2022年12月31日 (土)
こんばんは 。
2021年と同様に、2022年も新型コロナに翻弄されたこの1年でした。
2022年、日本では感染者数は、8月下旬に、一旦、減少し始めましたが
9月中旬から再び増加し始めで現在に至っています。
冬場で寒くなると、さらに感染者数が増加する恐れがありますので要注意です。
また、インフルエンザも流行期に入りました。
なかなか大変な年末年始です。
2022年もブログ読者の皆さんには、
コメントや質問など、たくさんの応援をいただきありがとうございました。
引き続き来年もよろしくお願い申し上げます。
2021年12月、糖尿病の患者さんが、世界で5億3,700万人に増加したことが、
国際糖尿病連合(IDF)が発表した「IDF糖尿病アトラス」第10版で示されました。
2019年の推計から16%(7,400万)増加しており、
いまや世界の成人の10人に1人が糖尿病です。
有効な対策をしないと、糖尿病患者の激増は、免れないと思います。
そして、有効な対策としては、「糖質制限食」が最適です。
糖質制限食以外の食事療法では、糖尿病の激増は予防できません。
さて2022年も恒例となった糖質制限食10大ニュースを、
本ブログ記事のなかから、選んでみました。
それでは、良いお年をお迎えください。 m(_ _)m
①日本人の食生活、旧石器時代、縄文時代、弥生時代。
2022年09月23日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6087.html
日本列島に、ヒトが住み始めたのが約38000年前の『旧石器時代』です。
この頃は、マンモス、ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・
などを狩猟してとり、肉食が主でした。
糖質摂取比率は10%以下でしょう。
スーパー糖質制限食は、
約22000年間続いた、旧石器時代の食生活と同様のPFCの摂取比率です。
以前、スーパー糖質制限食を「縄文食」と言っていたことがありますが、
冷静に考えると「旧石器時代食」ですね。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁撈も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
今までは、浅学にして、このことを知らなかったのです。
初めて知って、ちょっとビックリでしたが、嬉しいサプライズでした。
②父親のメトホルミン使用は男の赤ちゃんに先天性異常をもたらす。
2022年03月30日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5921.html
これは、意外でした。
メトホルミン内服は良いことばかりと思っていましたが、
妊活中の男性は、メトホルミンは禁忌と言えます。
知識として、しっかり知っておいたほうが良いです。
③2型糖尿病発症時のβ細胞機能は、既に正常の50%に低下している。
2022年04月03日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5925.html?sp
2型糖尿病発症時のβ細胞機能は、どのていど残存しているのでしょう。
何と、すでに正常の50%に低下しているとのことです。
漠然としか知らなかったので、キッチリ調べてビックリしました
④「質の良いHbA1c」と「質の悪いHbA1c」。FREESTYLEリブレの保険適用拡大。
2022年08月11日
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6049.html
インスリン療法を行っているすべての糖尿病患者さんに
FREESTYLEリブレの保険適用が拡大されました。
2022年4月1日より適用されました。
今までは、インスリンポンプ中の患者さんが通院している医療機関だけが
FREESTYLEリブレProが保険適応でしたので、良いことです。
⑤2022年世界糖尿病デー 11月14日(月) テーマ:
「アドボカシー ~偏見にNO!~」
2022年11月13日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6131.html
アドボカシーとは、「アドボケイト」と同じ語源で
「擁護・代弁」や「支持・表明」「唱道」などの意味を持ち、
同時に政治的、経済的、社会的なシステムや制度における決定に影響を与えることを目的とした、個人またはグループによる活動や運動を意味するそうです。
ということは、裏を返せば、糖尿人は偏見を持たれているということになりますね。
⑥ケトン体・BHBが、COVID-19の疾病予後を改善する。
2022年10月16日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6106.html
https://www.nature.com/articles/s42255-022-00646-1
• News & Views
• Published: 30 September 2022
COVID-19
Fasting as key tone for COVID immunity
(COVID免疫のキートーンとしての断食)
nature metabolism に掲載された論文です。
論文に、
「ケトン体β-ヒドロキシブチレート(BHB)がCOVID-19の疾病予後を改善することを示した。」
という記載があります。
そうすると、
『スーパー糖質制限食は、BHB産生を高めるので、コロナ後遺症にも有効、あるいはコロナ後遺症を予防する』
可能性があります。
⑦現行糖尿病治療の負のスパイラル、合併症と医療費。
2022年10月28日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6118.html
現行糖尿病治療の負のスパイラル
糖質を摂取して糖尿病発症し日本糖尿病学会推奨の「カロリー制限食」を実践。
通院・服薬⇒糖質摂取50~60%摂取⇒血糖改善困難⇒お薬の追加⇒インスリン⇒人工透析(500万/年)、健康保険(個人負担1万円)、障害年金79万~、⇒合併症。
公費で補償なので、症状はつらいですが、金銭的には無料であり、それは、患者さんには良いのです。しかし、それを防ぐ糖質制限食という方法があるのですから、
それを選択しない現行の糖尿病医療は、
税金の無駄遣いと言われても仕方ありません。
⑧ツイミーグ®錠500mg について
2022年02月21日 (月)
2022/9/16から販売開始
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5885.html
まだ、新しいくすりですが、糖質制限食との相性は良さそうです。
⑨大学図書館と「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」
2022年07月28日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6037.html
25の大学図書館が
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」
を所蔵してくれていました。嬉しい限りです。
⑨「帯状ほう疹」患者が急増 3回目接種後に発症した男性(20代)の場合は…
2022年04月06日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5928.html
日本皮膚科学会の報告によると、
新型コロナワクチン開始後、帯状疱疹の患者数が2倍に増えています。
ワクチン接種で人体の自然免疫力が低下したためと考えられます。
⑨腎機能検査に関してシスタチンCがクレアチニンより有用です。
2022年09月15日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6081.html
腎機能を調べるには、血清シスタチンCを検査しましょう。
クレアチニンは筋肉量や運動が結果に影響します。
血清シスタチンCが、それらに影響を受けない
最も、信頼度の高い腎機能検査です。
しかし、1/3ヶ月でないと保険適応となりません。
つまり、1月に検査したら、次は4月となります。
⑩ドクター江部の糖質オフ!健康トーク ▼ vol.13『日本における糖質制限食』
https://www.youtube.com/watch?v=tQxKF3fWgUg
2022年07月18日 (月)
現在、ユーチューブで糖質制限な情報を発信しています。
この日のテーマは「日本における糖質制限食」見解の歴史的変遷です。
⑩江部康二の2022年9月の検査データの報告と解説。
2022年09月11日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6077.html
2002年(52歳)糖尿病発覚以来
スーパー糖質制限食を足かけ21年実践中の、
江部康二の2022年9月の検査データの報告と解説です。
⑩新聞の定期購入が減少。花粉悲惨!? 来春、過去10年で最多も。
2022年12月30日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6171.html
花粉症予防にはスーパー糖質制限食が有効です。
江部康二
*【糖質制限のプロが教える】
お米や麺類の食べ過ぎで生じる「本当に怖い症状」とは??
2022年06月26日 (日)
ダイヤモンド・オンライン
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6002.html
血糖値を上げるのは「糖質」だけ
糖質過多による第1のダメージは、食後に血糖値が急激に上がる「食後高血糖」です。
血糖は全身のエネルギー源になりますが、血糖値が高すぎるのは危険です。
そして、その血糖値を上げるのは糖質だけです。
たんぱく質や脂質は血糖値を上げません。
低カロリーでも糖質がたっぷりなら、血糖値は上がります。
高カロリーでも糖質ゼロなら、血糖値は上がりません。
具体的に言うと、低カロリーでも糖質が多いそばを食べると血糖値は上がりますが、
高カロリーでも糖質をほとんど含まないサーロインステーキなら血糖値は上がらないのです。
*アレアレ症候群。糖質制限食で改善、認知症の予防も。カラダチャンネル。
2022年06月28日 (火)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6004.html
カラダチャンネルのサイトに、以下の私のインタビュー記事が掲載されました。
前編と後編に分かれていますが、わかりやすくよくまとまっています。
ブログ読者の皆さん、是非、ご視聴頂ければ幸いです。
URLをクリックすれば、記事の全文を読むことができます。
好きだった俳優の名前が思い出せない!?「アレアレ症候群」と認知症の関係とは【糖質の過剰摂取にご注意!】
2022年06月28日
https://karadachannel.jp/beauty-health/6880/
【アレアレ症候群】もの忘れが多い人、メタボな人は認知症になりやすい!? 「ボケないための食事術」とは
2022年06月28日
https://karadachannel.jp/beauty-health/6897/
☆☆☆<その他の糖質制限なブログ記事>
☆第12回(令和4年、2022年)修道医会・文化功労賞を受賞。
2022年07月31日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6039.html?sp
『糖質制限食の有用性と実践法について多くの著書を出版し、
医学界および一般社会の啓発に努めた』ことで、私が受賞しました。
大変名誉なことでありがたいことです。
☆食品別糖質量ハンドブック 江部 康二 (監修) 宝島社2022年5月 重版
2022年05月22日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5968.html
累計18万部以上と好調な売れ行きです。
これもブログ読者の皆さんの応援のおかげであり、感謝です。
☆医者が教える 正しい糖質の減らし方 (TJMOOK) ムック – 2022/5/26
江部康二監修
2022年06月11日 (土)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5972.html
自画自賛になりますが、とてもわかりやすく、よくまとまっています。 (^^)
何だか、恥ずかしいのですが、7ページに私の全身の写真が載っています。
☆ケトン食で片頭痛発作が減少 減量以外の機序が関与か
2022年09月09日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6076.html
前兆のある片頭痛患者8例を含む23例を解析
6割以上の患者で頭痛日数が半減
解析の結果、1カ月当たりの頭痛日数は
介入前の12.5±9.5日から介入後には6.7±8.6日に有意に減少。
頭痛日数の減少は73.9%(17例)で認められ、
治療反応例(頭痛日数が50%以上減少した患者)は
65.2%(15例)。
☆“ワクチン後遺症窓口”設置を明言 名古屋市河村たかし市長
2022年02月14日 (月)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5878.html?sp
河村市長が、日本で初めて、「ワクチン後遺症窓口」を設置すると
明言しました。いろいろある河村市長ですが、これは「good job」です。
これを受けて、日本全国の都市で同様の動きがでてきました。
ワクチン接種後の死亡が、2022年9月27日時点までで
すでに1800人以上報告されています。
報告義務はないので、この数字は、医師や家族が自主的に報告したものです。
そうすると、実数はもっともっと多い可能性が高いです。
その後、2022年11月には、ワクチン接種後死者数は1900人以上となっています。
☆ジョコヴィッチ選手、ワクチン強制なら今後の大会も欠場
2022年02月22日 (火)
全豪オープン欠場
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5886.html
ジョコビッチ選手は信念を持って、
一貫して新型コロナワクチン接種を拒否しています。
立場上大変と思いますが、立派です。
☆新型コロナ発症を92%抑制も ――BCGは万能のパンデミック対策ワクチンになるかもしれない
2022年08月26日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6064.html
BCGと新型コロナウイルスに関して、今まで諸説が入り乱れていました。
本ブログでも、何回か記事に取り上げていますが、
立場としては、BCGが新型コロナ予防に有効の可能性があるというものでした。
今回の記事で、それが証明されたと言えます。
私としても嬉しい限りです。
☆エリザベス女王
「低糖質メニュー」と大好物「ダークチョコレート」に健康の秘密あり?
2022年07月07日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6015.html
なんと、エリザベス女王、低糖質メニューだったのですね。
とても、おそれおおいですが、とても親近感を覚えます。
糖質セイゲニストとしては、とても嬉しいニュースでした。
エリザベス女王は2022/9/8に、死去されました。
☆元ボンドガールのハル・ベリー、
22歳で糖尿病と診断されてから「絶対に食べない」3つの食品
2022年08月15日 (月)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6053.html
糖質制限食の実践で糖尿病を克服し健康維持ですね。
☆もうすぐ60歳になるトム・クルーズが実践している、5つの「しない」習慣とは
2022年06月22日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5998.html
トム・クルーズも糖質制限食実践で、若々しいですね。
☆1型糖尿病のリチャード・K・バーンスタイン医師、
2022年08月17日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6054.html
スーパー糖質制限食実践で、お元気です。88歳で健在です。
☆新型コロナワクチン接種後の死亡者。
2022年11月27日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6143.html
コロナワクチン接種後の死亡が、2022年9月27日時点までで
すでに1800人以上報告されています。
報告義務はないので、この数字は、医師や家族が自主的に報告したものです。
そうすると、実数はもっともっと多い可能性が高いです。
その後、2022年11月には、ワクチン接種後死者数は1900人以上となっています。
2021年と同様に、2022年も新型コロナに翻弄されたこの1年でした。
2022年、日本では感染者数は、8月下旬に、一旦、減少し始めましたが
9月中旬から再び増加し始めで現在に至っています。
冬場で寒くなると、さらに感染者数が増加する恐れがありますので要注意です。
また、インフルエンザも流行期に入りました。
なかなか大変な年末年始です。
2022年もブログ読者の皆さんには、
コメントや質問など、たくさんの応援をいただきありがとうございました。
引き続き来年もよろしくお願い申し上げます。
2021年12月、糖尿病の患者さんが、世界で5億3,700万人に増加したことが、
国際糖尿病連合(IDF)が発表した「IDF糖尿病アトラス」第10版で示されました。
2019年の推計から16%(7,400万)増加しており、
いまや世界の成人の10人に1人が糖尿病です。
有効な対策をしないと、糖尿病患者の激増は、免れないと思います。
そして、有効な対策としては、「糖質制限食」が最適です。
糖質制限食以外の食事療法では、糖尿病の激増は予防できません。
さて2022年も恒例となった糖質制限食10大ニュースを、
本ブログ記事のなかから、選んでみました。
それでは、良いお年をお迎えください。 m(_ _)m
①日本人の食生活、旧石器時代、縄文時代、弥生時代。
2022年09月23日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6087.html
日本列島に、ヒトが住み始めたのが約38000年前の『旧石器時代』です。
この頃は、マンモス、ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・
などを狩猟してとり、肉食が主でした。
糖質摂取比率は10%以下でしょう。
スーパー糖質制限食は、
約22000年間続いた、旧石器時代の食生活と同様のPFCの摂取比率です。
以前、スーパー糖質制限食を「縄文食」と言っていたことがありますが、
冷静に考えると「旧石器時代食」ですね。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁撈も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
今までは、浅学にして、このことを知らなかったのです。
初めて知って、ちょっとビックリでしたが、嬉しいサプライズでした。
②父親のメトホルミン使用は男の赤ちゃんに先天性異常をもたらす。
2022年03月30日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5921.html
これは、意外でした。
メトホルミン内服は良いことばかりと思っていましたが、
妊活中の男性は、メトホルミンは禁忌と言えます。
知識として、しっかり知っておいたほうが良いです。
③2型糖尿病発症時のβ細胞機能は、既に正常の50%に低下している。
2022年04月03日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5925.html?sp
2型糖尿病発症時のβ細胞機能は、どのていど残存しているのでしょう。
何と、すでに正常の50%に低下しているとのことです。
漠然としか知らなかったので、キッチリ調べてビックリしました
④「質の良いHbA1c」と「質の悪いHbA1c」。FREESTYLEリブレの保険適用拡大。
2022年08月11日
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6049.html
インスリン療法を行っているすべての糖尿病患者さんに
FREESTYLEリブレの保険適用が拡大されました。
2022年4月1日より適用されました。
今までは、インスリンポンプ中の患者さんが通院している医療機関だけが
FREESTYLEリブレProが保険適応でしたので、良いことです。
⑤2022年世界糖尿病デー 11月14日(月) テーマ:
「アドボカシー ~偏見にNO!~」
2022年11月13日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6131.html
アドボカシーとは、「アドボケイト」と同じ語源で
「擁護・代弁」や「支持・表明」「唱道」などの意味を持ち、
同時に政治的、経済的、社会的なシステムや制度における決定に影響を与えることを目的とした、個人またはグループによる活動や運動を意味するそうです。
ということは、裏を返せば、糖尿人は偏見を持たれているということになりますね。
⑥ケトン体・BHBが、COVID-19の疾病予後を改善する。
2022年10月16日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6106.html
https://www.nature.com/articles/s42255-022-00646-1
• News & Views
• Published: 30 September 2022
COVID-19
Fasting as key tone for COVID immunity
(COVID免疫のキートーンとしての断食)
nature metabolism に掲載された論文です。
論文に、
「ケトン体β-ヒドロキシブチレート(BHB)がCOVID-19の疾病予後を改善することを示した。」
という記載があります。
そうすると、
『スーパー糖質制限食は、BHB産生を高めるので、コロナ後遺症にも有効、あるいはコロナ後遺症を予防する』
可能性があります。
⑦現行糖尿病治療の負のスパイラル、合併症と医療費。
2022年10月28日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6118.html
現行糖尿病治療の負のスパイラル
糖質を摂取して糖尿病発症し日本糖尿病学会推奨の「カロリー制限食」を実践。
通院・服薬⇒糖質摂取50~60%摂取⇒血糖改善困難⇒お薬の追加⇒インスリン⇒人工透析(500万/年)、健康保険(個人負担1万円)、障害年金79万~、⇒合併症。
公費で補償なので、症状はつらいですが、金銭的には無料であり、それは、患者さんには良いのです。しかし、それを防ぐ糖質制限食という方法があるのですから、
それを選択しない現行の糖尿病医療は、
税金の無駄遣いと言われても仕方ありません。
⑧ツイミーグ®錠500mg について
2022年02月21日 (月)
2022/9/16から販売開始
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5885.html
まだ、新しいくすりですが、糖質制限食との相性は良さそうです。
⑨大学図書館と「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」
2022年07月28日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6037.html
25の大学図書館が
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」
を所蔵してくれていました。嬉しい限りです。
⑨「帯状ほう疹」患者が急増 3回目接種後に発症した男性(20代)の場合は…
2022年04月06日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5928.html
日本皮膚科学会の報告によると、
新型コロナワクチン開始後、帯状疱疹の患者数が2倍に増えています。
ワクチン接種で人体の自然免疫力が低下したためと考えられます。
⑨腎機能検査に関してシスタチンCがクレアチニンより有用です。
2022年09月15日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6081.html
腎機能を調べるには、血清シスタチンCを検査しましょう。
クレアチニンは筋肉量や運動が結果に影響します。
血清シスタチンCが、それらに影響を受けない
最も、信頼度の高い腎機能検査です。
しかし、1/3ヶ月でないと保険適応となりません。
つまり、1月に検査したら、次は4月となります。
⑩ドクター江部の糖質オフ!健康トーク ▼ vol.13『日本における糖質制限食』
https://www.youtube.com/watch?v=tQxKF3fWgUg
2022年07月18日 (月)
現在、ユーチューブで糖質制限な情報を発信しています。
この日のテーマは「日本における糖質制限食」見解の歴史的変遷です。
⑩江部康二の2022年9月の検査データの報告と解説。
2022年09月11日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6077.html
2002年(52歳)糖尿病発覚以来
スーパー糖質制限食を足かけ21年実践中の、
江部康二の2022年9月の検査データの報告と解説です。
⑩新聞の定期購入が減少。花粉悲惨!? 来春、過去10年で最多も。
2022年12月30日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6171.html
花粉症予防にはスーパー糖質制限食が有効です。
江部康二
*【糖質制限のプロが教える】
お米や麺類の食べ過ぎで生じる「本当に怖い症状」とは??
2022年06月26日 (日)
ダイヤモンド・オンライン
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6002.html
血糖値を上げるのは「糖質」だけ
糖質過多による第1のダメージは、食後に血糖値が急激に上がる「食後高血糖」です。
血糖は全身のエネルギー源になりますが、血糖値が高すぎるのは危険です。
そして、その血糖値を上げるのは糖質だけです。
たんぱく質や脂質は血糖値を上げません。
低カロリーでも糖質がたっぷりなら、血糖値は上がります。
高カロリーでも糖質ゼロなら、血糖値は上がりません。
具体的に言うと、低カロリーでも糖質が多いそばを食べると血糖値は上がりますが、
高カロリーでも糖質をほとんど含まないサーロインステーキなら血糖値は上がらないのです。
*アレアレ症候群。糖質制限食で改善、認知症の予防も。カラダチャンネル。
2022年06月28日 (火)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6004.html
カラダチャンネルのサイトに、以下の私のインタビュー記事が掲載されました。
前編と後編に分かれていますが、わかりやすくよくまとまっています。
ブログ読者の皆さん、是非、ご視聴頂ければ幸いです。
URLをクリックすれば、記事の全文を読むことができます。
好きだった俳優の名前が思い出せない!?「アレアレ症候群」と認知症の関係とは【糖質の過剰摂取にご注意!】
2022年06月28日
https://karadachannel.jp/beauty-health/6880/
【アレアレ症候群】もの忘れが多い人、メタボな人は認知症になりやすい!? 「ボケないための食事術」とは
2022年06月28日
https://karadachannel.jp/beauty-health/6897/
☆☆☆<その他の糖質制限なブログ記事>
☆第12回(令和4年、2022年)修道医会・文化功労賞を受賞。
2022年07月31日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6039.html?sp
『糖質制限食の有用性と実践法について多くの著書を出版し、
医学界および一般社会の啓発に努めた』ことで、私が受賞しました。
大変名誉なことでありがたいことです。
☆食品別糖質量ハンドブック 江部 康二 (監修) 宝島社2022年5月 重版
2022年05月22日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5968.html
累計18万部以上と好調な売れ行きです。
これもブログ読者の皆さんの応援のおかげであり、感謝です。
☆医者が教える 正しい糖質の減らし方 (TJMOOK) ムック – 2022/5/26
江部康二監修
2022年06月11日 (土)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5972.html
自画自賛になりますが、とてもわかりやすく、よくまとまっています。 (^^)
何だか、恥ずかしいのですが、7ページに私の全身の写真が載っています。
☆ケトン食で片頭痛発作が減少 減量以外の機序が関与か
2022年09月09日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6076.html
前兆のある片頭痛患者8例を含む23例を解析
6割以上の患者で頭痛日数が半減
解析の結果、1カ月当たりの頭痛日数は
介入前の12.5±9.5日から介入後には6.7±8.6日に有意に減少。
頭痛日数の減少は73.9%(17例)で認められ、
治療反応例(頭痛日数が50%以上減少した患者)は
65.2%(15例)。
☆“ワクチン後遺症窓口”設置を明言 名古屋市河村たかし市長
2022年02月14日 (月)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5878.html?sp
河村市長が、日本で初めて、「ワクチン後遺症窓口」を設置すると
明言しました。いろいろある河村市長ですが、これは「good job」です。
これを受けて、日本全国の都市で同様の動きがでてきました。
ワクチン接種後の死亡が、2022年9月27日時点までで
すでに1800人以上報告されています。
報告義務はないので、この数字は、医師や家族が自主的に報告したものです。
そうすると、実数はもっともっと多い可能性が高いです。
その後、2022年11月には、ワクチン接種後死者数は1900人以上となっています。
☆ジョコヴィッチ選手、ワクチン強制なら今後の大会も欠場
2022年02月22日 (火)
全豪オープン欠場
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5886.html
ジョコビッチ選手は信念を持って、
一貫して新型コロナワクチン接種を拒否しています。
立場上大変と思いますが、立派です。
☆新型コロナ発症を92%抑制も ――BCGは万能のパンデミック対策ワクチンになるかもしれない
2022年08月26日 (金)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6064.html
BCGと新型コロナウイルスに関して、今まで諸説が入り乱れていました。
本ブログでも、何回か記事に取り上げていますが、
立場としては、BCGが新型コロナ予防に有効の可能性があるというものでした。
今回の記事で、それが証明されたと言えます。
私としても嬉しい限りです。
☆エリザベス女王
「低糖質メニュー」と大好物「ダークチョコレート」に健康の秘密あり?
2022年07月07日 (木)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6015.html
なんと、エリザベス女王、低糖質メニューだったのですね。
とても、おそれおおいですが、とても親近感を覚えます。
糖質セイゲニストとしては、とても嬉しいニュースでした。
エリザベス女王は2022/9/8に、死去されました。
☆元ボンドガールのハル・ベリー、
22歳で糖尿病と診断されてから「絶対に食べない」3つの食品
2022年08月15日 (月)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6053.html
糖質制限食の実践で糖尿病を克服し健康維持ですね。
☆もうすぐ60歳になるトム・クルーズが実践している、5つの「しない」習慣とは
2022年06月22日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5998.html
トム・クルーズも糖質制限食実践で、若々しいですね。
☆1型糖尿病のリチャード・K・バーンスタイン医師、
2022年08月17日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6054.html
スーパー糖質制限食実践で、お元気です。88歳で健在です。
☆新型コロナワクチン接種後の死亡者。
2022年11月27日 (日)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-6143.html
コロナワクチン接種後の死亡が、2022年9月27日時点までで
すでに1800人以上報告されています。
報告義務はないので、この数字は、医師や家族が自主的に報告したものです。
そうすると、実数はもっともっと多い可能性が高いです。
その後、2022年11月には、ワクチン接種後死者数は1900人以上となっています。
2022年12月30日 (金)
こんにちは。
最近は、新聞を定期的に取っていない人が増えているようです。
スマホやパソコンで、インターネットを検索すれば、
無料でほとんどの情報へアクセスできる時代ですから、
お金を払って新聞を購読する人が少なくなってきているのは無理もないと言えます。
ここ10年程で購読率が約23%減少し、2020年では61.3%となっています。
2020年で61.3%なら、2022年はもっと減っているでしょう。
私は新聞が大好きな人間で、
毎日新聞と京都新聞の朝刊と夕刊を定期購入しています。
高雄病院に出勤したときは、朝日新聞も読みます。
新聞の良さは、一つ一つの記事が複数の目による厳しいチェックを経て発行されているので、
ネットの情報に比べて信頼度の高いメディアであることです。 (^^)
逆に言えば、ネット情報を鵜呑みにするのは、よろしくないと言うことですね。( ̄_ ̄|||)
さて、今朝(2022/12/30)の毎日新聞の朝刊に
https://mainichi.jp/articles/20221230/ddn/012/040/005000c
花粉悲惨!? 来春、過去10年で最多も
環境省調査、6~7月高温影響
という記事が掲載されました。
以下の青字の記載は、記事の要約です。
【2022年11月~12月の調査では
関東、北陸、中国地方を中心に14都県で
雄花の数が過去10年で最も多く、
2023年春の花粉飛散量もこの10年で最多となる可能性があります。
春のスギ花粉の飛散量を左右する雄花は、
その前年の夏(6~8月)の日照時間が長く、
気温が高い場合に多くなりやすいです。
2022年の6月下旬から7月初めにかけては、
日本列島は記録的な高温でした。
スギの人工林で1平方メートル当たりの雄花の数を調べたところ、
東北南部から九州にかけての多くの地域で
平年(過去10年の平均)よりも多く、
島根は平年の約6倍、鳥取は約4倍でした。
過去10年で最多だったのは、
福島▽栃木▽群馬▽東京▽神奈川▽新潟▽富山▽石川▽福井▽岡山▽鳥取▽島根▽広島▽山口――の14都県でした。】
信頼度の高い情報で、2023年春の<スギ花粉症>が、
この10年で、最多となる可能性があるということなので、
それなりの覚悟と準備が必要と思います。
例えば、10年、20年、30年と<スギ花粉症>で苦しんできた人達が
前年に糖尿病を発症して、<糖質制限食j>を実践したところ、
『花粉症が出なかった』『花粉症の症状が半減以下となった』といった
嬉しい報告を複数例から頂きました。
すでに「スーパー糖質制限食」を実践されてる方々はOKとして、
「スタンダード糖質制限食」「プチ糖質制限食」「緩やかな糖質制限食」
の方々は、今から、「スーパー糖質制限食」に切り替えて準備を整えましょう。
なお普通に糖質を食べている<スギ花粉症>の方々も
2022-2023年度は、しっかり「スーパー糖質制限食」 を実践されて
準備万端整えるのが正解と思います。
江部康二
最近は、新聞を定期的に取っていない人が増えているようです。
スマホやパソコンで、インターネットを検索すれば、
無料でほとんどの情報へアクセスできる時代ですから、
お金を払って新聞を購読する人が少なくなってきているのは無理もないと言えます。
ここ10年程で購読率が約23%減少し、2020年では61.3%となっています。
2020年で61.3%なら、2022年はもっと減っているでしょう。
私は新聞が大好きな人間で、
毎日新聞と京都新聞の朝刊と夕刊を定期購入しています。
高雄病院に出勤したときは、朝日新聞も読みます。
新聞の良さは、一つ一つの記事が複数の目による厳しいチェックを経て発行されているので、
ネットの情報に比べて信頼度の高いメディアであることです。 (^^)
逆に言えば、ネット情報を鵜呑みにするのは、よろしくないと言うことですね。( ̄_ ̄|||)
さて、今朝(2022/12/30)の毎日新聞の朝刊に
https://mainichi.jp/articles/20221230/ddn/012/040/005000c
花粉悲惨!? 来春、過去10年で最多も
環境省調査、6~7月高温影響
という記事が掲載されました。
以下の青字の記載は、記事の要約です。
【2022年11月~12月の調査では
関東、北陸、中国地方を中心に14都県で
雄花の数が過去10年で最も多く、
2023年春の花粉飛散量もこの10年で最多となる可能性があります。
春のスギ花粉の飛散量を左右する雄花は、
その前年の夏(6~8月)の日照時間が長く、
気温が高い場合に多くなりやすいです。
2022年の6月下旬から7月初めにかけては、
日本列島は記録的な高温でした。
スギの人工林で1平方メートル当たりの雄花の数を調べたところ、
東北南部から九州にかけての多くの地域で
平年(過去10年の平均)よりも多く、
島根は平年の約6倍、鳥取は約4倍でした。
過去10年で最多だったのは、
福島▽栃木▽群馬▽東京▽神奈川▽新潟▽富山▽石川▽福井▽岡山▽鳥取▽島根▽広島▽山口――の14都県でした。】
信頼度の高い情報で、2023年春の<スギ花粉症>が、
この10年で、最多となる可能性があるということなので、
それなりの覚悟と準備が必要と思います。
例えば、10年、20年、30年と<スギ花粉症>で苦しんできた人達が
前年に糖尿病を発症して、<糖質制限食j>を実践したところ、
『花粉症が出なかった』『花粉症の症状が半減以下となった』といった
嬉しい報告を複数例から頂きました。
すでに「スーパー糖質制限食」を実践されてる方々はOKとして、
「スタンダード糖質制限食」「プチ糖質制限食」「緩やかな糖質制限食」
の方々は、今から、「スーパー糖質制限食」に切り替えて準備を整えましょう。
なお普通に糖質を食べている<スギ花粉症>の方々も
2022-2023年度は、しっかり「スーパー糖質制限食」 を実践されて
準備万端整えるのが正解と思います。
江部康二
2022年12月28日 (水)
こんばんは。
今回は、人体のエネルギー源のお話しです。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.15
『人体のエネルギーシステム
~人体の主要なエネルギー源は? 脂肪 VS 糖質』
https://youtu.be/bsNWbcUSn8A
と題して、お話しします。
読者の皆さんも、何となく『糖質-ブドウ糖』が主な人体のエネルギー源なのかなと思っておられる人も多いと思います。
また、カロリー制限食容認派の管理栄養士の中には、
相変らず「脳のエネルギー源はブドウ糖だけである」という
間違った知識に固執している方々も多いようです。
一方、本ブログ読者の皆さんは、
「脳の最も好むエネルギー源はケトン体である」
という正しい知識をお持ちの方が多いと思います。
このことは、医学の教科書であるハーパー生化学に、
「脳も心臓も最も好むエネルギー源はケトン体である。」
と明記してあります。
人体を従来の自動車に例えるならば
ガソリンの代わりは脂肪であり、糖質ではありません。
700万年間の人類の歴史において、
空腹時、安静時、睡眠時の主たるエネルギー源は脂肪でした。
ブドウ糖は、「闘争」や「逃走」といった緊急事態と
たまに果物など糖質にありついたときの、いわばいざというときの
エネルギー源だったのです。
今回は、このあたりのことを、できるだけわかりやすく
お話ししたいと思います。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、
ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.15」の配信をご案内申し上げます。
今回のテーマは「人体のエネルギーシステム ~人体の主要なエネルギー源は? 脂肪 VS 糖質」です。
「ブドウ糖ーグリコーゲンエネルギーシステム」と「ケトン体ー脂肪酸エネルギーシステム」、それぞれ本来の役割について検討し、人体の主要なエネルギー源は何か、エネルギー源として摂取する必要があるのは糖質なのか、脂肪なのかについて話しております。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.15
『人体のエネルギーシステム
~人体の主要なエネルギー源は? 脂肪 VS 糖質』
https://youtu.be/bsNWbcUSn8A
ご覧いただけますと、また、ご興味のある方へシェアしていただけますと幸いです。
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
今回は、人体のエネルギー源のお話しです。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.15
『人体のエネルギーシステム
~人体の主要なエネルギー源は? 脂肪 VS 糖質』
https://youtu.be/bsNWbcUSn8A
と題して、お話しします。
読者の皆さんも、何となく『糖質-ブドウ糖』が主な人体のエネルギー源なのかなと思っておられる人も多いと思います。
また、カロリー制限食容認派の管理栄養士の中には、
相変らず「脳のエネルギー源はブドウ糖だけである」という
間違った知識に固執している方々も多いようです。
一方、本ブログ読者の皆さんは、
「脳の最も好むエネルギー源はケトン体である」
という正しい知識をお持ちの方が多いと思います。
このことは、医学の教科書であるハーパー生化学に、
「脳も心臓も最も好むエネルギー源はケトン体である。」
と明記してあります。
人体を従来の自動車に例えるならば
ガソリンの代わりは脂肪であり、糖質ではありません。
700万年間の人類の歴史において、
空腹時、安静時、睡眠時の主たるエネルギー源は脂肪でした。
ブドウ糖は、「闘争」や「逃走」といった緊急事態と
たまに果物など糖質にありついたときの、いわばいざというときの
エネルギー源だったのです。
今回は、このあたりのことを、できるだけわかりやすく
お話ししたいと思います。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、
ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.15」の配信をご案内申し上げます。
今回のテーマは「人体のエネルギーシステム ~人体の主要なエネルギー源は? 脂肪 VS 糖質」です。
「ブドウ糖ーグリコーゲンエネルギーシステム」と「ケトン体ー脂肪酸エネルギーシステム」、それぞれ本来の役割について検討し、人体の主要なエネルギー源は何か、エネルギー源として摂取する必要があるのは糖質なのか、脂肪なのかについて話しております。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.15
『人体のエネルギーシステム
~人体の主要なエネルギー源は? 脂肪 VS 糖質』
https://youtu.be/bsNWbcUSn8A
ご覧いただけますと、また、ご興味のある方へシェアしていただけますと幸いです。
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
2022年12月27日 (火)
こんにちは。
私は、現在1日2食で、朝は<コーヒー+生クリーム10cc>だけです。
前の日の夕食が19時頃とすれば、約17時間の絶食時間となります。
たまに、1日1食の日もありますが、この時は約24時間の絶食時間となります。
17時間や24時間の絶食でも、オートファジーは活発になるので
アンチエイジング効果があります。
34歳のとき、水だけ飲んで、塩もゼロの本断食を3日間実行しました。
その後は、スーパー糖質制限食を開始した52歳のときまでに、
12回くらい甲田先生流の<すまし汁断食>を行いました。
さて、ヒトや動物は、水だけでどのくらいの期間、生存可能なのか?
