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スーパー糖質制限食と脳心血管疾患リスク。
こんにちは。
糖質セイゲニストでない普通のお医者さんだと、
『スーパー糖質制限食は高タンパク・高脂肪食なので、脳心血管リスクが懸念される。』
という考えの方が多いと思います。
 しかしながら信頼できる論文では、
「スーパー糖質制限食で心筋梗塞や脳梗塞のリスクが跳ね上がる」
というような報告はないです。

A)
「スーパー糖質制限食で脳心血管疾患リスク上昇というエビデンスはない。」
B)
「スーパー糖質制限食で脳心血管疾患リスク減少というエビデンスもない。」
C)
「糖質摂取比率12%の集団と通常食の集団における脳心血管疾患リスクを、長期間経過観察した臨床研究は、存在しない。」

1)
スーパー糖質制限食で、明確な脳心血管疾患リスクである『食後高血糖』と『平均血糖変動幅増大』は、一日を通して確実に改善する。
2)
スーパー糖質制限食で、脳心血管疾患リスクを減らすHDLコレステロールが増加する。
3)
スーパー糖質制限食を長期間続けて将来脳心血管疾患リスクが上昇するとしたら1)2)の利点を帳消しにしてさらにそれを上回る何らかの脳心血管疾患リスクがあると仮定するしかない。 →そのようなリスクは知られてない。
4) 
1)2)3)を考慮すれば、あくまでも仮説であるが、糖質制限食により脳心血管疾患リスクの減少効果が期待できる。


結局、現時点では、スーパー糖質制限食を長期間続けた臨床研究は存在しないので、エビデンスとしては、脳心血管疾患リスクが上昇するとも減少するとも言いようがないのです。

理論的には、上述のように、スーパー糖質制限食で、脳心血管疾患リスクが減少する可能性が高いのです。

これに対してカロリー制限食(高糖質食)は、
明確な脳心血管疾患リスクである『食後高血糖』『平均血糖変動幅増大』が防げないので、
将来の糖尿病合併症を防げない可能性が高いのです。 

なお、国際肥満研究連合の公式ジャーナルにおいて、
最も信頼度が高い「メタ解析」が実施されており、
「糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。」という結論です。(☆)
ただし、スーパー糖質制限食のみの研究ということではありません。 

(☆)ObesityReviews(国際肥満研究連合の公式ジャーナル)2012年23レポートのメタ解析
『研究期間にかかわらず糖質制限食が体重,脂質,血糖,血圧を改善させる。』
Obes Rev 2012; 13: 1048-1066Systematic review andmeta-analysis of clinical trialsof the effects of low carbohydrate dietsoncardiovascular risk factorsobr_1021


江部康二
新型コロナくらし情報 ワクチン2回接種後の死亡 。
こんにちは。
毎日新聞のサイトに

2022年9月27日
https://mainichi.jp/articles/20220927/ddl/k27/040/315000c
新型コロナくらし情報 ワクチン2回接種後の死亡 
免疫調節機能、過剰反応か 広大教授らまとめ


という記事が載りました。
記事によるとワクチン接種後の死亡は以下の青字の記載の如くです。

ワクチン接種後の死亡
新型コロナウイルスワクチン接種後に死亡した人は国内で1800人以上報告されている。
死因は心不全や脳卒中などが多い。
ワクチン接種との因果関係については厚生労働省の検討部会で検証されるが、
大半は「情報不足で評価できない」とされ、因果関係が認められた事例はない。
一方より広く救済することが目的の予防接種健康被害救済制度では、
70~90代で死亡した3人の申請について「ワクチンとの因果関係が否定できない」として救済認定され、
死亡一時金の請求が認められている。】


ワクチン接種後の死亡が、2022年9月27日時点までで
すでに1800人以上報告されています。
報告義務はないので、この数字は、医師や家族が自主的に報告したものです。
そうすると、実数はもっともっと多い可能性が高いです。

厚生労働省の検討部会で検証して
因果関係がみとめられた事例はないそうです。
しかし、ワクチンを接種するまで、
普通に健康に生活していたケースも多いでしょう。
そのような死亡例は、
『ワクチン接種と関係がないと証明することは困難である。』
と言わざるを得ません。

1800名以上の死亡者の中で、3名だけが救済認定されたということですが、
あまりにも少なすぎます。

広島大学法医学教室で原因がわからず死亡した4名を調べています。
20代から50代と若い年代ですので、
ワクチンを接種していなければ、
今まで通り健康に生活していた可能性が高い
人達です。
これらの4名は、2回目のワクチン接種を引き金にして
「サイトカインストーム」を発症して亡くなられました。
新型コロナワクチン接種後死亡例の原因の一つとして有力と思われます。

ワクチンは基本、多くの健康な人に接種するものですから、
この4名のようなケースは、本来あってはならないものと言えます。

ワクチン接種100万回あたりの死亡率

インフルエンザワクチン:0.1~0.2件
新型コロナワクチン:9.26件

月間保団連11
November 2021
No.1356 35-39
新型コロナウイルスワクチンにおける情報公開
小島 盛二 名古屋大学名誉教授 】


100万回あたりの死亡率は、インフルエンザワクチンの
46倍~92倍
ですから、桁違いに多いです。
大きなリスクのあるワクチンであり、
私は接種しません。


江部康二



以下の青字の記載は毎日新聞記事の要約です。

毎日新聞 2022/9/27 
https://mainichi.jp/articles/20220927/ddl/k27/040/315000c
新型コロナくらし情報 ワクチン2回接種後の死亡 
免疫調節機能、過剰反応か 広大教授らまとめ


 新型コロナウイルスワクチンを2回接種後、原因が分からずに死亡した4人を調べた結果、
いずれも炎症に関わる遺伝子が過剰に働き、死亡時の推定体温が高いという特徴があったとする研究成果を、
広島大の長尾正崇教授(法医学)らのチームが17日までにまとめた。

死亡時推定体温は39~46度
 チームはウイルスを攻撃する免疫調節機能が過剰反応し、
患者の身体を攻撃する「サイトカインストーム」が起きて死亡した可能性があるとみており、
「接種後に解熱剤を服用しても40度を超える高熱が出た場合は、慎重に対応してほしい」と訴えている。
 チームは接種後1~10日に死亡した20~50代の男性を解剖。
死因は特定できなかったが、臓器のうっ血など突然死に似た特徴があった。
さらに血液からリボ核酸(RNA)の一部を解析。
失血死などで死亡したケースと比べると、炎症に関わる遺伝子が過剰に働いており、
サイトカインストームが起きたのではないかとみている。
死亡時の推定体温は39~46度だった。
なぜサイトカインストームが起きたかは分からないが、
1回目の接種で免疫機能がワクチンに反応しやすくなり、2回目で過剰反応が起きた可能性があるとしている。
 長尾教授は「感染した際に重症化を防ぐにはワクチン接種が不可欠。
一方でどんな人が副反応が起きやすいのかさらに調べる必要がある」と話している。
サイトカインストームは、免疫細胞がウイルスや細菌などから体を守ろうとして
サイトカインと呼ばれるタンパク質を過剰に放出する現象。
さまざまな臓器が損傷し死亡することもある。
新型コロナに感染しても起きることがあるとされる。】
イベルメクチン「有効性見いだせず」 コロナ治療薬の臨床試験???
ヤフーニュースのサイトに2022年9月26日(月)
イベルメクチン「有効性見いだせず」 コロナ治療薬の臨床試験
https://news.yahoo.co.jp/articles/54876fa7fb6448acca166acb0340a1cd2c82910f

 
という記事が掲載されました。
日本とタイの軽症患者1030人を対象に実施。
患者を無作為に分け、
イベルメクチンと効果のない偽薬(プラセボ)を医師も患者も知らない状態で
「二重盲検方式」ですから信頼度の高い研究です。
新型コロナ治療薬としてイベルメクチン一推しの私としては、
有効性は確実と信じていたので
青天の霹靂というか衝撃の結果でした。
まあ、安全性が確認されたのは良いことでした。
 
しかし、他の医師とも何故このような結果がでたのか、
検討してみると、原因が判明しました。
要するに、オミクロン株に変異してからは、
あまりに簡単に自然治癒して重症化も死亡者も、ほぼない状況なので
治療してもしなくても有意差がでなかったのは当たり前なのです。
 
1030人で死亡者がゼロですから、非常に軽症化していることは明らかです。
デルタ株からオミクロン株(☆)に、
変異したのは、2021年12月末からです。
 
2021年6月1日~2021年6月30日までのデルタ株(☆☆)のときの
厚生労働省の統計では、
全年齢で未接種者の致死率は0.55% 65歳以上は4.31%
全年齢で1回接種者の致死率は2.15% 65歳以上は3.03%

全年齢だと、未接種者の致死率のほうが、0.55%と接種者の2.15%より
少ないのは、興味深いです。
今回の興和製薬の臨床試験、ワクチン接種者が多いと仮定すると
1030人の2.15%とすれば、22人です。
つまり、デルタ株だと約20人の死亡者がでている計算ですが
オミクロン株だと0人です。
 
こうなるとオミクロン株は単なる風邪ウイルスに限りなく近づいて軽症化したと考えられます。
 
 
(☆)厚生労働省データ オミクロン株
https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2551-cepr/10876-sars-cov-2-b-1-1-529.html
2021年12月27日までに日本において、計316例のオミクロン株感染例が報告された(2021年12月27日21時時点)。内訳*は水際関連空港検疫事例が247例(以下検疫例)、水際関連都道府県発表事例が33例、それ以外の事例が36例(大阪府14例、京都府12例、愛知県、山口県より各2例、東京都、富山県、静岡県、滋賀県、広島県、福岡県より各1例より報告があった)であった。検疫でSARS-CoV-2陽性が判明する者の中でオミクロン株感染例の割合は経時的に高くなっている。検疫例について、入国前14日以内に滞在した国の数は計41か国であった。
 

(☆☆)厚生労働省データ デルタ株
chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000818356.pdf
2021年6月1日~2021年6月30日までのHER-SYSデータを集計した。

全年齢で未接種者の致死率は0.55% 65歳以上は4.31%
全年齢で1回接種者の致死率は2.15% 65歳以上は3.03%



江部康二


ヤフーニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/54876fa7fb6448acca166acb0340a1cd2c82910f

以下、の青字の記載は記事の要約です。
 
イベルメクチン「有効性見いだせず」 コロナ治療薬の臨床試験
2022/9/26(月) 21:00配信

 
 
「有効性を見いだすことができなかった」とするイベルメクチンの臨床試験結果について、興和の三輪芳弘社長は記者会見で「受け入れなくてはならない」と述べた=26日、東京都千代田区
 
 新型コロナウイルス感染症の治療薬への転用をめざしていた抗寄生虫薬「イベルメクチン」について、効果や安全性を確かめる臨床試験を行っていた興和は26日、「主要な評価項目で統計的な有意差が認められなかった」とする結果を発表した。
 今後、詳細な分析を進めるが、現時点ではコロナ治療薬としての承認申請は考えていないという。
 イベルメクチンは、2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した大村智・北里大特別栄誉教授の研究をもとにした薬。
 国内では消化管の寄生虫が引き起こす感染症や疥癬(かいせん)の治療薬として承認されている。  
興和は、昨年7月に治験の開始を発表、最終段階の試験をしていた。治験は昨年11月~今年8月、日本とタイの軽症患者1030人を対象に実施。患者を無作為に分け、イベルメクチンと効果のない偽薬(プラセボ)を医師も患者も知らない状態で「二重盲検方式」で投与した。 投与開始から7日間の経過をみたところ、4日前後で、37・5度以上の発熱▽のどの痛み▽筋肉痛などの症状は軽くなったが、
統計的に有意差は認められず、「より早く症状がおさまることの有効性を見いだすことができなかった」とした。
一方、死亡例はないことなどから「安全性は確認された」という。】
タイ・バンコクの医師団、 国民のマスク着用やめるよう政府に要請。
こんにちは。
ヤフーニュースのサイトに
2022年9月16日、

https://news.yahoo.co.jp/articles/0fec8733d2a4c367cd9c8763a986ed3d5b80458b
ヤフーニュース。
タイ・バンコクの医師団、
国民のマスク着用やめるよう政府に要請


という記事が掲載されました。
9/16(金) 19:02配信
以下の青字の記載が記事の要約です。

【タイの医師たちが、国民のマスク着用をやめるよう政府に要請。
バンコクの名門チュラーロンコーン大学の医師団は9月11日、
マスクは体内の酸素濃度を低下させ、
免疫システムに影響を与えるとして、アヌティン・チャーンウィーラクーン保健大臣に提案書を提出した。
医師団は、「新型コロナウイルスは常態化した」ことを人々に訴えるよう政府に求めるキャンペーンを打ち出すとともに、国民が支持を表明できるオンラインでの請願も開始。
一流大学医学部の教授であるアッタポン・スコンタピロム・ナ・パッタルン博士は
「患者のみが、他人を守るためにマスクを着けるべきだ。
政府は新型コロナウィルスが常態化していることを国民に伝え、
安心感を与えてほしい。
マスクをしていると、体内の酸素濃度が低下する。
これは脳の機能に影響を及ぼし、
体内の二酸化炭素濃度が高くなり、細胞の働きが阻害される。
酸素が低下すれば免疫力も低下する」
と話す。
医師団は、国民がマスクを外すことを恐れないよう、
まず政府関係者が模範を示すよう求めた。
パッタルン博士によると、タイの人々は「3年間病人のような生活をさせられた」ため、長期的な健康被害を被ったという。
「マスク着用は選択制であると発表したにもかかわらず、政府は長期的な健康被害をもたらすマスクの使用を奨励し続けている。肺に十分な酸素を取り込んで健康を保つのは大切だ」と語った。
公のキャンペーンは10月1日に終了し、
集まった署名は公衆衛生相に提出を予定している。
タイでは9月15日現在、
467万1,309人の新型コロナウイルス感染者が報告されている。
政府は屋内屋外でのマスク着用義務を廃止し、「屋内での家族とのソーシャルディスタンスを保つ」といったガイドラインも撤回した。
しかし首都バンコクでは、大多数の人が屋外でもマスクを着用し続けている。 (タイ、バンコク、9月16日、映像:Newsflare/アフロ)】


