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尿路結石と糖質制限食。カルシウム。クエン酸。
【21/10/30 20代後半男性
尿路結石について
糖質制限を8年ほどしています、20代後半の男性です。

自己流で糖質制限をしており、体重は、この8年で20キロほど痩せとても嬉しいです。

ただ、今年になって、尿路結石約7ミリの大きさができてしまい、
外部粉砕機でなんとか処置いたしました。

その結石の構成成分が、シュウ酸51% リン酸49%でした。
ただ、成分分析をしても、担当医は正確に予防方法を応えてくれませんでした。

糖質制限をしていると、シュウ酸とリン酸の摂る比率が多くなると思います。
結石の再発を防ぐ方法はありますでしょうか?

よろしければご意見をいただけると幸いです。】


20代後半男性さん。
身長169cm、糖質制限食、8年間で20kg体重減少、良かったです。
BMIはどのくらいになりましたか?

まず尿路結石の予防には、十分なカルシウム摂取が良いとされています。
シュウ酸を多く含む食品(ほうれん草、紅茶、チョコレート、タケノコ、大根)とカルシウムを同時にとると、
カルシウムは腸内でシュウ酸と結合して大便として排出されます。
そうすると、腸からのシュウ酸の吸収が抑制されて、
尿に含まれるシュウ酸の量を減らすことにつながりシュウ酸カルシウム結石を抑制します。
1日600~800mgの摂取を目安に、カルシウムを摂取するようにしましょう。

また、塩分の取り過ぎも尿路結石生成を促進するとされていますので
注意が必要です。
ただ、低カロリーすぎると、どんな内容の食事でも、
尿酸値が上昇するので注意が必要です。

野菜、穀物、海草や
サバ、サンマ、イワシなどの青魚は尿路結石を抑制するといわれています。
穀物以外は糖質制限食OK食品ですね。
水分を充分量摂ることも、結石予防に良いことです。

クエン酸摂取も有効です。
クエン酸は「酸っぱい」と感じる酸味の成分です。
多く含まれている食品といえば、梅干しやレモンなどです。
砂糖無添加の梅干しやレモンなら、糖質制限OK食品です。
酢もクエン酸が多いですので、砂糖を入れてない糖質制限OKの酢を利用しましょう。

クエン酸は、シュウ酸やリン酸とカルシウムが結合するのを抑制してくれます。
また、尿中のPhを上昇させる効果も期待できます。
過去尿路結石のあった人や家系的に腎臓結石持の方々は、
尿酸が高値となったときは、梅干しを食べるとか、
わかめ・ほうれん草・大根・キャベツ・茄子・しいたけなど摂取で、
尿をアルカリに保って尿酸が結晶化しにくいようして、
尿酸値が基準値にもどるのを待つのが安全と思います。
そうすれば尿路結石の予防になります。


江部康二


「質の良いHbA1c」と「質の悪いHbA1c」。糖質制限食と尿素窒素。
【21/10/30 みほこ
尿素窒素が高く出ました
江部先生

こんにちは。
いつも情報発信ありがとうございます。

先日採血があり結果が出ました。

糖質制限食をしているつもりでも
HbA1cは5.9でした。
ちょこちょこした間食がいけないのでしょうか。

中でも気になったのが尿素窒素という項目が
25.3と高かったのですが
これは糖質制限食は関係するのでしょうか。

血糖 92
尿素窒素 25.3
クレアチニン 0.63
推算GFR 83
Na 138
Cl 105
カリウム 4.2
AST 19
ALT 17
γGTP 12
クレアチンキナーゼ 111
LDLコレステロール 123
HDLコレステロール 91
中性脂肪 50
HbA1c 5.9
…でした。】


こんばんは。
みほこさんから、【糖質制限食をしているつもりだけど
HbA1cが5.9%でした。ちょこちょこした間食がいけないのでしょうか。】

というコメント・質問をを頂きました。

これは、「糖質制限食を実践したのに、思ったほど、HbA1cが改善しなかった」
という意味でしょうか?

糖尿人が糖質ありの食事(従来の糖尿病食)をしていて、
糖質制限食に切り替えた場合、通常はHbA1cが速やかに低下し改善します。

一方、従来の糖尿病食(高糖質食)の時期と、糖質制限食実践後の時期を比較して
両者ともHbA1cが5.9%とかいうことはありえます。

どういうことかというと、
糖尿病食実践者の5.9%は「質の悪いHbA1c」
糖質制限実践者の5.9%は「質の良いHbA1c」
であり、実は大きな差があるのです。

血糖値を直接上昇させるのは、糖質・脂質・蛋白質のうち、糖質だけです。
「質の悪いHbA1c」は糖質摂取時のもので
『食後高血糖』『空腹時低血糖』の平均値を示しているに過ぎません。
実際には「血糖変動幅」が大きく「酸化ストレスリスク」が大きいのです。
これでは、一見HbA1cはコントロール良好でも、合併症予防は困難です。

現実に、日本では糖尿病合併症として、毎年新たに
糖尿病腎症からの人工透析が16000人以上、
糖尿病網膜症からの失明が3000人以上、
糖尿病足病変からの足切断が3000人以上、

あります。
これらの合併症を生じた糖尿人のなかには、
HbA1cが7.0%未満というコントロール目標を達成していた人もあると思います。
しかしながら、所詮は「質の悪いHbA1c」であり、合併症を防ぐのは困難なのです。

これに対して糖質制限食を実践している糖尿人のHbA1cは
「食後高血糖」「空腹時低血糖」「血糖変動幅増大」という酸化ストレスリスクのない
「質の良いHbA1c」であり、糖尿病合併症を予防できるのです。


【気になったのが尿素窒素という項目が
25.3と高かったのですがこれは糖質制限食は関係するのでしょうか。

尿素窒素 25.3
クレアチニン 0.63
推算GFR 83】


尿素窒素、クレアチニンはいずれも腎機能検査の指標です。
その中で、クレチニンのほうが尿素窒素より信頼度が高い検査です。
つまり、尿素窒素が少々高値でもクレアチニンが基準値内なら
腎機能は正常ということになります。
クレアチニンの換算GFRは83と、60を超えているので
腎機能的には安全圏です。

高タンパク食だと、尿素窒素が高値となることがありますが、
これは生理的な現象であり、クレアニンが正常なら心配ないのです。
みほこさんの場合も、糖質制限食実践で相対的に高タンパク食となったために
生理的に尿素窒素が高値となったのであり、問題はありません。


江部康二
糖質制限食でHbA1c、血糖値、脂肪肝など改善、LDL-Cは?
【21/10/29 心より感謝人
糖質制限とLDLコレステロール
江部先生、
いつも豊かに生きるための情報を発信していただき本当にありがとうございます。
このスープもぜひ試してみたいと思います。

本日、LDLコレステロールとの付き合い方についてご質問させていただきます。

私は、50代男性です。昨秋の健康診断でHba1Cが8.9でした。
(LDLコレステロールは139、HDLコレステロールは38でした)。

江部先生のご著書と出会い、スーパー糖質制限と日常の軽い運動に取り組み、
身長174センチで、体重約20キロ減、ウェストは92から76となりました。
今秋の健康診断では、Hba1c5.1、HDLコレステロール63になりました。
江部先生のおかげです。本当にありがとうございます。

ただ、LDLコレステロールが150で、要精密検査と言われました。
食事は、野菜中心ですが、
ほぼ毎晩、トマト4個とモッツァレラチーズ(100グラム)を食べております。
またご飯やパンを食べない分、ナッツ類が多くなり、
ほぼ毎日80グラム程度を食べております。
あとは週に3~4回、菓子職人様の美味しいスィーツと、
辛口の赤ワインを楽しんでおります。
先月まで毎朝バナナ1本を食べていましたが、現在はそれもやめました。
(朝はプロテインダイエット、ナッツ、昼はコンビニの野菜サラダや赤身肉、ナッツなどわりに自由に食べています。夜はトマトとチーズや魚料理、スーパーの惣菜などです)。

スーパー糖質制限と並行して、
この際にLDLコレステロールも低くしたいと思っております。
実践すべきことがありましたらご教示のほど何卒よろしくお願いいたします。

江部先生、読者の皆さまのご健康を心よりお祈りしております。】




①174cm 、59kg。 
 1年前はBMI:26.1%で、今はBMI:19.5です。
 正常範囲で、ほんの少しやせタイプで、望ましい体重です。
 ただ、これ以上減らす必要はないので、魚介類、牛・豚・鶏など
 動物性蛋白質・脂肪を充分量、食べましょう。

