には、交流会を開催いたします。こちらも奮ってご参加くださいませ。
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
◆日程:2023年9月23日(土・祝)14:15~16:30頃 ※開場・受付は、14:00~
◆会場:大阪大学中之島センター6階 セミナー室6E・6F
大阪市北区中之島4-3-53
https://www.onc.osaka-u.ac.jp/access/
◆受講費:賛助会員 2,300円 / 一般(会員の方以外)2,800円
◆内容:
・第1部
「美味しく、楽しく続けていただくために。高雄病院の糖質制限給食と栄養指導」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科
*講師より*
高雄病院では、1999年から糖質制限食の入院食を提供することとなり、当初は主食なしの献立を立てるのはなかなか大変なことで、とまどいも多かったです。
一方で、リアルタイムに改善されていく患者さんの血液データを見ることで、それまでのエネルギーコントロール食とは明らかに違うことに気づかされ、糖質制限食の威力を感じたものです。
今回は、高雄病院の糖質制限給食や栄養指導についてご紹介しつつ、糖質制限食を美味しく、楽しく実行するためにおさえておきたい初歩的なポイントと、継続していく中でよく耳にする悩みや問題点、それらに対するアドバイスや解決策についてお話ししていきます。
・第2部
「データと歴史が示す糖質制限食の有効性」
講師: 江部 康二 医師 / (一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*講師より*
血糖値を直接上昇させるのは三大栄養素のなかで、糖質だけです。
糖質の摂取を控えると、食後高血糖を防げ、良好な血糖コントロールが可能となります。
糖尿病治療には、従来の「カロリー制限食」ではなく「糖質制限食」が出番です。
しかし、糖質制限食を「極端な食事」と批判する人もおられます。本当にそうでしょうか。
日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
このように日本人は22000年間、肉を主として食べて身体を形成していったのであり、肉食に特化して適合していると言えます。
そして、スーパー糖質制限食は、この「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事」と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率です。
私も52歳での糖尿病発症以来21年間スーパー糖質制限食を続けて、内服薬・合併症なし、視力・聴力低下なし、血圧も正常で、元気な73歳を過ごしています。
今回は、日本人の食の歴史と糖質制限食の理論、糖尿病治療をはじめとする、糖質制限食の有効性と安全性について、様々な角度からお話したいと思います。
※第1部35分、第2部60分程度、最後に質疑応答を予定しております。
◇◆◇ 交流会 ◇◆◇
◆日時: 2023年9月23日(土・祝) 17:15~(2時間程度)
◆場所: ダイビル本館 1F 「ドノスティア(Donostia)」
大阪市北区中之島3-6-32 ※講演会場から徒歩3、4分
https://kcks602.gorp.jp/
◆参加費: 賛助会員 6,000円 / 一般(会員以外の方) 6,500円
◆形式など:立食 / お食事+フリードリンク
【以下大阪講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:
事務局へメールにて、参加ご希望のイベント名とご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/23大阪講演会、交流会)をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、講演会もしくは、講演会・交流会への参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日は直接各会場へお越し頂き、受付にてお名前をお伝えください。
・講演会のキャンセルは9月20日(水)までに、交流会のキャンセルは9月18日(月・祝)までに事務局へメールにてご連絡願います。
これら以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
と題して、一般の方向けの講演会を開催します。
講師は、江部康二 と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
わかりやすいお話をしたいと思っています。
私の講演は、「旧石器時代」の話がトピックになります。
今回、日本人はいつから存在していて、何を食べていたのかを、一から考察してみました。
一般的な歴史の教科書には全く書いてないので講演会に参加される皆さんもご存じない可能性が高いと思います。
実は日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
この間ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、
肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
北海道ではマンモスも食べていました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
このように日本人は22000年間肉ばかり食べて身体を形成していったのであり、
肉食に特化して適合していると言えます。
16000年前から『縄文時代』が始まり、
狩猟・採集・漁労の3本柱が生業となりました。
2002年に東京大学の米田穣氏によって、
「縄文人は地域ごとに食生活違う」ことが示されました。
縄文時代は、約13000年くらい続きました。
約2500年前から、『弥生時代』で、農耕が始まって1300年続き、
古墳時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代・・・と続き、現代にいたっています。
