2023年07月30日 (日)
おはようございます。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
【医師が教える】
スポーツドリンクや経口補水液が熱中症予防に“NG”なワケ
https://diamond.jp/articles/-/326977
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.5 3:35
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.7.30 3:29
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
死と隣り合わせの熱中症
【前回】からの続き 日本はどうやらすっかり亜熱帯化したようで、真夏には35度を超える猛暑日も増えてきました。
そうなると心配になるのが熱中症です。
消防庁は、猛暑だった2018年8月の熱中症による救急搬送者数は全国で3万410人に上り、
統計を取り始めた08年以降8月としては過去最高だったと発表しました。
搬送直後に20人の死亡が確認されています。
家の中でも熱中症に注意
スポーツドリンクや経口補水液が
熱中症予防にNGなワケ
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
【医師が教える】
スポーツドリンクや経口補水液が熱中症予防に“NG”なワケ
https://diamond.jp/articles/-/326977
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.8.5 3:35
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.7.30 3:29
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
死と隣り合わせの熱中症
【前回】からの続き 日本はどうやらすっかり亜熱帯化したようで、真夏には35度を超える猛暑日も増えてきました。
そうなると心配になるのが熱中症です。
消防庁は、猛暑だった2018年8月の熱中症による救急搬送者数は全国で3万410人に上り、
統計を取り始めた08年以降8月としては過去最高だったと発表しました。
搬送直後に20人の死亡が確認されています。
家の中でも熱中症に注意
スポーツドリンクや経口補水液が
熱中症予防にNGなワケ
2023年07月29日 (土)
こんばんは。
少し前ですが、2021年4月12日、
2型糖尿病におけるインスリン抵抗性がアルツハイマー病脳の
アミロイド蓄積を促進するメカニズムを解明
https://www.amed.go.jp/news/release_20190412.html
と題して、東京大学からプレスリリースが行われました。
インスリン抵抗性がアルツハイマー病脳のアミロイド蓄積を促進させるというおはなしですが、
2023/7/25(火)の本ブログ記事にて、
ヒトにおけるインスリン抵抗性の元凶は、
「糖質の頻回過剰摂取とインスリンの頻回過剰分泌」
であることを説明しました。
今回の東大のプレスリリースは、アルツハイマー病マウスによる実験ですが、
ヒトのアルツハイマー病発症に関してもおおいに参考になる内容です。
インスリン抵抗性があると、アルツハイマー病の病因タンパク質「アミロイドβ」が、
脳内の除去速度低下により蓄積増加を引き起こすとのことです。
そして、その作用は食事制限で可逆的に改善されるそうです。
マウスの主食は穀物と果物なので、
高脂肪食を食べさせるとインスリン抵抗性が誘発されます。
マスス本来の主食の穀物や果物に食事を戻せば、インスリン抵抗性も改善します。
ヒトは雑食ですが、少なくとも700万年間は穀物は摂取していません。
人類として穀物摂取開始は農耕開始の1万年前からに過ぎません。
700万年間、食べたことのなかった穀物をいきなり1万年前から主食として
食べるようになったのですから、身体が適応するのは大変だったと思います。
しかし、この頃は豊富な運動量があったので、筋肉細胞や脂肪細胞の表面には
日常的にGLUT4(糖輸送体4)が存在していて、
インスリンの追加分泌なしで血糖を取り込めていたものと考えられます。
そして、現代は穀物摂取は相変わらず多いにも関わらず、
運動量が極端に不足しています。
そのため穀物や穀物製品摂取のたびに血糖値が上昇し、
追加分泌インスリンが大量に分泌されて初めてGLUT4が細胞表面に移動し血糖を取り込みます。
糖質摂取とインスリン分泌により内臓脂肪が蓄積して、その結果インスリン抵抗性を生じてきます。
インスリン抵抗性があれば、脳内の「アミロイドβ」の除去速度が低下し、
マウスでもヒトでも脳内に「アミロイドβ」タンパク質が
蓄積していき、アルツハイマー病の発症に繋がるのです。
江部康二
☆☆☆
2型糖尿病におけるインスリン抵抗性がアルツハイマー病脳の
アミロイド蓄積を促進するメカニズムを解明
https://www.amed.go.jp/news/release_20190412.html
発表者
若林 朋子(東京大学大学院医学系研究科 認知症先進予防治療学寄付講座 特任助教)
山口 一樹(東京大学大学院医学系研究科 修士課程2年生(研究当時))
松井 健太郎(東京大学大学院医学系研究科 博士課程4年生(研究当時)
岩坪 威(東京大学大学院医学系研究科 脳神経医学専攻 神経病理学分野 教授)
発表のポイント
・ 代謝負荷に伴うインスリン抵抗性が、アルツハイマー病の病因タンパク質「Aβ」の脳内の除去速度低下による蓄積増加を引き起こすこと、その作用は食事制限で可逆的に改善されることを明らかにしました。
・ インスリンシグナルの障害そのものではなく、インスリン抵抗性の要因となる代謝負荷によ る細胞ストレスが、アルツハイマー病のアミロイド病態の進行に影響する可能性を示しました。
・ 2型糖尿病がアルツハイマー病発症のリスクとなることは広く知られてきましたが、 その背後にあるメカニズムの一端を解明し、予防・治療法創出に向けた新たな標的を明らかにしました。
発表概要
アルツハイマー病(AD)は老年期の認知症として最も頻度の高い疾患です。
AD患者の脳に特徴的な病理変化として、アミロイドβペプチド(Aβ)からなる老人斑(注1)があり、
Aβの蓄積はAD発症の原因であると考えられています。
近年、2型糖尿病がAD発症のリスクとなることが明らかになっています。
特に、2型糖尿病の中心的な病態であるインスリン抵抗性(注2)が
ADの発症を促す可能性が予測されてきました。
しかし、インスリンシグナルの変化とAβの蓄積との因果関係は未解明でした。
東京大学大学院医学系研究科の岩坪威教授らの研究グループは、脳にAβの蓄積を生じるADモデルマウスを用い、高脂肪食により誘発されたインスリン抵抗性と、インスリンシグナルの鍵分子であるIRS-2(注3)の欠損に伴うインスリン抵抗性による影響を比較、解析しました。
その結果、インスリンの作用低下そのものではなく、インスリン抵抗性発症の要因となる代謝ストレスが、
Aβの脳内の除去速度を低下させ、結果として蓄積を促進することを示しました。
また、食事制限により、脳のAβ蓄積は可逆的に抑制できることを明らかにしました。
2型糖尿病がAD発症のリスクとなることは広く知られてきましたが、
本研究はその背後にあるメカニズムの一端を解明し、
未だ確立していないADの治療法創出に向け、新たな標的を明らかにしました。
本研究は日本医療研究開発機構(AMED)の脳科学研究戦略推進プログラム「新機軸アミロイド仮説に基づくアルツハイマー病の包括的治療開発」の支援を受け、東京大学医学部附属病院・門脇孝特任教授、窪田直人准教授らとの共同研究により行われ、4月12日にMolecular Neurodegeneration誌に発表されます。
少し前ですが、2021年4月12日、
2型糖尿病におけるインスリン抵抗性がアルツハイマー病脳の
アミロイド蓄積を促進するメカニズムを解明
https://www.amed.go.jp/news/release_20190412.html
と題して、東京大学からプレスリリースが行われました。
インスリン抵抗性がアルツハイマー病脳のアミロイド蓄積を促進させるというおはなしですが、
2023/7/25(火)の本ブログ記事にて、
ヒトにおけるインスリン抵抗性の元凶は、
「糖質の頻回過剰摂取とインスリンの頻回過剰分泌」
であることを説明しました。
今回の東大のプレスリリースは、アルツハイマー病マウスによる実験ですが、
ヒトのアルツハイマー病発症に関してもおおいに参考になる内容です。
インスリン抵抗性があると、アルツハイマー病の病因タンパク質「アミロイドβ」が、
脳内の除去速度低下により蓄積増加を引き起こすとのことです。
そして、その作用は食事制限で可逆的に改善されるそうです。
マウスの主食は穀物と果物なので、
高脂肪食を食べさせるとインスリン抵抗性が誘発されます。
マスス本来の主食の穀物や果物に食事を戻せば、インスリン抵抗性も改善します。
ヒトは雑食ですが、少なくとも700万年間は穀物は摂取していません。
人類として穀物摂取開始は農耕開始の1万年前からに過ぎません。
700万年間、食べたことのなかった穀物をいきなり1万年前から主食として
食べるようになったのですから、身体が適応するのは大変だったと思います。
しかし、この頃は豊富な運動量があったので、筋肉細胞や脂肪細胞の表面には
日常的にGLUT4(糖輸送体4)が存在していて、
インスリンの追加分泌なしで血糖を取り込めていたものと考えられます。
そして、現代は穀物摂取は相変わらず多いにも関わらず、
運動量が極端に不足しています。
そのため穀物や穀物製品摂取のたびに血糖値が上昇し、
追加分泌インスリンが大量に分泌されて初めてGLUT4が細胞表面に移動し血糖を取り込みます。
糖質摂取とインスリン分泌により内臓脂肪が蓄積して、その結果インスリン抵抗性を生じてきます。
インスリン抵抗性があれば、脳内の「アミロイドβ」の除去速度が低下し、
マウスでもヒトでも脳内に「アミロイドβ」タンパク質が
蓄積していき、アルツハイマー病の発症に繋がるのです。
江部康二
☆☆☆
2型糖尿病におけるインスリン抵抗性がアルツハイマー病脳の
アミロイド蓄積を促進するメカニズムを解明
https://www.amed.go.jp/news/release_20190412.html
発表者
若林 朋子(東京大学大学院医学系研究科 認知症先進予防治療学寄付講座 特任助教)
山口 一樹(東京大学大学院医学系研究科 修士課程2年生(研究当時))
松井 健太郎(東京大学大学院医学系研究科 博士課程4年生(研究当時)
岩坪 威(東京大学大学院医学系研究科 脳神経医学専攻 神経病理学分野 教授)
発表のポイント
・ 代謝負荷に伴うインスリン抵抗性が、アルツハイマー病の病因タンパク質「Aβ」の脳内の除去速度低下による蓄積増加を引き起こすこと、その作用は食事制限で可逆的に改善されることを明らかにしました。
・ インスリンシグナルの障害そのものではなく、インスリン抵抗性の要因となる代謝負荷によ る細胞ストレスが、アルツハイマー病のアミロイド病態の進行に影響する可能性を示しました。
・ 2型糖尿病がアルツハイマー病発症のリスクとなることは広く知られてきましたが、 その背後にあるメカニズムの一端を解明し、予防・治療法創出に向けた新たな標的を明らかにしました。
発表概要
アルツハイマー病(AD)は老年期の認知症として最も頻度の高い疾患です。
AD患者の脳に特徴的な病理変化として、アミロイドβペプチド(Aβ)からなる老人斑(注1)があり、
Aβの蓄積はAD発症の原因であると考えられています。
近年、2型糖尿病がAD発症のリスクとなることが明らかになっています。
特に、2型糖尿病の中心的な病態であるインスリン抵抗性(注2)が
ADの発症を促す可能性が予測されてきました。
しかし、インスリンシグナルの変化とAβの蓄積との因果関係は未解明でした。
東京大学大学院医学系研究科の岩坪威教授らの研究グループは、脳にAβの蓄積を生じるADモデルマウスを用い、高脂肪食により誘発されたインスリン抵抗性と、インスリンシグナルの鍵分子であるIRS-2(注3)の欠損に伴うインスリン抵抗性による影響を比較、解析しました。
その結果、インスリンの作用低下そのものではなく、インスリン抵抗性発症の要因となる代謝ストレスが、
Aβの脳内の除去速度を低下させ、結果として蓄積を促進することを示しました。
また、食事制限により、脳のAβ蓄積は可逆的に抑制できることを明らかにしました。
2型糖尿病がAD発症のリスクとなることは広く知られてきましたが、
本研究はその背後にあるメカニズムの一端を解明し、
未だ確立していないADの治療法創出に向け、新たな標的を明らかにしました。
本研究は日本医療研究開発機構(AMED)の脳科学研究戦略推進プログラム「新機軸アミロイド仮説に基づくアルツハイマー病の包括的治療開発」の支援を受け、東京大学医学部附属病院・門脇孝特任教授、窪田直人准教授らとの共同研究により行われ、4月12日にMolecular Neurodegeneration誌に発表されます。
2023年07月28日 (金)
こんばんは。
私は、52歳で糖尿病を発症し、即スーパー糖質制限食を開始しました。、
そして73歳現在まで21年間、継続しています。
その結果、虫歯はゼロで、歯は全て残っています。
正確には20才のとき、右の奥歯に虫歯ができて1回だけ治療して、アマルガムが詰めてあり、
それが53年間、そのままもっています。
学生時代は甘いものはそんなに食べていなかったのですが、チョコレートだけは大好きで毎日のように食べていました。
20才時唯一の虫歯は、きっとチョコレート印です。( ̄_ ̄|||)
毎年、一回の歯の健診では、歯周症もなしで、歯医者さんには、「花丸です!!」とお誉めの言葉をいただいています。(⌒o⌒)v
歯垢は少しついていて、今後も年に1回くらい歯医者さんにいこうと思います。
スーパ糖質制限食を実践中ですが、野菜にも糖質は含まれており、歯垢がゼロというわけにはいかないようです。
さて、虫歯と歯周病は、歯を失う二大原因です。
ただし要因となる細菌は虫歯菌と歯周病菌とは全く別物で、虫歯を引き起こすのはミュータンス菌です。
ミュータンス菌が酸を出すことで歯が溶かされ、進行すると象牙質や神経まで虫歯に侵されます。
虫歯は歯の病気で、歯周病同様にプラークや歯石に潜む細菌によって引き起こされます。
歯周病は、文字どおり歯の周りの病気であって歯の病気ではなく、正確には歯肉の病気です。
歯周病には、歯周病原菌といわれる細菌が関わっていると考えられています。
慢性的な歯周病では、ポルフィノモナス・ジンジバリス、トレポネーマ・デンティコーラ、タンネレラ・フォーサイセンシスの3種類の菌が多くみられます。
これらの菌は「レッド・コンプレックス(red complex)」と呼ばれ最も悪さをします。
プラークや歯石に潜む歯周病原菌に感染することで歯肉に炎症を起こし、歯周病を発症します。
さらに進行すると顎の骨を溶かしていき、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
つまり、同じ口腔内の病気でも症状が起こる箇所に違いがあり、歯周病は歯肉、虫歯は歯に症状があらわれるのです。
これが歯周病と虫歯の根本的な違いです。
虫歯も歯周症も、最大の原因はプラーク(歯垢)です。
プラークはただの食べカスではなく、生きた細菌の塊です。
歯垢中の細菌は、食物中の糖質を栄養源にしてどんどん増えていきます。
プラークコントロールをせずに放置すると、細菌が糖質を分解して作り出す酸や毒素で虫歯や歯周病が発症します。
逆に言えば糖質制限食なら、プラークは激減します。
私は、2002年6月から糖質制限食を実践していますが、
糖質摂取ありの時代に比べると歯垢が本当に少なくなりました。
糖質制限食で細菌の餌がなくなり、兵糧責めで繁殖できないので歯垢も激減したものと考えられます。
もともと歯は丈夫な方でしたが、糖質を食べていた頃は歯垢は結構できやすい方で、
毎年1回、歯医者さんに、たっぷり溜まった歯石を取ってもらってました。
1年間でこんなにできるのかというくらい、カチカチの歯石が沢山取れたものでした。
歯垢に唾液中のカルシウムが結びついて歯石になります。
従って、歯垢ができなくなったら歯石も激減します。
勿論、最低限のプラークコントロールというか、
超音波歯ブラシと歯間ブラシで朝1回、3分間くらいの手入れと、食後は通常の歯磨きを30秒くらいはしています。
ブログ読者の 糖質セイゲニストの皆さん、如何でしょう?
糖質摂取ありの頃に比し歯垢は減りましたか?
糖尿人は歯周症を起こしやすいことが知られています。
また、歯周症があると糖尿病が悪化しやすいのです。
糖尿病→血糖コントロール不良→歯周症発症→糖尿病悪化・・・ という悪循環パターンですね。
糖質制限食なら、血糖コントロールは良好となり、プラークも減って歯周症や虫歯の予防となり、
まさに一石二鳥どころか、一石三鳥ですね。
糖尿人の御同輩、糖質制限食で歯垢を減らして、
最低限のプラークコントロールも実施して歯周病や虫歯予防を目指しましょう。
江部康二
私は、52歳で糖尿病を発症し、即スーパー糖質制限食を開始しました。、
そして73歳現在まで21年間、継続しています。
その結果、虫歯はゼロで、歯は全て残っています。
正確には20才のとき、右の奥歯に虫歯ができて1回だけ治療して、アマルガムが詰めてあり、
それが53年間、そのままもっています。
学生時代は甘いものはそんなに食べていなかったのですが、チョコレートだけは大好きで毎日のように食べていました。
20才時唯一の虫歯は、きっとチョコレート印です。( ̄_ ̄|||)
毎年、一回の歯の健診では、歯周症もなしで、歯医者さんには、「花丸です!!」とお誉めの言葉をいただいています。(⌒o⌒)v
歯垢は少しついていて、今後も年に1回くらい歯医者さんにいこうと思います。
スーパ糖質制限食を実践中ですが、野菜にも糖質は含まれており、歯垢がゼロというわけにはいかないようです。
さて、虫歯と歯周病は、歯を失う二大原因です。
ただし要因となる細菌は虫歯菌と歯周病菌とは全く別物で、虫歯を引き起こすのはミュータンス菌です。
ミュータンス菌が酸を出すことで歯が溶かされ、進行すると象牙質や神経まで虫歯に侵されます。
虫歯は歯の病気で、歯周病同様にプラークや歯石に潜む細菌によって引き起こされます。
歯周病は、文字どおり歯の周りの病気であって歯の病気ではなく、正確には歯肉の病気です。
歯周病には、歯周病原菌といわれる細菌が関わっていると考えられています。
慢性的な歯周病では、ポルフィノモナス・ジンジバリス、トレポネーマ・デンティコーラ、タンネレラ・フォーサイセンシスの3種類の菌が多くみられます。
これらの菌は「レッド・コンプレックス(red complex)」と呼ばれ最も悪さをします。
プラークや歯石に潜む歯周病原菌に感染することで歯肉に炎症を起こし、歯周病を発症します。
さらに進行すると顎の骨を溶かしていき、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。
つまり、同じ口腔内の病気でも症状が起こる箇所に違いがあり、歯周病は歯肉、虫歯は歯に症状があらわれるのです。
これが歯周病と虫歯の根本的な違いです。
虫歯も歯周症も、最大の原因はプラーク(歯垢)です。
プラークはただの食べカスではなく、生きた細菌の塊です。
歯垢中の細菌は、食物中の糖質を栄養源にしてどんどん増えていきます。
プラークコントロールをせずに放置すると、細菌が糖質を分解して作り出す酸や毒素で虫歯や歯周病が発症します。
逆に言えば糖質制限食なら、プラークは激減します。
私は、2002年6月から糖質制限食を実践していますが、
糖質摂取ありの時代に比べると歯垢が本当に少なくなりました。
糖質制限食で細菌の餌がなくなり、兵糧責めで繁殖できないので歯垢も激減したものと考えられます。
もともと歯は丈夫な方でしたが、糖質を食べていた頃は歯垢は結構できやすい方で、
毎年1回、歯医者さんに、たっぷり溜まった歯石を取ってもらってました。
1年間でこんなにできるのかというくらい、カチカチの歯石が沢山取れたものでした。
歯垢に唾液中のカルシウムが結びついて歯石になります。
従って、歯垢ができなくなったら歯石も激減します。
勿論、最低限のプラークコントロールというか、
超音波歯ブラシと歯間ブラシで朝1回、3分間くらいの手入れと、食後は通常の歯磨きを30秒くらいはしています。
ブログ読者の 糖質セイゲニストの皆さん、如何でしょう?
糖質摂取ありの頃に比し歯垢は減りましたか?