「首都バンコクでは、
大多数の人が屋外でもマスクを着用し続けている。」


これは、意外でした。
タイ国民は、日本人と同様にマスクに対して違和感がないのでしょうね。


パッタルン博士は
「患者のみが、他人を守るためにマスクを着けるべきだ。
政府は新型コロナウィルスが常態化していることを国民に伝え、
安心感を与えてほしい。
マスクをしていると、体内の酸素濃度が低下する。
これは脳の機能に影響を及ぼし、
体内の二酸化炭素濃度が高くなり、細胞の働きが阻害される。
酸素が低下すれば免疫力も低下する」


確かに、タイでは新型コロナ新規感染者数は激減していますので、
パッタルン博士や医師団の説も、一定の根拠ありかなと思います。

一方
「患者のみが、他人を守るためにマスクを着けるべきだ。・・・」

という意見ですが、
様々な研究の検証から、感染していても無症状な人の割合は17〜20%あります。

無症状感染者の感染力は、有症状感染者の感染力に比べ、
かなり低いことはわかっています。

ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルの論文では
「無症状の患者の感染率は有症状の患者に比べて3倍から25倍低い」

ランセットの論文では
「3.85倍有症状の人の方が感染力がある」

ということで、無症状の人がマスクなしでも、他者に感染させるリスクは
かなり低いようですが、ゼロではありません。
従って、無症状の人もマスクしてくれたほうが、流行予防のためには
少しは役に立つと思われます。

強制しなくてもマスクしてくれる方々には
日本でもタイでもそれなりに感謝ですね。


パッタルン博士
「マスクをしていると、体内の酸素濃度が低下する。
これは脳の機能に影響を及ぼし、
体内の二酸化炭素濃度が高くなり、細胞の働きが阻害される。
酸素が低下すれば免疫力も低下する」


これは、パッタルン博士、口が滑ったのでしょうか?
無根拠な発言ですし、そのような事実は聞いたことがありません。
確かに、中国で中学生がマスクをしたまま走って死亡した事故例は
ありましたが、日常生活や業務で体内の酸素濃度低下とかは
考えられません。

マスクで酸素濃度が低下して脳の働きに影響を及ぼすなら
救急医療に従事している医師や看護師は大変です。
勤務中長時間、空気感染予防のため、
N95マスクなど感染予防効果の高いマスクを
着用ですから、
通気性は通常の不織布マスクよりかなり悪いので
脳障害多発のはずですが、
そんなことは聞いたことがありません。
安心して、必要と思えばマスクをしてよいと思います。


江部康二
糖質制限食とコレステロール。2022年9月。
【22/09/26 コレステローラー
コレステロールについて
先生の御サイトをきっかけに糖質制限をはじめた者です。

お陰様で無駄に太らず、
食後の眠気も無くなり極めて快活に毎日を過ごさせていただけております。

質問ですが、私は糖質制限前よりコレステロールが高いのですが、
先日血液検査をしたところ、糖質制限前より数値が悪化しておりました。

40歳男性
身長173cm、体重54kg
総コレステロール…305
LDLコレステロール…197
中性脂肪…189

主治医から、脳梗塞や心筋梗塞の可能性高いから内服薬を出そうかと言われましたが、
保留にしております。

糖質制限を続けたらこれらの数値も正常になり得るのでしょうか?】



コレステローラーさん

『糖質制限食実践で、無駄に太らず、
食後の眠気も無くなり極めて快活に毎日を過している』

とのこと、よかったです。

【40歳男性
身長173cm、体重54kg
総コレステロール…305
LDLコレステロール…197
中性脂肪…189】


いつも本ブログで、述べていますが
HDLコレステロールが、60mg/dl以上あり
TGが 60mg/dl以下であれば、
悪玉の小粒子LDLコレステロール、酸化LDLコレステロールは皆無であり、
LDLコレステロールは全て標準の大きさの善玉なので問題ないです。

コレステローラーさんは、まずは、
絶食10時間以上で早朝空腹時の検査をして、
総コレステロール
中性脂肪
HDL-C
LDL-C

を調べてみましょう。
HDLコレステロールが、60mg/dl以上あり
TGが 60mg/dl以下であれば、LDL-Cが高値でも問題ないです。

一方、主治医の心配もわかりますので、
頸動脈エコー(Carotid echo)、
心電図(electro-cardiogram、ECG)
心エコー(Echocardiography)

を検査しましょう。
LDL-C高値で懸念されるのは、
動脈硬化や心筋梗塞のリスクとなる冠動脈狭窄なので、
画像診断で、その問題がなければ、経過をみて良いと思います。、

また、画像診断はOKでも医師がなお納得しないなら、
スタチンは何かと副作用(横紋筋融解症など)が多い薬なので
副作用が比較的少ないゼチーア(エゼチミブ、Ezetimibe)を処方して貰うのが良いです。
糖質制限食でLDLコレステロールが上昇した場合は、
食事中のコレステロールの吸収を抑えるゼチーアが劇的に効きます。
服用1ヶ月で、LDLコレステロールが100~180mg/dlくらい下がります。


①標準の大きさのLDLコレステロール:
 肝臓から末梢組織にコレステロールという細胞膜の原料を運ぶ善玉。
②小粒子LDLコレステロール:
 コレステロール輸送という本来の仕事をほとんどせずに、血管壁の傷などに入り込んで
 活性酸素に触れ、酸化して酸化LDLコレステロールになりやすいので危険。
③酸化LDLコレステロール:
 異物であり血管壁にこびりついて動脈硬化の元凶となる真の悪玉。


つまり、危険なのは②と③であり、
①はなくてはならない大切なものなのです。


http://promea2014.com/blog/?p=1101
ドクターシミズのひとりごと

に掲載してある、図を見て頂ければ上記が確認できます。
(図はAtherogenic lipoprotein phenotype. A proposed genetic marker for coronary heart disease risk.M A Austin, M C King, K M Vranizan and R M Krauss Circulation. 1990;82:495-506より抜粋)
清水先生、ありがとうございます。


江部康二
縄文人、北海道は本州に較べてデンプン等の糖質の摂取量が少なかった。
こんばんは。
北海道の公式サイトの記載によれば、
「縄文時代、北海道は本州に較べて
植物性の食物(デンプン等の糖質)の摂取量が少なかった。」

ということです。

寒かった旧石器時代に比べて、暖かくなった縄文時代でも、
北海道の住民には虫歯が少なく2.4%くらいでした。
本州の縄文人の虫歯率は8.2%でした。
これも当時の北海道の環境(青森以南に比べて寒冷)や食生活が関係していると
考えられます。

北海道の縄文人は「漁労」「狩猟」の二つが主な生業で、
クリやドングリなどの「採集」が相対的に少なくて、
鹿やイノシシなどの動物、魚や海獣類を好んで多く食べていたようです。
このため糖質摂取が本州の縄文人より少なく、虫歯率も低かったのでしょう。

「古病理学辞典」(藤田尚編、同成社)
151ページの表1に
古人骨における虫歯率の比較が載っていましたので、
以下一部を抜粋してみました。

縄文人:12000~2300年前 狩猟採集 虫歯率8.2%
弥生人(土井ヶ浜):2000年前 農耕 虫歯率19.7%
弥生人(三津):2000年前 農耕 虫歯率16.2%
現代日本人:1993年 虫歯率31.3%
アメリカ先住民:7600年前 狩猟採集 虫歯率0.4%
アメリカ先住民:3000年前 狩猟採集 虫歯率2.4%
オーストラリア先住民:近代 狩猟採集 虫歯率4.6%
イヌイット(グリーンランド):近代 狩猟採集 虫歯率2.2%
イヌイット(アラスカ):近代 狩猟採集 虫歯率1.9%


 ちなみに、農耕を開始して穀物(糖質)を食べ始めて、
虫歯が倍以上に増加したのは日本だけではありません。
世界中で確認されています。
虫歯菌の代表として知られているのは
ストレプトコッカスミュータンス菌とラクトバチラス菌ですが、
いずれもその餌は糖質なので、さもありなんです。


江部康二


以下の青字の記載は北海道の公式サイトから抜粋した要約です。

https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/bns/jomon/life_food.html  
北海道の公式サイト
■北海道の縄文人の食卓
縄文の人びとの食べ物は遺跡から発見される動物の遺体や骨、
植物の実や種子などからいろいろな事が解明されています。
又、縄文人の遺骨に含まれる炭素・窒素などの元素の比率や、
虫歯の数の調査から、
北海道は本州に較べて植物性の食物(デンプン等の糖質)の摂取量が少なかった事がわかっています。
どうやら北海道の縄文人は、
さかなや海獣類など海の幸を好んで食べていたようです。


https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/bns/jomon/life_food2.html#food1
北海道の公式サイト
■北海道の縄文人が食べていたもの
遺跡から発見される動物の遺体や骨、植物の実や種子などから、
縄文の人びとが食べていたものがわかっています。
実に多種多様なものを食物として利用していたことがわかります。
特定の食物に頼らない生活は、
天候不順による不作・不漁の影響を受けにくくし
資源・生態系の維持にも繋がる生活の知恵だったのかもしれません。
縄文人は自然とのバランスを保ちながら、
四季折々の旬を味わうグルメだったともいえます。


<北海道の縄文人が食べていたもの>
海の動物
海獣類 トド・オットセイ・アシカなど
ほ乳類 クジラ・イルカ・シャチなど
魚介類 マグロ・サケ・マス・タラ・ホッケ・サメ・ニシンなど
貝類 アサリ・ホタテ・カキ・ハマグリなど

陸の動・植物
動物 しか・きつね・ウサギ・タヌキ・カモ・ガン・ウ・キジなど
木の実や植物 クリ・ドングリ・クルミ・ヒエ・ソバ・キノコ・ゼンマイなど
日本人の食生活、縄文時代と再再考察。
こんばんは。
田村 亨 さんから、縄文時代の食生活に関して
信頼度の高い論文情報をコメントして頂きました。
ありがとうございます。
それで今回は、日本人の食生活の歴史の再再考察です。

旧石器時代は、本ブログの考察で問題ないと思われます。
弥生時代
「水稲栽培が導入されたとしても実態としては縄文時代的生業世界に稲作が付加されたにすぎない地域」
もあったようです。
ともあれ、稲作が加わることで、寿命が延びているので、
弥生時代の食糧事情は良くなったと、考えられます。
縄文時代に関して再再考察です。


16000年前から『縄文時代』で、狩猟・採集・漁労の3本柱が生業です。
狩猟:ニホンシカ、イノシシ、ウサギ、
採集:クリ・クルミ・ドングリ・トチの実、
漁労:魚介類

などを食べていました。
文献をみると縄文クッキーなど、
未精製植物澱粉を主に、糖質50~60%を摂取していた地域もあり、
縄文人は、私の思っていたより、多くの糖質を摂取していました。
縄文時代は、約13000年くらい続きました。


そして2002年に東京大学の米田穣氏によって、
「縄文人は地域ごとに食生活違う」ことが示されました。
https://minpaku.repo.nii.ac.jp/index.php?action=repository_action_common_download&item_id=2009&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1&page_id=13&block_id=21
以下、米田氏の論文の超要約(青字の記載)です。

【縄文時代の入骨群では,非常に強く海産物に依存した北黄金遺跡群から,
C3植物を中心とする生態系に適応した北村遺跡群まで
幅広いバリエーションが認められる。

貝塚遺跡を形成した集団でも東北地方の里浜貝塚群と,
関東地方の向台貝塚群上高津貝塚群では海産物の重要性に違いがあったようである。

内陸に立地した遺跡に目を転じると,
縄文時代草創期から早期に属する大谷寺洞穴遺跡群では
非常に幅広い集団内変異が見られ,他の集団とは様相を異にする。
個体によってはかなりの量の海産物を摂取していた可能性が示唆される。

長野県に立地する北村遺跡群栃原岩陰遺跡群では,
ともにほとんどのタンパク質がC3植物と
C3植物を摂取した動物に依存していたと考えられる。

さらに,琵琶湖湖底に立地する粟津貝塚遺跡では
長野県の2つの集団よりも明らかに栄養段階の高い食物を利用していたと考えられる。
立地条件から淡水生の魚貝類が重要なタンパク質源であったと推定される。】



縄文時代は、地域により、海産物に非常に強く依存した北黄金遺跡群
C3植物を中心とする生態系に適応した長野県安曇野市北村遺跡群まで、
幅広いバリエーションが認められました。

北黄金遺跡群(キタコガネ遺跡群)は、北海道南西部、内浦湾東岸の伊達市に所在し、
標高10~20メートルの丘陵上に立地します。
海産物が豊富な立地です。

北村遺跡群C3植物(☆)はドングリやクリでした。
そしてドングリやクリを食べていた小動物も北村遺跡群の縄文人は食べていました。

宇都宮市の大谷寺洞穴遺跡群では
シカ・イノシシ・イヌ・タヌキ・ムササビの獣骨や淡水産のイシガイ・カワニナ、
海水産のシオフキ・ハマグリ・ハイガイの貝殻など食料の残り滓かすなど
多様なものが発見されています。

琵琶湖湖底に立地する粟津貝塚遺跡 では
琵琶湖の淡水魚やシジミの貝殻などが出土しています。
また哺乳類の骨(イノシシ、シカなど)、爬虫類の骨(スッポンなど)、
魚類の骨(ギギ、コイ、ナマズ、フナ、ワタカなど)などのように貝殻以外の物も出土しています。
さらにトチの実やドングリ(イチイシイの実)の皮やヒシなど
植物性の物も出土しています。

平成27年度(2015年度) かながわの遺跡展 
第1回 特別講演 明治大学 阿部芳郎氏
縄文の資源利用 ~その多様性と展開~  平成28年1月9日(土)

によれば、縄文時代の食性は多様であるが、主食としては
「ドングリ、クリ、果実類など、」としています。

海産物や水産物が非常に豊富な地域はともかくとして
多くの内陸性の地域では、クリ・クルミ・ドングリ・トチの実が
主食
であったと考えられます。


江部康二


(☆)
C3植物
:クロレラなどの藻類、ドングリ、イネ・コムギ・ダイズや、樹木。
日本人の食生活、旧石器時代、縄文時代、弥生時代。
こんにちは。
今回は、日本人の食生活の歴史の再考察です。
いろいろ調べ直してみると、今までの自分の常識がかなり、覆りました。
ちょっと、びっくりしています。