肉食の歴史が22000年間に対して、米食の歴史は、わずか2500年にすぎません。
スーパー糖質制限食を「極端な食事」と批判する人がいますが、
実は「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率」なのです。
つまり、スーパー糖質制限食は、日本人の標準の食事と言えます。
ブログ読者の皆さん、是非、奮って、講演会にご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
9月23日(土・祝)大阪市内で、「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、当会理事長の江部康二 医師と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加をお待ちしております。
また、講演会終了後には、交流会を開催いたします。こちらも奮ってご参加くださいませ。
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
◆日程:2023年9月23日(土・祝)14:15~16:30頃 ※開場・受付は、14:00~
◆会場:大阪大学中之島センター6階 セミナー室6E・6F
大阪市北区中之島4-3-53
https://www.onc.osaka-u.ac.jp/access/
◆受講費:賛助会員 2,300円 / 一般(会員の方以外)2,800円
◆内容:
・第1部
「美味しく、楽しく続けていただくために。高雄病院の糖質制限給食と栄養指導」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科
*講師より*
高雄病院では、1999年から糖質制限食の入院食を提供することとなり、当初は主食なしの献立を立てるのはなかなか大変なことで、とまどいも多かったです。
一方で、リアルタイムに改善されていく患者さんの血液データを見ることで、それまでのエネルギーコントロール食とは明らかに違うことに気づかされ、糖質制限食の威力を感じたものです。
今回は、高雄病院の糖質制限給食や栄養指導についてご紹介しつつ、糖質制限食を美味しく、楽しく実行するためにおさえておきたい初歩的なポイントと、継続していく中でよく耳にする悩みや問題点、それらに対するアドバイスや解決策についてお話ししていきます。
・第2部
「データと歴史が示す糖質制限食の有効性」
講師: 江部 康二 医師 / (一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*講師より*
血糖値を直接上昇させるのは三大栄養素のなかで、糖質だけです。
糖質の摂取を控えると、食後高血糖を防げ、良好な血糖コントロールが可能となります。
糖尿病治療には、従来の「カロリー制限食」ではなく「糖質制限食」が出番です。
しかし、糖質制限食を「極端な食事」と批判する人もおられます。本当にそうでしょうか。
日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
このように日本人は22000年間、肉を主として食べて身体を形成していったのであり、肉食に特化して適合していると言えます。
そして、スーパー糖質制限食は、この「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事」と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率です。
私も52歳での糖尿病発症以来21年間スーパー糖質制限食を続けて、内服薬・合併症なし、視力・聴力低下なし、血圧も正常で、元気な73歳を過ごしています。
今回は、日本人の食の歴史と糖質制限食の理論、糖尿病治療をはじめとする、糖質制限食の有効性と安全性について、様々な角度からお話したいと思います。
※第1部35分、第2部60分程度、最後に質疑応答を予定しております。
◇◆◇ 交流会 ◇◆◇
◆日時: 2023年9月23日(土・祝) 17:15~(2時間程度)
◆場所: ダイビル本館 1F 「ドノスティア(Donostia)」
大阪市北区中之島3-6-32 ※講演会場から徒歩3、4分
https://kcks602.gorp.jp/
◆参加費: 賛助会員 6,000円 / 一般(会員以外の方) 6,500円
◆形式など:立食 / お食事+フリードリンク
【以下大阪講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:
事務局へメールにて、参加ご希望のイベント名とご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/23大阪講演会、交流会)をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、講演会もしくは、講演会・交流会への参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
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■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日は直接各会場へお越し頂き、受付にてお名前をお伝えください。
・講演会のキャンセルは9月20日(水)までに、交流会のキャンセルは9月18日(月・祝)までに事務局へメールにてご連絡願います。
これら以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
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2023年08月06日 (日)
【日付 名前
23/08/04 ゆい
閉経とHbA1c
江部先生のブログを頼りに、16年前の妊娠糖尿病(空腹時血糖値101)から、
美味しい食事を我慢しすぎずに、やってきました。
