2022年11月29日 (火)
糖質制限食は、すなわち、
<脂質・蛋白質>解禁食でした。
こんばんは。
以前たまごさんからアドバイス頂いたことがあるのですが、
【糖質制限食=<脂質・蛋白質>解禁食】
ということができます。
健康のため、あるいは糖尿病や肥満の改善のため、
医師も栄養士もマスコミもこぞって「カロリー制限、脂質制限」と
金科玉条のように唱えていた時代が、
日本では高度経済成長のあと長らく続いていて、
残念ながら今も同様です。
「カロリー制限、脂質制限」となれば、
カロリーや脂肪の多い、ステーキ、チーズ、バター、ナッツ、チョコレート、オリーブオイル、マヨネーズ・・・などの美味しい食物は、御法度です。
つらいつらい「カロリー制限、脂質制限」を、我慢して長らく続けてきても
肥満、糖尿病、生活習慣病は、全く改善しなかったのが過去の現実です。
信頼度の高い研究論文においても、
『カロリー制限・脂質制限食で、肥満が改善した』
というものは、ほぼ皆無といって良いと思います。
これに対して、<脂質・蛋白質>解禁食(糖質制限食)なら、
ステーキもバターもチーズもナッツもエリスリトールチョコもオリーブオイルもマヨネーズ・・・
も安心して食べることができて、
肥満、糖尿病、生活習慣病は改善していきますから、言うことなしですね。
まさに美味しく楽しく末長く脂質解禁食(糖質制限食)実践で健康を回復できます。
実は、脂質解禁食こそが、日本人本来の食生活なのです。
日本列島に、ヒトが住み始めたのが約38000年前の『旧石器時代』からです。
この頃は、マンモス、ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・
などを狩猟してとり、肉食が主でした。
この食事なら、糖質摂取比率は10%以下と考えられ、
まさに 脂質解禁食(糖質制限食) でした。
スーパー糖質制限食は、
約22000年間続いた、旧石器時代の食生活と同様の
PFC(蛋白質・脂質・炭水化物)の摂取比率です。
以前、スーパー糖質制限食を「新・縄文食」と言っていたことがありますが、
冷静に考えると「新・旧石器時代食」ですね。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁撈も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
当時、手に入れることができた植物食は、
自然薯やコケモモくらいしかありませんでした。
コケモモは、秋になると甘酸っぱい味の赤い実をつけますが、
生で食べることができます。
ともあれ、これらの時代背景を考慮すれば、
旧石器時代の食生活は、9割以上が肉食であったと考えられます。
江部康二
<脂質・蛋白質>解禁食でした。
こんばんは。
以前たまごさんからアドバイス頂いたことがあるのですが、
【糖質制限食=<脂質・蛋白質>解禁食】
ということができます。
健康のため、あるいは糖尿病や肥満の改善のため、
医師も栄養士もマスコミもこぞって「カロリー制限、脂質制限」と
金科玉条のように唱えていた時代が、
日本では高度経済成長のあと長らく続いていて、
残念ながら今も同様です。
「カロリー制限、脂質制限」となれば、
カロリーや脂肪の多い、ステーキ、チーズ、バター、ナッツ、チョコレート、オリーブオイル、マヨネーズ・・・などの美味しい食物は、御法度です。
つらいつらい「カロリー制限、脂質制限」を、我慢して長らく続けてきても
肥満、糖尿病、生活習慣病は、全く改善しなかったのが過去の現実です。
信頼度の高い研究論文においても、
『カロリー制限・脂質制限食で、肥満が改善した』
というものは、ほぼ皆無といって良いと思います。
これに対して、<脂質・蛋白質>解禁食(糖質制限食)なら、
ステーキもバターもチーズもナッツもエリスリトールチョコもオリーブオイルもマヨネーズ・・・
も安心して食べることができて、
肥満、糖尿病、生活習慣病は改善していきますから、言うことなしですね。
まさに美味しく楽しく末長く脂質解禁食(糖質制限食)実践で健康を回復できます。
実は、脂質解禁食こそが、日本人本来の食生活なのです。
日本列島に、ヒトが住み始めたのが約38000年前の『旧石器時代』からです。
この頃は、マンモス、ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・
などを狩猟してとり、肉食が主でした。
この食事なら、糖質摂取比率は10%以下と考えられ、
まさに 脂質解禁食(糖質制限食) でした。
スーパー糖質制限食は、
約22000年間続いた、旧石器時代の食生活と同様の
PFC(蛋白質・脂質・炭水化物)の摂取比率です。
以前、スーパー糖質制限食を「新・縄文食」と言っていたことがありますが、
冷静に考えると「新・旧石器時代食」ですね。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁撈も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。
当時、手に入れることができた植物食は、
自然薯やコケモモくらいしかありませんでした。
コケモモは、秋になると甘酸っぱい味の赤い実をつけますが、
生で食べることができます。
ともあれ、これらの時代背景を考慮すれば、
旧石器時代の食生活は、9割以上が肉食であったと考えられます。
江部康二
2022年11月28日 (月)
こんばんは。
糖質制限食は、必然的に高脂質・高タンパク食となりますが、
血管壁に与える影響は大丈夫なのでしょうか?
動脈硬化にはならないのでしょうか?
現実に、日本の医学界では、
いまだに高脂質食が動脈硬化の元凶とする意見が大勢を占めています。
今回の記事は、イヌイットの食生活の歴史から
糖質制限食と血管・動脈硬化について考察してみます。
4000年前、すでにカナダ極北やアラスカに、
人類(モンゴロイド)が移住し居住していました。
現在のイヌイット文化と同様の生活様式をしていたとは、
必ずしも言えませんが、セイウチ猟など狩猟や漁労を主な生業としていたようです。
現在のイヌイットの生活様式の原型ですが、まず10世紀ごろ、
アラスカイヌイットでホッキョククジラが主食の時代が始まりました。
その後200~300年間で、他の極北周囲地域、
西はシベリア北東端のチュコト半島、東はグリーンランドまで
ホッキョククジラ猟が広まりました。
この文化は、「チューレ文化」と呼ばれています。
その後、12世紀から17世紀にかけて極北地域に寒冷化が起こり、
それまで豊富だったクジラが少なくなりました。
そのためクジラ以外のものを主食とせざるを得なくなり、
各地域でチューレ文化は多様化して、独自の文化が形成されていきました。
イヌイットと言えば誰でもイメージするような、
アザラシ猟をして雪の家に住むという文化は、
15世紀ごろに形成された生活様式です。
ホッキョクイワナ、アザラシ、シロイルカ、カリブーといった食材が
イヌイットの主食となっていきました。
このころは、穀物など一切なしの究極の「スーパー糖質制限食」です。
そして1900年代初頭までは、
この伝統的食生活、つまりスーパー糖質制限食が保たれていました。
ダイアベルグ博士らの試算では、
伝統的食生活の頃(1855年)のイヌイットは3202kcal/日摂取で
比率は ・蛋白質:377g(47.1%)・炭水化物:59g(7.4%)・脂質:162g(45.5%) と、
炭水化物摂取比率がわずか7.4%で、まさにスーパー糖質制限食でした。
この頃は、心筋梗塞も脳梗塞もがんも糖尿病もほぼ皆無です。
約120年後の、1976年のダイアベルグ博士らの調査では、
各栄養素の摂取比率(イヌイット/ デンマーク人)は、
・蛋白質: 23% / 11%
・脂質: 39% / 42%
・炭水化物: 38% / 47%
で、小麦があるていどイヌイット社会に浸透した結果、
炭水化物摂取比率38%と緩やかな糖質制限食に変化しています。
それでも心筋梗塞や脳梗塞が極めて少なかったことが報告されています。
すなわち、動脈硬化が少なかったということです。
同時期、同じくらいの高脂肪食を食べていたデンマーク人においては、
心筋梗塞や脳梗塞が多発していたので、その差が注目されました。
脂質の摂取比率は、両者同じくらいですが、
デンマーク人は、高糖質・低タンパク食であり、
そこが、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞発症に繋がったと考えられます。
このようにイヌイットの食生活でも明らかなように、
糖質制限食により、動脈硬化が予防できる可能性が高いのです。
今まで西洋医学でEBMとして、
動脈硬化のリスク要因といわれていた因子が、
全て糖質制限食で改善します。
HDL-C、LDL-C、TG(中性脂肪)、血糖値、HbA1c・・・
従いまして、高脂質・高タンパク・低糖質食で
血管が脆くなるどころが丈夫になると考えられます。
このように、西洋医学のEBMが正しいならば、
糖質制限食実践による血管壁への影響は、好ましいもの以外は考えられません。
なお米国糖尿病学会は、2019年4月のコンセンサス・レポートで
「糖質制限食は、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。」
と明言し、食事療法として一推しで推奨しています。
2020年、2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
江部康二
糖質制限食は、必然的に高脂質・高タンパク食となりますが、
血管壁に与える影響は大丈夫なのでしょうか?
動脈硬化にはならないのでしょうか?
現実に、日本の医学界では、
いまだに高脂質食が動脈硬化の元凶とする意見が大勢を占めています。
今回の記事は、イヌイットの食生活の歴史から
糖質制限食と血管・動脈硬化について考察してみます。
4000年前、すでにカナダ極北やアラスカに、
人類(モンゴロイド)が移住し居住していました。
現在のイヌイット文化と同様の生活様式をしていたとは、
必ずしも言えませんが、セイウチ猟など狩猟や漁労を主な生業としていたようです。
現在のイヌイットの生活様式の原型ですが、まず10世紀ごろ、
アラスカイヌイットでホッキョククジラが主食の時代が始まりました。
その後200~300年間で、他の極北周囲地域、
西はシベリア北東端のチュコト半島、東はグリーンランドまで
ホッキョククジラ猟が広まりました。
この文化は、「チューレ文化」と呼ばれています。
その後、12世紀から17世紀にかけて極北地域に寒冷化が起こり、
それまで豊富だったクジラが少なくなりました。
そのためクジラ以外のものを主食とせざるを得なくなり、
各地域でチューレ文化は多様化して、独自の文化が形成されていきました。
イヌイットと言えば誰でもイメージするような、
アザラシ猟をして雪の家に住むという文化は、
15世紀ごろに形成された生活様式です。
ホッキョクイワナ、アザラシ、シロイルカ、カリブーといった食材が
イヌイットの主食となっていきました。
このころは、穀物など一切なしの究極の「スーパー糖質制限食」です。
そして1900年代初頭までは、
この伝統的食生活、つまりスーパー糖質制限食が保たれていました。
ダイアベルグ博士らの試算では、
伝統的食生活の頃(1855年)のイヌイットは3202kcal/日摂取で
比率は ・蛋白質:377g(47.1%)・炭水化物:59g(7.4%)・脂質:162g(45.5%) と、
炭水化物摂取比率がわずか7.4%で、まさにスーパー糖質制限食でした。
この頃は、心筋梗塞も脳梗塞もがんも糖尿病もほぼ皆無です。
約120年後の、1976年のダイアベルグ博士らの調査では、
各栄養素の摂取比率(イヌイット/ デンマーク人)は、
・蛋白質: 23% / 11%
・脂質: 39% / 42%
・炭水化物: 38% / 47%
で、小麦があるていどイヌイット社会に浸透した結果、
炭水化物摂取比率38%と緩やかな糖質制限食に変化しています。
それでも心筋梗塞や脳梗塞が極めて少なかったことが報告されています。
すなわち、動脈硬化が少なかったということです。
同時期、同じくらいの高脂肪食を食べていたデンマーク人においては、
心筋梗塞や脳梗塞が多発していたので、その差が注目されました。
脂質の摂取比率は、両者同じくらいですが、
デンマーク人は、高糖質・低タンパク食であり、
そこが、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞発症に繋がったと考えられます。
このようにイヌイットの食生活でも明らかなように、
糖質制限食により、動脈硬化が予防できる可能性が高いのです。
今まで西洋医学でEBMとして、
動脈硬化のリスク要因といわれていた因子が、
全て糖質制限食で改善します。
HDL-C、LDL-C、TG(中性脂肪)、血糖値、HbA1c・・・
従いまして、高脂質・高タンパク・低糖質食で
血管が脆くなるどころが丈夫になると考えられます。
このように、西洋医学のEBMが正しいならば、
糖質制限食実践による血管壁への影響は、好ましいもの以外は考えられません。
なお米国糖尿病学会は、2019年4月のコンセンサス・レポートで
「糖質制限食は、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。」
と明言し、食事療法として一推しで推奨しています。
2020年、2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
江部康二
2022年11月27日 (日)
こんにちは。
糖尿人さんからコメント頂きましたサイト
https://www.youtube.com/watch?v=RKhoDj6zQIY&t=12s
ワクチン接種後死亡者のご遺族の動画です。
ご遺族の無念さを思うと、とてもつらいです。
新型コロナワクチンは、
インフルエンザワクチンの10倍近い副反応(副作用)の報告があります。
そしてワクチン接種後死亡者は、報告されただけで1900人を超えています。
厚生労働省は、そのほとんどを因果関係不明として切り捨てています。
報告されていない死亡者も多いと思います。
全国有志医師の会、遺族会の緊急会見をW解説【大石が深掘り解説】
https://www.youtube.com/watch?v=al42A1SOLgY
CBCニュース【CBCテレビ公式】
東京のテレビ局、NHK、朝日、読売、毎日放送などは
ワクチン接種後の死者や後遺症について、ほとんど放送しません。
一方名古屋のCBCニュースは、積極的に取り上げて、遺族を支援しています。
あと神戸のサンテレビも同様で、遺族を支援しています。
また、新型コロナワクチン接種開始後、
帯状疱疹の患者数が1.5~2倍に増加しています。
「帯状ほう疹」患者が急増 3回目接種後に発症した男性(20代)の場合は…
2022年04月06日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5928.html
これは、このワクチチンが人体の自然免疫を低下させているということです。
こんなワクチンは、打ってはいけません。
少し前、毎日新聞のサイトに
2022年9月27日
https://mainichi.jp/articles/20220927/ddl/k27/040/315000c
新型コロナくらし情報 ワクチン2回接種後の死亡
免疫調節機能、過剰反応か 広大教授らまとめ
という記事が載りました。
記事によるとワクチン接種後の死亡は以下の青字の記載の如くです。
【ワクチン接種後の死亡
新型コロナウイルスワクチン接種後に死亡した人は国内で1800人以上報告されている。
死因は心不全や脳卒中などが多い。
ワクチン接種との因果関係については厚生労働省の検討部会で検証されるが、
大半は「情報不足で評価できない」とされ、因果関係が認められた事例はない。
一方より広く救済することが目的の予防接種健康被害救済制度では、
70~90代で死亡した3人の申請について「ワクチンとの因果関係が否定できない」として救済認定され、
死亡一時金の請求が認められている。】
ワクチン接種後の死亡が、2022年9月27日時点までで
すでに1800人以上報告されています。
報告義務はないので、この数字は、医師や家族が自主的に報告したものです。
そうすると、実数はもっともっと多い可能性が高いです。
その後、2022年11月には、ワクチン接種後死者数は1900人以上となっています。
厚生労働省の検討部会で検証して
因果関係がみとめられた事例はないそうです。
しかし、ワクチンを接種するまで、
普通に健康に生活していたケースも多いでしょう。
そのような死亡例は、
『ワクチン接種と因果関係がないと証明することは困難である。』
と言わざるを得ません。
即ち、厚生労働省の検討部会の「因果関係不明」という結論は
本末転倒もいいところで、お粗末です。
1800名以上の死亡者の中で、3名だけが救済認定されたということですが、
あまりにも少なすぎます。
広島大学法医学教室で原因がわからず死亡した4名を調べています。
20代から50代と若い年代ですので、
ワクチンを接種していなければ、
今まで通り健康に生活していた可能性が高い人達です。
これらの4名は、2回目のワクチン接種を引き金にして
「サイトカインストーム」を発症して亡くなられました。
新型コロナワクチン接種後死亡例の原因の一つとして有力と思われます。
ワクチンは基本、多くの健康な人に接種するものですから、
この4名のようなケースは、本来あってはならないものと言えます。
【ワクチン接種100万回あたりの死亡率
インフルエンザワクチン:0.1~0.2件
新型コロナワクチン:9.26件
月間保団連11
November 2021
No.1356 35-39
新型コロナウイルスワクチンにおける情報公開
小島 盛二 名古屋大学名誉教授 】
100万回あたりの死亡率は、インフルエンザワクチンの
46倍~92倍ですから、桁違いに多いです。
大きなリスクのあるワクチンであり、
私は接種しません。
江部康二
以下の青字の記載は毎日新聞記事の要約です。
【毎日新聞 2022/9/27
https://mainichi.jp/articles/20220927/ddl/k27/040/315000c
新型コロナくらし情報 ワクチン2回接種後の死亡
免疫調節機能、過剰反応か 広大教授らまとめ
新型コロナウイルスワクチンを2回接種後、原因が分からずに死亡した4人を調べた結果、
いずれも炎症に関わる遺伝子が過剰に働き、死亡時の推定体温が高いという特徴があったとする研究成果を、
広島大の長尾正崇教授(法医学)らのチームが17日までにまとめた。
死亡時推定体温は39~46度
チームはウイルスを攻撃する免疫調節機能が過剰反応し、
患者の身体を攻撃する「サイトカインストーム」が起きて死亡した可能性があるとみており、
「接種後に解熱剤を服用しても40度を超える高熱が出た場合は、慎重に対応してほしい」と訴えている。
チームは接種後1~10日に死亡した20~50代の男性を解剖。
死因は特定できなかったが、臓器のうっ血など突然死に似た特徴があった。
さらに血液からリボ核酸(RNA)の一部を解析。
失血死などで死亡したケースと比べると、炎症に関わる遺伝子が過剰に働いており、
サイトカインストームが起きたのではないかとみている。
死亡時の推定体温は39~46度だった。
なぜサイトカインストームが起きたかは分からないが、
1回目の接種で免疫機能がワクチンに反応しやすくなり、2回目で過剰反応が起きた可能性があるとしている。
長尾教授は「感染した際に重症化を防ぐにはワクチン接種が不可欠。
一方でどんな人が副反応が起きやすいのかさらに調べる必要がある」と話している。
サイトカインストームは、免疫細胞がウイルスや細菌などから体を守ろうとして
サイトカインと呼ばれるタンパク質を過剰に放出する現象。
さまざまな臓器が損傷し死亡することもある。
新型コロナに感染しても起きることがあるとされる。】
糖尿人さんからコメント頂きましたサイト
https://www.youtube.com/watch?v=RKhoDj6zQIY&t=12s
ワクチン接種後死亡者のご遺族の動画です。
ご遺族の無念さを思うと、とてもつらいです。
新型コロナワクチンは、
インフルエンザワクチンの10倍近い副反応(副作用)の報告があります。
そしてワクチン接種後死亡者は、報告されただけで1900人を超えています。
厚生労働省は、そのほとんどを因果関係不明として切り捨てています。
報告されていない死亡者も多いと思います。
全国有志医師の会、遺族会の緊急会見をW解説【大石が深掘り解説】
https://www.youtube.com/watch?v=al42A1SOLgY
CBCニュース【CBCテレビ公式】
東京のテレビ局、NHK、朝日、読売、毎日放送などは
ワクチン接種後の死者や後遺症について、ほとんど放送しません。
一方名古屋のCBCニュースは、積極的に取り上げて、遺族を支援しています。
あと神戸のサンテレビも同様で、遺族を支援しています。
また、新型コロナワクチン接種開始後、
帯状疱疹の患者数が1.5~2倍に増加しています。
「帯状ほう疹」患者が急増 3回目接種後に発症した男性(20代)の場合は…
2022年04月06日 (水)
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5928.html
これは、このワクチチンが人体の自然免疫を低下させているということです。
こんなワクチンは、打ってはいけません。
少し前、毎日新聞のサイトに
2022年9月27日
https://mainichi.jp/articles/20220927/ddl/k27/040/315000c
新型コロナくらし情報 ワクチン2回接種後の死亡
免疫調節機能、過剰反応か 広大教授らまとめ
という記事が載りました。
記事によるとワクチン接種後の死亡は以下の青字の記載の如くです。
【ワクチン接種後の死亡
新型コロナウイルスワクチン接種後に死亡した人は国内で1800人以上報告されている。
死因は心不全や脳卒中などが多い。
ワクチン接種との因果関係については厚生労働省の検討部会で検証されるが、
大半は「情報不足で評価できない」とされ、因果関係が認められた事例はない。
一方より広く救済することが目的の予防接種健康被害救済制度では、
70~90代で死亡した3人の申請について「ワクチンとの因果関係が否定できない」として救済認定され、
死亡一時金の請求が認められている。】
ワクチン接種後の死亡が、2022年9月27日時点までで
すでに1800人以上報告されています。
報告義務はないので、この数字は、医師や家族が自主的に報告したものです。
そうすると、実数はもっともっと多い可能性が高いです。
その後、2022年11月には、ワクチン接種後死者数は1900人以上となっています。
厚生労働省の検討部会で検証して
因果関係がみとめられた事例はないそうです。
しかし、ワクチンを接種するまで、
普通に健康に生活していたケースも多いでしょう。
そのような死亡例は、
『ワクチン接種と因果関係がないと証明することは困難である。』
と言わざるを得ません。
即ち、厚生労働省の検討部会の「因果関係不明」という結論は
本末転倒もいいところで、お粗末です。
1800名以上の死亡者の中で、3名だけが救済認定されたということですが、
あまりにも少なすぎます。
広島大学法医学教室で原因がわからず死亡した4名を調べています。
20代から50代と若い年代ですので、
ワクチンを接種していなければ、
今まで通り健康に生活していた可能性が高い人達です。
これらの4名は、2回目のワクチン接種を引き金にして
「サイトカインストーム」を発症して亡くなられました。
新型コロナワクチン接種後死亡例の原因の一つとして有力と思われます。
ワクチンは基本、多くの健康な人に接種するものですから、
この4名のようなケースは、本来あってはならないものと言えます。
【ワクチン接種100万回あたりの死亡率
インフルエンザワクチン:0.1~0.2件
新型コロナワクチン:9.26件
月間保団連11
November 2021
No.1356 35-39
新型コロナウイルスワクチンにおける情報公開
小島 盛二 名古屋大学名誉教授 】
100万回あたりの死亡率は、インフルエンザワクチンの
46倍~92倍ですから、桁違いに多いです。
大きなリスクのあるワクチンであり、
私は接種しません。
江部康二
以下の青字の記載は毎日新聞記事の要約です。
【毎日新聞 2022/9/27
https://mainichi.jp/articles/20220927/ddl/k27/040/315000c
新型コロナくらし情報 ワクチン2回接種後の死亡
免疫調節機能、過剰反応か 広大教授らまとめ
新型コロナウイルスワクチンを2回接種後、原因が分からずに死亡した4人を調べた結果、
いずれも炎症に関わる遺伝子が過剰に働き、死亡時の推定体温が高いという特徴があったとする研究成果を、
広島大の長尾正崇教授(法医学)らのチームが17日までにまとめた。
死亡時推定体温は39~46度
チームはウイルスを攻撃する免疫調節機能が過剰反応し、
患者の身体を攻撃する「サイトカインストーム」が起きて死亡した可能性があるとみており、
「接種後に解熱剤を服用しても40度を超える高熱が出た場合は、慎重に対応してほしい」と訴えている。
チームは接種後1~10日に死亡した20~50代の男性を解剖。
死因は特定できなかったが、臓器のうっ血など突然死に似た特徴があった。
さらに血液からリボ核酸(RNA)の一部を解析。
失血死などで死亡したケースと比べると、炎症に関わる遺伝子が過剰に働いており、
サイトカインストームが起きたのではないかとみている。
死亡時の推定体温は39~46度だった。
なぜサイトカインストームが起きたかは分からないが、
1回目の接種で免疫機能がワクチンに反応しやすくなり、2回目で過剰反応が起きた可能性があるとしている。
長尾教授は「感染した際に重症化を防ぐにはワクチン接種が不可欠。
一方でどんな人が副反応が起きやすいのかさらに調べる必要がある」と話している。
サイトカインストームは、免疫細胞がウイルスや細菌などから体を守ろうとして
サイトカインと呼ばれるタンパク質を過剰に放出する現象。
さまざまな臓器が損傷し死亡することもある。
新型コロナに感染しても起きることがあるとされる。】
2022年11月25日 (金)
こんばんは。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14
▼ 『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
https://youtu.be/_BQiQv4Pg8k