糖尿人は歯周症を起こしやすいことが知られています。
また、歯周症があると糖尿病が悪化しやすいのです。
糖尿病→血糖コントロール不良→歯周症発症→糖尿病悪化・・・ という悪循環パターンですね。
糖質制限食なら、血糖コントロールは良好となり、プラークも減って歯周症や虫歯の予防となり、
まさに一石二鳥どころか、一石三鳥ですね。
糖尿人の御同輩、糖質制限食で歯垢を減らして、
最低限のプラークコントロールも実施して歯周病や虫歯予防を目指しましょう。
江部康二
2023年07月27日 (木)
【23/07/26月詠の巫女
糖尿人の血糖値ピークいつも有用な情報ありがとうございます。
私は糖質制限を続けて8年ほどの糖尿人で、糖質1gに対し血糖が2~3mg/dlほど上がります。
肥満ではなくインスリン分泌不足のれっきとした糖尿人という自覚があります。(^^;)
糖質制限でHbA1cは5.9~6.1で維持しています。
SMBGも続けていて、この中でわかったことなのですが、
最近血糖値のピークが前倒しになってきているのです。
以前は1時間半から2時間後に血糖値のピークがあったものが、
最近1時間値がピークになってきています。
食事内容も運動も変わっていないのになぜなんだろう???と不思議です。
糖尿人は正常の人に比べ、ピークが遅くなる傾向ありますが、
ピークが早い時間になったからと言って
別に糖尿病が治ってきたわけでもないらしく(治りませんけど)ピークの値そのものに変化はありません。
できるだけピークを160までに抑えるよう努力していますが、
変化の意味が解るともっとコントロールしやすいな~と感じる次第です。
体質の変化でしょうか?また、よくあることなのでしょうか?
個体差のあることではありますが、何かヒントを戴けたらと思います。
よろしくお願いします。】
こんにちは。月詠の巫女 さんから
興味深いコメントを頂きました。
【最近血糖値のピークが前倒しになってきているのです。
以前は1時間半から2時間後に血糖値のピークがあったものが、
最近1時間値がピークになってきています。】
これはとても良いことです。
8年間の糖質制限食の実践で
耐糖能が、改善した可能性が高いです。
耐糖能が良いほど食後血糖値のピークが短くなることがわかっています。
それでは
健常者および糖尿人における食後血糖値のピーク時間は、何時なのでしょうか?
答えは、
1)耐糖能正常者24名の食後血糖値のピークは、40分から50分
2)HbA1c8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピーク
3)HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピーク
です。
ピークが、後にずれるほど、耐糖能が良くないと言えるようです。
上記データは慈恵医科大学の西村理明氏の研究結果です。(*)
西村氏はCGMを駆使して血糖の変動を研究しています。
例えば、耐糖能正常者の24人を調べたところ、朝食後、昼食後、夕食後ともに血糖のピークは、40分から50分の時間帯に収まっていました。
西村氏は、
「スクリーニングの観点では、食後1時間の血糖値を見るのが重要なのは明らか」
とこれまでの検討から考えています。
さらに、治療目標の観点から、糖尿病患者の血糖変化も検証しています。
その結果、HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピークがあったものの、8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピークがありました。
西村氏は、「管理目標として考える場合にも食後1時間をめどに血糖を測定するのが重要」としています。
現在、75gブドウ糖負荷試験では、負荷後2時間値で評価しています。
一方、IDF(国際糖尿病連合)の指針は2011年に改訂され、
「食後高血糖の目標値は食後の時間にかかわらず、160mg/dL未満にする」
と変更されました。
今後、食後2時間血糖値ではなく、食後1時間血糖値による評価が、糖尿病の早期発見には、有用である可能性が高まりました。
私も、糖質制限食を推進する立場としては、
食後1時間血糖値を、IDFの目標のように、160mg/dl未満を目指すのが良いと思います。
スーパー糖質制限食なら、ほとんどの2型糖尿病患者においてそれが可能となります。
(*)
m3.com
https://www.m3.com/clinical/sanpiryoron/152762
食後血糖値、1時間か2時間か?
江部康二
糖尿人の血糖値ピークいつも有用な情報ありがとうございます。
私は糖質制限を続けて8年ほどの糖尿人で、糖質1gに対し血糖が2~3mg/dlほど上がります。
肥満ではなくインスリン分泌不足のれっきとした糖尿人という自覚があります。(^^;)
糖質制限でHbA1cは5.9~6.1で維持しています。
SMBGも続けていて、この中でわかったことなのですが、
最近血糖値のピークが前倒しになってきているのです。
以前は1時間半から2時間後に血糖値のピークがあったものが、
最近1時間値がピークになってきています。
食事内容も運動も変わっていないのになぜなんだろう???と不思議です。
糖尿人は正常の人に比べ、ピークが遅くなる傾向ありますが、
ピークが早い時間になったからと言って
別に糖尿病が治ってきたわけでもないらしく(治りませんけど)ピークの値そのものに変化はありません。
できるだけピークを160までに抑えるよう努力していますが、
変化の意味が解るともっとコントロールしやすいな~と感じる次第です。
体質の変化でしょうか?また、よくあることなのでしょうか?
個体差のあることではありますが、何かヒントを戴けたらと思います。
よろしくお願いします。】
こんにちは。月詠の巫女 さんから
興味深いコメントを頂きました。
【最近血糖値のピークが前倒しになってきているのです。
以前は1時間半から2時間後に血糖値のピークがあったものが、
最近1時間値がピークになってきています。】
これはとても良いことです。
8年間の糖質制限食の実践で
耐糖能が、改善した可能性が高いです。
耐糖能が良いほど食後血糖値のピークが短くなることがわかっています。
それでは
健常者および糖尿人における食後血糖値のピーク時間は、何時なのでしょうか?
答えは、
1)耐糖能正常者24名の食後血糖値のピークは、40分から50分
2)HbA1c8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピーク
3)HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピーク
です。
ピークが、後にずれるほど、耐糖能が良くないと言えるようです。
上記データは慈恵医科大学の西村理明氏の研究結果です。(*)
西村氏はCGMを駆使して血糖の変動を研究しています。
例えば、耐糖能正常者の24人を調べたところ、朝食後、昼食後、夕食後ともに血糖のピークは、40分から50分の時間帯に収まっていました。
西村氏は、
「スクリーニングの観点では、食後1時間の血糖値を見るのが重要なのは明らか」
とこれまでの検討から考えています。
さらに、治療目標の観点から、糖尿病患者の血糖変化も検証しています。
その結果、HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピークがあったものの、8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピークがありました。
西村氏は、「管理目標として考える場合にも食後1時間をめどに血糖を測定するのが重要」としています。
現在、75gブドウ糖負荷試験では、負荷後2時間値で評価しています。
一方、IDF(国際糖尿病連合)の指針は2011年に改訂され、
「食後高血糖の目標値は食後の時間にかかわらず、160mg/dL未満にする」
と変更されました。
今後、食後2時間血糖値ではなく、食後1時間血糖値による評価が、糖尿病の早期発見には、有用である可能性が高まりました。
私も、糖質制限食を推進する立場としては、
食後1時間血糖値を、IDFの目標のように、160mg/dl未満を目指すのが良いと思います。
スーパー糖質制限食なら、ほとんどの2型糖尿病患者においてそれが可能となります。
(*)
m3.com
https://www.m3.com/clinical/sanpiryoron/152762
食後血糖値、1時間か2時間か?
江部康二
2023年07月25日 (火)
こんにちは。
「インスリン分泌不足」と「インスリン抵抗性」が合わさって
「インスリン作用不足」を来して、糖尿病を発症します。
インスリン分泌不足というのは、まあ、わかりやすいですね。
一方、インスリン抵抗性というのは、何だかよくわからない概念です。
今回は、インスリン抵抗性について考察してみます。
まず以下の青字は、厚生労働省(e-ヘルスネット)のインスリン抵抗性の解説です。
【インスリン抵抗性 e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-012.html
インスリンに対する感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態。
血糖(ブドウ糖)のレベルは膵(すい)臓から分泌されるインスリンによって調節されています。
インスリンは標的臓器(骨格筋・脂肪組織・肝臓)に作用し、糖の吸収を促す働きを有するホルモンです。
インスリン抵抗性とは簡単にいうと「インスリンの効き具合」を意味します。
つまり膵臓からインスリンが血中に分泌されているにもかかわらず、標的臓器のインスリンに対する感受性が低下し、
その作用が鈍くなっている状態を意味しています。
インスリン抵抗性があると、筋や脂肪組織の糖取り込み能が低下し、肝臓では糖新生が抑えられなくなります。
その結果、血糖値が下がりにくくなり、血糖値を正常状態に戻すためにより多くのインスリンが必要となってしまいます。
この状態が続くと膵臓のインスリン分泌機能が低下し、血糖値が上昇するためにⅡ型糖尿病を引き起こすといわれています。
一般に、こうしたインスリン抵抗性が出てくる原因としては、下記が関連していると考えられます。
遺伝
肥満
運動不足
高脂肪食
ストレス 】
わかりやすい解説と思います。
インスリン抵抗性があると、当初は血糖値を正常状態に戻すためにより多くのインスリンを分泌して代償するので、
高インスリン血症となります。
インスリンは肥満ホルモンの別名があり、高インスリン血症だと大変肥満しやすくなり
悪循環となります。
<肥満⇒インスリン抵抗性⇒高インスリン血症⇒肥満増強⇒インスリン抵抗性悪化⇒>
一旦、この悪循環パターンに入ると、通常のカロリー制限・高糖質食では、
なかなか脱却することは困難です。
そもそもこの悪循環の前段階があるのです。
<糖質の頻回過剰摂取⇒インスリンの頻回過剰分泌⇒内蔵脂肪蓄積⇒悪玉ホルモン分泌⇒肥満・高血圧・高血糖・インスリン抵抗性・狭心症誘発⇒メタボリック症候群>
というパターンです。
つまり、インスリン抵抗性・高血糖・高インスリン血症・肥満・メタボなどの、
原初の始まりは、『糖質の頻回過剰摂取』ということとなります。
そうなれば、解決法はシンプルであり、しかも極めて有効です。
すなわち糖質制限食の実践です。
糖質の摂取を制限すれば、インスリンの過剰分泌・内臓脂肪蓄積・悪玉ホルモン分泌が
たちどころに解消されるので、肥満やメタボやインスリン抵抗性も改善されます。
そうなれば、インスリンを大量に分泌して、代償する必要はなくなるので、
高インスリン血症も改善します。
e-ヘルスネットのいうインスリン抵抗性関連要因は以下です。
遺伝
肥満
運動不足
高脂肪食
ストレス
このうち、遺伝と運動不足とストレスに関しては同感です。
しかし、高脂肪食に関してはe-ヘルスネットの見解は、
誤解であり、上述の如く高糖質食こそが真犯人です。
肥満に関しても、上述の如く高糖質食こそが真犯人です。
糖質制限食(高脂肪・高タンパク・低糖質食)だけが、
インスリン抵抗性、高インスリン血症、肥満・メタボを解決できる唯一の
食事療法なのです。
読者の皆さん、インスリン抵抗性・肥満・高インスリン血症・メタボなどある人は、
是非糖質制限食実践で解決を目指しましょう。
これらがない方々も、糖質制限食実践で健康長寿を目指しましょう。
江部康二
「インスリン分泌不足」と「インスリン抵抗性」が合わさって
「インスリン作用不足」を来して、糖尿病を発症します。
インスリン分泌不足というのは、まあ、わかりやすいですね。
一方、インスリン抵抗性というのは、何だかよくわからない概念です。
今回は、インスリン抵抗性について考察してみます。
まず以下の青字は、厚生労働省(e-ヘルスネット)のインスリン抵抗性の解説です。
【インスリン抵抗性 e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-012.html
インスリンに対する感受性が低下し、インスリンの作用が十分に発揮できない状態。
血糖(ブドウ糖)のレベルは膵(すい)臓から分泌されるインスリンによって調節されています。
インスリンは標的臓器(骨格筋・脂肪組織・肝臓)に作用し、糖の吸収を促す働きを有するホルモンです。
インスリン抵抗性とは簡単にいうと「インスリンの効き具合」を意味します。
つまり膵臓からインスリンが血中に分泌されているにもかかわらず、標的臓器のインスリンに対する感受性が低下し、
その作用が鈍くなっている状態を意味しています。
インスリン抵抗性があると、筋や脂肪組織の糖取り込み能が低下し、肝臓では糖新生が抑えられなくなります。
その結果、血糖値が下がりにくくなり、血糖値を正常状態に戻すためにより多くのインスリンが必要となってしまいます。
この状態が続くと膵臓のインスリン分泌機能が低下し、血糖値が上昇するためにⅡ型糖尿病を引き起こすといわれています。
一般に、こうしたインスリン抵抗性が出てくる原因としては、下記が関連していると考えられます。
遺伝
肥満
運動不足
高脂肪食
ストレス 】
わかりやすい解説と思います。
インスリン抵抗性があると、当初は血糖値を正常状態に戻すためにより多くのインスリンを分泌して代償するので、
高インスリン血症となります。
インスリンは肥満ホルモンの別名があり、高インスリン血症だと大変肥満しやすくなり
悪循環となります。
<肥満⇒インスリン抵抗性⇒高インスリン血症⇒肥満増強⇒インスリン抵抗性悪化⇒>
一旦、この悪循環パターンに入ると、通常のカロリー制限・高糖質食では、
なかなか脱却することは困難です。
そもそもこの悪循環の前段階があるのです。
<糖質の頻回過剰摂取⇒インスリンの頻回過剰分泌⇒内蔵脂肪蓄積⇒悪玉ホルモン分泌⇒肥満・高血圧・高血糖・インスリン抵抗性・狭心症誘発⇒メタボリック症候群>
というパターンです。
つまり、インスリン抵抗性・高血糖・高インスリン血症・肥満・メタボなどの、
原初の始まりは、『糖質の頻回過剰摂取』ということとなります。
そうなれば、解決法はシンプルであり、しかも極めて有効です。
すなわち糖質制限食の実践です。
糖質の摂取を制限すれば、インスリンの過剰分泌・内臓脂肪蓄積・悪玉ホルモン分泌が
たちどころに解消されるので、肥満やメタボやインスリン抵抗性も改善されます。
そうなれば、インスリンを大量に分泌して、代償する必要はなくなるので、
高インスリン血症も改善します。
e-ヘルスネットのいうインスリン抵抗性関連要因は以下です。
遺伝
肥満
運動不足
高脂肪食
ストレス
このうち、遺伝と運動不足とストレスに関しては同感です。
しかし、高脂肪食に関してはe-ヘルスネットの見解は、
誤解であり、上述の如く高糖質食こそが真犯人です。
肥満に関しても、上述の如く高糖質食こそが真犯人です。
糖質制限食(高脂肪・高タンパク・低糖質食)だけが、
インスリン抵抗性、高インスリン血症、肥満・メタボを解決できる唯一の
食事療法なのです。
読者の皆さん、インスリン抵抗性・肥満・高インスリン血症・メタボなどある人は、
是非糖質制限食実践で解決を目指しましょう。
これらがない方々も、糖質制限食実践で健康長寿を目指しましょう。
江部康二
2023年07月24日 (月)
こんにちは。
コントロールの良くない糖尿人は、大腸がんのリスクが高まります。
糖質制限食実践中に、大腸カメラをする場合、
どのようなことに注意が必要か、考えてみました。
大腸カメラ前の食事と糖質制限食については、質問もありました。
糖尿病の場合、大腸癌や大腸ポリープができやすいので、
大腸カメラの必要性は一般人より多いと思います。
もっとも、スーパー糖質制限食で、血糖コントロール良好の糖尿人は、
リスクは、高インスリン血症や高血糖がないので、
一般人と同等あるいはそれ以下かもしれませんが・・・。
1)
大腸カメラ前日の、糖質制限食の食事で注意すること
基本は、食物繊維が少ない食品なら大丈夫です。
糖質制限食定番のふすまパンは食物繊維が多いので、
残念ながら大腸カメラ前はなしですね。
それから脂肪分の膜が大腸の粘膜に残ることがあるので
脂肪の多い食品もなしです。
夕食は、20時までに済ませましょう。
野菜・海藻・果物・豆類・ナッツ類も食物繊維が多いのでNGです。
豆腐や卵製品、豆乳、湯葉、鶏肉、白身魚、鮭、
牛ヒレ肉、牛もも肉、豚ヒレ肉、豚もも肉などは、
食材として、糖質制限OKで食物繊維がなくて、脂肪も少なくてOKですね。
料理としては、
冷や奴、湯豆腐、豆腐ステーキ、鶏肉の塩コショウ焼き、
牛ヒレや豚ヒレのステーキ、白身魚の焼き物、鮭の焼き物、
味噌汁(豆腐・卵を具にする)・高野豆腐の煮物、白身魚の煮付け・・・
などは、糖質制限OKで、食物繊維も脂肪も少ないです。
ゆで卵とだし巻きは、食物繊維はないのですが、脂肪が多いのでNGです。
おやつは、ラカントカロリーゼロ飴とかカロリーゼロゼリーならOKです。
飲んで良い物は、お水です。
コーヒー・紅茶・お茶は飲んでもOKですが、
アルコールはなしのほうが無難です。
当日朝も、ブラックコーヒー1杯ていどなら大丈夫です
2)
前日と当日に実施する大腸検査の前処置
大腸の中をきれいにするために、下剤(腸管洗浄剤)を服用します。
以下の3パターンがありますが、いずれにせよ、
1.5~2リットルの水分を飲む必要があります。
a)ピコレップ
2016年8月に発売された「ピコプレップ」という腸管洗浄剤は、
これまでの腸管洗浄剤に比べ、飲む量は150mlととても少なく、
味も改善され非常に飲みやすくなっています。
ただし腎機能の悪い方には使用できまんので、別の腸管洗浄剤になります。
前日の午後7時ごろに「ピコプレップ」を服用後、
水、お茶、スポーツドリンク等を1.5リットル程度飲みます。
ピコレップの服用は検査前日夕食後150ml、
検査当日、食事はなしで、自宅または病院で午前中150mlのみです。
自宅で飲む場合は、検査の4時間前までに飲み終えるようにします。
その他は、透明な飲み物(水、お茶、ソフトドリンク、具のないコンソメスープ等)を、
1.5リットルで前処置が可能です。
下剤に抵抗がある患者さんには使用しやすいです。
b)マグコロールP
前日眠前に、プルセニド2錠などの下剤を内服します。
当日朝、朝9時30分に、マグコロールP( 液体)服用を開始しします。
用意した袋の中に水を1,800ml入れて、1時間30分かけて飲みます。
まず念のために吐き気止めのナウゼリンを1錠内服します。
次にコップにラキソベロン1本(液体)を全部入れて、
そこにマグコロールPを注いで飲み始めます。
味はポカリスエットに近い味です。
c)ビジクリア
ビジクリア・・・ 錠剤
『下剤の味がいやです』という患者さんに、おすすめです。
朝9時から開始します。
錠剤(少し大きめの薬 16×8mm)5錠を10回(計50錠)2時間30分かけて、
飲料水と共に飲みます。
一緒に飲むのはミネラルウォーター・お茶(温かいお茶でも可能)どちらでも可能です。
15分以内で、5錠を数回に分けて飲みます。
15分ごとに、10回これをを繰り返し、計10回(50錠、2 リットル)です。
「15分以内で、5錠を数回に分けて内服」×10回で終了です。
通常は3時間くらいでで、腸管の洗浄終了で、大腸カメラとなります。
前日の夜9時以降、検査が終わるまでは食事はできませんが、
お水は検査直前まで摂取可能です。
江部康二
コントロールの良くない糖尿人は、大腸がんのリスクが高まります。
糖質制限食実践中に、大腸カメラをする場合、
どのようなことに注意が必要か、考えてみました。
大腸カメラ前の食事と糖質制限食については、質問もありました。
糖尿病の場合、大腸癌や大腸ポリープができやすいので、
大腸カメラの必要性は一般人より多いと思います。
もっとも、スーパー糖質制限食で、血糖コントロール良好の糖尿人は、
リスクは、高インスリン血症や高血糖がないので、
一般人と同等あるいはそれ以下かもしれませんが・・・。
1)
大腸カメラ前日の、糖質制限食の食事で注意すること
基本は、食物繊維が少ない食品なら大丈夫です。
糖質制限食定番のふすまパンは食物繊維が多いので、
残念ながら大腸カメラ前はなしですね。
それから脂肪分の膜が大腸の粘膜に残ることがあるので
脂肪の多い食品もなしです。
夕食は、20時までに済ませましょう。
野菜・海藻・果物・豆類・ナッツ類も食物繊維が多いのでNGです。
豆腐や卵製品、豆乳、湯葉、鶏肉、白身魚、鮭、
牛ヒレ肉、牛もも肉、豚ヒレ肉、豚もも肉などは、
食材として、糖質制限OKで食物繊維がなくて、脂肪も少なくてOKですね。
料理としては、
冷や奴、湯豆腐、豆腐ステーキ、鶏肉の塩コショウ焼き、
牛ヒレや豚ヒレのステーキ、白身魚の焼き物、鮭の焼き物、
味噌汁(豆腐・卵を具にする)・高野豆腐の煮物、白身魚の煮付け・・・
などは、糖質制限OKで、食物繊維も脂肪も少ないです。
ゆで卵とだし巻きは、食物繊維はないのですが、脂肪が多いのでNGです。
おやつは、ラカントカロリーゼロ飴とかカロリーゼロゼリーならOKです。
飲んで良い物は、お水です。
コーヒー・紅茶・お茶は飲んでもOKですが、
アルコールはなしのほうが無難です。
当日朝も、ブラックコーヒー1杯ていどなら大丈夫です
2)
前日と当日に実施する大腸検査の前処置
大腸の中をきれいにするために、下剤(腸管洗浄剤)を服用します。
以下の3パターンがありますが、いずれにせよ、
1.5~2リットルの水分を飲む必要があります。
a)ピコレップ
2016年8月に発売された「ピコプレップ」という腸管洗浄剤は、
これまでの腸管洗浄剤に比べ、飲む量は150mlととても少なく、
味も改善され非常に飲みやすくなっています。
ただし腎機能の悪い方には使用できまんので、別の腸管洗浄剤になります。
前日の午後7時ごろに「ピコプレップ」を服用後、
水、お茶、スポーツドリンク等を1.5リットル程度飲みます。
ピコレップの服用は検査前日夕食後150ml、
検査当日、食事はなしで、自宅または病院で午前中150mlのみです。
自宅で飲む場合は、検査の4時間前までに飲み終えるようにします。
その他は、透明な飲み物(水、お茶、ソフトドリンク、具のないコンソメスープ等)を、
1.5リットルで前処置が可能です。
下剤に抵抗がある患者さんには使用しやすいです。
b)マグコロールP
前日眠前に、プルセニド2錠などの下剤を内服します。
当日朝、朝9時30分に、マグコロールP( 液体)服用を開始しします。
用意した袋の中に水を1,800ml入れて、1時間30分かけて飲みます。
まず念のために吐き気止めのナウゼリンを1錠内服します。
次にコップにラキソベロン1本(液体)を全部入れて、
そこにマグコロールPを注いで飲み始めます。
味はポカリスエットに近い味です。
c)ビジクリア
ビジクリア・・・ 錠剤
『下剤の味がいやです』という患者さんに、おすすめです。
朝9時から開始します。
錠剤(少し大きめの薬 16×8mm)5錠を10回(計50錠)2時間30分かけて、
飲料水と共に飲みます。
一緒に飲むのはミネラルウォーター・お茶(温かいお茶でも可能)どちらでも可能です。
15分以内で、5錠を数回に分けて飲みます。
15分ごとに、10回これをを繰り返し、計10回(50錠、2 リットル)です。
「15分以内で、5錠を数回に分けて内服」×10回で終了です。
通常は3時間くらいでで、腸管の洗浄終了で、大腸カメラとなります。
前日の夜9時以降、検査が終わるまでは食事はできませんが、
お水は検査直前まで摂取可能です。
江部康二
2023年07月23日 (日)
おはようございます。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
https://diamond.jp/articles/-/324366
【医師が教える】
「逆流性食道炎」がすぐに改善するたった1つの方法
江部康二ライフ・社会内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.7.23 4:41
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
逆流性食道炎がリアルタイムで改善
【前回】からの続き
糖質制限をすると逆流性食道炎が改善することからも、
糖質が消化されにくいことが間接的に証明されると、私は考えています。
逆流性食道炎とは、酸性の胃液やそれと混ざった食べ物が、食道に逆流して炎症を起こし、
胸やけや胸の痛みなどが生じるものです。
一般的には加齢や肥満に加えて、消化の悪い脂質やアルコールの摂りすぎが原因とされています。
しかし実際には、逆流性食道炎の症状を訴える患者さんの大半が、
糖質制限を始めた瞬間からリアルタイムで症状が軽くなります。
逆流性食道炎は糖質摂取の拒否反応?