51歳で受けた検査で、HbA1c 5.7%になってしまいました。
妊娠中から、産後糖質制限を始めるまでも、HbA1c 5.6%が2、3回出ただけで、
ずっと5.5%以下を維持してきたので、ショックです。
お酒を飲んでる時に糖質を多めに摂る(血糖値があまり上がらないと思っていたので)はありましたが、
それは前から変わっていません。
大きく変わったのは、2月から閉経の為か、生理が来ない事、
痩せていて体組成計で測ると、代謝が落ちた事です。
運動はしていますが、体重と筋肉は増えません。
どうしたら、HbA1c が5.4%前後に戻るのでしょうか。
空腹時血糖値が元々高めなため、心配です。】
ゆいさん。
HbA1cの上昇ですが、更年期のためと考えられます。
結論から言うと、これは必然的な流れであり、改善は困難です。
ただ、51歳のHbA1c:5.7%も「食後高血糖」「血糖変動幅増大」のない
<質の良いHbA1c>です。
そして、スーパー糖質制限食実践なら、食後1時間・2時間血糖値も
160mg/dl未満を保っていると思います。
これなら、糖尿病合併症の心配はなくて、健康な状態が維持できています。
閉経になればエストラジオールがほとんど分泌されいので、
単純に血糖値が今までより上昇すると思われます
まずは女性ホルモンと血糖値と生理について考察してみます。
女性ホルモンは、インスリンにも影響を与えています。
エストロゲンはインスリンの効きを良くし、
プロゲステロンは効きを悪くすると考えられています
従って、月経中と月経が終了してしばらく(エストロゲンが上昇する卵胞期)は、
血糖値は低めになりますが、
排卵後月経前までの2週間程度(プロゲステロンが上昇する黄体期)は
血糖値が上昇しやすくなります。
1型糖尿病では生理前に血糖値が上昇することが多いようです。
早朝空腹時血糖値は、60mgとか上昇することがあり、2型に比し差が顕著です。
1型糖尿病女性を対象に調査した研究では、70%の人が月経前に血糖が上がり、
約半数の人が月経初日に血糖が下がったとの報告があります。
つまり、1型でも個人差があるということです。
2型糖尿病でも、理論的には生理前に血糖上昇傾向があるはずですが、
1型ほど顕著ではありません。
個人差はありますが、インスリン分泌能が充分残っている2型糖尿病なら、
黄体期にも血糖値上昇がないようです。
次に更年期障害と糖質制限食について、考えてみましょう。
更年期障害の症状には自律神経症状として「動悸」「発汗」、
精神症状として「イライラ」「そわそわ」などがあります。
これらの症状は、糖質摂取による『血糖値の乱高下』により、
更年期でなくても生じます。
そして更年期の人が普通に糖質を摂取すると、
『ホルモンバランスの乱れ』による症状と『血糖値の乱高下』による症状が、
ダブルで生じるので、いわゆる更年期障害の症状が、きつく出やすいと思われます。
血糖値の乱高下は酸化ストレスの大きなリスクとなりますので、
糖質制限食の実践で、それがないだけでも、
更年期障害の症状はマイルドになると思います。
酸化ストレスは「がん、動脈硬化、老化、糖尿病合併症、アルツハイマー病、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、狭心症、心筋梗塞、慢性炎症・・・」
などに関与することが明らかとなっています。
それらが、糖質制限食の実践で最小限になることは、更年期障害予防だけではなく、
生きていく上で大きなアドバンテージとなります。
更年期については、「糖尿病と女性のライフサポートネットワーク」
田中佳代準教授の記事(☆)を参考にさせて頂きました。謝謝。
江部康二
(☆)糖尿病と女性のライフサポートネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/dlsnw/information/001/001/02.php
代表 田中 佳代(久留米大学医学部看護学科母性看護学准教授)
23/08/04 ゆい
閉経とHbA1c
江部先生のブログを頼りに、16年前の妊娠糖尿病(空腹時血糖値101)から、
美味しい食事を我慢しすぎずに、やってきました。
51歳で受けた検査で、HbA1c 5.7%になってしまいました。
妊娠中から、産後糖質制限を始めるまでも、HbA1c 5.6%が2、3回出ただけで、
ずっと5.5%以下を維持してきたので、ショックです。
お酒を飲んでる時に糖質を多めに摂る(血糖値があまり上がらないと思っていたので)はありましたが、
それは前から変わっていません。
大きく変わったのは、2月から閉経の為か、生理が来ない事、
痩せていて体組成計で測ると、代謝が落ちた事です。
運動はしていますが、体重と筋肉は増えません。
どうしたら、HbA1c が5.4%前後に戻るのでしょうか。
空腹時血糖値が元々高めなため、心配です。】
ゆいさん。
HbA1cの上昇ですが、更年期のためと考えられます。
結論から言うと、これは必然的な流れであり、改善は困難です。
ただ、51歳のHbA1c:5.7%も「食後高血糖」「血糖変動幅増大」のない
<質の良いHbA1c>です。
そして、スーパー糖質制限食実践なら、食後1時間・2時間血糖値も
160mg/dl未満を保っていると思います。
これなら、糖尿病合併症の心配はなくて、健康な状態が維持できています。
閉経になればエストラジオールがほとんど分泌されいので、
単純に血糖値が今までより上昇すると思われます
まずは女性ホルモンと血糖値と生理について考察してみます。
女性ホルモンは、インスリンにも影響を与えています。
エストロゲンはインスリンの効きを良くし、
プロゲステロンは効きを悪くすると考えられています
従って、月経中と月経が終了してしばらく(エストロゲンが上昇する卵胞期)は、
血糖値は低めになりますが、
排卵後月経前までの2週間程度(プロゲステロンが上昇する黄体期)は
血糖値が上昇しやすくなります。
1型糖尿病では生理前に血糖値が上昇することが多いようです。
早朝空腹時血糖値は、60mgとか上昇することがあり、2型に比し差が顕著です。
1型糖尿病女性を対象に調査した研究では、70%の人が月経前に血糖が上がり、
約半数の人が月経初日に血糖が下がったとの報告があります。