のご案内です。
今回のテーマですが、原点に戻って、
「糖質制限食は巷で言われているような変わった食事なのか?」
ということを考察してみました。
まずは日本列島にヒトが住みついた
38000年前の旧石器時代の食生活から開始です。
結論をいうと『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』でした。
以前は『新縄文食』と言っていましたが、
糖質摂取比率10%ていどのスーパー糖質制限食は
旧石器時代の食事とほぼ一緒でした。
そして、旧石器時代は約22000年間という長期にわたって続きましたが、
この時に日本人の消化・吸収・生理・代謝システムなどが完成されたわけです。
従って我々日本人の身体は、
『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』に最も適合していると考えられます。
詳しくはユーチューブをご視聴頂ければ幸いです。
なお、旧石器~弥生時代を原始時代と呼ぶとは浅学にして知りませんでした。
糖質制限食に関して、米国糖尿病学会は、
2019年4月のコンセンサス・レポートで
『エビデンスが最も豊富なのは糖質制限食である』と明言して以降は、
2020年、2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
このように糖質制限食には
エビデンスに基づいた米国糖尿病学会のお墨付きがあります。
私は、糖質制限食はブームではなく、生理学的なな真実そのものと考えています。
従ってブームのように消え去ることはなく、
今後もどんどん繁栄していくと思っています。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14」の配信をご案内申し上げます。
テーマは「糖質制限食は変わった食事か? ~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える」です。
・日本の旧石器、縄文、弥生の各時代の食生活
・糖質制限食の定義と高雄病院の3つのコース
・旧石器時代の食生活とスーパー糖質制限食
・日本人が精製炭水化物を食べ始めたのはいつ頃か
・生活習慣病の根本要因
等について述べつつ、糖質制限食はどのような食事と言えるかを話しております。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.14
『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
https://youtu.be/_BQiQv4Pg8k
ご覧いただけますと、また、ご興味のある方へシェアしていただけますと幸いです。
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14
▼ 『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
https://youtu.be/_BQiQv4Pg8k
のご案内です。
今回のテーマですが、原点に戻って、
「糖質制限食は巷で言われているような変わった食事なのか?」
ということを考察してみました。
まずは日本列島にヒトが住みついた
38000年前の旧石器時代の食生活から開始です。
結論をいうと『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』でした。
以前は『新縄文食』と言っていましたが、
糖質摂取比率10%ていどのスーパー糖質制限食は
旧石器時代の食事とほぼ一緒でした。
そして、旧石器時代は約22000年間という長期にわたって続きましたが、
この時に日本人の消化・吸収・生理・代謝システムなどが完成されたわけです。
従って我々日本人の身体は、
『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』に最も適合していると考えられます。
詳しくはユーチューブをご視聴頂ければ幸いです。
なお、旧石器~弥生時代を原始時代と呼ぶとは浅学にして知りませんでした。
糖質制限食に関して、米国糖尿病学会は、
2019年4月のコンセンサス・レポートで
『エビデンスが最も豊富なのは糖質制限食である』と明言して以降は、
2020年、2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
このように糖質制限食には
エビデンスに基づいた米国糖尿病学会のお墨付きがあります。
私は、糖質制限食はブームではなく、生理学的なな真実そのものと考えています。
従ってブームのように消え去ることはなく、
今後もどんどん繁栄していくと思っています。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14」の配信をご案内申し上げます。
テーマは「糖質制限食は変わった食事か? ~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える」です。
・日本の旧石器、縄文、弥生の各時代の食生活
・糖質制限食の定義と高雄病院の3つのコース
・旧石器時代の食生活とスーパー糖質制限食
・日本人が精製炭水化物を食べ始めたのはいつ頃か
・生活習慣病の根本要因
等について述べつつ、糖質制限食はどのような食事と言えるかを話しております。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.14
『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
https://youtu.be/_BQiQv4Pg8k
ご覧いただけますと、また、ご興味のある方へシェアしていただけますと幸いです。
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
2022年11月24日 (木)
こんにちは。
高雄病院における糖尿病患者さんの糖質制限食入院治療ですが、
まず外来診察を経て、担当医が入院の適応ありと判断して、
入院の手続きが始まります。
入院OKとなれば、入院担当職員と相談していただき、
入院日、入院期間などを決めていきます。
現時点で、新型コロナウイルス対応のため
やや決めごとが以前より植えています。
通常、2週間~3週間くらいの入院が多いですが、
減量も兼ねての場合などは1ヶ月でも大丈夫です。
糖尿病や肥満が改善すれば、
高脂血症、喘息、痛風、睡眠時無呼吸症候群、高血圧、脂肪肝なども
良くなると思います。
糖尿病や脂質異常症や脂肪肝などの病名があれば、健康保険が効きます。
高雄病院には、月に数名の糖尿人が、
全国から糖質制限食治療を希望して入院されます。
遠方の方は、入院して糖質制限食で糖尿病自己管理の体験をし知識を会得してもらい、
退院されたら地元の医師にフォローしていただきます。
京都や近くの糖尿人でも、外来で、なかなか血糖値が下がりきらない時などは、
入院すると改善する人がほとんどですので、
『コントロール・教育入院』の適応となります。
入院後まずはCGM(☆)を装着し、14日間継続します。
初回入院の場合は、最初の2日間は、
経口糖尿病薬やインスリン注射は、今まで通りとして、
従来の糖尿病食(高糖質食)を食べて頂き血糖の変動をみます。
投薬は今まで通りしていても、
糖質ありの食事の度に血糖値は200mg/dlを軽く超えてきます。
入院3日目からは、スーパー糖質制限食開始です。
内服薬中止しても、血糖コントロール良好となることがほとんどです。
インスリン注射をされている時は、
3~4週間あった方が確実に単位を減量できます。
インスリンの量は1/3以下になります。
内因性インスリンがあるていど残存している方は、
インスリン離脱もできることがあります。
2型だけでなく、1型の糖尿人でも、インスリンの量は1/3以下になります。
入院して、CGMを装着することで、
『一日中15分ごとに14日間』のブドウ測定が可能となります。
「従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)」と「糖質制限食」の治療効果の差が
リアルタイムに確認できます。
血糖値を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質はあげないということを、
身をもって体験することで、糖質制限食へのモチベーションが高まります。
入院して糖質制限食を摂取してのCGM検査を実施しているのは、
日本中で高雄病院以外はほとんどありません。
同一カロリーでも、糖質を摂取すれば、
インスリン注射や経口血糖降下剤を内服していても、
食後血糖値は200mg/dlを超えることが多いですが、
スーパー糖質制限食なら、薬・注射なしで食後血糖値は160mg/dlのことがほとんどです。
勿論、個人差はあります。
入院中はその他、頭部CTや頸動脈エコーや心エコーなど、
糖尿病に関連するいろいろな検査もあります。
一日の尿をためて、
尿糖測定やインスリン分泌量測定(尿中Cペプチド測定)も行います。
一日尿のCペプチド測定で、トータルなインスリンの分泌量がチェックできます。
早朝空腹時の血中IRI(インスリン)を検査するか、
Cペプチド(インスリン注射をしている人はこちらを測定)を調べることで、
自分の基礎分泌のインスリンがどのくらいでているかわかります。
インスリン抵抗性の検査やインスリン追加分泌能の検査もあります。
管理栄養士による具体的な栄養指導もあります。
糖質制限食を体験し学ばれて、退院後は地元の病院で通院され、
6ヶ月に一回くらい京都観光を兼ねて高雄病院外来に来て頂いている方もおられます。
遠方の場合、年に一回、糖質制限食入院をされる方もおられます。
入院・外来治療の実績があれば、
高雄病院へ電話して頂き、栄養相談やメールでの質問もOKです。
高雄病院では現実に、北海道から沖縄まで、
日本全国、様々な遠方地域の糖尿人が入院治療されることが多いです。
糖質制限食入院をご希望の方は、
まずは高雄病院(075-871-0245)に電話でご相談頂ければ幸いです。
(☆)CGM:持続ブドウ糖測定
CGMは持続ブドウ糖測定(Continuous Glucose Monitoring)の略称。
15分間隔で継続的な、組織間液のブドウ糖測定が可能となる。
<24時間×14日間>の測定ができる
CGMを用いることで、これまで測定が難しかった血糖値の変動を把
握できるようになり、より適切な治療方針が期待できる。
江部康二
高雄病院における糖尿病患者さんの糖質制限食入院治療ですが、
まず外来診察を経て、担当医が入院の適応ありと判断して、
入院の手続きが始まります。
入院OKとなれば、入院担当職員と相談していただき、
入院日、入院期間などを決めていきます。
現時点で、新型コロナウイルス対応のため
やや決めごとが以前より植えています。
通常、2週間~3週間くらいの入院が多いですが、
減量も兼ねての場合などは1ヶ月でも大丈夫です。
糖尿病や肥満が改善すれば、
高脂血症、喘息、痛風、睡眠時無呼吸症候群、高血圧、脂肪肝なども
良くなると思います。
糖尿病や脂質異常症や脂肪肝などの病名があれば、健康保険が効きます。
高雄病院には、月に数名の糖尿人が、
全国から糖質制限食治療を希望して入院されます。
遠方の方は、入院して糖質制限食で糖尿病自己管理の体験をし知識を会得してもらい、
退院されたら地元の医師にフォローしていただきます。
京都や近くの糖尿人でも、外来で、なかなか血糖値が下がりきらない時などは、
入院すると改善する人がほとんどですので、
『コントロール・教育入院』の適応となります。
入院後まずはCGM(☆)を装着し、14日間継続します。
初回入院の場合は、最初の2日間は、
経口糖尿病薬やインスリン注射は、今まで通りとして、
従来の糖尿病食(高糖質食)を食べて頂き血糖の変動をみます。
投薬は今まで通りしていても、
糖質ありの食事の度に血糖値は200mg/dlを軽く超えてきます。
入院3日目からは、スーパー糖質制限食開始です。
内服薬中止しても、血糖コントロール良好となることがほとんどです。
インスリン注射をされている時は、
3~4週間あった方が確実に単位を減量できます。
インスリンの量は1/3以下になります。
内因性インスリンがあるていど残存している方は、
インスリン離脱もできることがあります。
2型だけでなく、1型の糖尿人でも、インスリンの量は1/3以下になります。
入院して、CGMを装着することで、
『一日中15分ごとに14日間』のブドウ測定が可能となります。
「従来の糖尿病食(カロリー制限高糖質食)」と「糖質制限食」の治療効果の差が
リアルタイムに確認できます。
血糖値を上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質はあげないということを、
身をもって体験することで、糖質制限食へのモチベーションが高まります。
入院して糖質制限食を摂取してのCGM検査を実施しているのは、
日本中で高雄病院以外はほとんどありません。
同一カロリーでも、糖質を摂取すれば、
インスリン注射や経口血糖降下剤を内服していても、
食後血糖値は200mg/dlを超えることが多いですが、
スーパー糖質制限食なら、薬・注射なしで食後血糖値は160mg/dlのことがほとんどです。
勿論、個人差はあります。
入院中はその他、頭部CTや頸動脈エコーや心エコーなど、
糖尿病に関連するいろいろな検査もあります。
一日の尿をためて、
尿糖測定やインスリン分泌量測定(尿中Cペプチド測定)も行います。
一日尿のCペプチド測定で、トータルなインスリンの分泌量がチェックできます。
早朝空腹時の血中IRI(インスリン)を検査するか、
Cペプチド(インスリン注射をしている人はこちらを測定)を調べることで、
自分の基礎分泌のインスリンがどのくらいでているかわかります。
インスリン抵抗性の検査やインスリン追加分泌能の検査もあります。
管理栄養士による具体的な栄養指導もあります。
糖質制限食を体験し学ばれて、退院後は地元の病院で通院され、
6ヶ月に一回くらい京都観光を兼ねて高雄病院外来に来て頂いている方もおられます。
遠方の場合、年に一回、糖質制限食入院をされる方もおられます。
入院・外来治療の実績があれば、
高雄病院へ電話して頂き、栄養相談やメールでの質問もOKです。
高雄病院では現実に、北海道から沖縄まで、
日本全国、様々な遠方地域の糖尿人が入院治療されることが多いです。
糖質制限食入院をご希望の方は、
まずは高雄病院(075-871-0245)に電話でご相談頂ければ幸いです。
(☆)CGM:持続ブドウ糖測定
CGMは持続ブドウ糖測定(Continuous Glucose Monitoring)の略称。
15分間隔で継続的な、組織間液のブドウ糖測定が可能となる。
<24時間×14日間>の測定ができる
CGMを用いることで、これまで測定が難しかった血糖値の変動を把
握できるようになり、より適切な治療方針が期待できる。
江部康二
2022年11月23日 (水)

医者が教える 正しい糖質の減らし方 (TJMOOK) ムック – 2022/5/26
江部 康二 (監修) 宝島社
https://www.amazon.co.jp/dp/429902981X/
こんばんは。
『医者が教える 正しい糖質の減らし方 』
が、2022年5月26日(木)刊行されました。
おかげさまで、2022年9月、重版となりました。
初版が20000部、重版が8000部で、合計28000部です。
自画自賛になりますが、最新の知識も含めて、
とてもわかりやすく、よくまとまっています。 (^^)
コロナ禍前のとある1週間に、私が食べた糖質制限食も掲載されています。
外食もありの月曜日から土曜日まで、実際に食べたメニューです。
コロナ禍以降は、外食は一切していません。
そして、
何だか、恥ずかしいのですが、7ページに私の全身の写真が載っています。
超健康体 江部康二
糖質制限20年目!72歳で持病なし、
虫歯なし、20代の体型をしっかり維持
身長:167cm/体重:57kg
髪:白髪はあるが薄毛には悩んでいない
耳:聴力低下もなく、患者さんとも楽しくお喋りできる
肌:シワもなくツヤがありつるんとした肌。
肌年齢は52歳。
糖質制限を始めた年齢で止まったまま。
睡眠:毎日7時間睡眠。
夜中に尿意で目覚めることもなく睡眠の質は極めて良好。
運動:日頃からよく歩くことを心がけているが
ジム通いなどの経験はなし。
1~2週間に1回
趣味のテニスをしている。
目:視力良好。
近視、遠視、乱視はあるが
それがほどよく相まって、
『広辞苑』の小さな文字が
裸眼で読めるほどの
視力を維持している。
歯:歯は全部残っている。
虫歯ゼロ、歯周病もなし。
食後歯磨き、
寝る前はていねい磨き。
それと、年に1度歯科健診で
歯石除去をしているだけ
脂肪:コレステロール値も
中性脂肪値も基準値内。
もちろんお腹もでていない
常備薬:定期的に飲んでいる薬なし。
サプリメントも
一切のんでいない
糖質制限ダイエットはブームを超え、もはや定番となっています。
しかし、ハードな糖質制限はハードルが高く、挫折する人も多いのが実情です。
そこで、糖質制限のパイオニアである江部康二が監修して、
改めて知りたい「糖質の正しい減らし方」を教えます。
はじめて糖質制限をする人、かつて制限したけどリバウンドした人、
これからの人生を軽やかに元気に暮らしたい人に最適な一冊です。
江部康二
2022年11月22日 (火)
こんにちは。
11/22(火)
起床時、血圧122/77。脈拍80/分。167cm。57.3kg。
今朝は晴天なので、少し元気を出して、
嵯峨天皇陵まで参拝しようと思いました。
嵯峨天皇陵は正式には、
嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ) と呼ぶのだそうです
階段下の参道入口から、石段が九十九折に約500m続きます。
何と530段あります。
長い長い石段の折り返しが、
際限なく続くイメージで山頂の山上陵(やまのえのみささぎ)まで続くので
結構、大変な道のりで、以前一回登ったときは、なかなかしんどかったです。
午前7時7分、嵯峨広沢の自宅を出発しました。
7時17分、広沢池のお堂の所にウォーキングで到着です。
そこから緩い登り道を、約22分間ジョギングで後宇多天皇陵を超え、
7時29分、嵯峨天皇陵参道口に到着です。
天皇陵の九十九折りの石段を登りきるのに約13分かかりました。
途中、木々の切れ目で、10~20秒くらい、眼下の眺望を楽しみました。
広沢の池、大沢の池、大覚寺が一望でき、
丸太町あたりの町並みもきれいに見えます。
はるか彼方には朝靄(あさもや)に煙る山並みが見晴らせます。
木々の切れ目のある2カ所で、抜群の眺望を楽しみました。
嵯峨天皇陵を一周できる細道を散策し、天皇陵前の広場でストレッチをしました。
そのあと階段を下るのに約12分かかりました。
途中、木々の切れ目で、2回ほど、10~20秒くらい眺望を楽しみました。
今回は2回目で、延々と続く階段は、織り込み済みだったので
そんなにしんどく感じませんでした。
下りの階段で少し、膝が笑いそうになりかけましたが大丈夫でした
階段下を8時6分に出発し、ジョギングで広沢池のお堂前に到着したのが、
8時27分で、約21分間です。
そこからウォーキングで、午前8時37分、家に到着しました。
自宅から嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ)山頂まで
往復して、合計約11000歩でした。
なかなか有意義な朝でした。
爽やかな気分で、身も心も洗われる感覚と言ったら言い過ぎですかね。
ブログ読者の皆さんも、体力と暇のある方は、
是非、嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ)参拝を
試みられては如何でしょうか?
きっと満足して頂けると思いますよ。
江部康二
11/22(火)
起床時、血圧122/77。脈拍80/分。167cm。57.3kg。
今朝は晴天なので、少し元気を出して、
嵯峨天皇陵まで参拝しようと思いました。
嵯峨天皇陵は正式には、
嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ) と呼ぶのだそうです
階段下の参道入口から、石段が九十九折に約500m続きます。
何と530段あります。
長い長い石段の折り返しが、
際限なく続くイメージで山頂の山上陵(やまのえのみささぎ)まで続くので
結構、大変な道のりで、以前一回登ったときは、なかなかしんどかったです。
午前7時7分、嵯峨広沢の自宅を出発しました。
7時17分、広沢池のお堂の所にウォーキングで到着です。
そこから緩い登り道を、約22分間ジョギングで後宇多天皇陵を超え、
7時29分、嵯峨天皇陵参道口に到着です。
天皇陵の九十九折りの石段を登りきるのに約13分かかりました。
途中、木々の切れ目で、10~20秒くらい、眼下の眺望を楽しみました。
広沢の池、大沢の池、大覚寺が一望でき、
丸太町あたりの町並みもきれいに見えます。
はるか彼方には朝靄(あさもや)に煙る山並みが見晴らせます。
木々の切れ目のある2カ所で、抜群の眺望を楽しみました。
嵯峨天皇陵を一周できる細道を散策し、天皇陵前の広場でストレッチをしました。
そのあと階段を下るのに約12分かかりました。
途中、木々の切れ目で、2回ほど、10~20秒くらい眺望を楽しみました。
今回は2回目で、延々と続く階段は、織り込み済みだったので
そんなにしんどく感じませんでした。
下りの階段で少し、膝が笑いそうになりかけましたが大丈夫でした
階段下を8時6分に出発し、ジョギングで広沢池のお堂前に到着したのが、
8時27分で、約21分間です。
そこからウォーキングで、午前8時37分、家に到着しました。
自宅から嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ)山頂まで
往復して、合計約11000歩でした。
なかなか有意義な朝でした。
爽やかな気分で、身も心も洗われる感覚と言ったら言い過ぎですかね。
ブログ読者の皆さんも、体力と暇のある方は、
是非、嵯峨山上陵(さがのやまのえのみささぎ)参拝を
試みられては如何でしょうか?
きっと満足して頂けると思いますよ。
江部康二
2022年11月21日 (月)
こんばんは。
内服薬なしのスーパー糖質制限食を実践中の糖尿人において、
食前より食後の血糖値が下がることが時々あります。
高雄病院入院中のスーパー糖質制限食実践中の糖尿人において、
この現象は複数、確認されています。
普通の糖尿病食(高糖質・低脂肪食)では、
内服薬やインスリン注射がない限り、
食後血糖値は必ず上昇するので、
このような現象は起こりません・
インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、
糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。(*)
食事を食べたときに出る追加分泌インスリンには、
元々プールされている第一相と、
その後糖質量に応じて新たに分泌される第二相があります。
食前より食後の血糖値が下がるメカニズムですが、
摂取した糖質量にぴったりマッチするよりも、
少しだけ多めの第一相インスリンが分泌されたものと考えられます。
スーパー糖質制限食に含まれる糖質量が数グラムとか少ないと、
そのようになりやすいです。
2021年9月29日(水)
15時 血糖値:116mg
菓子職人の三食チョコレートムースケーキ100g摂取
16時 60分後血糖値:110mg
糖質含有量が3.99gですが、60分後血糖値がかえって下がりました。
3.99gの糖質に対して
私の追加分泌インスリン第一相がでて、
「3.99g×3mg=12mg」分の上昇予定をカバーして
少し余裕があって余った分、血糖値が下がったのでしょう。
江部康二
(*)
タンパク質摂取時にも少量のインスリンが追加分泌されますが、同時にグルカゴンも分泌されて、その効果は相殺されるので、通常はタンパク質摂取は食後血糖値に影響を与えません。
内服薬なしのスーパー糖質制限食を実践中の糖尿人において、
食前より食後の血糖値が下がることが時々あります。
高雄病院入院中のスーパー糖質制限食実践中の糖尿人において、
この現象は複数、確認されています。
普通の糖尿病食(高糖質・低脂肪食)では、
内服薬やインスリン注射がない限り、
食後血糖値は必ず上昇するので、
このような現象は起こりません・
インスリンには、24時間継続して少量出続けている基礎分泌と、
糖質を摂取して血糖値が上昇したときに出る追加分泌の2種類があります。(*)
食事を食べたときに出る追加分泌インスリンには、
元々プールされている第一相と、
その後糖質量に応じて新たに分泌される第二相があります。
食前より食後の血糖値が下がるメカニズムですが、
摂取した糖質量にぴったりマッチするよりも、
少しだけ多めの第一相インスリンが分泌されたものと考えられます。
スーパー糖質制限食に含まれる糖質量が数グラムとか少ないと、
そのようになりやすいです。
2021年9月29日(水)
15時 血糖値:116mg
菓子職人の三食チョコレートムースケーキ100g摂取
16時 60分後血糖値:110mg
糖質含有量が3.99gですが、60分後血糖値がかえって下がりました。
3.99gの糖質に対して
私の追加分泌インスリン第一相がでて、
「3.99g×3mg=12mg」分の上昇予定をカバーして
少し余裕があって余った分、血糖値が下がったのでしょう。
江部康二
(*)
タンパク質摂取時にも少量のインスリンが追加分泌されますが、同時にグルカゴンも分泌されて、その効果は相殺されるので、通常はタンパク質摂取は食後血糖値に影響を与えません。
2022年11月20日 (日)
こんばんは。
昨日(2022/11/19、土曜日)のブログ記事で
『2022年10月の検査で、HbA1cが5.9%、
2022年11月の検査で、HbA1cが5.3%
食生活がとくに変わりないなら、
病院と薬局との検査機器による差と思います。』
と述べました。
HbA1cの数値に関して、
本来、そんなに検査機器による差はないはずなのですが、
現実には、結構、差があります。
そのあたりのことが、解説してありますので、
以下、2020年4月2日の記事を再掲します。
江部康二
☆☆☆
【20/04/02 ひよどり
Hba1cの値
先生のブログ、ご著書のお陰様で糖尿病一歩手前で踏み止まる事が出来た者です。
先生にはたいへん感謝しております。有難うございます。質問させて頂きますが、
僅か3週間の間にHba1cの値が0、5も変化するのは検査機関によるのでしょうか?