これは、興味深い問題です。
「断食研究」という有名な本を読んでみました。
「断食研究」(高比良英雄著、岩波書店、昭和五年、151,152ページ)によれば
『水だけの断食で、犬で21~117日の生存日数記録がある。
種々の学者によって報告されているものを総括すれば、
平均生存日数は、犬は38日、豚34日、猫30日、家兎15日、
モルモット8日、白鼠3日である。
鳥類では、鶏14日、鳩11日、鷲35日である。
鮭、カメレオン、山椒魚は12ヶ月、亀は18ヶ月耐える。
蝸牛は殆ど2年間の断食に耐える。
蠍は368日間、蜘蛛は17ヶ月間耐える。
人間では64日間断食して死亡した英国囚人の例がある。』
以上は断食研究より。
冷血動物や昆虫は、非常に長く断食に耐えるようです。
ヒトでは、
断食382日という記録があり、イギリスの文献に載ってたようです。
これがおそらくヒトの断食世界記録であり、ちゃんと生存していたと思われます。
高度肥満の人の断食記録です。
あとIRA(アイルランド共和国軍)の方々が英国の刑務所で、
ハンガーストライキをしています。
アイルランド歴史資料室 によれば6名の男性がハンガーストライキで亡くなっています。
59~73日間で死亡しています。
結局、当然ですが、
体脂肪がどのくらいの備蓄があるかにより、生存日数が決まると思います。
体脂肪が燃え尽くして、たんぱく質が燃え始めると生命の危険があると思われます。
<アイルランド共和国軍、ハンガーストライキの記録>
27歳。
1981年3月1日のハンガーストライキを開始し、
66日後の5月5日に亡くなった。
25歳。
1981年3月15日にハンガーストライキを開始し、
59日後の5月12日に亡くなった。
24歳。
3月22日にハンガーストライキを開始し、
61日後の1981年5月21日に亡くなった。
24歳。
3月22日にハンガーストライキを開始し、
61日後の1981年5月21日に亡くなった。
30歳。
5月9日にハンガーストライキを開始し、
61日後の1981年7月8日に亡くなった。
25歳。
5月22日にハンガーストライキを開始し、
73日後の1981年8月2日に亡くなった。
江部康二
私は、現在1日2食で、朝は<コーヒー+生クリーム10cc>だけです。
前の日の夕食が19時頃とすれば、約17時間の絶食時間となります。
たまに、1日1食の日もありますが、この時は約24時間の絶食時間となります。
17時間や24時間の絶食でも、オートファジーは活発になるので
アンチエイジング効果があります。
34歳のとき、水だけ飲んで、塩もゼロの本断食を3日間実行しました。
その後は、スーパー糖質制限食を開始した52歳のときまでに、
12回くらい甲田先生流の<すまし汁断食>を行いました。
さて、ヒトや動物は、水だけでどのくらいの期間、生存可能なのか?
これは、興味深い問題です。
「断食研究」という有名な本を読んでみました。
「断食研究」(高比良英雄著、岩波書店、昭和五年、151,152ページ)によれば
『水だけの断食で、犬で21~117日の生存日数記録がある。
種々の学者によって報告されているものを総括すれば、
平均生存日数は、犬は38日、豚34日、猫30日、家兎15日、
モルモット8日、白鼠3日である。
鳥類では、鶏14日、鳩11日、鷲35日である。
鮭、カメレオン、山椒魚は12ヶ月、亀は18ヶ月耐える。
蝸牛は殆ど2年間の断食に耐える。
蠍は368日間、蜘蛛は17ヶ月間耐える。
人間では64日間断食して死亡した英国囚人の例がある。』
以上は断食研究より。
冷血動物や昆虫は、非常に長く断食に耐えるようです。
ヒトでは、
断食382日という記録があり、イギリスの文献に載ってたようです。
これがおそらくヒトの断食世界記録であり、ちゃんと生存していたと思われます。
高度肥満の人の断食記録です。
あとIRA(アイルランド共和国軍)の方々が英国の刑務所で、
ハンガーストライキをしています。
アイルランド歴史資料室 によれば6名の男性がハンガーストライキで亡くなっています。
59~73日間で死亡しています。
結局、当然ですが、
体脂肪がどのくらいの備蓄があるかにより、生存日数が決まると思います。
体脂肪が燃え尽くして、たんぱく質が燃え始めると生命の危険があると思われます。
<アイルランド共和国軍、ハンガーストライキの記録>
27歳。
1981年3月1日のハンガーストライキを開始し、
66日後の5月5日に亡くなった。
25歳。
1981年3月15日にハンガーストライキを開始し、
59日後の5月12日に亡くなった。
24歳。
3月22日にハンガーストライキを開始し、
61日後の1981年5月21日に亡くなった。
24歳。
3月22日にハンガーストライキを開始し、
61日後の1981年5月21日に亡くなった。
30歳。
5月9日にハンガーストライキを開始し、
61日後の1981年7月8日に亡くなった。
25歳。
5月22日にハンガーストライキを開始し、
73日後の1981年8月2日に亡くなった。
江部康二
2022年12月26日 (月)
こんにちは。
糖質制限食実践による体重減少効果に関して、
よく質問がありますので考察してみます。
スーパー糖質制限食なら、
運動量不変で、体脂肪が減ります。
例えば、血中総ケトン体の基準値は、
26~122μM/Lですが、スーパー糖質制限食実践中は、
400~1000~2000μM/Lくらいに上昇します。
肝臓で脂肪酸の分解物のアセチルCoAからケトン体を作ります。
ケトン体の上昇は、まさに脂肪が燃えている証拠ですね。
かくいう私も、52歳のとき、167cm、67kgから、スーパー糖質制限食実践で、
運動量は不変で、半年で57kgに減量し、学生時代の体重に戻りました。
階段は駆け上がるし、週1テニスは普通にしてましたので、
筋肉量は維持できていて、脂肪が燃えて減量できたと考えられます。
72歳現在も57kg前後で維持していて、階段は駆け上がります。
但し、4階くらいまでですが・・・。(^^;)
現在も筋肉は年齢相応ていど以上はあると思いますし、
歩く速度もかなり速いほうです。
スポーツジムなどで鍛えているわけではありませんが、
72歳としてはかなり体力はあるほうだと思います。
筋肉量を増やすには通常は筋トレが必要です。
しかし、毎日<インターバル速歩(3分間の速歩×5セット)>を、5セット以上実践しているので
筋力も少しは増えていると思います。
日常の歩行は、ほとんどが早歩きで、家では<ながらジョギング>もしていますので、
下肢の筋力は、72歳にしては、あるほうだと思います。
<インスリン>
それではまず、インスリンについて考えて見ます。
◇インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制。
◇インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄える。
◇インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませるが、
余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪として蓄える。
◇肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積。
このようにインスリンには脂肪を蓄える作用があるので、
別名肥満ホルモンと呼ばれています。
そしてインスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみです。
たんぱく質もインスリンを少し分泌させますが、脂質は分泌させません。
『糖質摂取→血糖上昇→インスリン分泌→脂肪蓄積』
このシステムは、狩猟・採集時代には、飢餓に対するセーフティーネットとして
おおいに役立っていたのですが、皮肉なことに現代では肥満の元凶となっています。
<スーパー糖質制限食の4つの利点>
◆<糖質制限食による体重減少効果>
①インスリン(肥満ホルモン)の基礎分泌はあるが、追加分泌は最小限である。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。
高蛋白食は、摂食時の食事誘発熱産生(DIT)が通常食に比べて増加します。
DITによる消費エネルギーは、実質吸収エネルギーの、糖質では6%、脂質では4%、タンパク質で30%です。
食事誘発熱産生(DIT)を、もっと簡単に説明すると、食事において
100キロカロリーの糖質だけを摂取した時は、6キロカロリーが、
100キロカロリーの脂質だけを摂取した時は、4キロカロリーが、
100キロカロリーのタンパク質だけを摂取した時は、30キロカロリーが
熱に変わり、消費エネルギーとしてカウントされるということです。
◆<糖質を摂取した場合>
A)血糖値が上昇してインスリン(肥満ホルモン)がたっぷり分泌される。
B)体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C)肝臓の糖新生はストップする。
D)高タンパク食よる亢進した食事誘発熱産生(DIT)はなくなる。
①②③④とA)B)C)D)両者を比べてみれば、高糖質食より糖質制限食の方が、
体重減少効果が高いことが一目でわかると思います。
たとえ低脂質食でカロリー制限していても、
糖質を摂れば体重減少への利点がすべて消えてしまうわけです。
これは食べ物に含まれるカロリーとは無関係の生理学的な特質であり、
あくまで糖質を摂るかどうかがカギとなります。
<摂取エネルギーと消費エネルギー>
1)摂取エネルギー > 消費エネルギー → 体重増加
摂取エネルギー = 消費エネルギー → 体重不変
摂取エネルギー < 消費エネルギー → 体重減少
2)通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝量+身体活動量(運動や家事)+食事誘発熱産生(DIT)」
3)糖質制限食なら、高糖質食の時には無い
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費」→基礎代謝の増加
「高蛋白食摂取」→食事誘発熱産生(DIT)の増加
が認められる。
1)は生理学的事実です。
2)3)を比較すると糖質制限食の方が高糖質食に比し、
体重が減少しやすいことは明白です。
<推定エネルギー必要量と糖質制限食>
減量を目指す時に、日本糖尿病学会推奨のように
男性:1600~2000kcal/日
女性:1400~1800kcal/日
といった、厳しいカロリー制限は必要ありません。
「日本人の食事摂取基準」(2020年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量/日
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
このように、冷静に理論的に考えると、
糖質制限食以外で減量することは極めて困難であることがわかると思います。
上記の推奨通りに糖質制限食を実践しているのに、体重が減少しない場合は
以下のように、「基礎代謝が低い」とか「大食漢」とかがあります。
<基礎礎代謝が低い場合は?>
基礎代謝が低いタイプの人は
「糖質制限+カロリー制限」が必要です。
基礎代謝が低い人は、「推定エネルギー必要量」
が、通常より少なくなるということです。
女性に時にあり、数%くらいの比率です。
<大食漢タイプの場合は?>
大食いの方々が時におられます。やはり数%の比率です。自分は大食いなのに、それに気がついてないことがあります。例えば家族が皆大食いなのでそんなものと思っている場合です。他人と自分の食事摂取量を比較することも必要です。このタイプは「糖質制限食+人並みの摂取カロリー」が必要です。
人並みの摂取カロリーとは、すなわち「推定エネルギー必要量」です。
<減量できないときは?>
1)
いつのまにか、糖質制限が緩くなった可能性があります。
2)
何らかの理由で、基礎代謝が低下した可能性があります。
3)
大食いタイプ、或いは知らぬ間に、摂取カロリーが多くなった可能性があります。
4)
すでに、BMI20以上~25未満で適正体重になっていることがあります。
江部康二
糖質制限食実践による体重減少効果に関して、
よく質問がありますので考察してみます。
スーパー糖質制限食なら、
運動量不変で、体脂肪が減ります。
例えば、血中総ケトン体の基準値は、
26~122μM/Lですが、スーパー糖質制限食実践中は、
400~1000~2000μM/Lくらいに上昇します。
肝臓で脂肪酸の分解物のアセチルCoAからケトン体を作ります。
ケトン体の上昇は、まさに脂肪が燃えている証拠ですね。
かくいう私も、52歳のとき、167cm、67kgから、スーパー糖質制限食実践で、
運動量は不変で、半年で57kgに減量し、学生時代の体重に戻りました。
階段は駆け上がるし、週1テニスは普通にしてましたので、
筋肉量は維持できていて、脂肪が燃えて減量できたと考えられます。
72歳現在も57kg前後で維持していて、階段は駆け上がります。
但し、4階くらいまでですが・・・。(^^;)
現在も筋肉は年齢相応ていど以上はあると思いますし、
歩く速度もかなり速いほうです。
スポーツジムなどで鍛えているわけではありませんが、
72歳としてはかなり体力はあるほうだと思います。
筋肉量を増やすには通常は筋トレが必要です。
しかし、毎日<インターバル速歩(3分間の速歩×5セット)>を、5セット以上実践しているので
筋力も少しは増えていると思います。
日常の歩行は、ほとんどが早歩きで、家では<ながらジョギング>もしていますので、
下肢の筋力は、72歳にしては、あるほうだと思います。
<インスリン>
それではまず、インスリンについて考えて見ます。
◇インスリンは脂肪細胞内の中性脂肪分解を抑制。
◇インスリンは血中の中性脂肪を分解し脂肪細胞内に蓄える。
◇インスリンは筋肉細胞に血糖を取り込ませるが、
余剰の血糖は脂肪細胞に取り込ませて中性脂肪として蓄える。
◇肥満のメカニズムはインスリンによる脂肪蓄積。
このようにインスリンには脂肪を蓄える作用があるので、
別名肥満ホルモンと呼ばれています。
そしてインスリンを大量に分泌させるのは、糖質のみです。
たんぱく質もインスリンを少し分泌させますが、脂質は分泌させません。
『糖質摂取→血糖上昇→インスリン分泌→脂肪蓄積』
このシステムは、狩猟・採集時代には、飢餓に対するセーフティーネットとして
おおいに役立っていたのですが、皮肉なことに現代では肥満の元凶となっています。
<スーパー糖質制限食の4つの利点>
◆<糖質制限食による体重減少効果>
①インスリン(肥満ホルモン)の基礎分泌はあるが、追加分泌は最小限である。
②食事中も含めて常に体脂肪が燃えている。
③食事中も含めて常に肝臓で糖新生が行われ、それにかなりのエネルギーを消費する。
④高タンパク食により、食事誘発熱産生(DIT)が亢進する。
高蛋白食は、摂食時の食事誘発熱産生(DIT)が通常食に比べて増加します。
DITによる消費エネルギーは、実質吸収エネルギーの、糖質では6%、脂質では4%、タンパク質で30%です。
食事誘発熱産生(DIT)を、もっと簡単に説明すると、食事において
100キロカロリーの糖質だけを摂取した時は、6キロカロリーが、
100キロカロリーの脂質だけを摂取した時は、4キロカロリーが、
100キロカロリーのタンパク質だけを摂取した時は、30キロカロリーが
熱に変わり、消費エネルギーとしてカウントされるということです。
◆<糖質を摂取した場合>
A)血糖値が上昇してインスリン(肥満ホルモン)がたっぷり分泌される。
B)体脂肪は燃えなくなり、血糖値が中性脂肪に変わり蓄積される。
C)肝臓の糖新生はストップする。
D)高タンパク食よる亢進した食事誘発熱産生(DIT)はなくなる。
①②③④とA)B)C)D)両者を比べてみれば、高糖質食より糖質制限食の方が、
体重減少効果が高いことが一目でわかると思います。
たとえ低脂質食でカロリー制限していても、
糖質を摂れば体重減少への利点がすべて消えてしまうわけです。
これは食べ物に含まれるカロリーとは無関係の生理学的な特質であり、
あくまで糖質を摂るかどうかがカギとなります。
<摂取エネルギーと消費エネルギー>
1)摂取エネルギー > 消費エネルギー → 体重増加
摂取エネルギー = 消費エネルギー → 体重不変
摂取エネルギー < 消費エネルギー → 体重減少
2)通常のカロリー制限食(高糖質食)なら
「消費エネルギー=基礎代謝量+身体活動量(運動や家事)+食事誘発熱産生(DIT)」
3)糖質制限食なら、高糖質食の時には無い
「肝臓の糖新生でエネルギーを消費」→基礎代謝の増加
「高蛋白食摂取」→食事誘発熱産生(DIT)の増加
が認められる。
1)は生理学的事実です。
2)3)を比較すると糖質制限食の方が高糖質食に比し、
体重が減少しやすいことは明白です。
<推定エネルギー必要量と糖質制限食>
減量を目指す時に、日本糖尿病学会推奨のように
男性:1600~2000kcal/日
女性:1400~1800kcal/日
といった、厳しいカロリー制限は必要ありません。
「日本人の食事摂取基準」(2020年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量/日
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
このように、冷静に理論的に考えると、
糖質制限食以外で減量することは極めて困難であることがわかると思います。
上記の推奨通りに糖質制限食を実践しているのに、体重が減少しない場合は
以下のように、「基礎代謝が低い」とか「大食漢」とかがあります。
<基礎礎代謝が低い場合は?>
基礎代謝が低いタイプの人は
「糖質制限+カロリー制限」が必要です。
基礎代謝が低い人は、「推定エネルギー必要量」
が、通常より少なくなるということです。
女性に時にあり、数%くらいの比率です。
<大食漢タイプの場合は?>
大食いの方々が時におられます。やはり数%の比率です。自分は大食いなのに、それに気がついてないことがあります。例えば家族が皆大食いなのでそんなものと思っている場合です。他人と自分の食事摂取量を比較することも必要です。このタイプは「糖質制限食+人並みの摂取カロリー」が必要です。
人並みの摂取カロリーとは、すなわち「推定エネルギー必要量」です。
<減量できないときは?>
1)
いつのまにか、糖質制限が緩くなった可能性があります。
2)
何らかの理由で、基礎代謝が低下した可能性があります。
3)
大食いタイプ、或いは知らぬ間に、摂取カロリーが多くなった可能性があります。
4)
すでに、BMI20以上~25未満で適正体重になっていることがあります。
江部康二
2022年12月24日 (土)
【22/12/24 もとこ
糖質制限のリバウンド
はじめまして。
私、ダイエット目的で糖質制限をはじめたものの、
リバウンドに悩んでいる者です。
先生のツイッター、ブログ、著書を拝読しており、
ご相談にのっていただきたくご連絡いたしました。
ダイエット目的で
最近はやりのパーソナルトレーニングにて糖質制限を行いました。
なお、ダイエットをはじめた際の私の身体データ等です。
・身長:150㎝
・体重:52kg
・年齢:30才
・性別:女
※1日の糖質は30g以内、
タンパク質は62g以上、78g以内で脂質に制限はなしという方法で行いました。
この食生活で4ヶ月で44kgになりましたが、
糖質制限をやめた途端3ヶ月で55kgまでリバウンドし、
体脂肪率も10%程増えました。
なお、先の4ヶ月間は仕事はデスクワーク、
筋トレを週に1回、ウォーキングは30分程度を週に3回の運動量です。
そして、ご教授いただきたいことは2点あります。
①ダイエット目的とはいえ、
上記の糖質摂取量などは長期的に継続しても健康上問題ないのでしょうか。
②リバウンド時の糖質を摂取した際には、息があがり、
身体が腫れ上がるような感覚がありました。(今はありません。)
制限していた糖質を急に摂取したことにより生じた事象なのでしょうか。
リバウンドしたからこそ、先生の著書を読む機会を得て、
考えているのですがこのパーソナルトレーニングの指導は不健康な糖質制限なのではないかと考えております。
しかし、インターネットで検索していると同じようなことで悩まれている女性がたくさんいるように感じております。
稚拙な文章で申し訳ありませんが、クリスマスプレゼントと思って、ぜひご教授いただけると大変嬉しいです。】
こんばんは。
もとこさんから、糖質制限後のリバウンドについて、
コメント・質問を頂きました。
もとこさん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
【・身長:150㎝
・体重:52kg
・BMI:23.1
・年齢:30才
・性別:女】
ダイエットを開始された時点で、BMIは23.1です。
厚生労働省によれば、
『BMI20以上~25未満で、その人の体調が良ければ、それで良い』
という見解です。
従って、体重を減らす必要はなかった可能性もあります。
【1日の糖質は30g以内、
タンパク質は62g以上、78g以内で脂質に制限はなしという方法。
この食生活で4ヶ月で44kgになりました。】
『1日の糖質は30g以内、
タンパク質は62g以上、78g以内で脂質に制限はなし』
という方法自体は、良いと思います。
そして、4ヶ月後に44kgに減量ですから
BMIは、19.56であり、
数字は正常範囲でやや痩せ方となり、
体調が良ければこんなもので良いと思います。
【糖質制限をやめた途端3ヶ月で55kgまでリバウンドし、
体脂肪率も10%程増えました。】
55kgだと、BMIは24.4です。
こちらも、正常範囲でやや体重超過傾向ですが
許容範囲ですし、体調が良ければこれでも問題なしです。
【先の4ヶ月間は仕事はデスクワーク、
筋トレを週に1回、ウォーキングは30分程度を週に3回の運動量です。】
最も継続しやすくて健康維持や減量に有効な有酸素運動は
インターバル速歩です。
3分間の早歩きを1日に5セットです。
<インターバル速歩>http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5007.html
【①ダイエット目的とはいえ、
上記の糖質摂取量などは
長期的に継続しても健康上問題ないのでしょうか。】
全く、問題ありません。
私自身、52歳から72歳現在まで、20年間、
スーパー糖質制限食を実践していて、極めて健康です。
AGEsの蓄積(糖化)が少ないので、
<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限で済んでいます。
*歯は全て残り虫歯なし。
*目は裸眼で広辞苑が読める。自動車の運転もOK。
*身長は縮んでいない。
*聴力低下なし。
*夜間尿なし。
*内服薬なし。
*糖尿病合併症なし。
72歳で、
歯が全部残っている人、
裸眼で広辞苑が読める人、
身長がまったく縮んでいない人、
聴力低下が全くない人、
夜間尿がない人、
内服薬なしの人、
はそれぞれ、10人に1人もいないと思います。
そんな人の存在は、かけあわせると、1千万人に1人の確率となります。
これは、私がスーパーマンということではなく、
20年間スーパー糖質制限食をキッチリ続けてきた必然の結果と言えます。
勿論、髪の毛は白くなり、前髪はやや後退気味であり、
完全に老化が防げているわけではありません。
しかし『糖化の延長上にある老化』は、最小限ですんでいるので、
上記が達成できているのだと思います。
そして、
日本列島に、ヒトが住み始めたのが約38000年前の『旧石器時代』からです。
この頃は、マンモス、ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・
などを狩猟してとり、肉食が主でした。
糖質摂取比率は10%以下でしょう。
スーパー糖質制限食は、約22000年間続いた、
旧石器時代の食生活と同様の<蛋白質・脂質・糖質>の摂取比率です。
以前、スーパー糖質制限食を「縄文食」と言っていたことがありますが、
冷静に考えると「旧石器時代食」ですね。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁撈も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
この旧石器時代の22000年間をかけて、
日本人の内臓も体も形成されていったのです。
【②リバウンド時の糖質を摂取した際には、息があがり、
身体が腫れ上がるような感覚がありました。(今はありません。)
制限していた糖質を急に摂取したことにより生じた事象なのでしょうか。】
糖質制限食を実践していると、追加分泌インスリンが必要最小限で済みます。
インスリンは体内に、塩と水をため込む作用があります。
糖質制限食実践で、余剰の水分や塩分が排出されて、
スッキリした状態となっています。
そこに、いきなり糖質を摂取したら、インスリンが大量に分泌されて
塩分と水分が、体にとどまります。→まさに身体が腫れ上がった状態ですね。
江部康二
糖質制限のリバウンド
はじめまして。
私、ダイエット目的で糖質制限をはじめたものの、
リバウンドに悩んでいる者です。
先生のツイッター、ブログ、著書を拝読しており、
ご相談にのっていただきたくご連絡いたしました。
ダイエット目的で
最近はやりのパーソナルトレーニングにて糖質制限を行いました。
なお、ダイエットをはじめた際の私の身体データ等です。
・身長:150㎝
・体重:52kg
・年齢:30才
・性別:女
※1日の糖質は30g以内、
タンパク質は62g以上、78g以内で脂質に制限はなしという方法で行いました。
この食生活で4ヶ月で44kgになりましたが、
糖質制限をやめた途端3ヶ月で55kgまでリバウンドし、
体脂肪率も10%程増えました。
なお、先の4ヶ月間は仕事はデスクワーク、
筋トレを週に1回、ウォーキングは30分程度を週に3回の運動量です。
そして、ご教授いただきたいことは2点あります。
①ダイエット目的とはいえ、
上記の糖質摂取量などは長期的に継続しても健康上問題ないのでしょうか。
②リバウンド時の糖質を摂取した際には、息があがり、
身体が腫れ上がるような感覚がありました。(今はありません。)
制限していた糖質を急に摂取したことにより生じた事象なのでしょうか。
リバウンドしたからこそ、先生の著書を読む機会を得て、
考えているのですがこのパーソナルトレーニングの指導は不健康な糖質制限なのではないかと考えております。
しかし、インターネットで検索していると同じようなことで悩まれている女性がたくさんいるように感じております。
稚拙な文章で申し訳ありませんが、クリスマスプレゼントと思って、ぜひご教授いただけると大変嬉しいです。】
こんばんは。
もとこさんから、糖質制限後のリバウンドについて、
コメント・質問を頂きました。
もとこさん。
拙著のご購入、ありがとうございます。
【・身長:150㎝
・体重:52kg
・BMI:23.1
・年齢:30才
・性別:女】
ダイエットを開始された時点で、BMIは23.1です。
厚生労働省によれば、
『BMI20以上~25未満で、その人の体調が良ければ、それで良い』
という見解です。
従って、体重を減らす必要はなかった可能性もあります。
【1日の糖質は30g以内、
タンパク質は62g以上、78g以内で脂質に制限はなしという方法。
この食生活で4ヶ月で44kgになりました。】
『1日の糖質は30g以内、
タンパク質は62g以上、78g以内で脂質に制限はなし』
という方法自体は、良いと思います。
そして、4ヶ月後に44kgに減量ですから
BMIは、19.56であり、
数字は正常範囲でやや痩せ方となり、
体調が良ければこんなもので良いと思います。
【糖質制限をやめた途端3ヶ月で55kgまでリバウンドし、
体脂肪率も10%程増えました。】
55kgだと、BMIは24.4です。
こちらも、正常範囲でやや体重超過傾向ですが
許容範囲ですし、体調が良ければこれでも問題なしです。
【先の4ヶ月間は仕事はデスクワーク、
筋トレを週に1回、ウォーキングは30分程度を週に3回の運動量です。】
最も継続しやすくて健康維持や減量に有効な有酸素運動は
インターバル速歩です。
3分間の早歩きを1日に5セットです。
<インターバル速歩>http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5007.html
【①ダイエット目的とはいえ、
上記の糖質摂取量などは
長期的に継続しても健康上問題ないのでしょうか。】
全く、問題ありません。
私自身、52歳から72歳現在まで、20年間、
スーパー糖質制限食を実践していて、極めて健康です。
AGEsの蓄積(糖化)が少ないので、
<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限で済んでいます。
*歯は全て残り虫歯なし。
*目は裸眼で広辞苑が読める。自動車の運転もOK。
*身長は縮んでいない。
*聴力低下なし。
*夜間尿なし。
*内服薬なし。
*糖尿病合併症なし。
72歳で、
歯が全部残っている人、
裸眼で広辞苑が読める人、
身長がまったく縮んでいない人、
聴力低下が全くない人、
夜間尿がない人、
内服薬なしの人、
はそれぞれ、10人に1人もいないと思います。
そんな人の存在は、かけあわせると、1千万人に1人の確率となります。
これは、私がスーパーマンということではなく、
20年間スーパー糖質制限食をキッチリ続けてきた必然の結果と言えます。
勿論、髪の毛は白くなり、前髪はやや後退気味であり、
完全に老化が防げているわけではありません。
しかし『糖化の延長上にある老化』は、最小限ですんでいるので、
上記が達成できているのだと思います。
そして、
日本列島に、ヒトが住み始めたのが約38000年前の『旧石器時代』からです。
この頃は、マンモス、ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・
などを狩猟してとり、肉食が主でした。
糖質摂取比率は10%以下でしょう。
スーパー糖質制限食は、約22000年間続いた、
旧石器時代の食生活と同様の<蛋白質・脂質・糖質>の摂取比率です。
以前、スーパー糖質制限食を「縄文食」と言っていたことがありますが、
冷静に考えると「旧石器時代食」ですね。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁撈も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
この旧石器時代の22000年間をかけて、
日本人の内臓も体も形成されていったのです。
【②リバウンド時の糖質を摂取した際には、息があがり、
身体が腫れ上がるような感覚がありました。(今はありません。)
制限していた糖質を急に摂取したことにより生じた事象なのでしょうか。】
糖質制限食を実践していると、追加分泌インスリンが必要最小限で済みます。
インスリンは体内に、塩と水をため込む作用があります。
糖質制限食実践で、余剰の水分や塩分が排出されて、
スッキリした状態となっています。
そこに、いきなり糖質を摂取したら、インスリンが大量に分泌されて
塩分と水分が、体にとどまります。→まさに身体が腫れ上がった状態ですね。
江部康二
2022年12月23日 (金)
【2022/12/21 いしはら
妊娠糖尿病の朝の血糖値について
はじめまして。血糖値のことで悩んでおり、どうしても江部先生に質問したく、
どこにメッセージを送ればよいかわからなかったのでこちらにコメント致します。
私は現在妊娠7ヶ月の妊婦(第二子)です。
糖負荷試験により妊娠糖尿病と診断されています。
私は妊娠前に2型糖尿病境界型(遺伝と思われます)と診断されていますので、
糖尿病妊娠と言った方がいいのかもしれません。
妊娠していない時のA1Cは毎年はかっていて5.2〜5.5です。
体内から出るインスリンの量はじゅんぶんだが、出るタイミングが遅いタイプ。
と言われています。
普段から糖質を一気にたくさん摂らない、食後なるべく動く、などを実践しており、
A1Cが今のところ正常値なため、とくに治療などはしていません。
第一子のときも妊娠糖尿病と言われ、
その際は江部先生と宗田マタニティクリニックの宗田先生の本を参考に、
自己流で糖質制限を行いました。
産婦人科の指導の通りに食べていては到底血糖値の上昇を抑えられないためです。
なんとか薬を使わずに出産に至り、無事元気な子供が生まれました。
今回第二子を妊娠し、年齢のせいもあるのか?(現在39歳です)
さらに血糖値が上がりやすくなっている気がします。
産婦人科からは1日6回に分けた分食と1日4回の血糖測定を言われています
(朝イチ、朝食後2時間、昼食後2時間、夕食後2時間の4回)。
今回も勝手にハードな糖質制限をしています。
前置きが長くなりましたが、本題の質問です。
食後2時間後血糖は糖質を制限すれば必ず血糖値120までにおさまるのですが、
朝イチの血糖値を病院の許容基準である「95以下」に抑えることがなかなかできません。
例えば前の日の夕飯2時間後血糖が110程度でも、
次の日の朝イチ血糖値が100くらいです。
スーパー糖質制限を行なっているつもりでも、
朝イチの数値だけは基準を超えてしまうんです。
よく糖尿病の人は暁現象といって朝の血糖値が上がりやすいと聞きますが、
関連あるのでしょうか。なんとか朝の数値を下げる良い方法はあるでしょうか?
また、朝100〜105程度の日が多いのですが、
このくらいなら妊婦として問題ないでしょうか?