②空腹時中性脂肪値も、294⇒65mg/dl と素晴らしい改善です。

③HDLコレステロールも、38⇒63mg/dlと素晴らしい改善です。
 HDLコレステロールを増やす薬はないので、糖質制限食の効果ですね。

④LDLコレステロール:150mg/dlと基準値より少し高値です。
 しかし、中性脂肪値が80mg/dl以下で、HDLコレステロール値が63mgと、
 60mg/dl以上なので、悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cはほとんどないです。
 増加したLDL-Cは、ほとんどが善玉のLDL-Cであり、安心です。

⑤空腹時血糖値も、189⇒78mg/dlと見事な改善です。

⑥HbA1cも、8.9⇒5.1%と見事な改善です。

⑦尿糖も(2+)から(-)と改善です。

⑧ASTも、34⇒19と脂肪肝の改善です。

⑨ALTも、81⇒17と脂肪肝の改善です。

⑩γ-GTPも、49⇒13と脂肪肝の改善です。


ということで、①②③・・・⑤⑥⑦⑧⑨⑩と見事な改善で皆基準値内です。
④の基準値は、140mg/dl未満なので、150mg/dlは基準値より多いです。
しかし、以下の論文の如く全く心配は要りません。
 
とりあえず、要請蜜検査ということなら、念のため
頸動脈エコー(Carotid echo)、
心電図(electro-cardiogram、ECG)
心エコー(Echocardiography)

をしましょう。
これらの画像診断で、正常なら、LDL高値でも動脈硬化はなく
心配ないということが確認できます。


空腹時の採血で、
HDL-Cが60mg/dl以上、
TGが60~80mg/dl以下、

なら、悪玉の小粒子LDL-Cや酸化LDL-Cはほとんどないので安心です。

a)標準の大きさのLDLコレステロール:
 肝臓から末梢組織にコレステロールという細胞膜の原料を運ぶ善玉
b)小粒子LDLコレステロール:
 コレステロール輸送という本来の仕事をほとんどせずに、血管壁の傷などに入り込んで
 活性酸素に触れ、酸化して酸化LDLコレステロールになりやすいので危険。
c)酸化LDLコレステロール:
 異物であり血管壁にこびりついて動脈硬化の元凶となる真の悪玉


つまり、危険なのはb)とc)であり、
a)はなくてはならない大切なものなのです。

http://promea2014.com/blog/?p=1101
ドクターシミズのひとりごと
に掲載してある、図を見て頂ければ上記が確認できます。
(図はAtherogenic lipoprotein phenotype. A proposed genetic marker for coronary heart disease risk.M A Austin, M C King, K M Vranizan and R M Krauss Circulation. 1990;82:495-506より抜粋)

清水先生、ありがとうございます。


江部康二
糖質制限OK食品、ミネルスダイナーから発売中。
こんにちは。
糖質制限OK食品が、私が監修しているミネルスダイナーから発売中です。

株式会社フォワードはサラヤグループで新たに誕生した
食品を専門に取り扱う会社です。
ミルネスダイナーは株式会社フォワードが運営するECサイトです。

低糖質スープと低糖質パスタのお試しセットが
ミネルスダイナーとミネルスショップ楽天市場で発売中です。

1)セット商品の説明
低糖質スープと低糖質パスタのおためしセットが、
各ショップで11月3日まで特別価格で、発売中です。

ミルネスダイナー
https://milnesdiner.jp/goods/index.html?ggcd=msr-so3pa1-set
ミルネスショップ楽天市場
https://item.rakuten.co.jp/milnes/msr-so3pa1-set/


2)低糖質スープのご紹介
①ミネストローネ
2020年6月26日(金)
17時06分 血糖値:118mg
低糖質スープミネストローネ150g摂取(糖質5.9g)
18時06分 血糖値:132mg
18時08分 血糖値:128mg
14mgの上昇で、糖質は4.67gと合格です。
低糖質でも具も多く入っていて美味しかったです。

②海老のビスク
2020年7月3日 金曜日 海老のビスク 
午後17時05分 食後3時間血糖値:128mg
海老のビスク 150g (糖質:5.3g )
午後18時05分 食後60分血糖値:132mg
4mgの上昇で、計算上の糖質は1.3gしかなく、合格です。
糖質も1番少なく、海老の味がしっかりして美味でした。

③クラムチャウダー
2020年7月6日(月)
17時03分 血糖値:123mg 食後4時間血糖値
クラムチャウダー 150g摂取 (糖質7.2g) 
18時03分 血糖値:143mg
20mg上昇なので、糖質は6.7gで、ほぼ想定範囲です。
クリーミーであさりの味もきちんと楽しめました。

どのスープも血糖値の上昇も適正範囲で、
電子レンジで温めるだけですぐ食べられるのでオススメです。

3)低糖質パスタのご紹介
低糖質パスタは1食(80g)で糖質31.0gとあるため、
スーパー糖質制限食をしている人は茹でる量を減らすなどして
調整して頂きたいと思います。
緩やかな糖質制限食を実践している場合は、一人前いけます。


江部康二


☆☆☆
以下の青字の記載は、
ミネルスダイナーからのお知らせです。

低糖質食品をメインに販売を行っている「ミルネスダイナー」(https://milnesdiner.jp/)とミルネスショップ楽天市場店(https://www.rakuten.ne.jp/gold/milnes/)です。

些少ではございますが、江部先生のブログ読者様限定で11月3日まで利用できるクーポンをご用意いたしました。

【ミルネスダイナー】
「低糖質スープ+低糖質パスタお試しセット」ご購入で利用できる50円オフクーポン
商品ページ:https://milnesdiner.jp/goods/index.html?ggcd=msr-so3pa1-set
■クーポンコード
e4q50LAJMR

ご購入手続きのお支払い方法の画面にてクーポンコードをご入力する欄がございますので、
上記のクーポンコードをコピーして貼り付けて「適用」ボタンを押してください。
※クーポンご使用のご注意
・期間中、お一人様、1回限りご利用いただけます。他のクーポンと併用はできません。
・商品のキャンセル、返品等に伴う再発行・返金・換金は受け付けておりません。

【ミルネスショップ楽天市場店】
「低糖質スープ+低糖質パスタお試しセット」ご購入で利用できる5%オフクーポン
クーポンURL ※楽天会員様は以下のURLからクーポンを獲得できます。
https://coupon.rakuten.co.jp/getCoupon?getkey=Qjg4Uy1CQVFYLUo4OVEtUExXTQ--&rt=

クーポンコード※URLでクーポンが獲得できなかった場合はこちらをご利用ください。
BAQX-B88S-J89Q-PLWM

皆様の糖質制限食のお手伝いができましたら私共も嬉しいです。
今後もよろしくお願いいたします。
糖質制限食で無食登山。
【21/10/26 感謝感謝
無食登山継続中
先生のブログと著作に出会い命を救われた者です。
感謝の気持ちを、このコメント内で書き記す事はとても出来ず、
只々、感謝々と申し上げるに止まる事をお許し願います。

両目とも人工レンズの1957年生れです。
登山中、麦茶とカリカリ梅のみの無食登山を継続中です。
目的はケトン体の高値維持と
「脂肪酸・ケトン体エネルギーシステム」を維持していく為です。

南東北の梅雨明けと共に夏季縦走登山としては、
過酷な部類に入る飯豊連峰に、25kg以上を背負い無食登山をして来ました。
二日目は空身(アタックザックのみ)山小屋から約11時間かけて
大日岳までのピストンでした。
流石に齢なので最後はバテましたが、
お腹が空いてバテたのではなく「飯豊の酷暑」が主原因です。

これは「ブドウ糖・リコーゲンエネルギーシステム⇒脂肪酸・ケトン体エネルギーシステム」への切替え成功の成せる業です。
でもそこには大前提があります。

(1)完全な「スーパー制限」を行い、体が完全に「脂肪酸・ケトン体エネルギーシステム」に切り替わっている事。
(2)「脂肪酸・ケトン体エネルギー」を燃料にして登るには、激しい動きを避け、ゆっくり登る事。

私は元来、あまり健脚ではないので「亀」登山スタイルです。
特に登りはものすごくゆっくり登ります。
ですから、どんどん後ろの方に追い越されます(*^_^*)
でも昼食も間食も摂らないし、ゆっくり登るので水分補給時にしか休みません。
結果的に登山時間は同じ位になります。

私も最初「ブドウ糖・グリコーゲンエネルギー」が枯渇した時分から、
お腹が減って減って、たまりませんでした。
そこからが勝負です。
ゆっくり歩いていると、
徐々に「脂肪酸・ケトン体エネルギーシステム」へ切り替わって行き、
多くの方は信じられないでしょうが、
お腹が空かなくなり、満腹感すら感じるようになります。

「スーパー制限」を厳守し、これを繰り返すと「脂肪酸・ケトン体エネルギーシステム」へと徐々に切り替わって行き無食登山も可能となって行きます。
但し経験則として「スーパー制限」を怠ると、
直ぐに「ブドウ糖・グリコーゲンエネルギーシステム」へと元の木阿弥になります。