カゼを引いたらお粥やうどんは逆効果
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
https://diamond.jp/articles/-/324366
【医師が教える】
「逆流性食道炎」がすぐに改善するたった1つの方法
江部康二ライフ・社会内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.7.23 4:41
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
逆流性食道炎がリアルタイムで改善
【前回】からの続き
糖質制限をすると逆流性食道炎が改善することからも、
糖質が消化されにくいことが間接的に証明されると、私は考えています。
逆流性食道炎とは、酸性の胃液やそれと混ざった食べ物が、食道に逆流して炎症を起こし、
胸やけや胸の痛みなどが生じるものです。
一般的には加齢や肥満に加えて、消化の悪い脂質やアルコールの摂りすぎが原因とされています。
しかし実際には、逆流性食道炎の症状を訴える患者さんの大半が、
糖質制限を始めた瞬間からリアルタイムで症状が軽くなります。
逆流性食道炎は糖質摂取の拒否反応?
カゼを引いたらお粥やうどんは逆効果
2023年07月22日 (土)
こんにちは。
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
と題して、一般の方向けの講演会を開催します。
講師は、江部康二 と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
わかりやすいお話をしたいと思っています。
私の講演は、「旧石器時代」の話がトピックになります。
ブログ読者の皆さん、是非、ご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
9月23日(土・祝)大阪市内で、「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、当会理事長の江部康二 医師と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加をお待ちしております。
また、講演会終了後には、交流会を開催いたします。こちらも奮ってご参加くださいませ。
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
◆日程:2023年9月23日(土・祝)14:15~16:30頃 ※開場・受付は、14:00~
◆会場:大阪大学中之島センター6階 セミナー室6E・6F
大阪市北区中之島4-3-53
https://www.onc.osaka-u.ac.jp/access/
◆受講費:賛助会員 2,300円 / 一般(会員の方以外)2,800円
◆内容:
・第1部
「美味しく、楽しく続けていただくために。高雄病院の糖質制限給食と栄養指導」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科
*講師より*
高雄病院では、1999年から糖質制限食の入院食を提供することとなり、当初は主食なしの献立を立てるのはなかなか大変なことで、とまどいも多かったです。
一方で、リアルタイムに改善されていく患者さんの血液データを見ることで、それまでのエネルギーコントロール食とは明らかに違うことに気づかされ、糖質制限食の威力を感じたものです。
今回は、高雄病院の糖質制限給食や栄養指導についてご紹介しつつ、糖質制限食を美味しく、楽しく実行するためにおさえておきたい初歩的なポイントと、継続していく中でよく耳にする悩みや問題点、それらに対するアドバイスや解決策についてお話ししていきます。
・第2部
「データと歴史が示す糖質制限食の有効性」
講師: 江部 康二 医師 / (一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*講師より*
血糖値を直接上昇させるのは三大栄養素のなかで、糖質だけです。
糖質の摂取を控えると、食後高血糖を防げ、良好な血糖コントロールが可能となります。
糖尿病治療には、従来の「カロリー制限食」ではなく「糖質制限食」が出番です。
しかし、糖質制限食を「極端な食事」と批判する人もおられます。本当にそうでしょうか。
日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
このように日本人は22000年間、肉を主として食べて身体を形成していったのであり、肉食に特化して適合していると言えます。
そして、スーパー糖質制限食は、この「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事」と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率です。
私も52歳での糖尿病発症以来21年間スーパー糖質制限食を続けて、内服薬・合併症なし、視力・聴力低下なし、血圧も正常で、元気な73歳を過ごしています。
今回は、日本人の食の歴史と糖質制限食の理論、糖尿病治療をはじめとする、糖質制限食の有効性と安全性について、様々な角度からお話したいと思います。
※第1部35分、第2部60分程度、最後に質疑応答を予定しております。
◇◆◇ 交流会 ◇◆◇
◆日時: 2023年9月23日(土・祝) 17:15~(2時間程度)
◆場所: ダイビル本館 1F 「ドノスティア(Donostia)」
大阪市北区中之島3-6-32 ※講演会場から徒歩3、4分
https://kcks602.gorp.jp/
◆参加費: 賛助会員 6,000円 / 一般(会員以外の方) 6,500円
◆形式など:立食 / お食事+フリードリンク
【以下大阪講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:
事務局へメールにて、参加ご希望のイベント名とご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/23大阪講演会、交流会)をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、講演会もしくは、講演会・交流会への参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日は直接各会場へお越し頂き、受付にてお名前をお伝えください。
・講演会のキャンセルは9月20日(水)までに、交流会のキャンセルは9月18日(月・祝)までに事務局へメールにてご連絡願います。
これら以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
と題して、一般の方向けの講演会を開催します。
講師は、江部康二 と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
わかりやすいお話をしたいと思っています。
私の講演は、「旧石器時代」の話がトピックになります。
ブログ読者の皆さん、是非、ご参加頂ければ、幸いです。
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
9月23日(土・祝)大阪市内で、「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」と題して、一般の方向けの講演会を開催いたします。
講師は、当会理事長の江部康二 医師と高雄病院の橋本眞由美 管理栄養士です。
関西にお住まいの方をはじめ、たくさんのご参加をお待ちしております。
また、講演会終了後には、交流会を開催いたします。こちらも奮ってご参加くださいませ。
///////////////////ご案内/////////////////////
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催 講演会(大阪)
「糖尿病歴21年の医師が語る 糖質制限食は最強の糖尿病治療法」
◆日程:2023年9月23日(土・祝)14:15~16:30頃 ※開場・受付は、14:00~
◆会場:大阪大学中之島センター6階 セミナー室6E・6F
大阪市北区中之島4-3-53
https://www.onc.osaka-u.ac.jp/access/
◆受講費:賛助会員 2,300円 / 一般(会員の方以外)2,800円
◆内容:
・第1部
「美味しく、楽しく続けていただくために。高雄病院の糖質制限給食と栄養指導」
講師: 橋本 眞由美 管理栄養士 / (一財)高雄病院 栄養科
*講師より*
高雄病院では、1999年から糖質制限食の入院食を提供することとなり、当初は主食なしの献立を立てるのはなかなか大変なことで、とまどいも多かったです。
一方で、リアルタイムに改善されていく患者さんの血液データを見ることで、それまでのエネルギーコントロール食とは明らかに違うことに気づかされ、糖質制限食の威力を感じたものです。
今回は、高雄病院の糖質制限給食や栄養指導についてご紹介しつつ、糖質制限食を美味しく、楽しく実行するためにおさえておきたい初歩的なポイントと、継続していく中でよく耳にする悩みや問題点、それらに対するアドバイスや解決策についてお話ししていきます。
・第2部
「データと歴史が示す糖質制限食の有効性」
講師: 江部 康二 医師 / (一財)高雄病院・(一社)日本糖質制限医療推進協会理事長
*講師より*
血糖値を直接上昇させるのは三大栄養素のなかで、糖質だけです。
糖質の摂取を控えると、食後高血糖を防げ、良好な血糖コントロールが可能となります。
糖尿病治療には、従来の「カロリー制限食」ではなく「糖質制限食」が出番です。
しかし、糖質制限食を「極端な食事」と批判する人もおられます。本当にそうでしょうか。
日本列島にヒトが住み始めたのは旧石器時代からです。
旧石器時代は約38000年前から16000年前までの約22000年間続きました。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、植物性の食品は乏しく漁労も未発達なため、大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・などを狩猟してとり、肉食が主であり、糖質摂取比率は10%以下だったでしょう。
このように日本人は22000年間、肉を主として食べて身体を形成していったのであり、肉食に特化して適合していると言えます。
そして、スーパー糖質制限食は、この「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事」と同等のPFC(タンパク質・脂質・糖質)比率です。
私も52歳での糖尿病発症以来21年間スーパー糖質制限食を続けて、内服薬・合併症なし、視力・聴力低下なし、血圧も正常で、元気な73歳を過ごしています。
今回は、日本人の食の歴史と糖質制限食の理論、糖尿病治療をはじめとする、糖質制限食の有効性と安全性について、様々な角度からお話したいと思います。
※第1部35分、第2部60分程度、最後に質疑応答を予定しております。
◇◆◇ 交流会 ◇◆◇
◆日時: 2023年9月23日(土・祝) 17:15~(2時間程度)
◆場所: ダイビル本館 1F 「ドノスティア(Donostia)」
大阪市北区中之島3-6-32 ※講演会場から徒歩3、4分
https://kcks602.gorp.jp/
◆参加費: 賛助会員 6,000円 / 一般(会員以外の方) 6,500円
◆形式など:立食 / お食事+フリードリンク
【以下大阪講演会・交流会共通】
■お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
■お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝え下さい。
■お申し込み方法:
★賛助会員の方:
事務局へメールにて、参加ご希望のイベント名とご参加人数をご明記の上、お申し込み下さい。
※領収書の発行をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。
★賛助会員入会をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、「通信」欄に参加ご希望のイベント名(9/23大阪講演会、交流会)をご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、講演会もしくは、講演会・交流会への参加のみご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen
■その他:
・予約制です。当日参加はできません。
・当日は直接各会場へお越し頂き、受付にてお名前をお伝えください。
・講演会のキャンセルは9月20日(水)までに、交流会のキャンセルは9月18日(月・祝)までに事務局へメールにてご連絡願います。
これら以降のご返金は対応致しかねますので、予めご了承ください。
◇弊会イベント情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
2023年07月20日 (木)
こんばんは。
2023年8月21日(月)に京都で、日本糖質制限医療推進協会主催の料理教室、
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室」
を開催します。
講師は、管理栄養士の佐々木栄子さん(ローカーボクラブ代表/
日本糖質制限医療推進協会アドバイザー)です。
佐々木栄子さんは2017年に、著書『糖質オフのやせる「おきかえ」レシピ』を
PHP研究所より出版されました。
こちらの書籍は、私が監修し、解説を執筆しております。
生協会員の方向けの限定販売で、一般書店では販売していませんが、
PHP研究所さんのサイト(※)から直接ご購入いただけます。
※ http://www.php.co.jp/family/detail.php?id=83505
2019年11月末以来の久しぶりの料理教室開催です。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」だそうです。
新たなジャンルでの低糖質レシピ、乞うご期待です(^^)/
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
2023年8月21日(月)に京都で、管理栄養士の佐々木栄子先生による、低糖質料理教室を開催いたします。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」です。
メインは、ボリューム感のある、エスニックなご飯ものを低糖質で。
サブは、たんぱく質、ビタミン、食物繊維が効率良く摂れる、アジアン風おかずスープを。
デザートは、混ぜるだけで簡単だけれど本格派の、低糖質イタリアンドルチェをご紹介します。
お手頃価格の食材で、日々の食事に役立つ低糖質メニューを学べる教室です。
糖質制限食のレパートリーを増やしたい、マンネリおかずを解消したい、そんな方にもおすすめです。
関西にお住まいの方をはじめ、皆さまのご参加をお待ちしております。
*今回のテーマは、昨夏に新型コロナ感染拡大の影響で開催中止とした教室と同じです。
◇料理・スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室(京都)」
♪テーマ:「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」
◆日時: 2023年8月21日(月) 11:30~15:30頃 ※開場・受付は11:15~
◆会場: あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室
〒600-8813 京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
http://www.kyo-ajiwaikan.com/access
♪講師: 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者(当会アドバイザー)
◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円
◆定員・対象: 16名様 ・一般(18歳以上)
◆当日の流れ: レシピ説明・デモ→ 実習 → 試食 → 片付け後、解散
◆ご持参いただくもの:
エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具
◆お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
◆お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
◆お申し込み方法:
★賛助会員の方: 事務局へメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会+教室参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会等出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「8/21京都料理教室、参加希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、教室参加ご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/cooking
◆その他
・予約制です。当日参加はできません。
・お申し込み後、キャンセルされる場合は、8月17日(木)までにご連絡ください。
8月18日(金)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。
・調理実習室内は土足不可のため、会場に設置されたスリッパにお履き替えください。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。
・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
2023年8月21日(月)に京都で、日本糖質制限医療推進協会主催の料理教室、
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室」
を開催します。
講師は、管理栄養士の佐々木栄子さん(ローカーボクラブ代表/
日本糖質制限医療推進協会アドバイザー)です。
佐々木栄子さんは2017年に、著書『糖質オフのやせる「おきかえ」レシピ』を
PHP研究所より出版されました。
こちらの書籍は、私が監修し、解説を執筆しております。
生協会員の方向けの限定販売で、一般書店では販売していませんが、
PHP研究所さんのサイト(※)から直接ご購入いただけます。
※ http://www.php.co.jp/family/detail.php?id=83505
2019年11月末以来の久しぶりの料理教室開催です。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」だそうです。
新たなジャンルでの低糖質レシピ、乞うご期待です(^^)/
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
2023年8月21日(月)に京都で、管理栄養士の佐々木栄子先生による、低糖質料理教室を開催いたします。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」です。
メインは、ボリューム感のある、エスニックなご飯ものを低糖質で。
サブは、たんぱく質、ビタミン、食物繊維が効率良く摂れる、アジアン風おかずスープを。
デザートは、混ぜるだけで簡単だけれど本格派の、低糖質イタリアンドルチェをご紹介します。
お手頃価格の食材で、日々の食事に役立つ低糖質メニューを学べる教室です。
糖質制限食のレパートリーを増やしたい、マンネリおかずを解消したい、そんな方にもおすすめです。
関西にお住まいの方をはじめ、皆さまのご参加をお待ちしております。
*今回のテーマは、昨夏に新型コロナ感染拡大の影響で開催中止とした教室と同じです。
◇料理・スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室(京都)」
♪テーマ:「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」
◆日時: 2023年8月21日(月) 11:30~15:30頃 ※開場・受付は11:15~
◆会場: あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室
〒600-8813 京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
http://www.kyo-ajiwaikan.com/access
♪講師: 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者(当会アドバイザー)
◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円
◆定員・対象: 16名様 ・一般(18歳以上)
◆当日の流れ: レシピ説明・デモ→ 実習 → 試食 → 片付け後、解散
◆ご持参いただくもの:
エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具
◆お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
◆お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
◆お申し込み方法:
★賛助会員の方: 事務局へメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会+教室参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会等出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「8/21京都料理教室、参加希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、教室参加ご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/cooking
◆その他
・予約制です。当日参加はできません。
・お申し込み後、キャンセルされる場合は、8月17日(木)までにご連絡ください。
8月18日(金)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。
・調理実習室内は土足不可のため、会場に設置されたスリッパにお履き替えください。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。
・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。
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2023年07月19日 (水)
)こんばんは。
近年、医学界においてAGEs(終末糖化産物)が注目されています。
advanced glycation endproductsの頭文字をとって、AGEsです。
では、「糖化」とは何でしょう?