いま産婦人科には計測数値を少しごまかしていますが…、
主治医から「朝の数値が96以上が3日連続したら即入院、即インスリン!」と
言われているため、悩んでいます。
妊娠糖尿病とは、
「インスリンが分泌されていても効かなくなってしまう状態 」と聞きますが、
それなのにインスリンを投与するという治療に激しく疑問を持っており、
なんとか薬の投与はさけたいと考えています。
何かアドバイスがあればよろしくお願いいたします。】
こんばんは。
いしはらさんから、妊娠糖尿病と糖質制限食について、
コメント・質問を頂きました。
【第一子のときも妊娠糖尿病と言われ、
その際は江部先生と宗田マタニティクリニックの宗田先生の本を参考に、
自己流で糖質制限を行いました。
産婦人科の指導の通りに食べていては到底血糖値の上昇を抑えられないためです。
なんとか薬を使わずに出産に至り、無事元気な子供が生まれました。】
良かったです。
妊娠中は、治療薬としてインスリン注射しか使えないのですが
糖質制限食で乗り切れたのはおおいに正解の選択でした。
【食後2時間後血糖は糖質を制限すれば必ず血糖値120までにおさまるのですが、
朝イチの血糖値を病院の許容基準である「95以下」に抑えることがなかなかできません。
例えば前の日の夕飯2時間後血糖が110程度でも、
次の日の朝イチ血糖値が100くらいです。】
<朝食前血糖値:70~100mg/dl未満>が、
日本糖尿病・妊娠学会の、妊娠中の目標基準ですので、
99mg/dl以下を目指せば良いです。
スーパー糖質制限食を実践して、1日3食でよいです。
1日6回の分食など必要ないです。
1日3食、スーパー糖質制限食で、満腹・満足いくまで充分量を食べてよいです。
夕食を午後6時とか7時とか、早めにすれば、翌朝の空腹時血糖値が下りやすくなり
99mg/dl以下が達成できると思います。
とくに安静とかの指導がないなら、
良く歩くことで、空腹時血糖値が下がりますので、
一番簡便な
<インターバル速歩>http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5007.html
をお奨めします。
アメリカスポーツ医学協会(ACSM)[8]は2000年に、
ウォーキング、ジョギング、低強度のエアロビクス等の運動が妊婦の健康に役立つとしていますので、
有酸素運動は良いと思います。
【妊娠糖尿病とは、
「インスリンが分泌されていても効かなくなってしまう状態 」と聞きますが、
それなのにインスリンを投与するという治療に激しく疑問を持っており、
なんとか薬の投与はさけたいと考えています。】
仰る通りです。
妊娠糖尿病は、妊娠をきっかけに「インスリン抵抗性」が増大したために、
血糖値が高くなる病気です。
従って、インスリン抵抗性に対抗するために、
自分自身のインスリンは過剰に分泌されています。
従って、そもそもインスリン分泌過剰状態のところに
さらにインンスリン注射をするのは、矛盾しているのです。
スーパー糖質制限食実践あるのみです。
「妊娠糖尿病」に関して、よく質問があります。
今回は
「妊娠糖尿病」
と
『糖質制限食』『従来の糖尿病食』について、考えてみました。
日本糖尿病・妊娠学会
http://www.dm-net.co.jp/jsdp/information/024273.php
のサイトと
科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013
を参考にしました。
<診断基準>
1)妊娠糖尿病
糖尿病ではなかった人が、
妊娠後初めて妊娠糖尿病の基準をみたした場合は「妊娠糖尿病」です。
妊娠糖尿病は、糖尿病にいたっていない糖代謝異常であり、
妊娠時に診断された明らかな糖尿病は含まれません。
妊娠糖尿病は75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)によって診断されます。
負荷前値が92mg/dl以上、
1時間値180mg/dl以上、
2時間値153mg/dl以上、
のいずれかがあれば、
妊娠糖尿病(GDM)と診断されます。
妊婦さんの7〜9%は妊娠糖尿病と診断されます。
特に肥満がある人、糖尿病の家族歴のある人、
高齢妊娠、巨大児出産既往のある人などは
ハイリスクですので必ず検査をうけましょう。
<妊娠中の血糖値コントロール目標>
朝食前血糖値:70~100mg/dl未満
食後2時間血糖値:120mg/dl未満
GA(グリコアルブミン)15.8%未満
妊娠中の血糖値コントロール目標は
「妊娠糖尿病」「妊娠中の明らかな糖尿病」「糖尿病合併妊娠」
の3つとも上記となります。
できれば、食後1時間血糖値:140mg/dl未満もクリアすることが望ましいです。
HbA1c6.2%未満も目標なのですが、
妊婦で鉄欠乏状態があると、HbA1cは正確な数値を示さないので、
GA(グリコアルブミン)の方が頼りになるのです。
<妊婦の高血糖によるリスクと弊害>
高血糖による母体、胎児への合併症として
【胎児への影響】
・流産、奇形、巨大児、未熟児、低血糖児、心臓病、胎児死亡 など
【母体への影響】
・糖尿病腎症の悪化、糖尿病網膜症の悪化
・早産、
・尿路感染症
・妊娠高血圧症候群、羊水過多
・赤ちゃんが巨大児になることにより、難産になったり、帝王切開になるリスクの増加などがあります。
高血糖により、これだけのリスクが母体と胎児に生じます。
<従来の糖尿病食(高糖質食)の欠陥>
そして、直接高血糖を生じるのは、糖質摂取時だけであり、
タンパク質・脂質摂取時は、血糖値が直接上昇することはありません。
従って日本糖尿病学会推奨の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)で
食後高血糖を防ぐことは、インスリン注射をしていても至難の業です。
さらに、食後高血糖を防ごうとして、インスリンの量を増やせば、
今度は母体は低血糖のリスクが大きく増加します。
そして、普通に糖質を摂取して、インスリン注射で厳格にコントロールしようとすると、一日の血糖値の変動幅が、増大します。
食後高血糖と平均血糖変動幅の増大が一番大きな酸化ストレスリスクとなります。(*)
酸化ストレスは、母体にも胎児にも当然、悪影響を及ぼします。
「妊娠糖尿病」「妊娠中の明らかな糖尿病」「糖尿病合併妊娠」で、
糖質を普通に食べてインスリン注射を打っている場合は、
上記のリスクは常にあるわけです。
糖尿病妊娠で糖質を普通に食べてインスリンを注射して、
無事出産されている方も多いと思いますが、このように見てくると、
それはある意味運が良い人と言えるのかもしれません。
(*)
酸化ストレスに関しては、
2014年07月14日 (月)の本ブログ記事
酸化ストレス・・・て何?食後高血糖と平均血糖変動幅増大がリスク!
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3030.html
をご参照いただけば幸いです。
<スーパー糖質制限食の利点>
スーパー糖質制限食に切り替えると、
「妊娠糖尿病」ならインスリンフリーになり、
血糖コントロールが一日を通して、とても良好となります。
そして、食後高血糖、低血糖、
平均血糖変動幅増大、酸化ストレス増大といった母体と胎児に悪影響を及ぼす要因が、
全てなくなります。
「妊娠中の明らかな糖尿病」「糖尿病合併妊娠」の場合も、
食前インスリンの単位は1/3以下になりますし、
フリーになることもあります。
インスリンフリーが一番良いのですが、インスリンの量が減ったなら
低血糖のリスクは確実に減るので好ましいのです。
また妊婦体重コントロールも、糖質制限食なら、ほとんど苦労はいりません。
その結果、安産で、元気な赤ちゃん誕生の可能性がとても高いということとなります。
<βヒドロキシ酪酸(ケトン体)の安全性>
2014年1月12日(日)第17回日本病態栄養学会年次学術集会(大阪国際会議場)で、宗田哲男先生が、画期的な研究成果を発表されました。
人工流産胎児(58検体)の絨毛の組織間液のβヒドロキシ酪酸値の測定です。
何と平均1730μmol/Lとかなりの高値です。
成人の基準値は76~85μmol/L以下くらいなのですが、胎児の絨毛間液においては、
1730μmol/L程度が基準値ということになります。
糖質を普通に摂取している成人の基準値の、約20~30倍です。
その後、宗田先生はさらに研究を積み重ねられて、2016年
胎盤・臍帯・新生児のケトン体値に関する研究を英文で発表されました。(☆)
胎児、新生児は、ケトン体を主たるエネルギー源として利用している可能性が高いことを示唆する、画期的な研究です。
胎盤・臍帯のケトン体値論文は、世界初と思われますが、私もも共著者の一人です。
胎盤のケトン体値は基準値の20~30倍、 平均2235.0μmol/L(60検体)
臍帯のケトン体値は基準値の数倍~10倍、平均779.2μmol/L(60検体)
新生児のケトン体値は、基準値の3倍~数倍、
平均240.4μmol/L(312例、生後4日) 基準値は85 μmol/L以下。
胎盤と臍帯と新生児では、ケトン体は高値が当たり前であることが
確認できて、ケトン体の安全性の担保となりました。
このように、胎盤、新生児のケトン体の基準値は、
現行の基準値よりはるかに高値であることが確認されたわけですから、
妊婦のケトン体が少々高値でも胎児へ悪影響などあるはずもないのです。
スーパー糖質制限食で、妊婦のケトン体が、一般的基準値より高値になりますが、
妊婦においても、胎児においても、
ケトン体の安全性(基準値より高値でも)が確認されたと言えます。
(☆)Ketone body elevation in placenta, umbilical cord,newborn and mother in normal delivery Glycative Stress Research 2016; 3 (3): 133-140
Tetsuo Muneta 1), Eri Kawaguchi 1), Yasushi Nagai 2), Momoyo Matsumoto 2), Koji Ebe 3),Hiroko Watanabe 4), Hiroshi Bando 5)
江部康二
妊娠糖尿病の朝の血糖値について
はじめまして。血糖値のことで悩んでおり、どうしても江部先生に質問したく、
どこにメッセージを送ればよいかわからなかったのでこちらにコメント致します。
私は現在妊娠7ヶ月の妊婦(第二子)です。
糖負荷試験により妊娠糖尿病と診断されています。
私は妊娠前に2型糖尿病境界型(遺伝と思われます)と診断されていますので、
糖尿病妊娠と言った方がいいのかもしれません。
妊娠していない時のA1Cは毎年はかっていて5.2〜5.5です。
体内から出るインスリンの量はじゅんぶんだが、出るタイミングが遅いタイプ。
と言われています。
普段から糖質を一気にたくさん摂らない、食後なるべく動く、などを実践しており、
A1Cが今のところ正常値なため、とくに治療などはしていません。
第一子のときも妊娠糖尿病と言われ、
その際は江部先生と宗田マタニティクリニックの宗田先生の本を参考に、
自己流で糖質制限を行いました。
産婦人科の指導の通りに食べていては到底血糖値の上昇を抑えられないためです。
なんとか薬を使わずに出産に至り、無事元気な子供が生まれました。
今回第二子を妊娠し、年齢のせいもあるのか?(現在39歳です)
さらに血糖値が上がりやすくなっている気がします。
産婦人科からは1日6回に分けた分食と1日4回の血糖測定を言われています
(朝イチ、朝食後2時間、昼食後2時間、夕食後2時間の4回)。
今回も勝手にハードな糖質制限をしています。
前置きが長くなりましたが、本題の質問です。
食後2時間後血糖は糖質を制限すれば必ず血糖値120までにおさまるのですが、
朝イチの血糖値を病院の許容基準である「95以下」に抑えることがなかなかできません。
例えば前の日の夕飯2時間後血糖が110程度でも、
次の日の朝イチ血糖値が100くらいです。
スーパー糖質制限を行なっているつもりでも、
朝イチの数値だけは基準を超えてしまうんです。
よく糖尿病の人は暁現象といって朝の血糖値が上がりやすいと聞きますが、
関連あるのでしょうか。なんとか朝の数値を下げる良い方法はあるでしょうか?
また、朝100〜105程度の日が多いのですが、
このくらいなら妊婦として問題ないでしょうか?
いま産婦人科には計測数値を少しごまかしていますが…、
主治医から「朝の数値が96以上が3日連続したら即入院、即インスリン!」と
言われているため、悩んでいます。
妊娠糖尿病とは、
「インスリンが分泌されていても効かなくなってしまう状態 」と聞きますが、
それなのにインスリンを投与するという治療に激しく疑問を持っており、
なんとか薬の投与はさけたいと考えています。
何かアドバイスがあればよろしくお願いいたします。】
こんばんは。
いしはらさんから、妊娠糖尿病と糖質制限食について、
コメント・質問を頂きました。
【第一子のときも妊娠糖尿病と言われ、
その際は江部先生と宗田マタニティクリニックの宗田先生の本を参考に、
自己流で糖質制限を行いました。
産婦人科の指導の通りに食べていては到底血糖値の上昇を抑えられないためです。
なんとか薬を使わずに出産に至り、無事元気な子供が生まれました。】
良かったです。
妊娠中は、治療薬としてインスリン注射しか使えないのですが
糖質制限食で乗り切れたのはおおいに正解の選択でした。
【食後2時間後血糖は糖質を制限すれば必ず血糖値120までにおさまるのですが、
朝イチの血糖値を病院の許容基準である「95以下」に抑えることがなかなかできません。
例えば前の日の夕飯2時間後血糖が110程度でも、
次の日の朝イチ血糖値が100くらいです。】
<朝食前血糖値:70~100mg/dl未満>が、
日本糖尿病・妊娠学会の、妊娠中の目標基準ですので、
99mg/dl以下を目指せば良いです。
スーパー糖質制限食を実践して、1日3食でよいです。
1日6回の分食など必要ないです。
1日3食、スーパー糖質制限食で、満腹・満足いくまで充分量を食べてよいです。
夕食を午後6時とか7時とか、早めにすれば、翌朝の空腹時血糖値が下りやすくなり
99mg/dl以下が達成できると思います。
とくに安静とかの指導がないなら、
良く歩くことで、空腹時血糖値が下がりますので、
一番簡便な
<インターバル速歩>http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5007.html
をお奨めします。
アメリカスポーツ医学協会(ACSM)[8]は2000年に、
ウォーキング、ジョギング、低強度のエアロビクス等の運動が妊婦の健康に役立つとしていますので、
有酸素運動は良いと思います。
【妊娠糖尿病とは、
「インスリンが分泌されていても効かなくなってしまう状態 」と聞きますが、
それなのにインスリンを投与するという治療に激しく疑問を持っており、
なんとか薬の投与はさけたいと考えています。】
仰る通りです。
妊娠糖尿病は、妊娠をきっかけに「インスリン抵抗性」が増大したために、
血糖値が高くなる病気です。
従って、インスリン抵抗性に対抗するために、
自分自身のインスリンは過剰に分泌されています。
従って、そもそもインスリン分泌過剰状態のところに
さらにインンスリン注射をするのは、矛盾しているのです。
スーパー糖質制限食実践あるのみです。
「妊娠糖尿病」に関して、よく質問があります。
今回は
「妊娠糖尿病」
と
『糖質制限食』『従来の糖尿病食』について、考えてみました。
日本糖尿病・妊娠学会
http://www.dm-net.co.jp/jsdp/information/024273.php
のサイトと
科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013
を参考にしました。
<診断基準>
1)妊娠糖尿病
糖尿病ではなかった人が、
妊娠後初めて妊娠糖尿病の基準をみたした場合は「妊娠糖尿病」です。
妊娠糖尿病は、糖尿病にいたっていない糖代謝異常であり、
妊娠時に診断された明らかな糖尿病は含まれません。
妊娠糖尿病は75g経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT)によって診断されます。
負荷前値が92mg/dl以上、
1時間値180mg/dl以上、
2時間値153mg/dl以上、
のいずれかがあれば、
妊娠糖尿病(GDM)と診断されます。
妊婦さんの7〜9%は妊娠糖尿病と診断されます。
特に肥満がある人、糖尿病の家族歴のある人、
高齢妊娠、巨大児出産既往のある人などは
ハイリスクですので必ず検査をうけましょう。
<妊娠中の血糖値コントロール目標>
朝食前血糖値:70~100mg/dl未満
食後2時間血糖値:120mg/dl未満
GA(グリコアルブミン)15.8%未満
妊娠中の血糖値コントロール目標は
「妊娠糖尿病」「妊娠中の明らかな糖尿病」「糖尿病合併妊娠」
の3つとも上記となります。
できれば、食後1時間血糖値:140mg/dl未満もクリアすることが望ましいです。
HbA1c6.2%未満も目標なのですが、
妊婦で鉄欠乏状態があると、HbA1cは正確な数値を示さないので、
GA(グリコアルブミン)の方が頼りになるのです。
<妊婦の高血糖によるリスクと弊害>
高血糖による母体、胎児への合併症として
【胎児への影響】
・流産、奇形、巨大児、未熟児、低血糖児、心臓病、胎児死亡 など
【母体への影響】
・糖尿病腎症の悪化、糖尿病網膜症の悪化
・早産、
・尿路感染症
・妊娠高血圧症候群、羊水過多
・赤ちゃんが巨大児になることにより、難産になったり、帝王切開になるリスクの増加などがあります。
高血糖により、これだけのリスクが母体と胎児に生じます。
<従来の糖尿病食(高糖質食)の欠陥>
そして、直接高血糖を生じるのは、糖質摂取時だけであり、
タンパク質・脂質摂取時は、血糖値が直接上昇することはありません。
従って日本糖尿病学会推奨の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)で
食後高血糖を防ぐことは、インスリン注射をしていても至難の業です。
さらに、食後高血糖を防ごうとして、インスリンの量を増やせば、
今度は母体は低血糖のリスクが大きく増加します。
そして、普通に糖質を摂取して、インスリン注射で厳格にコントロールしようとすると、一日の血糖値の変動幅が、増大します。
食後高血糖と平均血糖変動幅の増大が一番大きな酸化ストレスリスクとなります。(*)
酸化ストレスは、母体にも胎児にも当然、悪影響を及ぼします。
「妊娠糖尿病」「妊娠中の明らかな糖尿病」「糖尿病合併妊娠」で、
糖質を普通に食べてインスリン注射を打っている場合は、
上記のリスクは常にあるわけです。
糖尿病妊娠で糖質を普通に食べてインスリンを注射して、
無事出産されている方も多いと思いますが、このように見てくると、
それはある意味運が良い人と言えるのかもしれません。
(*)
酸化ストレスに関しては、
2014年07月14日 (月)の本ブログ記事
酸化ストレス・・・て何?食後高血糖と平均血糖変動幅増大がリスク!
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-3030.html
をご参照いただけば幸いです。
<スーパー糖質制限食の利点>
スーパー糖質制限食に切り替えると、
「妊娠糖尿病」ならインスリンフリーになり、
血糖コントロールが一日を通して、とても良好となります。
そして、食後高血糖、低血糖、
平均血糖変動幅増大、酸化ストレス増大といった母体と胎児に悪影響を及ぼす要因が、
全てなくなります。
「妊娠中の明らかな糖尿病」「糖尿病合併妊娠」の場合も、
食前インスリンの単位は1/3以下になりますし、
フリーになることもあります。
インスリンフリーが一番良いのですが、インスリンの量が減ったなら
低血糖のリスクは確実に減るので好ましいのです。
また妊婦体重コントロールも、糖質制限食なら、ほとんど苦労はいりません。
その結果、安産で、元気な赤ちゃん誕生の可能性がとても高いということとなります。
<βヒドロキシ酪酸(ケトン体)の安全性>
2014年1月12日(日)第17回日本病態栄養学会年次学術集会(大阪国際会議場)で、宗田哲男先生が、画期的な研究成果を発表されました。
人工流産胎児(58検体)の絨毛の組織間液のβヒドロキシ酪酸値の測定です。
何と平均1730μmol/Lとかなりの高値です。
成人の基準値は76~85μmol/L以下くらいなのですが、胎児の絨毛間液においては、
1730μmol/L程度が基準値ということになります。
糖質を普通に摂取している成人の基準値の、約20~30倍です。
その後、宗田先生はさらに研究を積み重ねられて、2016年
胎盤・臍帯・新生児のケトン体値に関する研究を英文で発表されました。(☆)
胎児、新生児は、ケトン体を主たるエネルギー源として利用している可能性が高いことを示唆する、画期的な研究です。
胎盤・臍帯のケトン体値論文は、世界初と思われますが、私もも共著者の一人です。
胎盤のケトン体値は基準値の20~30倍、 平均2235.0μmol/L(60検体)
臍帯のケトン体値は基準値の数倍~10倍、平均779.2μmol/L(60検体)
新生児のケトン体値は、基準値の3倍~数倍、
平均240.4μmol/L(312例、生後4日) 基準値は85 μmol/L以下。
胎盤と臍帯と新生児では、ケトン体は高値が当たり前であることが
確認できて、ケトン体の安全性の担保となりました。
このように、胎盤、新生児のケトン体の基準値は、
現行の基準値よりはるかに高値であることが確認されたわけですから、
妊婦のケトン体が少々高値でも胎児へ悪影響などあるはずもないのです。
スーパー糖質制限食で、妊婦のケトン体が、一般的基準値より高値になりますが、
妊婦においても、胎児においても、
ケトン体の安全性(基準値より高値でも)が確認されたと言えます。
(☆)Ketone body elevation in placenta, umbilical cord,newborn and mother in normal delivery Glycative Stress Research 2016; 3 (3): 133-140
Tetsuo Muneta 1), Eri Kawaguchi 1), Yasushi Nagai 2), Momoyo Matsumoto 2), Koji Ebe 3),Hiroko Watanabe 4), Hiroshi Bando 5)
江部康二
2022年12月22日 (木)
こんばんは。
「糖質制限食とアトキンス式ダイエットは同じなのか、違うのか?」
よくある質問ですが、今回はこれについて検討してみます。
「低炭水化物ダイエット」「ローカーボダイエット」という言葉も、
アトキンス式ダイエット(低インスリンダイエット)と同じ意味で使用されています。
まずは言葉の定義からですが、「炭水化物=糖質+食物繊維」です。
食物繊維は、1gあたり、0kcal、1kcal、2kcalの3タイプにわかれます。
大腸内の細菌が食物繊維を餌にして短鎖脂肪酸を産生するので、カロリーがあるのです。
しかし短鎖脂肪酸なので、血糖値は上げません。
即ち、血糖値を直接上昇させるのは糖質ですので、本ブログではもっぱら糖質を使用します。
糖質を摂取すると、消化管から吸収されたブドウ糖は、
門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれて、それ以外が血液の大循環に回ります。
また、糖質を摂食して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが大量に追加分泌されます。
肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、
インスリン追加分泌により骨格筋細胞や脂肪細胞に取り込まれます。
肝に取り込まれたブドウ糖は、インスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。
筋肉細胞に取り込まれたブドウ糖は、エネルギー源として利用されたあとグリコーゲンとして蓄えられます。
しかし、余った血糖はインスリンにより中性脂肪に変えられ、
脂肪組織(皮下脂肪と内臓脂肪)に貯蔵され肥満につながりますので、
インスリンは、肥満ホルモンと呼ばれるわけです。
ここで大切なのは、血糖値を直接上昇させるのは、
糖質・タンパク質・脂質の3大栄養素のうち、糖質だけという生理学的事実です。
糖質を摂取しなければ、血糖値は上昇せず、インスリンの分泌も少量ですむので、肥満もしません。
ちなみに脂質はインスリンを分泌させません。
タンパク質は少量のインスリを分泌させます。
この基本的な考えは、アトキンス式ダイエット(低インスリンダイエット)と高雄病院の糖質制限食の理論は同一であり、
両者共に、糖尿病治療にもダイエットにも、著明な効果があります。
違う点で言うと、糖質制限食は、糖尿病治療のために考え出されたものです。
アトキンスダイエットのほうは、主たる目的は、肥満治療です。
2022年現在、
入院患者さんは、ざっと年間に120名くらいです。
新型コロナの影響で、2020年、2021年は入院患者さんを一時ストップしていました。
2022年から入院を再開しています。
2022年現在まで高雄病院で1600人以上の入院患者さん、
4400人以上の外来患者さんのデータを検証し積み重ね、
学術的な立場で糖質制限食の治療効果を確立させました。
従って、糖尿病患者さんと糖質制限食という観点においては、
高雄病院には世界で最も多くのデータが揃っていると思います。
アトキンス式低炭水化物ダイエットは、文字通りダイエットを目的に考え出されたもので、
外来通院患者さんのデータや、肥満改善のデータは豊富にありますが、
高雄病院のように、糖尿病入院患者さんの詳細な学術的データはありません。
1999年に私の兄、江部洋一郎が高雄病院で初めて糖質制限食を開始した時は、
「シュガーバスター」「砂糖病―甘い麻薬の正体」といった本や、
探検家の植村直己さんのイヌイットの村での食生活体験記、
愛媛の同級生釜池豊秋先生との会談などを参考にして出発したようです。
その後しばらくして、私が「アトキンス博士のローカーボダイエット」同朋舎 (2000/10)のことを知り、
2002年頃に手に入れて読んでみました。
その結果、サプリメントや病原性イースト菌の話など、一部内容は、高雄病院の糖質制限食とは乖離していますが、
基本線は同じであると思いましたし、参考にもなりました。
米国で「Dr. Atkins DietRevolution」の原本が出版されたのは1970年代初頭です。
さらに「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」メディカル・トリビューン(2005/12)が、翻訳本として出版され、
こちらは著者が1型糖尿病ということもあり、糖尿病治療食としての糖質制限食という意味で、非常に参考になりました。
バーンスタイン医師は、1972年頃から糖質制限食を始められて、1999年に米国で原本を出版されています。
アトキンス医師とバーンスタイン医師は、米国の近年の糖質制限食(低糖質食)の先駆者といえます。
糖質制限食を実践していく中で、糖尿病のみならず、肥満、メタボリックシンドローム、脂質異常症、アレルギー疾患など、
様々な生活習慣病全般に効果があることがわかりました。
私自身、2002年の糖尿病発覚時には、メタボリック・シンドロームの基準をしっかり満たしていましたが、
スーパー糖質制限食実践半年で10kg減量して、全ての検査データが正常となりました。
それ以後2022年現在まで、スーパー糖質制限食を続けていますが、糖尿病合併症は皆無で、血液・尿検査も正常です。
72歳現在、歯は全て残り、聴力低下はなく、身長も縮んでいませんし、夜間尿もなく、目は裸眼で広辞苑が読めます。
糖質制限食により、糖化が防げるので、老化もあるていど防げる可能性があります。
糖質制限食により、代謝全てが改善するので、人体の自然治癒力も高まると考えられます。
また血糖値、脂質がコントロール良好となるので、血流が毛細血管にいたるまで改善すると考えられます。
江部康二
「糖質制限食とアトキンス式ダイエットは同じなのか、違うのか?」
よくある質問ですが、今回はこれについて検討してみます。
「低炭水化物ダイエット」「ローカーボダイエット」という言葉も、
アトキンス式ダイエット(低インスリンダイエット)と同じ意味で使用されています。
まずは言葉の定義からですが、「炭水化物=糖質+食物繊維」です。
食物繊維は、1gあたり、0kcal、1kcal、2kcalの3タイプにわかれます。
大腸内の細菌が食物繊維を餌にして短鎖脂肪酸を産生するので、カロリーがあるのです。
しかし短鎖脂肪酸なので、血糖値は上げません。
即ち、血糖値を直接上昇させるのは糖質ですので、本ブログではもっぱら糖質を使用します。
糖質を摂取すると、消化管から吸収されたブドウ糖は、
門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれて、それ以外が血液の大循環に回ります。
また、糖質を摂食して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが大量に追加分泌されます。
肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、
インスリン追加分泌により骨格筋細胞や脂肪細胞に取り込まれます。
肝に取り込まれたブドウ糖は、インスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。
筋肉細胞に取り込まれたブドウ糖は、エネルギー源として利用されたあとグリコーゲンとして蓄えられます。
しかし、余った血糖はインスリンにより中性脂肪に変えられ、
脂肪組織(皮下脂肪と内臓脂肪)に貯蔵され肥満につながりますので、
インスリンは、肥満ホルモンと呼ばれるわけです。
ここで大切なのは、血糖値を直接上昇させるのは、
糖質・タンパク質・脂質の3大栄養素のうち、糖質だけという生理学的事実です。
糖質を摂取しなければ、血糖値は上昇せず、インスリンの分泌も少量ですむので、肥満もしません。
ちなみに脂質はインスリンを分泌させません。
タンパク質は少量のインスリを分泌させます。
この基本的な考えは、アトキンス式ダイエット(低インスリンダイエット)と高雄病院の糖質制限食の理論は同一であり、
両者共に、糖尿病治療にもダイエットにも、著明な効果があります。
違う点で言うと、糖質制限食は、糖尿病治療のために考え出されたものです。
アトキンスダイエットのほうは、主たる目的は、肥満治療です。
2022年現在、
入院患者さんは、ざっと年間に120名くらいです。
新型コロナの影響で、2020年、2021年は入院患者さんを一時ストップしていました。
2022年から入院を再開しています。
2022年現在まで高雄病院で1600人以上の入院患者さん、
4400人以上の外来患者さんのデータを検証し積み重ね、
学術的な立場で糖質制限食の治療効果を確立させました。
従って、糖尿病患者さんと糖質制限食という観点においては、
高雄病院には世界で最も多くのデータが揃っていると思います。
アトキンス式低炭水化物ダイエットは、文字通りダイエットを目的に考え出されたもので、
外来通院患者さんのデータや、肥満改善のデータは豊富にありますが、
高雄病院のように、糖尿病入院患者さんの詳細な学術的データはありません。
1999年に私の兄、江部洋一郎が高雄病院で初めて糖質制限食を開始した時は、
「シュガーバスター」「砂糖病―甘い麻薬の正体」といった本や、
探検家の植村直己さんのイヌイットの村での食生活体験記、
愛媛の同級生釜池豊秋先生との会談などを参考にして出発したようです。
その後しばらくして、私が「アトキンス博士のローカーボダイエット」同朋舎 (2000/10)のことを知り、
2002年頃に手に入れて読んでみました。
その結果、サプリメントや病原性イースト菌の話など、一部内容は、高雄病院の糖質制限食とは乖離していますが、
基本線は同じであると思いましたし、参考にもなりました。
米国で「Dr. Atkins DietRevolution」の原本が出版されたのは1970年代初頭です。
さらに「バーンスタイン医師の糖尿病の解決」メディカル・トリビューン(2005/12)が、翻訳本として出版され、
こちらは著者が1型糖尿病ということもあり、糖尿病治療食としての糖質制限食という意味で、非常に参考になりました。
バーンスタイン医師は、1972年頃から糖質制限食を始められて、1999年に米国で原本を出版されています。
アトキンス医師とバーンスタイン医師は、米国の近年の糖質制限食(低糖質食)の先駆者といえます。
糖質制限食を実践していく中で、糖尿病のみならず、肥満、メタボリックシンドローム、脂質異常症、アレルギー疾患など、
様々な生活習慣病全般に効果があることがわかりました。
私自身、2002年の糖尿病発覚時には、メタボリック・シンドロームの基準をしっかり満たしていましたが、
スーパー糖質制限食実践半年で10kg減量して、全ての検査データが正常となりました。
それ以後2022年現在まで、スーパー糖質制限食を続けていますが、糖尿病合併症は皆無で、血液・尿検査も正常です。
72歳現在、歯は全て残り、聴力低下はなく、身長も縮んでいませんし、夜間尿もなく、目は裸眼で広辞苑が読めます。
糖質制限食により、糖化が防げるので、老化もあるていど防げる可能性があります。
糖質制限食により、代謝全てが改善するので、人体の自然治癒力も高まると考えられます。
また血糖値、脂質がコントロール良好となるので、血流が毛細血管にいたるまで改善すると考えられます。
江部康二
2022年12月21日 (水)
こんばんは。
今回は、糖質制限食と空腹時中性脂肪値と食後中性脂肪値について
考察してみます。
スーパー糖質制限食で、早朝空腹時の中性脂肪値は速やかに改善します。
中性脂肪値の基準値が50~149mg/dl くらいですが、
そもそもこれは早朝空腹時の基準値です。
スーパー糖質制限食なら、100mg/dlを下回ることがほとんどです。
ちなみに私の早朝空腹時中性脂肪値は、50~70mg/dlくらいです。
スーパー糖質制限食を実践すれば、食事由来の脂肪とタンパク質は増えます。
スーパー糖質制限食実践で、食後の中性脂肪値はどうなるのか考えてみます。
まず、中性脂肪を中心とした代謝を整理してみます。
「外因性代謝」
食物摂取(中性脂肪)→小腸→キロミクロン→筋・脂肪組織→レムナント→肝
肉の脂など、食物中の脂質は、ほとんどが中性脂肪(トリグリセリド)です。
トリグリセリドはリパーゼによって
2つの脂肪酸と1つのモノグリセリドに分解されます。
分解された脂肪酸とモノグリセリドが小腸柔毛に吸収され、
トリグリセリドに再合成されます。
グリセロールと脂肪酸に分解されて小腸上皮から吸収されますが、
そのなかで中性脂肪(トリグリセリド)に再合成され集合します。
この集合体は、キロミクロンと呼ばれ、
リンパ液に瞬時に入り、リンパ管に拡散します。
キロミクロンは、胸管を上行し鎖骨下静脈内に移行します。
キロミクロンの積み荷は、外部から摂取した食物由来の中性脂肪です。
鎖骨下静脈に入ったキロミクロンのほとんどは、
肝臓、あるいは脂肪組織・筋肉組織などの毛細血管を通る間に、
毛細血管壁にあるリポ蛋白リパーゼにより、
その積み荷の中性脂肪は、脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。
その分、中性脂肪は血液中から取り除かれます。
キロミクロンは、食後2~3時間以降に血中に出現し血清乳びを示しますが、
通常5~6時間で清明となります。
キロミクロンは食後にのみ、出現します。
血液検査で測定されている中性脂肪値は、
食事由来のキロミクロンの積み荷の中性脂肪と、
肝臓で作っているVLDLの積み荷の中性脂肪を合計したものです。
筋肉細胞や脂肪細胞の毛細血管の壁には、
リポタンパクリパーゼ(LPL)があります。
リポタンパクリパーゼ(LPL)が、リポタンパク質の積み荷の中性脂肪を、脂肪酸とモノグリセリドに分解して、
筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませて利用させ、
余ったら中性脂肪に再合成して蓄えるのです。
リポタンパクリパーゼが正常に働いていれば、
中性脂肪値は食後5~6時間で基準値内に戻るはずです。
しかし、食後2~3時間から4~5時間ぐらいは、
食事由来の中性脂肪が血中に乳び状態であるので、
個人差はあると思いますが、高中性脂肪値となります。
スーパー糖質制限食実践中で、脂質・タンパク質を中心の食生活なら、
食後2時間~5時間くらいは食事由来のキロミクロンで
高中性脂肪血症になる理屈です。
この間リポタンパクリパーゼ(LPL)がせっせと働いて、
食後5~6時間経過すれば中性脂肪値を基準値内に下げてくれると思います。
従いまして、スーパー糖質制限食で、
食後5~6時間以降と空腹時の中性脂肪値は当然基準値内に治まりますが、
食後2~5時間くらいの間は中性脂肪値は高値となります。
これは生理的な現象ですので心配はいりません。
「内因性代謝」
肝で合成(中性脂肪)→VLDL→筋・脂肪組織→LDL→肝
インスリン抵抗性がある場合、脂質代謝異常が生じます。
その特徴としては、
空腹時高中性脂肪血症、
低HDL-コレステロール血症、
食後高脂血症
です。
その原因としてインスリン抵抗性があると
リポ蛋白リパーゼ活性低下
VLDL異化障害
肝臓における脂肪酸から中性脂肪産生の亢進
など生じることが上げられます。
糖質制限食実践で、内臓脂肪蓄積が改善していけば
インスリン抵抗性も改善していき、脂質代謝異常も良くなります。
江部康二
今回は、糖質制限食と空腹時中性脂肪値と食後中性脂肪値について
考察してみます。
スーパー糖質制限食で、早朝空腹時の中性脂肪値は速やかに改善します。
中性脂肪値の基準値が50~149mg/dl くらいですが、
そもそもこれは早朝空腹時の基準値です。
スーパー糖質制限食なら、100mg/dlを下回ることがほとんどです。
ちなみに私の早朝空腹時中性脂肪値は、50~70mg/dlくらいです。
スーパー糖質制限食を実践すれば、食事由来の脂肪とタンパク質は増えます。
スーパー糖質制限食実践で、食後の中性脂肪値はどうなるのか考えてみます。
まず、中性脂肪を中心とした代謝を整理してみます。
「外因性代謝」
食物摂取(中性脂肪)→小腸→キロミクロン→筋・脂肪組織→レムナント→肝
肉の脂など、食物中の脂質は、ほとんどが中性脂肪(トリグリセリド)です。
トリグリセリドはリパーゼによって
2つの脂肪酸と1つのモノグリセリドに分解されます。
分解された脂肪酸とモノグリセリドが小腸柔毛に吸収され、
トリグリセリドに再合成されます。
グリセロールと脂肪酸に分解されて小腸上皮から吸収されますが、
そのなかで中性脂肪(トリグリセリド)に再合成され集合します。
この集合体は、キロミクロンと呼ばれ、
リンパ液に瞬時に入り、リンパ管に拡散します。
キロミクロンは、胸管を上行し鎖骨下静脈内に移行します。
キロミクロンの積み荷は、外部から摂取した食物由来の中性脂肪です。
鎖骨下静脈に入ったキロミクロンのほとんどは、
肝臓、あるいは脂肪組織・筋肉組織などの毛細血管を通る間に、
毛細血管壁にあるリポ蛋白リパーゼにより、
その積み荷の中性脂肪は、脂肪酸とモノグリセリドに分解されます。
その分、中性脂肪は血液中から取り除かれます。
キロミクロンは、食後2~3時間以降に血中に出現し血清乳びを示しますが、
通常5~6時間で清明となります。
キロミクロンは食後にのみ、出現します。
血液検査で測定されている中性脂肪値は、
食事由来のキロミクロンの積み荷の中性脂肪と、
肝臓で作っているVLDLの積み荷の中性脂肪を合計したものです。