折角「脂肪酸・ケトン体エネルギーシステム」体質に切り替わったならば
「スーパー制限」を継続して行く事が必須です。
中途半端な取組みで無食登山を行えば、レスキューの憂き目に遭うと思います。

ことは生理上の話ですから、何事も徐々にです。
往年の「寅さん」の名セリフ
『人間は徐々に変わるんだよ。一変に変わったら、体に悪りぃじゃねぇか』ですね (*^_^*)

PS.先生のご啓蒙のお陰で、
ワクチンを摂取せずにコロナ禍を乗り切れそうです。感謝感謝。】


こんにちは。
感謝感謝さんから、とても興味深いコメントを頂きました。
ありがとうございます。

無食登山継続中ということで、
食事なしで水飲みで登山という快挙を成し遂げておられます。

『夏季縦走登山としては、
過酷な部類に入る飯豊連峰に、25kg以上を背負い無食登山をして来ました。
二日目は空身(アタックザックのみ)山小屋から約11時間かけて
大日岳までのピストンでした。』


<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>
しっかり稼働していて、登山中の二日間は
一貫して、このシステムがエネルギー源となっていたと考えられます。


『でもそこには大前提があります。

(1)完全な「スーパー制限」を行い、体が完全に「脂肪酸・ケトン体エネルギーシステム」に切り替わっている事。
(2)「脂肪酸・ケトン体エネルギー」を燃料にして登るには、激しい動きを避け、ゆっくり登る事。』


仰るとおりと思います。
完全なスーパー糖質制限食なら、
血中ケトン体(βヒドロキシ酪酸)が800~2000μmol/Lくらいになります。
基準値は 74 以下 μmol/Lです。
このくらいのβヒドロキシ酪酸の血中濃度なら、
脳のエネルギー源も、ほとんどがケトン体となっています。

そして、ご指摘通り、心拍数がかなり上昇するような激しい動きだと、
筋肉は<ブドウ糖-グリコーゲンエネルギーシステム>
を使用する可能性が高くなります。
<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>を行動中にずっと維持するためには
ゆっくり登ることが大切です。


『「脂肪酸・ケトン体エネルギーシステム」へ切り替わって行き、
多くの方は信じられないでしょうが、
お腹が空かなくなり、満腹感すら感じるようになります。
「スーパー制限」を厳守し、これを繰り返すと「脂肪酸・ケトン体エネルギーシステム」へと徐々に切り替わって行き無食登山も可能となって行きます。
但し経験則として「スーパー制限」を怠ると、
直ぐに「ブドウ糖・グリコーゲンエネルギーシステム」へと元の木阿弥になります。』


<脂肪酸-ケトン体エネルギーシステム>が稼働していると
「おなかが空いてイライラする」ようなことがなくなります。
これは糖質を摂って、血糖値が急上昇・急降下を繰り返し、
乱高下することがなくなるので、強い空腹感を覚えることがなくなるからです。


感謝感謝さん、
このままスーパー糖質制限食を続けていかれれば、
『血中ケトン体高値』『AGEs蓄積が最小限』『慢性炎症予防』
の三つが確保できて、免疫力向上に繋がると思います。
そうすれば新型コロナウイルス感染症対策にもなるので
このまま美味しく楽しく末永く糖質制限食を続けて頂ければ幸いです。


江部康二
現行の糖尿病食は合併症製造食。合併症予防可能は糖質制限食のみ。
こんにちは。
現行の糖尿病学会推奨の「糖尿病食」は、カロリー制限・高糖質食です。
ただ、長い間、炭水化物摂取比率60%だったのが、
最近50~60%になり、さらに2019年からは40~60%となっています。
少しずつですが、糖質制限食に歩み寄っています。
これは、よいことと思います。

しかしながら、炭水化物摂取比率40%でも、
1800kcal/日摂取なら、一日量は180gとなります。
一日三食として、一回の食事の炭水化物量は60gあります。
1gの糖質が、体重64kgの糖尿人の血糖値を3mg上昇させます。
ということは、一回の食事で食後血糖値のピークは180mg/dl上昇するので、
食後血糖値は、毎回軽く200mg/dlを超えてきます。
これでは、糖尿病合併症を防ぐことはできません。


<現行の糖尿病食は合併症製造食>

我々糖尿人は耐糖能が低下していますので、
糖質を摂取すると必ず
「食後高血糖」「平均血糖変動幅増大」を生じます。
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」は最大の酸化ストレスリスクであり
糖尿病合併症の元凶とされています。
従って、普通の糖質摂取比率が40~60%の食事というのは
糖尿人にとっては、明確に害悪であり毒と言っても過言ではないと思います。
現行の糖尿病食は、誠に遺憾ながら「合併症製造食」としか言いようがありません。

現実に今の日本では、糖尿病学会も認めるように
糖尿病合併症は全く減少していません。
人工透析が毎年16000人以上、
失明が毎年3000人以上、
足の切断が毎年3000人以上
です。
この事実は、現行の糖尿病治療(カロリー制限・高糖質食+薬物療法)が
決して上手くいっていない動かぬ証拠と言えます
現行の糖尿病治療が上手くいっているなら、
合併症は減り続けているはずです。

<体内で作られるAGEsが糖尿病合併症を引き起こす>
  最近、AGEs(*)が注目されています。
その理由はさまざまな糖尿病合併症の元凶の一つと考えられるようになったからです。
まず、AGEsは酸化ストレスのリスクとなります。
そのプロセスは多様ですが、最も分かりやすいのは、
AGEsが血管の内壁にたまり、動脈硬化を引き起こす例でしょう。
動脈硬化によって障害を受ける血管の部位によって、生じる糖尿病合併症は異なりますが、
いずれも血管病と言って過言ではありません。
血管壁のAGEsは消えない借金であり「高血糖の記憶 」と呼ばれています。
  体内で高血糖により産生されたAGEsが、細小血管合併症に関わることは、以前から指摘されていました。
細小血管合併症とは、糖尿病網膜症や糖尿病腎症です。
さらに近年「高血糖の記憶」という概念で、
米国の大規模臨床研究・DCCTのフォローアップ試験であるEDIC-DCCTの報告、
UKPDSの20年後の解析で、大血管合併症にもAGEsが関わっているという説が有力となっています。
大血管合併症とは、心筋梗塞や脳梗塞などです。
 AGEsによる合併症発症のリスクは、「血糖値×持続期間」で決まります。
高血糖であればあるほど、そして高血糖である期間が長ければ長いほど、
AGEsの生成、蓄積量は多くなるからです。
従って、長年糖尿病を患っている患者は糖化が生じやすく、
AGEsの蓄積も、糖尿病でない人に比べて必然的に多くなります。
その結果、心筋梗塞や脳梗塞にもなりやすくなるので、
糖尿病は「老化」が早く進む病気とも言われてきました。

<糖質制限食と糖尿人>
糖尿人においては「スーパー糖質制限食」だけが
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅」と「AGEsの蓄積」が生じない食事療法であり、
合併症予防を考えると理論的には他に選択の余地はありません。

一方、糖質制限食は、強制するようなものではありません。
自分で考えて自分で判断し選択して自己責任で実践するものです。


(*)AGEs
 糖化とは、ブドウ糖(グルコース)などの糖が、直接たんぱく質などに結合する反応のことです。
糖尿病の検査指標として一般的に使われているヘモグロビンA1c(HbA1c)は糖化したヘモグロビンのことです。
HbA1cは、たんぱく質と糖が結合する「糖化反応系」の初期段階で作られる「アマドリ化合物」の一種で、
アマドリ化合物からさらに糖化反応が進むと、
最終的に「終末糖化産物(AGEs=advanced glycation endproducts)」というものができあがります。
 AGEsには体内で産生されるものと食事由来のものがあります。
体内で産生されるAGEsが有害であること明白です。
糖質制限食では、肉や魚や卵など動物性たんぱく質を焼いて食べることがよくありますが、
食事由来のAGEsは、私は無害と考えています。
根拠は、火を使い始めて以降、人類の寿命は明らかに延びているからです。


江部康二
糖質制限食と登山やマラソン。
【21/10/24 MY
ありがとうございました
江部先生

お忙しい中、丁寧なアドバイスを頂き本当にありがとうございました。
最近は少し食欲が落ちていた為、栄養摂取についてより意識していきたいと思います。
また、できればホルモン補充療法も再開していきたいと思います。