3/15. 6.2 呼吸器専門内科 4/ 1 5.7 婦人科 でした。
血糖値は毎食後自己計測、かかりつけ消化器内科でここ数年は6、0以下ですが、
今回は2回とも初診の近医です。どうぞよろしくお願いします。】
こんにちは。
ひよどりさんから、HbA1cの値について、コメント・質問を頂きました。
ひよどりさん、糖尿病発症が予防できて良かったですね。
拙著のご購入、ありがとうございます。
2020/3/15、呼吸器専門内科で6.2%、
2020/4/1、婦人科で5.7%、
と3週間で大違いのデータが出たことに対しての疑問です。
かかりつけの消化器内科では、数年間6.0以下なので
おそらく、婦人科の測定器械とかかりつけ消化器内科の測定器械が
似たようなものなのでしょう。
HbA1cの検査は、全国で統一される方向のはずなのですが、
検査機関や病院により、結構バラツクことがあるのが現実です。
「HbA1c 測定原理」
で検索したところ、実際には、
メーカー各社で測定原理は、異なっているようです。
従って、統一にはほど遠い現状です。
そしてHbA1cの測定機器は
各医療機関や各検査機関で、異なっています。
測定機器が違えば、当然測定原理も違います。
そのため、同一日に検査しても、
医療機関が違えば、HbA1c値が異なることがよくあります。
今回のひよどりさんの検査結果ですが、
糖質制限食を実践しておられることもあり、
いつも通りの6.0以下の5.7%のほうが、正解と思います。
江部康二
昨日(2022/11/19、土曜日)のブログ記事で
『2022年10月の検査で、HbA1cが5.9%、
2022年11月の検査で、HbA1cが5.3%
食生活がとくに変わりないなら、
病院と薬局との検査機器による差と思います。』
と述べました。
HbA1cの数値に関して、
本来、そんなに検査機器による差はないはずなのですが、
現実には、結構、差があります。
そのあたりのことが、解説してありますので、
以下、2020年4月2日の記事を再掲します。
江部康二
☆☆☆
【20/04/02 ひよどり
Hba1cの値
先生のブログ、ご著書のお陰様で糖尿病一歩手前で踏み止まる事が出来た者です。
先生にはたいへん感謝しております。有難うございます。質問させて頂きますが、
僅か3週間の間にHba1cの値が0、5も変化するのは検査機関によるのでしょうか?
3/15. 6.2 呼吸器専門内科 4/ 1 5.7 婦人科 でした。
血糖値は毎食後自己計測、かかりつけ消化器内科でここ数年は6、0以下ですが、
今回は2回とも初診の近医です。どうぞよろしくお願いします。】
こんにちは。
ひよどりさんから、HbA1cの値について、コメント・質問を頂きました。
ひよどりさん、糖尿病発症が予防できて良かったですね。
拙著のご購入、ありがとうございます。
2020/3/15、呼吸器専門内科で6.2%、
2020/4/1、婦人科で5.7%、
と3週間で大違いのデータが出たことに対しての疑問です。
かかりつけの消化器内科では、数年間6.0以下なので
おそらく、婦人科の測定器械とかかりつけ消化器内科の測定器械が
似たようなものなのでしょう。
HbA1cの検査は、全国で統一される方向のはずなのですが、
検査機関や病院により、結構バラツクことがあるのが現実です。
「HbA1c 測定原理」
で検索したところ、実際には、
メーカー各社で測定原理は、異なっているようです。
従って、統一にはほど遠い現状です。
そしてHbA1cの測定機器は
各医療機関や各検査機関で、異なっています。
測定機器が違えば、当然測定原理も違います。
そのため、同一日に検査しても、
医療機関が違えば、HbA1c値が異なることがよくあります。
今回のひよどりさんの検査結果ですが、
糖質制限食を実践しておられることもあり、
いつも通りの6.0以下の5.7%のほうが、正解と思います。
江部康二
2022年11月19日 (土)
こんばんは。
貧血があるとHbA1cの値は上がるのでしょうか?
それとも下がるのでしょうか?
貧血とHbA1cの関係を説明する前に、
HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは何かを考えてみましょう。
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、鉄を含む赤色の色素部分のヘムと、
蛋白部分のグロビンでできています。
ヘモグロビンはグロビン部分の違いによりHbA、HbA2、HbFの3種類に分けられます。
成人では、HbAが97%を占めています。
血液中には、赤血球や糖類やその代謝産物が流れていて、
お互いに結合する傾向があります。
赤血球中のヘモグロビンと、血中のブドウ糖など単糖類が結合したものが、
グリケーティッドヘモグロビンです。
これを略してグリコヘモグロビンですが、
HbA1とほぼ同義語として使用されています。
グリコヘモグロビンは、元のヘモグロビンとは電気的性質が異なるため、
検査により識別することができます。
HbA1は、さらにHbA1a、HbA1b、HbA1cなどに分けることができます。
このうち糖尿病の検査の指標として汎用されているHbA1cは、
ヘモグロビンA(HbA)にグルコース(ブドウ糖)が結合したものです。
当然、血糖値が高値であるほど、ヘモグロビンと結合しやすいのです。
HbA1cの生産量は、Hb(ヘモグロビン)の寿命と血糖値に依存します。
赤血球は骨髄で作られて血液中を循環し、寿命は約120日間ですから、
HbA1cは過去4ヶ月(120日間)の血糖値の動きを示しています。
より詳しく分析すると、HbA1c値の約50%は過去1ヶ月間の間に作られ、
約25%が過去2ヶ月、残りの約25%が過去3~4ヶ月で作られます。
従いまして、HbA1cの値は通常は過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映していると、
考えればよいことになります。
さて、溶血性貧血、腎性貧血など、
赤血球の寿命が短縮するような病態のときは、
HbA1cの生産量がその分蓄積されずに減りますので、
実際の値よりも低くなります。
肝硬変に伴う脾機能亢進による貧血も赤血球の寿命が短縮します。
鉄欠乏性貧血の場合、鉄不足で貧血で未治療のときは、
代償性に赤血球の寿命が延びるので、
HbA1cは寿命が延びた分蓄積して、高値にシフトします。
鉄剤投与を開始して、鉄欠乏性貧血が回復している時期は、
幼弱赤血球が増えて、赤血球の寿命が短くなり、HbA1cは低値となります。
従いまして、糖尿病腎症から透析になった糖尿人の場合は、
腎性貧血で赤血球の寿命が短くなっているので、
見かけ上はHbA1cが改善して、低下したようにみえますが、
実態を反映していないことになります。
それで日本透析医学会では透析患者の血糖指標としては、グリコアルブミン(GA)を推奨しています。
血液中のタンパク質の一種であるアルブミンにブドウ糖がくっついたものをグリコアルブミン(GA)といいます。
GAは、過去約2週間の血糖状態をもっとも鋭敏に反映すると言われています。
そして、アルブミンは赤血球の寿命とは無関係なので、貧血にも影響されないので、
日本透析医学会が推奨しているわけですね。
【22/11/19 もも
Hba1cと貧血の関係について。
いつもブログを拝読させて頂いています。
今年の5月から貧血の治療で鉄剤を1日1回服用し、
8月の貧血検査で数値がHbは10→12.5に改善しました。
9月からは1日おきに鉄剤を服用し、
現在はほぼ服用していません。(医師の指示による)
10月初めの特定健診でHbA1cが5.9で高値でした。(空腹時血糖値90)
最近、薬局で血糖検査が出来ると聞き、
検査した所、HbA1cは5.3でした。
1ヶ月でこの様に下がる事はあるのでしょうか?
体重は変わりません。
貧血が改善し、HbA1cが基準値になったと考えて良いのでしょうか?
または、病院と薬局との検査方法による誤差でしょうか?
母親が糖尿なので、心配です。】
ももさんの場合は、上述した<鉄欠乏性貧血とHbA1c>の
一般的なパターンとは異なるパターンです。
2022年5月は貧血(Hb:10g/dl)でしたが、
2022年8月は貧血が治って、Hb:12.5g/dlと正常値になっています。
そして
2022年10月の検査で、HbA1cが5.9%、
2022年11月の検査で、HbA1cが5.3%
貧血はすでに治っているので、HbA1cへの影響はありません。
10月から、新たに糖質制限食を開始したということなら
11月に、HbA1c5.9 ⇒ 5.3% はあり得ます。
食生活がとくに変わりないなら、
病院と薬局との検査機器による差と思います。
江部康二
貧血があるとHbA1cの値は上がるのでしょうか?
それとも下がるのでしょうか?
貧血とHbA1cの関係を説明する前に、
HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは何かを考えてみましょう。
赤血球の中に含まれているヘモグロビンは、鉄を含む赤色の色素部分のヘムと、
蛋白部分のグロビンでできています。
ヘモグロビンはグロビン部分の違いによりHbA、HbA2、HbFの3種類に分けられます。
成人では、HbAが97%を占めています。
血液中には、赤血球や糖類やその代謝産物が流れていて、
お互いに結合する傾向があります。
赤血球中のヘモグロビンと、血中のブドウ糖など単糖類が結合したものが、
グリケーティッドヘモグロビンです。
これを略してグリコヘモグロビンですが、
HbA1とほぼ同義語として使用されています。
グリコヘモグロビンは、元のヘモグロビンとは電気的性質が異なるため、
検査により識別することができます。
HbA1は、さらにHbA1a、HbA1b、HbA1cなどに分けることができます。
このうち糖尿病の検査の指標として汎用されているHbA1cは、
ヘモグロビンA(HbA)にグルコース(ブドウ糖)が結合したものです。
当然、血糖値が高値であるほど、ヘモグロビンと結合しやすいのです。
HbA1cの生産量は、Hb(ヘモグロビン)の寿命と血糖値に依存します。
赤血球は骨髄で作られて血液中を循環し、寿命は約120日間ですから、
HbA1cは過去4ヶ月(120日間)の血糖値の動きを示しています。
より詳しく分析すると、HbA1c値の約50%は過去1ヶ月間の間に作られ、
約25%が過去2ヶ月、残りの約25%が過去3~4ヶ月で作られます。
従いまして、HbA1cの値は通常は過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映していると、
考えればよいことになります。
さて、溶血性貧血、腎性貧血など、
赤血球の寿命が短縮するような病態のときは、
HbA1cの生産量がその分蓄積されずに減りますので、
実際の値よりも低くなります。
肝硬変に伴う脾機能亢進による貧血も赤血球の寿命が短縮します。
鉄欠乏性貧血の場合、鉄不足で貧血で未治療のときは、
代償性に赤血球の寿命が延びるので、
HbA1cは寿命が延びた分蓄積して、高値にシフトします。
鉄剤投与を開始して、鉄欠乏性貧血が回復している時期は、
幼弱赤血球が増えて、赤血球の寿命が短くなり、HbA1cは低値となります。
従いまして、糖尿病腎症から透析になった糖尿人の場合は、
腎性貧血で赤血球の寿命が短くなっているので、
見かけ上はHbA1cが改善して、低下したようにみえますが、
実態を反映していないことになります。
それで日本透析医学会では透析患者の血糖指標としては、グリコアルブミン(GA)を推奨しています。
血液中のタンパク質の一種であるアルブミンにブドウ糖がくっついたものをグリコアルブミン(GA)といいます。
GAは、過去約2週間の血糖状態をもっとも鋭敏に反映すると言われています。
そして、アルブミンは赤血球の寿命とは無関係なので、貧血にも影響されないので、
日本透析医学会が推奨しているわけですね。
【22/11/19 もも
Hba1cと貧血の関係について。
いつもブログを拝読させて頂いています。
今年の5月から貧血の治療で鉄剤を1日1回服用し、
8月の貧血検査で数値がHbは10→12.5に改善しました。
9月からは1日おきに鉄剤を服用し、
現在はほぼ服用していません。(医師の指示による)
10月初めの特定健診でHbA1cが5.9で高値でした。(空腹時血糖値90)
最近、薬局で血糖検査が出来ると聞き、
検査した所、HbA1cは5.3でした。
1ヶ月でこの様に下がる事はあるのでしょうか?
体重は変わりません。
貧血が改善し、HbA1cが基準値になったと考えて良いのでしょうか?
または、病院と薬局との検査方法による誤差でしょうか?
母親が糖尿なので、心配です。】
ももさんの場合は、上述した<鉄欠乏性貧血とHbA1c>の
一般的なパターンとは異なるパターンです。
2022年5月は貧血(Hb:10g/dl)でしたが、
2022年8月は貧血が治って、Hb:12.5g/dlと正常値になっています。
そして
2022年10月の検査で、HbA1cが5.9%、
2022年11月の検査で、HbA1cが5.3%
貧血はすでに治っているので、HbA1cへの影響はありません。
10月から、新たに糖質制限食を開始したということなら
11月に、HbA1c5.9 ⇒ 5.3% はあり得ます。
食生活がとくに変わりないなら、
病院と薬局との検査機器による差と思います。
江部康二
2022年11月18日 (金)
こんばんは。
蛋白尿と糖質制限食、糖尿病腎症と糖質制限食についてコメント・質問が時々あります。
検討してみます。
早朝第一尿で、蛋白尿が陰性なら、随時尿で蛋白尿が陽性でも、「生理的蛋白尿」の可能性が高いです。
早朝第一尿で、尿蛋白陽性なら、「尿細管性蛋白尿」「糸球体性蛋白尿」などの腎疾患の可能性があるので、医療機関でまずは、尿沈査という検査をしましょう。
尿沈渣(にょうちんさ)とは、尿を遠心分離器にかけたときに沈殿してくる様々な固形成分を顕微鏡で観察する検査です。
尿沈渣で腎臓などの異常が疑われれば、より詳しい検査を腎臓内科(腎臓専門医)で実施する必要があります。
糖尿病の治療として糖質制限食を実践する場合、蛋白尿が陽性でも、血液検査で腎機能が保たれていれば、スーパー糖質制限食OKです。米国糖尿病学会は『糖尿病腎症にタンパク質制限は推奨しない』>と明言しています。
具体的には、血清クレアチニン検査や血清シスタチンCの検査をして、計算式でeGFRを算定します。これは医療機関や検査機関がしてくれます。あるいは、グーグルで、<eGFR シスタチンC><eGFR クレアチニン>で検索すればeGFRを計算してくれるサイトがでてきます。腎機能検査としては、血清シスタチンCのほうが、腎機能に特化した信頼度の高い検査です。
日本腎臓病学会のCKD診療ガイド2018によれば、eGFRが60ml/分/1.73m2以上あれば、蛋白尿が陽性でも蛋白制限の必要はないので、糖質制限食OKです。
即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分/1.73m2以上あれば蛋白制限必要なしです。
CKD診療ガイド2018では、糖尿病腎症第3期で、eGFR60mL/分/1.73m2未満には、エビデンスレベルは低い(科学的根拠は低い)けれどタンパク制限を推奨です。
ただ低タンパク食を実践した場合、免疫力低下などで肺炎を起こしやすくなるので、、個別の検討が必要と記載されています。
結論です。
1)eGFRが60ml/分/1.73m2以上なら、
糖尿病腎症で蛋白尿が陽性でもスーパー糖質制限食を実践して、OKです。
2)eGFRが60m/分/1.73m2未満の糖尿病腎症第3期以降の糖尿人は、
個別によく医師と相談して糖質制限食をするか否かを決めることとなります。
月に1回クレアチニン、3月に1回シスタチンCを検査しつつ、腎機能悪化がなければ
糖質制限食を続ければ良いです。
血糖コントロール良好を保つことは、腎機能保護にも通じます。
江部康二
蛋白尿と糖質制限食、糖尿病腎症と糖質制限食についてコメント・質問が時々あります。
検討してみます。
早朝第一尿で、蛋白尿が陰性なら、随時尿で蛋白尿が陽性でも、「生理的蛋白尿」の可能性が高いです。
早朝第一尿で、尿蛋白陽性なら、「尿細管性蛋白尿」「糸球体性蛋白尿」などの腎疾患の可能性があるので、医療機関でまずは、尿沈査という検査をしましょう。
尿沈渣(にょうちんさ)とは、尿を遠心分離器にかけたときに沈殿してくる様々な固形成分を顕微鏡で観察する検査です。
尿沈渣で腎臓などの異常が疑われれば、より詳しい検査を腎臓内科(腎臓専門医)で実施する必要があります。
糖尿病の治療として糖質制限食を実践する場合、蛋白尿が陽性でも、血液検査で腎機能が保たれていれば、スーパー糖質制限食OKです。米国糖尿病学会は『糖尿病腎症にタンパク質制限は推奨しない』>と明言しています。
具体的には、血清クレアチニン検査や血清シスタチンCの検査をして、計算式でeGFRを算定します。これは医療機関や検査機関がしてくれます。あるいは、グーグルで、<eGFR シスタチンC><eGFR クレアチニン>で検索すればeGFRを計算してくれるサイトがでてきます。腎機能検査としては、血清シスタチンCのほうが、腎機能に特化した信頼度の高い検査です。
日本腎臓病学会のCKD診療ガイド2018によれば、eGFRが60ml/分/1.73m2以上あれば、蛋白尿が陽性でも蛋白制限の必要はないので、糖質制限食OKです。
即ち糖尿病腎症第3期でも eGFRが60ml/分/1.73m2以上あれば蛋白制限必要なしです。
CKD診療ガイド2018では、糖尿病腎症第3期で、eGFR60mL/分/1.73m2未満には、エビデンスレベルは低い(科学的根拠は低い)けれどタンパク制限を推奨です。
ただ低タンパク食を実践した場合、免疫力低下などで肺炎を起こしやすくなるので、、個別の検討が必要と記載されています。
結論です。
1)eGFRが60ml/分/1.73m2以上なら、
糖尿病腎症で蛋白尿が陽性でもスーパー糖質制限食を実践して、OKです。
2)eGFRが60m/分/1.73m2未満の糖尿病腎症第3期以降の糖尿人は、
個別によく医師と相談して糖質制限食をするか否かを決めることとなります。
月に1回クレアチニン、3月に1回シスタチンCを検査しつつ、腎機能悪化がなければ
糖質制限食を続ければ良いです。
血糖コントロール良好を保つことは、腎機能保護にも通じます。
江部康二
2022年11月17日 (木)
こんばんは。
私が理事長を務める日本糖質制限医療推進協会の賛助団体会員で、
「日の出みりん」でお馴染みの、
キング醸造株式会社さんの「糖質ゼロ・オフシリーズ」のご紹介です。
「糖質ゼロ・オフシリーズ」はリピーターが多くてネット通販がとても順調だそうです。
・糖質ゼロでは、料理酒やみりん風調味料、便利な甘酢
・糖質オフでは、ぽんずやドレッシング、ケチャップ
といった調味料がラインナップされています。
また、糖質オフ梅酒もあります。
私も「野菜にかけるMCT和風(糖質オフ)」ドレッシングや
「明日誰かにすすめたくなるケチャップ」を試食させてもらったことがあります。
糖質大幅カットで安心、かつ普通の糖質たっぷりのものと比べて、
味も遜色なく、美味しかったです。
今回は、新商品の【糖質オフ 減塩 野菜ぽんず】のご紹介です。
まず、野菜サラダにかけてみました。
さっぱりとした味の中に、ほんのりさわやかな甘みを感じました。
レタスの甘みだそうです。
次に納豆にかけてみました。
醤油に比べて、爽やかな味で粘りは少し減るので、とても食べやすかったです。
最後にめかぶにかけてみました。
醤油に比べたら、すっきりした味で、やはり美味しく食べやすかったです。
糖質セイゲニストにとって、心強い味方ですね(*^^)v
キング醸造さんとは、日の出みりん『低糖質メニュー料理教室 in
神戸北野ホテル』での講演会を主催して頂いたご縁があります。
その場で、神戸北野ホテルの総支配人・総料理長の山口浩さんと私の糖質制限なトークショーを、2回ほど行いました。
神戸北野ホテルは「世界一の朝食」で有名ですね。
以下はキング醸造さんのオンラインショップ情報です。
・公式オンラインストアはこちらです。
https://www.happysun-hinode.com/?mode=cate&cbid=2398960&csid=0
・糖質ゼロ・オフシリーズ商品の詳細情報はこちらです。
https://hinode-mirin.co.jp/products/zero_carbohydrate/
江部康二
私が理事長を務める日本糖質制限医療推進協会の賛助団体会員で、
「日の出みりん」でお馴染みの、
キング醸造株式会社さんの「糖質ゼロ・オフシリーズ」のご紹介です。
「糖質ゼロ・オフシリーズ」はリピーターが多くてネット通販がとても順調だそうです。
・糖質ゼロでは、料理酒やみりん風調味料、便利な甘酢
・糖質オフでは、ぽんずやドレッシング、ケチャップ
といった調味料がラインナップされています。
また、糖質オフ梅酒もあります。
私も「野菜にかけるMCT和風(糖質オフ)」ドレッシングや
「明日誰かにすすめたくなるケチャップ」を試食させてもらったことがあります。
糖質大幅カットで安心、かつ普通の糖質たっぷりのものと比べて、
味も遜色なく、美味しかったです。
今回は、新商品の【糖質オフ 減塩 野菜ぽんず】のご紹介です。
まず、野菜サラダにかけてみました。
さっぱりとした味の中に、ほんのりさわやかな甘みを感じました。
レタスの甘みだそうです。
次に納豆にかけてみました。
醤油に比べて、爽やかな味で粘りは少し減るので、とても食べやすかったです。
最後にめかぶにかけてみました。
醤油に比べたら、すっきりした味で、やはり美味しく食べやすかったです。
糖質セイゲニストにとって、心強い味方ですね(*^^)v
キング醸造さんとは、日の出みりん『低糖質メニュー料理教室 in
神戸北野ホテル』での講演会を主催して頂いたご縁があります。
その場で、神戸北野ホテルの総支配人・総料理長の山口浩さんと私の糖質制限なトークショーを、2回ほど行いました。
神戸北野ホテルは「世界一の朝食」で有名ですね。
以下はキング醸造さんのオンラインショップ情報です。
・公式オンラインストアはこちらです。
https://www.happysun-hinode.com/?mode=cate&cbid=2398960&csid=0
・糖質ゼロ・オフシリーズ商品の詳細情報はこちらです。
https://hinode-mirin.co.jp/products/zero_carbohydrate/
江部康二
2022年11月16日 (水)
こんにちは。
作朝(2022/11/15、火曜日) の京都新聞朝刊の19面に
「2千歩でも速歩でも効果 ウォーキングの研究」。
という記事が掲載されました。
英国で2013~2015年、計7万8500人の参加者で、
7年間追跡した大規模研究ですので、信頼度は高いです。
①1日1万歩ていどまでは、歩数が2000歩増える毎に
全死亡率、心血管疾患やがんの死亡率が、8~11%減少していました。
1万歩を超えてくると、歩数を増やしてもそれ以上の効果はありませんでした。
②速歩の、死亡率低減効果は、歩数よりも高く、8~14%減少でした。
このように、運動に健康増進効果があることは確実と言えますが、
肝腎なのは「継続出来るか否か」ですね。
そこでお奨めなのが「インターバル速歩」です。
http://www.jtrc.or.jp/interval/interview.php
科学的エビデンスが支えるインターバル速歩
信州大学大学院特任教授
NPO法人熟年体育大学リサーチセンター副理事
医学博士能勢博
このサイトを覗いてみました。
能勢博士によれば、
ヒトの体力は20歳代をピークとし、30歳を過ぎると、
誰しも10歳加齢するごとに5~10%ずつ低下しくそうです。
これを防ぐために
アメリカ・スポーツ医学会(ACSM)は、
個人の最大体力の 60~80%に相当する強度の運動を、
1日20分以上、週に3日以上実施する個別運動処方を推奨しています。
そうすれば6カ月で体力が10%向上し、
それに比例して生活習慣病の症状が改善するそうです。
しかし、通常のウォーキングでは運動強度が低すぎて、
効果が上がらない、とのことです。
そこで、能勢博士が推奨するのが「インターバル速歩」です。
いつでも、どこでも、誰でも、そして安価に、
体力向上のための運動トレーニングができます。
インターバル速歩ですが、
これは、「速歩」と、「緩歩」を3分間ずつ交互に行うものです。
これを速歩が1日トータルで15分以上になるように、
週に4日以上実践すればOKです。
速歩ばかり、行えばよいようなものですが、
なかなか速歩を5分、10分連続的に
続けるのは体力的に難しい人が多いようです。
それで、3分交代なのですね。
ウィークデ―が忙しい人は、週末にまとめてトータルの速歩時間が
週60分になるように実施してもいいそうです。
能勢博士の研究によれば
インターバル速歩を5ヶ月間行えば、
1)体力が最大20%増加。
2)生活習慣病指標が20%改善。
3)医療費が20%抑制。
とのことで、これを「20%の法則」と呼ぶそうです。
私は、72歳ですが、階段を4回くらいまでは駆けあがります。
速歩を続けても、まったくしんどくありません。
運動は、1/2週間くらい、おじさんのテニス(ダブルス)を
4セットくらい行うくらいで、スポーツジムなどは一切通っていません。
(正確には、40代前半に、1年くらい、1/週、スポーツジムに通ったことがあります。)
そして、コロナ禍で2020年3月以降は、ほぼテニスなしです。
そのわりに体力が全然おちないので、少し不思議に思っていたのですが
能勢博士の研究や説明で、腑に落ちました。
「速歩が1日トータルで15分以上になるように、週に4日以上」
これが目標なら、江部康二は、1979年29歳で高雄病院就職以来、
毎日速歩で院内を、60分以上は、歩いていましたので
軽くクリアです。
基本、私の歩行は、ほとんどが速歩で、ゆっくり歩きは
あまりありません。
幸い、速歩で、60分間以上歩き続けても
全く息切れもありません。
手持ちの、ヤマサの活動量計で測定すると、
歩数の60~70%が速歩(パワー ウオーク)でした。
生来のせっかちな性格と早歩きパターンが、
72年間、結果として、私の体力を保ってくれたようで、
ありがたいことでした。
☆☆☆
NHKでもインターバル速歩が取り上げられています。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_13.html
運動の健康効果「インターバル速歩に挑戦!」
松本大学大学院 根本賢一教授
更新日2016年9月7日
NHKの上記サイト、とてもわかりやすく、説明されていますので
是非、覗いてみてください。
インターバル速歩では、筋トレもしていないのに
太ももの筋力が13%上がったのは特筆ものですね。
以下、一部を抜粋です。
・・・インターバル速歩とは?