筋肉細胞や脂肪細胞の毛細血管の壁には、
リポタンパクリパーゼ(LPL)があります。
リポタンパクリパーゼ(LPL)が、リポタンパク質の積み荷の中性脂肪を、脂肪酸とモノグリセリドに分解して、
筋肉細胞や脂肪細胞に取り込ませて利用させ、
余ったら中性脂肪に再合成して蓄えるのです。
リポタンパクリパーゼが正常に働いていれば、
中性脂肪値は食後5~6時間で基準値内に戻るはずです。
しかし、食後2~3時間から4~5時間ぐらいは、
食事由来の中性脂肪が血中に乳び状態であるので、
個人差はあると思いますが、高中性脂肪値となります。
スーパー糖質制限食実践中で、脂質・タンパク質を中心の食生活なら、
食後2時間~5時間くらいは食事由来のキロミクロンで
高中性脂肪血症になる理屈です。
この間リポタンパクリパーゼ(LPL)がせっせと働いて、
食後5~6時間経過すれば中性脂肪値を基準値内に下げてくれると思います。
従いまして、スーパー糖質制限食で、
食後5~6時間以降と空腹時の中性脂肪値は当然基準値内に治まりますが、
食後2~5時間くらいの間は中性脂肪値は高値となります。
これは生理的な現象ですので心配はいりません。
「内因性代謝」
肝で合成(中性脂肪)→VLDL→筋・脂肪組織→LDL→肝
インスリン抵抗性がある場合、脂質代謝異常が生じます。
その特徴としては、
空腹時高中性脂肪血症、
低HDL-コレステロール血症、
食後高脂血症
です。
その原因としてインスリン抵抗性があると
リポ蛋白リパーゼ活性低下
VLDL異化障害
肝臓における脂肪酸から中性脂肪産生の亢進
など生じることが上げられます。
糖質制限食実践で、内臓脂肪蓄積が改善していけば
インスリン抵抗性も改善していき、脂質代謝異常も良くなります。
江部康二
2022年12月20日 (火)
こんばんは。
食材と追加分泌のインスリンについて、考察してみます。
1)糖質摂取は大量のインスリンを追加分泌させます。
2)タンパク質摂取は少量のインスリンを追加分泌させます。
3)脂質摂取はインスリンを分泌させません。
アミノ酸の中で、ロイシン、アルギニン、リジンはインスリンを分泌させます。
そして、例えば牛肉のタンパク質のアミノ酸成分には、
ロイシン、アルギニン、リジンが含まれています。
糖尿人が牛サーロインステーキを200g食べても、
血糖値に直接影響を与えるのはグリコーゲン(ブドウ糖の集合体)分だけなので
0.6gくらいの糖質しかありまぜん。
1gの糖質が、体重64kgくらいの糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。
ステーキ用の和牛サーロイン肉200gは996kcalで、
カロリーはとても多いですが、血糖値は1.8mgしか上昇しません。
タンパク質はインスリンを分泌させるのですが、
血糖値は1.8mgしか上昇しないのに、インスリンだけが分泌されたら、
低血糖になってしまいます。
低血糖にならないのは、タンパク質摂取時に、
同時にインスリン拮抗ホルモンのグルカゴン(血糖上昇作用あり)も分泌されて、
効果が相殺されるからです。
つまり、ロイシン、アルギニン、リジンが含まれているタンパク質を食べると、
追加分泌のインスリンが少量ながら分泌されるということですね。
すなわち、スーパー糖質制限食でも少量の追加分泌インスリンは出ますし、
野菜もなしの糖質ゼロ食でも、タンパク質分の追加分泌インスリンはでるということです。
また、基礎分泌インスリンは、スーパー糖質制限食でも糖質ゼロ食でも、
24時間常に出続けていますので膵臓のβ細胞はずっと働き続けているわけです。
なお、野菜や果物が一切ない食事は、
ビタミンCが不足する恐れがあるので、糖質ゼロ食は、お奨めではないです。
スーパー糖質制限食実践で、ブロッコリ、ピーマン、ゴーヤなど糖質の少ない野菜を
摂取している場合は、果物はなしでよいです。
現代の果物は、糖度が高くて、大きさも大きいので、食べないほうが良いのです。
「野いちご」と「あまおう」を比べてみれば、その差は明らかですね。
また果物に多く含まれる果糖は、ブドウ糖の数十倍『AGES』に変わりやすいので
果物は食べない方が安全なのです。
江部康二
食材と追加分泌のインスリンについて、考察してみます。
1)糖質摂取は大量のインスリンを追加分泌させます。
2)タンパク質摂取は少量のインスリンを追加分泌させます。
3)脂質摂取はインスリンを分泌させません。
アミノ酸の中で、ロイシン、アルギニン、リジンはインスリンを分泌させます。
そして、例えば牛肉のタンパク質のアミノ酸成分には、
ロイシン、アルギニン、リジンが含まれています。
糖尿人が牛サーロインステーキを200g食べても、
血糖値に直接影響を与えるのはグリコーゲン(ブドウ糖の集合体)分だけなので
0.6gくらいの糖質しかありまぜん。
1gの糖質が、体重64kgくらいの糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。
ステーキ用の和牛サーロイン肉200gは996kcalで、
カロリーはとても多いですが、血糖値は1.8mgしか上昇しません。
タンパク質はインスリンを分泌させるのですが、
血糖値は1.8mgしか上昇しないのに、インスリンだけが分泌されたら、
低血糖になってしまいます。
低血糖にならないのは、タンパク質摂取時に、
同時にインスリン拮抗ホルモンのグルカゴン(血糖上昇作用あり)も分泌されて、
効果が相殺されるからです。
つまり、ロイシン、アルギニン、リジンが含まれているタンパク質を食べると、
追加分泌のインスリンが少量ながら分泌されるということですね。
すなわち、スーパー糖質制限食でも少量の追加分泌インスリンは出ますし、
野菜もなしの糖質ゼロ食でも、タンパク質分の追加分泌インスリンはでるということです。
また、基礎分泌インスリンは、スーパー糖質制限食でも糖質ゼロ食でも、
24時間常に出続けていますので膵臓のβ細胞はずっと働き続けているわけです。
なお、野菜や果物が一切ない食事は、
ビタミンCが不足する恐れがあるので、糖質ゼロ食は、お奨めではないです。
スーパー糖質制限食実践で、ブロッコリ、ピーマン、ゴーヤなど糖質の少ない野菜を
摂取している場合は、果物はなしでよいです。
現代の果物は、糖度が高くて、大きさも大きいので、食べないほうが良いのです。
「野いちご」と「あまおう」を比べてみれば、その差は明らかですね。
また果物に多く含まれる果糖は、ブドウ糖の数十倍『AGES』に変わりやすいので
果物は食べない方が安全なのです。
江部康二
2022年12月18日 (日)
【日付 名前
22/12/18 倉田
マグネシウムと糖尿病及び高血圧
いつもお世話になっています。
江部先生の考えをお聞きしたいと思い、連絡させていただきました。
マグネシウム不足で、糖尿病や高血圧になるということを最近知ったのですが、
その点についてお尋ねします。
まず、糖尿病との関係ですが、
糖質制限療法が効果的ということは証明されていますが、
マグネシウムも要因として関係があるとすると、
糖尿病治療も、マグネシウムをサプリで補充することで、
さらに効果があるということになるのでしょうか。
次に、糖尿病と血圧の関係ですが、糖尿病は必ず高血圧を伴うものでしょうか。
もしそうだとすると、糖尿病が改善されると同時に高血圧も改善されるでしょうか。
あるいは、糖尿病は必ずしも高血圧を伴うものではなく、
それぞれ別な要因があり、高血圧は別な治療が必要でしょうか。
その場合、降圧剤ではなく、
サプリのマグネシウム補充により血圧を下げることができるでしょうか。
先生は、実際にそのような指導又は治療をされたことがおありでしょうか。】
こんばんは。
マグネシウムと糖尿病及び高血圧について
倉田さんから、コメント・質問を頂きました。
【糖尿病との関係ですが、
糖質制限療法が効果的ということは証明されていますが、
マグネシウムも要因として関係があるとすると、
糖尿病治療も、マグネシウムをサプリで補充することで、
さらに効果があるということになるのでしょうか。】
マグネシウムは、インスリンの働きを良くし糖の代謝を改善することが示唆されており、
マグネシウム摂取により糖尿病のリスクが低くなることが欧米の研究で報告されています。
しかし、以下の国立がん研究センターの日本人の研究(☆)においては、
「マグネシウム摂取と糖尿病発症との関連なし」
と結論されています。
一方、厚生労働省の「e-ヘルスネット」(☆☆)によれば、
マグネシウムは以下の如く人体にとって様々な役割を果たしているので
必要なミネラルです。
マグネシウムは通常は食品から摂取でいているので不足することは
あまりないと思います。
あおさ、あおのり、てんぐさ、ひじきなど海藻に豊富に含まれています。
米糠、干しエビ、コーヒー、ココア、ブラジルナッツ、アーモンドもいいです。
マグネシウムが足りているなら、サプリで補充する意味はありません。
まれにマグネシウムを摂取していても、
他の成分によって吸収が阻害されることがあります。
例えばリン酸塩により吸収が阻害されます。
リン酸塩は、加工食品や清涼飲料水、カップ麺などに含まれているので
摂らないか、少量摂取とするのが無難です。
(☆☆)
「e-ヘルスネット」
マグネシウム
人体に必要なミネラルの一種で、リンやカルシウムとともに骨を形成するほか、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持つ。
人体に必要なミネラルの一種です。成人では、体内に約20g~30gが存在し、その約6割はリン酸マグネシウムや炭酸水素マグネシウムとして骨や歯に含まれ、残りは筋肉や脳・神経に存在しています。300種類以上の酵素を活性化する働きがあり、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整にも役立っています。
マグネシウムが不足すると骨の形成に影響が出るほか、不整脈や虚血性心疾患、高血圧、筋肉のけいれんを引き起こします。また神経過敏や抑うつ感などが生じることもあります。
健康な人の場合、余分なマグネシウムは腎臓で排出されますが、腎臓に疾患があると血液中のマグネシウム濃度が高くなることがあります。通常の食事では摂り過ぎることはありませんが、それ以外にサプリメントや薬でマグネシウムを摂り過ぎると下痢を起こすことがあります。
【糖尿病と血圧の関係ですが、糖尿病は必ず高血圧を伴うものでしょうか。
もしそうだとすると、
糖尿病が改善されると同時に高血圧も改善されるでしょうか。
あるいは、糖尿病は必ずしも高血圧を伴うものではなく、
それぞれ別な要因があり、高血圧は別な治療が必要でしょうか。
その場合、降圧剤ではなく、
サプリのマグネシウム補充により血圧を下げることができるでしょうか。
先生は、実際にそのような指導又は治療をされたことがおありでしょうか。】
糖尿病患者さんが高血圧を合併していることは多いですが、
高血圧なしの単独の糖尿病の人もおられます。
糖尿病と高血圧と発症要因は別なので、それぞれ別の治療が必要です。
マグネシウムが不足すると高血圧を生じることがあるので
その場合はマグネシウム摂取が有効です。
しかしほとんどの場合はマグネシウム不足はないので
サプリで摂る意味はありません。
私自身は、サプリは飲みませんし、患者さんに奨めることもありません。
江部康二
(☆)国立研究開発法人 国立がん研究センター
がん対策研究所
予防関連プロジェクト
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2119.html
マグネシウム摂取と糖尿病との関連について
-「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果-
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、
日本人の生活習慣病予防に役立てるための研究を行っています。
平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2009年現在)管内にお住まいだった方々のうち、ベースラインおよび研究開始から5年後に行った調査時に糖尿病やがん、循環器疾患になっていなかった40~69歳の男女約6万人を、5年間追跡した調査結果にもとづいて、マグネシウム摂取と糖尿病発症との関連を調べた結果を、専門誌で論文発表しましたので紹介します(European Journal of Clinical Nutrition 2010年64巻1244-1247頁)。
マグネシウムは、インスリンの働きを良くし糖の代謝を改善することが示唆されており、
マグネシウム摂取により糖尿病のリスクが低くなることが欧米の研究で報告されています。
しかし、日本を含むアジアで行なった研究は少なく、一致した結果は得られていません。
そこで、マグネシウム摂取と糖尿病発症との関連について検討しました。
全体としては、糖尿病発症との関連なし
研究開始から5年後に行なったアンケート調査の結果を用いて、マグネシウムの摂取量により5つのグループに分類し、
その後5年間の糖尿病発症(男性634人、女性480人)との関連を調べました。
糖尿病の発症は、研究開始10年後に行った自記式調査で、上記追跡期間内に糖尿病と診断されたことがある場合としました。
その結果、男女ともにマグネシウム摂取と糖尿病発症との有意な関連はみられませんでしたが、
男性において、マグネシウムの摂取が多くなるほど糖尿病発症のリスクが若干低くなる傾向がみられました(図1)。
さらに、糖尿病発症のリスクが高い肥満群(BMI25kg/m²以上)において同様の解析を行いましたが、
マグネシウム摂取と糖尿病発症との有意な関連は認めませんでした。
今回の研究では、男性において、わずかではありますがマグネシウム摂取による糖尿病予防の可能性が示唆されますが、
全体としてはマグネシウム摂取と糖尿病発症との関連は認めませんでした。
欧米の研究では、マグネシウム摂取により糖尿病のリスクが低くなることが報告されていますが、
今回の研究を含むアジアの研究では一致した結果は得られていません。
その理由として、日本を含むアジアは欧米に比べ肥満者の割合が少ないことや、
日本人のマグネシウムの供給源は欧米人とは異なること(日本人のマグネシウムの主な供給源:穀類、野菜類、豆類;欧米人:乳製品、動物性食品)が考えられますが、
この点についてはさらなる検討が必要です。
今回の研究では、全対象者に実施された食物摂取頻度アンケート調査から、
各グループの摂取量(中央値)を算出すると、
最も少ないグループは男女ともに213mg、最も多いグループは男性では348mg、女性では333mgでした。
それらの値は、対象者の一部に実施されたより直接的な食事記録調査から算出された値と対比すると、
男性では7~16%低く、女性では4~5%多く(コホートI)または低く(コホートII)見積もっています。
多目的コホート研究などで用いられる食物摂取頻度アンケート調査は、
摂取量による相対的なグループ分けには適していますが、
それだけで実際の摂取量を正確に推定するのは難しく、
また年齢や時代・居住地域などが限定された対象集団の値を一般化することは適当とは言えませんので、
ここに示した摂取量はあくまで参考値にすぎません。
22/12/18 倉田
マグネシウムと糖尿病及び高血圧
いつもお世話になっています。
江部先生の考えをお聞きしたいと思い、連絡させていただきました。
マグネシウム不足で、糖尿病や高血圧になるということを最近知ったのですが、
その点についてお尋ねします。
まず、糖尿病との関係ですが、
糖質制限療法が効果的ということは証明されていますが、
マグネシウムも要因として関係があるとすると、
糖尿病治療も、マグネシウムをサプリで補充することで、
さらに効果があるということになるのでしょうか。
次に、糖尿病と血圧の関係ですが、糖尿病は必ず高血圧を伴うものでしょうか。
もしそうだとすると、糖尿病が改善されると同時に高血圧も改善されるでしょうか。
あるいは、糖尿病は必ずしも高血圧を伴うものではなく、
それぞれ別な要因があり、高血圧は別な治療が必要でしょうか。
その場合、降圧剤ではなく、
サプリのマグネシウム補充により血圧を下げることができるでしょうか。
先生は、実際にそのような指導又は治療をされたことがおありでしょうか。】
こんばんは。
マグネシウムと糖尿病及び高血圧について
倉田さんから、コメント・質問を頂きました。
【糖尿病との関係ですが、
糖質制限療法が効果的ということは証明されていますが、
マグネシウムも要因として関係があるとすると、
糖尿病治療も、マグネシウムをサプリで補充することで、
さらに効果があるということになるのでしょうか。】
マグネシウムは、インスリンの働きを良くし糖の代謝を改善することが示唆されており、
マグネシウム摂取により糖尿病のリスクが低くなることが欧米の研究で報告されています。
しかし、以下の国立がん研究センターの日本人の研究(☆)においては、
「マグネシウム摂取と糖尿病発症との関連なし」
と結論されています。
一方、厚生労働省の「e-ヘルスネット」(☆☆)によれば、
マグネシウムは以下の如く人体にとって様々な役割を果たしているので
必要なミネラルです。
マグネシウムは通常は食品から摂取でいているので不足することは
あまりないと思います。
あおさ、あおのり、てんぐさ、ひじきなど海藻に豊富に含まれています。
米糠、干しエビ、コーヒー、ココア、ブラジルナッツ、アーモンドもいいです。
マグネシウムが足りているなら、サプリで補充する意味はありません。
まれにマグネシウムを摂取していても、
他の成分によって吸収が阻害されることがあります。
例えばリン酸塩により吸収が阻害されます。
リン酸塩は、加工食品や清涼飲料水、カップ麺などに含まれているので
摂らないか、少量摂取とするのが無難です。
(☆☆)
「e-ヘルスネット」
マグネシウム
人体に必要なミネラルの一種で、リンやカルシウムとともに骨を形成するほか、体内のさまざまな代謝を助ける機能を持つ。
人体に必要なミネラルの一種です。成人では、体内に約20g~30gが存在し、その約6割はリン酸マグネシウムや炭酸水素マグネシウムとして骨や歯に含まれ、残りは筋肉や脳・神経に存在しています。300種類以上の酵素を活性化する働きがあり、筋肉の収縮や神経情報の伝達、体温・血圧の調整にも役立っています。
マグネシウムが不足すると骨の形成に影響が出るほか、不整脈や虚血性心疾患、高血圧、筋肉のけいれんを引き起こします。また神経過敏や抑うつ感などが生じることもあります。
健康な人の場合、余分なマグネシウムは腎臓で排出されますが、腎臓に疾患があると血液中のマグネシウム濃度が高くなることがあります。通常の食事では摂り過ぎることはありませんが、それ以外にサプリメントや薬でマグネシウムを摂り過ぎると下痢を起こすことがあります。
【糖尿病と血圧の関係ですが、糖尿病は必ず高血圧を伴うものでしょうか。
もしそうだとすると、
糖尿病が改善されると同時に高血圧も改善されるでしょうか。
あるいは、糖尿病は必ずしも高血圧を伴うものではなく、
それぞれ別な要因があり、高血圧は別な治療が必要でしょうか。
その場合、降圧剤ではなく、
サプリのマグネシウム補充により血圧を下げることができるでしょうか。
先生は、実際にそのような指導又は治療をされたことがおありでしょうか。】
糖尿病患者さんが高血圧を合併していることは多いですが、
高血圧なしの単独の糖尿病の人もおられます。
糖尿病と高血圧と発症要因は別なので、それぞれ別の治療が必要です。
マグネシウムが不足すると高血圧を生じることがあるので
その場合はマグネシウム摂取が有効です。
しかしほとんどの場合はマグネシウム不足はないので
サプリで摂る意味はありません。
私自身は、サプリは飲みませんし、患者さんに奨めることもありません。
江部康二
(☆)国立研究開発法人 国立がん研究センター
がん対策研究所
予防関連プロジェクト
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/2119.html
マグネシウム摂取と糖尿病との関連について
-「多目的コホート研究(JPHC研究)」からの成果-
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・心筋梗塞などの病気との関係を明らかにし、
日本人の生活習慣病予防に役立てるための研究を行っています。
平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2009年現在)管内にお住まいだった方々のうち、ベースラインおよび研究開始から5年後に行った調査時に糖尿病やがん、循環器疾患になっていなかった40~69歳の男女約6万人を、5年間追跡した調査結果にもとづいて、マグネシウム摂取と糖尿病発症との関連を調べた結果を、専門誌で論文発表しましたので紹介します(European Journal of Clinical Nutrition 2010年64巻1244-1247頁)。
マグネシウムは、インスリンの働きを良くし糖の代謝を改善することが示唆されており、
マグネシウム摂取により糖尿病のリスクが低くなることが欧米の研究で報告されています。
しかし、日本を含むアジアで行なった研究は少なく、一致した結果は得られていません。
そこで、マグネシウム摂取と糖尿病発症との関連について検討しました。
全体としては、糖尿病発症との関連なし
研究開始から5年後に行なったアンケート調査の結果を用いて、マグネシウムの摂取量により5つのグループに分類し、
その後5年間の糖尿病発症(男性634人、女性480人)との関連を調べました。
糖尿病の発症は、研究開始10年後に行った自記式調査で、上記追跡期間内に糖尿病と診断されたことがある場合としました。
その結果、男女ともにマグネシウム摂取と糖尿病発症との有意な関連はみられませんでしたが、
男性において、マグネシウムの摂取が多くなるほど糖尿病発症のリスクが若干低くなる傾向がみられました(図1)。
さらに、糖尿病発症のリスクが高い肥満群(BMI25kg/m²以上)において同様の解析を行いましたが、
マグネシウム摂取と糖尿病発症との有意な関連は認めませんでした。
今回の研究では、男性において、わずかではありますがマグネシウム摂取による糖尿病予防の可能性が示唆されますが、
全体としてはマグネシウム摂取と糖尿病発症との関連は認めませんでした。
欧米の研究では、マグネシウム摂取により糖尿病のリスクが低くなることが報告されていますが、
今回の研究を含むアジアの研究では一致した結果は得られていません。
その理由として、日本を含むアジアは欧米に比べ肥満者の割合が少ないことや、
日本人のマグネシウムの供給源は欧米人とは異なること(日本人のマグネシウムの主な供給源:穀類、野菜類、豆類;欧米人:乳製品、動物性食品)が考えられますが、
この点についてはさらなる検討が必要です。
今回の研究では、全対象者に実施された食物摂取頻度アンケート調査から、
各グループの摂取量(中央値)を算出すると、
最も少ないグループは男女ともに213mg、最も多いグループは男性では348mg、女性では333mgでした。
それらの値は、対象者の一部に実施されたより直接的な食事記録調査から算出された値と対比すると、
男性では7~16%低く、女性では4~5%多く(コホートI)または低く(コホートII)見積もっています。
多目的コホート研究などで用いられる食物摂取頻度アンケート調査は、
摂取量による相対的なグループ分けには適していますが、
それだけで実際の摂取量を正確に推定するのは難しく、
また年齢や時代・居住地域などが限定された対象集団の値を一般化することは適当とは言えませんので、
ここに示した摂取量はあくまで参考値にすぎません。
2022年12月17日 (土)
【22/12/17 keyeye
江部先生
お久し振りです。
急性心筋梗塞発症からの生還後15年9カ月。
自己流糖質制限食生活15年8カ月。
12年前から循環器系も含め医師によるフォローを一切受けていません。
従いまして処方箋薬の服用も有りません。
先達て我慢ならぬ自覚症状があって、数年振りにクリックへ行きました。
そこでの血液検査では主に、
AST (GOT)(40),ALT(GPT)29,LD_IFCC (336) H, ALP_IFCC (60),γ-GT (70)
クレアチニン (0.63),グルコース(113) H <但し空腹時としてでは有りません>
HbA1c/NGSP (4.9) ,TG(中性脂肪)(147),HDLコレステロール (70),LDLコレステロール(200) H,
そして・・CRP定量 (0.75) H,高感度PSA (157) H でした。
即日紹介状を携えて向かった病院での血液検査では、
AST (GOT)(34),ALT(GPT)30,LD_IFCC (345) H, ALP_IFCC (81),γ-GT (59)
グルコース(110) H <但し空腹時としてでは有りません>
HbA1c/NGSP (5.3)
高感度PSA (100以上),高感度PSA (希釈最終値)(193.140)
*疑問?たった13日でHbA1c/NGSP (4.9) がHbA1c/NGSP (5.3)へ
こんなこともあるのですね。
*上皇陛下は今から19年ほど前に前立腺の全摘手術を受けられています。
今上天皇も先達て念の為として前立腺の生検を受けられました。
問題はなかったようです。
*なんという偶然でしょうか、私の父親も丁度今の私の年齢の頃(65歳)で、
前立腺癌と診断されて20年前72歳で逝きました。
*昨今の日本人男性における前立腺癌の増加の一因として、
判で押したように、食生活の欧米化・・・とコメントする輩が湧いて出てきます。
私は「お前らは天皇の料理番に向かってそれを言えるか!」と毒づきたくなります。
*はてさて何故?!とか私の何が悪かったのか?とか愚痴らず・・・・まぁなってしまったものはしょうがないさと諦念しています。
ステージⅣ、グリソンスコア4+4=8,リンパ節転移、骨転移有りが確定診断結果でした。
なんと早期ならば全摘手術など外科的施術が優先されるようですが、
私は既にその適用は無く、
ホルモン治療からだそうです。昔は睾丸摘出で・・・が標準であったようですが、
今はそれに代わるホルモン剤のお蔭様で、
またしても外科手術の難から逃れられた?ようです。
標準治療での平均的患者の行く末は一応理解しました。
最新の薬剤開発や治療法などが標準治療となりゆく日進月歩の医学界の進歩との徒競走となるのでしょうか。
全ては個人差や運次第なのでしょう。
死は誰にでも必然です、残された生をいかに生き切るかですね。
藁をも掴むような見苦しい選択だけは決して為さず、覚悟を決めて生きる。
遠い昔の少年のように身も心も引き締まる思いです。
実は奇跡的にというか、運命的にというか、
今の私だったからこそ被験者として適合となる、
前立腺癌の新たな治療法の第二相臨床試験を受けることになりました。
ホルモン治療との併用で行われるとうことで、
既に腹部皮下注射でホルモン剤を注射されています。
なんとたった1回の注射で24週間有効なのだそうです。
担当医にあのゥアルコールは如何なものでしょうか?と問うと
「アルコールと癌はまったく関係有りません。どうぞ飲んでください」
いやはやそんなに率直に答えられると「いやまぁほどほどで嗜む程度に・・・参ります」と。
最悪に備えて最善を尽くす。
覚悟は出来ています。
いつか又江部先生に結果はどうであれ、ご報告出来れば幸いです。
いま確実に言えることは私のパートナーが新宿での江部先生の講演会に二度出向き、
納得の上、二人して自己流儀の糖質制限生活を開始し、
今回の私の「ガーン」以外には頗る健康で、
先日79歳の誕生日を迎えたパートナーも、
過去には潰瘍性大腸炎で、入退院を繰り返していたのに、
あれから15年以上まったく問題無く、
先生には恐縮いたしますが医者にも掛からず投薬一切無しの健康体でいます。
江部先生へこころから感謝申し上げます。】
こんばんは。
糖質制限歴15年8カ月のkeyeyeさんから
前立腺癌に罹患したとコメントを頂きました。
糖質制限食実践を実践すると、
「食後高血糖による活性酸素発生」
「食後高インスリン血症による活性酸素発生」
という
「酸化ストレス」が最小限ですむので、
「ガン発症リスク」も最小限ですむと、
今まで述べてきました。
がん細胞は人の体の中で毎日、数百から数千個も発生していますが、
通常は免疫細胞が排除してくれているので、がんを発症しません。
正常細胞ががん細胞に変わり、体の免疫細胞が排除に失敗すると、
がん細胞は徐々に成長を始めます。
実は、1個のがん細胞が発生してから、
画像診断的に発見可能な大きさになるのには、
かなり長い年月がかかります。
細胞分裂により1個が2個になり、2個が4個、
4個が8個、そして16個、32個、64個と倍々で増加していきます。
30回分裂を繰り返すと、約10億個に増え、
重さは約1グラム、直径1cm程度になります。
細胞1個が0.01mmで、1cm経になるのに10~20年かかります。
つまり、がん細胞が発生してから、診断できる大きさになるまでには
実に10~20年を要しているわけです。
個体差やがんの種類によっても発育速度は異なります。
がん細胞が生まれてから活発に成長するようになるまでには、
長い期間がかかります。
しかし、がん細胞は成長するに従って、
発育速度が速くなるとされています。
2倍の大きさになるのは、例えば早期胃がんでは数年(2-6年)、
進行がんでは数ヶ月、転移した胃がんでは数週間とされています。
従来のがん検診では、腫瘍の大きさが1cm程度にならないと発見できませんでしたが、
PET検査では、早期の5mm程度の大きさでの発見が可能です。
しかしながら、5mmや1cmで早期発見したがんということでも、
がん細胞が発生してから、
すでに約10~20年間が経過していることとなります。
つまり早期発見ということでも、
すでに転移しているか否かは、運次第なのです。
keyeyeさんの、原初のガン細胞は、
16年以上前に、すでに存在していた可能性が高いです。
【実は奇跡的にというか、運命的にというか、
今の私だったからこそ被験者として適合となる、
前立腺癌の新たな治療法の第二相臨床試験を受けることになりました。
ホルモン治療との併用で行われるとうことで、
既に腹部皮下注射でホルモン剤を注射されています。
なんとたった1回の注射で24週間有効なのだそうです。】
医学は、大きく進歩しています。
ガンの治療も大きく進歩してます。
私が大学にいたころと比べると
「月とスッポン」と言っても過言ではありません。
ガンの化学療法の進歩も目を見張るものがあります。
副作用が少なくて効果がある薬物がいろいろと登場しています。
keyeyeさん、「ホルモン治療+化学療法」、
是非、チャレンジしてみてください。
【二人して自己流儀の糖質制限生活を開始し、
今回の私の「ガーン」以外には頗る健康で、
先日79歳の誕生日を迎えたパートナーも、
過去には潰瘍性大腸炎で、入退院を繰り返していたのに、
あれから15年以上まったく問題無し。】
御連れ合いの「潰瘍性大腸炎」、糖質制限食実践で
15年間再発なしとは素晴らしいです。
このまま、美味しく楽しく糖質制限食をお続け頂ければ幸いです。
江部康二
【*疑問?たった13日でHbA1c/NGSP (4.9) がHbA1c/NGSP (5.3)へ
こんなこともあるのですね。】
医療機関によって、検査機器が異なりますので、
同一日に検査しても、それぐらいの差はあります。
江部先生
お久し振りです。
急性心筋梗塞発症からの生還後15年9カ月。
自己流糖質制限食生活15年8カ月。
12年前から循環器系も含め医師によるフォローを一切受けていません。
従いまして処方箋薬の服用も有りません。
先達て我慢ならぬ自覚症状があって、数年振りにクリックへ行きました。
そこでの血液検査では主に、
AST (GOT)(40),ALT(GPT)29,LD_IFCC (336) H, ALP_IFCC (60),γ-GT (70)
クレアチニン (0.63),グルコース(113) H <但し空腹時としてでは有りません>
HbA1c/NGSP (4.9) ,TG(中性脂肪)(147),HDLコレステロール (70),LDLコレステロール(200) H,
そして・・CRP定量 (0.75) H,高感度PSA (157) H でした。
即日紹介状を携えて向かった病院での血液検査では、
AST (GOT)(34),ALT(GPT)30,LD_IFCC (345) H, ALP_IFCC (81),γ-GT (59)
グルコース(110) H <但し空腹時としてでは有りません>
HbA1c/NGSP (5.3)
高感度PSA (100以上),高感度PSA (希釈最終値)(193.140)
*疑問?たった13日でHbA1c/NGSP (4.9) がHbA1c/NGSP (5.3)へ
こんなこともあるのですね。
*上皇陛下は今から19年ほど前に前立腺の全摘手術を受けられています。
今上天皇も先達て念の為として前立腺の生検を受けられました。
問題はなかったようです。
*なんという偶然でしょうか、私の父親も丁度今の私の年齢の頃(65歳)で、
前立腺癌と診断されて20年前72歳で逝きました。
*昨今の日本人男性における前立腺癌の増加の一因として、
判で押したように、食生活の欧米化・・・とコメントする輩が湧いて出てきます。
私は「お前らは天皇の料理番に向かってそれを言えるか!」と毒づきたくなります。
*はてさて何故?!とか私の何が悪かったのか?とか愚痴らず・・・・まぁなってしまったものはしょうがないさと諦念しています。
ステージⅣ、グリソンスコア4+4=8,リンパ節転移、骨転移有りが確定診断結果でした。
なんと早期ならば全摘手術など外科的施術が優先されるようですが、
私は既にその適用は無く、
ホルモン治療からだそうです。昔は睾丸摘出で・・・が標準であったようですが、
今はそれに代わるホルモン剤のお蔭様で、
またしても外科手術の難から逃れられた?ようです。
標準治療での平均的患者の行く末は一応理解しました。
最新の薬剤開発や治療法などが標準治療となりゆく日進月歩の医学界の進歩との徒競走となるのでしょうか。
全ては個人差や運次第なのでしょう。
死は誰にでも必然です、残された生をいかに生き切るかですね。
藁をも掴むような見苦しい選択だけは決して為さず、覚悟を決めて生きる。
遠い昔の少年のように身も心も引き締まる思いです。
実は奇跡的にというか、運命的にというか、
今の私だったからこそ被験者として適合となる、
前立腺癌の新たな治療法の第二相臨床試験を受けることになりました。
ホルモン治療との併用で行われるとうことで、
既に腹部皮下注射でホルモン剤を注射されています。
なんとたった1回の注射で24週間有効なのだそうです。
担当医にあのゥアルコールは如何なものでしょうか?と問うと
「アルコールと癌はまったく関係有りません。どうぞ飲んでください」
いやはやそんなに率直に答えられると「いやまぁほどほどで嗜む程度に・・・参ります」と。
最悪に備えて最善を尽くす。
覚悟は出来ています。
いつか又江部先生に結果はどうであれ、ご報告出来れば幸いです。
いま確実に言えることは私のパートナーが新宿での江部先生の講演会に二度出向き、
納得の上、二人して自己流儀の糖質制限生活を開始し、
今回の私の「ガーン」以外には頗る健康で、
先日79歳の誕生日を迎えたパートナーも、
過去には潰瘍性大腸炎で、入退院を繰り返していたのに、
あれから15年以上まったく問題無く、
先生には恐縮いたしますが医者にも掛からず投薬一切無しの健康体でいます。
江部先生へこころから感謝申し上げます。】
こんばんは。
糖質制限歴15年8カ月のkeyeyeさんから
前立腺癌に罹患したとコメントを頂きました。
糖質制限食実践を実践すると、
「食後高血糖による活性酸素発生」
「食後高インスリン血症による活性酸素発生」
という
「酸化ストレス」が最小限ですむので、
「ガン発症リスク」も最小限ですむと、
今まで述べてきました。
がん細胞は人の体の中で毎日、数百から数千個も発生していますが、
通常は免疫細胞が排除してくれているので、がんを発症しません。
正常細胞ががん細胞に変わり、体の免疫細胞が排除に失敗すると、
がん細胞は徐々に成長を始めます。
実は、1個のがん細胞が発生してから、
画像診断的に発見可能な大きさになるのには、
かなり長い年月がかかります。
細胞分裂により1個が2個になり、2個が4個、
4個が8個、そして16個、32個、64個と倍々で増加していきます。
30回分裂を繰り返すと、約10億個に増え、
重さは約1グラム、直径1cm程度になります。
細胞1個が0.01mmで、1cm経になるのに10~20年かかります。
つまり、がん細胞が発生してから、診断できる大きさになるまでには
実に10~20年を要しているわけです。
個体差やがんの種類によっても発育速度は異なります。
がん細胞が生まれてから活発に成長するようになるまでには、
長い期間がかかります。
しかし、がん細胞は成長するに従って、
発育速度が速くなるとされています。
2倍の大きさになるのは、例えば早期胃がんでは数年(2-6年)、
進行がんでは数ヶ月、転移した胃がんでは数週間とされています。
従来のがん検診では、腫瘍の大きさが1cm程度にならないと発見できませんでしたが、
PET検査では、早期の5mm程度の大きさでの発見が可能です。
しかしながら、5mmや1cmで早期発見したがんということでも、
がん細胞が発生してから、
すでに約10~20年間が経過していることとなります。
つまり早期発見ということでも、
すでに転移しているか否かは、運次第なのです。
keyeyeさんの、原初のガン細胞は、
16年以上前に、すでに存在していた可能性が高いです。
【実は奇跡的にというか、運命的にというか、
今の私だったからこそ被験者として適合となる、
前立腺癌の新たな治療法の第二相臨床試験を受けることになりました。
ホルモン治療との併用で行われるとうことで、
既に腹部皮下注射でホルモン剤を注射されています。
なんとたった1回の注射で24週間有効なのだそうです。】
医学は、大きく進歩しています。
ガンの治療も大きく進歩してます。
私が大学にいたころと比べると
「月とスッポン」と言っても過言ではありません。
ガンの化学療法の進歩も目を見張るものがあります。
副作用が少なくて効果がある薬物がいろいろと登場しています。
keyeyeさん、「ホルモン治療+化学療法」、
是非、チャレンジしてみてください。
【二人して自己流儀の糖質制限生活を開始し、
今回の私の「ガーン」以外には頗る健康で、
先日79歳の誕生日を迎えたパートナーも、
過去には潰瘍性大腸炎で、入退院を繰り返していたのに、
あれから15年以上まったく問題無し。】
御連れ合いの「潰瘍性大腸炎」、糖質制限食実践で
15年間再発なしとは素晴らしいです。
このまま、美味しく楽しく糖質制限食をお続け頂ければ幸いです。
江部康二
【*疑問?たった13日でHbA1c/NGSP (4.9) がHbA1c/NGSP (5.3)へ
こんなこともあるのですね。】
医療機関によって、検査機器が異なりますので、
同一日に検査しても、それぐらいの差はあります。
2022年12月16日 (金)
【22/12/16 apple
新型コロナウイルス感染による血糖値への影響について
江部先生
いつも興味深いテーマの記事掲載、ありがとうございます。
さて、質問させてください。
家庭内感染により、新型コロナウイルスに罹患しました。
糖質制限のおかげか、呼吸器の慢性疾患があるにも関わらず、軽症で済みました。
(主症状は倦怠感 発熱は最高で36.8℃ )
しかしながら、罹患後から血糖値が高めです。
早朝空腹時血糖値、就寝前血糖値ともに10%〜15%高めです。
特に、早朝空腹時血糖値が101〜109ぐらいなので、朝から気分が重くなる日々です。
(感染以前は80台から90台で、100を超えることはほぼ無かったです)
症状が出始めて今日で13日目です。
身体のほうはすっきりとしています。
血糖値が高めの状態は当分続くと思われますか?