つまり、1型でも個人差があるということです。
2型糖尿病でも、理論的には生理前に血糖上昇傾向があるはずですが、
1型ほど顕著ではありません。
個人差はありますが、インスリン分泌能が充分残っている2型糖尿病なら、
黄体期にも血糖値上昇がないようです。
次に更年期障害と糖質制限食について、考えてみましょう。
更年期障害の症状には自律神経症状として「動悸」「発汗」、
精神症状として「イライラ」「そわそわ」などがあります。
これらの症状は、糖質摂取による『血糖値の乱高下』により、
更年期でなくても生じます。
そして更年期の人が普通に糖質を摂取すると、
『ホルモンバランスの乱れ』による症状と『血糖値の乱高下』による症状が、
ダブルで生じるので、いわゆる更年期障害の症状が、きつく出やすいと思われます。
血糖値の乱高下は酸化ストレスの大きなリスクとなりますので、
糖質制限食の実践で、それがないだけでも、
更年期障害の症状はマイルドになると思います。
酸化ストレスは「がん、動脈硬化、老化、糖尿病合併症、アルツハイマー病、メタボリックシンドローム、パーキンソン病、狭心症、心筋梗塞、慢性炎症・・・」
などに関与することが明らかとなっています。
それらが、糖質制限食の実践で最小限になることは、更年期障害予防だけではなく、
生きていく上で大きなアドバンテージとなります。
更年期については、「糖尿病と女性のライフサポートネットワーク」
田中佳代準教授の記事(☆)を参考にさせて頂きました。謝謝。
江部康二
(☆)糖尿病と女性のライフサポートネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/dlsnw/information/001/001/02.php
代表 田中 佳代(久留米大学医学部看護学科母性看護学准教授)
2023年08月05日 (土)
おはようございます。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
なお期間限定にて
楽天スーパーDEAL ポイント10倍対象アイテムに
「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」
が設定されています。
江部康二
【医師が教える】
スポーツドリンクや経口補水液が熱中症予防に“NG”なワケ
https://diamond.jp/articles/-/326977
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.5 3:35
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
死と隣り合わせの熱中症
【前回】からの続き 日本はどうやらすっかり亜熱帯化したようで、真夏には35度を超える猛暑日も増えてきました。
そうなると心配になるのが熱中症です。
消防庁は、猛暑だった2018年8月の熱中症による救急搬送者数は全国で3万410人に上り、
統計を取り始めた08年以降8月としては過去最高だったと発表しました。
搬送直後に20人の死亡が確認されています。
家の中でも熱中症に注意
スポーツドリンクや経口補水液が
熱中症予防にNGなワケ
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
なお期間限定にて
楽天スーパーDEAL ポイント10倍対象アイテムに
「内臓脂肪がストンと落ちる食事術」
が設定されています。
江部康二
【医師が教える】
スポーツドリンクや経口補水液が熱中症予防に“NG”なワケ
https://diamond.jp/articles/-/326977
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.5 3:35
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
死と隣り合わせの熱中症
【前回】からの続き 日本はどうやらすっかり亜熱帯化したようで、真夏には35度を超える猛暑日も増えてきました。
そうなると心配になるのが熱中症です。
消防庁は、猛暑だった2018年8月の熱中症による救急搬送者数は全国で3万410人に上り、
統計を取り始めた08年以降8月としては過去最高だったと発表しました。
搬送直後に20人の死亡が確認されています。
家の中でも熱中症に注意
スポーツドリンクや経口補水液が
熱中症予防にNGなワケ
2023年08月03日 (木)
こんにちは。
厚生労働省
令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/index.html
第10表
によれば、
日本人の死因は、
第1位 悪性新生物(腫瘍)
第2位 心疾患(高血圧性を除く)
第3位 老衰
第4位 脳血管疾患
第5位 肺炎
となっています。
「老衰」の定義はどうなのでしょう。
厚生労働省は「死亡診断書記入マニュアル」において、老衰を「高齢者でほかに記載すべき死亡原因のない、
いわゆる自然死」と定義づけています。
結局、悪性新生物(腫瘍)と動脈硬化(心疾患と脳血管疾患)が、
病気による死因の双璧と言っていいでしょう。
悪性新生物(腫瘍)のほとんどはがんです。
心疾患による死亡の大部分は心筋梗塞です。
脳血管疾患死亡のほとんどは脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)です。
主な死因別の死亡率の年次推移をみると、
悪性新生物<腫瘍>は一貫して上昇しており、
昭和 56 年(1981年)以降死因順位第1位となっています。
令和2年(2019年)の全死亡者に占める割合は 27.6%であり、
全死亡者のおよそ 3.6 人に1人は
悪性新生物<腫瘍>が死因となっています。
生活習慣病型のがんと動脈硬化は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いです。
がんを予防する食事療法。スーパー糖質制限食。疫学研究考察。
2021年06月14日 (月)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5640.html