<糖化=たんぱく質と糖が結合>
糖化とは、ブドウ糖・果糖などの単糖が、
直接たんぱく質などに結合する反応のことです。
糖尿病の検査指標として一般的に使われているヘモグロビンA1c(HbA1c)は
糖化したヘモグロビンのことです。
赤血球の中にあるヘモグロビンというたんぱく質に、
血糖がへばりつくわけです。
高血糖であるほどたくさんへばりつき、HbA1cが高値となるので
糖尿病の検査として便利な存在なのです。
HbA1cは、たんぱく質と糖が結合する「糖化反応系」の初期段階で作られます。
さらに糖化反応が進むと、
最終的に「終末糖化産物(AGEs=advanced glycation endproducts)」というものが
生成されます。
HbA1cはまだ分解代謝できる段階ですが、
AGEsの段階になると分解代謝が困難となります。
<体内で作られるAGEsが糖尿病合併症を引き起こす>
AGEsが注目されるようになったのは、
さまざまな糖尿病合併症の元凶と考えられるようになったからです。
そのプロセスは多様ですが、最も分かりやすいのは、
AGEsが血管の内壁にたまり、動脈硬化を引き起こす場合でしょう。
動脈硬化によって障害を受ける血管の部位によって、
生じる糖尿病合併症は異なりますが、
いずれも血管病と言って過言ではありません。
血管壁のAGEsは消えない借金であり「高血糖の記憶」と呼ばれています。
AGEsによる合併症発症のリスクは、「血糖値×持続期間」で決まります。
高血糖であればあるほど、そして高血糖である期間が長ければ長いほど、
AGEsの生成、蓄積量は多くなるからです。
従って、長年糖尿病を患っている患者は糖化が生じやすく、
AGEsの蓄積も、糖尿病でない人に比べて必然的に多くなります。
その結果、三大合併症と言われる
糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症や、
大血管合併症である心筋梗塞や脳梗塞にもなりやすいのです。
このようにコントロールの悪い糖尿病は
血管の老化が早く進む病気とも言われてきました。
なお、食事由来の外部からのAGEsが、動脈硬化に影響するか否かについては、世界中で論争中です。
私自身は、
「体内で産生されるAGEsは、動脈硬化の元凶であるが、食事由来の外部からのAGEsは、ほとんど動脈硬化への影響はない。」
と考えています。
その、大きな歴史的な証拠として、
「火を使い始めて、食べ物由来のAGEsは、激増していますが、人類の寿命は延びている」
からです。
ちなみに、火の使用をはっきり伝えるもっとも古い遺跡は、焼けた種(オリーブ、大麦、ブドウ)、木、火打ち石が発見された七十五万年前のイスラエルのゲシャー・ベノット・ヤーコブ遺跡です。
<コントロール良好の糖尿病なら合併症は生じない?>
日本糖尿病学会的には、HbA1cが7%未満の、血糖コントロール良好の糖尿病は、
合併症を生じないことになっていますが、
「食後高血糖」と「血糖変動幅増大」のある「質の悪いHbA1c」だと合併症を起こす可能性があります。
現実に、毎年新たに、糖尿病合併症として、
「人工透析」が16000人以上、
「足の切断」が3000人以上、
「失明」が3000人以上、
発症しています。
日本糖尿病学会推奨の「糖尿病食(高糖食食)」では合併症が予防できていない証拠と言えます。
食後高血糖があれば、AGEsの蓄積も増えます。
このように従来の糖尿病食は、遺憾ながら「合併症製造食」と言わざるをえません。
血糖値を直接上昇させるのは、<糖質、たんぱく質、脂質>のうち糖質だけなのです。
<スーパー糖質制限食実践中の糖尿人は、正常人よりもAGEs蓄積が少ない>
スーパー糖質制限食なら、AGEsの蓄積は最小限ですむので、合併症予防が可能です。
スーパー糖質制限食実践中の糖尿人は、普通に糖質を食べている正常人よりも、AGEsの蓄積は少ないのです。
52歳で糖尿病発症の江部康二は、73歳現在、21年間、スーパー糖質制限食を実践しています。
①歯は全て残り、虫歯はありません。
②眼は裸眼で広辞苑の小さな文字が読めます。
③聴力低下もないです。
④夜間の尿もありません。
⑤身長の縮みもありません。
①②③④⑤は、「糖化⇒老化」というパターンが最小限ですんでいるので達成できたのだと思います。
江部康二
近年、医学界においてAGEs(終末糖化産物)が注目されています。
advanced glycation endproductsの頭文字をとって、AGEsです。
では、「糖化」とは何でしょう?
<糖化=たんぱく質と糖が結合>
糖化とは、ブドウ糖・果糖などの単糖が、
直接たんぱく質などに結合する反応のことです。
糖尿病の検査指標として一般的に使われているヘモグロビンA1c(HbA1c)は
糖化したヘモグロビンのことです。
赤血球の中にあるヘモグロビンというたんぱく質に、
血糖がへばりつくわけです。
高血糖であるほどたくさんへばりつき、HbA1cが高値となるので
糖尿病の検査として便利な存在なのです。
HbA1cは、たんぱく質と糖が結合する「糖化反応系」の初期段階で作られます。
さらに糖化反応が進むと、
最終的に「終末糖化産物(AGEs=advanced glycation endproducts)」というものが
生成されます。
HbA1cはまだ分解代謝できる段階ですが、
AGEsの段階になると分解代謝が困難となります。
<体内で作られるAGEsが糖尿病合併症を引き起こす>
AGEsが注目されるようになったのは、
さまざまな糖尿病合併症の元凶と考えられるようになったからです。
そのプロセスは多様ですが、最も分かりやすいのは、
AGEsが血管の内壁にたまり、動脈硬化を引き起こす場合でしょう。
動脈硬化によって障害を受ける血管の部位によって、
生じる糖尿病合併症は異なりますが、
いずれも血管病と言って過言ではありません。
血管壁のAGEsは消えない借金であり「高血糖の記憶」と呼ばれています。
AGEsによる合併症発症のリスクは、「血糖値×持続期間」で決まります。
高血糖であればあるほど、そして高血糖である期間が長ければ長いほど、
AGEsの生成、蓄積量は多くなるからです。
従って、長年糖尿病を患っている患者は糖化が生じやすく、
AGEsの蓄積も、糖尿病でない人に比べて必然的に多くなります。
その結果、三大合併症と言われる
糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症や、
大血管合併症である心筋梗塞や脳梗塞にもなりやすいのです。
このようにコントロールの悪い糖尿病は
血管の老化が早く進む病気とも言われてきました。
なお、食事由来の外部からのAGEsが、動脈硬化に影響するか否かについては、世界中で論争中です。
私自身は、
「体内で産生されるAGEsは、動脈硬化の元凶であるが、食事由来の外部からのAGEsは、ほとんど動脈硬化への影響はない。」
と考えています。
その、大きな歴史的な証拠として、
「火を使い始めて、食べ物由来のAGEsは、激増していますが、人類の寿命は延びている」
からです。
ちなみに、火の使用をはっきり伝えるもっとも古い遺跡は、焼けた種(オリーブ、大麦、ブドウ)、木、火打ち石が発見された七十五万年前のイスラエルのゲシャー・ベノット・ヤーコブ遺跡です。
<コントロール良好の糖尿病なら合併症は生じない?>
日本糖尿病学会的には、HbA1cが7%未満の、血糖コントロール良好の糖尿病は、
合併症を生じないことになっていますが、
「食後高血糖」と「血糖変動幅増大」のある「質の悪いHbA1c」だと合併症を起こす可能性があります。
現実に、毎年新たに、糖尿病合併症として、
「人工透析」が16000人以上、
「足の切断」が3000人以上、
「失明」が3000人以上、
発症しています。
日本糖尿病学会推奨の「糖尿病食(高糖食食)」では合併症が予防できていない証拠と言えます。
食後高血糖があれば、AGEsの蓄積も増えます。
このように従来の糖尿病食は、遺憾ながら「合併症製造食」と言わざるをえません。
血糖値を直接上昇させるのは、<糖質、たんぱく質、脂質>のうち糖質だけなのです。
<スーパー糖質制限食実践中の糖尿人は、正常人よりもAGEs蓄積が少ない>
スーパー糖質制限食なら、AGEsの蓄積は最小限ですむので、合併症予防が可能です。
スーパー糖質制限食実践中の糖尿人は、普通に糖質を食べている正常人よりも、AGEsの蓄積は少ないのです。
52歳で糖尿病発症の江部康二は、73歳現在、21年間、スーパー糖質制限食を実践しています。
①歯は全て残り、虫歯はありません。
②眼は裸眼で広辞苑の小さな文字が読めます。
③聴力低下もないです。
④夜間の尿もありません。
⑤身長の縮みもありません。
①②③④⑤は、「糖化⇒老化」というパターンが最小限ですんでいるので達成できたのだと思います。
江部康二
2023年07月18日 (火)
こんにちは。
果物が美味しい季節となってきました。
桃、梨、ブドウ、いちじく、さくらんぼ、プルーン・・・
果物と果糖は、なかなかの曲者であり、
糖質制限食的には、NGといっても過言ではありません。
今日は、果物と果糖のお話です。
果物に含まれている糖質は、果糖、ショ糖、ブドウ糖などです。
この中のショ糖は、果糖とブドウ糖から構成されています。
市販されている砂糖の主成分がショ糖です。
皆さん、果物の糖質は、全て果糖と思っていませんでしたか?
実は、私も当初はそう思っていましたが、実態は違うのですね。
例えばリンゴ1個(約240g)のカロリーは約150kcalであり、
ビタミンC含量は8mg、
遊離糖含有量は35.6g(果糖:18g、ブドウ糖:6g、ショ糖:9.6g、ソルビトール:2g)、
水溶性食物繊維含量は0.95g、不溶性食物繊維含量は2.95gくらいだそうです。
さて、その果糖ですが、実に面白い性質をもっていますので検討してみましょう。
まず、果糖は、ブドウ糖とは代謝経路が全く異なっています。
そして、果糖のGI(血糖上昇指数)は20くらいと、大変低いです。
果糖の代謝経路は特殊で、10%がブドウ糖に変換され吸収されますが、
残りの90%は、果糖のまま吸収され、肝臓でそのまま直接代謝されます。
ですから、果糖は血糖値をほとんど上昇させず、
インスリンの分泌もほとんど促しません。
つまり、果糖のGI値が低いのは、
果糖が「ブドウ糖として」利用されるのはごく一部であるからであり、
果糖の吸収速度が遅いからGI値が低いというわけではありません。
消化吸収されて肝門脈に流れ込んだ果糖は肝臓で、
ブドウ糖より速く解糖作用をうけます。
これは、ブドウ糖が解糖系に入って代謝されていく時には、
ホスホフルクトキナーゼという酵素が必要なのですが、
果糖はこの段階をバイパスして、速やかに解糖系に入って代謝されるからです。
肝臓に取り込まれたブドウ糖、果糖は解糖系、TCAサイクルを経てATP産生に消費され、
余分なものは、グリコーゲン、中性脂肪に変換され蓄えられます。
肝臓のグリコーゲン蓄積には限りがあるので、
ブドウ糖より速やかに代謝された果糖の代謝産物により、
脂肪酸合成が促進され、中性脂肪の合成が亢進し、高中性脂肪血症となります。
血糖値の上昇をみるGI値では「ブドウ糖>砂糖>果糖」ですが、
中性脂肪値の上昇速度は、「果糖>砂糖>ブドウ糖」となります。
ですから、果糖は、ブドウ糖に比べれば血糖値はほとんど上昇させませんが、
中性脂肪合成を促進させ、太りやすい性質をもっています。
果物の糖質の主成分は果糖ですので、
血糖値はパンや米など穀物より上昇させにくいですが、
中性脂肪に変わるという意味では、太り安い食材です。
農耕以前の人類は、来るべき冬の食糧難に備えて、実りの秋に果物を摂取して、
効率よく中性脂肪を蓄えていたというのが私の仮説です。
従って、現代において、糖尿人やメタボ人には、
甘味料は「ラカントS」や「パルスイートゼロ」などがお奨めです。
これらの主成分はエリスリトールであり、カロリーはゼロで血糖値も上昇させません。
血糖値を直接上昇させるのは、糖質・脂質・蛋白質のうち、糖質だけです。
体重64kgの糖尿人が1gの糖質摂取を摂取すると、血糖値を約3mg上昇させます。
しかし糖質のなかには果糖のようにほとんど血糖値を上げないものや、
エリスリトールのように、全く血糖値を上げないものも例外的に存在しているのです。
また、果糖はAGEsに変わる速度が、
ブドウ糖の数十倍であることもしっかり認識しておかなくてはなりません。
AGEsは糖尿病合併症の元凶であり、
動脈硬化・老化・アルツハイマー病にも関与するとされています。
一般に果物には、ヘルシーなイメージがありますが、
上述のように、肥満しやすい、
AGEsを蓄積させやすく動脈硬化・老化・アルツハイマー病などの元凶となるといった
負の側面も多いので、摂取は少量にとどめるのが安全と言えます。
まとめ
① 果糖のGI(グリセミック・インデックス)は20程度と低いです。
② ブドウ糖のGIは、100です。
③ 果糖は、血糖値をほとんど上昇させません。
④ 果糖は中性脂肪に変わりやすく肥満しやすいです。
⑤ 果糖はブドウ糖の数十倍、AGEsに変わりやすいので危険な物質です。
**
今回のブログは「ハーパー・生化学」
原書27版、上代淑人監訳、丸善株式会社、2007年
などを参考にしました。
江部康二
果物が美味しい季節となってきました。
桃、梨、ブドウ、いちじく、さくらんぼ、プルーン・・・
果物と果糖は、なかなかの曲者であり、
糖質制限食的には、NGといっても過言ではありません。
今日は、果物と果糖のお話です。
果物に含まれている糖質は、果糖、ショ糖、ブドウ糖などです。
この中のショ糖は、果糖とブドウ糖から構成されています。
市販されている砂糖の主成分がショ糖です。
皆さん、果物の糖質は、全て果糖と思っていませんでしたか?
実は、私も当初はそう思っていましたが、実態は違うのですね。
例えばリンゴ1個(約240g)のカロリーは約150kcalであり、
ビタミンC含量は8mg、
遊離糖含有量は35.6g(果糖:18g、ブドウ糖:6g、ショ糖:9.6g、ソルビトール:2g)、
水溶性食物繊維含量は0.95g、不溶性食物繊維含量は2.95gくらいだそうです。
さて、その果糖ですが、実に面白い性質をもっていますので検討してみましょう。
まず、果糖は、ブドウ糖とは代謝経路が全く異なっています。
そして、果糖のGI(血糖上昇指数)は20くらいと、大変低いです。
果糖の代謝経路は特殊で、10%がブドウ糖に変換され吸収されますが、
残りの90%は、果糖のまま吸収され、肝臓でそのまま直接代謝されます。
ですから、果糖は血糖値をほとんど上昇させず、
インスリンの分泌もほとんど促しません。
つまり、果糖のGI値が低いのは、
果糖が「ブドウ糖として」利用されるのはごく一部であるからであり、
果糖の吸収速度が遅いからGI値が低いというわけではありません。
消化吸収されて肝門脈に流れ込んだ果糖は肝臓で、
ブドウ糖より速く解糖作用をうけます。
これは、ブドウ糖が解糖系に入って代謝されていく時には、
ホスホフルクトキナーゼという酵素が必要なのですが、
果糖はこの段階をバイパスして、速やかに解糖系に入って代謝されるからです。
肝臓に取り込まれたブドウ糖、果糖は解糖系、TCAサイクルを経てATP産生に消費され、
余分なものは、グリコーゲン、中性脂肪に変換され蓄えられます。
肝臓のグリコーゲン蓄積には限りがあるので、
ブドウ糖より速やかに代謝された果糖の代謝産物により、
脂肪酸合成が促進され、中性脂肪の合成が亢進し、高中性脂肪血症となります。
血糖値の上昇をみるGI値では「ブドウ糖>砂糖>果糖」ですが、
中性脂肪値の上昇速度は、「果糖>砂糖>ブドウ糖」となります。
ですから、果糖は、ブドウ糖に比べれば血糖値はほとんど上昇させませんが、
中性脂肪合成を促進させ、太りやすい性質をもっています。
果物の糖質の主成分は果糖ですので、
血糖値はパンや米など穀物より上昇させにくいですが、
中性脂肪に変わるという意味では、太り安い食材です。
農耕以前の人類は、来るべき冬の食糧難に備えて、実りの秋に果物を摂取して、
効率よく中性脂肪を蓄えていたというのが私の仮説です。
従って、現代において、糖尿人やメタボ人には、
甘味料は「ラカントS」や「パルスイートゼロ」などがお奨めです。
これらの主成分はエリスリトールであり、カロリーはゼロで血糖値も上昇させません。
血糖値を直接上昇させるのは、糖質・脂質・蛋白質のうち、糖質だけです。
体重64kgの糖尿人が1gの糖質摂取を摂取すると、血糖値を約3mg上昇させます。
しかし糖質のなかには果糖のようにほとんど血糖値を上げないものや、
エリスリトールのように、全く血糖値を上げないものも例外的に存在しているのです。
また、果糖はAGEsに変わる速度が、
ブドウ糖の数十倍であることもしっかり認識しておかなくてはなりません。
AGEsは糖尿病合併症の元凶であり、
動脈硬化・老化・アルツハイマー病にも関与するとされています。
一般に果物には、ヘルシーなイメージがありますが、
上述のように、肥満しやすい、
AGEsを蓄積させやすく動脈硬化・老化・アルツハイマー病などの元凶となるといった
負の側面も多いので、摂取は少量にとどめるのが安全と言えます。
まとめ
① 果糖のGI(グリセミック・インデックス)は20程度と低いです。
② ブドウ糖のGIは、100です。
③ 果糖は、血糖値をほとんど上昇させません。
④ 果糖は中性脂肪に変わりやすく肥満しやすいです。
⑤ 果糖はブドウ糖の数十倍、AGEsに変わりやすいので危険な物質です。
**
今回のブログは「ハーパー・生化学」
原書27版、上代淑人監訳、丸善株式会社、2007年
などを参考にしました。
江部康二
2023年07月16日 (日)
おはようございます。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
https://diamond.jp/articles/-/324365
【医師が教える】
お粥やうどんは、あっさりして消化に良い?…知らないと怖い“食べ物の真実”
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.7.16 4:35
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
カゼを引いたらお粥やうどん?
【前回】からの続き カゼを引いてしまったときには、お粥(かゆ)やうどんのように水分たっぷりで消化しやすく、
体をポカポカと温めてくれる食べ物を口にするといいとされています。
同じような効果を求めて、「スポーツドリンクを温めて飲みなさい」とすすめる医師もいます。
お粥、うどん、スポーヅドリンクは、いずれも糖質をたくさん含んでいます。
お粥やうどんに含まれる糖質はでんぷんであり、
スポーツドリンクに含まれているのは砂糖、果糖ブドウ糖液糖などです。
お粥やうどんは消化しやすい?
お粥やうどんを食べるとどうなるか?
お粥やうどんが消化に良い
は“思い込み”だった
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
https://diamond.jp/articles/-/324365
【医師が教える】
お粥やうどんは、あっさりして消化に良い?…知らないと怖い“食べ物の真実”
江部康二
ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.7.16 4:35
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
カゼを引いたらお粥やうどん?
【前回】からの続き カゼを引いてしまったときには、お粥(かゆ)やうどんのように水分たっぷりで消化しやすく、
体をポカポカと温めてくれる食べ物を口にするといいとされています。
同じような効果を求めて、「スポーツドリンクを温めて飲みなさい」とすすめる医師もいます。
お粥、うどん、スポーヅドリンクは、いずれも糖質をたくさん含んでいます。
お粥やうどんに含まれる糖質はでんぷんであり、
スポーツドリンクに含まれているのは砂糖、果糖ブドウ糖液糖などです。
お粥やうどんは消化しやすい?
お粥やうどんを食べるとどうなるか?