もう、元の状態に戻ることは無いのでしょうか?
先生のお考えをお聞かせ下さると助かります。
お忙しいところ、申し訳ございません。
宜しくお願いいたします。】
こんばんは。
apple さんから、
新型コロナウイルス感染による血糖値への影響について、
コメント・質問を頂きました。
【家庭内感染により、新型コロナウイルスに罹患しました。
糖質制限のおかげか、呼吸器の慢性疾患があるにも関わらず、軽症で済みました。
(主症状は倦怠感 発熱は最高で36.8℃ )】
発熱が最高で36.8℃とは、とても軽症ですね。
慢性呼吸器疾患は新型コロナ重症化のリスクになります。
WHOも、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を、
新型コロナ感染症の重症化リスクがあるとして取り上げて、
禁煙を強く勧めています。
36.8℃の発熱と倦怠感だけで済んだのなら、大変軽症です。
慢性呼吸器疾患というリスクがあったのに軽症で済んだのは
糖質制限食実践の効果と考えられます。
良かったです。
【しかしながら、罹患後から血糖値が高めです。
早朝空腹時血糖値、就寝前血糖値ともに10%〜15%高めです。
特に、早朝空腹時血糖値が101〜109ぐらいなので、朝から気分が重くなる日々です。
(感染以前は80台から90台で、100を超えることはほぼ無かったです)】
血糖値上昇は、明らかに新型コロナの後遺症と考えられます。
それなら、厚生労働省のサイト(☆)の、Q3の回答のように
時間がたつにつれて、症状が改善することが多いとされていますので
あまり心配せずに時を待ちましょう。
それに、空腹時血糖値101~109mg/dlなら、基準値内ですので大丈夫と思います。
日本糖尿病学会の見解では、空腹時血糖値130mg/dl未満なら、
糖尿病合併症の予防が可能としています。
【症状が出始めて今日で13日目です。
身体のほうはすっきりとしています。
血糖値が高めの状態は当分続くと思われますか?
もう、元の状態に戻ることは無いのでしょうか?】
新型コロナ感染症で、糖尿病を引き起こすことが知られています。
糖尿病を発症しないまでも、血糖値が上昇することは充分ありえます。
罹患後、13日目ですので、まだまだ早い段階です。
糖尿病発症しているわけではないので、
1~2ヶ月も経過すれば元の血糖値に戻る可能性が高いので、
心配は要らないと思います。
江部康二
(☆)
新型コロナウイルス感染症の罹患後症状
(いわゆる後遺症)に関するQ&A 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kouisyou_qa.html#:~:text=%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E7%9A%84%E3%81%AA%E7%BD%B9%E6%82%A3%E5%BE%8C,%E7%AD%8B%E5%8A%9B%E4%BD%8E%E4%B8%8B%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
よくある質問
Q1 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状とはどのような症状なのでしょうか。
Q2 罹患後症状の代表的な症状にはどのような症状がありますか。
Q3 罹患後症状は治りますか。
Q4 罹患後症状の治療方法はありますか。
Q5 罹患後症状がある場合、新型コロナウイルス感染症を他の人に移してしまうことがありますか。
Q6 罹患後症状について、どこを受診すると良いでしょうか。
Q7 新型コロナウイルス感染症に罹患してからずっと倦怠感が続いている気がします。受診が必要ですか。
Q8 新型コロナウイルス感染症のワクチンは、罹患後症状に効果がありますか。
Q9 罹患後症状が継続している場合でも職場復帰は可能でしょうか。
Q10 罹患後症状が続く場合、活用できる支援制度はありますか。
Q1 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状とはどのような症状なのでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)は、新型コロナウイルス感染症に罹患した後に、感染性は消失したにもかかわらず、他に原因が明らかでなく、罹患してすぐの時期から持続する症状、回復した後に新たに出現する症状、症状が消失した後に再び生じる症状の全般をさしています。
Q2 罹患後症状の代表的な症状にはどのような症状がありますか。
代表的な罹患後症状は、疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下などがあります。また、罹患後症状は、罹患してすぐの時期から持続する症状、回復した後に新たに出現する症状、症状が消失した後に再び生じる症状の全般をさしています。
Q3 罹患後症状は治りますか。
罹患後症状については、世界的に調査研究が進められている最中であり、まだ不明な点が多いですが、現時点の調査研究では、罹患後症状の多くは、時間経過とともに症状が改善することが多いとされています。
Q4 罹患後症状の治療方法はありますか。
罹患後症状の多くは、時間経過とともに症状が改善することが多いとされています。その過程で、各症状に応じた対症療法が行われることもあります。また、症状が改善せずに持続する場合には、他の疾患による症状の可能性もありますので、かかりつけ医等や地域の医療機関にご相談下さい。
以下、略。
新型コロナウイルス感染による血糖値への影響について
江部先生
いつも興味深いテーマの記事掲載、ありがとうございます。
さて、質問させてください。
家庭内感染により、新型コロナウイルスに罹患しました。
糖質制限のおかげか、呼吸器の慢性疾患があるにも関わらず、軽症で済みました。
(主症状は倦怠感 発熱は最高で36.8℃ )
しかしながら、罹患後から血糖値が高めです。
早朝空腹時血糖値、就寝前血糖値ともに10%〜15%高めです。
特に、早朝空腹時血糖値が101〜109ぐらいなので、朝から気分が重くなる日々です。
(感染以前は80台から90台で、100を超えることはほぼ無かったです)
症状が出始めて今日で13日目です。
身体のほうはすっきりとしています。
血糖値が高めの状態は当分続くと思われますか?
もう、元の状態に戻ることは無いのでしょうか?
先生のお考えをお聞かせ下さると助かります。
お忙しいところ、申し訳ございません。
宜しくお願いいたします。】
こんばんは。
apple さんから、
新型コロナウイルス感染による血糖値への影響について、
コメント・質問を頂きました。
【家庭内感染により、新型コロナウイルスに罹患しました。
糖質制限のおかげか、呼吸器の慢性疾患があるにも関わらず、軽症で済みました。
(主症状は倦怠感 発熱は最高で36.8℃ )】
発熱が最高で36.8℃とは、とても軽症ですね。
慢性呼吸器疾患は新型コロナ重症化のリスクになります。
WHOも、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を、
新型コロナ感染症の重症化リスクがあるとして取り上げて、
禁煙を強く勧めています。
36.8℃の発熱と倦怠感だけで済んだのなら、大変軽症です。
慢性呼吸器疾患というリスクがあったのに軽症で済んだのは
糖質制限食実践の効果と考えられます。
良かったです。
【しかしながら、罹患後から血糖値が高めです。
早朝空腹時血糖値、就寝前血糖値ともに10%〜15%高めです。
特に、早朝空腹時血糖値が101〜109ぐらいなので、朝から気分が重くなる日々です。
(感染以前は80台から90台で、100を超えることはほぼ無かったです)】
血糖値上昇は、明らかに新型コロナの後遺症と考えられます。
それなら、厚生労働省のサイト(☆)の、Q3の回答のように
時間がたつにつれて、症状が改善することが多いとされていますので
あまり心配せずに時を待ちましょう。
それに、空腹時血糖値101~109mg/dlなら、基準値内ですので大丈夫と思います。
日本糖尿病学会の見解では、空腹時血糖値130mg/dl未満なら、
糖尿病合併症の予防が可能としています。
【症状が出始めて今日で13日目です。
身体のほうはすっきりとしています。
血糖値が高めの状態は当分続くと思われますか?
もう、元の状態に戻ることは無いのでしょうか?】
新型コロナ感染症で、糖尿病を引き起こすことが知られています。
糖尿病を発症しないまでも、血糖値が上昇することは充分ありえます。
罹患後、13日目ですので、まだまだ早い段階です。
糖尿病発症しているわけではないので、
1~2ヶ月も経過すれば元の血糖値に戻る可能性が高いので、
心配は要らないと思います。
江部康二
(☆)
新型コロナウイルス感染症の罹患後症状
(いわゆる後遺症)に関するQ&A 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kouisyou_qa.html#:~:text=%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E7%9A%84%E3%81%AA%E7%BD%B9%E6%82%A3%E5%BE%8C,%E7%AD%8B%E5%8A%9B%E4%BD%8E%E4%B8%8B%E3%81%AA%E3%81%A9%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
よくある質問
Q1 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状とはどのような症状なのでしょうか。
Q2 罹患後症状の代表的な症状にはどのような症状がありますか。
Q3 罹患後症状は治りますか。
Q4 罹患後症状の治療方法はありますか。
Q5 罹患後症状がある場合、新型コロナウイルス感染症を他の人に移してしまうことがありますか。
Q6 罹患後症状について、どこを受診すると良いでしょうか。
Q7 新型コロナウイルス感染症に罹患してからずっと倦怠感が続いている気がします。受診が必要ですか。
Q8 新型コロナウイルス感染症のワクチンは、罹患後症状に効果がありますか。
Q9 罹患後症状が継続している場合でも職場復帰は可能でしょうか。
Q10 罹患後症状が続く場合、活用できる支援制度はありますか。
Q1 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状とはどのような症状なのでしょうか。
新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)は、新型コロナウイルス感染症に罹患した後に、感染性は消失したにもかかわらず、他に原因が明らかでなく、罹患してすぐの時期から持続する症状、回復した後に新たに出現する症状、症状が消失した後に再び生じる症状の全般をさしています。
Q2 罹患後症状の代表的な症状にはどのような症状がありますか。
代表的な罹患後症状は、疲労感・倦怠感、関節痛、筋肉痛、咳、喀痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下などがあります。また、罹患後症状は、罹患してすぐの時期から持続する症状、回復した後に新たに出現する症状、症状が消失した後に再び生じる症状の全般をさしています。
Q3 罹患後症状は治りますか。
罹患後症状については、世界的に調査研究が進められている最中であり、まだ不明な点が多いですが、現時点の調査研究では、罹患後症状の多くは、時間経過とともに症状が改善することが多いとされています。
Q4 罹患後症状の治療方法はありますか。
罹患後症状の多くは、時間経過とともに症状が改善することが多いとされています。その過程で、各症状に応じた対症療法が行われることもあります。また、症状が改善せずに持続する場合には、他の疾患による症状の可能性もありますので、かかりつけ医等や地域の医療機関にご相談下さい。
以下、略。
2022年12月15日 (木)
こんばんは。
大雨に台風に地震に津波など、日本は自然災害の多い国です。
気象庁の情報(☆)を見ると、一目瞭然です。
有事の際、糖質制限食が都合良く手に入るとは限らないので、
あるていど準備しておくのが安全です。
災害に備える食料の備蓄ですが、
冷蔵庫も使えなくなると仮定して室温保存でOKなものがいいですね。
ナッツ類、ビーフジャーキー、サラミなどは、糖質制限OKです。
天日干しのスルメ、ゲソ、貝柱、めざし、鮭とば、干し海老などの干物もOKです。
これらは、賞味期限もまあまあ長いです。
賞味期限が迫ってきたら、それは食べて、新しいものに入れ替えましょう。
コンビーフ、ツナ、マグロ、カツオ、サバ、イワシ、
カキ、ホタテ、ムール貝、豚肉・・・などの缶詰もOKです。
たけのこ、アスパラガス・・・などの野菜缶詰もOKです。
大豆の缶詰もあります。
グリーンピースの水煮缶は100g中13gの糖質ですが、非常時にはよしとしましょう。
缶詰は賞味期限は長いです。
水産缶詰は製造日から3年、野菜缶詰2~3年、畜産缶詰は3年だといわれています。
賞味期限を考慮すると、糖質制限食の備蓄は、
缶詰をベースにしておくのがリーズナブルと言えます。
あと、水のペットボトル(2リットル)10本の備蓄もあると安心です。
江部康二
(☆)
気象庁
日本の異常気象
https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/longfcst/extreme_japan/index.html
異常気象の特徴と要因に関する情報
異常気象など平年から大きくかけ離れた天候により社会的に大きな影響をもたらした現象について、
その特徴と要因を分析した結果をまとめた情報です。
過去の情報については、「過去に発表した情報」をご覧ください。
令和3年(2021年)
9月13日 令和3年8月の記録的な大雨の特徴とその要因について [PDF形式:2.44MB]
令和3年8月中旬から下旬は、前線の活動が非常に活発となった影響で、西日本から東日本の広い範囲で大雨となった。
西日本日本海側と西日本太平洋側では、1946年の統計開始以降、8月として月降水量の多い記録を更新した。
1月15日 令和2年12月中旬以降の大雪と低温の要因と今後の見通し [PDF形式:920KB]
令和2年12月中旬以降、日本海側を中心に大雪となり、記録的な大雪となったところもあった。
令和2年(2020年)
8月20日 令和2年7月の記録的大雨や日照不足の特徴とその要因について [PDF形式:2.60MB]
令和2年7月は、「令和2年7月豪雨」(7月3日〜31日)が発生するなど、
東北地方から西日本にかけて記録的な大雨や日照不足など顕著な天候不順となった。
7月31日 「令和2年7月豪雨」の特徴と関連する大気の流れについて(速報) [PDF形式:3.19MB]
「令和2年7月豪雨」では、7月3日から14日までの総降水量が九州を中心に
年降水量平年値の半分以上となるところがあるなど、西日本から東日本の広範囲にわたる長期間の大雨となった。
4月14日 2020年冬の天候の特徴とその要因について [PDF形式:1.35MB]
2020年冬は、日本では統計開始以降最も気温の高い記録的な暖冬となった。
1月24日 令和元年12月以降の高温と少雪の状況について [PDF形式:824KB]
令和元年12月以降、東・西日本を中心に気温がかなり高く、日本海側では降雪量が記録的に少なくなっている。
平成30年(2018年)
8月10日 「平成30年7月豪雨」及び7月中旬以降の記録的な高温の特徴とその要因について [PDF形式:1.4MB]
「平成30年7月豪雨」では、西日本から東海地方を中心に広い範囲で数日間大雨が続き、
その総雨量は1982年以降の豪雨災害時の雨量と比べて極めて大きいものとなった。また、7月中旬以降は北・東・西日本では気温がかなり高くなり、東日本の月平均気温は7月として1964年の統計開始以来第1位となった。
3月5日 平成30年冬の天候の特徴とその要因について [PDF形式:524KB]
平成30年冬は、日本付近に強い寒気が流れ込むことが多かったため、全国的に気温が低くなった。
2月15日 平成29年12月以降の低温と大雪の要因について [PDF形式:614KB]
平成29年12月以降、全国的に気温がしばしば低くなり、寒気の流入のピーク時には大雪となった所もあった。
2月1日 平成30年1月下旬の寒波について [PDF形式:893KB]
シベリア東部に蓄積した非常に強い寒気が日本付近に流れ込み、全国的に気温の低い状態が継続し、
特に東・西日本では気温がかなり低くなった。
平成29年(2017年)
8月17日 平成29年(2017年)8月前半の北・東日本太平洋側の不順な天候及び沖縄・奄美の高温について
2017年8月前半は、北日本太平洋側では日照不足かつ低温、東日本太平洋側では日照不足となった。
一方、沖縄・奄美では高温が持続した。
大雨に台風に地震に津波など、日本は自然災害の多い国です。
気象庁の情報(☆)を見ると、一目瞭然です。
有事の際、糖質制限食が都合良く手に入るとは限らないので、
あるていど準備しておくのが安全です。
災害に備える食料の備蓄ですが、
冷蔵庫も使えなくなると仮定して室温保存でOKなものがいいですね。
ナッツ類、ビーフジャーキー、サラミなどは、糖質制限OKです。
天日干しのスルメ、ゲソ、貝柱、めざし、鮭とば、干し海老などの干物もOKです。
これらは、賞味期限もまあまあ長いです。
賞味期限が迫ってきたら、それは食べて、新しいものに入れ替えましょう。
コンビーフ、ツナ、マグロ、カツオ、サバ、イワシ、
カキ、ホタテ、ムール貝、豚肉・・・などの缶詰もOKです。
たけのこ、アスパラガス・・・などの野菜缶詰もOKです。
大豆の缶詰もあります。
グリーンピースの水煮缶は100g中13gの糖質ですが、非常時にはよしとしましょう。
缶詰は賞味期限は長いです。
水産缶詰は製造日から3年、野菜缶詰2~3年、畜産缶詰は3年だといわれています。
賞味期限を考慮すると、糖質制限食の備蓄は、
缶詰をベースにしておくのがリーズナブルと言えます。
あと、水のペットボトル(2リットル)10本の備蓄もあると安心です。
江部康二
(☆)
気象庁
日本の異常気象
https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/longfcst/extreme_japan/index.html
異常気象の特徴と要因に関する情報
異常気象など平年から大きくかけ離れた天候により社会的に大きな影響をもたらした現象について、
その特徴と要因を分析した結果をまとめた情報です。
過去の情報については、「過去に発表した情報」をご覧ください。
令和3年(2021年)
9月13日 令和3年8月の記録的な大雨の特徴とその要因について [PDF形式:2.44MB]
令和3年8月中旬から下旬は、前線の活動が非常に活発となった影響で、西日本から東日本の広い範囲で大雨となった。
西日本日本海側と西日本太平洋側では、1946年の統計開始以降、8月として月降水量の多い記録を更新した。
1月15日 令和2年12月中旬以降の大雪と低温の要因と今後の見通し [PDF形式:920KB]
令和2年12月中旬以降、日本海側を中心に大雪となり、記録的な大雪となったところもあった。
令和2年(2020年)
8月20日 令和2年7月の記録的大雨や日照不足の特徴とその要因について [PDF形式:2.60MB]
令和2年7月は、「令和2年7月豪雨」(7月3日〜31日)が発生するなど、
東北地方から西日本にかけて記録的な大雨や日照不足など顕著な天候不順となった。
7月31日 「令和2年7月豪雨」の特徴と関連する大気の流れについて(速報) [PDF形式:3.19MB]
「令和2年7月豪雨」では、7月3日から14日までの総降水量が九州を中心に
年降水量平年値の半分以上となるところがあるなど、西日本から東日本の広範囲にわたる長期間の大雨となった。
4月14日 2020年冬の天候の特徴とその要因について [PDF形式:1.35MB]
2020年冬は、日本では統計開始以降最も気温の高い記録的な暖冬となった。
1月24日 令和元年12月以降の高温と少雪の状況について [PDF形式:824KB]
令和元年12月以降、東・西日本を中心に気温がかなり高く、日本海側では降雪量が記録的に少なくなっている。
平成30年(2018年)
8月10日 「平成30年7月豪雨」及び7月中旬以降の記録的な高温の特徴とその要因について [PDF形式:1.4MB]
「平成30年7月豪雨」では、西日本から東海地方を中心に広い範囲で数日間大雨が続き、
その総雨量は1982年以降の豪雨災害時の雨量と比べて極めて大きいものとなった。また、7月中旬以降は北・東・西日本では気温がかなり高くなり、東日本の月平均気温は7月として1964年の統計開始以来第1位となった。
3月5日 平成30年冬の天候の特徴とその要因について [PDF形式:524KB]
平成30年冬は、日本付近に強い寒気が流れ込むことが多かったため、全国的に気温が低くなった。
2月15日 平成29年12月以降の低温と大雪の要因について [PDF形式:614KB]
平成29年12月以降、全国的に気温がしばしば低くなり、寒気の流入のピーク時には大雪となった所もあった。
2月1日 平成30年1月下旬の寒波について [PDF形式:893KB]
シベリア東部に蓄積した非常に強い寒気が日本付近に流れ込み、全国的に気温の低い状態が継続し、
特に東・西日本では気温がかなり低くなった。
平成29年(2017年)
8月17日 平成29年(2017年)8月前半の北・東日本太平洋側の不順な天候及び沖縄・奄美の高温について
2017年8月前半は、北日本太平洋側では日照不足かつ低温、東日本太平洋側では日照不足となった。
一方、沖縄・奄美では高温が持続した。
2022年12月14日 (水)
こんにちは。
糖尿病で恐れられている病態として<糖尿病ケトアシドーシス>があります。
極度のインスリン作用の欠乏と、コルチゾールやアドレナリンなどインスリン拮抗ホルモンの増加により、高血糖(300mg/dl以上)、血中ケトン体高値、アシドーシス(pH7.3未満)ををきたした状態です。
糖尿病ケトアシドーシスになれば重篤な病態であり
糖尿病専門胃のいる医療機関への移送が必要です。
このことが頭にあるので、日本の医師の多くがケトン体を危険なものと認識しています。
しかし<生理的ケトーシス>と<糖尿病ケトアシドーシス>まったく別物なのです。
すなわち生理的ケトーシスは安全な状態で糖尿病ケトアシドーシスは危険な病態ということです。
そしてケトン体そのものは、脳も含めて肝臓以外の臓器・組織においては、
もっとも好まれるエネルギー源なのです。
(赤血球だけはミトコンドリアがないので、エネルギー源としてブドウ糖しか使えません)
<生理的ケトーシスと糖尿病ケトアシドーシス>
生理的ケトーシスの例として、新生児や妊婦の絶食時や、
小児難治性てんかんz治療食であるケトン食があります。
また、絶食療法やスーパー糖質制限食中には生理的ケトーシスとなります。
絶食療法中の血中ケトン体のピークは2000~4000μM/L(26~122)くらいになります。
20年間スーパー糖質制限食中の江部康二の血中ケトン値は
400~800~1200くらいです。
小児の場合は成人よりケトン体は上昇しやすいのですが、
ケトン食を実践中は、2000~4000μM/L(26~122)くらいになります。
勿論両者ともインスリン作用は保たれていて生理的なものなので、
初期のアシドーシスは緩衝作用で補正されて、pHも速やかに正常となります。
今でこそ絶食(断食)というと大変なことというイメージですが、
農耕前の人類においては、ごく日常的なことでした。
すなわち、人類の進化の過程で農耕開始前の700万年間は、
常に飢餓との戦いでした。
食料を得たあと、狩猟・採集・漁労がうまくいかなければたちまち飢餓となります。
食事→飢餓→食事→飢餓・・・この繰り返しだったと考えられます。
そしてこの飢餓の時には、当然生理的ケトーシスとなっています。
つまり、農耕以前の人類においては、生理的ケトーシスは、
ごく日常的に存在したものだったと言えます。
病的ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠落した糖尿病、アルコール摂取、薬物摂取などで生じます。
なお<スーパー糖質制限食+SGLT2阻害薬>の併用の場合は、
脱水があると、糖尿病ケトアシドーシスのリスクが少しあがるので、水分補給をしっかり心がけましょう。
江部康二
糖尿病で恐れられている病態として<糖尿病ケトアシドーシス>があります。
極度のインスリン作用の欠乏と、コルチゾールやアドレナリンなどインスリン拮抗ホルモンの増加により、高血糖(300mg/dl以上)、血中ケトン体高値、アシドーシス(pH7.3未満)ををきたした状態です。
糖尿病ケトアシドーシスになれば重篤な病態であり
糖尿病専門胃のいる医療機関への移送が必要です。
このことが頭にあるので、日本の医師の多くがケトン体を危険なものと認識しています。
しかし<生理的ケトーシス>と<糖尿病ケトアシドーシス>まったく別物なのです。
すなわち生理的ケトーシスは安全な状態で糖尿病ケトアシドーシスは危険な病態ということです。
そしてケトン体そのものは、脳も含めて肝臓以外の臓器・組織においては、
もっとも好まれるエネルギー源なのです。
(赤血球だけはミトコンドリアがないので、エネルギー源としてブドウ糖しか使えません)
<生理的ケトーシスと糖尿病ケトアシドーシス>
生理的ケトーシスの例として、新生児や妊婦の絶食時や、
小児難治性てんかんz治療食であるケトン食があります。
また、絶食療法やスーパー糖質制限食中には生理的ケトーシスとなります。
絶食療法中の血中ケトン体のピークは2000~4000μM/L(26~122)くらいになります。
20年間スーパー糖質制限食中の江部康二の血中ケトン値は
400~800~1200くらいです。
小児の場合は成人よりケトン体は上昇しやすいのですが、
ケトン食を実践中は、2000~4000μM/L(26~122)くらいになります。
勿論両者ともインスリン作用は保たれていて生理的なものなので、
初期のアシドーシスは緩衝作用で補正されて、pHも速やかに正常となります。
今でこそ絶食(断食)というと大変なことというイメージですが、
農耕前の人類においては、ごく日常的なことでした。
すなわち、人類の進化の過程で農耕開始前の700万年間は、
常に飢餓との戦いでした。
食料を得たあと、狩猟・採集・漁労がうまくいかなければたちまち飢餓となります。
食事→飢餓→食事→飢餓・・・この繰り返しだったと考えられます。
そしてこの飢餓の時には、当然生理的ケトーシスとなっています。
つまり、農耕以前の人類においては、生理的ケトーシスは、
ごく日常的に存在したものだったと言えます。
病的ケトアシドーシスは、インスリン作用の欠落した糖尿病、アルコール摂取、薬物摂取などで生じます。
なお<スーパー糖質制限食+SGLT2阻害薬>の併用の場合は、
脱水があると、糖尿病ケトアシドーシスのリスクが少しあがるので、水分補給をしっかり心がけましょう。
江部康二
2022年12月12日 (月)
こんばんは。
忘年会、クリスマス、新年会と飲酒の機会が多くなるのが年末年始です。
2020年、2021年と、
新型コロナウイルス感染症のため、忘年会は皆無の状況でした。
2022年も忘年会シーズンを迎えましたが、NHKニュースによると、
全国の飲食店の予約件数がコロナ禍前のおよそ7割まで回復しているそうです。
飲食店の大手予約サイトを通じて11月23日時点で全国の登録店を対象に、
情報サービス大手のリクルートが行った集計でわかりました。
2022年12月の予約件数は、コロナ禍前の2019年の同じ月と比べて、
69%まで回復していました。
ブログ読者の皆さんも、本年度は忘年会復活のケースもあると思います。
今回は、糖尿人と飲酒、飲酒と肝臓・膵臓、飲酒とガンについて考えてみましょう。
アルコールそのものは、血糖値を全く上昇させませんし、体重増加作用もないので、
適量の飲酒は糖尿病には影響ないと思います。
しかしWHO(世界保健機関)の2007年の報告では、
飲酒は口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房の癌の原因となるとされています。
そして、特に2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱くて、
少量の飲酒で赤くなるタイプでは、アルコール代謝産物のアセトアルデヒドが食道癌の原因となるとしています。
日本の従来の糖尿病治療では、飲酒は原則禁止ですが、
一定の条件下で許可されることもあります。
糖尿病専門医研修ガイドブック・改定第7版(2017年)、194ページによれば、
その条件は、以下の5項目をクリアしていることです。
1)、良好な血糖コントロールが長期にわたって得られている
2)、糖尿病の合併症がないか、あっても軽度である
3)、脂質代謝異常がない
4)、肝・膵疾患がない
5)、自制心があり、定められた上限量を守れる
4)の肝臓や膵臓の疾患がないことが、条件となっているのは、
アルコールが、肝臓と膵臓に一定の負担をかけることが明らかだからです。
アルコール性肝障害は大変有名で、皆さんよくご存知と思います。
それから急性膵炎による入院の80%以上を、胆道疾患とアルコール多飲が占めています。
これはアルコール多飲であって、適量なら急性膵炎など起こしません。
また個人差があると思いますが、適量のアルコールなら肝障害にもなりません。
で、5)はなかなか耳が痛いですね。(=_=;)
私の場合、1)~4)は完璧にクリアなのですが、5)だけはハードルが高いです。 (*- -)(*_ _)
なお、アルコールには強い催奇形性があるので、妊婦は禁酒です。
それでは、アルコールの適量とはどのくらいなのでしょう?