日本列島に、ヒトが住み始めたのが約38000年前の『旧石器時代』です。
この頃は、マンモス、ナウマン象、ニホンシカ、イノシシ、ウサギ・・・
などを狩猟してとり、肉食が主でした。
糖質摂取比率は10%以下でしょう。
スーパー糖質制限食は、
約22000年間続いた、旧石器時代の食生活と同様のPFCの摂取比率です。
以前、スーパー糖質制限食を「縄文食」と言っていたことがありますが、
冷静に考えると「旧石器時代食」ですね。
当時の日本列島は大部分が亜寒帯性の針葉樹林が広がっていて、
植物性の食品は乏しく漁撈も未発達なため、
大型哺乳類を主とした狩猟に依存した生活でした。

16000年前から『縄文時代』で、狩猟・採集・漁労の3本柱が生業です。
狩猟:ニホンシカ、イノシシ、ウサギ、
採集:クリ・クルミ・ドングリ・トチの実、
漁労:魚介類

などを食べていました。
文献をみると縄文クッキーなど、
未精製植物澱粉を主に、糖質50~60%を摂取していたようで、
縄文人は、私の思っていたより、多くの糖質を摂取していました。
縄文時代は、約13000年くらい続きました。

約2500年前から、『弥生時代』で、農耕が始まりました。
穀物(米、粟、きび、ひえなど)が主食となり、現代に到ります。


日本列島のヒトは、旧石器時代の約22000年間は、
肉食中心で、糖質はほとんど摂取していません。

これは論争の余地のない歴史的事実です。

それが、縄文時代以降は、大きな変化が訪れます。
すなわち総摂取エネルギーの50~60%を、
糖質が占めるようになりました。

つまり、
22000年間は総摂取エネルギーに占める割合は、
糖質はせいぜい10%i以下くらいであったのが、
縄文時代・弥生時代以降は、
総摂取エネルギーの50~60%糖質を摂取するようになったのです。

スーパー糖質制限食「極端な食事」と批判する人がいますが、
「日本史上、一番長期であった旧石器時代の食事と同等のPFC比率が糖質制限食」
なのです。
つまり、スーパー糖質制限食は、日本人の標準の食事と言えるのです。

なお、化石の虫歯率をみると
旧石器時代:ゼロ・・・肉食
縄文時代:8%・・・ドングリなどの糖質摂取
弥生時代:16%・・・米など穀物の糖質摂取

で、糖質・穀物摂取の弊害が明確に現れています。

日本人の消化・吸収、生理・代謝・栄養システムは、
旧石器時代に、約22000年かけて、肉食中心の食生活を実践しながら
突然変異を繰り返して完成された
ものです。


結論です。

日本列島の人類は、約22000年間

「総摂取エネルギーにおける糖質の比率、ほぼ10%」以下

の食生活をしてきました。

しかし、縄文・弥生時代以降は、

「総摂取エネルギーにおける糖質の比率50~60%」

という、糖質過剰の食生活になってしまったのです。
特に弥生時代以降は農耕が開始されて、穀物摂取の弊害として虫歯が倍増しています。


江部康二
新型コロナワクチン「コミナティ筋注」の効果に関する理論的考察。2022年9月。
おはようございます。
【新型コロナ】国内初のCOVID-19ワクチン「コミナティ筋注」
が承認取得し 
ワクチン接種は2021年2月17日に開始されています。
欧米より2ヶ月遅れということです。

以下の黒字の記載は、2021年2月18日の私のブログ記事です。
COVID-19ワクチン「コミナティ筋注」に対する当時の私の見解を述べています。

接種開始から、1年7ヶ月が経過した2022年9月22(木)時点での私の考えは、
青字で記載しました。
基本は変わりませんが、追加があります。


新型コロナワクチン「コミナティ筋注」の効果に関する理論的考察。
新型コロナワクチン「コミナティ筋注」の効果に関する理論的考察。
2021年02月18日 (木)
こんばんは。
今回は、新型コロナワクチンの効果と問題点に関して
理論的に考察してみます。

①感染は防げない。
インフルエンザワクチンも新型コロナワクチンも、
IgG抗体を産生させますが、粘膜面にあるIgA抗体は産生させません。
従って、水際(粘膜面)で感染防御というのは理論的には、あり得ません。
粘膜面で感染して、粘膜細胞内にウィルスが侵入して、
そこで初めて、IgG抗体が出動できるわけです。

ワクチン接種で感染が防げないことは明確となりました。

②発症は防げる?
インフルエンザのように、
潜伏期が1~4日間くらい(多くは1~2日)の場合、
発症を防ぐことも困難です。
感染したあとIgG抗体が駆けつけてウイルスと闘いますが、
潜伏期が短いとIgG抗体も発症を防げないのです。

新型コロナウイルスの場合、潜伏期間は1~14日間ほどとされており、
感染してから症状を発症するまでの平均期間は5~6日ほどです。
こちらは、潜伏期が1~2日とか短ければ、
インフルエンザと同様にIgG抗体が駆けつけても発症予防は困難です。
一方、潜伏期が5~6日間とか長ければ、IgG抗体が間に合って
発症予防が可能と思われます。

ワクチン接種で発症が防げないことも明確となりました。

③重症化は防げる。
新型コロナワクチンで生成されたIgG抗体が、
感染後すぐに駆けつけても発症が防げないことはあります。
それでも、IgG抗体がまともに働けば、新型コロナウイルスの数は
減少するので、発症したあとの重症化は防げる可能性があります。
つまりサイトカインストームに到る前の段階で、IgG抗体が働いて
重症化を防いでくれるということです。

ワクチンが重症化を防ぐかどうかは研究待ちですが、
オミクロン株はデルタ株に比べると、そもそも重症化率が明らかに低いです。



④ADEの可能性は?
ワクチン接種者が感染した場合に出てくるもので、
ADE(抗体依存性免疫増強)という現象があります。
ワクチン接種者が有すIgG抗体が、
新型コロナ感染時にかえって、症状を悪化させることがあり得るのです。
ADEがどの程度の頻度あり得るのかが懸念されます。

ワクチン接種後の死亡者も報告されているだけで、
1700名以上なので一定数のADEが発生していると思われます。


⑤人類が未経験の遺伝子ワクチン
mRNAワクチンは人類は未経験です。
10年、20年後の副反応のことは全く担保されておらず、
長期的な安全性に不安があります。

この見解は、2022年9月現在も変わりません。


①②③④⑤を考慮すると
私自身は、今回のファイザー社の新型コロナワクチン「コミナティ筋注」を
接種するつもりはありません。
その代わり、スーパー糖質制限食実践で
しっかり免疫力向上を維持していきたいと思います。

この結論も変わりません。


江部康二
世界のワクチン接種状況と新規感染者数は。
こんにちは。

日経新聞のウェブサイトに
2022/9/16
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-vaccine-status/
チャートで見るコロナワクチン 世界の接種状況は。

という記事が更新されました。、
世界の新型コロナワクチンの接種状況と
人口100万人あたりの新規感染者数の
7日間移動平均が掲載されています。


2022/9/15現在のデータ
   接種完了者割合         100万人あたり新規感染者数7日間平均
   世界     63.7%                  62.1人
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
パラオ        101.7                  214 
アラブ首長国連邦   99.0                   42.9
ポルトガル      86.5                   222.3
チリ         92.4                   34.7
マルタ        91.2                   187.7 
キューバ       88.2                    2.0

韓国         86.3                  1102.3
シンガポール     88.0                   389.8
カンボジア      86.8                  0.4
デンマーク      82.0                  130.9
スペイン       85.8                 46.3
台湾         85.6                  1552.9
カナダ        83.1                  62.3
オーストラリア    84.8                  108.1
日本         80.4                  718.2
イタリア       80.5                  263.2
ニュージーランド   81.3                  201.4
ベルギー       79.3                  85.0
フランス       78.7                  328.6



ドイツ        76.2                   374.9 
スウェーデン     74.0                    60.0 
英国         75.6                   70.6
イスラエル      66.8                    107.4
米国        66.8                    191.1



インド        68.5                    3.8
ミャンマー      50.6                    4.6



南アフリカ      32.6                    3.7
エチオピア      31.9                    0.1
タンザニア      29.9                    0.2
ガーナ        26.6                    0.2
コンゴ共和国     11.9                    0.0
マリ           8.2                     3.1
パプアニューギニア  3.2                     0.3
コンゴ民主共和国   3.2                     0.1
ハイチ          1.9                     1.9



ワクチン接種率の極めて低い、
パプアニューギニア(3.2%)は、新規感染者数、0.3人
コンゴ民主共和国(3.2%)は、新規感染者数、0.1人
と、極めて少ないです。
ワクチン接種率の極めて高いパラオ(101.7%)は214人の新規感染者数
コンゴ民主共和国の2140倍、パプアニューギニアの約700倍です。

韓国もワクチン接種率が86.3%と高いですが、新規感染者数が1102.3人と
台湾(接種率85.6%)の1552.9人についで多いです。            
日本も接種比率は80.4%と高いですが、新規感染者数は718.2人と多いです。 
当初、新型コロナ感染症防御に関して、優等生であったアジアの三国が、
ワクチン接種率が高いにもかかわらず結果として総倒れになってしまいました。 

そして南アフリカの32.6%以下、エチオピア、タンザニア、ガーナなど
ワクチン接種率の極めて低い国々において
新規感染者がほとんといないという現実があります。             

これらの事実を考慮すれば、現時点で新型コロナワクチンには、
新型コロナ感染を予防する効果がないことは明白
です。  
また、データを単純にみれば、ワクチン接種率の高い国々のほうが
低い国々より、新規感染者数が多いと言えます。
まるでワクチンがかえって足を引っ張っているようにも見えます。

一方、新型コロナワクチンは、重症化を防ぐ可能性はあり得ますので、
今後のデータの確認が待たれます。

もっとも、日経のサイトによると、
100万人あたりの新型コロナの新規死者数の7日移動平均は0.2人と極めて低いです。
すなわち、現在流行しているオミクロン株に関しては
感染力は非常に強いですが、重症化率は
ワクチンに関係なく低いと考えられます。


江部康二  
医者が教える 正しい糖質の減らし方 (TJMOOK)  2022/5/26刊行。重版。
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医者が教える 正しい糖質の減らし方 (TJMOOK) ムック – 2022/5/26  
江部 康二  (監修) 宝島社

https://www.amazon.co.jp/dp/429902981X/

こんにちは。
『医者が教える 正しい糖質の減らし方 』
が、2022年5月26日(木)刊行されました。
おかげさまで、このたび重版となりました。
自画自賛になりますが、とてもわかりやすく、よくまとまっています。 (^^)  
     
「増補新版 糖質制限の大百科」2021年9月(宝島社)
以来、久しぶりの新刊となります。
何だか、恥ずかしいのですが、7ページに私の全身の写真が載っています。

超健康体 江部康二
糖質制限20年目!72歳で持病なし、
虫歯なし、20代の体型をしっかり維持


身長:167cm/体重:57kg


髪:白髪はあるが薄毛には悩んでいない

耳:聴力低下もなく、患者さんとも楽しくお喋りできる

肌:シワもなくツヤがありつるんとした肌。
  肌年齢は52歳。
  糖質制限を始めた年齢で止まったまま。

睡眠:毎日7時間睡眠。
         夜中に尿意で目覚めることもなく睡眠の質は極めて良好。

運動:日頃からよく歩くことを心がけているが
      ジム通いなどの経験はなし。
      1~2週間に1回
      趣味のテニスをしている。

目:視力良好。
  近視、遠視、乱視はあるが
    それがほどよく相まって、
    『広辞苑』の小さな文字が
    裸眼で読めるほどの
    視力を維持している。

歯:歯は全部残っている。
  虫歯ゼロ、歯周病もなし。
  食後歯磨き、
    寝る前はていねい磨き。
    それと、年に1度歯科健診で
    歯石除去をしているだけ

脂肪:コレステロール値も
   中性脂肪値も基準値内。
      もちろんお腹もでていない

常備薬:定期的に飲んでいる薬なし。
    サプリメントも
    一切のんでいない



糖質制限ダイエットはブームを超え、もはや定番となっています。
しかし、ハードな糖質制限はハードルが高く、挫折する人も多いのが実情です。
そこで、糖質制限のパイオニアである江部康二が監修して、
改めて知りたい「糖質の正しい減らし方」を教えます。
はじめて糖質制限をする人、かつて制限したけどリバウンドした人、
これからの人生を軽やかに元気に暮らしたい人に最適な一冊です。


江部康二
「経口インスリン」を開発  インスリンを錠剤にして糖尿病の人の負担を軽減
こんにちは。

糖尿病ネットワークのサイトに
2022年09月14日
「経口インスリン」を開発 
インスリンを錠剤にして糖尿病の人の負担を軽減
https://dm-net.co.jp/calendar/2022/037032.php

という題名の記事が載りました。

 カナダのブリティッシュコロンビア大学は、
錠剤として利用できる新しい経口インスリン製剤の開発に取り組んでいる。
このほど開発した経口インスリンを、
インスリン注射剤と同様に体内に吸収させるのに、
ラットを使った実験で成功した。
経口インスリンは、ほぼ100%肝臓に取り込まれ、
最大の目標を達成できたとしている。


まだラットでの実験段階ですが、将来に大きな展望が見えて来ました。
錠剤を飲み込んだら、
「胃や腸に滞ったり、吸収がばらついたりして困る」
と思ったのですが、
頬や口唇の裏側の口腔粘膜に錠剤を貼り付けるという手法
その問題を解決しています。
この方法なら、経口インスリンがほぼ100%、
肝臓に入っていくことが確認されています。
 「開発した経口インスリンは、投与後30分で吸収され、
効果は2~4時間持続するので、
インスリン注射と同様に利用できる可能性があります。」