食後高血糖と酸化ストレス・AGEs・プラーク・動脈硬化。
2021年07月11日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5669.html
肺炎も血清アルブミン4.3g/dl以上あれば、予防しやすいのですが、
糖質制限食で動物性たんぱく質をしっかり摂取して
血清アルブミンを増やせば、肺炎も予防しやすくなります。
老衰も糖質制限食なら健康長寿を目指せます。
要するに、糖質制限食実践で、
日本人の死因の上位5疾患が全て予防できます。
死因の第6位以下はこうなっています。
第6位 誤嚥性肺炎
第7位 不慮の事故
第8位 腎不全
第9位 アルツハイマー病
第10位 血管性および詳細不明の認知症
かつて死因として「糖尿病」が挙げられていたこともありましたが、
2019年度では10位以内には入っていません。
しかし、がん・心疾患・脳血管疾患・アルツハイマー病・認知症には、
かなり色濃く糖尿病が関わっています。
肺炎も糖尿病のコントロールが悪いと重症化して命に関わります。
腎不全に関しても糖尿病がおおいに関わっています。
こうみると、日本人の死因トップ10の内、少なくとも7つに、
糖尿病が大きく関わっているので、
単独の糖尿病による死亡が順位に入っていなくても、
安心できるものではありません。
スーパー糖質制限食実践で、
「血糖コントロール」、「インスリン分泌コントロール」、「肥満改善」を達成し、
酸化ストレスリスクを減らして、
動脈硬化・がん・老化・アルツハイマー病等を予防して、
楽しい快適な人生を送りましょう。
江部康二
厚生労働省
令和4年(2022)人口動態統計月報年計(概数)の概況
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai22/index.html
第10表
によれば、
日本人の死因は、
第1位 悪性新生物(腫瘍)
第2位 心疾患(高血圧性を除く)
第3位 老衰
第4位 脳血管疾患
第5位 肺炎
となっています。
「老衰」の定義はどうなのでしょう。
厚生労働省は「死亡診断書記入マニュアル」において、老衰を「高齢者でほかに記載すべき死亡原因のない、
いわゆる自然死」と定義づけています。
結局、悪性新生物(腫瘍)と動脈硬化(心疾患と脳血管疾患)が、
病気による死因の双璧と言っていいでしょう。
悪性新生物(腫瘍)のほとんどはがんです。
心疾患による死亡の大部分は心筋梗塞です。
脳血管疾患死亡のほとんどは脳卒中(脳出血、脳梗塞、くも膜下出血)です。
主な死因別の死亡率の年次推移をみると、
悪性新生物<腫瘍>は一貫して上昇しており、
昭和 56 年(1981年)以降死因順位第1位となっています。
令和2年(2019年)の全死亡者に占める割合は 27.6%であり、
全死亡者のおよそ 3.6 人に1人は
悪性新生物<腫瘍>が死因となっています。
生活習慣病型のがんと動脈硬化は、
スーパー糖質制限食で予防できる可能性が高いです。
がんを予防する食事療法。スーパー糖質制限食。疫学研究考察。
2021年06月14日 (月)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5640.html
食後高血糖と酸化ストレス・AGEs・プラーク・動脈硬化。
2021年07月11日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5669.html
肺炎も血清アルブミン4.3g/dl以上あれば、予防しやすいのですが、
糖質制限食で動物性たんぱく質をしっかり摂取して
血清アルブミンを増やせば、肺炎も予防しやすくなります。
老衰も糖質制限食なら健康長寿を目指せます。
要するに、糖質制限食実践で、
日本人の死因の上位5疾患が全て予防できます。
死因の第6位以下はこうなっています。
第6位 誤嚥性肺炎
第7位 不慮の事故
第8位 腎不全
第9位 アルツハイマー病
第10位 血管性および詳細不明の認知症
かつて死因として「糖尿病」が挙げられていたこともありましたが、
2019年度では10位以内には入っていません。
しかし、がん・心疾患・脳血管疾患・アルツハイマー病・認知症には、
かなり色濃く糖尿病が関わっています。
肺炎も糖尿病のコントロールが悪いと重症化して命に関わります。
腎不全に関しても糖尿病がおおいに関わっています。
こうみると、日本人の死因トップ10の内、少なくとも7つに、
糖尿病が大きく関わっているので、
単独の糖尿病による死亡が順位に入っていなくても、
安心できるものではありません。
スーパー糖質制限食実践で、
「血糖コントロール」、「インスリン分泌コントロール」、「肥満改善」を達成し、
酸化ストレスリスクを減らして、
動脈硬化・がん・老化・アルツハイマー病等を予防して、
楽しい快適な人生を送りましょう。
江部康二
2023年08月02日 (水)
こんにちは。
私は、ここ3年間は、立って外来診療をしています。
結構、ギックリ腰になりやすかったので、ネットで腰痛について調べてみたのです。
そうすると、
立った状態での腰の負担が100とすると
座ったら140となり、
さらにパソコンを前傾姿勢で操作すると180となることが判明しました。
それで、立って仕事をすることにしたのですが、お陰様で腰痛がなくなりました。
<CNNのOdd News>
さて少し前ですが、
「座りすぎ」でがんのリスク増加、追跡装置で客観的に調査
https://www.cnn.co.jp/fringe/35155632.html
という記事が、
CNNのOdd News(ちょっと変わったニュース)に掲載されました。
JAMA(米国医師会雑誌)という権威ある医学雑誌での発表ですので
信頼度は高いと思われます。
そして、約8000人の参加者に
起きている時間について7日間連続で追跡装置を装着したということで、
運動の程度が客観的に把握されているのが、肝要なところです。
今までの研究では、運動量(座る、軽度な運動、中度の運動)に関しては
自己申告なので、正確さにおいて信頼度にかけるところがありました。