あと1つだけ質問させて下さい。
登山(数日間20kg近い重い荷物を持って歩く)の様な、
比較的ハードなスポーツを行う場合の栄養は少しは糖質を摂取した方が良いのでしょうか? 
夏に糖質摂取を再開したのもその為なのですが…私は失敗したようです。
プロのスポーツ選手もオフではケトジェニック、シーズン中は糖質接種と分けていると聞いた事があります。
山の行動食は糖質の塊が多い為悩むところです。
できるだけナッツやチーズ、缶詰、MCTオイルをフル活用していますが
不足していた様なので難しいところではあります。
ラードを吸いながら歩くと言う人をネットで見つけましたが、勇気が湧きません。
ポイントはスパイクを起こさないことかなぁとも思ってはいるのですが…。
前回の筋トレについての記事もとても参考になります。もし何かアドバイスあればよろしくお願い致します。

ちなみに、家族はもちろん友人にも先生の著書を勧めています。
その結果、70代の糖尿病薬でコントロール中の友人が食事だけで
数年ぶりにHbA1c 7→6台へ下がったと連絡がありました!
先生のおかげです。ありがとうございます。】


こんばんは。
MY さんから、登山と糖質制限食について、コメント・質問を頂きました。
回答として、調度よい過去ブログ(☆)があったので、以下再掲します。


(☆)
糖質制限食とマラソン。
2018年06月22日 (金)

【18/06/21 登山好きのランナー
いつもお世話になっております。
こんにちは。
いつも楽しく拝見しております。
過去に何度か糖質制限をしたことがありいつもある程度の成果を得ております。
今回も昨年、怪我とストレスで体重が増加してしまったので糖質制限を実施して4週間が経過しました。
46才男性事務職です。
毎朝5-10kmのランニングをしております。
今回は朝食抜き(もともとあまり食べることはない食生活)、昼はサラダ(海藻、きのこ類入)と鶏胸肉もしくは豚肉、夜は茶碗少なめ1杯の雑穀米や麺類少々を食べる時もある程度で主にストレスのない程度に家族とおかず中心の食事に低糖質の発泡酒等を350ml缶4-5本という感じで2食は主食抜きで間食やジュース類なし(もともとほとんど口にしない)の生活です。
3年ほど心拍計付の活動量計を腕に装着して記録しています。
今回、体重は平均して2.5kgマイナス、体脂肪率もマイナス2%とBMIは23台から22台へと順調に減量できているのですがひとつ問題が。
お酒に極端に弱くなりました。いつもの量を飲んでいるのにそのまま居間で眠ってしまうことが増え翌日も軽い二日酔い状態ということが増えました。
他サイトで水分量が減るので水分摂取を心がけるようにとあったので飲んでいる最中に炭酸水や烏龍茶を飲むようにしてこれは改善しました。
もうひとつは2週間経過したころから時折頭痛が出るようになりました。
思い当たるのはもともと軽度高血圧症なので測ってみると下が100前後で上が150近い数値でした。もともと似たような感じですが1年前に毎日計測していた時人比較すると若干高くなっています。
前述の活動量計の記録を確認すると安静時心拍数は糖質制限をはじめる前は52-54程度だったのが57-60と明確に上昇しております。糖質制限を開始した翌日から数値が上昇しています。
安静時心拍数の上昇、血圧の上昇(元々軽度高血圧症ではあるにしろ)は糖質制限となにか関係はありますでしょうか?またずばり間接的にでも頭痛を誘発することは考えられますでしょうか?よろしくお願いします。

PS 運動時の心拍数は糖質制限前後で特に上がりやすくなったとは感じていません。】




18/06/22 ドクター江部
Re: いつもお世話になっております。
登山好きのランナー さん

「安静時心拍数の上昇、血圧の上昇」

は糖質制限とは無関係と思います。
糖質制限をすると、血圧は下がることが多いです。
糖質制限と心拍数の変動は聞いたことがありません。

原因としては、運動量のわりに、摂取エネルギーが少ない可能性があります。


【18/06/22 登山好きのランナー
お返事ありがとうございます。
糖質制限による影響がないということがわかって安心しました。
が、心拍数に関しては聞いたことがないということですが糖質制限を開始したのとタイミングが同じでどこかに因果関係があるのでは?と素人ながら考えてしまいますね。
ありがとうございます。
目標体重まで減量できたら徐々にゆるやかな糖質制限食に戻そうと考えておりますのでその時に安静時心拍数がどう変化するのか確認してまたご報告させていただきます。
もうひとつ、以前の記事で登山でのシャリバテのことを書かれており実際自分もほとんど食べることなく登山をするのですがフルマラソン大会ではどうしても心配で栄養ゼリー等を補給します。糖質制限をしている時も糖質の補給は不要という記事も読みましたが市販の携行食やゼリーは糖質を多く含んだものばかりですがそういうものは逆に摂取すると悪影響でしょうか?携行するならこういうものが良いというものがあれば教えていただけますでしょうか?それとも結論的には水分補給のみで何も摂る必要はないと考えて良いのでしょうか?】



登山好きのランナーさん

マラソンのエネルギー源ですが、グリコーゲンは肝臓に約100g、
筋肉中に約300gしか蓄えがありません。
従って、<ブドウ糖-グリコーゲン>エネルギーシステムでは
400g×4= 1600kcalしか賄えませんので、
フルマラソンに必要なエネルギー量(体重60kgの男性で約2600kcal)には到底足りません。

その点、脂肪は、体重60kgで体脂肪率15%なら、9kg、81000kcalであり
必要充分な備蓄量と言えます。
つまり、理論的には42.195kmの走行課程のほとんどを、
有酸素運動の<脂肪酸-ケトン体>エネルギーシステムで走り、
ラストスパートだけ、
無酸素運動の<ブドウ糖-グリコーゲン>エネルギーシステムで
全力疾走というのが、理想的な配分と言えます。


結論からいうと、マラソン前も最中もスーパー糖質制限食でOKです。
水分も水で大丈夫で、塩は必要量を適宜補充です。

米国の医学雑誌・代謝(Metabolism)に、2016年3月、興味深い論文が掲載されました。
『糖質制限食は、ウルトラマラソンやトライアスロンにおいて普通の高糖質食と比べて、遜色なし』
という内容です。

普段から
(A)<炭水化物:たんぱく質:脂質 = 10:19:70>の糖質制限食を食べている10人
(B)<炭水化物:たんぱく質:脂質 = 59:14:25>の高炭水化物食を食べている10人
いずれの群もエリートランナーです。

研究施設に2泊3日で滞在、最大酸素摂取量、体組成、筋生検など実施、
その後トレッドミルで走った後、直後と2時間後に筋生検を実施です。

(A)(B)群を比較したところ、糖質制限群(A)は、(B)群と比較して、
運動中のエネルギー源として脂肪酸化の利用が極めて高率でした。

一方、筋肉のグリコーゲン利用と充満のパターンは、運動中も3時間のランニング後も、(A)(B)群で同様でした。

つまり、普通に糖質制限食をしているランナーがそのまま、
ウルトラマラソンやトライアスロンをしても、
筋肉中のグリコーゲンの量及び増減と回復パターンは、
糖質摂取群と比べて、全く遜色ないという研究報告です。


江部康二


ケトン適合したウルトラ持久力ランナーの代謝特性について

要約
背景


多くの成功したウルトラ持久力アスリートが、高炭水化物から低炭水化物食に切り替えた、しかし彼らは代謝適合の度合いを決定するために前もって研究はされてはいない。

方法

20人のエリートウルトラマラソンランナーとアイアンマン距離のトライアスリートが、代謝反応を決定するために最大強度の運動テストと180分間の64% VO2maxのサブ最大強度のトレッドミル運動を実行した。
1グループは従来の常に高炭水化物食(HC: n = 10, %炭水化物:たんぱく質:脂質 = 59:14:25),
もう1つのグループは、低炭水化物食(LC: n = 10, %炭水化物:たんぱく質:脂質 = 10:19:70),
で、平均20ヶ月(9~36ヶ月の範囲)実践した。

結果

ピークの脂肪酸化はLCグループ((1.54 ± 0.18 vs 0.67 ±0.14 g/min; P = 0.000))が2~3倍高く、VO2max (70.3 ± 6.3 vs 54.9 ±7.8%; P = 0.000)もより高かった。
サブ最高強度の運動中で平均脂肪酸化は、LCグループ(1.21 ± 0.02 vs 0.76 ± 0.11 g/min; P = 0.000)で、脂肪のが大きな貢献(88 ± 2 vs 56 ± 8%; P = 0.000)に対応して59%高かった。
燃料使用量における、LCとHCの著明な相違にも関わらず、休息中の筋肉中のグリコーゲンと180分間ランニング (−64% from pre-exercise) 後のグリコーゲンレベルの低下と120分の回復(−36% from pre-exercise)において有意差はなかった。.