なるほど、これなら、一日三回、食直前に注射している速効型インスリン製剤の
代わりになりますね。
「インスリンの注射製剤は通常、100単位(IU)が必要になるが、
開発中の経口インスリンの場合は、500単位が必要になる可能性がある。」

1型糖尿病の人を意識した研究なので、インスリン注射のの必要単位が多いです。
スーパー糖質制限食を実践すれば、1型糖尿病の人でも
速効型インスリン注射の必要単位を3分の1以下に減らせるので
とても有用と思われます。
まだまだ将来の話ですが、インスリンが必要な糖尿病患者(1型も2型も)において、

<経口インスリン製剤 + スーパー糖質制限食実践>
という選択肢があることを頭に入れておきたいですね。


江部康二


以下の青字の記載は、記事の要約です。

経口インスリンを開発しているチームが画期的な結果を報告
 カナダのブリティッシュコロンビア大学は、
経口インスリンを、インスリン注射剤と同様に体内に吸収させるのに、
ラットを使った実験で成功。
 「1型糖尿病とともに生きる人の数は、世界でおよそ900万人とみられています。インスリン注射の代わりに、
錠剤として利用できるインスリンを開発できれば、1型糖尿病の人の生活の質とメンタルヘルスを改善できると考えています」と、
同大学のアヌバブ プラタップ-シン教授。

糖尿病の人にとって注射はもっとも快適な手段ではない
研究グループは、開発した経口インスリンがほぼ100%、
肝臓に入っていくことを確認。
これまで開発された経口インスリンのほとんどは、
投与したインスリンが胃に蓄積されることが課題。
 「インスリンを錠剤として投与できるようにすれば、インスリン療法の選択肢が増え、
患者さんの利便性を高められると考えられます」。
 「開発した経口インスリンは、吸収率をより高めるために工夫を施してあります。
投与から2時間後、検査したラットの胃にはインスリンはみつかりませんでした。
経口投与したインスリンは肝臓に取り込まれ、最大の目標を達成することができました」

インスリン注射剤と同様に利用できる可能性
 研究グループが選択した方法は、
錠剤にしたインスリン製剤を、
頬の内側や唇の裏側にある口腔粘膜に置き溶かすというもの。
この方法であると、吸収されたインスリンはほぼ100%、肝臓に取り込まれる。
 「開発した経口インスリンは、投与後30分で吸収され、効果は2~4時間持続するので、
インスリン注射と同様に利用できる可能性があります」と、グオ氏。
 ただし課題もある。
インスリンの注射製剤は通常、100単位(IU)が必要になるが、
開発中の経口インスリンの場合は、500単位が必要になる可能性がある。
「より効率良く体に吸収される製剤を開発する必要があります」と、
プラタップ-シン教授。
 研究はヒトを対象とした臨床試験を開始する段階に進んでおらず、
開発にはより多くの時間、資金、協力者が必要になる。

経口インスリンには多くのベネフィットがある
 現在のインスリン治療では、気温の高い夏や低い冬にインスリン製剤を安全に保管するのは容易ではない。
また、大量の注入器や注射針、インスリン容器などが廃棄されている。
経口インスリンであれば、こうした保管や環境廃棄物の問題もないとしている。
 注射製剤の代替品となる経口インスリンを、より安価に使えるようにすることも目標のひとつだ。
「インスリンの1回の投与あたりのコストを削減することで医療費を減らし、
また簡単にインスリン治療を開始できるようにすれば、
より多くの患者さんの生活の質を向上できると期待しています」としている。

UBC team developing oral insulin tablet sees breakthrough results (ブリティッシュコロンビア大学 2022年8月30日)
Production of high loading insulin nanoparticles suitable for oral delivery by spray drying and freeze drying techniques (Scientific Reports 2022年6月15日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
IGT(食後高血糖)とIFG(空腹時血糖障害)。暁現象とは?
【22/09/15 まー

江部先生

いつもブログ有難うございます。
もう糖質制限(基本スーパー糖質制限)を始め15年になります。
それで毎年の健診で空腹時血糖値が111〜117、Hba1cは5.6~5.9です。
昼の空腹時血糖値は100前後まで下がるので、朝が高いのは暁現象かと思っています。
インターバル速歩も実践しておりますが、なかなか朝の血糖値は下がりません。
このような場合は、このままほっとかずに服薬(受診)した方が良いでしょうか。】



こんばんは。
まーさんから、早朝空腹時血糖値高値について、コメントを頂きました。
まーさん、
『毎年の健診で空腹時血糖値が111〜117mg/dl、Hba1cは5.6~5.9%』
これなら、糖尿病合併症の心配は少ないので焦らなくてよいです。
同じ境界型でも「IGT (食後高血糖)」は、
心血管系合併症を生じやすいのですが
「IFG(空腹時血糖障害)」は、合併症リスクは正常型の人と同程度です。
まーさんは、スーパー糖質制限食実践なので、食後高血糖はありません。
今しばらく、内服薬なしで、経過をみて良いと思います。
可能なら夕食を18時とか19時とか早めに摂ると翌朝の空腹時血糖値が
上がりにくいです。

また、血糖自己測定器を購入されて、自分で早朝空腹時血糖値を検査するとよいです。
私は、ニプロを使っていますが、テルモなど、日本製ならOKです。
前の日の運動効果とか早めの食事効果とかが、チェックできますので
とても便利で有用です。

早朝空腹時血糖値の高値は、暁現象が関与すると考えられます。

早朝の空腹時血糖値は、正常人では、寝る前より低いのが普通です。
ところが、就寝前よりも朝起きたときの血糖値のほうが高いという現象が、
糖尿人によくみられ、「暁現象」と呼ばれています。

朝方3~4時ころは、基礎分泌インスリンは一番低値になります。
さらにこの時間帯、成長ホルモンコルチゾールが増えて
血糖が上がりやすくなるのですが、
正常人は即座にインスリン分泌を増やして対応します。
糖尿人はインスリンを増加させてそれに対抗できないから、
暁現象を生じるとされています。

成長ホルモンは、肝臓でのグリコーゲン分解を促し、
また抗インスリン作用(インスリンを抑制し、血糖値を上昇させる)を持つため、
血糖値を上昇させます。
コルチゾールは肝臓での糖新生を促進させて、血糖値を上昇させます。

また糖尿病患者では起床前後の交換神経活性が暁現象に関係しています。
交感神経活性でカテコラミンなどのインスリン拮抗ホルモンが増えます。
膵臓では交感神経刺激によりインスリン分泌抑制グルカゴン分泌促進が起こり、
血糖値が上昇します。

夜間睡眠時は、肝臓がブドウ糖を合成して(糖新生)血液中に送り、
血糖値を維持しますが、もともと糖尿人は正常人に比べて糖新生が増加しています。

この時間帯、基礎分泌インスリンは、正常人なら少し分泌されれば血糖値が下がりますが、
2型の糖尿人は正常人の2倍の量が必要だといわれていますので、
そもそもハンディがあります。
糖新生が多くなると、
正常人なら即座に基礎分泌インスリンの分泌を増加させて対応します。
しかし、糖尿人はインスリンの分泌量調整がスムースにいかないために、
糖新生を制御できず、暁現象が起きると考えられます。

暁現象を改善するには運動が良いです。
簡単で長続きする運動として
<インターバル速歩><ながらジョギング>がお奨めです。

以下のブログ記事をご参照頂ければ幸いです。

インターバル速歩と体力。8000歩/日との比較。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4826.html
2019年02月20日 (水)

体脂肪率の改善、糖質制限食、インターバル速歩、ながらジョグ。
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5345.html
2020年08月20日 (木)




江部康二
腎機能検査に関してシスタチンCがクレアチニンより有用です。
【22/09/13 太陽
糖質制限でクレアチニン値上昇
いつも先生のブログを見て勉強させていただいております。

クレアチニン値について質問です。
ネット検索で、糖質制限を開始してから数値が上昇した人がいる一方で、先生のように不変の人もおります。
私は、40歳男、身長173㎝、体重56.5Kgで運動習慣はランニング1日5キロから12キロを20年継続しています。
現在の数値は、糖質制限前(8年前)毎年の健康診断で0.8台だったのが1.0前後に固定されています。
この違いは、主に何だとお考えでしょうか?
生活環境がそれぞれ異なるので一概に特定できないとは思いますが…】



太陽さんから、糖質制限食と血清クレアチニン値について
コメント・質問を頂きました。

太陽さん、血清シスタチンCを検査しましょう。
クレアチニンは筋肉量や運動が結果に影響します。
血清シスタチンCが、それらに影響を受けない
最も、信頼度の高い腎機能検査です。

しかし、1/3ヶ月でないと保険適応となりません。
つまり、1月に検査したら、次は4月となります。


腎臓には血液をろ過して、体の中に溜まった老廃物や水分、
取り過ぎた塩分などを尿と一緒に
体の外へ出してくれる働きがあります
腎臓はいらなくなった余分なものを体から排出して、
必要なものだけをしっかり体の中に残してくれるので、
体内の環境を正常に保つことができるのです。

糸球体での濾過量(GFR)は、正常では一定に維持され、
腎機能を知るうえで最も重要な指標となります。

血清シスタチンCの数値や血清クレアチニンの数値から、、
年齢と性別を考慮して、腎臓の働きを推測した値を、
eGFR(推定糸球体濾過量)と言います。

<血清シスタチンC GFR>
<血清クレアチニン GFR>

で、ネットで検索すれば、
eGFR(推定糸球体濾過量)を計算するサイトが見つかります。
便利なので、利用しましょう。
そこで計算して、eGFRが60以上なら心配ないです。


腎機能検査として、一般的な血清クレアチニンや尿素窒素は食事や筋肉量、
運動などの影響を受けますが、
血清シスタチンC値はそれらの影響を受けないため、
小児・老人・妊産婦・アスリートなどでも問題なく測定できます。

また、クレアチニン値はGFRが30mL/分(腎不全)前後まで低下した頃から上昇するのに対し、
シスタチンC値はGFRが70mL/分前後の軽度~中等度の腎機能障害でも上昇するので、
腎機能障害の早期診断にたいへん有用です。

したがって、血清クレアチニンや尿素窒素が正常であっても、
尿検査で蛋白あるいは潜血反応に異常が認められた場合には、
早期腎症の可能性がありえるので、血清シスタチンCを調べるのが有用です。

血清クレアチニン値が既に高値(2mg/dL以上)であれば、
シスタチンCを測定する意義はありません。
一方、ごく軽度上昇例で評価が困難な場合、
シスタチンC測定で腎機能を検査するのがお奨めです。


 
<高齢者とクレアチニンとシスタチンC>

高齢者の場合は、ほとんどの人で、筋肉量が少ないです。
そうすると、一般によく用いられる腎機能検査の「血清クレアチニン値」だと、
筋肉量が少ない分、低値になります。
つまり、本当は腎機能障害があるのに、「血清クレアチニン値」だと
正常範囲になってしまうケースがかなりあると
思われます。
このような時、「血清シスタチンC」だと、筋肉量に影響されずに
正確な腎機能を評価することができ、とても有用です。

血清クレアチニンの基準値は、男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下です。
血清シスタチンCの基準値は、
男性0.63~0.95mg/L、女性0.56~0.87mg/L です。
 
例えば、75歳男性Aさんの血清クレアチニン値は0.76mg/dlで基準値内でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.76mg/dlで基準値を超えていて
腎機能障害が認められました。


同様に、77歳女性Aさんのクレアチニン値は0.58mg/dlで基準値内でした。
しかし、同時に血清シスタチンCを調べたら、1.48mg/dlで基準値を超えていて
腎機能障害が認められました。


つまり、AさんもBさんも、腎機能障害があるけれど、
筋肉量低下のため血清クレアチニン検査だけでは
見逃してしまうということになります。
 
今後、高齢者の腎機能検査は、血清クレアチニンではなく
血清シスタチンCを主に実施するのが良い
と言えます。
 
 
国連の世界保健機関(WHO)の定義では、65歳以上の人が高齢者となります。 
65-74歳までを前期高齢者、75歳以上を後期高齢者と呼びます。
総務省によれば、日本の65歳以上の高齢者は、
2020年は3617万人・総人口の28.7%で、過去最高の更新が続いています。
 

江部康二
 

がん診断時にはすでに10年以上が経過。糖質制限食で予防は?  
【22/09/13       ジェームズ中野
 
江部先生、コメント失礼します。
江部先生がもし癌を宣告された場合
選択される治療法はなんでしょうか?
あるいは、放置ですか?
糖質セイゲニストとして大変気になるところであります。】

 
 
こんにちは。
ジェームズ中野さんから、上記コメントを頂きました。
確かに『糖質セイゲニストとがん』というテーマ、気になるところですね。
 
厚生労働省によれば、2019年の日本人の死因の順位は2018年と同様、
第1位「悪性新生物(腫瘍)」、
第2位「心疾患(高血圧性を除く)」、
第3位「老衰」、
第4位「脳血管疾患」、
第5位「肺炎」

でした。
 
悪性新生物というのは、がんのことです。
がんが日本人の死亡順位の一位です。
今日は、糖質制限食とがん予防のお話です。
現実にどのていど予防可能かを考察してみます。
 
がん細胞は人の体の中で毎日、数百から数千個も発生していますが、
通常は免疫細胞が排除してくれているので、がんを発症しません

 
正常細胞ががん細胞に変わり、体の免疫細胞が排除に失敗すると、
がん細胞は徐々に成長を始めます。
実は、1個のがん細胞が発生してから、画像診断的に発見可能な大きさになるのには、
かなり長い年月がかかります。
 
細胞分裂により1個が2個になり、2個が4個、
4個が8個、そして16個、32個、64個と倍々で増加していきます。
30回分裂を繰り返すと、約10億個に増え、
重さは約1グラム、直径1cm程度になります。
 
細胞1個が0.01mmで、1cm経になるのに10~20年かかります。
つまり、がん細胞が発生してから、診断できる大きさになるまでには
実に10~20年を要している
わけです。
 
個体差やがんの種類によっても発育速度は異なります。
がん細胞が生まれてから活発に成長するようになるまでには、
長い期間がかかります。
 
しかし、がん細胞は成長するに従って、
発育速度が速くなるとされています。
2倍の大きさになるのは、例えば早期胃がんでは数年(2-6年)、
進行がんでは数ヶ月、転移した胃がんでは数週間とされています。
 