『約8000人に5年間の追跡調査を行い、最も座りがちな人々は、年齢や性別、疾病状態を勘案しても、
最も座らない人たちと比較して、がんで死亡するリスクが82%高い』
ということです。
また、がん罹患に関しては、
運動不足の人が軽度の運動を30分すれば、8%リスクが減り、
中度の運動なら、31%リスク軽減とのことです。
<私が実践しているのは、ながらジョグ>
『今は、めちゃくちゃ暑いので、散歩なんてとんでもない。』
という方もおられると思います。
そんな方にお奨めなのが『ながらジョギング』⇒略して『ながらジョグ』です。
私は夕食を済ませて、ブログ記事を書いて一段落したら、
日曜日なら『VIVANT』を見ながら、25%焼酎のロックをチビチビ吞みながら
3分間くらいテレビの前で、垂直方向にジョギングして、しばらく休んで(歩いて)
また3分間くらいながらジョギングをして・・・で、
見終わる頃には、『ながらジョグ』3分間×5回くらいに、なっています。
合計30分の軽度の運動です。
面倒くさがりの私でも、これなら続けることができています。
週に5回やれば充分と思います。
エビデンスはなくエベデンスしかありませんが、
筋肉への負荷が多いという意味では、
インターバル速歩に匹敵する効果、
あるいはそれ以上の効果が期待できるように思います。 (^^)
皆さんも是非、試して頂ければ幸いです。
以下の青字がCNNのOdd News(2020.6.22)記事です。
• ☆☆☆
Odd News https://www.cnn.co.jp/fringe/35155632.html
「座りすぎ」でがんのリスク増加、追跡装置で客観的に調査
2020.06.22 (CNN) 長い時間座り続けているとがんのリスクが高まる可能性があるとの研究結果が
医学誌JAMAで発表された。
報告書の主筆で、米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターでがん予防に携わるスーザン・ギルクリスト准教授は
「動かないこととがんによる死亡の間に強い関連が明らかにみられた最初の研究だ」と述べた。
一方で、少なくとも30分間の肉体的な運動と置き換えることで、リスクを低減できるとしている。
ギルクリスト氏は「我々の研究は、座る時間を少なくし、動く時間を増やすということの重要性について補強するものだ」と述べた。
研究では2009年から13年の間、約8000人の参加者に起きている時間について7日間連続で追跡装置を装着してもらった。
調査開始時でがんをわずらっていた参加者はいなかった。
参加者は全員、2003年から07年に行われていた3万人の45歳以上の米成人を対象に行われていた
より大規模な脳卒中に関する研究にも参加していた。
5年間の追跡調査を行い、研究者は、最も座りがちな人々は、年齢や性別、疾病状態を勘案しても、
最も座らない人たちと比較して、がんで死亡するリスクが82%高いことを発見した。
先に行われた研究では健康的な食事や運動、禁煙といった健康的なライフスタイルを選ぶことで、
がんによる死は50%以上予防可能だということが示されている。
しかし、座ることとがんについて、過去の研究では自己申告であり客観的なデータではなかった。
今回の研究では追跡装置を装着することで、より正確に運動が及ぼす影響について推計することができた。
研究では、座っている時間30分をウォーキングなど軽度な運動に置き換えることで
がんになるリスクを8%軽減できることがわかった。
中度の運動でも31%リスク軽減につながるという。
江部康二
私は、ここ3年間は、立って外来診療をしています。
結構、ギックリ腰になりやすかったので、ネットで腰痛について調べてみたのです。
そうすると、
立った状態での腰の負担が100とすると
座ったら140となり、
さらにパソコンを前傾姿勢で操作すると180となることが判明しました。
それで、立って仕事をすることにしたのですが、お陰様で腰痛がなくなりました。
<CNNのOdd News>
さて少し前ですが、
「座りすぎ」でがんのリスク増加、追跡装置で客観的に調査
https://www.cnn.co.jp/fringe/35155632.html
という記事が、
CNNのOdd News(ちょっと変わったニュース)に掲載されました。
JAMA(米国医師会雑誌)という権威ある医学雑誌での発表ですので
信頼度は高いと思われます。
そして、約8000人の参加者に
起きている時間について7日間連続で追跡装置を装着したということで、
運動の程度が客観的に把握されているのが、肝要なところです。
今までの研究では、運動量(座る、軽度な運動、中度の運動)に関しては
自己申告なので、正確さにおいて信頼度にかけるところがありました。
『約8000人に5年間の追跡調査を行い、最も座りがちな人々は、年齢や性別、疾病状態を勘案しても、
最も座らない人たちと比較して、がんで死亡するリスクが82%高い』
ということです。
また、がん罹患に関しては、
運動不足の人が軽度の運動を30分すれば、8%リスクが減り、
中度の運動なら、31%リスク軽減とのことです。
<私が実践しているのは、ながらジョグ>
『今は、めちゃくちゃ暑いので、散歩なんてとんでもない。』
という方もおられると思います。
そんな方にお奨めなのが『ながらジョギング』⇒略して『ながらジョグ』です。
私は夕食を済ませて、ブログ記事を書いて一段落したら、
日曜日なら『VIVANT』を見ながら、25%焼酎のロックをチビチビ吞みながら
3分間くらいテレビの前で、垂直方向にジョギングして、しばらく休んで(歩いて)
また3分間くらいながらジョギングをして・・・で、
見終わる頃には、『ながらジョグ』3分間×5回くらいに、なっています。
合計30分の軽度の運動です。
面倒くさがりの私でも、これなら続けることができています。
週に5回やれば充分と思います。
エビデンスはなくエベデンスしかありませんが、
筋肉への負荷が多いという意味では、
インターバル速歩に匹敵する効果、
あるいはそれ以上の効果が期待できるように思います。 (^^)
皆さんも是非、試して頂ければ幸いです。
以下の青字がCNNのOdd News(2020.6.22)記事です。
• ☆☆☆