インターバル速歩は、速歩の分数が1日合計15分以上になるよう行うのが基本です。
3分の速歩を5回でも、1分の速歩を15回でもかまいません。
週に4日以上行うのがお勧めですが、無理をせず徐々に行うようにして下さい。・・・
・・・60歳前後の中高年を1日8000歩以上のウォーキングを行うグループと、
1日15分以上のインターバル速歩を行うグループに分け、
5ヵ月間、週4日以上行って、最大酸素摂取量と太ももの筋力を比較すると、
ウォーキングのグループはほとんど変化がなかったのに対して、
インターバル速歩のグループは最大酸素摂取量が9%上がり、
太ももの筋力が13%上がりました。
最大酸素摂取量が上がるということは、全身の持久力が高まることを示しています。
全身の持久力が高まると
心臓の病気や糖尿病などの生活習慣病になりにくくなります。・・・
江部康二
作朝(2022/11/15、火曜日) の京都新聞朝刊の19面に
「2千歩でも速歩でも効果 ウォーキングの研究」。
という記事が掲載されました。
英国で2013~2015年、計7万8500人の参加者で、
7年間追跡した大規模研究ですので、信頼度は高いです。
①1日1万歩ていどまでは、歩数が2000歩増える毎に
全死亡率、心血管疾患やがんの死亡率が、8~11%減少していました。
1万歩を超えてくると、歩数を増やしてもそれ以上の効果はありませんでした。
②速歩の、死亡率低減効果は、歩数よりも高く、8~14%減少でした。
このように、運動に健康増進効果があることは確実と言えますが、
肝腎なのは「継続出来るか否か」ですね。
そこでお奨めなのが「インターバル速歩」です。
http://www.jtrc.or.jp/interval/interview.php
科学的エビデンスが支えるインターバル速歩
信州大学大学院特任教授
NPO法人熟年体育大学リサーチセンター副理事
医学博士能勢博
このサイトを覗いてみました。
能勢博士によれば、
ヒトの体力は20歳代をピークとし、30歳を過ぎると、
誰しも10歳加齢するごとに5~10%ずつ低下しくそうです。
これを防ぐために
アメリカ・スポーツ医学会(ACSM)は、
個人の最大体力の 60~80%に相当する強度の運動を、
1日20分以上、週に3日以上実施する個別運動処方を推奨しています。
そうすれば6カ月で体力が10%向上し、
それに比例して生活習慣病の症状が改善するそうです。
しかし、通常のウォーキングでは運動強度が低すぎて、
効果が上がらない、とのことです。
そこで、能勢博士が推奨するのが「インターバル速歩」です。
いつでも、どこでも、誰でも、そして安価に、
体力向上のための運動トレーニングができます。
インターバル速歩ですが、
これは、「速歩」と、「緩歩」を3分間ずつ交互に行うものです。
これを速歩が1日トータルで15分以上になるように、
週に4日以上実践すればOKです。
速歩ばかり、行えばよいようなものですが、
なかなか速歩を5分、10分連続的に
続けるのは体力的に難しい人が多いようです。
それで、3分交代なのですね。
ウィークデ―が忙しい人は、週末にまとめてトータルの速歩時間が
週60分になるように実施してもいいそうです。
能勢博士の研究によれば
インターバル速歩を5ヶ月間行えば、
1)体力が最大20%増加。
2)生活習慣病指標が20%改善。
3)医療費が20%抑制。
とのことで、これを「20%の法則」と呼ぶそうです。
私は、72歳ですが、階段を4回くらいまでは駆けあがります。
速歩を続けても、まったくしんどくありません。
運動は、1/2週間くらい、おじさんのテニス(ダブルス)を
4セットくらい行うくらいで、スポーツジムなどは一切通っていません。
(正確には、40代前半に、1年くらい、1/週、スポーツジムに通ったことがあります。)
そして、コロナ禍で2020年3月以降は、ほぼテニスなしです。
そのわりに体力が全然おちないので、少し不思議に思っていたのですが
能勢博士の研究や説明で、腑に落ちました。
「速歩が1日トータルで15分以上になるように、週に4日以上」
これが目標なら、江部康二は、1979年29歳で高雄病院就職以来、
毎日速歩で院内を、60分以上は、歩いていましたので
軽くクリアです。
基本、私の歩行は、ほとんどが速歩で、ゆっくり歩きは
あまりありません。
幸い、速歩で、60分間以上歩き続けても
全く息切れもありません。
手持ちの、ヤマサの活動量計で測定すると、
歩数の60~70%が速歩(パワー ウオーク)でした。
生来のせっかちな性格と早歩きパターンが、
72年間、結果として、私の体力を保ってくれたようで、
ありがたいことでした。
☆☆☆
NHKでもインターバル速歩が取り上げられています。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_13.html
運動の健康効果「インターバル速歩に挑戦!」
松本大学大学院 根本賢一教授
更新日2016年9月7日
NHKの上記サイト、とてもわかりやすく、説明されていますので
是非、覗いてみてください。
インターバル速歩では、筋トレもしていないのに
太ももの筋力が13%上がったのは特筆ものですね。
以下、一部を抜粋です。
・・・インターバル速歩とは?
インターバル速歩は、速歩の分数が1日合計15分以上になるよう行うのが基本です。
3分の速歩を5回でも、1分の速歩を15回でもかまいません。
週に4日以上行うのがお勧めですが、無理をせず徐々に行うようにして下さい。・・・
・・・60歳前後の中高年を1日8000歩以上のウォーキングを行うグループと、
1日15分以上のインターバル速歩を行うグループに分け、
5ヵ月間、週4日以上行って、最大酸素摂取量と太ももの筋力を比較すると、
ウォーキングのグループはほとんど変化がなかったのに対して、
インターバル速歩のグループは最大酸素摂取量が9%上がり、
太ももの筋力が13%上がりました。
最大酸素摂取量が上がるということは、全身の持久力が高まることを示しています。
全身の持久力が高まると
心臓の病気や糖尿病などの生活習慣病になりにくくなります。・・・
江部康二
2022年11月14日 (月)
こんばんは。
11月14日(月)は、世界糖尿病デーです。
今回の記事は、
スーパー糖質制限食(高雄病院方式)
緩い糖質制限食(山田悟医師方式)
従来の糖尿病食(日本糖尿病学会推奨)
を糖尿人が摂取した場合に、どのようなことが起こるかを
食後血糖値を中心に、検討してみました。
山田医師の緩い糖質制限食は、現在は
「1食の糖質が20~40グラム」ですが、
当初は
「1食の糖質が30~40グラム」でしたので
少し高雄病院方式に歩み寄った感がありますね。
この緩い糖質制限食で、日本糖尿病学会の合併症予防のための目標値、
空腹時血糖値:130mg/dl未満
食後2時間血糖値:180mg/dl未満
が達成できる糖尿人は、それでいいと思います。
さて、1gの糖質が、体重64kgの糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。
まず従来の糖尿病食で計算してみます。
そうすると、空腹時血糖値が100mg/dlくらいでいい感じでも、
日本糖尿病学会推奨の糖尿病食で、
炊いたご飯を軽く1杯(150g、252kcal、糖質は55.65g)食べただけで
血糖値は170mgも上昇してしまうので、
食後血糖値は軽く200mg/dlアップとなり、
確実に合併症のリスクとなります。
緩い糖質制限食だと
空腹時血糖値が100mg/dlくらいで、
40gの糖質を摂取すれば、血糖値は120mg上昇するので
<食後2時間血糖値:180mg/dl未満>
の達成が困難なケースもかなりでてくると思います。
その点スーパー糖質制限食は
1回の食事の糖質量が10~20g以下
間食の糖質量は5g以下で一日に2回くらい
が目標となります。
空腹時血糖値が100mg/dlくらいで
糖質20gを摂取しても60mgくらいしか上昇しないので
<食後2時間血糖値:180mg/dl未満>
の達成は容易と考えられます。
というか、そういう目標で
1回の食事の糖質量を<10~20g>を設定したということです。
緩い糖質制限食の<血糖、体重、血圧、脂質を改善効果>は、
スーパー糖質制限食には及びませんが、
従来の糖尿病食に比べたら、はるかにましです。
ともあれ、日本糖尿病学会推奨の糖尿病食(カロリー制限、脂肪制限、高糖質食)は、
食後高血糖と平均血糖変動幅増大を必ず生じて酸化ストレスリスクとなり、
合併症の予防は、極めて困難であり、糖尿人にとっては「合併症製造食」と言える代物です。
日本全国の糖尿人の皆さん、せめて「合併症製造食」だけは止めましょう。
江部康二
11月14日(月)は、世界糖尿病デーです。
今回の記事は、
スーパー糖質制限食(高雄病院方式)
緩い糖質制限食(山田悟医師方式)
従来の糖尿病食(日本糖尿病学会推奨)
を糖尿人が摂取した場合に、どのようなことが起こるかを
食後血糖値を中心に、検討してみました。
山田医師の緩い糖質制限食は、現在は
「1食の糖質が20~40グラム」ですが、
当初は
「1食の糖質が30~40グラム」でしたので
少し高雄病院方式に歩み寄った感がありますね。
この緩い糖質制限食で、日本糖尿病学会の合併症予防のための目標値、
空腹時血糖値:130mg/dl未満
食後2時間血糖値:180mg/dl未満
が達成できる糖尿人は、それでいいと思います。
さて、1gの糖質が、体重64kgの糖尿人の血糖値を約3mg上昇させます。
まず従来の糖尿病食で計算してみます。
そうすると、空腹時血糖値が100mg/dlくらいでいい感じでも、
日本糖尿病学会推奨の糖尿病食で、
炊いたご飯を軽く1杯(150g、252kcal、糖質は55.65g)食べただけで
血糖値は170mgも上昇してしまうので、
食後血糖値は軽く200mg/dlアップとなり、
確実に合併症のリスクとなります。
緩い糖質制限食だと
空腹時血糖値が100mg/dlくらいで、
40gの糖質を摂取すれば、血糖値は120mg上昇するので
<食後2時間血糖値:180mg/dl未満>
の達成が困難なケースもかなりでてくると思います。
その点スーパー糖質制限食は
1回の食事の糖質量が10~20g以下
間食の糖質量は5g以下で一日に2回くらい
が目標となります。
空腹時血糖値が100mg/dlくらいで
糖質20gを摂取しても60mgくらいしか上昇しないので
<食後2時間血糖値:180mg/dl未満>
の達成は容易と考えられます。
というか、そういう目標で
1回の食事の糖質量を<10~20g>を設定したということです。
緩い糖質制限食の<血糖、体重、血圧、脂質を改善効果>は、
スーパー糖質制限食には及びませんが、
従来の糖尿病食に比べたら、はるかにましです。
ともあれ、日本糖尿病学会推奨の糖尿病食(カロリー制限、脂肪制限、高糖質食)は、
食後高血糖と平均血糖変動幅増大を必ず生じて酸化ストレスリスクとなり、
合併症の予防は、極めて困難であり、糖尿人にとっては「合併症製造食」と言える代物です。
日本全国の糖尿人の皆さん、せめて「合併症製造食」だけは止めましょう。
江部康二
2022年11月13日 (日)
2022年世界糖尿病デー 11月14日(月)
テーマ:「アドボカシー ~偏見にNO!~」
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.wddj.jp/pdf/2022/PR_WDD20221111.pdf
世界糖尿病デー実行委員会 -日本糖尿病学会、日本糖尿病協会-
こんにちは。
11月14日は世界糖尿病デーです。
事務局の日本糖尿病学会・日本糖尿病協会によれば、
糖尿病の正しい知識の普及を願い、
全国約200ヶ所でブルーライトアップを実施するそうです。
よい試みとは思うのですが、
そもそも「アドボカシー」って何?と訝る糖尿人も多いと思います。
私もよく分からなかったので調べてみました。
アドボカシーとは、「アドボケイト」と同じ語源で
「擁護・代弁」や「支持・表明」「唱道」などの意味を持ち、
同時に政治的、経済的、社会的なシステムや制度における決定に影響を与えることを目的とした、
個人またはグループによる活動や運動を意味するそうです。
要するに糖尿人を支持しそれを表明し、
糖尿病に対する政治・経済・社会的制度における決定に影響を与える活動ですね。
そういうことでしたら、
極めて単純に「糖尿人は糖質制限食実践」を推奨するのみです。
それで、糖尿病合併症の予防・改善・治療が可能となります。
糖質制限食以外の糖質ありの食事療法は、
「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という「酸化ストレス」を
予防できないので、結局、合併症を防ぐことは困難なのです。
米国糖尿病学会も、2019年4月のコンセンサス・レポートで
『糖質制限食は、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。』と明言し、
糖尿病食事療法の第一選択に推奨して以降、
2020年、2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
糖質制限食は、緩やかなものも厳格なものも含めての推奨です。
International Diabetes Federation (IDF/国際糖尿病連合)も
米国糖尿病学会に見習って、エビデンスに基づき
「糖尿人は糖質制限食実践」と宣言して欲しいものです。
江部康二
報道関係各位
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.wddj.jp/pdf/2022/PR_WDD20221111.pdf
世界糖尿病デー実行委員会 -日本糖尿病学会、日本糖尿病協会-
11月14日(月)は世界糖尿病デー
糖尿病の正しい知識の普及を願い、
全国約200ヶ所でブルーライトアップを実施
世界糖尿病デー実行委員会(一般社団法人日本糖尿病学会・公益社団法人日本糖尿病協会)は、11月14日の世界糖尿病デーに国内の著名な建造物をブルーにライトアップし、糖尿病を正しく理解し、予防につとめることを市民に訴えます。
■ブルーライトアップ
2006年に糖尿病の脅威に関する国連決議が採択されると、
世界糖尿病デーを周知する目的で、
世界各国で著名な建造物をブルーにライトアップするイベントが始まりました。
日本でも、2007年の東京タワーのブルーライトアップを皮切りに、
全国に活動が拡がり、
2019年にはほぼすべての都道府県で自治体や関連団体などの協力を得て、
11月14日のブルーライトアップと市民向けの糖尿病啓発イベントが行われました。 本年も、札幌時計台、横浜マリンタワー、大阪城、姫路城、出雲大社、大宰府天満宮など、全国の著名な建造物のほか、
各地の医療機関でのライトアップの取り組みも増えて、
より草の根レベルの啓発活動が展開されます。
なお、2022年のシンボルライトアップは、
第66回日本糖尿病学会年次学術集会の開催地となる
鹿児島県鹿児島市の「アミュプラザ鹿児島 観覧車アミュラン」です。
■2022年のテーマ「偏見にNo!糖尿病をもつ人はあなたと同じ社会で活躍できる人です」
糖尿病に対する周囲の不正確な理解により、糖尿病であることを隠したり、治療を中断してしまう人がいます。また、糖尿病を理由に、就職や結婚、生命保険の加入等で不利益を被る現実もあります。誰でも発症の可能性のある病気だからこそ、正しく知ってもらいたい。今年のテーマは、世の中から糖尿病に対する偏見をなくすために、正しい知識と理解が必要であることを訴えています。
■日本の糖尿病の概況
2019年(令和元年)国民健康・栄養調査(厚生労働省)によると、
「糖尿病が強く疑われる人」 の割合は、男性19.7%、女性10.8%でした。
ここ10年間でみると、男女とも有意な増減はみられず、
年齢階級別にみると、年齢が高い層でその割合が高くなっています。
■世界の糖尿病の現況
・ 2021年、世界の成人(20-79歳)糖尿病人口は5億3,700万人。
10人に1人の割合です。
中でも、アジア・太平洋地区は、2億600万人と世界で最多となっています。
・ 世界の成人糖尿病人口は、
2045年には7億8,300万人に増加すると予測されています。
・ 世界で5億4,100万人の成人が耐糖能異常の状態で、
2型糖尿病のハイリスク群となります。
・ 2021年、糖尿病は670万人の死亡の原因となっています。
5秒に1人が糖尿病に関連する疾患で命を落としています。
・ 世界の糖尿病治療と合併症管理にかかる医療費は、
少なくとも9,660億ドル(約143兆8,300億円)にのぼります。
これは、過去15年間で316%の増加となっています。
・ 世界の成人糖尿病人口の5人に4人以上(81%)は、
低・中所得国に住んでいます。
出典:IDF Diabetes Atlas 10th edition 2021(2年に1度発行)
■関連ウェブサイト
世界糖尿病デー実行委員会 https://www.wddj.jp/ (ブルーライトアップ/イベント一覧掲載)
日本糖尿病協会 https://www.nittokyo.or.jp/
日本糖尿病学会 http://www.jds.or.jp/
日本糖尿病対策推進会議 https://www.med.or.jp/doctor/diabetes/
厚生労働省 令和元年「国民健康・栄養調査」の結果 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html IDF http://www.idf.org/
IDF Diabetes Atlas http://www.diabetesatlas.org
★世界糖尿病デーの由来
1921 年に糖尿病治療に必要なインスリンを発見したフレデリック・バンティング博士(カナダ/1891-1941)の誕生日。
シンボルカラーのブルーは、
国連色とどこまでも拡がる青空の色から採用されました。
2006年12月20日、国連総会において糖尿病の脅威に関する決議が採択され、
(UN Resolution 61/225/United Nation)公式な国連デーとなりました。
★ブルーサークルとは
世界糖尿病デーのキャンペーンには、
青い丸をモチーフにした「ブルーサークル」が用いられます。
これは、糖尿病に関する国連決議が採択された翌年2007年から使われるシンボルマークです。
どこまでも続く空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪」をデザインし、
”Unite for Diabetes”(糖尿病との闘いのため団結せよ)というキャッチフレーズとともに、世界中で糖尿病抑制に向けたキャンペーンを推進しています。
★世界糖尿病デー実行委員会とは
2006 年の国連決議を受けて、日本国内の糖尿病啓発を促進するために日本糖尿病協会と日本糖尿病学会により設立された任意団体です。
世界糖尿病デーに関する国内の啓発活動を統括し、
各地のブルーライトアップや地域密着型イベントを支援しています。
★ IDFとは
International Diabetes Federation (IDF/国際糖尿病連合)は、170 カ国・地域から 230以上の糖尿病関連団体が参加する組織で、
1950年から世界の糖尿病関連団体をリードし、
増加する糖尿病患者とその予備群を支援する活動を展開しています。
2006 年の国連決議採択では、世界保健機関(WHO)とともに主導的な役割を果たしました。日本糖尿病学会・日本糖尿病協会もIDFの正会員です。
************************************************************************
◇国内ブルーライトアップ、イベントに関するお問い合わせ先◇
公益社団法人日本糖尿病協会 事務局
〒102-0083 東京都千代田区麹町2-2-4 8F
TEL :03-3514-1721 FAX: 03-3514-1725
E-mail: office@nittokyo.or.jp
テーマ:「アドボカシー ~偏見にNO!~」
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.wddj.jp/pdf/2022/PR_WDD20221111.pdf
世界糖尿病デー実行委員会 -日本糖尿病学会、日本糖尿病協会-
こんにちは。
11月14日は世界糖尿病デーです。
事務局の日本糖尿病学会・日本糖尿病協会によれば、
糖尿病の正しい知識の普及を願い、
全国約200ヶ所でブルーライトアップを実施するそうです。
よい試みとは思うのですが、
そもそも「アドボカシー」って何?と訝る糖尿人も多いと思います。
私もよく分からなかったので調べてみました。
アドボカシーとは、「アドボケイト」と同じ語源で
「擁護・代弁」や「支持・表明」「唱道」などの意味を持ち、
同時に政治的、経済的、社会的なシステムや制度における決定に影響を与えることを目的とした、
個人またはグループによる活動や運動を意味するそうです。
要するに糖尿人を支持しそれを表明し、
糖尿病に対する政治・経済・社会的制度における決定に影響を与える活動ですね。
そういうことでしたら、
極めて単純に「糖尿人は糖質制限食実践」を推奨するのみです。
それで、糖尿病合併症の予防・改善・治療が可能となります。
糖質制限食以外の糖質ありの食事療法は、
「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という「酸化ストレス」を
予防できないので、結局、合併症を防ぐことは困難なのです。
米国糖尿病学会も、2019年4月のコンセンサス・レポートで
『糖質制限食は、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。』と明言し、
糖尿病食事療法の第一選択に推奨して以降、
2020年、2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
糖質制限食は、緩やかなものも厳格なものも含めての推奨です。
International Diabetes Federation (IDF/国際糖尿病連合)も
米国糖尿病学会に見習って、エビデンスに基づき
「糖尿人は糖質制限食実践」と宣言して欲しいものです。
江部康二
報道関係各位
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.wddj.jp/pdf/2022/PR_WDD20221111.pdf
世界糖尿病デー実行委員会 -日本糖尿病学会、日本糖尿病協会-
11月14日(月)は世界糖尿病デー
糖尿病の正しい知識の普及を願い、
全国約200ヶ所でブルーライトアップを実施
世界糖尿病デー実行委員会(一般社団法人日本糖尿病学会・公益社団法人日本糖尿病協会)は、11月14日の世界糖尿病デーに国内の著名な建造物をブルーにライトアップし、糖尿病を正しく理解し、予防につとめることを市民に訴えます。
■ブルーライトアップ
2006年に糖尿病の脅威に関する国連決議が採択されると、
世界糖尿病デーを周知する目的で、
世界各国で著名な建造物をブルーにライトアップするイベントが始まりました。
日本でも、2007年の東京タワーのブルーライトアップを皮切りに、
全国に活動が拡がり、
2019年にはほぼすべての都道府県で自治体や関連団体などの協力を得て、
11月14日のブルーライトアップと市民向けの糖尿病啓発イベントが行われました。 本年も、札幌時計台、横浜マリンタワー、大阪城、姫路城、出雲大社、大宰府天満宮など、全国の著名な建造物のほか、
各地の医療機関でのライトアップの取り組みも増えて、
より草の根レベルの啓発活動が展開されます。
なお、2022年のシンボルライトアップは、
第66回日本糖尿病学会年次学術集会の開催地となる
鹿児島県鹿児島市の「アミュプラザ鹿児島 観覧車アミュラン」です。
■2022年のテーマ「偏見にNo!糖尿病をもつ人はあなたと同じ社会で活躍できる人です」
糖尿病に対する周囲の不正確な理解により、糖尿病であることを隠したり、治療を中断してしまう人がいます。また、糖尿病を理由に、就職や結婚、生命保険の加入等で不利益を被る現実もあります。誰でも発症の可能性のある病気だからこそ、正しく知ってもらいたい。今年のテーマは、世の中から糖尿病に対する偏見をなくすために、正しい知識と理解が必要であることを訴えています。
■日本の糖尿病の概況
2019年(令和元年)国民健康・栄養調査(厚生労働省)によると、
「糖尿病が強く疑われる人」 の割合は、男性19.7%、女性10.8%でした。
ここ10年間でみると、男女とも有意な増減はみられず、
年齢階級別にみると、年齢が高い層でその割合が高くなっています。
■世界の糖尿病の現況
・ 2021年、世界の成人(20-79歳)糖尿病人口は5億3,700万人。
10人に1人の割合です。
中でも、アジア・太平洋地区は、2億600万人と世界で最多となっています。
・ 世界の成人糖尿病人口は、
2045年には7億8,300万人に増加すると予測されています。
・ 世界で5億4,100万人の成人が耐糖能異常の状態で、
2型糖尿病のハイリスク群となります。
・ 2021年、糖尿病は670万人の死亡の原因となっています。
5秒に1人が糖尿病に関連する疾患で命を落としています。
・ 世界の糖尿病治療と合併症管理にかかる医療費は、
少なくとも9,660億ドル(約143兆8,300億円)にのぼります。
これは、過去15年間で316%の増加となっています。