結論
HC(高糖質)食を実践している高度に訓練されたウルトラ持久力アスリートと比較して、長期のケトン適合食は著明に脂肪酸化の比率が高かった。
一方、筋肉のグリコーゲン利用と充満パターンは運動中も3時間のランニング後も同様であった。



METABOLISM CLINICAL AND EXPERIMENTAL 65 (2016) 100 – 110
Metabolic characteristics of keto-adapted ultra-endurance runners


ABSTRACT
Background.

Many successful ultra-endurance athletes have switched from a highcarbohydrate
to a low-carbohydrate diet, but they have not previously been studied to
determine the extent of metabolic adaptations.

Methods.
Twenty elite ultra-marathoners and ironman distance triathletes performed a
maximal graded exercise test and a 180 min submaximal run at 64% VO2max on a treadmill
to determine metabolic responses.
 One group habitually consumed a traditional highcarbohydrate
(HC: n = 10, %carbohydrate:protein:fat = 59:14:25) diet, and the other a lowcarbohydrate
(LC; n = 10, 10:19:70) diet for an average of 20 months (range 9 to 36 months).

Results.
Peak fat oxidation was 2.3-fold higher in the LC group (1.54 ± 0.18 vs 0.67 ±0.14 g/min; P = 0.000) and it occurred at a higher percentage of VO2max (70.3 ± 6.3 vs 54.9 ±7.8%; P = 0.000).
Mean fat oxidation during submaximal exercise was 59% higher in the LC
group (1.21 ± 0.02 vs 0.76 ± 0.11 g/min; P = 0.000) corresponding to a greater relative
contribution of fat (88 ± 2 vs 56 ± 8%; P = 0.000). Despite these marked differences in fuel
use between LC and HC athletes, there were no significant differences in resting muscle
glycogen and the level of depletion after 180 min of running (−64% from pre-exercise) and
120 min of recovery (−36% from pre-exercise).

Conclusion.

Compared to highly trained ultra-endurance athletes consuming an HC diet,
long-term keto-adaptation results in extraordinarily high rates of fat oxidation, whereas
muscle glycogen utilization and repletion patterns during and after a 3 hour run are similar

更年期と血糖値について
【21/10/23 MY
更年期と血糖値について
江部先生、はじめまして。
先生の著書を参考に糖質制限している者です。
相談させて頂きたい事があります。
2021.4-5月 リブレを使用しつつケトジェニックを行い、尿ケトン体+4となりました。

その後ゆっくり糖質再開。
6月以降は平日にスーパー糖質制限、休日はスタンダードで継続していました。
以降、症状として①体重減少が止まらない②軽度頭痛③夜間頻尿3回(量は多いですが、気になる口渇なし)④疲労感なく元気なつもりでしたが、先日帯状疱疹あり。一晩で消失。

先日の人間ドックでHbA1c6.0と上昇しており、ショックでリブレを再開したところスパイクしまくっていました。朝糖質20g摂取→30分後血糖値244 昼40g摂取→2時間後250とものすごく高反応な感じでした。3時間程度で回復します。
深夜帯は日によって血糖値50台
起床時は毎朝100台
活動開始すると食前でも120台
1日平均120台です。
少しの食事、糖質でものすごくスパイクします。
何がどうなっているのかわかりません。

糖質制限の目的は、年々HbA1cが少しずつ上がるのが心配で始めました。
ダイエット目的ではありません。
むしろ趣味が登山、仕事は立ち仕事で毎日軽度の筋トレを行う為、
筋肉が落ちるのが心配です。
特に物忘れや食後の眠気防止等健康維持目的でした。
何か間違っていたのでしょうか?

また、思い当たるのは更年期です。
今年の4月に受けた婦人科検査で
LH16.8 FSH105.48 プロラクチン12.5 エストラジオール 5未満! と言われました。
昨年末12-3月にかけて一時的にホルモン補充療法を行いましたが、
副作用かは不明ですが早朝の手の痺れがあった為中断してしまいました。

気付いたら糖尿病という事態は避けたかったのですが、
私の肝臓、膵臓は大丈夫でしょうか? 
検査数値も妙に低いものもあり、どうすれば良いか迷走中です。
ちなみに食前に野菜を食べても変わりません…。

検討中なのは
①糖負荷試験を受ける
②ホルモン補充療法再開 です。

検査結果をのせますが、長文で申し訳ありません。
助けてください。よろしくお願い致します。

47才女 出産経験なし
糖尿病家族歴なし
若い頃は甘味が苦手、現在は週に1度20-50g程度の間食あり。

人間ドック結果
2018→2020 .12月→2021.10月
身長163
体重 50.2-50.5-46.5
体脂肪率 24-24-17.5
HbA1c 5.6-5.9-6.0
空腹時血糖 91-99-100
総コレステロール192-256-211
中性脂肪 64-71-29
HDL 101-117-115
LDL 69-112-76

総蛋白 6.3-6.8-6.4
Alb 4.3-4.6-4.3
A/G比 ?- ?-2.05
クレアチニン 0.61-0.71-0.64

LD 185-199-197
AST 18-21-24
ALT 12-14-16
ALP 108-118-34
γ-GT 18-23-22

どうぞよろしくお願い致します。】

MY さん。
拙著のご購入、ありがとうございます。

『①体重減少が止まらない②軽度頭痛③夜間頻尿3回(量は多いですが、気になる口渇なし)④疲労感なく元気なつもりでしたが、先日帯状疱疹あり。一晩で消失。』

①②は、摂取エネルギー不足のためと考えらます。

『身長163cm 体重 50.2-50.5-46.5kg』
BMIが、19⇒17.5
これは、明らかに瘠せすぎです。
これでは筋肉量が低下してしまいます。
BMI18.49以下は、瘠せということで、風邪を引きやすくなるとか
総死亡率が上昇するとかよろしくないので、50.5kgに戻しましょう。
糖質制限食の範疇で、動物性脂肪や動物性たんぱく質をしっかり摂取して
体重を増やしましょう。


『先日の人間ドックでHbA1c6.0と上昇しており、ショックでリブレを再開したところスパイクしまくっていました。朝糖質20g摂取→30分後血糖値244 昼40g摂取→2時間後250とものすごく高反応な感じでした。3時間程度で回復します。』

体重が減ったことで、1gの糖質摂取での血糖上昇が、今までより増加します。


『また、思い当たるのは更年期です。
今年の4月に受けた婦人科検査で
LH16.8 FSH105.48 プロラクチン12.5 エストラジオール 5未満! と言われました。』


エストラジオールがほとんど分泌されていないので、まさに更年期であり、
血糖値が今までより上昇すると思われます
まずは女性ホルモンと血糖値と生理について考察してみます。

女性ホルモンは、インスリンにも影響を与えています。
エストロゲンはインスリンの効きを良くし、
プロゲステロンは効きを悪くすると考えられています

従って、月経中と月経が終了してしばらく(エストロゲンが上昇する卵胞期)は、
血糖値は低めになりますが、
排卵後月経前までの2週間程度(プロゲステロンが上昇する黄体期)は
血糖値が上昇しやすくなります。

1型糖尿病では生理前に血糖値が上昇することが多いようです。
早朝空腹時血糖値は、60mgとか上昇することがあり、2型に比し差が顕著です。
1型糖尿病女性を対象に調査した研究では、70%の人が月経前に血糖が上がり、
約半数の人が月経初日に血糖が下がったとの報告があります。
つまり、1型でも個人差があるということです。

2型糖尿病でも、理論的には生理前に血糖上昇傾向があるはずですが、
1型ほど顕著ではありません。
個人差はありますが、インスリン分泌能が充分残っている2型糖尿病なら、
黄体期にも血糖値上昇がないようです。

次に更年期障害と糖質制限食について、考えてみましょう。
更年期障害の症状には自律神経症状として「動悸」「発汗」
精神症状として「イライラ」「そわそわ」などがあります。

これらの症状は、糖質摂取による『血糖値の乱高下』により、
更年期でなくても生じます。
そして更年期の人が普通に糖質を摂取すると、
『ホルモンバランスの乱れ』による症状と『血糖値の乱高下』による症状が、
ダブルで生じるので、いわゆる更年期障害の症状が、きつく出やすいと思われます。
血糖値の乱高下は酸化ストレスの大きなリスクとなりますので、
それがないだけでも、更年期障害の症状はマイルドになると思います。