Odd News https://www.cnn.co.jp/fringe/35155632.html
「座りすぎ」でがんのリスク増加、追跡装置で客観的に調査
2020.06.22 (CNN) 長い時間座り続けているとがんのリスクが高まる可能性があるとの研究結果が
医学誌JAMAで発表された。
報告書の主筆で、米テキサス大学MDアンダーソンがんセンターでがん予防に携わるスーザン・ギルクリスト准教授は
「動かないこととがんによる死亡の間に強い関連が明らかにみられた最初の研究だ」と述べた。
一方で、少なくとも30分間の肉体的な運動と置き換えることで、リスクを低減できるとしている。
ギルクリスト氏は「我々の研究は、座る時間を少なくし、動く時間を増やすということの重要性について補強するものだ」と述べた。
研究では2009年から13年の間、約8000人の参加者に起きている時間について7日間連続で追跡装置を装着してもらった。
調査開始時でがんをわずらっていた参加者はいなかった。
参加者は全員、2003年から07年に行われていた3万人の45歳以上の米成人を対象に行われていた
より大規模な脳卒中に関する研究にも参加していた。
5年間の追跡調査を行い、研究者は、最も座りがちな人々は、年齢や性別、疾病状態を勘案しても、
最も座らない人たちと比較して、がんで死亡するリスクが82%高いことを発見した。
先に行われた研究では健康的な食事や運動、禁煙といった健康的なライフスタイルを選ぶことで、
がんによる死は50%以上予防可能だということが示されている。
しかし、座ることとがんについて、過去の研究では自己申告であり客観的なデータではなかった。
今回の研究では追跡装置を装着することで、より正確に運動が及ぼす影響について推計することができた。
研究では、座っている時間30分をウォーキングなど軽度な運動に置き換えることで
がんになるリスクを8%軽減できることがわかった。
中度の運動でも31%リスク軽減につながるという。
江部康二
2023年08月01日 (火)
こんにちは。
2023年8月21日(月)に京都で、日本糖質制限医療推進協会主催の料理教室、
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室」を開催します。
講師は、管理栄養士の佐々木栄子さん(ローカーボクラブ代表/
日本糖質制限医療推進協会アドバイザー)です。
佐々木栄子さんは2017年に、著書『糖質オフのやせる「おきかえ」レシピ』を
PHP研究所より出版されました。
こちらの書籍は、私が監修し、解説を執筆しております。
生協会員の方向けの限定販売で、一般書店では販売していませんが、
PHP研究所さんのサイト(※)から直接ご購入いただけます。
※ http://www.php.co.jp/family/detail.php?id=83505
2019年11月末以来の久しぶりの料理教室開催です。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」だそうです。
新たなジャンルでの低糖質レシピ、乞うご期待です(^^)/
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
2023年8月21日(月)に京都で、管理栄養士の佐々木栄子先生による、低糖質料理教室を開催いたします。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」です。
メインは、ボリューム感のある、エスニックなご飯ものを低糖質で。
サブは、たんぱく質、ビタミン、食物繊維が効率良く摂れる、アジアン風おかずスープを。
デザートは、混ぜるだけで簡単だけれど本格派の、低糖質イタリアンドルチェをご紹介します。
お手頃価格の食材で、日々の食事に役立つ低糖質メニューを学べる教室です。
糖質制限食のレパートリーを増やしたい、マンネリおかずを解消したい、そんな方にもおすすめです。
関西にお住まいの方をはじめ、皆さまのご参加をお待ちしております。
*今回のテーマは、昨夏に新型コロナ感染拡大の影響で開催中止とした教室と同じです。
◇料理・スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室(京都)」
♪テーマ:「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」
◆日時: 2023年8月21日(月) 11:30~15:30頃 ※開場・受付は11:15~
◆会場: あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室
〒600-8813 京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
http://www.kyo-ajiwaikan.com/access
♪講師: 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者(当会アドバイザー)
◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円
◆定員・対象: 16名様 ・一般(18歳以上)
◆当日の流れ: レシピ説明・デモ→ 実習 → 試食 → 片付け後、解散
◆ご持参いただくもの:
エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具
◆お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
◆お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
◆お申し込み方法:
★賛助会員の方: 事務局へメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会+教室参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会等出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「8/21京都料理教室、参加希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、教室参加ご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/cooking