・ 世界の成人糖尿病人口の5人に4人以上(81%)は、
低・中所得国に住んでいます。
出典:IDF Diabetes Atlas 10th edition 2021(2年に1度発行)
■関連ウェブサイト
世界糖尿病デー実行委員会 https://www.wddj.jp/ (ブルーライトアップ/イベント一覧掲載)
日本糖尿病協会 https://www.nittokyo.or.jp/
日本糖尿病学会 http://www.jds.or.jp/
日本糖尿病対策推進会議 https://www.med.or.jp/doctor/diabetes/
厚生労働省 令和元年「国民健康・栄養調査」の結果 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html IDF http://www.idf.org/
IDF Diabetes Atlas http://www.diabetesatlas.org
★世界糖尿病デーの由来
1921 年に糖尿病治療に必要なインスリンを発見したフレデリック・バンティング博士(カナダ/1891-1941)の誕生日。
シンボルカラーのブルーは、
国連色とどこまでも拡がる青空の色から採用されました。
2006年12月20日、国連総会において糖尿病の脅威に関する決議が採択され、
(UN Resolution 61/225/United Nation)公式な国連デーとなりました。
★ブルーサークルとは
世界糖尿病デーのキャンペーンには、
青い丸をモチーフにした「ブルーサークル」が用いられます。
これは、糖尿病に関する国連決議が採択された翌年2007年から使われるシンボルマークです。
どこまでも続く空を表す「ブルー」と、団結を表す「輪」をデザインし、
”Unite for Diabetes”(糖尿病との闘いのため団結せよ)というキャッチフレーズとともに、世界中で糖尿病抑制に向けたキャンペーンを推進しています。
★世界糖尿病デー実行委員会とは
2006 年の国連決議を受けて、日本国内の糖尿病啓発を促進するために日本糖尿病協会と日本糖尿病学会により設立された任意団体です。
世界糖尿病デーに関する国内の啓発活動を統括し、
各地のブルーライトアップや地域密着型イベントを支援しています。
★ IDFとは
International Diabetes Federation (IDF/国際糖尿病連合)は、170 カ国・地域から 230以上の糖尿病関連団体が参加する組織で、
1950年から世界の糖尿病関連団体をリードし、
増加する糖尿病患者とその予備群を支援する活動を展開しています。
2006 年の国連決議採択では、世界保健機関(WHO)とともに主導的な役割を果たしました。日本糖尿病学会・日本糖尿病協会もIDFの正会員です。
************************************************************************
◇国内ブルーライトアップ、イベントに関するお問い合わせ先◇
公益社団法人日本糖尿病協会 事務局
〒102-0083 東京都千代田区麹町2-2-4 8F
TEL :03-3514-1721 FAX: 03-3514-1725
E-mail: office@nittokyo.or.jp
2022年11月11日 (金)
こんばんは。
今回はブログ読者の皆さんに、
糖尿病を早期発見するための方法をお知らせしたいと思います。
糖尿病発見は、早ければ早いほどいいです。
境界型の段階で見つかれば、さらにいいです。
今回は、早期発見のノウハウを説明したいと思います。
<糖代謝異常の判定基準(日本糖尿病学会)>
A) 糖尿病型
①早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上
②75gOGTTで120分後血糖値が200mg/dl以上
③随時血糖値200mg/dl以上
④HbA1c≧6.5%
①~④のいずれかが確認された場合は「糖尿病型」と判定する。
B) 正常型
⑤早朝空腹時血糖値が110mg/dl未満
⑥75gOGTTで120分後血糖値が140mg/dl未満
⑤および⑥の血糖値が確認された場合は「正常型」と判定する。
C) 境界型
正常型にも糖尿病型にも属さない場合は「境界型」と判定する。
<75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)>
*朝まで、10時間以上の絶食のあと検査を実施する。
*検査終了までは、運動・喫煙は控える。
*負荷試験の前3日間は、150g/日以上の糖質摂取を、日本糖尿病学会は推奨。
*糖尿病と診断がついている場合は、原則として実施しない。
<糖尿病の診断>
1) 異なる日に①②③を、再確認できたら糖尿病と診断。
2) 「①+④」「②+④」「③+④」が同時に確認できたらは糖尿病と診断。
3) ④単独の場合、再検査で血糖値が糖尿病型なら、糖尿病と診断。
4) 血糖値が糖尿病型で糖尿病の典型的症状があるか糖尿病網膜症があれば糖尿病と診断。
* 糖尿病の診断には血糖検査は必須であり、HbA1cだけでは診断できない。
< 境界型の分類>
境界型にはWHO分類のIGT、IFG、IFG/IGTがある。
・IFG(Impaired fasting glycaemia): 空腹時血糖異常
・IGT(Impaired Glucose Tolerance): 耐糖能異常
a) 2時間値が140-199mg/dlとなる耐糖能異常であるIGT (Impaired Glucose Tolerance)
IGT単独なら早朝空腹時血糖値は110mg/dl未満で正常である。
b) 空腹時血糖値が110-125mg/dlとなるIFG (Impaired fasting glycaemia)
IFG単独なら75gOGTTにて2時間値は140mg/dl未満で正常である。
c) 両者の合併であるIFG/IGTの3つのパターンがある。
< 糖尿病発症に到る流れ>
Ⅰ) IGT→糖尿病(食後血糖値200mg/dl以上または75gOGTT2時間値200mg/dl以上)
このパターンの場合、既に糖尿病を発症している段階でも
早朝空腹時血糖値は正常で健診で見逃されるので、注意が必要。
Ⅱ) IGT→IFG/IGT→糖尿病(上記200mg/dl以上または空腹時血糖値126mg/dl以上)
このパターンは、IFG/IGTの段階で、通常の健診でもチェックできる。
Ⅲ) IFG→IFG/IGT→糖尿病
通常の健診でもチェックできる。パターンとしては少ない。
日本人では、IGTや200mg/dl以上の食後高血糖が、数年から10年続いて、
初めて早朝空腹時血糖値が110mg/dlを超えることが、最も多いとされています。
つまりⅠ)Ⅱ)のパターンが多くて、Ⅲ)のパターンは少ないのですね。
従いまして、一般的な健康診断の早朝空腹時血糖値で、
糖尿病の早期診断をするのは、おおいに無理があります。
そもそも日本人ではIFG単独の例は、かなり少ないと考えられます。
Ⅰ)Ⅱ)Ⅲ)どのパターンでも、
最終的には、IGTを経て糖尿病型になると考えられます。
IFGからいきなり糖尿病型になるというのは、少ないと思います。
従って、なんとかIGTの段階(糖尿病発症前)でチェックできれば、
治療的には大変役立ちます。
<早期発見には>
そのためには、75g経口ブドウ糖負荷試験が一番確実です。
しかし、かなり面倒で手間暇も費用もかかりますから、
デンプン(糖質)一人前を食べ始めて1時間後の血糖値、
あるいは尿糖を調べれば簡便です。
尿糖が陽性ということは、180mg/dlを超える血糖値があった可能性が高いです。
1時間値が180mg/dlを超えていると、2時間値が140mg/dl未満で正常でも、
将来糖尿病になりやすいので注意が必要なのです。
糖尿病は、インスリン作用不足(インスリン分泌不足+インスリン抵抗性)がベースにあり、発症します。
日本人では、インスリン分泌不足が主で、インスリン抵抗性が従と言われています。
IGTの段階で、まずインスリン追加分泌が不足、あるいは遷延しています。
それが数年以上続いて、インスリン基礎分泌も不足してきたら、IFGも合併してきます。
一方、欧米人では、インスリン抵抗性が主で、インスリン分泌不足が従とされています。
この場合、インスリン分泌能力はまだあるけれど、
効きが悪い(インスリン抵抗性)ため高血糖となります。
そうすると、インスリン抵抗性のため、
基礎分泌のインスリンの量では早朝空腹時血糖値がやや高いけど、
追加分泌は大量に出せるので食後高血糖は防いでいるというIFGの人が、
日本より高率に存在する可能性があります。
日本人でも肥満が目立つ人は、
インスリン抵抗性が主の欧米パターンの糖尿病発症もありえます。
この場合、早期に発見できれば、インスリン分泌能力は残っているので、
肥満が改善してインスリン抵抗性が改善すれば、
糖尿病がほぼ治ったごとくになることもあり得ます。
ともあれ、IGT、IFG、IFG/IGTの段階で発見できればおおきなアドバンテージです。
この段階でなら、緩やかな糖質制限食でも、糖尿病発症は防げると思いますよ。ヾ(^▽^)
勿論、すでに糖尿病と診断された人は、スーパー糖質制限食が最適です。
江部康二
今回はブログ読者の皆さんに、
糖尿病を早期発見するための方法をお知らせしたいと思います。
糖尿病発見は、早ければ早いほどいいです。
境界型の段階で見つかれば、さらにいいです。
今回は、早期発見のノウハウを説明したいと思います。
<糖代謝異常の判定基準(日本糖尿病学会)>
A) 糖尿病型
①早朝空腹時血糖値が126mg/dl以上
②75gOGTTで120分後血糖値が200mg/dl以上
③随時血糖値200mg/dl以上
④HbA1c≧6.5%
①~④のいずれかが確認された場合は「糖尿病型」と判定する。
B) 正常型
⑤早朝空腹時血糖値が110mg/dl未満
⑥75gOGTTで120分後血糖値が140mg/dl未満
⑤および⑥の血糖値が確認された場合は「正常型」と判定する。
C) 境界型
正常型にも糖尿病型にも属さない場合は「境界型」と判定する。
<75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)>
*朝まで、10時間以上の絶食のあと検査を実施する。
*検査終了までは、運動・喫煙は控える。
*負荷試験の前3日間は、150g/日以上の糖質摂取を、日本糖尿病学会は推奨。
*糖尿病と診断がついている場合は、原則として実施しない。
<糖尿病の診断>
1) 異なる日に①②③を、再確認できたら糖尿病と診断。
2) 「①+④」「②+④」「③+④」が同時に確認できたらは糖尿病と診断。
3) ④単独の場合、再検査で血糖値が糖尿病型なら、糖尿病と診断。
4) 血糖値が糖尿病型で糖尿病の典型的症状があるか糖尿病網膜症があれば糖尿病と診断。
* 糖尿病の診断には血糖検査は必須であり、HbA1cだけでは診断できない。
< 境界型の分類>
境界型にはWHO分類のIGT、IFG、IFG/IGTがある。
・IFG(Impaired fasting glycaemia): 空腹時血糖異常
・IGT(Impaired Glucose Tolerance): 耐糖能異常
a) 2時間値が140-199mg/dlとなる耐糖能異常であるIGT (Impaired Glucose Tolerance)
IGT単独なら早朝空腹時血糖値は110mg/dl未満で正常である。
b) 空腹時血糖値が110-125mg/dlとなるIFG (Impaired fasting glycaemia)
IFG単独なら75gOGTTにて2時間値は140mg/dl未満で正常である。
c) 両者の合併であるIFG/IGTの3つのパターンがある。
< 糖尿病発症に到る流れ>
Ⅰ) IGT→糖尿病(食後血糖値200mg/dl以上または75gOGTT2時間値200mg/dl以上)
このパターンの場合、既に糖尿病を発症している段階でも
早朝空腹時血糖値は正常で健診で見逃されるので、注意が必要。
Ⅱ) IGT→IFG/IGT→糖尿病(上記200mg/dl以上または空腹時血糖値126mg/dl以上)
このパターンは、IFG/IGTの段階で、通常の健診でもチェックできる。
Ⅲ) IFG→IFG/IGT→糖尿病
通常の健診でもチェックできる。パターンとしては少ない。
日本人では、IGTや200mg/dl以上の食後高血糖が、数年から10年続いて、
初めて早朝空腹時血糖値が110mg/dlを超えることが、最も多いとされています。
つまりⅠ)Ⅱ)のパターンが多くて、Ⅲ)のパターンは少ないのですね。
従いまして、一般的な健康診断の早朝空腹時血糖値で、
糖尿病の早期診断をするのは、おおいに無理があります。
そもそも日本人ではIFG単独の例は、かなり少ないと考えられます。
Ⅰ)Ⅱ)Ⅲ)どのパターンでも、
最終的には、IGTを経て糖尿病型になると考えられます。
IFGからいきなり糖尿病型になるというのは、少ないと思います。
従って、なんとかIGTの段階(糖尿病発症前)でチェックできれば、
治療的には大変役立ちます。
<早期発見には>
そのためには、75g経口ブドウ糖負荷試験が一番確実です。
しかし、かなり面倒で手間暇も費用もかかりますから、
デンプン(糖質)一人前を食べ始めて1時間後の血糖値、
あるいは尿糖を調べれば簡便です。
尿糖が陽性ということは、180mg/dlを超える血糖値があった可能性が高いです。
1時間値が180mg/dlを超えていると、2時間値が140mg/dl未満で正常でも、
将来糖尿病になりやすいので注意が必要なのです。
糖尿病は、インスリン作用不足(インスリン分泌不足+インスリン抵抗性)がベースにあり、発症します。
日本人では、インスリン分泌不足が主で、インスリン抵抗性が従と言われています。
IGTの段階で、まずインスリン追加分泌が不足、あるいは遷延しています。
それが数年以上続いて、インスリン基礎分泌も不足してきたら、IFGも合併してきます。
一方、欧米人では、インスリン抵抗性が主で、インスリン分泌不足が従とされています。
この場合、インスリン分泌能力はまだあるけれど、
効きが悪い(インスリン抵抗性)ため高血糖となります。
そうすると、インスリン抵抗性のため、
基礎分泌のインスリンの量では早朝空腹時血糖値がやや高いけど、
追加分泌は大量に出せるので食後高血糖は防いでいるというIFGの人が、
日本より高率に存在する可能性があります。
日本人でも肥満が目立つ人は、
インスリン抵抗性が主の欧米パターンの糖尿病発症もありえます。
この場合、早期に発見できれば、インスリン分泌能力は残っているので、
肥満が改善してインスリン抵抗性が改善すれば、
糖尿病がほぼ治ったごとくになることもあり得ます。
ともあれ、IGT、IFG、IFG/IGTの段階で発見できればおおきなアドバンテージです。
この段階でなら、緩やかな糖質制限食でも、糖尿病発症は防げると思いますよ。ヾ(^▽^)
勿論、すでに糖尿病と診断された人は、スーパー糖質制限食が最適です。
江部康二
2022年11月10日 (木)
こんにちは。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14
▼ 『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
https://youtu.be/_BQiQv4Pg8k
のご案内です。
今回のテーマですが、原点に戻って、
「糖質制限食は巷で言われているような変わった食事なのか?」
ということを考察してみました。
まずは日本列島にヒトが住みついた
38000年前の旧石器時代の食生活から開始です。
結論をいうと『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』でした。
以前は『新縄文食』と言っていましたが、
糖質摂取比率10%ていどのスーパー糖質制限食は
旧石器時代の食事とほぼ一緒でした。
そして、旧石器時代は約22000年間という長期にわたって続きましたが、
この時に日本人の消化・吸収・生理・代謝システムなどが完成されたわけです。
従って我々日本人の身体は、
『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』に最も適合していると考えられます。
詳しくはユーチューブをご視聴頂ければ幸いです。
なお、旧石器~弥生時代を原始時代と呼ぶとは浅学にして知りませんでした。
糖質制限食に関して、米国糖尿病学会は、
2019年4月のコンセンサス・レポートで
『エビデンスが最も豊富なのは糖質制限食である』と明言して以降は、
2020年、2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
このように糖質制限食には
エビデンスに基づいた米国糖尿病学会のお墨付きがあります。
私は、糖質制限食はブームではなく、生理学的なな真実そのものと考えています。
従ってブームのように消え去ることはなく、
今後もどんどん繁栄していくと思っています。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14」の配信をご案内申し上げます。
テーマは「糖質制限食は変わった食事か? ~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える」です。
・日本の旧石器、縄文、弥生の各時代の食生活
・糖質制限食の定義と高雄病院の3つのコース
・旧石器時代の食生活とスーパー糖質制限食
・日本人が精製炭水化物を食べ始めたのはいつ頃か
・生活習慣病の根本要因
等について述べつつ、糖質制限食はどのような食事と言えるかを話しております。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.14
『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
https://youtu.be/_BQiQv4Pg8k
ご覧いただけますと、また、ご興味のある方へシェアしていただけますと幸いです。
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14
▼ 『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
https://youtu.be/_BQiQv4Pg8k
のご案内です。
今回のテーマですが、原点に戻って、
「糖質制限食は巷で言われているような変わった食事なのか?」
ということを考察してみました。
まずは日本列島にヒトが住みついた
38000年前の旧石器時代の食生活から開始です。
結論をいうと『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』でした。
以前は『新縄文食』と言っていましたが、
糖質摂取比率10%ていどのスーパー糖質制限食は
旧石器時代の食事とほぼ一緒でした。
そして、旧石器時代は約22000年間という長期にわたって続きましたが、
この時に日本人の消化・吸収・生理・代謝システムなどが完成されたわけです。
従って我々日本人の身体は、
『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』に最も適合していると考えられます。
詳しくはユーチューブをご視聴頂ければ幸いです。
なお、旧石器~弥生時代を原始時代と呼ぶとは浅学にして知りませんでした。
糖質制限食に関して、米国糖尿病学会は、
2019年4月のコンセンサス・レポートで
『エビデンスが最も豊富なのは糖質制限食である』と明言して以降は、
2020年、2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
このように糖質制限食には
エビデンスに基づいた米国糖尿病学会のお墨付きがあります。
私は、糖質制限食はブームではなく、生理学的なな真実そのものと考えています。
従ってブームのように消え去ることはなく、
今後もどんどん繁栄していくと思っています。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14」の配信をご案内申し上げます。
テーマは「糖質制限食は変わった食事か? ~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える」です。
・日本の旧石器、縄文、弥生の各時代の食生活
・糖質制限食の定義と高雄病院の3つのコース
・旧石器時代の食生活とスーパー糖質制限食
・日本人が精製炭水化物を食べ始めたのはいつ頃か
・生活習慣病の根本要因
等について述べつつ、糖質制限食はどのような食事と言えるかを話しております。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.14
『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
https://youtu.be/_BQiQv4Pg8k
ご覧いただけますと、また、ご興味のある方へシェアしていただけますと幸いです。
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
2022年11月09日 (水)
こんにちは。
昨日(2022/11/8)のブログ記事は、乳ガンの話題でした。
本日は、脂肪摂取と乳がん発症に関する信頼度の高い大規模研究を紹介します。
戦後ずっと長い間、『脂肪悪玉説』が、先進国を席巻して、
「大腸ガン、乳ガン、心筋梗塞などの元凶は脂肪摂取過剰である。」
という(根拠のない)定説がまことしやかに信じられてきたと思います。
これに対して、大変興味深い研究結果が発表されました。
米国医師会雑誌、2006年2月8日号に掲載された3本の論文において
「<低脂肪+野菜豊富な食生活>は
乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを下げないし、
総コレステロール値も不変であった。」
という報告がなされたのです。(*)
米国医師会雑誌は、インパクトファクターが高く、
ニューイングランドジャーナルに次ぐ権威ある医学雑誌です。
RCT研究論文ですので、エビデンスレベルも一番高いです。
5万人弱の閉経女性を対象に、
対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した結果です。
高額の費用をつぎ込んだ大規模臨床試験で、二度とできない高いレベルの研究です。
2万5千人ずつにグループ分けをして、
一方は、脂肪熱量比率20%で強力に低脂肪食を指導しました。
残るグループは脂肪制限なしなので、米国女性平均なら30数%の脂肪摂取比率です。
平均的米国女性に対して、約半分近くまで、
脂肪摂取比率を厳格に減らして臨床試験を実施したわけです。
研究をデザインした医師は、
「高脂肪食が大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクを増大させる」=『脂肪悪玉説』
という従来の定説を掲げて、
それを証明するためにこのRCTを実施した可能性があります。
すなわち、
「低脂肪食実践により、大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクが減少する」
と信じてこのRCTを開始したと考えられます。
ところが、豈図らんや、
『低脂肪食は、乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを全く下げなかった』
のです。
これは、即ち、脂肪悪玉説が根底から否定されたということです。
人数といい期間とといい、二度とできないレベルの大規模試験ですので
これが、最終結論といっても過言ではないと思います。
<結論>
「5万人を8年間追跡したJAMA掲載のRCT研究論文で、少なくとも乳ガン・大腸ガン・心血管疾患に関しては、脂肪悪玉説は否定された。」
ということになります。
脂肪悪玉説を根底から覆す、良質の信頼度の高いエビデンスです。
<肥満とがん>
なお、世界ガン研究基金は2007年の報告で、
肥満があると、大腸・食道・膵臓・腎臓・子宮内膜(子宮)・乳房のガンになるリスクが高まるとしています。
これら6つのガンに関しては、はっきり肥満がリスクになるということです。
また、胆のうに関しては、肥満がおそらく発ガンのリスクを高めるとしています。
美味しく楽しく楽に長く続けられるという意味でも、
糖質制限食が肥満にはもっとも有効な治療法であり、
ガン予防にもなりますね。 (^_^)
(*)Journal of American Medical Association(JAMA)誌
2006年2月8日号の疾患ごとにまとめられた3本の論文で報告。
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Invasive Breast Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Colorectal Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Cardiovascular Disease
: The Women's Health Initiative Randomized Controlled Dietary Modification Trial
JAMA ,295(6):629-642. 643-654. 655-666.