お粥やうどんが消化に良い
は“思い込み”だった
2023年07月14日 (金)
【我々、糖尿人は、腎機能低下に気を付ける必要がありますが、NHKの番組を視聴したところ、糖尿病、高血圧等以外にも「夏場の脱水に要注意」とのことでした。
1、エルサルバドルでは、腎臓病患者が多い。その人たちは、40℃を超える炎天下の屋外で、あまり水分補給せずに、長時間の農作業をしていたため、脱水状態になったものと考えられる。
2、日本の患者の腎機能数値の経緯をグラフにすると、特に夏場に腎機能低下傾向が大きいことが分かった。
3、脱水状態が腎機能に影響するのは、腎臓への血流量が減って、腎臓が酸欠状態になるため。腎臓は、心臓の次に酸素が必要な臓器。
4、特に夏場は、喉の渇きを感じなくても、こまめな水分補給が必須。高齢者は、喉の渇きを感じにくくなるので、特に注意が必要。
以上が、私が視聴して理解した概要ですが、間違いがあればすみません。
番組のリンクを貼っておきます。
https://www.nhk.jp/p/torisetsu-show/ts/J6MX7VP885/blog/bl/pnR8azdZNB/bp/pgzZZ8Nnlg/】
こんばんは。きのさんから、
NHKの番組について、コメントを頂きました。
内容をまとめて頂き、ありがとうございます。
私も、その番組を視聴しました。
2023年7月13日(木)(午後8時から8時45分)のNHK総合「あしたが変わるトリセツショー」では、
『腎臓』がテーマとして放送されました。
MCの石原さとみさんが、食・健康・生活、あらゆるテーマを、最新科学と大実験・大調査をもとに解き明かし、
真のお役立ち情報満載の「トリセツ(取扱説明書)」にして紹介する番組です。
日本腎臓病協会理事長の柏原直樹先生が、『腎臓のトリセツ』について
説明されました。
【夏で脱水になると腎障害を生じる。1~2日とか短期なら回復可能であるが、
一定期間以上に脱水が続くと、回復困難な腎糸球体障害を生じる。
脱水⇒腎血流減少⇒腎糸球体への酸素供給低下⇒腎糸球体が障害される】
といった内容で、検査としては、<血清クレアチニン値>を調べて<eGFR>
を計算式でだせば、非常に参考になるということでした。
夏で、脱水に注意という趣旨には、おおいに賛成です。
しかし血清シスタチンCのお話は全くなしであり、非常に残念に思いました。
クレアチニン値は筋肉の量に大きく左右されるという欠点のある検査です。
従って、筋肉量が少ない高齢者の腎機能の指標としては、全く相応しくないのです。
これに対して、血清シスタチンCは、筋肉量などに影響されない、
純粋な腎機能検査として、とても優れた指標となります。
高齢者の腎機能はクレアチニンで評価してはいけません。
高齢者の腎機能はシスタチンCで評価しなくてはなりません。
ブログ読者の医師・看護師の方々は、
是非同僚や知り合いの医師・看護師の方々にこの情報を拡散するようよろしくお願い申し上げます。
例えば、75歳男性Aさんの血清クレアチニン値は0.76mg/dlで基準値内で、eGFRは75.9mL/min/1.73m2と正常でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.76mg/dlで基準値を超えていてeGFRは30.61mL/min/1.73m2としっかり腎機能障害でした。
血清クレアチニンの基準値は、男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下です。
血清シスタチンCの基準値は、男性0.63~0.95mg/L、女性0.56~0.87mg/Lです。
同様に、77歳女性Aさんのクレアチニン値は0.58mg/dlで基準値内でeGFRは73.89mL/min/1.73m2で正常でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.48mg/dlで基準値を超えていてeGFRは39.59mL/min/1.73m2で腎機能障害が認められました。
つまり、AさんもBさんも、本当は腎機能障害があるけれど、
血清クレアチニン検査は正常であり、見逃してしまうということになります。
クレアチニンは筋肉量や運動が結果に影響します。
高齢者は筋肉量が少ないので、本当は腎機能障害があるのに見かけ上、正常にでてしまうのです。
血清シスタチンCが、それらに影響を受けない最も、信頼度の高い腎機能検査です。
高齢者の場合は、ほとんどの人において、筋肉量が少ないです。
そうすると、一般によく用いられる腎機能検査の「血清クレアチニン値」だと、
筋肉量が少ない分、低値になります。
つまり、本当は腎機能障害があるのに、「血清クレアチニン値」だと正常範囲になってしまうケースがかなりあると 思われます。
このような時、「血清シスタチンC」だと、
筋肉量に影響されずに正確な腎機能を評価することができ、とても有用です。
国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人が高齢者です。
65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。
総務省によれば、日本の65歳以上の高齢者は、
2020年は3617万人・総人口の28.7%で、過去最高の更新が続いています。
筋肉量20歳を基準。30歳で、6%低下40歳で、12%低下。50歳で、18%低下。60歳で、24%低下。70歳で、30%低下。
筋肉量に関してはhttps://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/undoukei-rouka.html健康長寿ネットを参考にさせて頂きました。
ありがとうございます。
これだと、少なくとも60歳以上はクレアチニンは当てにならないのでシスタチンCで評価すべきです。
基本40歳以上はシスタチンCがいいです。
しかし、1/3ヶ月でないと保険適応となりません。つまり、1月に検査したら、次は4月となります。
腎臓には血液をろ過して、
体の中に溜まった老廃物や水分、取り過ぎた塩分などを尿と一緒に体の外へ出してくれる働きがあります.
腎臓はいらなくなった余分なものを体から排出して、
必要なものだけをしっかり体の中に残してくれるので、体内の環境を正常に保つことができるのです。
糸球体での濾過量(GFR)は、正常では一定に維持され、腎機能を知るうえで最も重要な指標となります。
血清シスタチンCの数値や血清クレアチニンの数値から、
年齢と性別を考慮して、腎臓の働きを推測した値を、eGFR(推定糸球体濾過量)と言います。
<血清シスタチンC GFR><血清クレアチニン GFR>で、
ネットで検索すれば、eGFR(推定糸球体濾過量)を計算するサイトが見つかります。
便利なので、利用しましょう。
そこで計算して、eGFRが60以上なら心配ないです。
腎機能検査として、一般的な血清クレアチニンや尿素窒素は食事や筋肉量、運動などの影響を受けますが、
血清シスタチンC値はそれらの影響を受けないため、
小児・老人・妊産婦・アスリートなどでも問題なく測定できます。
また、クレアチニン値はGFRが30mL/分(腎不全)前後まで低下した頃から上昇するのに対し、
シスタチンC値はGFRが70mL/分前後の軽度~中等度の腎機能障害でも上昇するので、
腎機能障害の早期診断にたいへん有用です。
したがって、血清クレアチニンや尿素窒素が正常であっても、
尿検査で蛋白あるいは潜血反応に異常が認められた場合には、
早期腎症の可能性がありえるので、血清シスタチンCを調べるのが有用です。
血清クレアチニン値が既に高値(2mg/dL以上)であれば、シスタチンCを測定する意義はありません。
一方、ごく軽度上昇例で評価が困難な場合、シスタチンC測定で腎機能を検査するのがお奨めです。
江部康二
1、エルサルバドルでは、腎臓病患者が多い。その人たちは、40℃を超える炎天下の屋外で、あまり水分補給せずに、長時間の農作業をしていたため、脱水状態になったものと考えられる。
2、日本の患者の腎機能数値の経緯をグラフにすると、特に夏場に腎機能低下傾向が大きいことが分かった。
3、脱水状態が腎機能に影響するのは、腎臓への血流量が減って、腎臓が酸欠状態になるため。腎臓は、心臓の次に酸素が必要な臓器。
4、特に夏場は、喉の渇きを感じなくても、こまめな水分補給が必須。高齢者は、喉の渇きを感じにくくなるので、特に注意が必要。
以上が、私が視聴して理解した概要ですが、間違いがあればすみません。
番組のリンクを貼っておきます。
https://www.nhk.jp/p/torisetsu-show/ts/J6MX7VP885/blog/bl/pnR8azdZNB/bp/pgzZZ8Nnlg/】
こんばんは。きのさんから、
NHKの番組について、コメントを頂きました。
内容をまとめて頂き、ありがとうございます。
私も、その番組を視聴しました。
2023年7月13日(木)(午後8時から8時45分)のNHK総合「あしたが変わるトリセツショー」では、
『腎臓』がテーマとして放送されました。
MCの石原さとみさんが、食・健康・生活、あらゆるテーマを、最新科学と大実験・大調査をもとに解き明かし、
真のお役立ち情報満載の「トリセツ(取扱説明書)」にして紹介する番組です。
日本腎臓病協会理事長の柏原直樹先生が、『腎臓のトリセツ』について
説明されました。
【夏で脱水になると腎障害を生じる。1~2日とか短期なら回復可能であるが、
一定期間以上に脱水が続くと、回復困難な腎糸球体障害を生じる。
脱水⇒腎血流減少⇒腎糸球体への酸素供給低下⇒腎糸球体が障害される】
といった内容で、検査としては、<血清クレアチニン値>を調べて<eGFR>
を計算式でだせば、非常に参考になるということでした。
夏で、脱水に注意という趣旨には、おおいに賛成です。
しかし血清シスタチンCのお話は全くなしであり、非常に残念に思いました。
クレアチニン値は筋肉の量に大きく左右されるという欠点のある検査です。
従って、筋肉量が少ない高齢者の腎機能の指標としては、全く相応しくないのです。
これに対して、血清シスタチンCは、筋肉量などに影響されない、
純粋な腎機能検査として、とても優れた指標となります。
ブログ読者の医師・看護師の方々は、
是非同僚や知り合いの医師・看護師の方々にこの情報を拡散するようよろしくお願い申し上げます。
例えば、75歳男性Aさんの血清クレアチニン値は0.76mg/dlで基準値内で、eGFRは75.9mL/min/1.73m2と正常でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.76mg/dlで基準値を超えていてeGFRは30.61mL/min/1.73m2としっかり腎機能障害でした。
血清クレアチニンの基準値は、男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下です。
血清シスタチンCの基準値は、男性0.63~0.95mg/L、女性0.56~0.87mg/Lです。
同様に、77歳女性Aさんのクレアチニン値は0.58mg/dlで基準値内でeGFRは73.89mL/min/1.73m2で正常でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.48mg/dlで基準値を超えていてeGFRは39.59mL/min/1.73m2で腎機能障害が認められました。
つまり、AさんもBさんも、本当は腎機能障害があるけれど、
血清クレアチニン検査は正常であり、見逃してしまうということになります。
クレアチニンは筋肉量や運動が結果に影響します。
高齢者は筋肉量が少ないので、本当は腎機能障害があるのに見かけ上、正常にでてしまうのです。
血清シスタチンCが、それらに影響を受けない最も、信頼度の高い腎機能検査です。
高齢者の場合は、ほとんどの人において、筋肉量が少ないです。
そうすると、一般によく用いられる腎機能検査の「血清クレアチニン値」だと、
筋肉量が少ない分、低値になります。
つまり、
このような時、「血清シスタチンC」だと、
筋肉量に影響されずに正確な腎機能を評価することができ、とても有用です。
国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人が高齢者です。
65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。
総務省によれば、日本の65歳以上の高齢者は、
2020年は3617万人・総人口の28.7%で、過去最高の更新が続いています。
筋肉量に関してはhttps://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/undoukei-rouka.html健康長寿ネットを参考にさせて頂きました。
ありがとうございます。
これだと、少なくとも60歳以上はクレアチニンは当てにならないのでシスタチンCで評価すべきです。
基本40歳以上はシスタチンCがいいです。
腎臓には血液をろ過して、
体の中に溜まった老廃物や水分、取り過ぎた塩分などを尿と一緒に体の外へ出してくれる働きがあります.
腎臓はいらなくなった余分なものを体から排出して、
必要なものだけをしっかり体の中に残してくれるので、体内の環境を正常に保つことができるのです。
糸球体での濾過量(GFR)は、正常では一定に維持され、腎機能を知るうえで最も重要な指標となります。
血清シスタチンCの数値や血清クレアチニンの数値から、
年齢と性別を考慮して、腎臓の働きを推測した値を、eGFR(推定糸球体濾過量)と言います。
<血清シスタチンC GFR><血清クレアチニン GFR>で、
ネットで検索すれば、eGFR(推定糸球体濾過量)を計算するサイトが見つかります。
便利なので、利用しましょう。
そこで計算して、eGFRが60以上なら心配ないです。
腎機能検査として、一般的な血清クレアチニンや尿素窒素は食事や筋肉量、運動などの影響を受けますが、
血清シスタチンC値はそれらの影響を受けないため、
小児・老人・妊産婦・アスリートなどでも問題なく測定できます。
また、クレアチニン値はGFRが30mL/分(腎不全)前後まで低下した頃から上昇するのに対し、
シスタチンC値はGFRが70mL/分前後の軽度~中等度の腎機能障害でも上昇するので、
腎機能障害の早期診断にたいへん有用です。
したがって、血清クレアチニンや尿素窒素が正常であっても、
尿検査で蛋白あるいは潜血反応に異常が認められた場合には、
早期腎症の可能性がありえるので、血清シスタチンCを調べるのが有用です。
血清クレアチニン値が既に高値(2mg/dL以上)であれば、シスタチンCを測定する意義はありません。
一方、ごく軽度上昇例で評価が困難な場合、シスタチンC測定で腎機能を検査するのがお奨めです。
江部康二
2023年07月13日 (木)
こんにちは。
会社の健康診断で、高血糖を指摘されて、医療機関への受診を奨められても
自覚症状がない場合は、放置する人が結構います。
これでは、折角の健康診断が無駄になってしまいます。
2~3年間放置くらいなら、糖尿病合併症発症には、
まだ間に合う段階ですので、是非速やかに受診しましょう。
数年間放置してしまうと、糖尿病の合併症が生じてしまう可能性が
ありますので、治療開始は早ければ早いほどいいのです。
そして、薬物に頼らず食事療法で血糖コントロールするのが糖尿病治療の王道です。
ちなみに、私は52歳で糖尿病を発症して73歳現在まで薬なしで
スーパー糖質制限食を21年間続けていますが、合併症はゼロです。
さて、糖尿病の評価ですが、以前は、「空腹時血糖値」と「HbA1c」だけで、
血糖コントロール良好か否かを決めていました。しか
し、近年、それだけでは足りないことが明確となりました。
すなわち、『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』が、
糖尿病における最大の合併症リスクということが判明したのです。
従来の定番の評価基準「空腹時血糖値」と「HbA1c」の検査だけでは
食後高血糖と平均血糖変動幅増大を捉えることが困難なのです。
そして『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』を生じるのは、
タンパク質、脂質、糖質のうち、糖質だけです。
そうすると、日本糖尿病学会推奨の従来の糖尿病食(高糖質・低脂質肪食)では、
『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』が食事の度に必ず生じることになり、
合併症の予防は極めて困難となります。
現実に、毎年新たに、
糖尿病腎症からの透析が16000人以上、
糖尿病足病変からの足切断が3000人以上、
糖尿病網膜症からの失明が3000人以上
発症しています。
現行の糖尿病治療(カロリー制限・高糖質食+薬物療法)
が決して上手くいっていない動かぬ証拠と言えます。
これに対して、スーパー糖質制限食なら、
『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』は、最小限ですむので、
合併症リスクもありません。
糖尿病と糖質制限食、合併症予防のためには開始は早ければ早いほどよいです。
スーパー糖質制限食では、1回の食事の糖質量が、10~20g以下を目安とします。
これだとほとんどの糖尿人において、160mg/dl以上の食後高血糖が生じず、
平均血糖変動幅の増大も防げるからです。
国際糖尿病連合によれば、
食後1時間血糖値、食後2時間血糖値のいずれも160mg/dl未満が合併症予防の目標ですが、
糖質制限食なら達成可能です。
従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)では、目標達成は極めて厳しいです。
1回の間食時の糖質量は5g以下が目安で、間食は1日2回くらいまでとします。
この範囲内であれば、小さなチョコレートを時々食べてもOKです。
この調子で、美味しく楽しく末長く糖質制限食を続けていただければよいと思います。
最近は低糖質スイーツもいろいろ出てきています。
インターネットや街のお店でも、
低糖質スイーツを販売しているところが増えています。
ケーキを我慢する必要はありません。
低糖質ケーキをしっかり食べても大丈夫です。
糖質含有量を確認して購入しましょう。
また、最近は糖質ゼロビールが、キリン、サントリーなどから
それぞれ発売されています。
味もずいぶん美味しくなっていて、私も重宝しています。
夏はやっぱり、ビールが飲みたいですよね。
そして、美味しく楽しく末長く、糖質制限食を実践して健康ライフを目指しましょう。
江部康二
会社の健康診断で、高血糖を指摘されて、医療機関への受診を奨められても
自覚症状がない場合は、放置する人が結構います。
これでは、折角の健康診断が無駄になってしまいます。
2~3年間放置くらいなら、糖尿病合併症発症には、
まだ間に合う段階ですので、是非速やかに受診しましょう。
数年間放置してしまうと、糖尿病の合併症が生じてしまう可能性が
ありますので、治療開始は早ければ早いほどいいのです。
そして、薬物に頼らず食事療法で血糖コントロールするのが糖尿病治療の王道です。
ちなみに、私は52歳で糖尿病を発症して73歳現在まで薬なしで
スーパー糖質制限食を21年間続けていますが、合併症はゼロです。
さて、糖尿病の評価ですが、以前は、「空腹時血糖値」と「HbA1c」だけで、
血糖コントロール良好か否かを決めていました。しか
し、近年、それだけでは足りないことが明確となりました。
すなわち、『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』が、
糖尿病における最大の合併症リスクということが判明したのです。
従来の定番の評価基準「空腹時血糖値」と「HbA1c」の検査だけでは
食後高血糖と平均血糖変動幅増大を捉えることが困難なのです。
そして『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』を生じるのは、
タンパク質、脂質、糖質のうち、糖質だけです。
そうすると、日本糖尿病学会推奨の従来の糖尿病食(高糖質・低脂質肪食)では、
『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』が食事の度に必ず生じることになり、
合併症の予防は極めて困難となります。
現実に、毎年新たに、
糖尿病腎症からの透析が16000人以上、
糖尿病足病変からの足切断が3000人以上、
糖尿病網膜症からの失明が3000人以上
発症しています。
現行の糖尿病治療(カロリー制限・高糖質食+薬物療法)
が決して上手くいっていない動かぬ証拠と言えます。
これに対して、スーパー糖質制限食なら、
『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』は、最小限ですむので、
合併症リスクもありません。
糖尿病と糖質制限食、合併症予防のためには開始は早ければ早いほどよいです。
スーパー糖質制限食では、1回の食事の糖質量が、10~20g以下を目安とします。
これだとほとんどの糖尿人において、160mg/dl以上の食後高血糖が生じず、
平均血糖変動幅の増大も防げるからです。
国際糖尿病連合によれば、
食後1時間血糖値、食後2時間血糖値のいずれも160mg/dl未満が合併症予防の目標ですが、
糖質制限食なら達成可能です。
従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)では、目標達成は極めて厳しいです。
1回の間食時の糖質量は5g以下が目安で、間食は1日2回くらいまでとします。
この範囲内であれば、小さなチョコレートを時々食べてもOKです。
この調子で、美味しく楽しく末長く糖質制限食を続けていただければよいと思います。
最近は低糖質スイーツもいろいろ出てきています。
インターネットや街のお店でも、
低糖質スイーツを販売しているところが増えています。
ケーキを我慢する必要はありません。
低糖質ケーキをしっかり食べても大丈夫です。
糖質含有量を確認して購入しましょう。
また、最近は糖質ゼロビールが、キリン、サントリーなどから
それぞれ発売されています。
味もずいぶん美味しくなっていて、私も重宝しています。
夏はやっぱり、ビールが飲みたいですよね。
そして、美味しく楽しく末長く、糖質制限食を実践して健康ライフを目指しましょう。
江部康二
2023年07月12日 (水)
こんにちは。
昨日は、脂肪善玉説を記事にしました。
確かに脂肪悪玉説が、戦後、先進国を席巻して、
「大腸ガン、乳ガン、心筋梗塞などの元凶は脂肪摂取過剰である。」
という(根拠のない)定説がまことしやかに信じられてきたと思います。
これに対して、大変興味深い研究結果が発表されています。
RCT論文と前向きコホート研究があります。
まずは、RCT論文です。
<RCT論文>
米国医師会雑誌、2006年2月8日号に掲載された3本の論文において
「<低脂肪+野菜豊富な食生活>は乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを下げないし、
総コレステロール値も不変であった。」
という報告がなされたのです。
米国医師会雑誌は、インパクトファクターが高く、
ニューイングランドジャーナルに次ぐ権威有る医学雑誌です。
RCT研究論文ですので、エビデンスレベルも信頼度が高いです。
5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した結果です。
高額の費用をつぎ込んだ大規模臨床試験で、二度とできない高いレベルの研究です。
2万5千人ずつにグループ分けをして、
一方は、脂肪熱量比率20%で強力に低脂肪食を指導しました。
残るグループは脂肪制限なしなので、米国女性平均なら30数%の脂肪摂取比率です。
平均的米国女性に対して、約半分近くまで、脂肪摂取比率を厳格に減らして臨床試験を実施したわけです。
研究をデザインした医師は、
「高脂肪食が大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクを増大させる=脂肪悪玉説」
という従来の定説を掲げて、それを証明するためにこのRCTを実施したと思います。
すなわち、
「低脂肪食実践により、大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクが減少する」
と信じてこのRCTを開始したと考えられます。
ところが、豈図らんや、
低脂肪食は、乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを全く下げなかったのです。
これは、即ち、脂肪悪玉説が根底から否定されたということです。
結論です。
『5万人を8年間追跡したJAMA掲載のRCT研究論文で、
少なくとも乳ガン・大腸ガン・心血管疾患に関しては、脂肪悪玉説は否定された。』
ということになります。
脂肪悪玉説を根底から覆す良質の信頼度の高いエビデンスですね。
*Journal of American Medical Association(JAMA)誌
2006年2月8日号の疾患ごとにまとめられた3本の論文で報告。
*Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Invasive Breast Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Colorectal Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Cardiovascular Disease
: The Women's Health Initiative Randomized Controlled Dietary Modification Trial
JAMA ,295(6):629-642. 643-654. 655-666.