酸化ストレスは「がん、動脈硬化、老化、糖尿病合併症、アルツハイマー病、
メタボリックシンドローム、パーキンソン病、狭心症、心筋梗塞、慢性炎症・・・」

などに関与することが明らかとなっています。
それが、最小限になることは、更年期障害予防だけではなく、
生きていく上で大きなアドバンテージとなります。

更年期については、「糖尿病と女性のライフサポートネットワーク」
田中佳代準教授の記事(☆)を参考にさせて頂きました。謝謝。


『私の肝臓、膵臓は大丈夫でしょうか? 
検査数値も妙に低いものもあり、どうすれば良いか迷走中です。
ちなみに食前に野菜を食べても変わりません…。』


血液検査で肝機能は正常範囲です。
また、空腹時血糖値が正常なので、
基礎分泌インスリンは、普通に分泌されています。


『検討中なのは
①糖負荷試験を受ける
②ホルモン補充療法再開 です。』


現在の食後血糖値の上昇具合だと、糖負荷試験では、高血糖で糖尿病型になると
思いますので、受ける意味はあまりないです。
ホルモン補充療法は、再開する意義はあります。
それにより、食後血糖値の爆上がりが改善する可能性があります。


『中性脂肪71⇒29 アルブミン4.6⇒4.3』

この減少も、低栄養と低エネルギーのためと思われます。
糖質制限食の範疇で、動物性脂肪や動物性たんぱく質をしっかり摂取して
体重を増やしましょう。
そうすれば、中性脂肪値とアルブミンも、元の数値に戻ると思います。

江部康二

(☆)糖尿病と女性のライフサポートネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/dlsnw/information/001/001/02.php
代表 田中 佳代(久留米大学医学部看護学科母性看護学准教授)



ドクター江部の糖質オフ!健康トーク▼ vol.7『メタボリックシンドロームについて』
こんばんは。
日本では、急激に新型コロナウイルス感染症が減少しています。
一方、国民の83%がワクチン2回接種完了しているシンガポールでは、
感染爆発状態です。
何故、これほどの差があるのか原因不明です。
ただ、日本でも、12月で冬になれば、新型コロナ感染症が再燃する可能性はあり、
油断は禁物です。
糖質制限食実践で、免疫力向上に努めましょう。

私も2020年3月以降の糖質制限食講演会がほとんどなくなり、
約20ヶ月近く、週末のテニスも休止で、外食・宴会も、一切なしです。 (*_*)

講演会が激減したので、ユーチューブで、発信することとしました。
第7回は『メタボリックシンドロームについて』です。

日本糖質制限医療推進協会のYouTubeチャンネル、
今回は、
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.7『メタボリックシンドロームについて』
https://www.youtube.com/watch?v=_GF3D7FSWWI


前回はインスリン抵抗性についての動画でしたが
今回はメタボリックシンドロームについて、わかりやすく解説します。

メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積によって生じるインスリン抵抗性により、
高血圧、高脂血症、高血糖などの複数のリスクが重なることにより動脈硬化をもたらし、
心筋梗塞や脳梗塞などを発生させやすくする病態です。
高血圧、高脂血症、高血糖はそれぞれ軽度でも、重なることにより
大きなリスクとなるので、注意が必要なのです。
日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm、女性90cm以上で、
かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると、
「メタボリックシンドローム」と診断されます

糖質制限食の視点で考察すると以下の緑の図の流れとなります。
すなわち、
最上流には「糖質の頻回過剰摂取」とそれに伴う「インスリン頻回過剰分泌」があり、
そこからメタボリックシンドロームへの流れが始まるのです。
当然ながら、メタボリックシンドロームは、糖質制限食で改善・予防できます。

            糖質の頻回過剰摂取
                ↓
   食後血糖急上昇によるインスリン頻回過剰追加分泌
                ↓
内臓脂肪肥満となり、TNFα(ティエヌエフアルファ)などの分泌が高まる
                ↓
            インスリン抵抗性出現
                ↓
     高血圧、高脂血症、高血糖 の出現と動脈硬化を起こす。
     さらにインスリン過剰分泌の悪循環。
                ↓
           メタボリックシンドローム 

*メタボリックシンドロームの全ての指標が糖質制限食で改善



ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.1『糖質制限食と新型コロナ』 2021年03月25日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=YcpCTJQakeY&t=8s
▼ vol.2『糖質制限食とは』 2021年04月08日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=VLyBDm9zOv8
▼ vol.3『糖尿病とは』2021年5月17日(月)
https://www.youtube.com/watch?v=qri3THy-71U&t=205s
▼ vol.4『血糖値について』2021年7月15(木)
https://www.youtube.com/watch?v=P1tNrNWZ6bs
▼ vol.5『インスリンの役割と問題点』2021年8月11日(水)
https://www.youtube.com/watch?v=GnIskFRK_uA&t=9s
▼ vol.6『インスリン抵抗性について』
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5731.html
是非、ご視聴頂ければ幸いです。


江部康二


以下の青字の記載は、事務局からのお知らせです。

*********

ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。


江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
vol.7」の配信をご案内申し上げます。

今回のテーマは「メタボリックシンドローム」で、・メタボリックシンドロームとはどのような病態か
・メタボリックシンドローム発症の流れ
・糖質制限食実践による内臓脂肪肥満の改善例 等について解説しております。

ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.7『メタボリックシンドローム(代謝症候群)』
https://youtu.be/_GF3D7FSWWI <https://youtu.be/_GF3D7FSWWI>

ご覧いただけますと、また、ご興味のある方へシェアしていただけますと幸いです。

▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
<https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A>

一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/

*********
筋トレと糖質制限食。糖質制限食でも筋肉増強OK。
こんにちは。
筋トレと糖質制限食について、質問を頂きましたので
以下の記事を再掲します。


【19/03/07
筋肉万太郎
タイトルなし
私は体作りのため筋トレをしていて、筋肥大するには糖質の摂取が非常に大事です。
そこで質問なのですが、普段はハードに糖質制限する生活をしながら、筋トレの前にだけ糖質を摂取する場合、
筋トレで糖質を消費すれば、糖質制限には支障がないのではないかと思ったのですが、
先生のご意見をお聞かせください。
糖質を摂っても筋トレで消費すればケトン体のエネルギー代謝には問題は無いのかという問題です。
よろしくお願いいたします。】



19/03/08
ドクター江部
Re: タイトルなし
筋肉万太郎 さん
筋トレで筋肉量を増やすには、糖質摂取で良いと思います。
この場合は、糖質を食べても収縮した筋肉が血糖を取り込むのでインスリン分泌が増えません。
従って、ケトン体は理論的には維持されると思います。


【19/03/10
駐在君
筋トレと運動
江部先生の下記ブログ  
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-4772.html 
「糖質制限と運動」でコメントした者です。
筋肉万太郎さんの投稿に関してですが、筋トレ前にだけ炭水化物を取るのもありかと思いますが、
アメリカの最近の研究で筋肥大に炭水化物は必ずしも必要では無いということが解ってきています。
Building Muscle on Keto: An Evidence-Based Guide 
https://hvmn.com/blog/keto-diet/building-muscle-on-keto-an-evidence-based-guide 
簡単に説明しますと従来の常識では筋トレにおいてタンパク質とともに炭水化物を摂取し
インスリンレベルを高めないと十分な筋肉タンパク質合成を促進できないと信じられてきましたが、
最近の研究でその根拠が無いことが解ってきました。
つまりタンパク質摂取による低濃度のインスリンでも筋肉タンパク質合成には十分だということです。
また一般的に筋肉中のグリコーゲンレベルを維持するため筋トレのたびに炭水化物を取れと言いますが、
実は長期に渡って炭水化物を取らず十分にケト適応した人と
高炭水化物食を取っているアスリートとのグリコーゲンレベルは同じであることも解ってきました。
つまり炭水化物をらないから力が出ないとか瞬発力がないと言うのは
ケト適応(Keto Adaptation)が十分で無いから起きるとも考えられます。
自分の場合ですが、3年前から一生のつもりでケトジェニックダイエットを続けており、
筋トレ前でもチーズと温泉卵を食べるくらいですが
ベンチプレスMAXは85キロから最近MAX110キロを更新できました。
アメリカでは keto bulk や keto bodybuilder で検索すると、
いわゆるフィットネスの目的の期間限定のカーボディプリートではなく
ライフスタイルとしてのケトジェニックダイエットをしながらもマッチョな方をたくさん見れます。】


こんにちは。

筋肉万太郎さんと駐在君から、
筋トレと糖質制限食について、興味深いコメントを頂きました。
ありがとうございます。

今までの常識では、「筋肉肥大のためには、糖質摂取したほうが有効である。」
と考えられていました。

しかし最新の研究では、
駐在君、ご指摘のように
「タンパク質摂取による低濃度のインスリンでも筋肉タンパク質合成には十分」

と考えられているようです。

駐在君ご自身も、3年前からケトジェニックダイエットを続けていて、
筋トレ前でも『チーズと温泉卵』の摂取くらいで、
「ベンチプレスMAX85キロ → 最近MAX110キロを更新」
とのことです。
ケトン食のままで、おおいに筋力アップですね。
「アメリカではライフスタイルとしてのケトジェニックダイエットをしながらもマッチョな方をたくさん見れます。」
というのもおおいに参考になります。