欧米では、「適量」を守れば糖尿人でも、飲酒OKとしています。
例えば、米国糖尿病学会では、アルコール24g/日を食事と共にとるていどなら適量としています。
30mlの液体のアルコールが、重さとしては24gです。
アルコール24g(30ml)というのは、
おおよそ
糖質ゼロ発泡酒350ml缶を2本
辛口ワイン150ml×2杯
ウイスキー30ml(シングル)×3杯
25%の焼酎なら、120ml
です。
アルコールそのものは、1gが約7キロカロリーの燃焼エネルギーをもっていますが、摂取時の利用効率は約70%です。
エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。
またアルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、
血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、empty calory と言われています。
なお、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、
翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
しかしながら、血糖値を下げる目的で、大量の飲酒をするようなことは、
発がん、肝炎、膵炎のリスクとなるので、勿論NGですね。
また、空腹時に飲んだりすれば、糖新生が抑制される分、
インスリン注射やスルフォニル尿素剤を内服している人は、低血糖を起しやすくなるので、充分な注意が必要です。
江部康二
忘年会、クリスマス、新年会と飲酒の機会が多くなるのが年末年始です。
2020年、2021年と、
新型コロナウイルス感染症のため、忘年会は皆無の状況でした。
2022年も忘年会シーズンを迎えましたが、NHKニュースによると、
全国の飲食店の予約件数がコロナ禍前のおよそ7割まで回復しているそうです。
飲食店の大手予約サイトを通じて11月23日時点で全国の登録店を対象に、
情報サービス大手のリクルートが行った集計でわかりました。
2022年12月の予約件数は、コロナ禍前の2019年の同じ月と比べて、
69%まで回復していました。
ブログ読者の皆さんも、本年度は忘年会復活のケースもあると思います。
今回は、糖尿人と飲酒、飲酒と肝臓・膵臓、飲酒とガンについて考えてみましょう。
アルコールそのものは、血糖値を全く上昇させませんし、体重増加作用もないので、
適量の飲酒は糖尿病には影響ないと思います。
しかしWHO(世界保健機関)の2007年の報告では、
飲酒は口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房の癌の原因となるとされています。
そして、特に2型アルデヒド脱水素酵素の働きが弱くて、
少量の飲酒で赤くなるタイプでは、アルコール代謝産物のアセトアルデヒドが食道癌の原因となるとしています。
日本の従来の糖尿病治療では、飲酒は原則禁止ですが、
一定の条件下で許可されることもあります。
糖尿病専門医研修ガイドブック・改定第7版(2017年)、194ページによれば、
その条件は、以下の5項目をクリアしていることです。
1)、良好な血糖コントロールが長期にわたって得られている
2)、糖尿病の合併症がないか、あっても軽度である
3)、脂質代謝異常がない
4)、肝・膵疾患がない
5)、自制心があり、定められた上限量を守れる
4)の肝臓や膵臓の疾患がないことが、条件となっているのは、
アルコールが、肝臓と膵臓に一定の負担をかけることが明らかだからです。
アルコール性肝障害は大変有名で、皆さんよくご存知と思います。
それから急性膵炎による入院の80%以上を、胆道疾患とアルコール多飲が占めています。
これはアルコール多飲であって、適量なら急性膵炎など起こしません。
また個人差があると思いますが、適量のアルコールなら肝障害にもなりません。
で、5)はなかなか耳が痛いですね。(=_=;)
私の場合、1)~4)は完璧にクリアなのですが、5)だけはハードルが高いです。 (*- -)(*_ _)
なお、アルコールには強い催奇形性があるので、妊婦は禁酒です。
それでは、アルコールの適量とはどのくらいなのでしょう?
欧米では、「適量」を守れば糖尿人でも、飲酒OKとしています。
例えば、米国糖尿病学会では、アルコール24g/日を食事と共にとるていどなら適量としています。
30mlの液体のアルコールが、重さとしては24gです。
アルコール24g(30ml)というのは、
おおよそ
糖質ゼロ発泡酒350ml缶を2本
辛口ワイン150ml×2杯
ウイスキー30ml(シングル)×3杯
25%の焼酎なら、120ml
です。
アルコールそのものは、1gが約7キロカロリーの燃焼エネルギーをもっていますが、摂取時の利用効率は約70%です。
エネルギー源としては、<アルコール→糖質→脂質→タンパク質>の順で利用されます。
またアルコールは、糖質や脂質と違って摂取しても体重増加作用がありませんし、
血糖値も上昇させませんし、ビタミンやミネラルにも乏しいので、empty calory と言われています。
なお、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。
一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、
翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
しかしながら、血糖値を下げる目的で、大量の飲酒をするようなことは、
発がん、肝炎、膵炎のリスクとなるので、勿論NGですね。
また、空腹時に飲んだりすれば、糖新生が抑制される分、
インスリン注射やスルフォニル尿素剤を内服している人は、低血糖を起しやすくなるので、充分な注意が必要です。
江部康二
2022年12月11日 (日)
【22/12/10 みーみ
コメント失礼いたします。
いつも勉強させていただいております。
糖質コントロールに興味を持ち始めております。
会社の取り組みで、初めてリブレを利用することになりました。
健診での血糖値、HbA1cは生まれてこのかた正常値で、BMIは18.5です。
リブレ使用の昼食後に220~250で度々血糖スパイクが起こり、驚いております。
最大値の260時の昼食は、れんこん、牛肉の煮物+冬瓜とかぼちゃと炊いたもの+軽く1杯のご飯(100g弱)の手料理です。
たんぱく質も片手のひら程、糖質の多いれんこん、かぼちゃ、みりん(小1弱)は少々です。
間食はしませんが、毎日白ワイン2杯+ビール350~500㎖1本飲みます。
リブレを使用するのが辛くなり、理由が知りたいです。
血糖スパイクは起きやすい昼食でしょうか?
病院を受診した方が良いのでしょうか?】
こんばんは。
みーみさんから、FreeStyleリブレの検査結果について
コメント・質問を頂きました。
FreeStyleリブレは、一般の人が購入することができて
血糖値も逐一みることができるので便利です。
メーカーによると以下の3つのメリットがあります。
メリットその1
食後高血糖(血糖値スパイク)の有無が確認できる
動脈硬化の進行を早めるといわれる「食後高血糖」の有無が確認できます。
血糖トレンドを確認して食後高血糖を起こしていると判明したら、
食事の内容や量による血糖値への影響に注意することができます。
メリットその2
夜間低血糖や暁現象の有無が確認できる
深夜帯から朝方にかけて、血糖値を上昇させるホルモンの影響に比べて、
投与したインスリン量が不足しているときに、
血糖値が自然に上昇していく現象を暁現象といいます。
夜間の血糖トレンドを把握することができれば、
血糖コントロールを乱す夜間低血糖や暁現象の有無に気付くことができます。
メリットその3
HbA1cの値だけではわからない「血糖コントロールの質」を把握できる
HbA1cが同じでも血糖変動の幅がより小さい場合を「質の良い血糖コントロール」といい、この方が合併症を起こしにくいとされています。
HbA1cだけでなく血糖トレンドをみることができれば、
「血糖コントロールの質」を確認できます。
欠点は、病院で使用するFreeStyleリブレProに比べると
やや誤差が大きいことです。
30mg~60mg/dlくらいの誤差があり得ます。
【健診での血糖値、HbA1cは生まれてこのかた正常値で、BMIは18.5です。
リブレ使用の昼食後に220~250で度々血糖スパイクが起こり、
驚いております。】
誤差がありますので実際には160~190mg/dlくらいの
食後高血糖であった可能性があります。
食後1時間値でしょうか?
食後2時間値でしょうか?
食後2時間値であれば、現時点で境界型の可能性があります。
食後1時間値であっても、180mg/dlを超えていると
将来糖尿病になりやすいので要注意です。
HbA1cは、過去1~2ヶ月間の平均血糖値を表す指標です。
食後血糖値が200mg/dlで、夜間空腹時血糖値が50mg/dlとかだと
アバウトですが平均血糖値は125mg/dlくらいと推測できます。
HbA1cは6.0%くらいです。
糖質を摂取している人の
このような血糖値の乱高下があるHbA1cを質の悪いHbA1cと言います。
一見、正常なHbA1cでも、
これでは<食後高血糖><血糖変動幅増大>という<酸化ストレスリスク>を防げないので
糖尿病合併症の予防も困難です。
従って、<空腹時血糖値とHbA1c> を検査する一般的な健康診断では、
質の悪いHbA1cを見過ごすことがありえるので問題なのです。
スーパー糖質制限食実践者なら<食後高血糖><血糖変動幅増大>のない
質の良いHbA1cを達成できるのです。
みーみ さんは、とてもラッキーだったと思います。
今まではHbA1cは正常でも、潜在する食後高血糖を見過ごすしていた可能性があったのに、
FreeStyleリブレ検査で、それに気がつくことができたからです。
軽く1杯のご飯(100g弱)で35gくらいの糖質含有量であり、
これにれんこんとかぼちゃの糖質を加えれば、
40gくらいの糖質量でしょうか?
結果としてそこそこの糖質量になっています。
【毎日白ワイン2杯+ビール350~500㎖1本飲みます。】
冷静に考えると、みーみさんは、「食後高血糖タイプの境界型糖尿病」
の可能性があります。
可能ならスーパー糖質制限食を実践されれば、
食後高血糖はリアルタイムに改善しますし、
将来の糖尿病発症も予防できます。
白ワインは辛口のものにし、ビールは糖質ゼロビールとしましょう。
【病院を受診した方が良いのでしょうか?】
血糖自己測定器を購入して、まずは、一回、
今まで通りの普通の糖質ありの食事をして
空腹時血糖値、食後1時間血糖値、食後2時間血糖値を測定してみましょう。
もし食後高血糖があれば、しっかりスーパー糖質制限食を実践しましょう。
それで、年一回か二回の健康診断をしておけば、
定期的に病院を受診する必要はないと思います。
江部康二
コメント失礼いたします。
いつも勉強させていただいております。
糖質コントロールに興味を持ち始めております。
会社の取り組みで、初めてリブレを利用することになりました。
健診での血糖値、HbA1cは生まれてこのかた正常値で、BMIは18.5です。
リブレ使用の昼食後に220~250で度々血糖スパイクが起こり、驚いております。
最大値の260時の昼食は、れんこん、牛肉の煮物+冬瓜とかぼちゃと炊いたもの+軽く1杯のご飯(100g弱)の手料理です。
たんぱく質も片手のひら程、糖質の多いれんこん、かぼちゃ、みりん(小1弱)は少々です。
間食はしませんが、毎日白ワイン2杯+ビール350~500㎖1本飲みます。
リブレを使用するのが辛くなり、理由が知りたいです。
血糖スパイクは起きやすい昼食でしょうか?
病院を受診した方が良いのでしょうか?】
こんばんは。
みーみさんから、FreeStyleリブレの検査結果について
コメント・質問を頂きました。
FreeStyleリブレは、一般の人が購入することができて
血糖値も逐一みることができるので便利です。
メーカーによると以下の3つのメリットがあります。
メリットその1
食後高血糖(血糖値スパイク)の有無が確認できる
動脈硬化の進行を早めるといわれる「食後高血糖」の有無が確認できます。
血糖トレンドを確認して食後高血糖を起こしていると判明したら、
食事の内容や量による血糖値への影響に注意することができます。
メリットその2
夜間低血糖や暁現象の有無が確認できる
深夜帯から朝方にかけて、血糖値を上昇させるホルモンの影響に比べて、
投与したインスリン量が不足しているときに、
血糖値が自然に上昇していく現象を暁現象といいます。
夜間の血糖トレンドを把握することができれば、
血糖コントロールを乱す夜間低血糖や暁現象の有無に気付くことができます。
メリットその3
HbA1cの値だけではわからない「血糖コントロールの質」を把握できる
HbA1cが同じでも血糖変動の幅がより小さい場合を「質の良い血糖コントロール」といい、この方が合併症を起こしにくいとされています。
HbA1cだけでなく血糖トレンドをみることができれば、
「血糖コントロールの質」を確認できます。
欠点は、病院で使用するFreeStyleリブレProに比べると
やや誤差が大きいことです。
30mg~60mg/dlくらいの誤差があり得ます。
【健診での血糖値、HbA1cは生まれてこのかた正常値で、BMIは18.5です。
リブレ使用の昼食後に220~250で度々血糖スパイクが起こり、
驚いております。】
誤差がありますので実際には160~190mg/dlくらいの
食後高血糖であった可能性があります。
食後1時間値でしょうか?
食後2時間値でしょうか?
食後2時間値であれば、現時点で境界型の可能性があります。
食後1時間値であっても、180mg/dlを超えていると
将来糖尿病になりやすいので要注意です。
HbA1cは、過去1~2ヶ月間の平均血糖値を表す指標です。
食後血糖値が200mg/dlで、夜間空腹時血糖値が50mg/dlとかだと
アバウトですが平均血糖値は125mg/dlくらいと推測できます。
HbA1cは6.0%くらいです。
糖質を摂取している人の
このような血糖値の乱高下があるHbA1cを質の悪いHbA1cと言います。
一見、正常なHbA1cでも、
これでは<食後高血糖><血糖変動幅増大>という<酸化ストレスリスク>を防げないので
糖尿病合併症の予防も困難です。
従って、<空腹時血糖値とHbA1c> を検査する一般的な健康診断では、
質の悪いHbA1cを見過ごすことがありえるので問題なのです。
スーパー糖質制限食実践者なら<食後高血糖><血糖変動幅増大>のない
質の良いHbA1cを達成できるのです。
みーみ さんは、とてもラッキーだったと思います。
今まではHbA1cは正常でも、潜在する食後高血糖を見過ごすしていた可能性があったのに、
FreeStyleリブレ検査で、それに気がつくことができたからです。
軽く1杯のご飯(100g弱)で35gくらいの糖質含有量であり、
これにれんこんとかぼちゃの糖質を加えれば、
40gくらいの糖質量でしょうか?
結果としてそこそこの糖質量になっています。
【毎日白ワイン2杯+ビール350~500㎖1本飲みます。】
冷静に考えると、みーみさんは、「食後高血糖タイプの境界型糖尿病」
の可能性があります。
可能ならスーパー糖質制限食を実践されれば、
食後高血糖はリアルタイムに改善しますし、
将来の糖尿病発症も予防できます。
白ワインは辛口のものにし、ビールは糖質ゼロビールとしましょう。
【病院を受診した方が良いのでしょうか?】
血糖自己測定器を購入して、まずは、一回、
今まで通りの普通の糖質ありの食事をして
空腹時血糖値、食後1時間血糖値、食後2時間血糖値を測定してみましょう。
もし食後高血糖があれば、しっかりスーパー糖質制限食を実践しましょう。
それで、年一回か二回の健康診断をしておけば、
定期的に病院を受診する必要はないと思います。
江部康二
2022年12月10日 (土)
こんばんは。
2019年の日本人の死因の順位は2018年と同様、
第1位「悪性新生物(腫瘍)」、
第2位「心疾患(高血圧性を除く)」、
第3位「老衰」、
第4位「脳血管疾患」、
第5位「肺炎」
でした。
死因の1位はがんです。
がんが死因に占める割合は、年齢とともに高くなっていきますが、
男性では65~69歳がピークで、この年代では、
がん死亡は死因全体の半分弱を占めます。
女性では55~59歳がピークで、死亡の6割近くが、がんによるものです。
国立がん研究センターがん予防・健診研究センター・予防研究グループの多目的コホート研究(JPHC研究)から、
興味深い報告がなされ、論文化されました。
これまでのコホート研究により糖尿病患者では大腸がん、膵がん、肝がん、子宮内膜がんなどのがん罹患リスクが1.5~4倍高く、全がんも約1.2倍高いと報告されています。
今回の報告では、非糖尿病域の高HbA1c値でも全がんリスクが高いことが判明しました。
こうなると軽度の高血糖でもがんリスクが高まるので、注意が必要ですが、
スーパー糖質制限食なら、糖尿病は勿論のこと、非糖尿病領域の軽度の高血糖もたちどころに改善させますので、
全がんリスクは確実に低下すると考えられます。
HbA1c:5.0%未満 推定平均血糖値:96.8mg/dl未満
HbA1c:5.0~5.4% 推定平均血糖値:96.8~108.28mg/dl
HbA1c:5.5~5.9% 推定平均血糖値:111.15~122.63mg/dl
HbA1c:6.0~6.4% 推定平均血糖値:125.5~136.98mg/dl
HbA1c:6.5%以上 推定平均血糖値:139.85mg/dl以上
HbA1c 5.0~5.4%を基準とすると、5%未満、5.5~5.9%、6.0~6.4%、6.5%以上、および既知の糖尿病の5群のがんリスクは、
それぞれ1.27 (1.06-1.52) 、1.01 (0.90-1.14)、1.28 (1.09-1.49)、1.43 (1.14-1.80)、1.23 (1.02-1.47)であり、
非糖尿病域および糖尿病域の高HbA1c値の群で全がんリスクが上昇していました。
HbA1c は1-2か月間の血糖値を反映する血液検査値であり、本研究結果は、
慢性的な高血糖が全がんリスクと関連することを示唆しています。
高血糖はミトコンドリア代謝などを介して酸化ストレスを亢進させることでDNAを損傷し、
発がんにつながる可能性が想定されています。
また、がん細胞の増殖には、大量の糖を必要とするため、
慢性的な高血糖状態はがん細胞の増殖を助長する可能性も考えられます。
5%未満でも、がんのリスクが上昇していますが、
肝硬変などがあると見かけ上HbA1cが低下することが多いことが関係している可能性があります。
低HbA1c値群には、臨床的には診断されていない肝がんや膵がんを有する人が含まれていて、
追跡期間中にがんと診断された可能性があります。
肝がんを除外すると、HbA1c値は直線的に全がんリスク上昇と関連していました。
糖尿病は勿論のことですが、正常範囲内の軽度の高血糖でも油断は禁物ということで、
ますます、「スーパー糖質制限食」の役割はとても大きくなりました。
江部康二
☆☆☆
以下、国立がん研究センターのサイトから一部抜粋です。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3753.html
ヘモグロビンA1c(HbA1c)とがん罹患との関連について
-多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告-
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・虚血性心疾患・糖尿病などとの関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防や健康寿命の延伸に役立てるための研究を行っています。平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2015年現在)管内にお住まいで、1998~2000年度および2003~2005年度に実施された糖尿病調査にご協力いただいた方々のうち、ヘモグロビンA1c(HbA1c)のデータがあり、初回の調査時までにがんに罹患していなかった29,629人(男性11,336人、女性18,293人)を対象としてHbA1cとがん罹患リスクとの関係を調べました。その結果を専門誌で論文発表しましたので紹介します(International Journal of Cancer 2015年11月WEB先行公開)。
これまでのコホート研究により糖尿病患者では大腸がん、膵がん、肝がん、子宮内膜がんなどのがん罹患リスクが1.5~4倍高く、全がんも約1.2倍高いと報告されています。糖尿病は慢性的な高血糖を特徴とする病気で、HbA1c は1-2か月間の血糖値を反映する血液検査値として知られています。そのため、HbA1c(6.5%以上)は、糖尿病の診断基準の一つとしても採用されています。
糖尿病ががんのリスク因子だとすると、HbA1cはがんリスクと関連することが予想されますが、HbA1c値とがんリスクとの関連は十分に明らかにされていません。そこで、本研究では、この関係を、「多目的コホート」の糖尿病調査のデータを用いて調べることを目的としました。
非糖尿病域の高HbA1c値でも全がんリスクが高い
糖尿病調査で測定したHbA1cの値を用いて、5.0%未満、5.0~5.4%、5.5~5.9%、6.0~6.4%、6.5%以上、および既知の糖尿病の6つの群に分けて、その後の全がんリスク、臓器別リスクを分析しました。なお、2回の糖尿病調査に参加していた場合(研究対象者の35%)、2つのHbA1cの平均値を用いました。本研究の追跡期間中に、1955件のがんが発生していました。
年齢,性別、居住地域,BMI,喫煙歴,飲酒歴,身体活動、野菜摂取、総エネルギー摂取、コーヒー摂取、および心血管疾患の既往を統計学的に調整したうえで、がんリスク(95%信頼区間)を計算しました。HbA1c 5.0~5.4%を基準とすると、5%未満、5.5~5.9%、6.0~6.4%、6.5%以上、および既知の糖尿病の5群のがんリスクは、それぞれ1.27 (1.06-1.52) 、1.01 (0.90-1.14)、1.28 (1.09-1.49)、1.43 (1.14-1.80)、1.23 (1.02-1.47)であり、非糖尿病域および糖尿病域の高HbA1c値の群で全がんリスクが上昇していました(図1)。また、低HbA1c値の群でも全がんリスクの上昇がみられました。
がん種別に分析したところ、非糖尿病域および糖尿病域の高HbA1c値の群で大腸がん(特に結腸がん)リスクが上昇しており、肝がんや膵がんでは、低HbA1c値群(5%未満)でもリスク上昇がみられました(図2)。また、肝がんを除外すると、HbA1c値は直線的に全がんリスク上昇と関連していました(図3)。
高HbA1c値群におけるがんリスクのメカニズム
HbA1c は1-2か月間の血糖値を反映する血液検査値であり、本研究結果は、慢性的な高血糖が全がんリスクと関連することを裏付けるものと考えられます。高血糖はミトコンドリア代謝などを介して酸化ストレスを亢進させることでDNAを損傷し、発がんにつながる可能性が想定されています。また,がん細胞の増殖には、大量の糖を必要とするため,慢性的な高血糖状態はがん細胞の増殖を助長する可能性も考えられます。
一部のがん種(肝がんや膵がん)のリスクが低HbA1c値群で上昇していた理由
肝硬変などでは、実際の血糖値に比べてHbA1cが低値を示すことが多く、肝硬変は肝がんになりやすい状態です。その結果として、低HbA1群で、肝がんリスクが上昇していた可能性が考えられます。また、低HbA1c値は不健康の指標とも考えられています。低HbA1c値群には、臨床的には診断されていない肝がんや膵がんを有する方が含まれていて、追跡期間中にがんと診断されたのかもしれません。そのほか、解析結果のぶれ(誤差)をあらわす95%信頼区間の幅が大きいことから、偶然リスク上昇がみられた可能性も考えられます。
この研究について
本研究では、非糖尿病域の高HbA1c値も全がんリスクと関連していることを報告した最初の論文です。多目的コホート研究を含む多くの疫学研究から糖尿病と全がんリスクとの関連が報告されており、がん予防のためにも糖尿病を予防することが重要であると考えられています。非糖尿病域の高HbA1c値群における全がんリスク上昇を示した本研究により、糖尿病予防対策の重要性が一層示唆されました。
2019年の日本人の死因の順位は2018年と同様、
第1位「悪性新生物(腫瘍)」、
第2位「心疾患(高血圧性を除く)」、
第3位「老衰」、
第4位「脳血管疾患」、
第5位「肺炎」
でした。
死因の1位はがんです。
がんが死因に占める割合は、年齢とともに高くなっていきますが、
男性では65~69歳がピークで、この年代では、
がん死亡は死因全体の半分弱を占めます。
女性では55~59歳がピークで、死亡の6割近くが、がんによるものです。
国立がん研究センターがん予防・健診研究センター・予防研究グループの多目的コホート研究(JPHC研究)から、
興味深い報告がなされ、論文化されました。
これまでのコホート研究により糖尿病患者では大腸がん、膵がん、肝がん、子宮内膜がんなどのがん罹患リスクが1.5~4倍高く、全がんも約1.2倍高いと報告されています。
今回の報告では、非糖尿病域の高HbA1c値でも全がんリスクが高いことが判明しました。
こうなると軽度の高血糖でもがんリスクが高まるので、注意が必要ですが、
スーパー糖質制限食なら、糖尿病は勿論のこと、非糖尿病領域の軽度の高血糖もたちどころに改善させますので、
全がんリスクは確実に低下すると考えられます。
HbA1c:5.0%未満 推定平均血糖値:96.8mg/dl未満
HbA1c:5.0~5.4% 推定平均血糖値:96.8~108.28mg/dl
HbA1c:5.5~5.9% 推定平均血糖値:111.15~122.63mg/dl
HbA1c:6.0~6.4% 推定平均血糖値:125.5~136.98mg/dl
HbA1c:6.5%以上 推定平均血糖値:139.85mg/dl以上
HbA1c 5.0~5.4%を基準とすると、5%未満、5.5~5.9%、6.0~6.4%、6.5%以上、および既知の糖尿病の5群のがんリスクは、
それぞれ1.27 (1.06-1.52) 、1.01 (0.90-1.14)、1.28 (1.09-1.49)、1.43 (1.14-1.80)、1.23 (1.02-1.47)であり、
非糖尿病域および糖尿病域の高HbA1c値の群で全がんリスクが上昇していました。
HbA1c は1-2か月間の血糖値を反映する血液検査値であり、本研究結果は、
慢性的な高血糖が全がんリスクと関連することを示唆しています。
高血糖はミトコンドリア代謝などを介して酸化ストレスを亢進させることでDNAを損傷し、
発がんにつながる可能性が想定されています。
また、がん細胞の増殖には、大量の糖を必要とするため、
慢性的な高血糖状態はがん細胞の増殖を助長する可能性も考えられます。
5%未満でも、がんのリスクが上昇していますが、
肝硬変などがあると見かけ上HbA1cが低下することが多いことが関係している可能性があります。
低HbA1c値群には、臨床的には診断されていない肝がんや膵がんを有する人が含まれていて、
追跡期間中にがんと診断された可能性があります。
肝がんを除外すると、HbA1c値は直線的に全がんリスク上昇と関連していました。
糖尿病は勿論のことですが、正常範囲内の軽度の高血糖でも油断は禁物ということで、
ますます、「スーパー糖質制限食」の役割はとても大きくなりました。
江部康二
☆☆☆
以下、国立がん研究センターのサイトから一部抜粋です。
http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3753.html
ヘモグロビンA1c(HbA1c)とがん罹患との関連について
-多目的コホート研究(JPHC研究)からの成果報告-
私たちは、いろいろな生活習慣と、がん・脳卒中・虚血性心疾患・糖尿病などとの関係を明らかにし、日本人の生活習慣病予防や健康寿命の延伸に役立てるための研究を行っています。平成2年(1990年)と平成5年(1993年)に、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古の9保健所(呼称は2015年現在)管内にお住まいで、1998~2000年度および2003~2005年度に実施された糖尿病調査にご協力いただいた方々のうち、ヘモグロビンA1c(HbA1c)のデータがあり、初回の調査時までにがんに罹患していなかった29,629人(男性11,336人、女性18,293人)を対象としてHbA1cとがん罹患リスクとの関係を調べました。その結果を専門誌で論文発表しましたので紹介します(International Journal of Cancer 2015年11月WEB先行公開)。
これまでのコホート研究により糖尿病患者では大腸がん、膵がん、肝がん、子宮内膜がんなどのがん罹患リスクが1.5~4倍高く、全がんも約1.2倍高いと報告されています。糖尿病は慢性的な高血糖を特徴とする病気で、HbA1c は1-2か月間の血糖値を反映する血液検査値として知られています。そのため、HbA1c(6.5%以上)は、糖尿病の診断基準の一つとしても採用されています。
糖尿病ががんのリスク因子だとすると、HbA1cはがんリスクと関連することが予想されますが、HbA1c値とがんリスクとの関連は十分に明らかにされていません。そこで、本研究では、この関係を、「多目的コホート」の糖尿病調査のデータを用いて調べることを目的としました。
非糖尿病域の高HbA1c値でも全がんリスクが高い
糖尿病調査で測定したHbA1cの値を用いて、5.0%未満、5.0~5.4%、5.5~5.9%、6.0~6.4%、6.5%以上、および既知の糖尿病の6つの群に分けて、その後の全がんリスク、臓器別リスクを分析しました。なお、2回の糖尿病調査に参加していた場合(研究対象者の35%)、2つのHbA1cの平均値を用いました。本研究の追跡期間中に、1955件のがんが発生していました。
年齢,性別、居住地域,BMI,喫煙歴,飲酒歴,身体活動、野菜摂取、総エネルギー摂取、コーヒー摂取、および心血管疾患の既往を統計学的に調整したうえで、がんリスク(95%信頼区間)を計算しました。HbA1c 5.0~5.4%を基準とすると、5%未満、5.5~5.9%、6.0~6.4%、6.5%以上、および既知の糖尿病の5群のがんリスクは、それぞれ1.27 (1.06-1.52) 、1.01 (0.90-1.14)、1.28 (1.09-1.49)、1.43 (1.14-1.80)、1.23 (1.02-1.47)であり、非糖尿病域および糖尿病域の高HbA1c値の群で全がんリスクが上昇していました(図1)。また、低HbA1c値の群でも全がんリスクの上昇がみられました。
がん種別に分析したところ、非糖尿病域および糖尿病域の高HbA1c値の群で大腸がん(特に結腸がん)リスクが上昇しており、肝がんや膵がんでは、低HbA1c値群(5%未満)でもリスク上昇がみられました(図2)。また、肝がんを除外すると、HbA1c値は直線的に全がんリスク上昇と関連していました(図3)。
高HbA1c値群におけるがんリスクのメカニズム
HbA1c は1-2か月間の血糖値を反映する血液検査値であり、本研究結果は、慢性的な高血糖が全がんリスクと関連することを裏付けるものと考えられます。高血糖はミトコンドリア代謝などを介して酸化ストレスを亢進させることでDNAを損傷し、発がんにつながる可能性が想定されています。また,がん細胞の増殖には、大量の糖を必要とするため,慢性的な高血糖状態はがん細胞の増殖を助長する可能性も考えられます。
一部のがん種(肝がんや膵がん)のリスクが低HbA1c値群で上昇していた理由
肝硬変などでは、実際の血糖値に比べてHbA1cが低値を示すことが多く、肝硬変は肝がんになりやすい状態です。その結果として、低HbA1群で、肝がんリスクが上昇していた可能性が考えられます。また、低HbA1c値は不健康の指標とも考えられています。低HbA1c値群には、臨床的には診断されていない肝がんや膵がんを有する方が含まれていて、追跡期間中にがんと診断されたのかもしれません。そのほか、解析結果のぶれ(誤差)をあらわす95%信頼区間の幅が大きいことから、偶然リスク上昇がみられた可能性も考えられます。
この研究について
本研究では、非糖尿病域の高HbA1c値も全がんリスクと関連していることを報告した最初の論文です。多目的コホート研究を含む多くの疫学研究から糖尿病と全がんリスクとの関連が報告されており、がん予防のためにも糖尿病を予防することが重要であると考えられています。非糖尿病域の高HbA1c値群における全がんリスク上昇を示した本研究により、糖尿病予防対策の重要性が一層示唆されました。
2022年12月09日 (金)
こんばんは。
子供の食事と糖質制限食について、時々質問があります。
つまり『成長期の子供に対して糖質制限食実践は大丈夫?』といった
質問です。
結論としては、
小児も成人も妊婦も糖質制限食を実践して全く問題はありません。
なにせ、人類本来の食事であり、人類の健康食ですので・・・ (^^)
穀物摂取を開始する以前の人類は、700万年間、
糖質制限食を実践しながら日々の暮らしを営み、
妊娠、出産、育児もしてきたという歴史的事実があります。、
ただ学校給食とかもありますので、現実には糖質制限食実践は、
社会的なことを考慮すると、小学校などでは結構大変だと思います。
それで「テーラーメードダイエット」を提唱しています。
朝食と夕食は糖質制限食を家で食べれば良いと思いますが、
学校給食を拒否するのは、社会的には、かなり大変なことですので、
昼食は給食でやむを得ないと思います。
朝食:糖質制限食
昼食:学校給食
夕食:糖質制限食
といったパターンが落としどころと思います。
小学校の先生が患者さんにおられて、聞いてみたのですが、
昼からの一時限目と二時限眼は、居眠りする児童がとても多くて
授業するのに大変苦労するそうです。
まあ、糖質摂取後の血糖値の上昇とその後の急下降で、
眠たくなるのは必然と言えるのです。
血糖値が60分で、60mg/dl以上上昇すると、眠くなります。
その後の60分で、60mg/dl以上下降すると、眠たくなります。
これは児童達のせいではなく、生理学的必然なのです。
<テーラーメードダイエット>
子供も大人も健康を目指すだけなら、
「人類皆糖質制限食」もありだと思うのですが、
地球人口80億人(2022年11月現在)を養うためには穀物は必須です。
このことを踏まえて食べ分けが必要と思います。
例えば、小児、青少年、アトピーや喘息の若い人、成人でも糖尿病やメタボリック・シンドロームなどがない人なら、
主食を未精製の穀物(例えば玄米)にして「高雄病院食生活十箇条」の実践でよいと思います。
運動選手など日常的に運動をしている青少年は、あるていどの量の未精製穀物を摂取しても、
筋肉がどんどん血糖を利用するのでブドウ糖ミニスパイクも生じにくく大丈夫です。
一方、読書タイプで運動をあんまりしない青少年は、未精製の穀物でも少量に控えておく方が無難です。
すでに糖尿病を患っている人や、メタボリック・シンドロ-ムの人は、糖質制限食がベストの選択です
江部康二
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
1)カロリー制限食ではないので、脂質やタンパク質は充分量食べる。
2)糖質は極力食べない。
3)果汁・清涼飲料水は飲まない!