次いで前向きコホート研究です。
<前向きコホート研究>
①
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
ニューイングランドジャーナルのコホート研究
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
②
21論文、約35万人をメタアナリシスして、
5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
③
『炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇』
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)で、
カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan博士らが報告。
5大陸18カ国で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究(Prospective Urban Rural Epidemiology:PURE)の結果。
2003年1月1日時点で35~70歳の13万5335例を登録し、
2013年3月31日まで中央値で7.4年間も追跡調査。
論文の内容を要約
1)炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と関連。
2)総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連。
3)総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連しない。
4)飽和脂質は脳卒中と逆相関している。
炭水化物摂取比率 総死亡率
1群 46.4% 4.1%
2群 54.6% 4.2%
3群 60.8% 4.5%
4群 67.7% 4.9%
5群 77.2% 7.2%
脂肪の摂取比率 総死亡率
1群 10.6% 6.7%
2群 18.0% 5.1%
3群 24.2% 4.6%
4群 29.1% 4.3%
5群 35.3% 4.1%
前向きコホート研究①の結論は
「高脂肪食に冠動脈疾患のリスクなし」
です。
前向きコホート研究②の結論は
「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がない」
です。
つまり、肉の脂も大丈夫ということです。
前向きコホート研究③の結論は
「脂肪の摂取比率が多いほど総死亡率は低下する」
です。
つまり、脂肪が体に悪いどころか、
多く食べるほど、体に良いということです。
江部康二
昨日は、脂肪善玉説を記事にしました。
確かに脂肪悪玉説が、戦後、先進国を席巻して、
「大腸ガン、乳ガン、心筋梗塞などの元凶は脂肪摂取過剰である。」
という(根拠のない)定説がまことしやかに信じられてきたと思います。
これに対して、大変興味深い研究結果が発表されています。
RCT論文と前向きコホート研究があります。
まずは、RCT論文です。
<RCT論文>
米国医師会雑誌、2006年2月8日号に掲載された3本の論文において
「<低脂肪+野菜豊富な食生活>は乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを下げないし、
総コレステロール値も不変であった。」
という報告がなされたのです。
米国医師会雑誌は、インパクトファクターが高く、
ニューイングランドジャーナルに次ぐ権威有る医学雑誌です。
RCT研究論文ですので、エビデンスレベルも信頼度が高いです。
5万人弱の閉経女性を対象に、対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した結果です。
高額の費用をつぎ込んだ大規模臨床試験で、二度とできない高いレベルの研究です。
2万5千人ずつにグループ分けをして、
一方は、脂肪熱量比率20%で強力に低脂肪食を指導しました。
残るグループは脂肪制限なしなので、米国女性平均なら30数%の脂肪摂取比率です。
平均的米国女性に対して、約半分近くまで、脂肪摂取比率を厳格に減らして臨床試験を実施したわけです。
研究をデザインした医師は、
「高脂肪食が大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクを増大させる=脂肪悪玉説」
という従来の定説を掲げて、それを証明するためにこのRCTを実施したと思います。
すなわち、
「低脂肪食実践により、大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクが減少する」
と信じてこのRCTを開始したと考えられます。
ところが、豈図らんや、
低脂肪食は、乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを全く下げなかったのです。
これは、即ち、脂肪悪玉説が根底から否定されたということです。
結論です。
『5万人を8年間追跡したJAMA掲載のRCT研究論文で、
少なくとも乳ガン・大腸ガン・心血管疾患に関しては、脂肪悪玉説は否定された。』
ということになります。
脂肪悪玉説を根底から覆す良質の信頼度の高いエビデンスですね。
*Journal of American Medical Association(JAMA)誌
2006年2月8日号の疾患ごとにまとめられた3本の論文で報告。
*Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Invasive Breast Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Colorectal Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Cardiovascular Disease
: The Women's Health Initiative Randomized Controlled Dietary Modification Trial
JAMA ,295(6):629-642. 643-654. 655-666.
次いで前向きコホート研究です。
<前向きコホート研究>
①
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
ニューイングランドジャーナルのコホート研究
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.
②
21論文、約35万人をメタアナリシスして、
5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease. Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.
③
『炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇』
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)で、
カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan博士らが報告。
5大陸18カ国で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究(Prospective Urban Rural Epidemiology:PURE)の結果。
2003年1月1日時点で35~70歳の13万5335例を登録し、
2013年3月31日まで中央値で7.4年間も追跡調査。
論文の内容を要約
1)炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と関連。
2)総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連。
3)総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連しない。
4)飽和脂質は脳卒中と逆相関している。
炭水化物摂取比率 総死亡率
1群 46.4% 4.1%
2群 54.6% 4.2%
3群 60.8% 4.5%
4群 67.7% 4.9%
5群 77.2% 7.2%
脂肪の摂取比率 総死亡率
1群 10.6% 6.7%
2群 18.0% 5.1%
3群 24.2% 4.6%
4群 29.1% 4.3%
5群 35.3% 4.1%
前向きコホート研究①の結論は
「高脂肪食に冠動脈疾患のリスクなし」
です。
前向きコホート研究②の結論は
「飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がない」
です。
つまり、肉の脂も大丈夫ということです。
前向きコホート研究③の結論は
「脂肪の摂取比率が多いほど総死亡率は低下する」
です。
つまり、脂肪が体に悪いどころか、
多く食べるほど、体に良いということです。
江部康二
2023年07月11日 (火)
こんにちは。
現在では、米国糖尿病学会(ADA)ガイドライン2023年版に、
「低炭水化物の食事パターン、特に超低炭水化物(VLC)の食事パターンは、A1Cと抗高血糖薬の必要性を減らすことが示されています。
これらの食事パターンは、2型糖尿病で最も研究されている食事パターンの1つです。」
と明記されています。
例えば、高雄病院のスーパー糖質制限食は
<タンパク質:32%、脂質:56%、糖質12%>
と高脂肪食で、糖尿病や様々な生活習慣病に画期的な治療効果をあげています。
それでは、以前の「脂肪悪玉説」は、どのように形成されていったのでしょう。
<脂肪悪玉説の始まり>
1950年代にアメリカミネソタ大学のアンセル・キーズ博士が
『バター、チーズ、赤身肉に多く含まれる飽和脂肪酸は、血液中のコレステロール値を上昇させ、その結果、狭心症や心筋梗塞など冠動脈疾患の原因になる』
という説を主張しました。
これが脂肪悪玉説の始まりと言われています。
<米国栄養ガイドラインの失敗>
アンセル・キーズ博士の仮説に従って、米国では、炭水化物摂取比率を増やし、
脂肪摂取比率を減らす栄養指導が行われました。
1977年、米国栄養ガイドライン。脂質減らし、炭水化物を増やせ。
脂質摂取率は30年間減り続けた。 1971年36.9%⇒2000年32.8%
炭水化物摂取率は30年間増え続けた。 1971年42.4%⇒2000年49.0%
目標達成したのに、肥満は30年で倍増。
目標達成したのに、糖尿病はわずか10年で2.5倍増。
脂質摂取比率が減って、炭水化物(糖質+食物線維)摂取比率が増えて、
目標達成したはずなのに肥満倍増、糖尿病激増で、結果は大失敗です。
こうなると真犯人は糖質の頻回・過剰摂取、の可能性が大なのです。
<米国糖尿病学会(ADA)と食事療法の変遷、糖質制限食は?>
①ADAは、2007年まで糖尿病の食事療法において糖質制限食は推奨しないとしていた。
②2008年、「食事療法に関する声明2008」において、
「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、
1年の期限付きで、糖質制限食の有効性を認める見解を記載。
③2011年、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで糖質制限食の有効性を容認。
④2013年10月、「食事療法に関する声明2013」において期限や限定なしで、糖質制限食を容認
⑤2019年4月、コンセンサス・レポートで糖質制限食が、エビデンスも最も豊富と記載。
⑥2020年4月、「栄養療法」
地中海式、低炭水化物、およびベジタリアン食事パターンは、
いずれも研究で良好な結果が示されている
健康的な食事パターンの例である。
個別の食事計画は、個人の好み、ニーズ、
および目標に焦点を当てるべきである。
糖尿病患者の全体的な炭水化物摂取量を減らすことは、
血糖値を改善するために最も多くのエビデンスが示されているので、
個人のニーズや好みに応じた様々な食事パターンに
適用することができる。
<「TIME」紙と脂肪悪玉説>
1984年のアメリカ「TIME」紙の表紙は、目玉焼きとベーコンの絵です。
食べる脂質を減らそうというメッセージでした。
しかし30年後同紙において
「バターを食べましょう。なぜ科学者たちは脂質を悪玉と誤認したのか」
という内容を特集しています。
このように、米国のマスコミにおいても、脂肪悪玉説は払拭されたようです。
現在は、1980年代からアメリカの国策であった脂質の摂取量削減が方針転換され、脂質をもっと摂取したほうが良い(その代わり糖質の摂取量を減らす)という流れに変わってきています。
江部康二
現在では、米国糖尿病学会(ADA)ガイドライン2023年版に、
「低炭水化物の食事パターン、特に超低炭水化物(VLC)の食事パターンは、A1Cと抗高血糖薬の必要性を減らすことが示されています。
これらの食事パターンは、2型糖尿病で最も研究されている食事パターンの1つです。」
と明記されています。
例えば、高雄病院のスーパー糖質制限食は
<タンパク質:32%、脂質:56%、糖質12%>
と高脂肪食で、糖尿病や様々な生活習慣病に画期的な治療効果をあげています。
それでは、以前の「脂肪悪玉説」は、どのように形成されていったのでしょう。
<脂肪悪玉説の始まり>
1950年代にアメリカミネソタ大学のアンセル・キーズ博士が
『バター、チーズ、赤身肉に多く含まれる飽和脂肪酸は、血液中のコレステロール値を上昇させ、その結果、狭心症や心筋梗塞など冠動脈疾患の原因になる』
という説を主張しました。
これが脂肪悪玉説の始まりと言われています。
<米国栄養ガイドラインの失敗>
アンセル・キーズ博士の仮説に従って、米国では、炭水化物摂取比率を増やし、
脂肪摂取比率を減らす栄養指導が行われました。
1977年、米国栄養ガイドライン。脂質減らし、炭水化物を増やせ。
脂質摂取率は30年間減り続けた。 1971年36.9%⇒2000年32.8%
炭水化物摂取率は30年間増え続けた。 1971年42.4%⇒2000年49.0%
目標達成したのに、肥満は30年で倍増。
目標達成したのに、糖尿病はわずか10年で2.5倍増。
脂質摂取比率が減って、炭水化物(糖質+食物線維)摂取比率が増えて、
目標達成したはずなのに肥満倍増、糖尿病激増で、結果は大失敗です。
こうなると真犯人は糖質の頻回・過剰摂取、の可能性が大なのです。
<米国糖尿病学会(ADA)と食事療法の変遷、糖質制限食は?>
①ADAは、2007年まで糖尿病の食事療法において糖質制限食は推奨しないとしていた。
②2008年、「食事療法に関する声明2008」において、
「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、
1年の期限付きで、糖質制限食の有効性を認める見解を記載。
③2011年、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで糖質制限食の有効性を容認。
④2013年10月、「食事療法に関する声明2013」において期限や限定なしで、糖質制限食を容認
⑤2019年4月、コンセンサス・レポートで糖質制限食が、エビデンスも最も豊富と記載。
⑥2020年4月、「栄養療法」
地中海式、低炭水化物、およびベジタリアン食事パターンは、
いずれも研究で良好な結果が示されている
健康的な食事パターンの例である。
個別の食事計画は、個人の好み、ニーズ、
および目標に焦点を当てるべきである。
糖尿病患者の全体的な炭水化物摂取量を減らすことは、
血糖値を改善するために最も多くのエビデンスが示されているので、
個人のニーズや好みに応じた様々な食事パターンに
適用することができる。
<「TIME」紙と脂肪悪玉説>
1984年のアメリカ「TIME」紙の表紙は、目玉焼きとベーコンの絵です。
食べる脂質を減らそうというメッセージでした。
しかし30年後同紙において
「バターを食べましょう。なぜ科学者たちは脂質を悪玉と誤認したのか」
という内容を特集しています。
このように、米国のマスコミにおいても、脂肪悪玉説は払拭されたようです。
現在は、1980年代からアメリカの国策であった脂質の摂取量削減が方針転換され、脂質をもっと摂取したほうが良い(その代わり糖質の摂取量を減らす)という流れに変わってきています。
江部康二
2023年07月09日 (日)
おはようございます。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
https://diamond.jp/articles/-/324361
【医師が教える】
糖質を控えてスリムなボディに! オススメの「人工甘味料」とは?
江部康二ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術2023.7.9 4:20
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
おすすめの「人工甘味料」【前回】からの続き
人工甘味料で何よりもおすすめなのは、「エリスリトール」です。
もし合成甘味料が心配なら、こちらを使うようにするといいでしょう。
エリスリトールは糖アルコールという種類の人工甘味料の一種です。
これは自然界に存在しない合成甘味料とは異なり、
メロン、ブドウ、ナシなどの果物や発酵食品にも含まれていて、
甘味料としてはブドウ糖を発酵させて作られます。
避けたほうが無難な人工甘味料は?
人工甘味料「エリスリトール」は
ゼロカロリー&血糖値も上げない
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
https://diamond.jp/articles/-/324361
【医師が教える】
糖質を控えてスリムなボディに! オススメの「人工甘味料」とは?
江部康二ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術2023.7.9 4:20
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
おすすめの「人工甘味料」【前回】からの続き
人工甘味料で何よりもおすすめなのは、「エリスリトール」です。
もし合成甘味料が心配なら、こちらを使うようにするといいでしょう。
エリスリトールは糖アルコールという種類の人工甘味料の一種です。
これは自然界に存在しない合成甘味料とは異なり、
メロン、ブドウ、ナシなどの果物や発酵食品にも含まれていて、
甘味料としてはブドウ糖を発酵させて作られます。
避けたほうが無難な人工甘味料は?
人工甘味料「エリスリトール」は
ゼロカロリー&血糖値も上げない
2023年07月08日 (土)
こんばんは。
2023年7月7日のヤフーニュースに
アルツハイマー新薬、米が正式承認 エーザイなど開発 進行抑制に効果
【ニューヨーク時事】
米食品医薬品局(FDA)は6日、
日本の製薬大手エーザイと米医薬品大手バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬
「レカネマブ」を正式に承認したと発表した。
日本では遅くとも9月までに承認される見通しだ。
2023/7/7(金)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a3a7a09e1b81caeddcd22dc386c512cadb43c4a1
という記事が掲載されました。
軽度認知症など早期アルツハイマー病に関わる適応を対象としています。
同新薬は2013年1月6日、米国で迅速承認を取得しています。
症状の進行を遅らせる効果が確認できたとしています。
しかし、正式承認までに、かなりの期間を要しました。
アルツハイマー病に有効な藥が開発されたのはよいことです。
しかし、アルツハイマー病に罹らないことはもっとよいことです。
高齢化の進展とともに、認知症患者数も増加しています。
2012年時点で約462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。
65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人です。
そして、その数が2025年には730万人へ増加し、
65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されています。
今日は認知症が糖質制限食で予防・改善できるというお話です
「認知症」という言葉には、ほとんどの人が不安を感じると思います。
認知症とは「いったん正常に発達した知能が、後天的な脳の障害によって低下した状態」と定義されています。
知能の低下とは、たとえば「さっき人と会ったことを覚えていない」「食事をしたことを忘れる」などの記憶障害、
「文字を読んでも意味がわからない」「簡単な計算ができない」といった判断力の低下、
「見えないものが見える」という幻覚、「財布を盗まれた」という妄想に至るまで
記憶や判断力に障害が起こることを指します。
認知症の患者とその予備軍は65歳以上では4人にひとりであり、これは大変な数といえます。
さて、この認知症ですが、ひとつの病気のことを指すのではなく、いくつかの病気の総称として用いられています。
つまり、知能を低下させる病気はひとつに限定されるわけではないということです。
その代表的なものとしては4つあり、
それぞれ「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」と呼ばれています。
さて、この認知症のなかで、圧倒的に多いのが、アルツハイマー病で、およそ70%を占めています。
70%というのはすごい数字ですが、逆に言えばアルツハイマー病に気をつけておけば、
認知症に対する不安は大きく軽減されることになるわけです。
そしてアルツハイマー病をはじめとする認知症の予防に絶大な効果を発揮するのが、糖質制限食です。
認知症は、日本のような高齢化社会において、もっとも重要な病気の一つです。
2012年時点でわが国には約 462 万人の認知症患者がいます。
また認知症予備軍とされる軽度認知障害(MCI)を呈する高齢者は約 400万人存在すると考えられています。
MCI は、アルツハイマー病を含む認知症のリスクを増加させる
老化の一般的な障害とされています。
MCI と判定された場合は、年率 10 ~15% で認知症に進行することが知られています。
認知症患者数は 、2020年で631万人にのぼり、
今後さらに増加していくと予想されますが、
これまで認知症の根治につながる治療法は確立していません。
近年認知症との関連で注目されている糖化ストレスマーカーとして
終末糖化産物(advanced glycation endproducts: AGEs)があります。
AGEs の産生増加は糖尿病にともなう炎症や酸化ストレスの亢進など多くの病態と関連し、
加齢や動脈硬化もその一つです。
そして、アルツハイマー病のような認知症では正常老化のそれに比べてAGEsの蓄積が加速されているのです。
AGEsの蓄積という糖化ストレスが、酸化ストレスも招きアルツハイマー病の元凶となっていますし、
他の型の認知症にも関与していると思われます。
また、動脈硬化や老化も同様にAGEsのせいです。
アルツハイマー病を改善させる治療法も治療薬もない現状では、
可能な限り早期に認知症および MCIを発見して何らかの介入を行うことが必要です。
そしてその唯一の解決法が『糖質制限食』です。
糖質制限食なら、蓄積するAGEsを最小限に抑えることができるので
MCIや認知症の予防・改善が可能です。
本ブログに、よくコメントを頂いている『らこさん』の場合も、
釣り銭が計算できなくなるといったアルツハイマー病発症の段階から
糖質制限食開始してわずか1週間足らずで正常に復活しておられ、
その後現在まで10年間元気に過ごしておられます。
ブログ読者の皆さんも、是非糖質制限食を実践されて、
将来のMCIやアルツハイマー病の予防を心がけて頂ければ幸いです。
江部康二
2023年7月7日のヤフーニュースに
アルツハイマー新薬、米が正式承認 エーザイなど開発 進行抑制に効果
【ニューヨーク時事】
米食品医薬品局(FDA)は6日、
日本の製薬大手エーザイと米医薬品大手バイオジェンが共同開発したアルツハイマー病治療薬
「レカネマブ」を正式に承認したと発表した。
日本では遅くとも9月までに承認される見通しだ。
2023/7/7(金)
https://news.yahoo.co.jp/articles/a3a7a09e1b81caeddcd22dc386c512cadb43c4a1
という記事が掲載されました。
軽度認知症など早期アルツハイマー病に関わる適応を対象としています。
同新薬は2013年1月6日、米国で迅速承認を取得しています。
症状の進行を遅らせる効果が確認できたとしています。
しかし、正式承認までに、かなりの期間を要しました。
アルツハイマー病に有効な藥が開発されたのはよいことです。
しかし、アルツハイマー病に罹らないことはもっとよいことです。
高齢化の進展とともに、認知症患者数も増加しています。
2012年時点で約462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。
65歳以上の認知症患者数は2020年に約602万人です。
そして、その数が2025年には730万人へ増加し、
65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると推計されています。
今日は認知症が糖質制限食で予防・改善できるというお話です
「認知症」という言葉には、ほとんどの人が不安を感じると思います。
認知症とは「いったん正常に発達した知能が、後天的な脳の障害によって低下した状態」と定義されています。
知能の低下とは、たとえば「さっき人と会ったことを覚えていない」「食事をしたことを忘れる」などの記憶障害、
「文字を読んでも意味がわからない」「簡単な計算ができない」といった判断力の低下、
「見えないものが見える」という幻覚、「財布を盗まれた」という妄想に至るまで
記憶や判断力に障害が起こることを指します。
認知症の患者とその予備軍は65歳以上では4人にひとりであり、これは大変な数といえます。
さて、この認知症ですが、ひとつの病気のことを指すのではなく、いくつかの病気の総称として用いられています。
つまり、知能を低下させる病気はひとつに限定されるわけではないということです。
その代表的なものとしては4つあり、
それぞれ「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」と呼ばれています。
さて、この認知症のなかで、圧倒的に多いのが、アルツハイマー病で、およそ70%を占めています。
70%というのはすごい数字ですが、逆に言えばアルツハイマー病に気をつけておけば、
認知症に対する不安は大きく軽減されることになるわけです。
そしてアルツハイマー病をはじめとする認知症の予防に絶大な効果を発揮するのが、糖質制限食です。
認知症は、日本のような高齢化社会において、もっとも重要な病気の一つです。
2012年時点でわが国には約 462 万人の認知症患者がいます。