私自身が、筋トレとかしないので、門外漢でしたが、
大変、勉強になりました。


以前、豆蔵さんからコメント頂きましたボディビルダー・山本義徳氏の名言が以下です。
1. ケトーシスは身体に悪い、という医者がいたら、それは無学である。
2. 脳のエネルギーはブドウ糖だけである、という栄養士がいたら、それは無知である。
3. ローカーボだと筋肉が落ちやすい、というトレーナーがいたら、それは無能である。
http://ameblo.jp/doronjo7/entry-11599159896.html 2013-08-24


ボディビルダー・山本義徳氏 、素晴らしいです。


江部康二


☆☆☆
Komさんから
「糖質制限&筋トレで筋力向上」
というとても嬉しいコメントを頂きました。
とても参考になります。
ありがとうございます。

【19/03/10 Kom
糖質制限&筋トレで筋力向上
初めまして。私は数年前から糖質制限をしながら筋トレをし、身体作りに励んでいる者です。
私自身もほとんど糖質を摂らずに筋力向上を達成しておりますので、
一体験者として情報提供をさせて頂ければと思います。

●筋力
2015.05→2017.05→現在 で以下のように挙上重量が向上しました。
・胸の種目(MAX値):自重腕立て伏せ20回→ベンチプレス70kg→ベンチプレス100kg
・脚の種目(MAX値):自重スクワット50回→バーベルスクワット120kg→バーベルスクワット180kg
※背中・腕・肩などの他部位の筋力も向上しています。

●食事
1日の食事は平均すると以下の様相になります。
糖質:20g以下
蛋白質:210g前後
脂質:200g前後
食物繊維:28g前後
(身長173cm/体重73kg)

●カーボローディングについて
試験的にカーボローディングを行ってトレーニングを実施したことが何度かありますが、
挙上重量は特に変わりませんでした。
糖質を注入したことで挙上重量が飛躍的に伸びるわけでもなく、
逆にパフォーマンスが極端に落ちるという事もありませんでした。
少なくとも、スクワット180kgを達成した時の食事は完全なケトン食(糖質16g/蛋白質165g/脂質325g)でした。

●アメリカのKeto Bodybuilder
日本では「糖質を摂らないと筋肉が付かない」と異口同音に説教してくるトレーナーが非常に多いですが、
フィットネスの本場であるアメリカでは
Jason Wittrockさん(https://www.youtube.com/channel/UCOfJHaFLpfbi87xPoAa_NbQ)のような、
有名な Keto Bodybuilder の方が多数おります。

糖質を摂らなくても筋肉を育てる事が可能であることは、紛れもない事実です。
私と同じように糖質制限&筋トレを行っている方が居ましたら、何卒安心して取り組んで頂ければと思います。】

IARC発がん性分類について
こんにちは。

人工甘味料や添加物などに関して、発がん性とかいろいろ雑誌や本やマスコミなどに書かれていますが、
ほとんどが信頼度の低いもので根拠も明らかではありません。

化学物質、混合物、環境の発がん性リスクに関して、
国際がん研究機関 (IARC)が詳細に検討しています。
これが一番信頼度が高いと思われます。

正確な最新情報は、

IARC のウェブサイト
http://monographs.iarc.fr/


で確認していただければ幸いです。

例えばアルコール飲料には、明確な発がん性があります。(グループ1)
まあ私はそれを承知の上で毎日お酒を嗜んでいますが・・・。

太陽光にも、発がん性が認められますが、私は毎日浴びています。(グループ1)
外で、テニスをすることもあります(コロナ禍以降はしていませんが・・・。)

食べ物として漬物もよく食べます。(グループ2B)

コーヒーにも発がん性が疑われるそうですが、
承知の上で私は毎日、3~4杯、飲んでいます。(グループ3)

結局、地球上の文明国で生活している以上は、
発がんリスクゼロにするのは不可能です。

人体内部においては、
「高血糖」「高インスリン血症」は、
活性酸素を発生させ、発がんリスクとなります。

私の場合は、医学的に明白な発がんリスクである「高血糖」「高インスリン血症」を、
スーパー糖質制限食で予防していますので、
日本でガソリン車を運転して普通の生活環境で暮らしていますが
がんの心配はしていません。


江部康二


以下の青字の記載は農林水産省のページのものです。

農林水産省
国際がん研究機関(IARC)の概要と
IARC発がん性分類について


国際がん研究機関(IARC)の概要
国際がん研究機関(International Agency for Research on Cancer, IARC)は、
世界保健機関(WHO)の一機関で、発がん状況の監視、発がん原因の特定、発がん性物質のメカニズムの解明、発がん制御の科学的戦略の確立を目的として活動しています。

IARC発がん性分類について
IARCは、主に、人に対する発がん性に関する様々な物質・要因を評価し、5段階に分類しています。IARCによる発がん性の分類は、人に対する発がん性があるかどうかの「根拠の強さ」を示すものです。物質の発がん性の強さや暴露量に基づくリスクの大きさを示すものではありません。

表・IARCによる発がん性の分類(2017年6月18日時点)

グループ1
(120種類)※ ヒトに対する発がん性がある。
(Carcinogenic to humans)
例)アルコール飲料、ベンゾピレン、ベンゼン、アフラトキシン等
ヒトへの発がん性について十分な証拠がある場合

グループ2A

(81種類)※
ヒトに対しておそらく発がん性がある。
(Probably carcinogenic to humans)
例)アクリルアミド、亜硝酸塩等
ヒトへの発がん性については限られた証拠しかないが、
実験動物の発がんについては十分な証拠がある場合

グループ2B
(299種類)※
ヒトに対して発がん性がある可能性がある。
(Possibly carcinogenic to humans)
例)わらび、漬けもの、鉛等
ヒトへの発がん性については限られた証拠があるが実験動物では十分な証拠のない場合
ヒトへの発がん性については不十分な証拠しかないあるいは証拠はないが、
実験動物は十分な発がん性の証拠がある場合

グループ3
(502種類)※
ヒトに対する発がん性について分類できない。
(Not classifiable as to its carcinogenicity to humans)
ヒトへの発がん性については不十分な証拠しかなく、実験動物についても不十分又は限られた証拠しかない場合
他のグループに分類できない場合

グループ4
(1種類)※
ヒトに対する発がん性がない。
(Probably not carcinogenic to humans)
ヒトへの発がん性はないことを示す証拠があり、
かつ実験動物についても同様な証拠がある場合




以下の緑の記載は、
一般社団法人電波産業会 電磁環境委員会のサイトにある記載です。
2020年の最新情報が載っています。
https://www.arib-emf.org/01denpa/denpa04-03.html

分類
これまでに分類された作用因子の例
(2020年2月18日最終更新)

グループ1:
ヒトに対して発がん性がある アスベスト(全形態)、カドミウム及びカドミウム化合物、電離放射線(全種類)、太陽光、紫外線(波長100-400 nm)、紫外線を照射する日焼け装置、アルコール飲料、喫煙、受動喫煙、無煙タバコ、ベンゼン、ホルムアルデヒド、2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-パラ-ジオキシン、ディーゼルエンジン排ガス、粒子状物質、ポリ塩化ビフェニル、加工肉(ハム、ソーセージ等)、など
[合計120種]

グループ2A:
ヒトに対して恐らく発がん性がある 無機鉛化合物、木材等のバイオマス燃料の室内での燃焼、概日リズムを乱す交替制勤務、赤肉(哺乳類の肉)、65℃以上の非常に熱い飲み物、など
[合計83種]

グループ2B:
ヒトに対して発がん性があるかも知れない 鉛、重油、ガソリン、漬物、メチル水銀化合物、クロロホルム、超低周波磁界、無線周波電磁界(携帯電話電波を含む)、ガソリンエンジン排ガス、など
[合計314種]

グループ3:
ヒトに対する発がん性を分類できない 原油、経由、カフェイン、お茶、蛍光灯、水銀及び無機水銀化合物、静電界、静磁界、超低周波電界、有機鉛化合物、コーヒー、マテ茶(高温でないもの)、など
[合計500種]
アルコールの適量は?リスクは?血糖低下作用は?
)こんばんは。
本日から急に寒くなりました。
家を出発して高雄病院について、車の外にでると下半身がかなり寒いと感じました。
理事長室のパソコンで、1時間ごとの天気予報をみると、
20日の夕から更に冷え込んで17時、14.8℃、20時、14.0℃、24時、12.9℃とありました。
本日は左京区下鴨の江部診療所の夜診の日です。
これは、やばいと思い、病棟回診が一段落して、家に一度戻り、パッチを穿いてきました。
今期、初パッチです。