4)糖質含有量の少ない野菜・海藻・きのこはOK!
5)油脂はオリーブオイルやエゴマ油を使用。
6)お酒は焼酎、ウィスキーなどの蒸留酒を飲む。
糖質ゼロビール・発泡酒や辛口ワインはOK。
7)間食・おつまみはチーズ類やナッツ類などを適量ならOK!
8)甘みはラカントSや、パルスイート(カロリーゼロ)を使用。
9)果物は極力、食べない。
現代の果物は、甘すぎるし、大きすぎて、危険。
10)できるかぎり、化学合成添加物含まれていない安全な食品を選ぶ 。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。
効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。
嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは
米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。
☆☆☆
アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の患者さんに、そして糖尿病や高脂血症などの生活習慣病予防に、
「食生活十箇条」を提案します。
『高雄病院食生活十箇条』
一、主食は未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物は少量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は少量にとどめ、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで
子供の食事と糖質制限食について、時々質問があります。
つまり『成長期の子供に対して糖質制限食実践は大丈夫?』といった
質問です。
結論としては、
小児も成人も妊婦も糖質制限食を実践して全く問題はありません。
なにせ、人類本来の食事であり、人類の健康食ですので・・・ (^^)
穀物摂取を開始する以前の人類は、700万年間、
糖質制限食を実践しながら日々の暮らしを営み、
妊娠、出産、育児もしてきたという歴史的事実があります。、
ただ学校給食とかもありますので、現実には糖質制限食実践は、
社会的なことを考慮すると、小学校などでは結構大変だと思います。
それで「テーラーメードダイエット」を提唱しています。
朝食と夕食は糖質制限食を家で食べれば良いと思いますが、
学校給食を拒否するのは、社会的には、かなり大変なことですので、
昼食は給食でやむを得ないと思います。
朝食:糖質制限食
昼食:学校給食
夕食:糖質制限食
といったパターンが落としどころと思います。
小学校の先生が患者さんにおられて、聞いてみたのですが、
昼からの一時限目と二時限眼は、居眠りする児童がとても多くて
授業するのに大変苦労するそうです。
まあ、糖質摂取後の血糖値の上昇とその後の急下降で、
眠たくなるのは必然と言えるのです。
血糖値が60分で、60mg/dl以上上昇すると、眠くなります。
その後の60分で、60mg/dl以上下降すると、眠たくなります。
これは児童達のせいではなく、生理学的必然なのです。
<テーラーメードダイエット>
子供も大人も健康を目指すだけなら、
「人類皆糖質制限食」もありだと思うのですが、
地球人口80億人(2022年11月現在)を養うためには穀物は必須です。
このことを踏まえて食べ分けが必要と思います。
例えば、小児、青少年、アトピーや喘息の若い人、成人でも糖尿病やメタボリック・シンドロームなどがない人なら、
主食を未精製の穀物(例えば玄米)にして「高雄病院食生活十箇条」の実践でよいと思います。
運動選手など日常的に運動をしている青少年は、あるていどの量の未精製穀物を摂取しても、
筋肉がどんどん血糖を利用するのでブドウ糖ミニスパイクも生じにくく大丈夫です。
一方、読書タイプで運動をあんまりしない青少年は、未精製の穀物でも少量に控えておく方が無難です。
すでに糖尿病を患っている人や、メタボリック・シンドロ-ムの人は、糖質制限食がベストの選択です
江部康二
☆☆☆
『糖質制限食十箇条』 -糖尿病や肥満が気になる人に-
1)カロリー制限食ではないので、脂質やタンパク質は充分量食べる。
2)糖質は極力食べない。
3)果汁・清涼飲料水は飲まない!
4)糖質含有量の少ない野菜・海藻・きのこはOK!
5)油脂はオリーブオイルやエゴマ油を使用。
6)お酒は焼酎、ウィスキーなどの蒸留酒を飲む。
糖質ゼロビール・発泡酒や辛口ワインはOK。
7)間食・おつまみはチーズ類やナッツ類などを適量ならOK!
8)甘みはラカントSや、パルスイート(カロリーゼロ)を使用。
9)果物は極力、食べない。
現代の果物は、甘すぎるし、大きすぎて、危険。
10)できるかぎり、化学合成添加物含まれていない安全な食品を選ぶ 。
『糖質制限食』の3パターン
一、スーパー糖質制限食は三食とも主食なし。
効果は抜群で早く、一番のお薦め。
二、スタンダード糖質制限食は朝と夕は主食抜き。
三、プチ糖質制限食は夕だけ主食抜き。
嗜好的にどうしてもデンプンが大好きな人に。
*抜く必要がある主食とは
米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類などの炭水化物。
☆☆☆
アトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の患者さんに、そして糖尿病や高脂血症などの生活習慣病予防に、
「食生活十箇条」を提案します。
『高雄病院食生活十箇条』
一、主食は未精製の穀物が好ましい(玄米、全粒粉のパンなど)
二、白パン・白砂糖など精製炭水化物の摂取は極力減らす
三、発酵食品(味噌、漬け物、納豆など)をきちんと食べる
四、液体でカロリーを摂らない(飲みものは水、番茶、麦茶、ほうじ茶など)
五、魚貝類はしっかり食べ、肉類は適量を摂る
六、季節の野菜や海草はしっかり食べ、旬の果物は少量摂る
七、オリーブオイルや魚油(EPA、DHA)など身体に良い油脂は積極的に摂る
八、牛乳は少量にとどめ、チーズやプレーンヨーグルトは適量摂る
九、できる限り化学合成添加物の入っていない安全な食品を選ぶ
十、食事は楽しく、ゆっくり、よくかんで
2022年12月08日 (木)
こんばんは。
https://nordot.app/968620645502664704
1日で水3~4リットル体外に 汗や尿で成人、
国際調査 共同通信 2022/11/25
今まで意外に、わかっていなかったことですが、
人が1日で汗や尿として体外に失う水の量は
成人男性の平均で4リットル余り、
女性で3リットル余りだそうです。
共同通信に上記記事が掲載されました。
米科学誌サイエンスに国際チームが発表ですから信頼度は高いです。
体に含まれる水分の10%ていどに相当するそうです。
思ったより失われる水分は多いようですね。
20代男性は飲料水を1日1.8リットル、
20代女性は1.4リットル飲む必要があるそうです。
そうすると高齢者はもっと飲む必要がありそうです。
高齢者ほど筋肉量が少なくなっていくので
水分の備蓄も少なくなっていきます。
筋肉が一番水分を蓄えてくれているのです。
一般的に高齢者の身体の水分量は、若い頃に比べると約10%減り、
約50%だといわれています。
若い人は約60%が水分です。
身体の中の水分量が少なくなるため、
若い頃より脱水症になりやすいといえます。
さらに、加齢とともに喉の渇きを感じるセンサーが鈍くなるため、
実際には水分が必要な状態であっても喉の渇きが感じにくくなります。
とにかく高齢者は脱水注意です。
私も72歳ですので、水分補給には留意するようにします。
以下は、共同通信記事の要約です。
https://nordot.app/968620645502664704
1日で水3~4リットル体外に 汗や尿で成人
国際調査 共同通信 2022/11/25
【人が1日で汗や尿として体外に失う水の量は
成人男性の平均で4リットル余り、
女性で3リットル余りに上るとの調査結果を、
医薬基盤・健康・栄養研究所などの国際チームが
米科学誌サイエンスに25日発表。
体に含まれる水分の10%程度に相当し、
20代男性は飲料水を1日1.8リットル、
20代女性は1.4リットル飲む必要がある。
調査は23カ国の生後8日から96歳までの計約5600人が対象。
チームは
「熱中症や脱水症状の予防に必要な水分摂取量の目安になる」
としている。
© 一般社団法人共同通信社】
江部康二
https://nordot.app/968620645502664704
1日で水3~4リットル体外に 汗や尿で成人、
国際調査 共同通信 2022/11/25
今まで意外に、わかっていなかったことですが、
人が1日で汗や尿として体外に失う水の量は
成人男性の平均で4リットル余り、
女性で3リットル余りだそうです。
共同通信に上記記事が掲載されました。
米科学誌サイエンスに国際チームが発表ですから信頼度は高いです。
体に含まれる水分の10%ていどに相当するそうです。
思ったより失われる水分は多いようですね。
20代男性は飲料水を1日1.8リットル、
20代女性は1.4リットル飲む必要があるそうです。
そうすると高齢者はもっと飲む必要がありそうです。
高齢者ほど筋肉量が少なくなっていくので
水分の備蓄も少なくなっていきます。
筋肉が一番水分を蓄えてくれているのです。
一般的に高齢者の身体の水分量は、若い頃に比べると約10%減り、
約50%だといわれています。
若い人は約60%が水分です。
身体の中の水分量が少なくなるため、
若い頃より脱水症になりやすいといえます。
さらに、加齢とともに喉の渇きを感じるセンサーが鈍くなるため、
実際には水分が必要な状態であっても喉の渇きが感じにくくなります。
とにかく高齢者は脱水注意です。
私も72歳ですので、水分補給には留意するようにします。
以下は、共同通信記事の要約です。
https://nordot.app/968620645502664704
1日で水3~4リットル体外に 汗や尿で成人
国際調査 共同通信 2022/11/25
【人が1日で汗や尿として体外に失う水の量は
成人男性の平均で4リットル余り、
女性で3リットル余りに上るとの調査結果を、
医薬基盤・健康・栄養研究所などの国際チームが
米科学誌サイエンスに25日発表。
体に含まれる水分の10%程度に相当し、
20代男性は飲料水を1日1.8リットル、
20代女性は1.4リットル飲む必要がある。
調査は23カ国の生後8日から96歳までの計約5600人が対象。
チームは
「熱中症や脱水症状の予防に必要な水分摂取量の目安になる」
としている。
© 一般社団法人共同通信社】
江部康二
2022年12月06日 (火)
こんばんは。
2022/12/6(火)、
朝良い天気だったので、
このところとても気に入っている嵯峨天皇陵に参詣してきました。
嵯峨天皇陵は正式には嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ)と呼ばれます。
雲一つ無い快晴でしたから、気分は爽快でした。
午前7時32分、家を出発。
午前7時37分、名所池到着。
すると湖面が凍り付いていて鏡のようになっていました。
そこに正面の山が、くっきりと鮮鋭に映り込み、
まるで池の中に山が出現したかのような絶景となっていました。
この地にすんで40年以上経ちますが、
このような情景は、初体験です。
以下の3つの要因が重なることは、今後もめったにないでしょう。
①湖面が凍りつく寒さ
②快晴
③早朝
とても素晴らしい体験でした。
名所池から、参道入口までは、軽くジョギングです。
参道入口から石段が九十九折に約500m続きます。
石段は530段程あります。
なかなか結構な道のりなのです。
途中、二カ所ほど、木々の切れ目が大きく、
大沢池、大覚寺、丸太町の町並みが一望できる絶景スポットがあります。
石段を登り終えて、嵯峨天皇陵に参詣して、
帰り道の途中の広沢池のお堂辺りには8時49分頃到着しました。
すでに湖面の氷は半分以上溶けていて、
山影だけがいつも通りに写っていました。
早起きは三文の得、
いやいや、三両以上、
いやいやいや、金銭には換えられない、お宝情景でした。
ご用とお急ぎでないブログ読者の皆様、
是非一度、嵯峨天皇陵参詣をお奨めします。
江部康二
☆☆☆
嵯峨天皇(さがてんのう)
嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ)
[生]延暦5 (786).9.7. 京都
[没]承和9 (842).7.15. 京都
平安時代の天皇
■代 数 :第52代
■天 皇 名 :嵯峨天皇(さがてんのう)
■御 父 :桓武天皇
■御 母 :皇后天之高藤廣宗照姫之尊
■御 陵 名 :嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ)
■陵 形 :円丘
■所 在 地 :京都府京都市右京区北嵯峨朝原山町
■交通機関等 :市バス・京都バス「大覚寺」下車
大覚寺門前から山上へ徒歩30分
■陵印保管場所 :桃山陵墓監区事務所
2022/12/6(火)、
朝良い天気だったので、
このところとても気に入っている嵯峨天皇陵に参詣してきました。
嵯峨天皇陵は正式には嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ)と呼ばれます。
雲一つ無い快晴でしたから、気分は爽快でした。
午前7時32分、家を出発。
午前7時37分、名所池到着。
すると湖面が凍り付いていて鏡のようになっていました。
そこに正面の山が、くっきりと鮮鋭に映り込み、
まるで池の中に山が出現したかのような絶景となっていました。
この地にすんで40年以上経ちますが、
このような情景は、初体験です。
以下の3つの要因が重なることは、今後もめったにないでしょう。
①湖面が凍りつく寒さ
②快晴
③早朝
とても素晴らしい体験でした。
名所池から、参道入口までは、軽くジョギングです。
参道入口から石段が九十九折に約500m続きます。
石段は530段程あります。
なかなか結構な道のりなのです。
途中、二カ所ほど、木々の切れ目が大きく、
大沢池、大覚寺、丸太町の町並みが一望できる絶景スポットがあります。
石段を登り終えて、嵯峨天皇陵に参詣して、
帰り道の途中の広沢池のお堂辺りには8時49分頃到着しました。
すでに湖面の氷は半分以上溶けていて、
山影だけがいつも通りに写っていました。
早起きは三文の得、
いやいや、三両以上、
いやいやいや、金銭には換えられない、お宝情景でした。
ご用とお急ぎでないブログ読者の皆様、
是非一度、嵯峨天皇陵参詣をお奨めします。
江部康二
☆☆☆
嵯峨天皇(さがてんのう)
嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ)
[生]延暦5 (786).9.7. 京都
[没]承和9 (842).7.15. 京都
平安時代の天皇
■代 数 :第52代
■天 皇 名 :嵯峨天皇(さがてんのう)
■御 父 :桓武天皇
■御 母 :皇后天之高藤廣宗照姫之尊
■御 陵 名 :嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ)
■陵 形 :円丘
■所 在 地 :京都府京都市右京区北嵯峨朝原山町
■交通機関等 :市バス・京都バス「大覚寺」下車
大覚寺門前から山上へ徒歩30分
■陵印保管場所 :桃山陵墓監区事務所
2022年12月05日 (月)
こんばんは。
今回は食後血糖値のピークについて考察してみます。
まず正常人と糖尿人で食後血糖値のピークは違ってきます。
1)耐糖能正常者24名の食後血糖値のピークは、40分から50分
2)HbA1c8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピーク
3)HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピーク
ピークが、後にずれるほど、耐糖能が良くないと言えるようです。
上記データは慈恵医科大学の西村理明氏の研究結果です。(*)
(*)m3.com
https://www.m3.com/clinical/sanpiryoron/152762
食後血糖値、1時間か2時間か?
慈恵医科大学の西村理明氏。
75g経口ブドウ糖負荷試験
食後2時間血糖値
140mg/dl未満が正常、
140mg~199mg/dlまでが境界型、
200mg/dl以上が糖尿病型
食後血糖値を2時間値で検査することが多いのは
ブドウ糖負荷試験の診断基準で決まっているので、
その意味で流布しているのでしょう。
一度、休みの日に、自分の食後血糖値のピークを、
血糖自己測定器で検査しておけば、よいと思います。
ピークが掌握できていれば、外食時などには、
その時間だけをチェックすればすみます。
75g経口ブドウ糖負荷試験で、
2時間値が140mg未満で正常型であっても、
1時間値が180mgを超えている場合は将来、
糖尿病になりやすいので注意が必要です。
一般に、体重64kgとして、
1gの糖質が正常人の血糖値を0.8~0.9mg上昇させ、
2型糖尿人なら3mg、1型糖尿人なら5mg上昇させます。
摂取糖質50gくらいまでは上記計算が、およそですが成り立ちます。
完全正常人で若い人は、1gの糖質で0.4~0.5mgのこともあります。
それから、同じ糖質でも種類や一緒に食べるものによって、
ピークが異なることがあります。
ブドウ糖負荷試験のような液体の糖質は速やかに吸収されて、
少なくとも正常人ならピークは早くなりやすいです。
糖尿人の場合、高血糖になってもインスリン作用が不足しているので、
ピークがずれて2時間後になることもあるのです。
玄米のようにGIが低いものは、吸収がゆっくりで血糖値の上昇速度もゆっくりとなり、
ピークも食パンや白米よりやや後ろにずれると思います。
また、バターライス(脂質+糖質)は、
単純な白米よりは消化・吸収がゆっくりになり、
やはりピークはやや後ろにずれてくると思います。
江部康二
今回は食後血糖値のピークについて考察してみます。
まず正常人と糖尿人で食後血糖値のピークは違ってきます。
1)耐糖能正常者24名の食後血糖値のピークは、40分から50分
2)HbA1c8%未満の患者はおおむね1時間から90分の間にピーク
3)HbA1cが8%を超える患者では2時間後にピーク
ピークが、後にずれるほど、耐糖能が良くないと言えるようです。
上記データは慈恵医科大学の西村理明氏の研究結果です。(*)
(*)m3.com
https://www.m3.com/clinical/sanpiryoron/152762
食後血糖値、1時間か2時間か?
慈恵医科大学の西村理明氏。
75g経口ブドウ糖負荷試験
食後2時間血糖値
140mg/dl未満が正常、
140mg~199mg/dlまでが境界型、
200mg/dl以上が糖尿病型
食後血糖値を2時間値で検査することが多いのは
ブドウ糖負荷試験の診断基準で決まっているので、
その意味で流布しているのでしょう。
一度、休みの日に、自分の食後血糖値のピークを、
血糖自己測定器で検査しておけば、よいと思います。
ピークが掌握できていれば、外食時などには、
その時間だけをチェックすればすみます。
75g経口ブドウ糖負荷試験で、
2時間値が140mg未満で正常型であっても、
1時間値が180mgを超えている場合は将来、
糖尿病になりやすいので注意が必要です。
一般に、体重64kgとして、
1gの糖質が正常人の血糖値を0.8~0.9mg上昇させ、
2型糖尿人なら3mg、1型糖尿人なら5mg上昇させます。
摂取糖質50gくらいまでは上記計算が、およそですが成り立ちます。
完全正常人で若い人は、1gの糖質で0.4~0.5mgのこともあります。
それから、同じ糖質でも種類や一緒に食べるものによって、
ピークが異なることがあります。
ブドウ糖負荷試験のような液体の糖質は速やかに吸収されて、
少なくとも正常人ならピークは早くなりやすいです。
糖尿人の場合、高血糖になってもインスリン作用が不足しているので、
ピークがずれて2時間後になることもあるのです。
玄米のようにGIが低いものは、吸収がゆっくりで血糖値の上昇速度もゆっくりとなり、
ピークも食パンや白米よりやや後ろにずれると思います。
また、バターライス(脂質+糖質)は、
単純な白米よりは消化・吸収がゆっくりになり、
やはりピークはやや後ろにずれてくると思います。
江部康二
2022年12月04日 (日)
こんにちは。
新型コロナ感染症、一旦鎮静化するかに見えましたが
またぞろ、感染者が増え始め、予断を許さない状況です。
政府が推している新型コロナワクチンは頼りにならないので、
自分自身の免疫力を健常に保つことがとても重要となります。
今現在の免疫力を高めると共に、その長期的な維持も重要となります。
今日は、スーパー糖質制限食と免疫力について検討してみます。
免疫力とは、病原菌や毒素やその他の異物に対して、
抵抗して打ちかつ能力です。
体には、まずは
「ウイルスや細菌を体内に侵入させない」ためのシステムと、
「侵入した敵と戦う」という2段階の免疫の仕組みが
存在しています。
第一段階 防御=「粘膜免疫」
日々の生活で、体内にはウイルスや細菌、花粉などの“ 異物” が絶えず侵入しようとします。
しかし、これらの異物を“ 侵入” させないように私たちの体を守っているのが「粘膜免疫」です。
粘膜免疫が働く場所は、目、鼻、口、腸管などの粘膜です。
ここで異物が粘膜を介して体内に入るのを防ぎ、体外に出してしまうことで感染を防ぎます。
第二段階 攻撃=「全身免疫」
病原体が「粘膜免疫」を突破して体内に侵入し、増殖してしまった状態が「感染」です。
体に侵入したウイルスや細菌に対しては、第2段階の「全身免疫」が働きます。
全身免疫のシステムでは、免疫細胞が病原体を捕えて、排除するよう働きます。
また、体内で生まれたがん細胞のような“ 異物” を攻撃するのも、全身免疫の役割です。
全身免疫には『自然免疫』と『獲得免疫』があります。
自然免疫:活躍するのは好中球やマクロファージ、樹状細胞といった食細胞です
獲得免疫:細胞性免疫と液性免疫(抗体)があります。
さてスーパー糖質セイゲニストにおいては、
糖質を食べている人(糖質無セイゲニスト)に比べると
<①ケトン体高値><②AGEsの蓄積が少ない>
①②という二つのアドバンテージがあります。
<①ケトン体高値>
ケトン体高値により、心臓・腎臓・脳保護作用および、慢性炎症を抑える効果が期待できます。
SGLT2阻害薬の臨床試験である「EMPA-REG OUTCOM試験」「CANVAS試験」において、
心臓・腎臓・脳保護作用が、認められました。
その理由として、SGLT2阻害薬による血中ケトン体高値が、
心臓・腎臓・脳保護に良い影響を与えている可能性が示唆されました。
スーパー糖質制限食なら、よりケトン体高値となるので、
おおいに心臓・腎臓・脳保護作用が期待できます。
心臓・腎臓・脳が元気に活動していれば、当然免疫力も高まります。
また、近年「慢性炎症」が注目されています。
慢性炎症を伴う病気として
ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患が良く知られています。
最近の研究によって、これまで慢性炎症との関連についてはほとんど顧みられなかった病気でも、
実は慢性炎症が関わっていることがわかってきました。
加齢とともに増加するがん、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などの種々の疾患、さらには老化そのものも、
慢性的な炎症性の変化によって症状が進行するのではないかと考えられる証拠が見つかってきたのです。
この慢性炎症がどのようにして生じるのかはこれまで不明でしたが、
近年、インフラマソーム(☆)と呼ばれる自然免疫経路を介して
動脈硬化の炎症反応が起こっていることが明らかとなっています。
インフラマソームは、2型糖尿病・動脈硬化・アルツハイマー病・老化などにおいて炎症応答を促進します。
ケトン体の中でも、βヒドロキシ酪酸は、インフラマソームを抑制することがわかっています。
糖質制限食により身体の様々な慢性炎症が治まれば、当然免疫力は高まります。
<②AGEsの蓄積が少ない>
②により、<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限で済みます。
老化すれば、免疫力も低下するのは必然です。
私は、52歳の時に糖尿病の確定診断がついて、
以降は72歳現在まで20年間スーパー糖質制限食を続けています。
*歯は全て残り虫歯なし。
*目は裸眼で広辞苑が読める。自動車の運転もOK。
*身長は縮んでいない。
*聴力低下なし。
*夜間尿なし。
*内服薬なし。
*糖尿病合併症なし。
勿論、髪の毛は白くなり、前髪はやや後退気味であり、
完全に老化が防げているわけではありません。
しかし『糖化の延長上にある老化』は、最小限ですんでいるので、
上記が達成できているのだと思います。
逆に言えば、AGEsの蓄積が、歯周病・虫歯、視力低下、背が縮む、
聴力低下、夜間頻尿など所謂老化症状の元凶と言えます。
従いまして、同年代の糖質を摂取している人に比べたら、
スーパー糖質セイゲニストは、老化の少ない分、
免疫力はかなり高いと思います。
私も糖尿病という持病はありますが、
スーパー糖質制限食実践により、血糖コントロール極めて良好で、
AGEsの蓄積も最小限ですんでいるので、
同年代の糖質を普通に食べている健常人(AGEsの蓄積が多い)よりも免疫力は高いと思います。
これに対して「糖質無セイゲニスト」の方々は、
多くのリスクを抱えていることとなります。
ごく普通に現代の食事を食べている方は、皆さん「糖質無セイゲニスト」です。
即ち、現代の食事(ご飯、うどん、蕎麦、パスタ、パン、ポテチ、お菓子、アイスクリーム・・・)は、
明らかに糖質過剰食(糖質摂取比率が約60%)です。
従って、スーパー糖質セイゲニストが有す、①②の二つのアドバンテージがありません。
それどころか、毎日のようにAGEsを蓄積させて、「糖化→老化」のリスクがあります。
また糖質摂取のたびに、血糖値が上昇し、活性酸素を発生させるので酸化ストレスが上昇し、
がん、アルツハイマー病、動脈硬化などさまざまな生活習慣病のリスクとなります。
(☆)インフラマソーム
複数のタンパク質からなるタンパク複合体で、
主に自然免疫細胞を中心に発現し、
感染や傷害に伴う危険シグナルに応答 して、
炎症反応の誘導や進展に重要な役割を果たしていることが
明らかになっている。
江部康二
新型コロナ感染症、一旦鎮静化するかに見えましたが
またぞろ、感染者が増え始め、予断を許さない状況です。
政府が推している新型コロナワクチンは頼りにならないので、
自分自身の免疫力を健常に保つことがとても重要となります。
今現在の免疫力を高めると共に、その長期的な維持も重要となります。
今日は、スーパー糖質制限食と免疫力について検討してみます。
免疫力とは、病原菌や毒素やその他の異物に対して、
抵抗して打ちかつ能力です。
体には、まずは
「ウイルスや細菌を体内に侵入させない」ためのシステムと、
「侵入した敵と戦う」という2段階の免疫の仕組みが
存在しています。
第一段階 防御=「粘膜免疫」
日々の生活で、体内にはウイルスや細菌、花粉などの“ 異物” が絶えず侵入しようとします。
しかし、これらの異物を“ 侵入” させないように私たちの体を守っているのが「粘膜免疫」です。
粘膜免疫が働く場所は、目、鼻、口、腸管などの粘膜です。
ここで異物が粘膜を介して体内に入るのを防ぎ、体外に出してしまうことで感染を防ぎます。
第二段階 攻撃=「全身免疫」
病原体が「粘膜免疫」を突破して体内に侵入し、増殖してしまった状態が「感染」です。
体に侵入したウイルスや細菌に対しては、第2段階の「全身免疫」が働きます。
全身免疫のシステムでは、免疫細胞が病原体を捕えて、排除するよう働きます。
また、体内で生まれたがん細胞のような“ 異物” を攻撃するのも、全身免疫の役割です。
全身免疫には『自然免疫』と『獲得免疫』があります。
自然免疫:活躍するのは好中球やマクロファージ、樹状細胞といった食細胞です
獲得免疫:細胞性免疫と液性免疫(抗体)があります。
さてスーパー糖質セイゲニストにおいては、
糖質を食べている人(糖質無セイゲニスト)に比べると
<①ケトン体高値><②AGEsの蓄積が少ない>
①②という二つのアドバンテージがあります。
<①ケトン体高値>
ケトン体高値により、心臓・腎臓・脳保護作用および、慢性炎症を抑える効果が期待できます。
SGLT2阻害薬の臨床試験である「EMPA-REG OUTCOM試験」「CANVAS試験」において、
心臓・腎臓・脳保護作用が、認められました。
その理由として、SGLT2阻害薬による血中ケトン体高値が、
心臓・腎臓・脳保護に良い影響を与えている可能性が示唆されました。
スーパー糖質制限食なら、よりケトン体高値となるので、
おおいに心臓・腎臓・脳保護作用が期待できます。
心臓・腎臓・脳が元気に活動していれば、当然免疫力も高まります。
また、近年「慢性炎症」が注目されています。
慢性炎症を伴う病気として
ぜんそくやアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患が良く知られています。
最近の研究によって、これまで慢性炎症との関連についてはほとんど顧みられなかった病気でも、
実は慢性炎症が関わっていることがわかってきました。
加齢とともに増加するがん、動脈硬化、肥満、アルツハイマー病などの種々の疾患、さらには老化そのものも、
慢性的な炎症性の変化によって症状が進行するのではないかと考えられる証拠が見つかってきたのです。
この慢性炎症がどのようにして生じるのかはこれまで不明でしたが、
近年、インフラマソーム(☆)と呼ばれる自然免疫経路を介して
動脈硬化の炎症反応が起こっていることが明らかとなっています。
インフラマソームは、2型糖尿病・動脈硬化・アルツハイマー病・老化などにおいて炎症応答を促進します。
ケトン体の中でも、βヒドロキシ酪酸は、インフラマソームを抑制することがわかっています。
糖質制限食により身体の様々な慢性炎症が治まれば、当然免疫力は高まります。
<②AGEsの蓄積が少ない>
②により、<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限で済みます。
老化すれば、免疫力も低下するのは必然です。
私は、52歳の時に糖尿病の確定診断がついて、
以降は72歳現在まで20年間スーパー糖質制限食を続けています。
*歯は全て残り虫歯なし。
*目は裸眼で広辞苑が読める。自動車の運転もOK。
*身長は縮んでいない。
*聴力低下なし。
*夜間尿なし。
*内服薬なし。
*糖尿病合併症なし。
勿論、髪の毛は白くなり、前髪はやや後退気味であり、
完全に老化が防げているわけではありません。
しかし『糖化の延長上にある老化』は、最小限ですんでいるので、
上記が達成できているのだと思います。
逆に言えば、AGEsの蓄積が、歯周病・虫歯、視力低下、背が縮む、
聴力低下、夜間頻尿など所謂老化症状の元凶と言えます。
従いまして、同年代の糖質を摂取している人に比べたら、
スーパー糖質セイゲニストは、老化の少ない分、
免疫力はかなり高いと思います。
私も糖尿病という持病はありますが、
スーパー糖質制限食実践により、血糖コントロール極めて良好で、
AGEsの蓄積も最小限ですんでいるので、
同年代の糖質を普通に食べている健常人(AGEsの蓄積が多い)よりも免疫力は高いと思います。
これに対して「糖質無セイゲニスト」の方々は、
多くのリスクを抱えていることとなります。
ごく普通に現代の食事を食べている方は、皆さん「糖質無セイゲニスト」です。
即ち、現代の食事(ご飯、うどん、蕎麦、パスタ、パン、ポテチ、お菓子、アイスクリーム・・・)は、
明らかに糖質過剰食(糖質摂取比率が約60%)です。
従って、スーパー糖質セイゲニストが有す、①②の二つのアドバンテージがありません。
それどころか、毎日のようにAGEsを蓄積させて、「糖化→老化」のリスクがあります。
また糖質摂取のたびに、血糖値が上昇し、活性酸素を発生させるので酸化ストレスが上昇し、
がん、アルツハイマー病、動脈硬化などさまざまな生活習慣病のリスクとなります。
(☆)インフラマソーム
複数のタンパク質からなるタンパク複合体で、
主に自然免疫細胞を中心に発現し、
感染や傷害に伴う危険シグナルに応答 して、
炎症反応の誘導や進展に重要な役割を果たしていることが
明らかになっている。
江部康二
2022年12月03日 (土)
こんにちは。
スーパー糖質制限食を実践しているにも関わらず、
体重が減少しにくい場合があります。
2022/12/2(金)の記事のホリさんも
①年齢 ・性別 41歳 男
②糖質制限前の身長・体重、180㎝・115kg
③糖質制限後HbA1c 5.3%のときの体重、95kg
20kg減量されたところで停滞しています。
a)子供の頃、肥満はありましたか?
>小学生の高学年の時に肥満でした。
b)20歳の頃は、何キロでしたか?
>75kgぐらいでした。
c)30歳の頃は、何キロでしたか?