また認知症予備軍とされる軽度認知障害(MCI)を呈する高齢者は約 400万人存在すると考えられています。
MCI は、アルツハイマー病を含む認知症のリスクを増加させる
老化の一般的な障害とされています。
MCI と判定された場合は、年率 10 ~15% で認知症に進行することが知られています。
認知症患者数は 、2020年で631万人にのぼり、
今後さらに増加していくと予想されますが、
これまで認知症の根治につながる治療法は確立していません。
近年認知症との関連で注目されている糖化ストレスマーカーとして
終末糖化産物(advanced glycation endproducts: AGEs)があります。
AGEs の産生増加は糖尿病にともなう炎症や酸化ストレスの亢進など多くの病態と関連し、
加齢や動脈硬化もその一つです。
そして、アルツハイマー病のような認知症では正常老化のそれに比べてAGEsの蓄積が加速されているのです。
AGEsの蓄積という糖化ストレスが、酸化ストレスも招きアルツハイマー病の元凶となっていますし、
他の型の認知症にも関与していると思われます。
また、動脈硬化や老化も同様にAGEsのせいです。
アルツハイマー病を改善させる治療法も治療薬もない現状では、
可能な限り早期に認知症および MCIを発見して何らかの介入を行うことが必要です。
そしてその唯一の解決法が『糖質制限食』です。
糖質制限食なら、蓄積するAGEsを最小限に抑えることができるので
MCIや認知症の予防・改善が可能です。
本ブログに、よくコメントを頂いている『らこさん』の場合も、
釣り銭が計算できなくなるといったアルツハイマー病発症の段階から
糖質制限食開始してわずか1週間足らずで正常に復活しておられ、
その後現在まで10年間元気に過ごしておられます。
ブログ読者の皆さんも、是非糖質制限食を実践されて、
将来のMCIやアルツハイマー病の予防を心がけて頂ければ幸いです。
江部康二
2023年07月07日 (金)
こんにちは。
2023年8月21日(月)に京都で、日本糖質制限医療推進協会主催の料理教室、
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室」を開催します。
講師は、管理栄養士の佐々木栄子さん(ローカーボクラブ代表/
日本糖質制限医療推進協会アドバイザー)です。
佐々木栄子さんは2017年に、著書『糖質オフのやせる「おきかえ」レシピ』を
PHP研究所より出版されました。
こちらの書籍は、私が監修し、解説を執筆しております。
生協会員の方向けの限定販売で、一般書店では販売していませんが、
PHP研究所さんのサイト(※)から直接ご購入いただけます。
※ http://www.php.co.jp/family/detail.php?id=83505
2019年11月末以来の久しぶりの料理教室開催です。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」だそうです。
新たなジャンルでの低糖質レシピ、乞うご期待です(^^)/
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
2023年8月21日(月)に京都で、管理栄養士の佐々木栄子先生による、低糖質料理教室を開催いたします。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」です。
メインは、ボリューム感のある、エスニックなご飯ものを低糖質で。
サブは、たんぱく質、ビタミン、食物繊維が効率良く摂れる、アジアン風おかずスープを。
デザートは、混ぜるだけで簡単だけれど本格派の、低糖質イタリアンドルチェをご紹介します。
お手頃価格の食材で、日々の食事に役立つ低糖質メニューを学べる教室です。
糖質制限食のレパートリーを増やしたい、マンネリおかずを解消したい、そんな方にもおすすめです。
関西にお住まいの方をはじめ、皆さまのご参加をお待ちしております。
*今回のテーマは、昨夏に新型コロナ感染拡大の影響で開催中止とした教室と同じです。
◇料理・スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室(京都)」
♪テーマ:「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」
◆日時: 2023年8月21日(月) 11:30~15:30頃 ※開場・受付は11:15~
◆会場: あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室
〒600-8813 京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
http://www.kyo-ajiwaikan.com/access
♪講師: 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者(当会アドバイザー)
◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円
◆定員・対象: 16名様 ・一般(18歳以上)
◆当日の流れ: レシピ説明・デモ→ 実習 → 試食 → 片付け後、解散
◆ご持参いただくもの:
エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具
◆お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
◆お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
◆お申し込み方法:
★賛助会員の方: 事務局へメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会+教室参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会等出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「8/21京都料理教室、参加希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、教室参加ご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/cooking
◆その他
・予約制です。当日参加はできません。
・お申し込み後、キャンセルされる場合は、8月17日(木)までにご連絡ください。
8月18日(金)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。
・調理実習室内は土足不可のため、会場に設置されたスリッパにお履き替えください。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。
・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
2023年8月21日(月)に京都で、日本糖質制限医療推進協会主催の料理教室、
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室」を開催します。
講師は、管理栄養士の佐々木栄子さん(ローカーボクラブ代表/
日本糖質制限医療推進協会アドバイザー)です。
佐々木栄子さんは2017年に、著書『糖質オフのやせる「おきかえ」レシピ』を
PHP研究所より出版されました。
こちらの書籍は、私が監修し、解説を執筆しております。
生協会員の方向けの限定販売で、一般書店では販売していませんが、
PHP研究所さんのサイト(※)から直接ご購入いただけます。
※ http://www.php.co.jp/family/detail.php?id=83505
2019年11月末以来の久しぶりの料理教室開催です。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」だそうです。
新たなジャンルでの低糖質レシピ、乞うご期待です(^^)/
江部康二
以下事務局からのお知らせです。
*************
ブログ読者の皆様、いつも弊会のイベントへ多数ご参加いただきまして、 ありがとうございます。
2023年8月21日(月)に京都で、管理栄養士の佐々木栄子先生による、低糖質料理教室を開催いたします。
テーマは、「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」です。
メインは、ボリューム感のある、エスニックなご飯ものを低糖質で。
サブは、たんぱく質、ビタミン、食物繊維が効率良く摂れる、アジアン風おかずスープを。
デザートは、混ぜるだけで簡単だけれど本格派の、低糖質イタリアンドルチェをご紹介します。
お手頃価格の食材で、日々の食事に役立つ低糖質メニューを学べる教室です。
糖質制限食のレパートリーを増やしたい、マンネリおかずを解消したい、そんな方にもおすすめです。
関西にお住まいの方をはじめ、皆さまのご参加をお待ちしております。
*今回のテーマは、昨夏に新型コロナ感染拡大の影響で開催中止とした教室と同じです。
◇料理・スイーツ教室情報URL: http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity
●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●―○―●
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催
「置き換えレシピで、美味しく楽しく!低糖質料理教室(京都)」
♪テーマ:「スパイシーなエスニックランチ&イタリアンドルチェを低糖質で」
◆日時: 2023年8月21日(月) 11:30~15:30頃 ※開場・受付は11:15~
◆会場: あじわい館(京の食文化ミュージアム)調理実習室
〒600-8813 京都市下京区中堂寺南町130番地 京都青果センタービル3階
http://www.kyo-ajiwaikan.com/access
♪講師: 佐々木栄子 管理栄養士/健康運動実践指導者(当会アドバイザー)
◆参加費: 賛助会員料金 3,400円/一般料金 4,000円
◆定員・対象: 16名様 ・一般(18歳以上)
◆当日の流れ: レシピ説明・デモ→ 実習 → 試食 → 片付け後、解散
◆ご持参いただくもの:
エプロン、三角巾、ふきん(タオル)2枚(台ふき用・食器ふき用)、筆記用具
◆お支払い方法: クレジットカード/銀行振込/郵便振替 ※事前決済のみとなります。
◆お申し込みの流れ:
1. 下記「お申し込み方法」の該当するものからお申し込みください。
2. 事務局よりお支払い方法についてメールでご連絡します。
3. 入金確認後、予約確定のメールをお送りします。
4. 当日、直接会場までお越しいただき、受付にてお名前をお伝えください。
◆お申し込み方法:
★賛助会員の方: 事務局へメールにてお申し込み下さい。
★賛助会員入会+教室参加をご希望の方:
1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up
2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会等出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に「8/21京都料理教室、参加希望」とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact
★一般(会員以外の方)で、教室参加ご希望の方:
下のフォームからお申し込み下さい。
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・予約制です。当日参加はできません。
・お申し込み後、キャンセルされる場合は、8月17日(木)までにご連絡ください。
8月18日(金)以降のキャンセルは、参加費の半額をキャンセル料金としていただきますので、予めご了承ください。
・調理実習室内は土足不可のため、会場に設置されたスリッパにお履き替えください。
・実習室で作ったもの以外の飲食はできません。ご自宅で作ったお料理やお菓子などの持ち込みはできませんのでご注意ください。
・皆さまで実習と試食を行っていただきますので、香水などのフレグランスはお控えください。
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2023年07月06日 (木)
こんにちは。
本ブログでは、肉、魚など動物性タンパク質、脂肪は人体に優しい健康食で、
たくさん食べてよいといつも述べています。
一方、糖質が主成分の穀物や芋は、要注意食品であることを強調しています。
糖質を摂取すると食後血糖値が急上昇して、インスリンが大量に分泌されます。
糖質摂取で、「食後高血糖」「平均血糖幅増大」「高インスリン血症」が生じると、
活性酸素を発生させて、酸化ストレスリスク上昇となり、人体にとって有害です。
それでは動物性タンパク質、脂肪は、安全なのでしょうか?
米国糖尿病学会は、
2019年4月、コンセンサス・レポートで『糖質制限食は、
2型糖尿病で最も研究されている食事療法の一つである』として、一推しで推奨しています。
糖質制限食に関しては、低炭水化物食、超低炭水化物食共に記載してあります。
超低炭水化物食は、間違いなく高脂肪食です。
高雄病院のスーパー糖質制限食はこの「超低炭水化物食」に相当し、
脂質摂取比率は56%、タンパク質32%、糖質12%です。
すなわち、高タンパク・高脂肪食です。
さらに2020年4月、ガイドラインの「栄養療法」において
『地中海式、低炭水化物、およびベジタリアン食事パターンは、
いずれも研究で良好な結果が示されている 健康的な食事パターンの例である。
個別の食事計画は、個人の好み、ニーズ、および目標に焦点を当てるべきである。
糖尿病患者の全体的な炭水化物摂取量を減らすことは、
血糖値を改善するために最も多くのエビデンスが示されているので、
個人のニーズや好みに応じた様々な食事パターンに 適用することができる。』
としています。
2021年、2022年、2023年のガイドラインでも、コンセンサス・レポートを引用しており、同様の見解です。
従って、高脂肪食の安全性に関しては、エビデンスありですね。
さらに理論的に考察してみます。。
単純には、700万年間の農耕開始前の狩猟・採取時代には、
肉・魚はメインに摂取していたものの一つということです。
さらに絞って、我々ホモ・サピエンスは30万年間、
狩猟・採集を生業として食生活をおくり、突然変異を繰り返して、
消化管、栄養、代謝、生理システムを完成させました。
この間、雑食ではありますが、穀物なしで、肉・魚などの高タンパク・高脂肪食をメインに摂取しながら、
それに適合するように、人体のシステムは完成されました。
現実に、必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維、微量元素などは、
人体で生産できないので必ず食材から摂取する必要があります。
これに対して必須糖質はなく、理論的には糖質ゼロでもヒトは生きることができます。
結局、狩猟・採集をしながら完成された人体のシステムには、
狩猟・採集時代の食生活こそが本来の食生活であり健康食と言えます。
農耕開始後1万年間は、穀物が主食となりました。
しかし、狩猟・採集で形づくられた人体のシステムにとって、
摂取エネルギーの50~60%を穀物から摂取することは、本来無理筋なのです。
ヒューマン・ニュートリション 基礎・食事・臨床 第10版
JS Garrow WPT james A Ralph 編
日本語版監修 細谷憲政
上記は、英国の最も権威ある栄養学の本で、920ぺージに及ぶ大著です。
この本の75ページに
『現代の食事では、・・・・・デンプンや遊離糖に由来する「利用されやすいグルコース」を大量に摂取するようになっている。このような食事内容は血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇をもたらし、糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化等、
多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている。
農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとした食物を摂取するようになったが、
進化に要する時間の尺度は長く、ヒトの消化管はまだ穀物ベースの食物に適応していない。ましてや高度に加工された現代の食物に対して、到底適応しきれてないのである。』
と記載してあります。
常日頃、糖質制限食の立場から私が主張している、
「人類の主食は穀物ではない」
と完全に一致する内容ですね。
ヒューマン・ニュートリションでは、穀物の過剰摂取の害、
特に精製炭水化物による「血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇」が
多くの点で健康に有害と強調しています。
これも私が日頃主張している
「精製炭水化物摂取によるグルコースミニスパイクとインスリンの頻回・過剰分泌が
生活習慣病の元凶である。」
という説と、全く同じといっていいと思います。
江部康二
本ブログでは、肉、魚など動物性タンパク質、脂肪は人体に優しい健康食で、
たくさん食べてよいといつも述べています。
一方、糖質が主成分の穀物や芋は、要注意食品であることを強調しています。
糖質を摂取すると食後血糖値が急上昇して、インスリンが大量に分泌されます。
糖質摂取で、「食後高血糖」「平均血糖幅増大」「高インスリン血症」が生じると、
活性酸素を発生させて、酸化ストレスリスク上昇となり、人体にとって有害です。
それでは動物性タンパク質、脂肪は、安全なのでしょうか?
米国糖尿病学会は、
2019年4月、コンセンサス・レポートで『糖質制限食は、
2型糖尿病で最も研究されている食事療法の一つである』として、一推しで推奨しています。
糖質制限食に関しては、低炭水化物食、超低炭水化物食共に記載してあります。
超低炭水化物食は、間違いなく高脂肪食です。
高雄病院のスーパー糖質制限食はこの「超低炭水化物食」に相当し、
脂質摂取比率は56%、タンパク質32%、糖質12%です。
すなわち、高タンパク・高脂肪食です。
さらに2020年4月、ガイドラインの「栄養療法」において
『地中海式、低炭水化物、およびベジタリアン食事パターンは、
いずれも研究で良好な結果が示されている 健康的な食事パターンの例である。
個別の食事計画は、個人の好み、ニーズ、および目標に焦点を当てるべきである。
糖尿病患者の全体的な炭水化物摂取量を減らすことは、
血糖値を改善するために最も多くのエビデンスが示されているので、
個人のニーズや好みに応じた様々な食事パターンに 適用することができる。』
としています。
2021年、2022年、2023年のガイドラインでも、コンセンサス・レポートを引用しており、同様の見解です。
従って、高脂肪食の安全性に関しては、エビデンスありですね。
さらに理論的に考察してみます。。
単純には、700万年間の農耕開始前の狩猟・採取時代には、
肉・魚はメインに摂取していたものの一つということです。
さらに絞って、我々ホモ・サピエンスは30万年間、
狩猟・採集を生業として食生活をおくり、突然変異を繰り返して、
消化管、栄養、代謝、生理システムを完成させました。
この間、雑食ではありますが、穀物なしで、肉・魚などの高タンパク・高脂肪食をメインに摂取しながら、
それに適合するように、人体のシステムは完成されました。
現実に、必須脂肪酸、必須アミノ酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維、微量元素などは、
人体で生産できないので必ず食材から摂取する必要があります。
これに対して必須糖質はなく、理論的には糖質ゼロでもヒトは生きることができます。
結局、狩猟・採集をしながら完成された人体のシステムには、
狩猟・採集時代の食生活こそが本来の食生活であり健康食と言えます。
農耕開始後1万年間は、穀物が主食となりました。
しかし、狩猟・採集で形づくられた人体のシステムにとって、
摂取エネルギーの50~60%を穀物から摂取することは、本来無理筋なのです。
ヒューマン・ニュートリション 基礎・食事・臨床 第10版
JS Garrow WPT james A Ralph 編
日本語版監修 細谷憲政
上記は、英国の最も権威ある栄養学の本で、920ぺージに及ぶ大著です。
この本の75ページに
『現代の食事では、・・・・・デンプンや遊離糖に由来する「利用されやすいグルコース」を大量に摂取するようになっている。このような食事内容は血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇をもたらし、糖尿病、冠状動脈疾患、がん、老化等、
多くの点で健康に有害であることが強く指摘されている。
農業の発明以来、ヒトは穀物をベースとした食物を摂取するようになったが、
進化に要する時間の尺度は長く、ヒトの消化管はまだ穀物ベースの食物に適応していない。ましてや高度に加工された現代の食物に対して、到底適応しきれてないのである。』
と記載してあります。
常日頃、糖質制限食の立場から私が主張している、
「人類の主食は穀物ではない」
と完全に一致する内容ですね。
ヒューマン・ニュートリションでは、穀物の過剰摂取の害、
特に精製炭水化物による「血漿グルコースおよびインスリン値の定期的な上昇」が
多くの点で健康に有害と強調しています。
これも私が日頃主張している
「精製炭水化物摂取によるグルコースミニスパイクとインスリンの頻回・過剰分泌が
生活習慣病の元凶である。」
という説と、全く同じといっていいと思います。
江部康二
2023年07月04日 (火)
【慢性腎臓病(CKD)とは
慢性腎臓病(CKD)患者数は日本国内に1,330万人(成人の8人に1人)*¹、
世界で9.1%*²が罹患しているとされ、
年々増加傾向にある注意が必要な病気です。
慢性腎臓病(CKD)は腎臓の機能が低下したり、たんぱく尿などの腎臓の異常が続いたりする病気ですが、
初期はあまり症状が現れず、自覚しにくいことが特徴です。
気づかず症状が進むと、透析治療や腎移植が必要となるリスクが高まり、
心臓病や脳卒中を発症する危険性も高まると言われています。
※1 日本腎臓学会 CKD診療ガイド2012
※2 GlobalBurden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study 2017】
こんにちは。
慢性腎臓病(CKD)患者数が、日本国内に1330万人ですから、12.5%です。
世界平均が9.1%なので、日本はCKD患者の割合が多い国と言えます。
慢性腎臓病(CKD)は、勿論、早期発見して早期治療する方がよいに決まっています。
CKDの特効薬はないのが現状ですが、原因疾患で一番多いのは糖尿病です。
糖尿病を早期からキッチリ治療して、CKD発症を予防するのが、
正解の治療と言えますが、それには糖質制限食が最適です。
腎機能検査ですが、血清クレアチニン値ではなく、血清シスタチンCを調べるのがベストです。
「ドクターサロン」という医学雑誌の2023年7月号に
「腎機能の評価方法」という記事が掲載されていました。
聞き手が池田克則先生で、回答者が、田尻ケ丘病院腎臓内科の鶴岡秀一先生です。
6ページで、鶴岡先生が、『クレアチニンは筋肉量を反映するので筋肉の少ない方や逆に筋肉が多すぎる方でももちろん問題になります。例えばすごく運動をしている方やプロテインを摂取している方などの場合も問題になってくる欠点があります。』
とクレアチニンの欠点を指摘しておられます。
しかし、残念ながらシスタチンCには言及しておられません。
高齢者の腎機能はクレアチニンで評価してはいけません。
高齢者の腎機能はシスタチンCで評価しなくてはなりません。
ブログ読者の医師・看護師の方々は、是非同僚や知り合いの医師・看護師の方々にこの情報を拡散するようよろしくお願い申し上げます。
例えば、75歳男性Aさんの血清クレアチニン値は0.76mg/dlで基準値内で、eGFRは75.9mL/min/1.73m2と正常でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.76mg/dlで基準値を超えていてeGFRは30.61mL/min/1.73m2としっかり腎機能障害でした。
血清クレアチニンの基準値は、男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下です。
血清シスタチンCの基準値は、男性0.63~0.95mg/L、女性0.56~0.87mg/Lです。
同様に、77歳女性Aさんのクレアチニン値は0.58mg/dlで基準値内でeGFRは73.89mL/min/1.73m2で正常でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.48mg/dlで基準値を超えていてeGFRは39.59mL/min/1.73m2で腎機能障害が認められました。
つまり、AさんもBさんも、本当は腎機能障害があるけれど、
血清クレアチニン検査は正常であり、見逃してしまうということになります。
クレアチニンは筋肉量や運動が結果に影響します。
高齢者は筋肉量が少ないので、本当は腎機能障害があるのに見かけ上、正常にでてしまうのです。
血清シスタチンCが、それらに影響を受けない最も、信頼度の高い腎機能検査です。
高齢者の場合は、ほとんどの人において、筋肉量が少ないです。
そうすると、一般によく用いられる腎機能検査の「血清クレアチニン値」だと、
筋肉量が少ない分、低値になります。
つまり、本当は腎機能障害があるのに、「血清クレアチニン値」だと正常範囲になってしまうケースがかなりあると 思われます。
このような時、「血清シスタチンC」だと、
筋肉量に影響されずに正確な腎機能を評価することができ、とても有用です。
国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人が高齢者です。
65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。
総務省によれば、日本の65歳以上の高齢者は、
2020年は3617万人・総人口の28.7%で、過去最高の更新が続いています。
筋肉量20歳を基準。30歳で、6%低下40歳で、12%低下。50歳で、18%低下。60歳で、24%低下。70歳で、30%低下。
筋肉量に関してはhttps://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/undoukei-rouka.html健康長寿ネットを参考にさせて頂きました。
ありがとうございます。
これだと、少なくとも60歳以上はクレアチニンは当てにならないのでシスタチンCで評価すべきです。
基本40歳以上はシスタチンCがいいです。
しかし、1/3ヶ月でないと保険適応となりません。つまり、1月に検査したら、次は4月となります。
腎臓には血液をろ過して、
体の中に溜まった老廃物や水分、取り過ぎた塩分などを尿と一緒に体の外へ出してくれる働きがあります.