江部康二
昨日(2022/11/8)のブログ記事は、乳ガンの話題でした。
本日は、脂肪摂取と乳がん発症に関する信頼度の高い大規模研究を紹介します。
戦後ずっと長い間、『脂肪悪玉説』が、先進国を席巻して、
「大腸ガン、乳ガン、心筋梗塞などの元凶は脂肪摂取過剰である。」
という(根拠のない)定説がまことしやかに信じられてきたと思います。
これに対して、大変興味深い研究結果が発表されました。
米国医師会雑誌、2006年2月8日号に掲載された3本の論文において
「<低脂肪+野菜豊富な食生活>は
乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを下げないし、
総コレステロール値も不変であった。」
という報告がなされたのです。(*)
米国医師会雑誌は、インパクトファクターが高く、
ニューイングランドジャーナルに次ぐ権威ある医学雑誌です。
RCT研究論文ですので、エビデンスレベルも一番高いです。
5万人弱の閉経女性を対象に、
対照群を置き、平均8年間にわたって追跡した結果です。
高額の費用をつぎ込んだ大規模臨床試験で、二度とできない高いレベルの研究です。
2万5千人ずつにグループ分けをして、
一方は、脂肪熱量比率20%で強力に低脂肪食を指導しました。
残るグループは脂肪制限なしなので、米国女性平均なら30数%の脂肪摂取比率です。
平均的米国女性に対して、約半分近くまで、
脂肪摂取比率を厳格に減らして臨床試験を実施したわけです。
研究をデザインした医師は、
「高脂肪食が大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクを増大させる」=『脂肪悪玉説』
という従来の定説を掲げて、
それを証明するためにこのRCTを実施した可能性があります。
すなわち、
「低脂肪食実践により、大腸ガン、乳ガン、心血管疾患のリスクが減少する」
と信じてこのRCTを開始したと考えられます。
ところが、豈図らんや、
『低脂肪食は、乳癌、大腸癌、心血管疾患リスクを全く下げなかった』
のです。
これは、即ち、脂肪悪玉説が根底から否定されたということです。
人数といい期間とといい、二度とできないレベルの大規模試験ですので
これが、最終結論といっても過言ではないと思います。
<結論>
「5万人を8年間追跡したJAMA掲載のRCT研究論文で、少なくとも乳ガン・大腸ガン・心血管疾患に関しては、脂肪悪玉説は否定された。」
ということになります。
脂肪悪玉説を根底から覆す、良質の信頼度の高いエビデンスです。
<肥満とがん>
なお、世界ガン研究基金は2007年の報告で、
肥満があると、大腸・食道・膵臓・腎臓・子宮内膜(子宮)・乳房のガンになるリスクが高まるとしています。
これら6つのガンに関しては、はっきり肥満がリスクになるということです。
また、胆のうに関しては、肥満がおそらく発ガンのリスクを高めるとしています。
美味しく楽しく楽に長く続けられるという意味でも、
糖質制限食が肥満にはもっとも有効な治療法であり、
ガン予防にもなりますね。 (^_^)
(*)Journal of American Medical Association(JAMA)誌
2006年2月8日号の疾患ごとにまとめられた3本の論文で報告。
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Invasive Breast Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Colorectal Cancer
Low-Fat Dietary Pattern and Risk of Cardiovascular Disease
: The Women's Health Initiative Randomized Controlled Dietary Modification Trial
JAMA ,295(6):629-642. 643-654. 655-666.
江部康二
2022年11月08日 (火)
こんにちは。
保健指導リソースガイドのサイトに
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2022/011246.php
45歳未満の肥満気味の女性は乳がんリスクが低い
しかし閉経後の肥満は乳がんリスクを高める
ニュース 2022年06月20日
という記事が掲載されました。
☆☆☆の青色の記載が、この記事の要約です。
『45歳未満で体格指数(BMI)が22以上の肥満気味の女性は、
乳がんのリスクが低くなる』ことが、
東京大学が国内の45歳未満の女性約80万例の大規模な医療データベースを解析して
明らかとなりました。
欧米では、すでに、
『45歳未満で体格指数(BMI)が22以上の肥満気味の女性は、
乳がんのリスクが低くなる』とされていましたが、
日本でも、同様であることが、東京大学の解析で、明らかとなりました。
しかし、その理由は仮説を含めて述べてありません。
あくまでも仮説ですが、欧米でも日本でも、健康度が高い女性は
今の食生活・ライフスタイルだと、普通に肥満しやすいと思われます。
そうすると健康度が高く自然免疫も高い女性が乳がんにもなりにくい可能性があります。
今の食生活・ライフスタイルで、痩せている方々は、
消化・吸収能力が低いとか一定、自然免疫が弱い可能性がありえます。
ともあれ、太っている人も痩せている人も普通の人も
糖質制限食を実践すれば
「食後高血糖」「追加分泌インスリンの過剰分泌」「血糖変動幅増大」という
活性酸素を発生させて酸化ストレスリスクを生じ、発がんのリスクとなることが
予防できる可能性があります。
『乳がんにかかる年齢のピークは、
東アジア(40~50歳代)と欧米(70歳代)で異なる』
ことが知られていましたが、その原因は分かっていませんでした。
今回の研究の結果にもとづくと、その違いは
『日本など東アジアの女性には肥満が少ないことと関連していると考えられます。
肥満の少ない日本の女性は、閉経前の40歳代から乳がんになりやすい一方で、
肥満がリスクとなる閉経後乳がんは比較的少ない』ものと推測されます。
『閉経後の女性では、BMIが30以上だと乳がんのリスクが1.34倍に高まった。
閉経後の乳がんのリスクは、BMIが1上がるごとに、
5%ずつ上昇する直線的な関連性がみられる』といいます。
閉経後の乳がんは、肥満との関係が明白です。
BMIが1上がるごとに5%ずつ上昇するという直線的な関連性がみられます。
ここは、やはり糖質制限食の出番です。
糖質制限食で肥満を予防・改善することで、乳がんのリスクが減ることとなります。
江部康二
☆☆☆
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2022/011246.php
【45歳未満で体格指数(BMI)が22以上の肥満気味の女性は、乳がんのリスクが低くなることが、東京大学が国内の45歳未満の女性約80万例の大規模な医療データベースを解析した研究で明らかになった。
とくに女性の肥満の少ない日本では、BMI分布を考慮すると、
40歳代から乳がん検診を受ける意義はより大きいものと考えられる。
閉経前に肥満気味の女性は乳がんにかかるリスクが減少
乳がんは、日本では生涯で9人に1人の女性が罹病しており、増加傾向にある。
乳がんの発生のしくみはいまだに不明だが、女性ホルモンへの曝露などいくつかのリスクが知られている。
閉経後の女性では、脂肪細胞が主たる女性ホルモン産生の場であることから、
人種・地域を問わず肥満が主なリスク因子であることが分かっている。
しかし、閉経前の女性では、肥満の乳がんリスクに人種差・地域差がある可能性がある。欧米では体格指数(BMI)が大きいと、閉経前に乳がんにかかるリスクが低いとされる一方、日本を含む東アジアではその関連性が分かっていない。
日本肥満学会の定めた基準では、BMI 18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」と判定される
そこで東京大学の研究グループは、国内の大規模医療データベースを用いて、
BMIと乳がん発生との関連を調査した。
45歳未満の女性約80万人のデータを解析した結果、
45歳未満でBMIが22以上の肥満気味の女性では、
乳がんのリスクが減少することが示された。
90%以上の日本人女性は45歳以降に閉経を迎えるとされていることから、
東アジアでBMIが閉経前乳がんに及ぼすリスクが
欧米と同様であることをはじめて示された。
日本の女性は閉経前から乳がんになりやすい 40代中心の乳がん検診が必要
乳がんにかかる年齢のピークは、
東アジア(40~50歳代)と欧米(70歳代)で異なることが知られており、
その原因は分かっていなかった。
今回の研究の結果にもとづくと、その違いは
日本など東アジアの女性には肥満が少ないことと関連していると考えられる。
肥満の少ない日本の女性は、閉経前の40歳代から乳がんになりやすい一方で、
肥満がリスクとなる閉経後乳がんは比較的少ないものと推測される。
そのため、「人口のBMI分布にもとづくがん検診の戦略が求められます。BMI分布を考慮すると、日本では40歳代を中心に、若年からの乳がん検診を受けることの意義がより大きいと考えられます」と、研究グループでは指摘している。
また、日本では、やせ型(BMI 18.5未満)の女性の比率が先進国のなかでもっとも高く、とくに20歳代の若い女性では、やせの割合が約20%と高い状態にある(2019年国民健康・栄養調査)。
45歳未満の女性のBMIと乳がんリスクの関連
BMIが22以上の女性では、ハザード比の推定値とその95%信頼区間が1を下回っており、BMIが22に比べて、統計学的有意に乳がんになりにくいことを示している。
一方、BMIが22以下の女性では、ハザード比の95%信頼区間が1をまたいでいるので、BMIと乳がんリスクとの間に統計学的関連はないことが示されている。
出典:東京大学、2022年
若い女性のやせ願望やダイエット指向は危険
日本の若い女性は、やせ願望やダイエット指向が強い傾向があり、やせる必要がないのに、偏った食生活を送ったり極端なダイエットを繰り返してしまうケースもみられる。
極端なダイエットなどによる偏った食生活は、鉄欠乏など潜在的な栄養不良や摂食障害のリスクも高める。また、食後高血糖となる「耐糖能異常」は、やせた若年女性にも多いことが分かっている。
やせていても、「インスリン抵抗性」や「脂肪組織の異常」が起きており、肥満者と同様の体質になっている場合があるという。「やせているのは良いこと」という認識は必ずしも正しくないことにも注意を向ける必要がある。
研究は、東京大学大学院医学系研究科の小西孝明氏(医学博士課程)、田辺真彦准教授、康永秀生教授、瀬戸泰之教授らの研究グループによるもの。
研究成果は、米国医学誌「Breast Cancer Research and Treatment」にオンライン掲載された。
閉経後の肥満は乳がんリスクを高める
健康的な体重を維持することが大切
乳がんは、日本人では以前は欧米に比べ少なかったが、女性の体形の変化とともに増加してきた。乳がんのリスクはこれまでも、閉経後女性ではBMIが大きいと増加し、逆に閉経前女性ではBMIが大きいと減少し、予防的に働くことが示されている。
国立がん研究センターなどが、日本の8件のコホート研究の18万人以上のデータを解析した別の研究では、閉経後の乳がんのリスクは、BMIが小さい女性ほど低く、大きい女性ほど高くなる傾向がみられた。
閉経後の女性では、BMIが30以上だと乳がんのリスクが1.34倍に高まった。
閉経後の乳がんのリスクは、BMIが1上がるごとに、
5%ずつ上昇する直線的な関連性がみられるという。
肥満女性では閉経後に、卵巣よりもむしろ脂肪組織が、女性ホルモンであるエストロゲンの供給源になることが影響していると考えられる。
乳がんのがん細胞の60~70%は、エストロゲンの影響を受けて分裂・増殖する。
閉経後の女性では、乳がん予防の観点からは、
やせているほうがリスクが低いことが示されている。
ただし、やせにいたるような栄養不足は、免疫力を弱めて感染症を引き起こしたり、
血管壁がもろくなり脳出血を起こしやすくなることなども知られている。
肥満ややせを防いで、健康的な体重を維持することが重要だ。
国立がん研究センターが提唱している「日本人のためのがん予防法」では、
総合的な健康にも配慮し、
中高年女性のBMIの目標値として21以上25未満が推奨されている。
閉経後の女性でもBMIが大きくなると乳がんリスク上昇
出典:国立がん研究センター、2014年
東京大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科学
Association between body mass index and incidence of breast cancer in premenopausal women: A Japanese nationwide database study Breast Cancer Research and Treatment 2022年6月4日)
Body mass index and breast cancer risk in Japan: a pooled analysis of eight population-based cohort studies (Annals of Oncology February 2014年2月)】
保健指導リソースガイドのサイトに
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2022/011246.php
45歳未満の肥満気味の女性は乳がんリスクが低い
しかし閉経後の肥満は乳がんリスクを高める
ニュース 2022年06月20日
という記事が掲載されました。
☆☆☆の青色の記載が、この記事の要約です。
『45歳未満で体格指数(BMI)が22以上の肥満気味の女性は、
乳がんのリスクが低くなる』ことが、
東京大学が国内の45歳未満の女性約80万例の大規模な医療データベースを解析して
明らかとなりました。
欧米では、すでに、
『45歳未満で体格指数(BMI)が22以上の肥満気味の女性は、
乳がんのリスクが低くなる』とされていましたが、
日本でも、同様であることが、東京大学の解析で、明らかとなりました。
しかし、その理由は仮説を含めて述べてありません。
あくまでも仮説ですが、欧米でも日本でも、健康度が高い女性は
今の食生活・ライフスタイルだと、普通に肥満しやすいと思われます。
そうすると健康度が高く自然免疫も高い女性が乳がんにもなりにくい可能性があります。
今の食生活・ライフスタイルで、痩せている方々は、
消化・吸収能力が低いとか一定、自然免疫が弱い可能性がありえます。
ともあれ、太っている人も痩せている人も普通の人も
糖質制限食を実践すれば
「食後高血糖」「追加分泌インスリンの過剰分泌」「血糖変動幅増大」という
活性酸素を発生させて酸化ストレスリスクを生じ、発がんのリスクとなることが
予防できる可能性があります。
『乳がんにかかる年齢のピークは、
東アジア(40~50歳代)と欧米(70歳代)で異なる』
ことが知られていましたが、その原因は分かっていませんでした。
今回の研究の結果にもとづくと、その違いは
『日本など東アジアの女性には肥満が少ないことと関連していると考えられます。
肥満の少ない日本の女性は、閉経前の40歳代から乳がんになりやすい一方で、
肥満がリスクとなる閉経後乳がんは比較的少ない』ものと推測されます。
『閉経後の女性では、BMIが30以上だと乳がんのリスクが1.34倍に高まった。
閉経後の乳がんのリスクは、BMIが1上がるごとに、
5%ずつ上昇する直線的な関連性がみられる』といいます。
閉経後の乳がんは、肥満との関係が明白です。
BMIが1上がるごとに5%ずつ上昇するという直線的な関連性がみられます。
ここは、やはり糖質制限食の出番です。
糖質制限食で肥満を予防・改善することで、乳がんのリスクが減ることとなります。
江部康二
☆☆☆
https://tokuteikenshin-hokensidou.jp/news/2022/011246.php
【45歳未満で体格指数(BMI)が22以上の肥満気味の女性は、乳がんのリスクが低くなることが、東京大学が国内の45歳未満の女性約80万例の大規模な医療データベースを解析した研究で明らかになった。
とくに女性の肥満の少ない日本では、BMI分布を考慮すると、
40歳代から乳がん検診を受ける意義はより大きいものと考えられる。
閉経前に肥満気味の女性は乳がんにかかるリスクが減少
乳がんは、日本では生涯で9人に1人の女性が罹病しており、増加傾向にある。
乳がんの発生のしくみはいまだに不明だが、女性ホルモンへの曝露などいくつかのリスクが知られている。
閉経後の女性では、脂肪細胞が主たる女性ホルモン産生の場であることから、
人種・地域を問わず肥満が主なリスク因子であることが分かっている。
しかし、閉経前の女性では、肥満の乳がんリスクに人種差・地域差がある可能性がある。欧米では体格指数(BMI)が大きいと、閉経前に乳がんにかかるリスクが低いとされる一方、日本を含む東アジアではその関連性が分かっていない。
日本肥満学会の定めた基準では、BMI 18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」と判定される
そこで東京大学の研究グループは、国内の大規模医療データベースを用いて、
BMIと乳がん発生との関連を調査した。
45歳未満の女性約80万人のデータを解析した結果、
45歳未満でBMIが22以上の肥満気味の女性では、
乳がんのリスクが減少することが示された。
90%以上の日本人女性は45歳以降に閉経を迎えるとされていることから、
東アジアでBMIが閉経前乳がんに及ぼすリスクが
欧米と同様であることをはじめて示された。
日本の女性は閉経前から乳がんになりやすい 40代中心の乳がん検診が必要
乳がんにかかる年齢のピークは、
東アジア(40~50歳代)と欧米(70歳代)で異なることが知られており、
その原因は分かっていなかった。
今回の研究の結果にもとづくと、その違いは
日本など東アジアの女性には肥満が少ないことと関連していると考えられる。
肥満の少ない日本の女性は、閉経前の40歳代から乳がんになりやすい一方で、
肥満がリスクとなる閉経後乳がんは比較的少ないものと推測される。
そのため、「人口のBMI分布にもとづくがん検診の戦略が求められます。BMI分布を考慮すると、日本では40歳代を中心に、若年からの乳がん検診を受けることの意義がより大きいと考えられます」と、研究グループでは指摘している。
また、日本では、やせ型(BMI 18.5未満)の女性の比率が先進国のなかでもっとも高く、とくに20歳代の若い女性では、やせの割合が約20%と高い状態にある(2019年国民健康・栄養調査)。
45歳未満の女性のBMIと乳がんリスクの関連
BMIが22以上の女性では、ハザード比の推定値とその95%信頼区間が1を下回っており、BMIが22に比べて、統計学的有意に乳がんになりにくいことを示している。
一方、BMIが22以下の女性では、ハザード比の95%信頼区間が1をまたいでいるので、BMIと乳がんリスクとの間に統計学的関連はないことが示されている。
出典:東京大学、2022年
若い女性のやせ願望やダイエット指向は危険
日本の若い女性は、やせ願望やダイエット指向が強い傾向があり、やせる必要がないのに、偏った食生活を送ったり極端なダイエットを繰り返してしまうケースもみられる。
極端なダイエットなどによる偏った食生活は、鉄欠乏など潜在的な栄養不良や摂食障害のリスクも高める。また、食後高血糖となる「耐糖能異常」は、やせた若年女性にも多いことが分かっている。
やせていても、「インスリン抵抗性」や「脂肪組織の異常」が起きており、肥満者と同様の体質になっている場合があるという。「やせているのは良いこと」という認識は必ずしも正しくないことにも注意を向ける必要がある。
研究は、東京大学大学院医学系研究科の小西孝明氏(医学博士課程)、田辺真彦准教授、康永秀生教授、瀬戸泰之教授らの研究グループによるもの。
研究成果は、米国医学誌「Breast Cancer Research and Treatment」にオンライン掲載された。
閉経後の肥満は乳がんリスクを高める
健康的な体重を維持することが大切
乳がんは、日本人では以前は欧米に比べ少なかったが、女性の体形の変化とともに増加してきた。乳がんのリスクはこれまでも、閉経後女性ではBMIが大きいと増加し、逆に閉経前女性ではBMIが大きいと減少し、予防的に働くことが示されている。
国立がん研究センターなどが、日本の8件のコホート研究の18万人以上のデータを解析した別の研究では、閉経後の乳がんのリスクは、BMIが小さい女性ほど低く、大きい女性ほど高くなる傾向がみられた。
閉経後の女性では、BMIが30以上だと乳がんのリスクが1.34倍に高まった。
閉経後の乳がんのリスクは、BMIが1上がるごとに、
5%ずつ上昇する直線的な関連性がみられるという。
肥満女性では閉経後に、卵巣よりもむしろ脂肪組織が、女性ホルモンであるエストロゲンの供給源になることが影響していると考えられる。
乳がんのがん細胞の60~70%は、エストロゲンの影響を受けて分裂・増殖する。
閉経後の女性では、乳がん予防の観点からは、
やせているほうがリスクが低いことが示されている。
ただし、やせにいたるような栄養不足は、免疫力を弱めて感染症を引き起こしたり、
血管壁がもろくなり脳出血を起こしやすくなることなども知られている。
肥満ややせを防いで、健康的な体重を維持することが重要だ。
国立がん研究センターが提唱している「日本人のためのがん予防法」では、
総合的な健康にも配慮し、
中高年女性のBMIの目標値として21以上25未満が推奨されている。
閉経後の女性でもBMIが大きくなると乳がんリスク上昇
出典:国立がん研究センター、2014年
東京大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科学
Association between body mass index and incidence of breast cancer in premenopausal women: A Japanese nationwide database study Breast Cancer Research and Treatment 2022年6月4日)
Body mass index and breast cancer risk in Japan: a pooled analysis of eight population-based cohort studies (Annals of Oncology February 2014年2月)】
2022年11月07日 (月)
こんにちは。
「血糖に直接影響を与えるのは糖質のみ。」
というADA(米国糖尿病学会)の記載に関連する事柄を、1)~8)まで整理してまとめてみました。
1)「血糖値に直接影響を与えるのは糖質のみである」
2)「1型糖尿病で内因性インスリンが枯渇している場合や2型糖尿病でも内因性インスリンが枯渇に近いときは、
グルカゴン分泌を介してタンパク質が間接的に血糖値を上昇させる」
3)「上記の2)を除く大多数の内因性インスリンが残っている糖尿病患者においては、摂取後血糖値を上昇させ
るのは糖質のみである。」
4)「1)2)3)より、大多数の内因性インスリンが残っている糖尿病患者においては、糖質制限食が極めて有効である」
5)「脂質はインスリンもグルカゴンも分泌させない。」
6)「タンパク質はインスリンとグルカゴンを両方分泌させるので2)のケースを除いては効果は相殺されて、血糖値に
影響を与えない。」
7)「2)のようなケースでも、糖質制限食を導入することで、インスリンの量を大幅に減らすことができる。」
8)「2)のようなケースでは糖質制限に加えてタンパク質のカウントもするとコントロールはさらに良くなる。」
手元に、以下の本(英文の原書)があります。
American Diabetes Association
Life With Diabetes:A Siries of Teaching Outlines
by the Michigan Diabetes Research and Training Center ,
-4th Edition-,2009
57ページに
「Carbohydrate,protein,and fat contain calories.
Only Carbohydrates directly affect blood glucose levels. 」
という文章が記載してあります。
-3th Edition-2004年版から、継続してこの記載があります。
直訳すると
「炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物のみが、血糖値に直接影響を及ぼす。」
つまりADAによれば、タンパク質と脂肪は血糖値に直接影響を及ぼすことはないのです。
直接という言葉が意味深で、上記2)のようなケースがあっても矛盾しない表現にしたのでしょうね。
ADA(米国糖尿病学会)、流石です。
江部康二
「血糖に直接影響を与えるのは糖質のみ。」
というADA(米国糖尿病学会)の記載に関連する事柄を、1)~8)まで整理してまとめてみました。
1)「血糖値に直接影響を与えるのは糖質のみである」
2)「1型糖尿病で内因性インスリンが枯渇している場合や2型糖尿病でも内因性インスリンが枯渇に近いときは、
グルカゴン分泌を介してタンパク質が間接的に血糖値を上昇させる」
3)「上記の2)を除く大多数の内因性インスリンが残っている糖尿病患者においては、摂取後血糖値を上昇させ
るのは糖質のみである。」
4)「1)2)3)より、大多数の内因性インスリンが残っている糖尿病患者においては、糖質制限食が極めて有効である」
5)「脂質はインスリンもグルカゴンも分泌させない。」
6)「タンパク質はインスリンとグルカゴンを両方分泌させるので2)のケースを除いては効果は相殺されて、血糖値に
影響を与えない。」
7)「2)のようなケースでも、糖質制限食を導入することで、インスリンの量を大幅に減らすことができる。」
8)「2)のようなケースでは糖質制限に加えてタンパク質のカウントもするとコントロールはさらに良くなる。」
手元に、以下の本(英文の原書)があります。
American Diabetes Association
Life With Diabetes:A Siries of Teaching Outlines
by the Michigan Diabetes Research and Training Center ,
-4th Edition-,2009
57ページに
「Carbohydrate,protein,and fat contain calories.
Only Carbohydrates directly affect blood glucose levels. 」
という文章が記載してあります。
-3th Edition-2004年版から、継続してこの記載があります。
直訳すると
「炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。炭水化物のみが、血糖値に直接影響を及ぼす。」
つまりADAによれば、タンパク質と脂肪は血糖値に直接影響を及ぼすことはないのです。
直接という言葉が意味深で、上記2)のようなケースがあっても矛盾しない表現にしたのでしょうね。
ADA(米国糖尿病学会)、流石です。
江部康二
2022年11月06日 (日)
おはようございます。
相変わらず、根拠の乏しい糖質制限食批判が、
インターネットやユーチューブ(YouTube)で散見されます。
今回は、糖質制限食に肯定的なエビデンスとなる信頼度の高い論文を
取り上げてみました。
まずは、エビデンスレベルのもっとも高い
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」
の論文で、糖質制限食の有効性を示すものを列挙してみました。
集めてみると、こんなにたくさんあるのですね。
一方、糖質制限食に否定的な、
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」の論文は皆無です。
そして米国糖尿病学会は
2019年4月の<コンセンサスレポート>において
『糖質制限食は、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。』
『低炭水化物食、特に非常に低い低炭水化物食パターンは、HbA1cを下げて、
糖尿病薬を減らすことを示してきた。』
と明言しています。
2020年、2021年、2022年の<ガイドライン>においても、
同様の見解です。
この時点で、「糖質制限食是非論争」に
エビデンスレベルで、明白な決着がついたと言えます。
RCT(ランダム化比較試験)レベル1+
①Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2009年
体重減少、中性脂肪減少、HDL-C増加は低炭水化物食が低脂質・低カロリー食に比し有効。13の電子データベースの2000年1月~2007年3月の低炭水化物食と低脂質食比較RCTをメタ解析。
Systematic review of randomized controlled trials of low-carbohydrate vs. low-fat/low-calorie diets in the management of obesity and its comorbidities M. Hession,et all
Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)
Volume 10, Issue 1, pages 36–50, January 2009
②Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2012年
23レポートのメタ解析によって
研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066Systematic review and meta-analysis of clinical trialsof the effects of low carbohydrate diets oncardiovascular risk factorsobr_1021
③システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス。ランセット。
1)低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults:
A Systematic Review and Meta-Analysis Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu
RCT(ランダム化比較試験)レベル1
①低糖質食 vs. 低脂質食。低糖質食の圧勝
低糖質食 vs. 低脂質食、減量や脂質データなどCVD(心血管疾患)リスク低減で、
低糖質食の圧勝。148人の肥満者を、1年間研究。
低糖質食は40g/日未満。
Effects of low-carbohydrate and low-fat diets: a randomized trial.