従来のがん検診では、腫瘍の大きさが1cm程度にならないと発見できませんでしたが、
PET検査では、早期の5mm程度の大きさでの発見が可能です。
しかしながら、5mmや1cmで早期発見したがんということでも、
がん細胞が発生してから、
すでに約10~20年間が経過していることとなります。

つまり早期発見ということでも、すでに転移しているか否かは、運次第なのです。
 
「食後高血糖」「血糖変動幅増大」「糖質摂取による過剰インスリン分泌」
が、酸化ストレスとなり、非常に大きながん発症リスクとなりますが、
これらは「スーパー糖質制限食」で予防できます。
 
従って「スーパー糖質制限食」実践で理論的には、
『生活習慣病型がん』の発症予防が期待できます。
 
一方、すでに発症しているがんに対しては、
スーパー糖質制限食でも、縮小させることは困難です。
「ケトン食」レベルの厳しい食事が必要となりますが、
それでも食事療法単独で、がんを根治させるのは難しいと思いますし、
手術できる段階なら、手術するのが一番です。
 
がん予防対策としては、がん細胞が発生する前に、間に合う内にできるだけ早く
「スーパー糖質制限食」を開始して予防を期待するということになるでしょうか。
 
糖尿人はがんになりやすいことは、よく知られていますが、
国立がん研究センターの研究によると、
糖尿病ではない人においても、HbA1cが高値であるほど、
右肩上がりで、がんのリスクが増える
ことがわかっています。
糖尿人も正常人も、スーパー糖質制限食でがん予防が望ましいです。
 
江部康二は2002年からスーパー糖質制限食を実践しています。
2022年現在で、あしかけ21年です。
2002年以降は、いわゆる『生活習慣病型のがん』の発生は
かなり予防できている可能性が高いです。
一方で、2001年以前に、すでに原初のがん細胞が発生していたとしたら
予防はできていないこととなります。
まあ足かけ21年、経過しているので、まず大丈夫と思っています。
 
本日のブログは
 
PET検査ネット
http://www.pet-net.jp/pet_html/treat/gan.html

 
を参考にしました。
PET検査ネットさん、ありがとうございます。
 
 
江部康二
日本と米国の糖尿病合併症頻度の違い。
今回は、日本と米国の糖尿病合併症頻度の違いに関する考察です。

日米両国の糖尿病合併症頻度の違い、今まであまり意識していませんでしたが、
注目すべきなのは、
米国では、20年間(1990~2010年)で糖尿病合併症が激減したのに、
日本では、日本糖尿病学会の2013年の熊本宣言で
『糖尿病合併症で苦しむ患者さんの数は今なお減少していない。』

と、明言されたことです。
2010年(米国)と2013年(日本)ですから、
元になるデータの年代は似たようなものです。

医学誌「ニューイングランド ジャーナル オブ メディスン」に2014年4月17日発表。
20年間で糖尿病合併症激減
(1)急性心筋梗塞 マイナス67.8%  
(2)高血糖症による死亡 マイナス64.4%   
(3)脳卒中 マイナス52.7%  
(4)下肢切断 マイナス51.4%  
(5)末期腎不全 マイナス28.3%


熊本宣言2013
糖尿病腎症で透析になる人が年間16000人以上。
糖尿病網膜症で失明する人が年間3000人以上。
糖尿病足病変で切断する人が年間3000人以上。

治療法は、インスリン注射と経口糖尿病薬で、日米で同一です。
日米で医師の腕に差がないなら、
何故、合併症でこれほどの差が生じるのでしょう。
極めて不思議ですが、必ず理由はあるはずです。
そうすると、
日米の糖尿病食事療法の相違(糖質摂取比率の相違)
に思い至りました。


A)米国では、糖尿病発症前は国民は糖質を約50%摂取していて、
糖尿病は増加しています。
 しかし発症後は、ほとんどの医療機関で、糖質40%摂取が主となります。
 その他、バーンスタイン医師やアトキンス食事療法やヂューク大学などでは、
糖質摂取比率が約10%くらいです。
 
B)日本では、糖尿病発症前は、国民は糖質を約60%摂取しています。
  そして糖尿病発症後も医師は糖質約60%摂取を推奨します。

薬物療法は日米で差がないのですが、
食事療法「日本:糖質60% 米国:糖質40%」では大きな差がありました。
米国で糖尿病合併症が激減したのに、日本では減少していない現実がありますが。
その答えは食事療法の差ということです。
ほかには、理由がみあたらないので、まず間違いないと思います。

このように日本で糖尿病合併症が減少しないのは、
現行の日本の糖尿病標準治療である
「カロリー制限食(低脂肪・高糖質食)+薬物療法」
が決して上手くいっていない動かぬ証拠と言えます。
「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクが
カロリー制限食では予防できないので、
必然的に糖尿病合併症を生じることとなります。

日本の糖尿病患者を、合併症から救えるのは、糖質制限食のみです。
糖質摂取比率40%の米国で、合併症激減ですから
糖質摂取比率12%のスーパー糖質制限食なら、合併症はほぼなくなると考えられます。
日本糖尿病学会は
「血糖値を直接上げるのは糖質だけで、タンパク質。脂質は上げない」
という厳然たる生理学的事実に、速やかに目を向ける必要があります。

江部康二
2022年9月11日(日)一般向けオンライン糖質制限食講演会のご報告。
こんにちは。
2022年9月11日(日)、
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催一般向けオンライン講演会

を開催しました。
72名の方にご予約頂きました。
ありがとうございます。

「糖尿病の治療を受けているのによくならない方へ 
~糖尿病治療のベストな選択!糖質制限食の効果と安全性」

と題して、いろいろとお話ししました。

アンケートをとりましたが
ほとんどの人が、
『講演の内容はわかりやすかった』
『講演に参加して非常に良かった』

ということで、演者としては、嬉しい限りでした。

アンケートを頂いた方は、お一人だけ糖質制限食未実施でしたが、
あとは全員経験者でした。

そして、講演の内容について、お一人だけ
『やさしすぎて、あまりよくなかった』という回答でした。
私としては、一般向けの講演であり、医療関係者向けの講演ではないので
これで良かったのかなと思っています。

あとは、やはり対面式のリアル講演会を希望という声もありました。
一方、オンラインのほうが参加しやすいのでよいという意見や、
オンラインと対面と両方がいいという意見も多かったです。

質疑応答の時間がたっぷりあったのは良かった、
眼科医や栄養士の話も聞きたい、
糖質制限食専用アプリを作成してほしい、
高齢者、サルコペニア、認知症シリーズといった企画も希望、
実際の食品、販売されている商品の解説、
高齢者や単身赴任者にとっての利用法を聞きたい、


といった声もありましたので
今後の参考とさせて頂きます。

このたびは、ブログ読者の皆様にも

(一社)日本糖質制限医療推進協会主催一般向けオンライン講演会
「糖尿病の治療を受けているのによくならない方へ 
~糖尿病治療のベストな選択!糖質制限食の効果と安全性


に、多数ご参加いただき、ありがとうございました。


江部康二
江部康二の2022年9月の検査データの報告と解説。
おはようございます。

今回の記事は、
2002年(52歳)糖尿病発覚以来
スーパー糖質制限食を足かけ21年実践中の、
江部康二の2022年9月の検査データの報告と解説です。

2002年6月に糖尿病確定診断で、HbA1cは6.7%でした。
このとき、体重は67kg、身長は167cm。
内臓脂肪CTは126cm2 (100未満正常)
血圧は140-150/90前後 → 外来終了時は180/100。

スーパー糖質制限食を実践して、1ヶ月後にはHbA1cは基準値内になり、
半年後には体重は10kg減少して57kgとなり、
血圧も120~130/80程度と、正常化しました。
そのまま2022年9月まで、血圧と体重は維持です。

HbA1cは2002年7月には、6.0%となり、
2002年8月以降は、ずっと5.6%~5.9%で、
2022年9月まで、あしかけ21年間経過しています。

内臓脂肪CTは、2004年10月には、71 cm2となっています。
2002年12月には、体重は10kg減量できていて、その後維持なので
内臓脂肪も、そのときには既に71cm2に改善していたと思われます。

<スーパー糖質制限食実践時の血液・尿検査データの推移>

①血糖値は糖質制限食実践時にリアルタイムに改善します。
②スーパー糖質制限食なら、HbA1cは月に1~2%改善します。
③中性脂肪も速やかに改善します。
④HDLコレステロールは増加しますが、増加の程度と速度に個人差があります。
⑤LDLコレステロールは低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
 個人差があります。
⑥総コレステロールは、低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した人も半年〜1年~2年、3年、数年くらいで落ち着くことが多いですが、
個人差があります。
⑦尿酸も低下・不変・上昇と個人差があります。
 上昇した場合は、ほとんどが摂取エネルギー不足が原因です。
⑧尿素窒素はやや増加傾向になる人が多いですが、そのうち落ちつくことが多いです。
⑨クレアチニンは不変です。
⑩血清シスタチンCも不変です。
⑪血清カリウムも不変です。
⑫血中ケトン体は基準値より高値となりますが、生理的なもので心配ありません。
⑬尿中ケトン体は当初3カ月〜半年は陽性になりますが、その後陰性になることが多いです。
⑭脂肪肝に付随するGPTやγGTP値も改善します。
⑮TSH、FT4、FT3も不変です。


上記に記載していない血液検査や尿検査については、
糖質制限食開始前後で差はありません。
以下は私の最新の検査データです。


<江部康二の2022年9月(72歳)の検査データ>

HbA1c:5.9%(4.6~6.2)
GA(グリコアルブミン):12.8%(11.6~16.0)

空腹時血糖値:99mg/dl(60~109)
空腹時インスリン:3.3μU/ml(3~15)

TSH:1.18(0.34~3.88)
F-T4:1.0(0.8~1.8)
F-T3:2.8(2.1~4.0)

中性脂肪:94mg(50~149)
総コレステロール:208mg(150~219)
HDL-コレステロール:82mg(40~85)
計算法LDL-コレステロール:107mg(140mg未満)
尿酸:3.2mg(3.4~7.0)
BUN:14.2mg(8~20)
クレアチニン:0.60mg(0.6~1.1)
血清シスタチンC:0.75g(0.61~1.00)
GOT:27(9~38)
GTP:21(5~39)
γGTP:36(84以下)
アルブミン:4.5g(3.8~5.3)

血色素量:13.9(13~17)
白血球数:5500(3900~9800)
赤血球数:441(400~560)

総ケトン体:2000.0μM/L(26.0~122)
βヒドロキシ酪酸:1790.0μM/L(76以下) 糖質制限食中は生理的で正常値
アセト酢酸:208.0μM/L(13.0~69.0)


HbA1cは正常範囲内で、5.9%です。
空腹時血糖値が、糖尿病発症後、スーパー糖質制限食でも、
正常範囲内でやや高め(正常高値:100~109mg/dl)のことがありますが、
まあ、糖尿病歴、20年ですから仕方ありませんね。
とは言いながら、最近は、早朝空腹時血糖値が、
90mg台も時にあるようになりました。
今回は99mg/dlと正常値でした。

GAは正常範囲内で、上限には大分余裕があります。
これは、スーパー糖質制限食により食後高血糖がほとんどないためと思われます。
即ち「糖化」は正常人並みあるいはそれ以上に予防できていると考えられます。

甲状腺機能は、21年間常に正常です。

総コレステロール値は、心血管疾患との関連性は無く、
脂質異常症の2007年以降のガイドラインから外れているので特に問題はありません。
HDL-コレステロールは多めです。
LDL-コレステロールは今回は正常です。
中性脂肪値が94と前回(2021年9月、65)よりやや多いのは、
お酒の影響でしょうか。

HDL-Cが82(目標は60以上)と多く良好ですが、中性脂肪が94です。
お酒を減らして中性脂肪80以下を目指せば
小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cは、ほぼ皆無で、良好なパターンとなります。

スーパー糖質制限食なので、高タンパク・高脂質食なのですが、
尿酸は正常値よりやや低めですね。
尿酸は抗酸化物質でもあるのですが、
スーパー糖質制限食実践で、私の身体には酸化ストレスが極めて少ないので
尿酸も少ないのだと思われます。
尿酸も食べ物由来は2割程度であとは個人の体質ですのでこんなものでしょう。

高タンパク食ですが、BUNもクレアチニンもシスタチンCも正常なので腎機能も問題なしです。

焼酎などぼちぼち飲む割には肝機能も正常です。 (^_^)

インスリンは、基礎分泌が3.3μU/mlと正常範囲で低めですが、
空腹時血糖値が99mg/dlと正常なので問題ないです。
むしろ少ないインスリン分泌量で、
血糖値は正常なので好ましいパターンと言えます。
狩猟・採集時代のご先祖のインスリン分泌も、こんなものだった可能性が高いです。

血糖値がコントロールできている限り、
インスリン分泌は少なければ少ないほど身体には優しいのです。
過剰のインスリンは百害あって一利なしです。

総ケトン体:2000.0μM/L(26.0~122)
βヒドロキシ酪酸:1790.0μM/L(76以下) 
アセト酢酸:208.0μM/L(13.0~69.0)
と、ケトン体は一般的基準値に比べればかなり高値ですが、
生理的ケトーシスであり問題ありません。

即ち、私の血中ケトン体値は、あくまで生理的範囲のもので、
インスリン作用は一定確保されていて、空腹時血糖値も99mgと正常です。

見方を変えれば、農耕以前の人類皆糖質制限食だった頃は、
私のような血中ケトン体値のデータが当たり前で、
人類の標準だったと考えられます。

スーパー糖質制限食実践中の人の血中βヒドロキシ酪酸の標準値は、
200~800~1200~2000μM/Lくらいと考えられますが、
3ヶ月くらい経過すると、尿中ケトン体は陰性になります。
これは、スーパー糖質制限食実践で、心筋・骨格筋などの体細胞が、
日常的に効率良くケトン体をエネルギー源として利用するようになったため、
尿中に排泄されないのだと考えられます。