>115kgぐらいでした。
ホリさんの場合、減量しにくいパターンの
C)のⅤに相当すると思います。
『元々、小さい頃から肥満があった場合、
あるていど減量できてもそこで止まることがあります。』
というケースです。
一般的に減量しにくい場合は、以下のA)B)C)のパターンがあります。
*推定エネルギー必要量
https://www.pref.tokushima.lg.jp/kenkou/book/energy.html
徳島県の
徳島健康づくりネット
https://www.pref.tokushima.lg.jp/kenkou/book/energy.html
のサイトがわかりやすいので、
自分の推定エネルギー必要量を調べましょう。
A)<基礎礎代謝が低い場合>
基礎代謝が低いタイプの人は
「糖質制限+カロリー制限」が必要です。
女性に時にあり、数%くらいの比率です。
スーパー糖質制限食を実践して推定エネルギー必要量を摂取しているけれど
体重が減らないタイプがあります。
この場合、推定エネルギー必要量から、200kcalくら減らしてみましょう。
B)<大食漢タイプの場合>
大食いの方々がおられます。やはり数%の比率です。
自分が大食いであると自覚していない方もおられますので、
一度、一日の摂取エネルギーを計算してみると良いです。
このタイプは
「糖質制限食+人並みの摂取カロリー」が必要です。
こちらは、推定エネルギー必要量を摂取するようにしましょう。
C)<減量できないときは?>
Ⅰ
いつのまにか、糖質制限が緩くなった可能性があります。
Ⅱ
何らかの理由で、基礎代謝が低下した可能性があります。
Ⅲ
知らぬ間に、摂取カロリーが多くなった可能性があります。
Ⅳ
すでに、BMI20以上~25未満で適正体重になっていることがあります。
Ⅴ
元々、小さい頃から肥満があった場合、
あるていど減量できてもそこで止まることがあります。
私の知る範囲で、小さい頃から肥満だった男性が、
30kgの減量に成功して90kgとなり、BMIが32まで改善しましたが、
そこからぴったり減り止まり、90~92kgを行ったり来たりしています。
小さい頃からの肥満の場合、同様のパターンの人が複数います。
①大きくなった脂肪細胞は、
スーパー糖質制限食ですみやかに標準の大きさまで小さくなる。
②標準の大きさの脂肪細胞になれば、それ以上は小さくならない。
③脂肪細胞の数は、減少しない。
④成人でも、脂肪細胞が一定以上大きくなって限界に達すると分裂して
脂肪細胞の数が増える。分裂して増えた脂肪細胞がまた大きくなり体重が増える。
①の分までは体重は、すみやかに減少します。
しかし、②③により、そこで体重は減り止まります。
この説は、以前福助さんから、ご教示頂きましたが、説得力があります。
④に関しては、田頭秀悟先生から、論文をご教示頂きました。
江部康二
スーパー糖質制限食を実践しているにも関わらず、
体重が減少しにくい場合があります。
2022/12/2(金)の記事のホリさんも
①年齢 ・性別 41歳 男
②糖質制限前の身長・体重、180㎝・115kg
③糖質制限後HbA1c 5.3%のときの体重、95kg
20kg減量されたところで停滞しています。
a)子供の頃、肥満はありましたか?
>小学生の高学年の時に肥満でした。
b)20歳の頃は、何キロでしたか?
>75kgぐらいでした。
c)30歳の頃は、何キロでしたか?
>115kgぐらいでした。
ホリさんの場合、減量しにくいパターンの
C)のⅤに相当すると思います。
『元々、小さい頃から肥満があった場合、
あるていど減量できてもそこで止まることがあります。』
というケースです。
一般的に減量しにくい場合は、以下のA)B)C)のパターンがあります。
*推定エネルギー必要量
https://www.pref.tokushima.lg.jp/kenkou/book/energy.html
徳島県の
徳島健康づくりネット
https://www.pref.tokushima.lg.jp/kenkou/book/energy.html
のサイトがわかりやすいので、
自分の推定エネルギー必要量を調べましょう。
A)<基礎礎代謝が低い場合>
基礎代謝が低いタイプの人は
「糖質制限+カロリー制限」が必要です。
女性に時にあり、数%くらいの比率です。
スーパー糖質制限食を実践して推定エネルギー必要量を摂取しているけれど
体重が減らないタイプがあります。
この場合、推定エネルギー必要量から、200kcalくら減らしてみましょう。
B)<大食漢タイプの場合>
大食いの方々がおられます。やはり数%の比率です。
自分が大食いであると自覚していない方もおられますので、
一度、一日の摂取エネルギーを計算してみると良いです。
このタイプは
「糖質制限食+人並みの摂取カロリー」が必要です。
こちらは、推定エネルギー必要量を摂取するようにしましょう。
C)<減量できないときは?>
Ⅰ
いつのまにか、糖質制限が緩くなった可能性があります。
Ⅱ
何らかの理由で、基礎代謝が低下した可能性があります。
Ⅲ
知らぬ間に、摂取カロリーが多くなった可能性があります。
Ⅳ
すでに、BMI20以上~25未満で適正体重になっていることがあります。
Ⅴ
元々、小さい頃から肥満があった場合、
あるていど減量できてもそこで止まることがあります。
私の知る範囲で、小さい頃から肥満だった男性が、
30kgの減量に成功して90kgとなり、BMIが32まで改善しましたが、
そこからぴったり減り止まり、90~92kgを行ったり来たりしています。
小さい頃からの肥満の場合、同様のパターンの人が複数います。
①大きくなった脂肪細胞は、
スーパー糖質制限食ですみやかに標準の大きさまで小さくなる。
②標準の大きさの脂肪細胞になれば、それ以上は小さくならない。
③脂肪細胞の数は、減少しない。
④成人でも、脂肪細胞が一定以上大きくなって限界に達すると分裂して
脂肪細胞の数が増える。分裂して増えた脂肪細胞がまた大きくなり体重が増える。
①の分までは体重は、すみやかに減少します。
しかし、②③により、そこで体重は減り止まります。
この説は、以前福助さんから、ご教示頂きましたが、説得力があります。
④に関しては、田頭秀悟先生から、論文をご教示頂きました。
江部康二
2022年12月02日 (金)
こんにちは。
血清尿酸値と糖質制限食との関連について
ホリさんから、コメント・質問を頂きました。
【22/11/30 ホリ
尿酸値の事でお聞きしたい事があります。
はじめまして。いつもブログを見て勉強させていただいております。私は、4ヶ月前に糖尿病がわかり、その後すぐに江部先生の本で勉強し、スーパー糖質制限を実践しております。
お陰様で、HbA1cも12から5.5まで下がり、ひとまず寛解レベルにまでなりました。
ただ、一つ新たな心配事が出てきまして…
先日の血液検査の結果、尿酸値が10まで上がっていて、指摘された事が気になっています。
自分としては、食生活や運動に気を付けており、糖尿病になる前と今とでは、180度違うような生活を続けているのに…本当に不思議で理解できませんでした。
担当の先生も、詳しい原因はよくわかっておらず
、とりあえず様子をみましょうと曖昧な対応でしたので、余計不安になりまして…
私としては、原因がよくわからずスッキリしないのは嫌だったので、帰ってネットで調べてみました。
すると、断食とかカロリー不足が原因で、尿酸値が上がる事があるという事を知りました。
実は、最近になり減量を急ぐあまり、少しハード目の食生活にシフトしていた事が思い当たりました。
ちなみにその食生活は、朝、バターコーヒー、昼バターコーヒー、夜スーパー糖質制限食(タンパク多め)というものになります。
以前は、スーパー糖質制限食を3食食べていたのですが…ある頃から、体重が思うように体重が落ちず停滞するようになりまして…
今のバターコーヒーを組み合わせるスタイルに変えました。それが尿酸値を上げる原因になってしまったのでは?と思っています。
そこで、江部先生にお聞きしたいのですが、
私の尿酸値が急に高くなった原因は、やはりこの食生活にあると思われますか?
糖質制限と尿酸値との関係事や、理想的な糖質制限ダイエットのやり方(どこまで制限していいのか?)等のアドバイスをいただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。】
22/12/01 ドクター江部
Re: 尿酸値の事でお聞きしたい事があります。
ホリ さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
HbA1cの改善、良かったです。
①年齢と性別は?
②糖質制限前の身長・体重はどのくらいでしょう。
③糖質制限後HbA1c5.5%のときの体重はどのくらいでしょう。
おそらく、摂取エネルギー不足で、尿酸値が上昇したものと思われます。
【22/12/02 ホリ
きのう尿酸値の件で質問した者です。
江部先生
コメントいただき、ありがとうございました。
追加で私の情報を書かせていただきます。
①年齢 ・性別 41歳 男
②糖質制限前の身長・体重、180㎝・115kg
③糖質制限後HbA1c 5.3%のときの体重、95kg
ちなみに、4ヶ月前の糖尿病がわかった時は、
HbA1c 11 、尿酸値4.9でした。
それが今では、HbA1c 5.3、尿酸値10.5でかなり高い数値になってしまいした。
やはり、摂取エネルギー不足が原因で、尿酸値が高くなった可能性が高いのでしょうか?
朝・昼バターコーヒー、夜スーパー糖質制限食というスタイルが体にとって良くなかったんでしょうかね? 江部先生も、確か朝はコーヒーのみで
食事は抜いてらっしゃいますよね?
朝の1食だけなら、食事を抜いてバターコーヒーだけでも問題無さそうですか?
今後、どういった食生活を続けるのがいいのか悩んでいます。具体的な解決策を教えていただけると大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。】
この経過だと、やはり摂取エネルギー不足で、尿酸値が上昇したものと思われます。
1日1食でも2食でもいいので、
厚生労働省のいう<推定エネルギー必要量>を確保しましょう。
②糖質制限前の身長・体重、180㎝・115kg・・・BMI:35.5
③糖質制限後HbA1c 5.3%のときの体重、95kg・・・BMI:29.3
20kg減量成功ですが、実はこのあたりに、一つの壁があるケースが多いようです。
これには理由があるのですが、以下を質問させて下さい。
a)子供の頃、肥満はありましたか?
b)20歳の頃は、何キロでしたか?
c)30歳の頃は、何キロでしたか?
<糖質制限食と血清尿酸値>
今回の記事は、糖質制限食と血清尿酸値についての考察です。
尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、
減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。
もともと尿酸が高値だったのが糖質制限食で基準値になる人がいますが、
これは問題ないですね。
肥満がある人が糖質制限食で減量に成功したら、
尿酸値が基準値になることは考えられます。
もともと尿酸値は正常だったのに、糖質制限食実践後にで高値となる人が時々おられます。
尿酸高値の一番多い原因は、糖質を制限したことではなく、
結果として低カロリー過ぎた場合です。
糖質制限食開始後、急に尿酸値が上昇したときは、栄養指導で確認したところ、
ほとんどの人において、摂取エネルギー不足でした。
通常、糖質制限食開始後に、一旦、尿酸値が上昇した人も、
摂取エネルギー不足を解消すれば
速やかに元の値に戻ることが多いので経過をみて良いと思います。
<体内での尿酸の生成と排泄>
尿酸は尿から排泄されるだけでなく、消化液や汗からも排泄されます。
腎臓からの排泄は約3/4を占め一番多いですが、 消化液や汗からの排泄機能も、
血清尿酸値の個人差にある程度関係しているのでしょう。
体内で尿酸をつくり過ぎるか尿からの排泄が悪いため、
高尿酸血症になると考えられてきましたが、
これらに腸からの排泄障害や皮膚の汗からの排泄障害も加わることとなりました。
あくまでも私見ですが、この腸や皮膚からの尿酸排泄は、
生活習慣やストレスの影響を一番受けやすいような気がします。
<高尿酸血症と服薬基準>
過去痛風発作を起こしたことがない場合は、
尿酸8~9mg/dlとかでも、食事療法と生活習慣の改善で経過をみてよいと思います。
『すでに痛風発作を起こしたことがある場合』、
『尿酸値8.0mg/dl以上ですでに腎障害・結石・高血圧などの合併症のある場合』、
『無症状であっても尿酸値が9.0mg/dl以上の場合』
は、薬物療法の適応になります
高尿酸血症は、
狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化の危険因子の一つですので注意が必要です。
男女ともに尿酸値が7.0mg/dLまでは基準値内です。
これを超えると異常で、高尿酸血症と呼ばれます。
(公益財団法人 痛風・尿酸財団)
https://www.tufu.or.jp/gout/gout2/61
<食事療法>
過去尿路結石のあった人や家系的に腎臓結石持の方々は、
尿酸が高値となったときは、梅干しを食べるとか、
わかめ・ほうれん草・大根・キャベツ・茄子・しいたけなど摂取で、
尿をアルカリに保って尿酸が結晶化しにくいようして、
尿酸値が基準値にもどるのを待つのが安全と思います。
尿路結石の予防になります。
ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、
尿酸値が上昇するので注意が必要です。
例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。
断食前6mg/dlが、断食中は9~10mg/dlに急上昇したりします。
さて糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、
ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、
食事由来のプリン体は総量の約20%に過ぎず、
体内で生合成するプリン体80%に比し、かなり少ないということが判明しました。
例えば、江部康二は、2002年以来18年間、
スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、
かなりの高タンパク食です。
しかしながら、尿酸値は、
一貫して2.4~3.5mg/dl(基準値は3.4~7.0)程度と低い方です。
尿酸は体内の酸化ストレスに対抗する物質という説があります。
私はスーパー糖質制限食で体内の酸化ストレスが少ないので、
尿酸も少なくてすんでいるというポジティブな仮説もありかと考えています。
<納光弘先生の見解>
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、
元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、
食事よりストレスや肥満の方が、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。
<尿酸を上昇させる要因>
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
尿酸値に影響を与える5つの要素について、詳しく見ていきましょう。
1 ストレス
実はストレスが一番尿酸値を上昇させます。
鹿児島大学の納光弘先生もご自身が痛風でして、
徹底的に自分で人体実験をされて、
ビールより何よりストレスが高尿酸血症の原因と断定しておられます。
納先生ご自身は、学会の会頭を引き受けて忙しくてプレッシャーが高かった時期が
最も尿酸値が上昇したそうです。
学会が終了したら、ビールを飲んでも下がったそうです。
これは、もっぱら心理的ストレスですね。
一方、断食は究極の肉体的ストレスという見方もできます。
2 肥満
体重増加も尿酸を増加させる要因なので、糖質制限食で減量すると、
尿酸値も低下すると思います。
肥満が改善すれば、尿酸値も改善する可能性があります。
3 飲酒
アルコールを大量に(日本酒1日3合程度以上)飲めば尿酸値は上昇し、
断酒すれば下降します。
アルコールが尿酸値に影響を与える要因は二つあります。
一つは、アルコールが代謝の途中で乳酸になり、
乳酸が腎臓からの尿酸排泄を抑制すること。
もう一つは、継続的に多量にアルコールを摂取したときに(日本酒1日4合以上を毎日)、
アルコールが尿酸の代謝を促進させて尿酸値が上がることです。
なお、お酒に含まれているプリン体自身の量は、
体内の尿酸プールの量に比べて少ないのでほとんど影響はありません。
例えばビール大瓶633㏄中のプリン体はたったの32.4㎎に過ぎません。
適量のアルコールならストレスが解消され尿酸値を下げます。
適量の目安は、日本酒1.5合、ビール約750㏄、
ワイングラス2杯、焼酎のお湯割りコップ2杯程度です。
4 激しい運動
激しい運動は尿酸を上昇させますが、軽い有酸素運動は大丈夫です。
筋トレなどの無酸素運動も尿酸値を上げます。
5 プリン体の摂りすぎ
プリン体が非常に多い食品はさすがに大量にはとらない方がいいでしょう。
しかし、日常的な食生活の中では、プリン体を気にするほどのことはなさそうです。
何故ならプリン体は約80%が体内で生合成され、
食事由来のプリン体は約20%に過ぎないからです。
☆プリン体の多い食品
(1)きわめて多い(100g中300㎎以上):鶏レバー、白子など
(2)多い(100g中200-300㎎):豚レバー、牛レバー、かつお、
まいわし、大正えびなど
<尿酸の生成と排泄、尿酸プール>
☆尿酸の生成
プリン体の代謝産物として、尿酸が作られます。
一日で産生される尿酸の総量:約700㎎
☆尿酸の排泄
一日で排出される尿酸の量:約700㎎
・ 尿から排泄:約525㎎(3/4)
・ 汗や消化液から排泄:約175㎎(1/4)
☆尿酸の体内プール
・ 健康な人の体内には常に1200㎎程度の尿酸がプールされています。
尿酸は、このように毎日生産と排泄を繰り返しながら一定量を保っています。
しかし、尿酸の排泄がうまくいかなくなったり、尿酸が体内で作られすぎると、尿酸値が上がります。
<痛風発作の誘因>
・アルコールの多飲
・激しい運動
・ストレス
・尿酸値を上げる薬物(利尿剤など)
・早食い・大食い
なお、尿酸は、温度が下がるほど結晶化しやすくなります。
だから、人体で一番温度の低い足指の関節で痛風発作を生じやすいのですね。
*参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
**プリン体
プリン体は核酸(DNAおよびRNA)の構成要素として体内で遺伝情報を保存しています。
また生物が生命活動を行う際に必要とするエネルギーは、
プリン体の一種であるアデノシン三リン酸(ATP)から供給されます。
***帝人ファーマ株式会社のサイトを参考にさせて頂きました。
ありがとうございます。
https://medical.teijin-pharma.co.jp/materials/iyaku/detail/skhk4v0000000xuk-att/skhk4v0000000xv1.pdf
江部康二
血清尿酸値と糖質制限食との関連について
ホリさんから、コメント・質問を頂きました。
【22/11/30 ホリ
尿酸値の事でお聞きしたい事があります。
はじめまして。いつもブログを見て勉強させていただいております。私は、4ヶ月前に糖尿病がわかり、その後すぐに江部先生の本で勉強し、スーパー糖質制限を実践しております。
お陰様で、HbA1cも12から5.5まで下がり、ひとまず寛解レベルにまでなりました。
ただ、一つ新たな心配事が出てきまして…
先日の血液検査の結果、尿酸値が10まで上がっていて、指摘された事が気になっています。
自分としては、食生活や運動に気を付けており、糖尿病になる前と今とでは、180度違うような生活を続けているのに…本当に不思議で理解できませんでした。
担当の先生も、詳しい原因はよくわかっておらず
、とりあえず様子をみましょうと曖昧な対応でしたので、余計不安になりまして…
私としては、原因がよくわからずスッキリしないのは嫌だったので、帰ってネットで調べてみました。
すると、断食とかカロリー不足が原因で、尿酸値が上がる事があるという事を知りました。
実は、最近になり減量を急ぐあまり、少しハード目の食生活にシフトしていた事が思い当たりました。
ちなみにその食生活は、朝、バターコーヒー、昼バターコーヒー、夜スーパー糖質制限食(タンパク多め)というものになります。
以前は、スーパー糖質制限食を3食食べていたのですが…ある頃から、体重が思うように体重が落ちず停滞するようになりまして…
今のバターコーヒーを組み合わせるスタイルに変えました。それが尿酸値を上げる原因になってしまったのでは?と思っています。
そこで、江部先生にお聞きしたいのですが、
私の尿酸値が急に高くなった原因は、やはりこの食生活にあると思われますか?
糖質制限と尿酸値との関係事や、理想的な糖質制限ダイエットのやり方(どこまで制限していいのか?)等のアドバイスをいただけるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。】
22/12/01 ドクター江部
Re: 尿酸値の事でお聞きしたい事があります。
ホリ さん
拙著のご購入、ありがとうございます。
HbA1cの改善、良かったです。
①年齢と性別は?
②糖質制限前の身長・体重はどのくらいでしょう。
③糖質制限後HbA1c5.5%のときの体重はどのくらいでしょう。
おそらく、摂取エネルギー不足で、尿酸値が上昇したものと思われます。
【22/12/02 ホリ
きのう尿酸値の件で質問した者です。
江部先生
コメントいただき、ありがとうございました。
追加で私の情報を書かせていただきます。
①年齢 ・性別 41歳 男
②糖質制限前の身長・体重、180㎝・115kg
③糖質制限後HbA1c 5.3%のときの体重、95kg
ちなみに、4ヶ月前の糖尿病がわかった時は、
HbA1c 11 、尿酸値4.9でした。
それが今では、HbA1c 5.3、尿酸値10.5でかなり高い数値になってしまいした。
やはり、摂取エネルギー不足が原因で、尿酸値が高くなった可能性が高いのでしょうか?
朝・昼バターコーヒー、夜スーパー糖質制限食というスタイルが体にとって良くなかったんでしょうかね? 江部先生も、確か朝はコーヒーのみで
食事は抜いてらっしゃいますよね?
朝の1食だけなら、食事を抜いてバターコーヒーだけでも問題無さそうですか?
今後、どういった食生活を続けるのがいいのか悩んでいます。具体的な解決策を教えていただけると大変ありがたいです。よろしくお願いいたします。】
この経過だと、やはり摂取エネルギー不足で、尿酸値が上昇したものと思われます。
1日1食でも2食でもいいので、
厚生労働省のいう<推定エネルギー必要量>を確保しましょう。
②糖質制限前の身長・体重、180㎝・115kg・・・BMI:35.5
③糖質制限後HbA1c 5.3%のときの体重、95kg・・・BMI:29.3
20kg減量成功ですが、実はこのあたりに、一つの壁があるケースが多いようです。
これには理由があるのですが、以下を質問させて下さい。
a)子供の頃、肥満はありましたか?
b)20歳の頃は、何キロでしたか?
c)30歳の頃は、何キロでしたか?
<糖質制限食と血清尿酸値>
今回の記事は、糖質制限食と血清尿酸値についての考察です。
尿酸値に関しては、糖質制限食実践で、
減少する人、不変の人、増加する人と個人差が大きいです。
もともと尿酸が高値だったのが糖質制限食で基準値になる人がいますが、
これは問題ないですね。
肥満がある人が糖質制限食で減量に成功したら、
尿酸値が基準値になることは考えられます。
もともと尿酸値は正常だったのに、糖質制限食実践後にで高値となる人が時々おられます。
尿酸高値の一番多い原因は、糖質を制限したことではなく、
結果として低カロリー過ぎた場合です。
糖質制限食開始後、急に尿酸値が上昇したときは、栄養指導で確認したところ、
ほとんどの人において、摂取エネルギー不足でした。
通常、糖質制限食開始後に、一旦、尿酸値が上昇した人も、
摂取エネルギー不足を解消すれば
速やかに元の値に戻ることが多いので経過をみて良いと思います。
<体内での尿酸の生成と排泄>
尿酸は尿から排泄されるだけでなく、消化液や汗からも排泄されます。
腎臓からの排泄は約3/4を占め一番多いですが、 消化液や汗からの排泄機能も、
血清尿酸値の個人差にある程度関係しているのでしょう。
体内で尿酸をつくり過ぎるか尿からの排泄が悪いため、
高尿酸血症になると考えられてきましたが、
これらに腸からの排泄障害や皮膚の汗からの排泄障害も加わることとなりました。
あくまでも私見ですが、この腸や皮膚からの尿酸排泄は、
生活習慣やストレスの影響を一番受けやすいような気がします。
<高尿酸血症と服薬基準>
過去痛風発作を起こしたことがない場合は、
尿酸8~9mg/dlとかでも、食事療法と生活習慣の改善で経過をみてよいと思います。
『すでに痛風発作を起こしたことがある場合』、
『尿酸値8.0mg/dl以上ですでに腎障害・結石・高血圧などの合併症のある場合』、
『無症状であっても尿酸値が9.0mg/dl以上の場合』
は、薬物療法の適応になります
高尿酸血症は、
狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化の危険因子の一つですので注意が必要です。
男女ともに尿酸値が7.0mg/dLまでは基準値内です。
これを超えると異常で、高尿酸血症と呼ばれます。
(公益財団法人 痛風・尿酸財団)
https://www.tufu.or.jp/gout/gout2/61
<食事療法>
過去尿路結石のあった人や家系的に腎臓結石持の方々は、
尿酸が高値となったときは、梅干しを食べるとか、
わかめ・ほうれん草・大根・キャベツ・茄子・しいたけなど摂取で、
尿をアルカリに保って尿酸が結晶化しにくいようして、
尿酸値が基準値にもどるのを待つのが安全と思います。
尿路結石の予防になります。
ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、
尿酸値が上昇するので注意が必要です。
例えば断食(絶食)をすると、尿酸値は急激に上昇します。
断食前6mg/dlが、断食中は9~10mg/dlに急上昇したりします。
さて糖質制限食を実践すれば、相対的に高タンパク・高脂質食となります。
尿酸値は、従来、肉の摂りすぎや、
ビールの飲み過ぎで高値となるということが常識だったのですが、
食事由来のプリン体は総量の約20%に過ぎず、
体内で生合成するプリン体80%に比し、かなり少ないということが判明しました。
例えば、江部康二は、2002年以来18年間、
スーパー糖質制限食実践で130g~150g/日のタンパク質を摂取していて、
かなりの高タンパク食です。
しかしながら、尿酸値は、
一貫して2.4~3.5mg/dl(基準値は3.4~7.0)程度と低い方です。
尿酸は体内の酸化ストレスに対抗する物質という説があります。
私はスーパー糖質制限食で体内の酸化ストレスが少ないので、
尿酸も少なくてすんでいるというポジティブな仮説もありかと考えています。
<納光弘先生の見解>
自らが痛風患者であり、痛風専門医でもある、
元鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生によれば、
食事よりストレスや肥満の方が、尿酸値への影響が多いことがわかってきました。
<尿酸を上昇させる要因>
尿酸を確実に上昇させるのは、重要なものから順番に
1、ストレス
2、肥満
3、大量の飲酒
4、激しい運動
5、プリン体の摂りすぎ
だそうです。
尿酸値に影響を与える5つの要素について、詳しく見ていきましょう。
1 ストレス
実はストレスが一番尿酸値を上昇させます。
鹿児島大学の納光弘先生もご自身が痛風でして、
徹底的に自分で人体実験をされて、
ビールより何よりストレスが高尿酸血症の原因と断定しておられます。
納先生ご自身は、学会の会頭を引き受けて忙しくてプレッシャーが高かった時期が
最も尿酸値が上昇したそうです。
学会が終了したら、ビールを飲んでも下がったそうです。
これは、もっぱら心理的ストレスですね。
一方、断食は究極の肉体的ストレスという見方もできます。
2 肥満
体重増加も尿酸を増加させる要因なので、糖質制限食で減量すると、
尿酸値も低下すると思います。
肥満が改善すれば、尿酸値も改善する可能性があります。
3 飲酒
アルコールを大量に(日本酒1日3合程度以上)飲めば尿酸値は上昇し、
断酒すれば下降します。
アルコールが尿酸値に影響を与える要因は二つあります。
一つは、アルコールが代謝の途中で乳酸になり、
乳酸が腎臓からの尿酸排泄を抑制すること。
もう一つは、継続的に多量にアルコールを摂取したときに(日本酒1日4合以上を毎日)、
アルコールが尿酸の代謝を促進させて尿酸値が上がることです。
なお、お酒に含まれているプリン体自身の量は、
体内の尿酸プールの量に比べて少ないのでほとんど影響はありません。
例えばビール大瓶633㏄中のプリン体はたったの32.4㎎に過ぎません。
適量のアルコールならストレスが解消され尿酸値を下げます。
適量の目安は、日本酒1.5合、ビール約750㏄、
ワイングラス2杯、焼酎のお湯割りコップ2杯程度です。
4 激しい運動
激しい運動は尿酸を上昇させますが、軽い有酸素運動は大丈夫です。
筋トレなどの無酸素運動も尿酸値を上げます。
5 プリン体の摂りすぎ
プリン体が非常に多い食品はさすがに大量にはとらない方がいいでしょう。
しかし、日常的な食生活の中では、プリン体を気にするほどのことはなさそうです。
何故ならプリン体は約80%が体内で生合成され、
食事由来のプリン体は約20%に過ぎないからです。
☆プリン体の多い食品
(1)きわめて多い(100g中300㎎以上):鶏レバー、白子など
(2)多い(100g中200-300㎎):豚レバー、牛レバー、かつお、
まいわし、大正えびなど
<尿酸の生成と排泄、尿酸プール>
☆尿酸の生成
プリン体の代謝産物として、尿酸が作られます。
一日で産生される尿酸の総量:約700㎎
☆尿酸の排泄
一日で排出される尿酸の量:約700㎎
・ 尿から排泄:約525㎎(3/4)
・ 汗や消化液から排泄:約175㎎(1/4)
☆尿酸の体内プール
・ 健康な人の体内には常に1200㎎程度の尿酸がプールされています。
尿酸は、このように毎日生産と排泄を繰り返しながら一定量を保っています。
しかし、尿酸の排泄がうまくいかなくなったり、尿酸が体内で作られすぎると、尿酸値が上がります。
<痛風発作の誘因>
・アルコールの多飲
・激しい運動
・ストレス
・尿酸値を上げる薬物(利尿剤など)
・早食い・大食い
なお、尿酸は、温度が下がるほど結晶化しやすくなります。
だから、人体で一番温度の低い足指の関節で痛風発作を生じやすいのですね。
*参考
「痛風はビールを飲みながらでも治る」(小学館文庫)2004年
鹿児島大学病院内科教授、納(おさめ)光弘先生 著
**プリン体
プリン体は核酸(DNAおよびRNA)の構成要素として体内で遺伝情報を保存しています。
また生物が生命活動を行う際に必要とするエネルギーは、
プリン体の一種であるアデノシン三リン酸(ATP)から供給されます。
***帝人ファーマ株式会社のサイトを参考にさせて頂きました。
ありがとうございます。
https://medical.teijin-pharma.co.jp/materials/iyaku/detail/skhk4v0000000xuk-att/skhk4v0000000xv1.pdf
江部康二
2022年12月01日 (木)
こんにちは
以前ベジタリアンと糖尿病について、質問を頂いたことがあります。
現実にはベジタリアンも糖尿病になります。 (*_*)
私自身も、<玄米魚菜食>を18年間実践中でしたが、
52歳のとき、糖尿病を発症しました。
他にも、マクロビオティック実践中に糖尿病発症という人もおられました。
一旦糖尿病を発症したときは、糖質制限食に勝る治療法はありません。
ベジタリアンと糖質制限食ですが、
「糖質制限食は肉も魚も食べ放題」というのが売りの一つなので、
ベジタリアンで糖質制限食を実践している人は少ないと思います。
ベジタリアンのなかで、白米や白いパンや菓子パンや清涼飲料水というパターンよりは、
玄米や全粒粉のパンとかなら、血糖値が上昇しにくい分、
糖尿病発症予防という観点からは、まだましだとは思います。
例えば欧米の食事のガイドラインには、
基本的に全て「穀物を摂取するなら未精製のものとする」という文言が入っていて、
日本のガイドラインとは明確に温度差があります。
米国の文献で、白米を摂取する人は玄米摂取の人に比し、
糖尿病発症リスクが増加するという報告もあります。
しかし、運動不足の人が大量の炭水化物を摂取する生活が続くならば、
例え未精製の穀物でも、糖尿病発症のリスクとなると思います。
さて、完全植物食だと、人体に必要な要素が不足する恐れがあります。
例えば、ビタミンB12、EPA、DHA、タウリンなどは、
基本的に動物性食品にしか含まれていません。
また鉄には 肉や魚などの動物性食品に多いヘム鉄と、
植物性食品に多い非ヘム鉄が、あります。
ヘム鉄は吸収率が20~30%ですが、非ヘム鉄では5%に過ぎません。
従って、ので注意が必要です。
「玄米菜食+魚貝類+鶏肉+卵」は、
高雄病院でも1984年から給食に導入しました。
おそらく病院給食に玄米を導入したのは、高雄病院が日本で最初だと思います。
現在もアトピー性皮膚炎など糖尿病や肥満以外の患者さんには入院中、供給しています。
幸い、「魚貝類+鶏肉+卵」といった動物食品も食べて貰ってましたので、
ビタミンB12、EPA、DHA、タウリン、鉄の不足はなく、
問題が生じたことは一度もありません。
ベジタリアンで、どうしても動物性食品が嫌なら、
「ビタミンB12、EPA、DHA、タウリン、鉄」などを
サプリで摂取するのが無難です。
せめて魚貝類だけでも、たまにではなく、
しっかり毎日摂取されたら、サプリはいらないと思いますが・・・。
江部康二
以前ベジタリアンと糖尿病について、質問を頂いたことがあります。
現実にはベジタリアンも糖尿病になります。 (*_*)
私自身も、<玄米魚菜食>を18年間実践中でしたが、
52歳のとき、糖尿病を発症しました。
他にも、マクロビオティック実践中に糖尿病発症という人もおられました。
一旦糖尿病を発症したときは、糖質制限食に勝る治療法はありません。
ベジタリアンと糖質制限食ですが、
「糖質制限食は肉も魚も食べ放題」というのが売りの一つなので、
ベジタリアンで糖質制限食を実践している人は少ないと思います。
ベジタリアンのなかで、白米や白いパンや菓子パンや清涼飲料水というパターンよりは、
玄米や全粒粉のパンとかなら、血糖値が上昇しにくい分、
糖尿病発症予防という観点からは、まだましだとは思います。
例えば欧米の食事のガイドラインには、
基本的に全て「穀物を摂取するなら未精製のものとする」という文言が入っていて、
日本のガイドラインとは明確に温度差があります。
米国の文献で、白米を摂取する人は玄米摂取の人に比し、
糖尿病発症リスクが増加するという報告もあります。
しかし、運動不足の人が大量の炭水化物を摂取する生活が続くならば、
例え未精製の穀物でも、糖尿病発症のリスクとなると思います。
さて、完全植物食だと、人体に必要な要素が不足する恐れがあります。
例えば、ビタミンB12、EPA、DHA、タウリンなどは、
基本的に動物性食品にしか含まれていません。
また鉄には 肉や魚などの動物性食品に多いヘム鉄と、
植物性食品に多い非ヘム鉄が、あります。
ヘム鉄は吸収率が20~30%ですが、非ヘム鉄では5%に過ぎません。
従って、ので注意が必要です。
「玄米菜食+魚貝類+鶏肉+卵」は、
高雄病院でも1984年から給食に導入しました。
おそらく病院給食に玄米を導入したのは、高雄病院が日本で最初だと思います。
現在もアトピー性皮膚炎など糖尿病や肥満以外の患者さんには入院中、供給しています。
幸い、「魚貝類+鶏肉+卵」といった動物食品も食べて貰ってましたので、
ビタミンB12、EPA、DHA、タウリン、鉄の不足はなく、
問題が生じたことは一度もありません。
ベジタリアンで、どうしても動物性食品が嫌なら、
「ビタミンB12、EPA、DHA、タウリン、鉄」などを
サプリで摂取するのが無難です。
せめて魚貝類だけでも、たまにではなく、
しっかり毎日摂取されたら、サプリはいらないと思いますが・・・。
江部康二
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