Bazzano LA et all
Ann Intern Med. 2014 Sep 2;161(5):309-18
②DIRECT低炭水化物食で一番体重減少・ HDL-C増加
脂肪制限食(カロリー制限)、
地中海食(カロリー制限)、
低炭水化物食(カロリー無制限)の3群
低炭水化物群のみカロリー無制限のハンディがあったが、結局3群全て同じだけのカロリーが減少。満足度と満腹度。
当初糖質20g/日以下。3ヶ月後から120g/日以下を目指すも、結局女性150g/日、男性180g/日で40%の糖質。
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)
322人を3群に分けて、2年間の研究。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241
③DIRECTのフォローアップ研究。合計6年間。
地中海食、低炭水化物食の2群は、6年後も 体重減少に有意差あり。
Four-Year Follow-up after Two-Year Dietary Interventions
N Engl J Med 2012; 367:1373-1374October 4, 2012
④低糖質地中海食(LCMD)。HbA1cレベルの大きな減少。
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT研究論文。
糖質50%未満のLCMD群(108人)と低脂肪群(107人)の比較。女性は1500kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
⑤低炭水化物食が、肥満・HDL-C・TGを改善。
JAMA 2007年3月 A TO Z 体重減少研究
アトキンス、ゾーン、ラーン、オーニッシュダイエットのそれぞれの1年間の体重減少効果などをみた。311人の女性を上記4グループに分けて追跡。これら4種のダイエット法は、いずれも米国でポピュラーなものである。
アトキンスは低炭水化物食(スーパー糖質制限食)、ラーンとオーニッシュは高炭水化物、低脂肪食、ゾーンは炭水化物40%
低炭水化物食が体重を最も減少させて、HDL-CとTGを改善。
Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women
The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial ,JAMA297:969-977
エビデンスレベル 「糖尿病診療ガイドライン2016」
レベル1 + 質の高いランダム化比較試験(RCT)および
それらのメタアナリシス(MA)/システマティック・ レビュー(SR)
レベル1 それ以外のRCTおよびそれらのMA/SR
レベル2 前向きコホート研究およびそれらのMA/SR
(事前に定めた)RCTサブ解析
レベル3 非ランダム化比較試験 前後比較試験
後ろ向きコホート研究
ケースコントロール研究およびそれらのMA/SR
RCT後付けサブ解析
レベル4 横断研究
症例集積
*質の高いRCTとは①多数例②二重盲検、独立判定③高追跡率④ランダム割り付け法が明確などをさす。
江部康二
相変わらず、根拠の乏しい糖質制限食批判が、
インターネットやユーチューブ(YouTube)で散見されます。
今回は、糖質制限食に肯定的なエビデンスとなる信頼度の高い論文を
取り上げてみました。
まずは、エビデンスレベルのもっとも高い
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」
の論文で、糖質制限食の有効性を示すものを列挙してみました。
集めてみると、こんなにたくさんあるのですね。
一方、糖質制限食に否定的な、
「エビデンスレベル1+」と「エビデンスレベル1」の論文は皆無です。
そして米国糖尿病学会は
2019年4月の<コンセンサスレポート>において
『糖質制限食は、2型糖尿病で最も研究されてきたパターンである。』
『低炭水化物食、特に非常に低い低炭水化物食パターンは、HbA1cを下げて、
糖尿病薬を減らすことを示してきた。』
と明言しています。
2020年、2021年、2022年の<ガイドライン>においても、
同様の見解です。
この時点で、「糖質制限食是非論争」に
エビデンスレベルで、明白な決着がついたと言えます。
RCT(ランダム化比較試験)レベル1+
①Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2009年
体重減少、中性脂肪減少、HDL-C増加は低炭水化物食が低脂質・低カロリー食に比し有効。13の電子データベースの2000年1月~2007年3月の低炭水化物食と低脂質食比較RCTをメタ解析。
Systematic review of randomized controlled trials of low-carbohydrate vs. low-fat/low-calorie diets in the management of obesity and its comorbidities M. Hession,et all
Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)
Volume 10, Issue 1, pages 36–50, January 2009
②Obesity Reviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2012年
23レポートのメタ解析によって
研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066Systematic review and meta-analysis of clinical trialsof the effects of low carbohydrate diets oncardiovascular risk factorsobr_1021
③システマティック・レビュー/53RCTのメタアナリシス。ランセット。
1)低脂肪食よりも糖質制限食の方が減量効果が高い。
2)低脂肪食は他の高脂肪食との比較で減量効果に有意差なし。
3)低脂肪食は普通食との比較でのみ、体重減少効果があった。
4)低脂肪食は、長期的な減量効果についての科学的裏付けがない。
Effect of Low-Fat Diet Interventions Versus Other Diet Interventions on Long-Term Weight Change in Adults:
A Systematic Review and Meta-Analysis Lancet Diabetes Endocrinol 2015 Dec 01;3(12)968-979,
DK Tobias, M Chen, JE Manson, DS Ludwig, W Willett, FB Hu
RCT(ランダム化比較試験)レベル1
①低糖質食 vs. 低脂質食。低糖質食の圧勝
低糖質食 vs. 低脂質食、減量や脂質データなどCVD(心血管疾患)リスク低減で、
低糖質食の圧勝。148人の肥満者を、1年間研究。
低糖質食は40g/日未満。
Effects of low-carbohydrate and low-fat diets: a randomized trial.
Bazzano LA et all
Ann Intern Med. 2014 Sep 2;161(5):309-18
②DIRECT低炭水化物食で一番体重減少・ HDL-C増加
脂肪制限食(カロリー制限)、
地中海食(カロリー制限)、
低炭水化物食(カロリー無制限)の3群
低炭水化物群のみカロリー無制限のハンディがあったが、結局3群全て同じだけのカロリーが減少。満足度と満腹度。
当初糖質20g/日以下。3ヶ月後から120g/日以下を目指すも、結局女性150g/日、男性180g/日で40%の糖質。
糖質約50%の低脂肪食群、地中海食群(高糖質群)
DIRECT(Dietary Intervention Randomized Controlled Trial)
322人を3群に分けて、2年間の研究。
Iris Shai,et all:Weight Loss with a Low-Carbohydrate,Mediterranean,or Low-Fat Diet. NENGLJ MED JULY17,2008、VOL359.NO.3 229-241
③DIRECTのフォローアップ研究。合計6年間。
地中海食、低炭水化物食の2群は、6年後も 体重減少に有意差あり。
Four-Year Follow-up after Two-Year Dietary Interventions
N Engl J Med 2012; 367:1373-1374October 4, 2012
④低糖質地中海食(LCMD)。HbA1cレベルの大きな減少。
低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT研究論文。
糖質50%未満のLCMD群(108人)と低脂肪群(107人)の比較。女性は1500kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.
⑤低炭水化物食が、肥満・HDL-C・TGを改善。
JAMA 2007年3月 A TO Z 体重減少研究
アトキンス、ゾーン、ラーン、オーニッシュダイエットのそれぞれの1年間の体重減少効果などをみた。311人の女性を上記4グループに分けて追跡。これら4種のダイエット法は、いずれも米国でポピュラーなものである。
アトキンスは低炭水化物食(スーパー糖質制限食)、ラーンとオーニッシュは高炭水化物、低脂肪食、ゾーンは炭水化物40%
低炭水化物食が体重を最も減少させて、HDL-CとTGを改善。
Comparison of the Atkins, Zone, Ornish, and LEARN Diets for Change in Weight and Related Risk Factors Among Overweight Premenopausal Women
The A TO Z Weight Loss Study: A Randomized Trial ,JAMA297:969-977
エビデンスレベル 「糖尿病診療ガイドライン2016」
レベル1 + 質の高いランダム化比較試験(RCT)および
それらのメタアナリシス(MA)/システマティック・ レビュー(SR)
レベル1 それ以外のRCTおよびそれらのMA/SR
レベル2 前向きコホート研究およびそれらのMA/SR
(事前に定めた)RCTサブ解析
レベル3 非ランダム化比較試験 前後比較試験
後ろ向きコホート研究
ケースコントロール研究およびそれらのMA/SR
RCT後付けサブ解析
レベル4 横断研究
症例集積
*質の高いRCTとは①多数例②二重盲検、独立判定③高追跡率④ランダム割り付け法が明確などをさす。
江部康二
2022年11月04日 (金)
こんにちは。
糖尿病
メタボリックシンドローム・・・内臓脂肪蓄積が元凶
肥満
肥満に伴う高血圧
アトピー性皮膚炎
花粉症
尋常性乾癬
逆流性食道炎
尋常性痤瘡(ニキビ)
片頭痛
機能性低血糖
歯周病
潰瘍性大腸炎
認知症
など様々な生活習慣病の予防・改善に糖質制限食が有効です。
勿論、個人差はあります。
生活習慣病の本質は『糖質頻回過剰摂取+インスリン頻回過剰分泌』病です。
すなわち、「生活習慣病=糖質過剰病」といっても過言ではありません。
糖質制限食が『糖化・酸化ストレス』を防ぎ、
内臓脂肪蓄積・生活習慣病・老化・認知症を予防します。
上記の生活習慣病の改善のために、
新たに糖質制限食に取り組もうとされる方々にアドバイスです。
糖質制限食開始時に、おそらく長年の習慣で脂質まで制限してしまう方々がおられます。
この場合「糖質制限+脂質制限」となりますので、
食べるものは、白身魚やササミなどヘルシーとされるたんぱく質と
葉野菜や海藻・茸の類いが主となります。
こうなると、本人は気がつかないまま、摂取エネルギーはかなり少なくなり、
厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を大幅に下回り、
様々な症状と検査データの変化が生じます。
摂取エネルギー不足により生じる様々な症状を以下にまとめてみました。
<摂取エネルギー不足によって生じうる症状>
全身倦怠、筋力低下、無気力、髪がぬける、生理不順、体重減りすぎ、
低体温、冷え、色素性痒疹・・・、
といった症状が摂取エネルギー不足により生じます。
全身倦怠、筋力低下、無気力、髪がぬける、生理不順、
低体温、冷えなどの症状は、甲状腺機能低下症でも見られるので、
区別がつきにくいこともあります。
ただ甲状腺機能低下症では、
体重が増加することが多い(約6割)ので参考になると思います。
また、甲状腺機能低下症は橋本病(慢性甲状腺炎)など原疾患が無い限り、
そんなに簡単に発症することはありません。
気になれば、甲状腺機能検査をすれば明白になります。
遊離T3(FT3)基準値:2.1 - 3.8 pg/mL
遊離T4(FT4)基準値:0.82 - 1.63 ng/dL
甲状腺刺激ホルモン(TSH)基準値:0.38 - 4.31 μU/mL
FT4、TSHが正常なら、甲状腺機能は正常と考えていいです。
<摂取エネルギー不足によって生じうる検査データの変化。>
1)低T3症候群
FT3が低値で、FT4、TSHとも正常な病態を
「Low T3 syndrome(低T3症候群)」といい、
摂取エネルギー不足や低栄養のとき見られます。
慢性消耗性の疾患で低栄養の時に見かけます。
例えば神経性食思不振症などでは比較的よく見られます。
これらは、低栄養のため見かけ上、FT3が低値なだけで、
本当の甲状腺機能低下症ではありません。
2)高尿酸血症
カロリー不足で尿酸が上昇します。
例えば絶食すると、尿酸は急増します。
3)低ChE(コリンエステラーゼ)血症
肝機能検査の一つですが、摂取エネルギー不足で低下します。
4)血清アルブミン値の低下
人体の大事なたんぱく質です。摂取エネルギー不足で血清アルブミン値が低下します。
基準値は「4.1~5.3g/dL」ですが、4.3g/dl以上は確保しないと健康度が維持できません。
<結論>
糖質制限食開始後にみられる好ましくない症状(全身倦怠、筋力低下、無気力・・・)のほとんどが、
摂取エネルギー不足からきています。
甲状腺機能低下症といきなり飛躍したりせずに、
普通に摂取エネルギー不足を考慮してみてくださいね。
江部康二
糖尿病
メタボリックシンドローム・・・内臓脂肪蓄積が元凶
肥満
肥満に伴う高血圧
アトピー性皮膚炎
花粉症
尋常性乾癬
逆流性食道炎
尋常性痤瘡(ニキビ)
片頭痛
機能性低血糖
歯周病
潰瘍性大腸炎
認知症
など様々な生活習慣病の予防・改善に糖質制限食が有効です。
勿論、個人差はあります。
生活習慣病の本質は『糖質頻回過剰摂取+インスリン頻回過剰分泌』病です。
すなわち、「生活習慣病=糖質過剰病」といっても過言ではありません。
糖質制限食が『糖化・酸化ストレス』を防ぎ、
内臓脂肪蓄積・生活習慣病・老化・認知症を予防します。
上記の生活習慣病の改善のために、
新たに糖質制限食に取り組もうとされる方々にアドバイスです。
糖質制限食開始時に、おそらく長年の習慣で脂質まで制限してしまう方々がおられます。
この場合「糖質制限+脂質制限」となりますので、
食べるものは、白身魚やササミなどヘルシーとされるたんぱく質と
葉野菜や海藻・茸の類いが主となります。
こうなると、本人は気がつかないまま、摂取エネルギーはかなり少なくなり、
厚生労働省のいう「推定エネルギー必要量」を大幅に下回り、
様々な症状と検査データの変化が生じます。
摂取エネルギー不足により生じる様々な症状を以下にまとめてみました。
<摂取エネルギー不足によって生じうる症状>
全身倦怠、筋力低下、無気力、髪がぬける、生理不順、体重減りすぎ、
低体温、冷え、色素性痒疹・・・、
といった症状が摂取エネルギー不足により生じます。
全身倦怠、筋力低下、無気力、髪がぬける、生理不順、
低体温、冷えなどの症状は、甲状腺機能低下症でも見られるので、
区別がつきにくいこともあります。
ただ甲状腺機能低下症では、
体重が増加することが多い(約6割)ので参考になると思います。
また、甲状腺機能低下症は橋本病(慢性甲状腺炎)など原疾患が無い限り、
そんなに簡単に発症することはありません。
気になれば、甲状腺機能検査をすれば明白になります。
遊離T3(FT3)基準値:2.1 - 3.8 pg/mL
遊離T4(FT4)基準値:0.82 - 1.63 ng/dL
甲状腺刺激ホルモン(TSH)基準値:0.38 - 4.31 μU/mL
FT4、TSHが正常なら、甲状腺機能は正常と考えていいです。
<摂取エネルギー不足によって生じうる検査データの変化。>
1)低T3症候群
FT3が低値で、FT4、TSHとも正常な病態を
「Low T3 syndrome(低T3症候群)」といい、
摂取エネルギー不足や低栄養のとき見られます。
慢性消耗性の疾患で低栄養の時に見かけます。
例えば神経性食思不振症などでは比較的よく見られます。
これらは、低栄養のため見かけ上、FT3が低値なだけで、
本当の甲状腺機能低下症ではありません。
2)高尿酸血症
カロリー不足で尿酸が上昇します。
例えば絶食すると、尿酸は急増します。
3)低ChE(コリンエステラーゼ)血症
肝機能検査の一つですが、摂取エネルギー不足で低下します。
4)血清アルブミン値の低下
人体の大事なたんぱく質です。摂取エネルギー不足で血清アルブミン値が低下します。
基準値は「4.1~5.3g/dL」ですが、4.3g/dl以上は確保しないと健康度が維持できません。
<結論>
糖質制限食開始後にみられる好ましくない症状(全身倦怠、筋力低下、無気力・・・)のほとんどが、
摂取エネルギー不足からきています。
甲状腺機能低下症といきなり飛躍したりせずに、
普通に摂取エネルギー不足を考慮してみてくださいね。
江部康二
2022年11月03日 (木)
【日付 名前
22/11/02 ゆたんぽ
糖質制限と耐糖能低下
こんばんは!
食後高血糖がわかり糖質制限を始めて5か月程になる30代女性の者です。
外食してしまうと計算が難しいのでオーバーすることもあるのですが、
基本はスーパー糖質制限を行っています!
あまり頻繁に血糖値を測ることはしていないのですが、
主食を摂っていないけれど時折食後に血糖値が160台になることもあり
自分のやり方が合っていないのか。と心配しています。
糖質制限をすることで耐糖能が低下するとは思うのですが、
それにより糖尿病になってしまうリスクが上がることはあるのでしょうか?
食後高血糖がある時点で予備軍だとは思うのですが、
診断をうけるレベルにはならないように生活していきたいと思っています。
先生の本を読んでもネットで調べてもいまいち、その点が分からなくて。。。
初心者の質問で申し訳ですがご教授頂けますと嬉しいです。お願い致します。
寒くなってまいりましたので、御身体ご自愛くださいね。】
こんにちは。
ゆたんぽさんから、「糖質制限食と耐糖能」について
コメント・質問を頂きました。
【糖質制限をすることで耐糖能が低下する?】
まず、肝要なのは「糖質制限食で耐糖能が低下することはない」ということです。
一方「糖質制限食で、見かけ上耐糖能が低下したように見える」ことはあります。
糖尿病学会の推奨では、75gOGTT検査前の3日間は、
150g/日以上の糖質摂取をしてから、検査することとなっています。
これは糖質摂取の準備ができていない状態で、
いきなり75gのブドウ糖という大量の糖質摂取をすれば、
油断していたβ細胞が対応できないので、
本来、耐糖能正常の人でも、見かけ上血糖値が上昇してしまうからです。
前もって、3日間、150g/日以上の糖質摂取をしていれば、
β細胞は準備できているので、大丈夫なのです。
糖質制限食実践中の人でも、基礎分泌インスリンと必要最小限の追加分泌インスリンは出ています。
ご飯やパンを食べている人に比べれば、かなり少ないですが、
野菜にも少量の糖質は含まれているので、その分の追加分泌インスリンは出ています。
穀物登場以前の人類と同じパターンですね。
そして、糖質摂取が少ない分、追加分泌インスリンを大量に分泌する必要がなくて、
β細胞は、ゆっくり休養できているので、いつも元気いっぱいです。
従って、糖質を普通に摂取してβ細胞を酷使している人に比べると
糖質セイゲニストのβ細胞は酷使されずに休養できているので耐糖能は向上していきます。
当然、将来の糖尿病発症予防としても糖質制限食が正解の食事なのです。
人類の歴史が約700万年で、ホモ・サピエンスの歴史が約30万年です。
穀物を主食として食べている今の食生活のほうが、未だかつて食べたことがない
『新参物』をいきなり主食にしたという意味では、異常な食生活と言えます。
世界史的には小麦が約1万年前から組織的に栽培され始め、
日本史的には米が約2500年前から組織的に栽培されるようになったに過ぎないのです。
穀物栽培のない長い歴史においては、人類本来の食生活は、糖質制限食だったのです。
【主食を摂っていないけれど時折食後に血糖値が160台になることもあり
自分のやり方が合っていないのか。と心配しています。】
食後血糖値の目標は、国際糖尿病連合(IDF)によれば
1時間値も2時間値も160mg/dl未満を目指します。
目標が達成できていれば、糖尿病合併症の心配はありません。
糖尿病の診断がついていなくても
境界型(食後高血糖) であれば、心筋梗塞などの合併症のリスクとなります。
パンや炊いたご飯を食べなくても、
外食などでは、ドレッシングやソースなどに砂糖がかなり含まれています。
天ぷらの衣もかなりの糖質です。
家庭でも、普通のケチャップやポン酢には結構な量の砂糖が含まれているので
要注意です。
幸い、現在は、糖質制限OKのソースやケチャップやポン酢が
ネットなどで簡単に手に入りますので備えておきましょう。
江部康二
22/11/02 ゆたんぽ
糖質制限と耐糖能低下
こんばんは!
食後高血糖がわかり糖質制限を始めて5か月程になる30代女性の者です。
外食してしまうと計算が難しいのでオーバーすることもあるのですが、
基本はスーパー糖質制限を行っています!
あまり頻繁に血糖値を測ることはしていないのですが、
主食を摂っていないけれど時折食後に血糖値が160台になることもあり
自分のやり方が合っていないのか。と心配しています。
糖質制限をすることで耐糖能が低下するとは思うのですが、
それにより糖尿病になってしまうリスクが上がることはあるのでしょうか?