ケトン食レベルの人達の、血中βヒドロキシ酪酸は、
3000~5000μM/Lレベルですが、尿中ケトン体は、常に陽性です。

なお、糖質制限食開始直後は、血中ケトン体の上昇に伴い、
尿中のケトン体も陽性となります。
徐々にケトン体の利用効率が良くなるに従い、
尿中ケトン体は減っていき、やがて陰性となります。


江部康二
ケトン食で片頭痛発作が減少  減量以外の機序が関与か
ケトン食で片頭痛発作が減少
減量以外の機序が関与か
https://medical-tribune.co.jp/news/2022/0906547163/
2022年09月06日


メディカル・トリビューンに
2022年9月6日、上記記事が掲載されました。
中嶋一雄 先生から、情報を頂きました。
ありがとうございます。

ケトン体は、昔は『糖尿病性ケトアシドーシス』という重篤な病態のイメージが
強くて、日本の医学界では負のイメージが強く、恐がられてきました。
しかし、糖尿病性ケトアシドーシスは、
インスリン作用が非常に不足しているときにだけ発症する疾患です。
例えば、1型糖尿病の人が、急にインスリン注射を止めた時とか、
『ペットボトル症候群』のケースです。
逆に言えば、インスリン作用が正常に保たれているならば、
ケトン体は極めて安全な物質であり、高値でも『ケトアシドーシス』は生じません。

近年、欧米では、
ケトン体には「脳保護作用」「心保護作用」「腎保護作用」があるとされ、
とてもポジティブに、捉えられています。


Migraine Prevention through Ketogenic Diet: More than Body Mass Composition Changes
J. Clin. Med. 2022, 11(17), 4946; https://doi.org/10.3390/jcm11174946
ケトン食で片頭痛発作が減少 減量以外の機序が関与か

メディカル・トリビューンの記事は、この青字のイタリアの論文の紹介ですが、
以下、要約して説明(青字)します。
私の意見は緑文字で記載しました。


前兆のある片頭痛患者8例を含む23例を解析
片頭痛には過剰な体重や体脂肪が関与していることが指摘されている。
今回、片頭痛に対するケトン食の効果が体重や体脂肪の減少のみによるものなのか否かを検討するため、3カ月間のケトン食療法を受けた片頭痛患者を対象に後ろ向き観察研究を実施。

解析対象は、組み入れ基準を満たした33例のうち、
3カ月間のケトン食療法の終了時に評価を受けていた23例(平均年齢47.22歳、女性22例)。
診断は前兆のある片頭痛が8例、前兆のない片頭痛が15例、
反復性片頭痛が13例、慢性片頭痛が10例、薬物乱用頭痛が6例。
肥満および過体重の患者は、それぞれ5例、8例。


6割以上の患者で頭痛日数が半減
 解析の結果、1カ月当たりの頭痛日数は
介入前の12.5±9.5日から介入後には6.7±8.6日に有意に減少。
頭痛日数の減少は73.9%(17例)で認められ、
治療反応例(頭痛日数が50%以上減少した患者)は
65.2%(15例)。

1ヶ月当たりの頭痛日数は、ケトン食介入でほぼ半減です。
頭痛日数の減少も73.9%と4分の3近くで認められ、
頭痛日数が50%以上減少した患者も65.2%であり
ケトン食が極めて有効です。


 急性期治療薬の平均使用日数も、
介入前の11.06±9.37日から介入後には4.93±7.99日へと有意に減少。


頭痛薬の内服日数も、半分以下とおおいに減っています。


平均体重は介入前の73.8±15.2kgから介入後には68.4±14.6kgへ、
平均BMIは介入前の26.9±6.2から介入後には
23.7±8.1gへと有意に低下。


体重も、BMIで26.9から23.7と、見事に減少です。

著者らは「ケトン食療法は片頭痛に対する有効かつ安全な予防療法になりうるとともに、体重や体脂肪の減少の面でも有用である」と結論。

その通りと思います。


その上で、体組成への影響についてはケトン食療法の反応例と非反応例で差がなかったことから、「ケトン食療法後に認められた片頭痛の改善は、体重減少以外の機序に起因している可能性がある」との見解。

ケトン食が有効であった例と無効であった例の比較で、
肥満改善においては差がなかったということです。
つまり最初に「片頭痛には過剰な体重や体脂肪が関与していることが指摘されている。」と述べましたが、
今回の研究では、肥満の改善がない例においても
ケトン食で片頭痛の改善が見られました。
すなわち、ケトン食による片頭痛改善効果は、
体重減少以外の機序に起因しているとの見解です。


ケトン体高値により、
心臓・腎臓・脳保護作用および、慢性炎症を抑える効果が期待できます。
これらが、トータルに片頭痛改善に関与している可能性がありますね。



江部康二
糖質制限食の徹底でビタミンC摂取は少量で済む?
こんばんは。
今日のブログ記事は、昨日の続きです。
さて、ビタミンCには、抗酸化作用などがあります。
糖質セイゲニストの場合は、酸化ストレスが少ないので、
マサイ族と同様に、ビタミンCの必要量はかなり少なくてすむ可能性があります。
 
<糖質制限食の徹底でビタミンCは少量で済む?>
 アラスカのイヌイットが生肉、生魚を主食とする伝統的食生活を送っていた頃は、
野菜と果物の摂取が極めて少なかったため、
ビタミンC摂取不足による壊血病のリスクが指摘されていました。
イヌイットのビタミンC摂取量は、カナダの白人と比較してかなり少量でした。
イヌイットの妊娠中の女性の平均ビタミンC摂取量は28mg/日で、
血清ビタミンC濃度は0.25mg/dL。
一方、カナダ全国の白人の妊婦になるとそれぞれ平均133mg/日、1.01mg/dLでした。 
イヌイットの血清ビタミンC濃度は、
壊血病になる危険ラインの0.2mg/dL未満の場合も多いのです。
しかし、そういうイヌイットには歯肉出血が高率に見られたそうですが、
死に至るような重症の壊血病が多発しているというデータはありません。
 壊血病は、15世紀から17世紀の大航海時代、船員の間に死者が続出して、
非常に恐れられた病気でした。
ビタミンCと壊血病の関係が明らかになったのは、1932年のことです。
 血清ビタミンC濃度が同レベルに低いイヌイットとマサイ族ですが、
イヌイットは歯肉出血のリスクが生じていた程度、
マサイ族にいたってはビタミンC不足の影響が感じられない健康な状態でした。
イヌイットにおいても壊血病のリスクはあるものの、
死者が出るような事態はありませんでした。


 大航海時代の船員にビタミンC不足による壊血病の死者が続出したのに対して、
イヌイットやマサイ族にはそれが無かった理由について、
私は「糖質制限食を実践している者は、ビタミンCの必要量が少なくて済むのではないか」という仮説を持っています。
 糖質制限食実践中の人は、高血糖や高インスリン血症という酸化ストレスリスクが極めて少なくなります。
ビタミンCの主要な作用の一つは抗酸化作用で、体内の活性酸素を消去してくれます。
伝統的食生活を送っていた頃のイヌイットやマサイ族は、「スーパー糖質制限食」を実践している状態なので、
酸化ストレスが極めて少なくなります。
結果としてビタミンCの必要量も、糖質を食べている人(大航海時代の白人の船員たちのような)に比べると
かなり少量で済んだ可能性があります。
 全く健康なマサイ族と、多少のリスクがあるイヌイットの差は、
生活している環境からくる酸化ストレスの差があったためと思われます。
例えばイヌイットの暮らす北極圏は、太陽からの強力な紫外線にさらされており、紫外線は酸化ストレスリスクです。
 
<ビタミンCの必須量を探ると人類の食生活史が見えるかも…>
 あくまでも仮説ですが、このように考察すると、
人類の本当の血清ビタミンC基準値はどの程度に設定すべきなのかという疑問が浮かびます。
本当のビタミンC摂取必要量はどのくらいなのでしょう? 
人類が700万年の進化の過程でいったい何を食べてきたのかを考察するのに、
人体で合成できないビタミンCの必須量を考えることは非常に重要だと思われます。
 ヒトはアスコルビン酸合成能、つまり体内でビタミンCを合成する機能を進化の過程で失いました。
アスコルビン酸を作り出すプロセスの中で、重要な役割を果たす酵素、
L-グロノラクトンオキシダーゼが霊長類と一部の哺乳類では突然変異により失われているのです。
その時期は3500万〜5500万年前と推定されています。
 「人類」と一口にいっても、人類史の中では多くの「種」の人類が生まれては消え、
現在残っているのは現生人類(ホモ・サピエンス)だけです。
他の種も含めて人類はすべてビタミンCを合成できなかったと考えられています。
そのため、すべての人類は野草や果実からビタミンCを摂取していたはずです。
現生人類においても、伝統的食生活を営んでいたマサイ族やイヌイット以外は、
野草や果実からビタミンCを摂取していたと考えられます。
 マサイ族やイヌイットの研究から、
『糖質制限食実践者においてはビタミンC必要量がかなり少なくて済む可能性が見えてきた』
と私は考えています。 
少なくとも  厚労省の「日本人の食事摂取基準2015年」にある1日100mgのビタミンC摂取ほどは必要ないと思います。
しかしながら、我々はマサイ族やイヌイットではありませんので、現時点では糖質制限食を実践しつつ、
葉野菜、ブロッコリー、ゴーヤーなどからそれなりにビタミンCを摂取することを推奨します。


江部康二

マサイ族とビタミンC。
こんばんは。
アフリカのマサイ族ビタミンC摂取量は極めて少なく、
血中濃度は壊血病レベルの低値ですが、とても健康です。ビタミンCには、抗酸化作用などがあります。
マサイ族は野菜も全く食べませんが、そのライススタイルは酸化ストレスがとても少ないと考えられ、
ビタミンCもごく少量でOKなのだと思います。

<マサイ族と牛乳とヨーグルトとビタミンC>

 東アフリカ、ケニアからタンザニアにかけて住むマサイ族は、
主たる食事として牛乳、ヨーグルト、牛の生き血を取る伝統的食生活を送ってきました。
これらの食事では、ビタミンC摂取が非常に少なくなりますが、
彼らの健康度は良好です。  
 サバンナの民、マサイ族の独特な食生活から「ヒトにとって必要な栄養素」について考えてみます。
マサイ族の主食は現在でも牛乳とヨーグルトです。
牛乳、ヨーグルト合わせて1日に2〜3Lも摂取します。
毎日、牛の放牧をしながら何kmも歩き、その間、牛乳を入れた「キブユ」というひょうたんを腰にぶら下げ続けているので、
数日間で牛乳は自然発酵し、ヨーグルトになります。
長時間歩いていますから、主に摂取するのは新鮮な牛乳より、
搾乳してから2〜3日が経過したものや、さらに時間がたってヨーグルトになったものの方が主となります。
 この主食だけで不足する鉄分は、牛の生き血を週に数回、
牛乳に混ぜて飲むことで補います。

<野菜や果物を食べないマサイ族のビタミンC摂取量は>
 彼らの伝統的食生活では、野菜や果物は一切食べないそうです。
となるとビタミンCをいかに摂取しているのかが不思議です。
ヒトはビタミンCを体内で合成できず、必ず食物から摂取せねばなりません。
マサイ族にとって牛は財産であり、殺して牛肉を食べることはありません。
ヤギやヒツジも飼っていて、
こちらはお祝いごとや家族に病人が出て栄養をつけたい時には食べるといいます。
この時、ヤギやヒツジの生レバーや生の小腸も食用になります。
 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」で、野菜や果物に含まれるビタミンCを調べてみると、
100gあたり赤ピーマン170mg、パセリ120mg、甘ガキ70mg、イチゴ62mg、ゆでブロッコリー54mgなどとなります。
牛の生レバーのビタミンC含有量は100g中30mg、生の小腸は同じく15mgです。
ヤギやヒツジの生レバー、生小腸のデータは載っていないのですが、牛に準ずる程度でしょう。
しかしマサイ族は日常的に生レバーや生小腸を食べているわけではありません。
一方、牛の血漿(けっしょう)に含まれるビタミンCは1.4〜3.6mg/dLで、人の血漿(0.6〜1.4mg/dL)より高いそうです。
しかしそれでも、牛の血を1L飲んだところで摂取できるビタミンCはせいぜい30mgです。
やはり十分な量とは言えません。
 彼らの主食である牛乳はどうでしょうか。
彼らが飲む新鮮な牛乳の中には、ビタミンCが2.2mg/dL含まれています。
ひょうたんに入れて、数日間発酵させてから飲む場合、この量は減少します。
例えばひょうたんの中で4日間経過すると、0.4mg/dLにまで減ってしまいます。
つまり牛乳、ヨーグルト、牛の生き血から得られる日々のビタミンC摂取量は、せいぜい1日30mg程度。
厚生労働省の推奨量である1日100mgに到底足りません。
 
<極端に低い血中ビタミンC濃度>
 マサイ族と居住エリアが重なり、主に農耕生活を行うバンツー族という人々がいます。
バンツー族は穀物、野菜など何でも食べます。
ケニアの研究者が、この二つの種族の食生活と血液検査データを比較検討した論文があります。
前述のマサイ族が飲む牛乳のビタミンC含有量を調べたのもこの論文です。
 マサイ族21人、バンツー族24人を対象に調べた論文のデータによると、
伝統的な食事をしているマサイ族の血清ビタミンC濃度は、0.16mg/dLです。バンツー族は0.56mg/dL。
厚労省の「日本人の食事摂取基準2015年」は、日本人に1日100mgのビタミンC摂取を推奨し、
日本の大手検査会社エスアールエルは日本人の血清ビタミンC濃度の基準値を0.55〜1.68mg/dL としています。
つまりバンツー族では日本人の基準値の正常下限であり、
マサイ族に至っては極端に低値ということです。
白血球の中に含まれるビタミンCの濃度でも、
マサイ族はバンツー族の半分以下だと言います。

<なぜマサイ族に壊血病が起きないのか>

 マサイ族、バンツー族ともに総じて身体に異常はないそうです。
論文では結論として、マサイ族の血清ビタミンC濃度が低いのは、
単純に食物から摂取するビタミンCが少ないからと考えられるとし、
これほど低いのに(ビタミンC不足で起きる)壊血病や貧血などは見られない理由については、
さらなる研究が必要としています。