◆その他
・予約制です。当日参加はできません。
・お申し込み後、キャンセルされる場合は、8月17日(木)までにご連絡ください。
8月18日(金)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。
・調理実習室内は土足不可のため、会場に設置されたスリッパにお履き替えください。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。
・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
2023年8月21日(月)に京都で、日本糖質制限医療推進協会主催の料理教室、
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室」を開催します。
講師は、管理栄養士の佐々木栄子さん(ローカーボクラブ代表/
日本糖質制限医療推進協会アドバイザー)です。
佐々木栄子さんは2017年に、著書『糖質オフのやせる「おきかえ」レシピ』を
PHP研究所より出版されました。
こちらの書籍は、私が監修し、解説を執筆しております。
生協会員の方向けの限定販売で、一般書店では販売していませんが、
PHP研究所さんのサイト(※)から直接ご購入いただけます。
※ http://www.php.co.jp/family/detail.php?id=83505
2019年11月末以来の久しぶりの料理教室開催です。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」だそうです。
新たなジャンルでの低糖質レシピ、乞うご期待です(^^)/
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
2023年8月21日(月)に京都で、管理栄養士の佐々木栄子先生による、低糖質料理教室を開催いたします。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」です。
メインは、ボリューム感のある、エスニックなご飯ものを低糖質で。
サブは、たんぱく質、ビタミン、食物繊維が効率良く摂れる、アジアン風おかずスープを。
デザートは、混ぜるだけで簡単だけれど本格派の、低糖質イタリアンドルチェをご紹介します。
お手頃価格の食材で、日々の食事に役立つ低糖質メニューを学べる教室です。
糖質制限食のレパートリーを増やしたい、マンネリおかずを解消したい、そんな方にもおすすめです。
関西にお住まいの方をはじめ、皆さまのご参加をお待ちしております。
*今回のテーマは、昨夏に新型コロナ感染拡大の影響で開催中止とした教室と同じです。
◇料理・スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室(京都)」
♪テーマ:「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」
◆日時: 2023年8月21日(月) 11:30~15:30頃 ※開場・受付は11:15~
◆会場: あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室
〒600-8813 京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
http://www.kyo-ajiwaikan.com/access
♪講師: 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者(当会アドバイザー)
◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円
◆定員・対象: 16名様 ・一般(18歳以上)
◆当日の流れ: レシピ説明・デモ→ 実習 → 試食 → 片付け後、解散
◆ご持参いただくもの:
エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具
◆お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
◆お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
◆お申し込み方法:
★賛助会員の方: 事務局へメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会+教室参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会等出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「8/21京都料理教室、参加希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、教室参加ご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/cooking
◆その他
・予約制です。当日参加はできません。
・お申し込み後、キャンセルされる場合は、8月17日(木)までにご連絡ください。
8月18日(金)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。
・調理実習室内は土足不可のため、会場に設置されたスリッパにお履き替えください。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。
・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
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