食後高血糖がある時点で予備軍だとは思うのですが、
診断をうけるレベルにはならないように生活していきたいと思っています。
先生の本を読んでもネットで調べてもいまいち、その点が分からなくて。。。
初心者の質問で申し訳ですがご教授頂けますと嬉しいです。お願い致します。
寒くなってまいりましたので、御身体ご自愛くださいね。】
こんにちは。
ゆたんぽさんから、「糖質制限食と耐糖能」について
コメント・質問を頂きました。
【糖質制限をすることで耐糖能が低下する?】
まず、肝要なのは「糖質制限食で耐糖能が低下することはない」ということです。
一方「糖質制限食で、見かけ上耐糖能が低下したように見える」ことはあります。
糖尿病学会の推奨では、75gOGTT検査前の3日間は、
150g/日以上の糖質摂取をしてから、検査することとなっています。
これは糖質摂取の準備ができていない状態で、
いきなり75gのブドウ糖という大量の糖質摂取をすれば、
油断していたβ細胞が対応できないので、
本来、耐糖能正常の人でも、見かけ上血糖値が上昇してしまうからです。
前もって、3日間、150g/日以上の糖質摂取をしていれば、
β細胞は準備できているので、大丈夫なのです。
糖質制限食実践中の人でも、基礎分泌インスリンと必要最小限の追加分泌インスリンは出ています。
ご飯やパンを食べている人に比べれば、かなり少ないですが、
野菜にも少量の糖質は含まれているので、その分の追加分泌インスリンは出ています。
穀物登場以前の人類と同じパターンですね。
そして、糖質摂取が少ない分、追加分泌インスリンを大量に分泌する必要がなくて、
β細胞は、ゆっくり休養できているので、いつも元気いっぱいです。
従って、糖質を普通に摂取してβ細胞を酷使している人に比べると
糖質セイゲニストのβ細胞は酷使されずに休養できているので耐糖能は向上していきます。
当然、将来の糖尿病発症予防としても糖質制限食が正解の食事なのです。
人類の歴史が約700万年で、ホモ・サピエンスの歴史が約30万年です。
穀物を主食として食べている今の食生活のほうが、未だかつて食べたことがない
『新参物』をいきなり主食にしたという意味では、異常な食生活と言えます。
世界史的には小麦が約1万年前から組織的に栽培され始め、
日本史的には米が約2500年前から組織的に栽培されるようになったに過ぎないのです。
穀物栽培のない長い歴史においては、人類本来の食生活は、糖質制限食だったのです。
【主食を摂っていないけれど時折食後に血糖値が160台になることもあり
自分のやり方が合っていないのか。と心配しています。】
食後血糖値の目標は、国際糖尿病連合(IDF)によれば
1時間値も2時間値も160mg/dl未満を目指します。
目標が達成できていれば、糖尿病合併症の心配はありません。
糖尿病の診断がついていなくても
境界型(食後高血糖) であれば、心筋梗塞などの合併症のリスクとなります。
パンや炊いたご飯を食べなくても、
外食などでは、ドレッシングやソースなどに砂糖がかなり含まれています。
天ぷらの衣もかなりの糖質です。
家庭でも、普通のケチャップやポン酢には結構な量の砂糖が含まれているので
要注意です。
幸い、現在は、糖質制限OKのソースやケチャップやポン酢が
ネットなどで簡単に手に入りますので備えておきましょう。
江部康二
2022年11月02日 (水)
こんばんは。
本ブログに頂くコメントや質問ですが、
マスメディアのサイトやヤフーニュースなどの記事に対しては
私なりの意見を述べることは可能な場合が多いと思います。
一方、ユーチューブや個人的なサイトなどの記事に関しては、
私に判断が困難な場合もあり、コメントや質問を削除させて頂くことがありますので、
ご了承頂ければ幸いです。
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
こんばんは。
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、
ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、
糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、
普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、
糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、
ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、
なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、
本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、
コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、
よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、
食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、
肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、
ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
塩分に関しては、スーパー糖質制限食の場合は、今まで通りで特に制限の必要はありません。
「スーパー糖質制限+塩分制限」だと、塩分不足で身体がだるかったり、集中力が低下することがあるので注意が必要です。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、
そして長鎖脂肪酸代謝異常症・尿素サイクル異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
尿素サイクル異常症もまれな疾患ですが、
タンパク質の代謝に問題があるので
高タンパク食である糖質制限食は向きません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2018」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、
制限という記載はなしです。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、
患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、
糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、
合わないとご自分で判断されたら中止して頂ければ幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、
食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、
心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など
血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、
三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、
血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、
米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、
食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、
カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2018-2019」の
男性1600~2000kcal
女性1400~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への
痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において
地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
また米国糖尿病学会は、2019年4月、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサスレポート
において、糖質制限食(Low-carbohydrate eating patterns)が、
エビデンスも最も豊富であると明言しています。
2020年4月、「栄養療法」ガイドラインにおいても
『地中海式、低炭水化物、およびベジタリアン食事パターンは、
いずれも研究で良好な結果が示されている 健康的な食事パターンの例である。
個別の食事計画は、個人の好み、ニーズ、 および目標に焦点を当てるべきである。
糖尿病患者の全体的な炭水化物摂取量を減らすことは、
血糖値を改善するために最も多くのエビデンスが示されているので、
個人のニーズや好みに応じた様々な食事パターンに 適用することができる。』
と明言しています。
2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
このように糖質制限食の信頼度はますます高まっています。
なお、門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば
東大病院では、2015年4月から、糖質40%の糖質制限食を供給しているそうです。
また門脇孝東大糖尿病・代謝内科教授ご自身も、緩やかな糖質制限食を実践されているとのことです。
2016/7/1(金)
東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/125237
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「糖質オフ!健康法」2016年3月(PHP研究所 )
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年4月(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年4月(東洋経済新報社)
「男・50代からの糖質制限」2018年11月(東洋経済新報社)
「内臓脂肪がストン!とおちる食事術」2019年5月(ダイヤモンド社)
「糖質制限の大百科」2019年7月(洋泉社)
「糖質量&炭水化物量ポケットガイド」電子書籍、2019年8月(SBクリエイティブ)
名医が考えた認知症にならない最強の食事術2020年6月(宝島社)
ダイエット・糖質制限に必携! 食品別糖質量ハンドブック 2020年9月(宝島社)江部 康二 (監修)
医学的に正しい「糖質制限」見るだけノート2020年10月(宝島社)
「体が変わる! 最強の糖質制限食-巣ごもり生活でも太らない! 」2021年2月(学研プラス)江部康二 (著), 沼津りえ (著)
「増補新版 糖質制限の大百科」2021年9月(宝島社)江部康二(監修)
「医者が教える 正しい糖質の減らし方」2022年6月(宝島社)江部康二(監修)
など多数。
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年3月(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年5月(洋泉社)
「作りおきおかずで簡単! 朝・昼・晩 糖質オフのダイエット献立」2017年10月 (家の光協会)
「いくら食べても太らない! 旨い酒のつまみ 」2018年5月(宝島社)
「決定版! スグやせ! 糖質オフのラクうまレシピ150」2018年6月(ナツメ社)
「女性のためのラクやせ糖質制限ハンドブック」2018年9月(洋泉社)
「男性のための糖質制限最強ダイエットハンドブック」2018年10月(洋泉社)
「レンチン!糖質オフの作りおきおかず」2018年10月(宝島社)
「魔法のダイエットみそ汁 」 2019年2月(日本文芸社)
「決定版! 作りおき&レンチンで簡単! 糖質オフのやせる! ラクうま弁当350 」 2020年2月(ナツメ社)
「決定版! 作りおき&帰ってすぐできる 糖質オフのやせる! ラクうまレシピ350 」 2020年7月(ナツメ社
江部康二
本ブログに頂くコメントや質問ですが、
マスメディアのサイトやヤフーニュースなどの記事に対しては
私なりの意見を述べることは可能な場合が多いと思います。
一方、ユーチューブや個人的なサイトなどの記事に関しては、
私に判断が困難な場合もあり、コメントや質問を削除させて頂くことがありますので、
ご了承頂ければ幸いです。
【本ブログのコメント・質問・記事に関するお願い】
こんばんは。
ブログ読者の皆さんには、いつもコメントいただき、ありがとうございます。
糖質制限食に関する質問についてですが、実際に高雄病院や江部診療所に来院されて診察した患者さんに対しては、
医師としての責任・債務がありますので、個別に説明もしっかりさせて頂いていますし、フォローもしております。
一方、ブログ読者の皆さんの質問に関しては、糖質制限食に詳しい医師として、
ボランティアで回答させていただいています。
診察もしておりませんしフォローもできませんので、責任もとれません。
私の回答は、あくまでも一般論としての参考意見とお考え頂けば幸いです。
また、ブログ記事や本に関しても同様に、
糖質制限食に関する一般論としての参考意見とお考え下さい。
従いまして、読者の皆さんが私の参考意見を読まれて、どのように利用されるかは、
自己責任でよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m
そして読者の皆さんからもご意見いただきましたが、
普通のお医者さんに相談可能な個人的な内容の質問は、
ご自分の主治医にご相談頂けば助かります。
またネットで簡単に検索可能なことは、ご自分でお調べください。
質問が増えてきましたので、
糖質制限食と関わりがないと判断した質問にはお答えできない場合もありますので、
ご了承ください。m(_ _)m
普通のお医者さんでは解答不能の、糖質制限食に関わる質問は、
何でもどんどんしていただけば嬉しいです。 (^_^)
掲載OKの質問に関して、読者の皆さんに共有していただきたい情報の場合は、
ブログ本文記事にて、できるだけ順番にお答えしたいと思います。
質問によってはコメント欄でお早めにお答えする場合もありますのでご了承ください。
一方、質問がかなり増えてきていますので、
なかなか即、お答えすることが困難となってきています。
糖質制限食に関わりのある全ての質問に、
本文かコメントでお答えするようできるだけ努力はしていますが、
できないときはご容赦願います。m(_ _)m
それから、「管理人のみ閲覧できる」「匿名希望」などの質問に関しては、
コメント欄にお答えするか、
一般的な話題に置き換えてブログに記載するようにしていますので、
よろしくお願い申し上げます。
【糖質制限食を実践される時のご注意】
糖質制限食実践によりリアルタイムに血糖値が改善します。
このため既に、経口血糖降下剤(オイグルコン、アマリールなど)の内服やインスリン注射をしておられる糖尿人は、
減薬しないと低血糖の心配がありますので必ず主治医と相談して頂きたいと思います。
一方、薬を使用してない糖尿人やメタボ人は、低血糖の心配はほとんどないので、
自力で糖質制限食を実践して糖尿病やメタボ改善を目指していただけば幸いです。
内服薬やインスリン注射なしの糖尿人が糖質制限食を実践すると、
食後高血糖は改善しますが、低血糖にはなりません。
血糖値が正常範囲である程度下がると、
肝臓でアミノ酸・乳酸・グリセロール(脂肪の分解物)などから、
ブドウ糖を作るからです。
これを糖新生といいます。
塩分に関しては、スーパー糖質制限食の場合は、今まで通りで特に制限の必要はありません。
「スーパー糖質制限+塩分制限」だと、塩分不足で身体がだるかったり、集中力が低下することがあるので注意が必要です。
診断基準を満たす膵炎がある場合、肝硬変の場合、
そして長鎖脂肪酸代謝異常症・尿素サイクル異常症は、
糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。
糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、診断基準を満たしている膵炎の患者さんには適応とならないのです。
進行した肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。
長鎖脂肪酸代謝異常症では、肉や魚などに含まれる長鎖脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。
尿素サイクル異常症もまれな疾患ですが、
タンパク質の代謝に問題があるので
高タンパク食である糖質制限食は向きません。
腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2018」において、eGFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、
たんぱく質は過剰な摂取をしないという表現となっていて、
制限という記載はなしです。
従いまして、糖尿病腎症第3期でも、eGFR60ml/分以上なら、糖質制限食OKです。
また、米国糖尿病学会(ADA)は
Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版
において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。
根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。
今後は、糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、
患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、
個別に対応することとなります。
なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、
糖新生能力が低下していることがあり、
まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。
また、どのような食事療法でも合う合わないがあります。
糖質制限食もその一つですので、
合わないとご自分で判断されたら中止して頂ければ幸いです。
【糖質制限食とは】
米国糖尿病協会(ADA)の患者教育用のテキストブックLife With Diabetes(2004年版)には、以下の記載があります。
「摂取後直接血糖に影響を与えるのは糖質のみである。
糖質は速やかに吸収され、直接100%血糖に変わり、ほぼ120分以内に吸収は終了する。
蛋白質・脂質は、摂取後、直接血糖に影響を及ぼすことはない。
『炭水化物・タンパク質・脂肪はカロリーを含有している。
炭水化物だけが、血糖値に直接影響を及ぼす。』」
これらは含有エネルギーとは無関係な三大栄養素の生理学的特質です。
1997年版のLife With Diabetes(ADA刊行)では、
「タンパク質は約半分が血糖に変わり、脂質は10%未満が血糖に変わる」
という記載がありましたが、2004年版以降は変更されています。
このように糖質、脂質、タンパク質のうち糖質だけが直接、血糖値を上昇させます。
従って、糖質を摂取した時にはインスリンが大量に追加分泌されます。
脂質を摂取しても、インスリンの追加分泌はありません。
タンパク質はごく少量のインスリンを追加分泌させます。
現在糖尿病において、
食後の急激な高血糖(グルコーススパイク)が大きな問題として注目されています。
食後高血糖が、
心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を起こす危険因子として確立されたからです。
また一日における、食前・食後・空腹時など
血糖値の変動幅(平均血糖変動幅)が大きいほど、
酸化ストレスが増強し動脈硬化のリスクとなることがわかってきました。
そして、食後高血糖と平均血糖変動幅増大を起こすのは、
三大栄養素のなかで糖質だけなのです。
1gの糖質が、体重64kgの2型糖尿病の人の血糖値を約3mg上昇させます。
炊いた白ご飯茶碗1杯150g(252kcal)には、55.3gの糖質が含まれており、
血糖値を166mg上昇させます。
一方、和牛サーロインステーキ(脂身つき)を200g(約1000キロカロリー)食べても、
糖質含有量は1gもないので、食後血糖は3mg未満の上昇しかないのです。
なお、1gの糖質が体重64kgの1型糖尿病の人の血糖値を5mg上昇させます。
糖質制限食の基本的な考え方は、上述のような生理学的事実をベースに、
できるだけ糖質の摂取を低く抑えて、食後高血糖を防ぐというものです。
簡単に言えば、主食を抜いておかずばかり食べるというイメージになります。
抜く必要がある主食とは 、
米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものです。
3食主食抜きのスーパー糖質制限食(糖質12%、タンパク質32%、脂質56%)なら、
薬に頼ることなく速やかにリアルタイムで良好な血糖コントロールが可能です。
一方、上述の白ご飯とステーキの例でも明らかなように、
カロリー計算に基づいて血糖値をコントロールすることは理論的に不可能です。
従って、現行の日本糖尿病学会推薦の糖尿病食(糖質60%、タンパク質20%、脂質20%)を実践する限りは、
一日の摂取カロリーを1200キロカロリーと低く抑えたとしても、
食後高血糖が必ず生じるのです。
糖尿病の改善には、
カロリー制限より糖質制限ということがおわかりいただけたと思います。
なお糖質制限食は、カロリー無制限ということではありません。
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド2018-2019」の
男性1600~2000kcal
女性1400~1800kcal
ほど厳しいカロリー制限は必要ありませんが、
「日本人の食事摂取基準」(2015年、厚生労働省)
に示す推定エネルギー必要量の範囲、
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/0000041955.pdf
推定エネルギー必要量(一日あたり)
男性 女性
15-17才 2500 2850 3150 2050 2300 2550kcal
18-29才 2300 2650 3050 1650 1950 2200
30-49才 2300 2650 3050 1750 2000 2300
50-69才 2100 2450 2800 1650 1900 2200
70才 1850 2200 2500 1500 1750 2000
身体活動レベル 低い 普通 高い 低い 普通 高い
くらいが目安です。
そして2013年に糖尿病食事療法に関して画期的な変化がありました。
米国糖尿病学会が、
2013年10月発表の『栄養療法に関する声明』において、
全ての糖尿病患者に適した唯一無二の治療食は存在しないと明記したのです。
これはそのまま、1969年の食品交換表第2版以降一貫して、糖尿病治療食として、
唯一無二の「カロリー制限・高糖質食」を推奨し続けている日本糖尿病学会への
痛烈な批判となっています。
さらに、米国糖尿病学会は『栄養療法に関する声明2013』において
地中海食、ベジタリアン食、DASH食、低脂質食などと共に
「糖質制限食」も正式に受容しました。
このことは糖質制限食を推進する私達にとって、大変大きな追い風となりました。
また米国糖尿病学会は、2019年4月、
「成人糖尿病患者または予備軍患者への栄養療法」コンセンサスレポート
において、糖質制限食(Low-carbohydrate eating patterns)が、
エビデンスも最も豊富であると明言しています。
2020年4月、「栄養療法」ガイドラインにおいても
『地中海式、低炭水化物、およびベジタリアン食事パターンは、
いずれも研究で良好な結果が示されている 健康的な食事パターンの例である。
個別の食事計画は、個人の好み、ニーズ、 および目標に焦点を当てるべきである。
糖尿病患者の全体的な炭水化物摂取量を減らすことは、
血糖値を改善するために最も多くのエビデンスが示されているので、
個人のニーズや好みに応じた様々な食事パターンに 適用することができる。』
と明言しています。
2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
このように糖質制限食の信頼度はますます高まっています。
なお、門脇孝日本糖尿病学会理事長によれば
東大病院では、2015年4月から、糖質40%の糖質制限食を供給しているそうです。
また門脇孝東大糖尿病・代謝内科教授ご自身も、緩やかな糖質制限食を実践されているとのことです。
2016/7/1(金)
東洋経済オンライン
http://toyokeizai.net/articles/-/125237
<江部康二著 参考図書>
理論
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ」2005年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」2008年
「我ら糖尿人、元気なのには理由がある。」2009年 宮本輝先生との対談本
「やせる食べ方」2010年
「うちの母は糖尿人」2010年 監修:江部康二 著:伊藤きのと
(東洋経済新報社)
「糖尿病がどんどんよくなる糖質制限食」2010年(ナツメ社)
腹いっぱい食べて楽々痩せる『満腹ダイエット』 (ソフトバンク新書)2011年
「主食をやめると健康になる」(ダイヤモンド社)2011年
「血糖コントロールの新常識! 糖質制限 完全ガイド」 (別冊宝島)2012年
「食品別糖質量ハンドブック」2012年(洋泉社)、
「糖質オフ!健康法」(PHP文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病はよくなる!糖質制限食のすすめ」(文春文庫)2012年
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!実践編」(文春文庫)2012年
「女性のための糖質制限ダイエットハンドブック」2012年(洋泉社)
「糖尿病治療のための!糖質制限食パーフェクトガイド」2013年(東洋経済新報社)
「医療の巨大転換を加速する」糖質制限食と湿潤療法のインパクト
2013年(東洋経済新報社) 夏井睦先生との対談本
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!糖質制限食のすすめ 新版」2014年(東洋経済新報社)
「主食を抜けば糖尿病は良くなる!2 実践編 新版」2014年(東洋経済新報社)
「炭水化物の食べ過ぎで早死にしてはいけません」2014年(東洋経済新報社)
一生太らない「やせる! 食べ方」2014年 (PHP文庫)
江部先生、「糖質制限は危ない」って本当ですか?2015年(洋泉社)
「なぜ糖質制限をすると糖尿病が良くなるのか」2015年(ナツメ社)
「糖質制限の教科書」2015年(洋泉社)監修
「糖質オフ!健康法」2016年3月(PHP研究所 )
「人類最強の糖質制限論」2016年4月(SB新書)
「ハンディ版糖質制限の教科書」2016年4月(洋泉社)
「増補新版食品別糖質量ハンドブック」2016年6月(洋泉社)
「Dr.江部の健康食の新常識100 」(TJMOOK)2016年11月(宝島社)
マンガでわかる「糖質オフ! 」健康法2016年12月、(PHP研究所 )
外食でやせる! 「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる、2017年4月(毎日新聞出版)
「江部康二の糖質制限革命」2017年4月(東洋経済新報社)
「男・50代からの糖質制限」2018年11月(東洋経済新報社)
「内臓脂肪がストン!とおちる食事術」2019年5月(ダイヤモンド社)
「糖質制限の大百科」2019年7月(洋泉社)
「糖質量&炭水化物量ポケットガイド」電子書籍、2019年8月(SBクリエイティブ)
名医が考えた認知症にならない最強の食事術2020年6月(宝島社)
ダイエット・糖質制限に必携! 食品別糖質量ハンドブック 2020年9月(宝島社)江部 康二 (監修)
医学的に正しい「糖質制限」見るだけノート2020年10月(宝島社)
「体が変わる! 最強の糖質制限食-巣ごもり生活でも太らない! 」2021年2月(学研プラス)江部康二 (著), 沼津りえ (著)
「増補新版 糖質制限の大百科」2021年9月(宝島社)江部康二(監修)
「医者が教える 正しい糖質の減らし方」2022年6月(宝島社)江部康二(監修)
など多数。
レシピ
「糖尿病が良くなるごちそうレシピ」2006年(東洋経済新報社)
「糖質オフ」ごちそうごはん2009年(アスペクト)
dancyuプレジデントムック 「満腹ダイエット 」 2009年(プレジデント社)
「血糖値を上げない!健康おつまみ109」2010年(東洋経済新報社)
「やせる食べ方レシピ集」 2010年(東洋経済新報社)
「糖質オフダイエット 」2011年(レタスクラブ、角川マーケティング)
「誰もがストレスなくやせられる!糖質制限ダイエット」2011年(講談社)
「主食を抜けば糖尿病はよくなる」レシピ集2011年(東洋経済新報社)
高雄病院の「糖質制限」給食2012年(講談社)
糖尿病がどんどんよくなる「糖質制限食」おすすめレシピ集2012年(ナツメ社)
糖質制限の「主食もどき」レシピ2013年(東洋経済新報社)
高雄病院Dr江部が食べている「糖質制限」ダイエット2013年(講談社)
糖質オフのダイエット弁当2013年(家の光協会)
高雄病院「糖質制限給食」朝 昼 夕 14日間完全プログラム
糖尿病・肥満改善が自宅でできる! 2013年(講談社)
2週間チャレンジ! 糖質制限の太らない生活 2014年(洋泉社mook)
電子レンジで糖質オフの作りおき 2016年10月(宝島社)
「やせぐせがつく糖質オフの作りおき 」2017年3月(宝島社)
「高雄病院の糖質制限作りおき 」2017年5月(洋泉社)
「作りおきおかずで簡単! 朝・昼・晩 糖質オフのダイエット献立」2017年10月 (家の光協会)
「いくら食べても太らない! 旨い酒のつまみ 」2018年5月(宝島社)
「決定版! スグやせ! 糖質オフのラクうまレシピ150」2018年6月(ナツメ社)
「女性のためのラクやせ糖質制限ハンドブック」2018年9月(洋泉社)
「男性のための糖質制限最強ダイエットハンドブック」2018年10月(洋泉社)
「レンチン!糖質オフの作りおきおかず」2018年10月(宝島社)
「魔法のダイエットみそ汁 」 2019年2月(日本文芸社)
「決定版! 作りおき&レンチンで簡単! 糖質オフのやせる! ラクうま弁当350 」 2020年2月(ナツメ社)
「決定版! 作りおき&帰ってすぐできる 糖質オフのやせる! ラクうまレシピ350 」 2020年7月(ナツメ社
江部康二
2022年11月01日 (火)
こんにちは。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14
▼ 『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
https://youtu.be/_BQiQv4Pg8k
のご案内です。
今回のテーマですが、原点に戻って、
「糖質制限食は巷で言われているような変わった食事なのか?」
ということを考察してみました。
まずは日本列島にヒトが住みついた
38000年前の旧石器時代の食生活から開始です。
結論をいうと『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』でした。
以前は『新縄文食』と言っていましたが、
糖質摂取比率10%ていどのスーパー糖質制限食は
旧石器時代の食事とほぼ一緒でした。
そして、旧石器時代は約22000年間という長期にわたって続きましたが、
この時に日本人の消化・吸収・生理・代謝システムなどが完成されたわけです。
従って我々日本人の身体は、
『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』に最も適合していると考えられます。
詳しくはユーチューブをご視聴頂ければ幸いです。
なお、旧石器~弥生時代を原始時代と呼ぶとは浅学にして知りませんでした。
糖質制限食に関して、米国糖尿病学会は、
2019年4月のコンセンサス・レポートで
『エビデンスが最も豊富なのは糖質制限食である』と明言して以降は、
2020年、2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
このように糖質制限食には
エビデンスに基づいた米国糖尿病学会のお墨付きがあります。
私は、糖質制限食はブームではなく、生理学的なな真実そのものと考えています。
従ってブームのように消え去ることはなく、
今後もどんどん繁栄していくと思っています。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14」の配信をご案内申し上げます。
テーマは「糖質制限食は変わった食事か? ~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える」です。
・日本の旧石器、縄文、弥生の各時代の食生活
・糖質制限食の定義と高雄病院の3つのコース
・旧石器時代の食生活とスーパー糖質制限食
・日本人が精製炭水化物を食べ始めたのはいつ頃か
・生活習慣病の根本要因
等について述べつつ、糖質制限食はどのような食事と言えるかを話しております。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.14
『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
https://youtu.be/_BQiQv4Pg8k
ご覧いただけますと、また、ご興味のある方へシェアしていただけますと幸いです。
▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/
*********
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14
▼ 『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
https://youtu.be/_BQiQv4Pg8k
のご案内です。
今回のテーマですが、原点に戻って、
「糖質制限食は巷で言われているような変わった食事なのか?」
ということを考察してみました。
まずは日本列島にヒトが住みついた
38000年前の旧石器時代の食生活から開始です。
結論をいうと『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』でした。
以前は『新縄文食』と言っていましたが、
糖質摂取比率10%ていどのスーパー糖質制限食は
旧石器時代の食事とほぼ一緒でした。
そして、旧石器時代は約22000年間という長期にわたって続きましたが、
この時に日本人の消化・吸収・生理・代謝システムなどが完成されたわけです。
従って我々日本人の身体は、
『スーパー糖質制限食 ≒ 旧石器時代食』に最も適合していると考えられます。
詳しくはユーチューブをご視聴頂ければ幸いです。
なお、旧石器~弥生時代を原始時代と呼ぶとは浅学にして知りませんでした。
糖質制限食に関して、米国糖尿病学会は、
2019年4月のコンセンサス・レポートで
『エビデンスが最も豊富なのは糖質制限食である』と明言して以降は、
2020年、2021年、2022年のガイドラインでも同様の見解です。
このように糖質制限食には
エビデンスに基づいた米国糖尿病学会のお墨付きがあります。
私は、糖質制限食はブームではなく、生理学的なな真実そのものと考えています。
従ってブームのように消え去ることはなく、
今後もどんどん繁栄していくと思っています。
江部康二
以下、事務局からのお知らせです。
*********
ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。
江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク vol.14」の配信をご案内申し上げます。
テーマは「糖質制限食は変わった食事か? ~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える」です。
・日本の旧石器、縄文、弥生の各時代の食生活
・糖質制限食の定義と高雄病院の3つのコース
・旧石器時代の食生活とスーパー糖質制限食
・日本人が精製炭水化物を食べ始めたのはいつ頃か
・生活習慣病の根本要因
等について述べつつ、糖質制限食はどのような食事と言えるかを話しております。
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.14
『糖質制限食は変わった食事か?
~日本の原始時代(旧石器~弥生時代)の食生活から考える』
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