江部康二
バランスの良い食事?過去の人類の主食は?現世人類の主食は?
【22/09/05 モン吉
バランスの良い食事
江部先生、こんばんは                

以前にも書かせて頂いたことが有りますが、
一般人にバランスの良いと言われている食事は、
我々糖尿病人にとっては、バランスの悪い食事になります。
一般人(健康人)と病人では、食事内容が違って当然だと思います。

肉食動物のトラやライオンに、肉ばかり食べていたらバランスが悪いから、
野菜も食べなさいとか、草食動物のキリンやウマに、
草や葉っぱばかり食べていたらバランスが悪いから、肉や魚も食べなさいと食べさせたら、両方とも体調が悪くなるでしょう。
動物、生物にはそれぞれバランスの良い食事があり、
それは本能(DNA)によるものではないでしょうか。
動物はそれが食べられるかどうか、臭いを嗅いで(本能で)判断します

イヌイットは、生肉、生魚が常食だった頃は
ガン等生活習慣病がとても少なかったと云われています。
ところが欧米人と交流が進み、欧米食が入ってくると、
それらの病気が増えたといわれています。

又、アフリカのマサイ族は、普段は牛等のミルクを飲み、
時々牛の首を矢で射って、
流れた血をミルクに混ぜて飲んでいるのを、
かなり前のテレビで視たことが有ります。
このように人種によってもバランスの良い食事は、変わってくると思います。
今のバランスの良いと云われている食事は、
これが人間には一番良いのだと神様が決めたものではありません。

人間が本能のまま食事をするとしたら、何を食べるのでしょう。
人間のDNAに組み込まれた本能に従って食べる物が、
人間にとってバランスの良い食事なのかもしれません。
そうすると、江部先生が仰られている、人類が出現して700万年のうち、
それまで無かった穀物を作り、食べ始めたのは僅か1万年前、
それ以前699万年はスーパー糖質制限食となりますので、
それが本能なのかなと思います。
以上、長々と戯言失礼いたしました。】


モン吉 さん
コメントをありがとうございます。

イヌイットが、生肉、生魚が常食だった頃はガンは無く
心筋梗塞や脳梗塞や糖尿病もほとんどありませんでした。
リウマチ・潰瘍性大腸炎・虫垂炎・歯髄炎・胆石も極めて少なかったのです。
西洋人との交流が活発になり40〜50年が経過した1950年代から、上記の病気が顕著となりました。

マサイ族の主食は牛乳とヨーグルトです。
牛乳、ヨーグルト合わせて1日に2〜3Lも摂取します。
毎日、牛の放牧をしながら何kmも歩き、その間、牛乳を入れた「キブユ」というひょうたんを腰にぶら下げ続けているので、
数日間で牛乳は自然発酵し、ヨーグルトになります。
長時間歩いていますから、主に摂取するのは新鮮な牛乳より、
搾乳してから2〜3日が経過したものや、
さらに時間がたってヨーグルトになったものの方が主となります。
この主食だけで不足する鉄分は、牛の生き血を週に数回、
牛乳に混ぜて飲むことで補います。
マサイ属は極めて健康です。

さて

現世人類の主食は?
バランスの良い食事?
過去の人類の主食は?



について、考察したいと思います。

人類は約700万年前、チンパンジーとわかれて進化が始まりました、

人類の進化には諸説ありますが、
アウストラロピテクス(猿人)から原人(ホモ・エレクトス)になり、
旧人(ホモ・ネアンデルターレンシスなどを経て、
新人(ホモ・サピエンス)になったとされています。

ネアンデルタール人が滅びてからは、
唯一現世人類(ホモ・サピエンス)だけが生存しています。
ネアンデルタール人は、
ヨーロッパを中心に13万年前から3万年前まで生存していました。
現世人類が、食糧獲得において、優位だったため、
徐々に衰退していったものと思われます。

現世人類はネアンデルタール人に比し、
言語能力とコミュニケーション能力が優位
であったので
集落の人数も多くなり、生存や食糧獲得において有利だったのでしょう。

現世人類の主食は?
現世人類の主食は、約30万年間は、
肉と魚貝類と根菜や野生のフルーツなどであり
バランスが良かったと思われます。
1万年前に農耕が始まってからは、穀物が主食となり、
非常に偏った食生活となり、当初は身長が小さくなり病気が多発し
不健康になったことは歴史的事実です。

バランスの良い食事?
穀物から、60%以上のエネルギーを得るようにたなって、
狩猟・採集時代に比べて、極めてバランスの悪い偏った食生活となり
人類は不健康になったのです。
穀物や芋といったデンプンや砂糖を止めるだけでも、
『バランスの良い食事』となります。
人類にとって、スーパー糖質制限食こそが本来の食事であり健康食と言えます。


滅んでいった人類の主食は様々であったと考えられます。
過去の人類の主食は?
☆☆☆
約400万年前頃までの食生活は、ほぼチンパンジーと同じで、
大量のフルーツやナッツ、葉物野菜を食べていたと言う研究結果があり、
根菜などは食べられていなかったと推定されています。

約300万年前頃、根菜なども摂取しだしたと推定されていますが、
牛のような反すう動物を食べ出した可能性もあります。

約250万年前頃、肉を消費し始めたと言う証拠がはっきり推定されています。

150万年前頃、人類が火を使い始め、肉と根菜を調理できるようになります。このことにより、栄養の吸収率が高まり、人類の脳はさらに大きくなっていきます。

20万年前頃、新人(ホモサピエンス)が登場しますが、
相変わらず主食は根菜と肉だったと推定されています。

そして1万年前頃、農耕が誕生した時代。
この辺りから穀物の摂取量が大きく増えていきます。



本日のブログの『過去の人類の主食』の項は
☆☆☆
Clear Advance Consulting Blog
https://clear-advance.jp/primitive-mans-nutritional-balance-3049.html
原始人の栄養バランス

を参考にさせて頂きました。
ありがとうございます。


江部康二
2022年9月11日(日)、一般向け糖質制限食オンライン講演会の開催です
こんにちは。
新型コロナ、日本の新規感染者数が少し減少傾向でしょうか。
しかしまだまだ対面式の講演会を開催することが困難であり、
2022年9月11日(日)、
(一社)日本糖質制限医療推進協会主催一般向けオンライン講演会を開催することとしました。


「糖尿病の治療を受けているのによくならない方へ 
~糖尿病治療のベストな選択!糖質制限食の効果と安全性」
https://www.toushitsuseigen.or.jp/activities/cr4r


と題して、お話しします。
日本では、糖尿病合併症として、毎年新たに
約16000人以上の人工透析、
約3000人以上の失明、
約3000人以上の足切断

を生じています。

米国では糖尿病は増え続けていますが、糖尿病合併症は激減しています。
しかし、日本では糖尿病合併症は一向に減りません。
この差はいったい何なのでしょう?
使用している内服薬や注射薬は、日本と米国で、全く同一です。

何故、日米でこれほどの差があるのか本講演で
その原因を明らかにします。

また、糖尿病合併症を予防し、血糖コントロール良好を保つことのできる
糖質制限食の最新知識をわかりやすく系統的にお話します。


江部康二



以下事務局からのお知らせです。

*********

ブログ読者の皆様、弊会のイベントへ多数ご参加いただいておりまして、ありがとうございます。

本日はオンライン講演会の開催をご案内申し上げます。

2022年9月11日(日)、「糖尿病の治療を受けているのによくならない方へ ~糖尿病治療のベストな選択!糖質制限食の効果と安全性」と題して、オンライン講演会を開催いたします。

講師は、江部理事長です。たくさんのご参加を心よりお待ちしております。

☆講演会情報URL:http://www.toushitsuseigen.or.jp/activity

//////////////ご案内/////////////////

(一社)日本糖質制限医療推進協会主催<オンライン講演会>

『 糖尿病の治療を受けているのによくならない方へ
  ~糖尿病治療のベストな選択!糖質制限食の効果と安全性 』

■日時:2022年9月11日(日)13:30~15:00頃

■講師:江部 康二 医師
    (一財)高雄病院 理事長 / (一社)日本糖質制限医療推進協会 理事長

*** 講師より ***

糖尿病治療は多くの中高年にとって関心の高い、喫緊の課題です。

そして、糖尿病の治療を受けているのによくならない方は、結構な数おられると思います。

医師や栄養士の指導のもとに、「カロリー制限食」をひもじい思いで頑張っているのに、HbA1cが一向に改善しないケースも多いです。

ここで、「糖質制限食」の出番です。

血糖値を直接上昇させるのは三大栄養素のなかで、糖質だけです。

つまり、カロリーを制限しても高糖質な食事では、食後高血糖を防げず、糖尿病の改善や合併症の予防は困難であり、現実に減っていません。

一方で、糖質の摂取を控えると、食後高血糖を防げ、良好な血糖コントロールが可能となります。

糖質制限食は、1999年から京都・高雄病院において糖尿病治療食として開始され、「糖尿病合併症を予防できる唯一の食事療法」として画期的な成果をあげてきました。

米国糖尿病学会は、2019年4月のコンセンサス・レポート以降、「血糖値改善効果に関して、糖質制限食が最もエビデンスが豊富である」と明言しています。

今回は、糖質制限食による糖尿病治療の理論と実践についてお話しします。

また、従来の糖尿病食(カロリー制限・高糖質食)と糖質制限食の治療効果の比較をはじめ、症例も報告します。

*********

■受講費:賛助会員 無料 / 一般(賛助会員の方以外) 2,000円

■お支払い方法(賛助会員の方以外):クレジットカード/銀行振込/郵便振替 

*事前決済のみとなります。

*領収書をご希望の場合は、領収書宛名もお知らせ願います。

■お申し込みの流れ:

1. 下の「お申し込み方法」の該当するものからお申し込み下さい。
2. 事務局より一両日中(8月13~15日と日祝を除く)に、折り返しメールでご連絡申し上げます。

<一般(賛助会員の方以外)>
3.ご入金の確認後、予約確定のメールをお送りします。

■お申し込み方法:

★賛助会員の方:事務局へメールにて、お申し込み下さい。

★賛助会員入会+講演会参加をご希望の方:

1. 入会案内および会員規約をお読み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/sign-up

2. お申し込みは下のフォームからお願いします。
「入会ならびに講演会出席のお問い合わせ」を選択いただき、
「通信」欄に、「9/11オンライン講演会、参加希望」 とご記入下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/contact

★一般(会員以外)で、講演会の受講のみご希望の方:

下のフォームからお申し込み下さい。
http://www.toushitsuseigen.or.jp/seminar-gen

■補足・ご案内事項:

*Zoomを使用したオンラインセミナーです。

・スマートフォンでもご参加可能ですが、パソコンかタブレット端末でご参加いただくと、画面が大きいため、スライド資料を閲覧しやすいです。

・事前に招待URLをお送りし、当日はそのURLにアクセスして、オンライン受講(参加)していただくかたちとなります。

・詳細はご予約後にご案内申し上げます。

*講演は60分程度の予定です。その後、質疑応答(Zoomの挙手機能を使用)も予定しております。

*当日の動画は、後日一定期間ご覧いただける予定です。(参加予約者様限定)

*予約制です。当日参加はできません。

*キャンセルは9月9日(金)までに事務局までご連絡願います。
それ以降のキャンセルの受講費ご返金は対応致しかねますので予めご了承下さい。
血液検査の正常値?基準値?標準値?エビデンスは?
【22/09/03 西村 典彦
健康診断のエビデンス
健康診断の各種項目の標準値(正常値)にエビデンスはあるのでしょうか。
多くの項目の正常値は病気と診断されていない人の平均値であって、
数値そのものに「絶対的な健康」を表す根拠はあるのでしょうか。

では、一般的に健康とされる人(病気がない人)とはどのような人でしょうか。
本当に健康なのでしょうか。
バランスの良い食事とはどういうものでしょうか。
一般的に健康とされる人(本当はどうか分かりません)が摂取する食事の平均値であって
そのバランスに科学的根拠はないと思います。

私は、糖質制限を始めて5年目(60歳)になりますが、
糖質制限前と比べてはるかに健康になりました。
瞬発力は年齢と共に少しずつ落ちてきますが、
持久力においては20年ほど若返ったと言う自覚があります。
ほかにも年齢のせい(要するに老化)だと思い込んでいた数々の不調もなくなりました。

要するに、それまでの糖質過多の食事が普通の食事であり、
その普通の食事で維持している健康状態を「健康」と誤解していたわけです。
しかし、一般的な食事を続けている人は、
私が気づいた「誤解」に気づかないままなのではないでしょうか。
本当は、もっと健康なのが本来の健康なのです。

その「誤解」に気づかない「質の悪い健康」な人の平均値が
健康診断の各種項目の正常値なのだと思われます。
質の悪い食事や生活環境が一般的であれば、
正常値の範囲も質の悪いものになるのは当然です。
これではいつまでたっても「卵が先か鶏が先か」と言うループに陥って、
本当にバランスの良い食事とはどのようなものか、
本当の健康とはどのようなものかは見えてきません。

正常値には、人種による差があるように、
一般人と糖質セイゲニストの正常値はかなり異なっていると思います。
糖質セイゲニスト(に限らず、食事内容別)の標準値を作らないと、
本当のバランスの良い食事は分からないし、当の健康状態も分からないでしょう。】


西村 典彦  さん

仰る通りと思います。


「多くの項目の正常値は病気と診断されていない人の平均値であって、
数値そのものに「絶対的な健康」を表す根拠はあるのでしょうか」


絶対的な健康の根拠はありません。
正常値という言い方も変ですね。
今は「正常値」という言い方より「基準値」と言うほうが普通です。


「一般的に健康とされる人(病気がない人)とはどのような人でしょうか。
本当に健康なのでしょうか。」


確かに、病気がない(発見されていない) だけで、
健康とは言えません。


「バランスの良い食事とはどういうものでしょうか。」

これも、日本人の食事における「糖質」「脂質」「蛋白質」の平均摂取比率を
そのように言っているだけで、全くエビデンスはありません。


「私は、糖質制限を始めて5年目(60歳)になりますが、
糖質制限前と比べてはるかに健康になりました。
瞬発力は年齢と共に少しずつ落ちてきますが、
持久力においては20年ほど若返ったと言う自覚があります。
ほかにも年齢のせい(要するに老化)だと思い込んでいた数々の不調もなくなりました。」