腎臓はいらなくなった余分なものを体から排出して、
必要なものだけをしっかり体の中に残してくれるので、体内の環境を正常に保つことができるのです。
糸球体での濾過量(GFR)は、正常では一定に維持され、腎機能を知るうえで最も重要な指標となります。
血清シスタチンCの数値や血清クレアチニンの数値から、
年齢と性別を考慮して、腎臓の働きを推測した値を、eGFR(推定糸球体濾過量)と言います。
<血清シスタチンC GFR><血清クレアチニン GFR>で、
ネットで検索すれば、eGFR(推定糸球体濾過量)を計算するサイトが見つかります。
便利なので、利用しましょう。
そこで計算して、eGFRが60以上なら心配ないです。
腎機能検査として、一般的な血清クレアチニンや尿素窒素は食事や筋肉量、運動などの影響を受けますが、
血清シスタチンC値はそれらの影響を受けないため、
小児・老人・妊産婦・アスリートなどでも問題なく測定できます。
また、クレアチニン値はGFRが30mL/分(腎不全)前後まで低下した頃から上昇するのに対し、
シスタチンC値はGFRが70mL/分前後の軽度~中等度の腎機能障害でも上昇するので、
腎機能障害の早期診断にたいへん有用です。
したがって、血清クレアチニンや尿素窒素が正常であっても、
尿検査で蛋白あるいは潜血反応に異常が認められた場合には、
早期腎症の可能性がありえるので、血清シスタチンCを調べるのが有用です。
血清クレアチニン値が既に高値(2mg/dL以上)であれば、シスタチンCを測定する意義はありません。
一方、ごく軽度上昇例で評価が困難な場合、シスタチンC測定で腎機能を検査するのがお奨めです。
江部康二
慢性腎臓病(CKD)患者数は日本国内に1,330万人(成人の8人に1人)*¹、
世界で9.1%*²が罹患しているとされ、
年々増加傾向にある注意が必要な病気です。
慢性腎臓病(CKD)は腎臓の機能が低下したり、たんぱく尿などの腎臓の異常が続いたりする病気ですが、
初期はあまり症状が現れず、自覚しにくいことが特徴です。
気づかず症状が進むと、透析治療や腎移植が必要となるリスクが高まり、
心臓病や脳卒中を発症する危険性も高まると言われています。
※1 日本腎臓学会 CKD診療ガイド2012
※2 GlobalBurden of Diseases, Injuries, and Risk Factors Study 2017】
こんにちは。
慢性腎臓病(CKD)患者数が、日本国内に1330万人ですから、12.5%です。
世界平均が9.1%なので、日本はCKD患者の割合が多い国と言えます。
慢性腎臓病(CKD)は、勿論、早期発見して早期治療する方がよいに決まっています。
CKDの特効薬はないのが現状ですが、原因疾患で一番多いのは糖尿病です。
糖尿病を早期からキッチリ治療して、CKD発症を予防するのが、
正解の治療と言えますが、それには糖質制限食が最適です。
腎機能検査ですが、血清クレアチニン値ではなく、血清シスタチンCを調べるのがベストです。
「ドクターサロン」という医学雑誌の2023年7月号に
「腎機能の評価方法」という記事が掲載されていました。
聞き手が池田克則先生で、回答者が、田尻ケ丘病院腎臓内科の鶴岡秀一先生です。
6ページで、鶴岡先生が、『クレアチニンは筋肉量を反映するので筋肉の少ない方や逆に筋肉が多すぎる方でももちろん問題になります。例えばすごく運動をしている方やプロテインを摂取している方などの場合も問題になってくる欠点があります。』
とクレアチニンの欠点を指摘しておられます。
しかし、残念ながらシスタチンCには言及しておられません。
ブログ読者の医師・看護師の方々は、是非同僚や知り合いの医師・看護師の方々にこの情報を拡散するようよろしくお願い申し上げます。
例えば、75歳男性Aさんの血清クレアチニン値は0.76mg/dlで基準値内で、eGFRは75.9mL/min/1.73m2と正常でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.76mg/dlで基準値を超えていてeGFRは30.61mL/min/1.73m2としっかり腎機能障害でした。
血清クレアチニンの基準値は、男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下です。
血清シスタチンCの基準値は、男性0.63~0.95mg/L、女性0.56~0.87mg/Lです。
同様に、77歳女性Aさんのクレアチニン値は0.58mg/dlで基準値内でeGFRは73.89mL/min/1.73m2で正常でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.48mg/dlで基準値を超えていてeGFRは39.59mL/min/1.73m2で腎機能障害が認められました。
つまり、AさんもBさんも、本当は腎機能障害があるけれど、
血清クレアチニン検査は正常であり、見逃してしまうということになります。
クレアチニンは筋肉量や運動が結果に影響します。
高齢者は筋肉量が少ないので、本当は腎機能障害があるのに見かけ上、正常にでてしまうのです。
血清シスタチンCが、それらに影響を受けない最も、信頼度の高い腎機能検査です。
高齢者の場合は、ほとんどの人において、筋肉量が少ないです。
そうすると、一般によく用いられる腎機能検査の「血清クレアチニン値」だと、
筋肉量が少ない分、低値になります。
つまり、
このような時、「血清シスタチンC」だと、
筋肉量に影響されずに正確な腎機能を評価することができ、とても有用です。
国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人が高齢者です。
65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。
総務省によれば、日本の65歳以上の高齢者は、
2020年は3617万人・総人口の28.7%で、過去最高の更新が続いています。
筋肉量に関してはhttps://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/undoukei-rouka.html健康長寿ネットを参考にさせて頂きました。
ありがとうございます。
これだと、少なくとも60歳以上はクレアチニンは当てにならないのでシスタチンCで評価すべきです。
基本40歳以上はシスタチンCがいいです。
腎臓には血液をろ過して、
体の中に溜まった老廃物や水分、取り過ぎた塩分などを尿と一緒に体の外へ出してくれる働きがあります.
腎臓はいらなくなった余分なものを体から排出して、
必要なものだけをしっかり体の中に残してくれるので、体内の環境を正常に保つことができるのです。
糸球体での濾過量(GFR)は、正常では一定に維持され、腎機能を知るうえで最も重要な指標となります。
血清シスタチンCの数値や血清クレアチニンの数値から、
年齢と性別を考慮して、腎臓の働きを推測した値を、eGFR(推定糸球体濾過量)と言います。
<血清シスタチンC GFR><血清クレアチニン GFR>で、
ネットで検索すれば、eGFR(推定糸球体濾過量)を計算するサイトが見つかります。
便利なので、利用しましょう。
そこで計算して、eGFRが60以上なら心配ないです。
腎機能検査として、一般的な血清クレアチニンや尿素窒素は食事や筋肉量、運動などの影響を受けますが、
血清シスタチンC値はそれらの影響を受けないため、
小児・老人・妊産婦・アスリートなどでも問題なく測定できます。
また、クレアチニン値はGFRが30mL/分(腎不全)前後まで低下した頃から上昇するのに対し、
シスタチンC値はGFRが70mL/分前後の軽度~中等度の腎機能障害でも上昇するので、
腎機能障害の早期診断にたいへん有用です。
したがって、血清クレアチニンや尿素窒素が正常であっても、
尿検査で蛋白あるいは潜血反応に異常が認められた場合には、
早期腎症の可能性がありえるので、血清シスタチンCを調べるのが有用です。
血清クレアチニン値が既に高値(2mg/dL以上)であれば、シスタチンCを測定する意義はありません。
一方、ごく軽度上昇例で評価が困難な場合、シスタチンC測定で腎機能を検査するのがお奨めです。
江部康二
2023年07月03日 (月)
こんにちは。
相変わらず、根拠の乏しい糖質制限食批判が、
インターネットやユーチューブ(YouTube)で散見されます。
今回は、糖質制限食に肯定的なエビデンスとなる信頼度の高い論文を
取り上げてみました。
まずは、エビデンスレベルのもっとも高い
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」
の論文で、糖質制限食の有効性を示すものを列挙してみました。
集めてみると、こんなにたくさんあるのですね。
一方、糖質制限食に否定的な、
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」の論文は皆無です。
そして米国糖尿病学会は
2019年4月の<コンセンサスレポート>において
『糖質制限食は、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。』
『低炭水化物食、特に非常に低い低炭水化物食パターンは、HbA1cを下げて、
糖尿病薬を減らすことを示してきた。』
と明言し、一推しで推奨しています。
2020年、2021年、2022年、2023年の<ガイドライン>においても、
同様の見解です。
この時点で、「糖質制限食是非論争」に
エビデンスレベルで、明白な決着がついたと言えます。
RCT(ランダム化比較試験)レベル1+
①Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2009年
体重減少、中性脂肪減少、HDL-C増加は低炭水化物食が低脂質・低カロリー食に比し有効。13の電子データベースの2000年1月~2007年3月の低炭水化物食と低脂質食比較RCTをメタ解析。
Systematic review of randomized controlled trials of low-carbohydrate vs. low-fat/low-calorie diets in the management of obesity and its comorbidities M. Hession,et all
Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)
Volume 10, Issue 1, pages 36–50, January 2009
②Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2012年
23レポートのメタ解析によって
研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066Systematic review and meta-analysis of clinical trialsof the effects of low carbohydrate diets oncardiovascular risk factorsobr_1021
③システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス。ランセット。
1)低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults:
A Systematic Review and Meta-Analysis Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu
RCT(ランダム化比較試験)レベル1
①低糖質食 vs. 低脂質食。低糖質食の圧勝
低糖質食 vs. 低脂質食、減量や脂質データなどCVD(心血管疾患)リスク低減で、
低糖質食の圧勝。148人の肥満者を、1年間研究。
低糖質食は40g/日未満。
Effects of low-carbohydrate and low-fat diets: a randomized trial.
Bazzano LA et all
Ann Intern Med. 2014 Sep 2;161(5):309-18
②DIRECT低炭水化物食で一番体重減少・ HDL-C増加
脂肪制限食(カロリー制限)、
地中海食(カロリー制限)、
低炭水化物食(カロリー無制限)の3群
低炭水化物群のみカロリー無制限のハンディがあったが、結局3群全て同じだけのカロリーが減少。満足度と満腹度。
当初糖質20g/日以下。3ヶ月後から120g/日以下を目指すも、結局女性150g/日、男性180g/日で40%の糖質。
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)
322人を3群に分けて、2年間の研究。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241
③DIRECTのフォローアップ研究。合計6年間。
地中海食、低炭水化物食の2群は、6年後も 体重減少に有意差あり。
Four-Year Follow-up after Two-Year Dietary Interventions
N Engl J Med 2012; 367:1373-1374October 4, 2012
④低糖質地中海食(LCMD)。HbA1cレベルの大きな減少。
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT研究論文。
糖質50%未満のLCMD群(108人)と低脂肪群(107人)の比較。女性は1500kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
⑤低炭水化物食が、肥満・HDL-C・TGを改善。
JAMA 2007年3月 A TO Z 体重減少研究
アトキンス、ゾーン、ラーン、オーニッシュダイエットのそれぞれの1年間の体重減少効果などをみた。311人の女性を上記4グループに分けて追跡。これら4種のダイエット法は、いずれも米国でポピュラーなものである。
アトキンスは低炭水化物食(スーパー糖質制限食)、ラーンとオーニッシュは高炭水化物、低脂肪食、ゾーンは炭水化物40%
低炭水化物食が体重を最も減少させて、HDL-CとTGを改善。
Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women
The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial ,JAMA297:969-977
エビデンスレベル 「糖尿病診療ガイドライン2016」
レベル1 + 質の高いランダム化比較試験(RCT)および
それらのメタアナリシス(MA)/システマティック・ レビュー(SR)
レベル1 それ以外のRCTおよびそれらのMA/SR
レベル2 前向きコホート研究およびそれらのMA/SR
(事前に定めた)RCTサブ解析
レベル3 非ランダム化比較試験 前後比較試験
後ろ向きコホート研究
ケースコントロール研究およびそれらのMA/SR
RCT後付けサブ解析
レベル4 横断研究
症例集積
*質の高いRCTとは①多数例②二重盲検、独立判定③高追跡率④ランダム割り付け法が明確などをさす。
江部康二
相変わらず、根拠の乏しい糖質制限食批判が、
インターネットやユーチューブ(YouTube)で散見されます。
今回は、糖質制限食に肯定的なエビデンスとなる信頼度の高い論文を
取り上げてみました。
まずは、エビデンスレベルのもっとも高い
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」
の論文で、糖質制限食の有効性を示すものを列挙してみました。
集めてみると、こんなにたくさんあるのですね。
一方、糖質制限食に否定的な、
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」の論文は皆無です。
そして米国糖尿病学会は
2019年4月の<コンセンサスレポート>において
『糖質制限食は、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。』
『低炭水化物食、特に非常に低い低炭水化物食パターンは、HbA1cを下げて、
糖尿病薬を減らすことを示してきた。』
と明言し、一推しで推奨しています。
2020年、2021年、2022年、2023年の<ガイドライン>においても、
同様の見解です。
この時点で、「糖質制限食是非論争」に
エビデンスレベルで、明白な決着がついたと言えます。
RCT(ランダム化比較試験)レベル1+
①Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2009年
体重減少、中性脂肪減少、HDL-C増加は低炭水化物食が低脂質・低カロリー食に比し有効。13の電子データベースの2000年1月~2007年3月の低炭水化物食と低脂質食比較RCTをメタ解析。
Systematic review of randomized controlled trials of low-carbohydrate vs. low-fat/low-calorie diets in the management of obesity and its comorbidities M. Hession,et all
Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)
Volume 10, Issue 1, pages 36–50, January 2009
②Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2012年
23レポートのメタ解析によって
研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066Systematic review and meta-analysis of clinical trialsof the effects of low carbohydrate diets oncardiovascular risk factorsobr_1021
③システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス。ランセット。
1)低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults:
A Systematic Review and Meta-Analysis Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu
RCT(ランダム化比較試験)レベル1
①低糖質食 vs. 低脂質食。低糖質食の圧勝
低糖質食 vs. 低脂質食、減量や脂質データなどCVD(心血管疾患)リスク低減で、
低糖質食の圧勝。148人の肥満者を、1年間研究。
低糖質食は40g/日未満。
Effects of low-carbohydrate and low-fat diets: a randomized trial.
Bazzano LA et all
Ann Intern Med. 2014 Sep 2;161(5):309-18
②DIRECT低炭水化物食で一番体重減少・ HDL-C増加
脂肪制限食(カロリー制限)、
地中海食(カロリー制限)、
低炭水化物食(カロリー無制限)の3群
低炭水化物群のみカロリー無制限のハンディがあったが、結局3群全て同じだけのカロリーが減少。満足度と満腹度。
当初糖質20g/日以下。3ヶ月後から120g/日以下を目指すも、結局女性150g/日、男性180g/日で40%の糖質。
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)
322人を3群に分けて、2年間の研究。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241
③DIRECTのフォローアップ研究。合計6年間。
地中海食、低炭水化物食の2群は、6年後も 体重減少に有意差あり。
Four-Year Follow-up after Two-Year Dietary Interventions
N Engl J Med 2012; 367:1373-1374October 4, 2012
④低糖質地中海食(LCMD)。HbA1cレベルの大きな減少。
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT研究論文。
糖質50%未満のLCMD群(108人)と低脂肪群(107人)の比較。女性は1500kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
⑤低炭水化物食が、肥満・HDL-C・TGを改善。
JAMA 2007年3月 A TO Z 体重減少研究
アトキンス、ゾーン、ラーン、オーニッシュダイエットのそれぞれの1年間の体重減少効果などをみた。311人の女性を上記4グループに分けて追跡。これら4種のダイエット法は、いずれも米国でポピュラーなものである。
アトキンスは低炭水化物食(スーパー糖質制限食)、ラーンとオーニッシュは高炭水化物、低脂肪食、ゾーンは炭水化物40%
低炭水化物食が体重を最も減少させて、HDL-CとTGを改善。
Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women
The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial ,JAMA297:969-977
エビデンスレベル 「糖尿病診療ガイドライン2016」
レベル1 + 質の高いランダム化比較試験(RCT)および
それらのメタアナリシス(MA)/システマティック・ レビュー(SR)
レベル1 それ以外のRCTおよびそれらのMA/SR
レベル2 前向きコホート研究およびそれらのMA/SR
(事前に定めた)RCTサブ解析
レベル3 非ランダム化比較試験 前後比較試験
後ろ向きコホート研究
ケースコントロール研究およびそれらのMA/SR
RCT後付けサブ解析
レベル4 横断研究
症例集積
*質の高いRCTとは①多数例②二重盲検、独立判定③高追跡率④ランダム割り付け法が明確などをさす。
江部康二
2023年07月02日 (日)
こんにちは。
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
https://diamond.jp/articles/-/324360
【医師が教える】
糖質を控えるために「人工甘味料」入りの清涼飲料水を飲むのは正解?
江部康二ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.7.2 4:08
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
黒砂糖やハチミツは
天然だから体にいい?
人工甘味料は安全なのか?
毎日飲んでも大丈夫
ダイヤモンド・オンラインに以下の記事が掲載されました。
ブログ読者の皆さん、詳細は記事をご覧いただければ幸いです。
江部康二
https://diamond.jp/articles/-/324360
【医師が教える】
糖質を控えるために「人工甘味料」入りの清涼飲料水を飲むのは正解?
江部康二ライフ・社会
内臓脂肪がストンと落ちる食事術
2023.7.2 4:08
TBS系『金スマ ~中居正広の金曜日のスマイルたちへ~』で
「番組史上最も楽して痩せる食事術」として紹介され、
爆発的な反響をみせた『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)。
美味しいものをお腹いっぱい食べて、なんならお酒も飲めるのに、
運動なしでも痩せられるという驚きの食事術。
この食事術を、やはり運動なしで半年間実践して10kg痩せた経験があり、
現在70代にして20代の頃の体重をキープしている著者・江部康二医師が、
もう2度と太らない医学的に正しいダイエット法を伝授!
ひもじくなるようなカロリー制限は一切ナシ。
お腹いっぱい食べていいし、筋トレもジョギングもしなくていい。
その体脂肪、運動ナシで落とす方法を教えましょう!
※本稿は、『内臓脂肪がストン!と落ちる食事術』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。
黒砂糖やハチミツは
天然だから体にいい?
人工甘味料は安全なのか?
毎日飲んでも大丈夫
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