糖質セイゲニストにおいては、糖質を食べている人に比べると
<①ケトン体高値><②AGEsの蓄積が少ない>
①②という二つのアドバンテージがあります。
ケトン体高値により、心臓・腎臓・脳保護作用および、
慢性炎症を抑える効果が期待できます。
②により、<糖化 ⇒ 老化>という流れが最小限で済みます。
老化すれば、免疫力も低下するのは必然ですので、それが予防できます。


「要するに、それまでの糖質過多の食事が普通の食事であり、
その普通の食事で維持している健康状態を「健康」と誤解していたわけです。
しかし、一般的な食事を続けている人は、
私が気づいた「誤解」に気づかないままなのではないでしょうか。
本当は、もっと健康なのが本来の健康なのです。」


そうですね。
糖質を普通に摂取している人々は、糖質制限食でもっと体調が良くなることをご存じないので、現状を健康と誤解している可能性が高いです。
これは、糖質制限食を実践しない限り、わからないことです。


「その「誤解」に気づかない「質の悪い健康」な人の平均値が
健康診断の各種項目の正常値なのだと思われます。
質の悪い食事や生活環境が一般的であれば、
正常値の範囲も質の悪いものになるのは当然です。
これではいつまでたっても「卵が先か鶏が先か」と言うループに陥って、
本当にバランスの良い食事とはどのようなものか、
本当の健康とはどのようなものかは見えてきません。」


これに関しては、糖質セイゲニストのデータを多く集めて
平均値をとる作業が必要と思われます。
高雄病院の経験では、中性脂肪値は、空腹時であれば、
一般の人に比べて糖質セイゲニストはかなり低くなる人が多いです。
HDL-CやLDL-Cは、増加することが多いです。

糖質制限食20年間実践中の私の2022年6月27日、
高雄病院健康診断時のデータ(空腹時)が以下の緑字の記載です。
空腹時血糖値だけが、暁現象でギリギリです。
私は、尿酸値はいつも低めですが、
酸化ストレスが少ないためなのかなと勝手に解釈しています。
中性脂肪値は、お酒を控えればもっと下がると思います。

TC:219
TG:69
HDL-C:84
LDL-C:121
空腹時血糖値:108
HbA1c:5.8%
AST:23
ALT:19
γGTP:32
クレアチニン:0.66
尿酸:4.6
総蛋白:7.4



以下も、参考にして頂ければ幸いです。

東京大学医学部付属病院検査部
http://lab-tky.umin.jp/patient/kijyun.html
患者さんへのご案内
検査結果について -
基準範囲,臨床判断値ってなに?



江部康二
「糖質制限食」「従来の糖尿病食」とEBMについて
こんにちは。
EBMが現在、医学界を席巻しています。

<EBMとは>

 イービーエム(EBM)とは、『Evidence-Based Medicine』の頭文字をとったもので、
『(科学的)根拠に基づいた医療』と訳されています。
科学的根拠(エビデンス)とは、
これまでに行われてきた医学・医療に関する研究成果を指します。
1991年に登場した言葉で、北米を中心にして広まり、日本にも90年代後半より浸透してきました。

確かに浸透してきていますが、EBMだけに頼る医療には、明確に限界があります。
一方、EBMを無視する医療にも、明確に限界があります。
ともあれ今回の記事は、EBMについて考察してみます。

医学界において、evidence(エビデンス、証拠、根拠)となるのは、
基本的に医学雑誌に掲載された論文です。
ニューイングランド・ジャーナル、ランセット、米国医師会雑誌など、
定評ある医学専門誌に掲載された論文であることも、
evidence(エビデンス、証拠)の大きな要素となります。

その論文も
①無作為割り付け臨床試験(RCT)
②前向きコホート研究

の二つが信頼度の高いものとなります。
その論文も「糖尿病診療ガイドライン2016」によれば、

・レベル1+: 質の高いランダム化比較試験(RCT)およびそれらの
メタアナリシス(MA)/ システマティック・レビュー(SR)

・レベル1:それ以外のRCTおよびそれらのMA / SR

・レベル2:前向きコホート研究およびそれらのMA / SR 
     (事前に定めた)RCTサブ解析

・レベル3:非ランダム化比較試験 前後比較試験
      後ろ向きコホート研究
      ケースコントロール研究およびそれらのMA / SR
      RCT後付けサブ解析

・レベル4:横断研究 症例集積

*質の高いRCTとは
(1)多数例
(2)二重盲検、独立判定
(3)高追跡率
(4)ランダム割り付け法が明確

などをさす。 

といった順番で、信頼度に差をつけられています。
これを研究デザインのヒエラルキーと呼ぶそうです。
他にコンセンサスがありますが、コンセンサスは、
実証的研究に基づかない権威者の意見や合意なので、エビデンスとは言えません。
一般にエビデンスレベルが高い研究論文と言うときは、

(1) レベル1+ / レベル1
(2) レベル2

に基づく論文のことをさします。

症例報告も大切な医学研究の一つなのですが、
ことEBMというときは、「無作為割り付け臨床試験(RCT)」と「前向きコホート研究」
だけ考慮すればいいということです。

かつて、医学界では
実証的研究に基づかない権威者の意見や合意(コンセンサス)が幅を利かしていて、
学会発表などでも、有名大教授で権威者の先生が「私はこう思う」といったら、
水戸黄門の印籠みたいなもので「ヘヘー、恐れ入りました」という事で
一件落着という世界だったのです。

権威者が、何人か寄り集まって、ガイドラインの内容を決めると、
コンセンサスによる決定となります。
これは、上述のヒエラルキーからみると、エビデンスレベルは最低、
エビデンスなしということです。

権威者の意見や、コンセンサスに基づく見解などに頼っているのは、
非科学的であるという批判が、世界中の医学界で続出して、
それではよろしくないということで、
evidence based medhicine(証拠に基づく医学)→略してEBMが登場したわけです。

<従来の糖尿病食にはエビデンスがない>
前振りが長かったですが、
「糖尿病診療ガイドライン2016」の食事療法の部分、 37ページに

Q3-1 糖尿病における食事療法の意義と最適な栄養素のバランスは
どのようなものか?

に対し、

「摂取エネルギーのうち、炭水化物を50-60%、たんぱく質20%以下
を目安とし、残りを脂質とする。」


と記載しています。
しかし、推奨グレードの表示はなしです。
以前の、「科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2010」の食事療法、
31ページでは、「炭水化物は指示エネルギー量の50~60%」と、
グレードAで推奨してありますが、根拠はなんとコンセンサスで、
科学的根拠に基づいていないことが明示されていました。

2010年に比べれば2016年は、エビデンスのないことを
グレードAで推奨するという暴挙がなくなった分よしとしましょう。
ちなみに「2型糖尿病患者に運動療法は有効か?」に対しては、
血糖コントロールに有効で、推奨グレードAです。

結局、糖尿病の食事療法に関しては、
日本糖尿病学会が推奨する糖尿病食(カロリー制限高糖質食)には
エビデンスはないのです。

<糖質制限食にはエビデンスがある>

一方、ひいき目と言われるかもしれませんが
糖質制限食においては、一定のエビデンスがあります。
以下に、EBMとして信頼度の高い長期の研究を列挙します。
いずれも、糖質制限食の『長期的有効性・安全性』を保証する論文です。
なおこれらの論文は、スーパー糖質制限食に関するものではありません。
普通に食事をしている集団(糖質も食べている)において、
糖質を多く食べている群と比較的少ない群を比較したものです。
1年間の研究ならスーパー糖質制限食のRCTが少なくとも2つあります。

1)はRCT論文で8年間であり、信頼度はトップランクの研究です。
2)3)4)5)6)は前向きコホート研究であり、信頼度は上から二番目です。

糖質制限食の長期的安全性の肯定に関しては、
EBMに基づき少なくとも6つの信頼度の高い研究論文が存在するわけです。

例えば
2)は
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較です。
炭水化物摂取の多いグループは冠動脈疾患リスクが増加です。

4)は
糖質摂取比率51.5%のグループと糖質摂取比率72.7%のグループの比較です。
糖質摂取比率が一番少ない51.5%のグループは一番多い72.7%のグループに比較すると
心血管死のリスクが59%しかありません。

いずれも糖質大量摂取の弊害(心血管リスク)を如実に示しています。
結果として糖質摂取が少ないほど心血管リスク軽減において有利になることも示しています。

6)は2017年8月にランセットに発表されました。
「炭水化物の摂取比率が多いほど、総死亡率が上昇し
脂質の摂取比率が多いほど、雄死亡率が低下」
ですから、まさに夏井睦先生の言う「炭水化物が人類を滅ぼす」ですね。


長期の研究
1)RCT論文

低糖質地中海食(LCMD)。8年間RCT論文。
糖質50%未満のLCMD群と低脂肪群の比較。
女性は1800kcal/日。男性は1800kcal/日。
新たに診断された2型糖尿病患者では、LCMDは低脂肪食と比較して、
HbA1cレベルの大きな減少、糖尿病の寛解率が高く、糖尿病治療薬の導入を遅らせた。
Diabetes Care. 2014 Jul;37(7):1824-30.
The effects of a Mediterranean diet on the need for diabetes drugs and remission of newly diagnosed type 2 diabetes: follow-up of a randomized trial.

2)前向きコホート研究
低炭水化物・高脂肪・高タンパク食に冠動脈疾患のリスクなし
一方総炭水化物摂取量は冠動脈疾患リスクの中等度増加に関連していた。
高GLは冠動脈疾患リスク増加と強く関連していた。
ニューイングランドジャーナルのコホート研究  
82802人 20年間 2006年掲載 ハーバード大学
炭水化物摂取比率36.8±6.1%グループと58.8±7.0%のグループの比較。
Halton TL, et al. Low-carbohydrate-diet score and the risk of coronary heart disease in women. New England Journal of Medicine 2006;355:1991-2002.

3)前向きコホート研究
21論文、約35万人をメタアナリシスして、
5~23年追跡して1.1万人の脳心血管イベントが発生。
飽和脂肪摂取量と脳心血管イベントハザード比を検証してみると、
飽和脂肪酸摂取量と脳心血管イベント発生は、関係がないことが判明。
Siri-Tarino, P.W., et al., Meta-analysis of prospective cohort studies evaluating the association of saturated fat with cardiovascular disease.  Am J Clin Nutr, 2010. 91(3): p. 535-46.

4)前向きコホート研究
「糖質制限食の安全性にエビデンス」
前向きコホート試験NIPPON DATA80 29年間 中村保幸
第10分位(糖質摂取比率51.5%)のグループは、第1分位(糖質摂取比率72.7%)のグループに比べて女性においては心血管死のリスクが、
59%しかないという素晴らしい結論で、糖質制限食の圧勝。
Br J Nutr 2014; 112: 916-924


5)前向きコホート研究

上海コホート研究
「糖質摂取量により4群に分けて、糖質摂取量が多いほど心血管疾患の発症リスクが高い」
11万7366人を対象に、調べた研究。
女性が6万4,854人で、平均追跡期間が9.8年。
男性が5万2,512人で、平均追跡期間が5.4年。

女性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量264g/日未満 ---------- 1.00
2、糖質摂取量264g~282g/日未満-------- 1.19
3、糖質摂取量282g~299g/日未満-------- 1.76
4、糖質摂取量299g/日以上 ----------- 2.41

男性 心血管発症リスク
1、糖質摂取量296g/日未満 ------------ 1.00

2、糖質摂取量296g~319g/日未満 ---------- 1.50

3、糖質摂取量319g~339g/日未満 ---------- 2.22

4、糖質摂取量339g/日以上
Am J Epidemiol. 2013 Nov 15;178(10):1542-9.
Dietary carbohydrates, refined grains, glycemic load, and risk of coronary heart disease in Chinese adults.

6)前向きコホート研究
 『炭水化物の摂取増加で死亡リスク上昇』
ランセット誌のオンライン版(2017/8/29)で、
 カナダ・マックマスター大学のMahshid Dehghan博士らが報告。
5大陸18カ国で全死亡および心血管疾患への食事の影響を検証した大規模疫学前向きコホート研究(Prospective Urban Rural Epidemiology:PURE)の結果。
2003年1月1日時点で35~70歳の13万5335例を登録し、
2013年3月31日まで中央値で7.4年間も追跡調査。
論文の内容を要約
1)炭水化物摂取量の多さは全死亡リスク上昇と関連。
2)総脂質および脂質の種類別の摂取は全死亡リスクの低下と関連。
3)総脂質および脂質の種類は、心血管疾患(CVD)、心筋梗塞、CVD死と関連しない。
4)飽和脂質は脳卒中と逆相関している。

炭水化物摂取比率        総死亡率
1群 46.4%                       4.1%
2群 54.6%                      4.2%
3群 60.8%                       4.5%
4群 67.7%                       4.9%
5群 77.2%                       7.2%

脂肪の摂取比率             総死亡率
1群 10.6%                     6.7%
2群  18.0%                      5.1%
3群  24.2%                      4.6%
4群  29.1%                      4.3%
5群  35.3%                      4.1%



<生理学的事実>
さらに、生理学的事実として、糖尿人が糖質を摂取した場合、
糖質制限食なら、食後高血糖は生じませんが、
従来の糖尿病食なら、食後高血糖が必ず生じるということは明白です。

そして、
国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)2007年
「食後血糖値の管理に関するガイドライン」
国際糖尿病連合(International Diabetes Federation:IDF)2011年
「食後血糖値の管理に関するガイドライン」


によれば、
食後高血糖は、
大血管合併症の独立した危険因子であり、
酸化ストレスを生じ血管内皮を障害し、
糖尿病網膜症と関係し、
IMT肥厚と関係し、
認知障害にも関係し、
癌発症リスク上昇と関連するとのことです。

糖質制限食により、食後高血糖を防ぐことの意味は、大変大きいと思います。



江部康二