さて我が家は、冬は鍋料理が多いです。
冬はお酒も美味しいですが、あまりに寒い日は、最初の1杯は焼酎のお湯割りで、その後は水割りに切り替えます。
焼酎も、基本25%のものが主で、濃いアルコールはできるだけ避けるようにしています。

さてアルコール1gは約7kcalの燃焼エネルギーを有し、摂取時の利用効率は70%ていどと推定されています。
一方、糖尿病専門医研修ガイドブック 改定第4版 81ページの記載によれば、
アルコールは体重増加作用がないので、お酒のカロリーは計算しなくてもよいと思います。

そして、アルコール単体では、血糖を上昇させることはありません。
蒸留酒(焼酎、ウィスキーなど)は糖質を含まないので血糖を上昇させません。
醸造酒(ビール、日本酒など)は糖質を含むので血糖値を上昇させます。

<アルコールの適量>

世界がん研究基金2007年の勧告では、アルコールの推奨量は、男性は1日2杯、女性は1日1杯までとしています。
1杯はアルコール10~15グラムに相当します。

米国糖尿病学会は、
アルコール24g(30ml)/日を食事と共に摂る程度なら適量としていますが、
ビール(5%)なら600ml
ワイン(15%)なら200ml
ウイスキー(43%)なら70ml
焼酎(25%)なら120ml
糖質ゼロ発泡酒(4%)なら750ml

に相当します。

<アルコールのリスク>


世界がん研究基金の2007年の勧告で、アルコール摂取は、「口腔・咽頭・喉頭がん、食道がん、大腸がん(男性)、乳がん」の確実なリスクであり、「肝臓がん、大腸がん(女性)」 のリスクとなるので要注意です。
それから、過度のアルコール摂取は、肝細胞内での脂肪酸からの中性脂肪の過剰合成を引き起こします。
その一部は肝臓外へ分泌されて高中性脂肪血症の原因となり、一部は肝細胞内に蓄積されて脂肪肝の原因となります。

<アルコールと血糖低下作用>

ご存知の方も多いと思いますが、アルコールには、血糖低下作用があります。
ただ個人差が大きいので、(A)gのアルコールが血糖値を(B)mg、低下させるというように一律にはいきません。
エネルギー源としては、[アルコール→糖質→脂質→タンパク質]の順で利用されます。
焼酎、ウィスキーなど蒸留酒には糖質は含まれていないので、血糖は全く上昇しません。

しかし、アルコールを摂取すると、人体に対する毒物とみなされて、優先的に肝臓で分解されますので、
その間、同じ補酵素を使う糖新生がブロックされてしまいます。
従って、アルコールを摂取すると結果として、肝臓の糖新生を抑制することとなります。

血中アルコール濃度が上昇している間は、糖新生はブロックされるので、個人差が大きいと思いますが、酒を飲んでいる最中は、血糖値が下がる人もいると思います。
また、一定量以上のアルコールを摂取すれば、肝臓の夜間糖新生はブロックされ、翌朝の早朝空腹時血糖値は、下がる可能性が高いです。
アルコールの血糖低下作用については個人差が大きいので、ご注意ください。

なお、SU剤内服中の糖尿人やインスリン注射中の糖尿人は、過度のアルコール摂取により糖新生が阻害されると低血糖になりやすいので要注意です。
正常人でも、空きっ腹で大量のアルコールを摂取すれば、低血糖になる可能性もあります。

<江部康二の酒量は?>

私自身のお酒の摂取量ですが、平均的には、糖質ゼロビール350mlを1缶、その後、焼酎の水割りかロックを3~4杯です。
焼酎は25%の濃さで、720mlが3日間で空くくらいのペースです。
あるいは、糖質ゼロビール350mlを1缶と赤ワインを1/3本とかです。
若い頃に比べて、大分減らしましたが、
25度の焼酎が720mlなら、アルコールそのものは180ml含まれています。

従って、私は毎日60~75ml以上のアルコールを摂取していますので、
世界がん研究基金や米国糖尿病協会の「適量=30ml」は、確実にオーバーしています。( ̄_ ̄|||)

上述のようにアルコールには発ガン性や脂肪肝のリスクも指摘されていますので、
各自が自己責任で自己管理で適量!?の飲酒ということになるでしょうか? 

勿論、私は、アルコール摂取のリスクは充分承知した上で、自己責任でそれなりに飲酒しています。 (^^)


江部康二
肥満は、がん発症リスクであり、新型コロナ重症化のリスク。
こんにちは。
日本では、新型コロナ感染者数・死者数が急速に減少しています。
一方、米国では、少し減りつつありますが、まだまだ多いです。
この差の要因の一つが、日米の肥満率の差と考えられます。

日本では、BMI30以上の成人の肥満者は、極めて少ないです。
2015年のデータで、男性が4.4%、女性が3.1%です。
米国では、BMI30以上の成人(20歳以上)の肥満率が、
世紀の変わり目からずっと上昇を続けています。
1999~2000年には30.5%だった割合は、
2015~2016年には過去最悪の水準をさらに更新し、39.6%に達しました。

2015年のデータでは、男性が35.5%(日本の8倍)、
女性が41.0%(13倍)です。
日本と異なり、米国では女性の方が肥満率が高いです。

『肥満』があると、新型コロナ感染重症化リスクとなることが明らかとなっています。
他に、『65歳以上』『男性』『2糖尿病』も重症化リスクとなります。

スーパー糖質制限食実践で、肥満から脱却することは、
新型コロナ重症化リスクをおおいに減らすことに繋がります。
さらに、米国のデータでは、ありますが、
がんの40%が、過体重と肥満に関連しているというデータがあります。

https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1007511052/
2017年10月07日 のメディカルトリビューンに

米、がんの40%が過体重と肥満に関連
という記事が掲載されました。(☆☆☆)
米疾病対策センター(CDC)の月例報告「Vital Signs」の内容を紹介した記事です。

国際がん研究機関(IARC)は、過体重・肥満関連がんは、
髄膜腫、多発性骨髄腫、食道腺がん、甲状腺がん、
閉経後女性の乳がん、胆囊がん、胃がん、肝がん、膵がん、腎がん、卵巣がん、子宮がん、大腸がんの
13種であることを確認
しています。

やはり、CDCの調査では、
成人の肥満率は、1999~2000年には30.5%だったのが、
2013~2014年には過去最悪の37.7%に達しています。
2015~2016年には過去最悪の水準をさらに更新し、39.6%に達しました。

「過体重+肥満」を合わせれば、60~70%にもなります。
つまり、米国では標準体重のほうが少数派になっています。

過体重、肥満に関連しないがんは13%減少していたのも興味深いです。

このような、肥満大国米国のデータを日本にそのまま当てはめるわけにはいきませんが
肥満と過体重がガンのリスクになる構造は同様と考えられます。
肥満の人は、高インスリン血症です。
すなわちガン、発症リスクの最大のものは、高インスリン血症と思われます。

高インスリンは、がん以外にも、
老化・動脈硬化・アルツハイマー病などのリスクとなります。
過剰のインスリンは活性酸素を発生させて、酸化ストレスリスクとなります。

過剰のインスリン分泌を予防できる唯一の食事療法が
糖質制限食です。
すなわち、過体重と肥満に関連するがんの予防が可能なのは糖質制限食です。


江部康二


☆☆☆ 以下
2017年10月07日 のメディカルトリビューン記事
https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1007511052/
米、がんの40%が過体重と肥満に関連
から、抜粋、要約です。


米、がんの40%が過体重と肥満に関連
 米疾病対策センター(CDC)の月例報告「Vital Signs」によると、
米国では1990年代以降、新規にがんと診断される割合は全体的に低下傾向。
過体重(BMI 25〜29.9)と肥満(BMI 30以上)に関連するがんについては上昇。
"過体重・肥満関連がん"は、胃がん、肝がん、膵がん、腎がんなど13種。
大腸がんは、検診で異形成を発見することにより、予防が可能。
米国では2014年に約63万人が過体重・肥満関連がんと診断。
がんと診断された全患者のうち約40%を占める。
また、米国では50〜74歳の成人のうち3人に2人が過体重・肥満。

過体重・肥満関連がんは女性で多い

 国際がん研究機関(IARC)は、過体重・肥満関連がんは、
髄膜腫、多発性骨髄腫、食道腺がん、甲状腺がん、
閉経後女性の乳がん、胆囊がん、胃がん、肝がん、膵がん、腎がん、卵巣がん、子宮がん、大腸がんの13種であることを確認。
 今回の報告は、CDCと米国立がん研究所(NCI)が過体重・肥満関連がんの傾向を検討するため、
米国がん統計(USCS)のデータから2005〜14年分をレビューし、2014年のがんデータを解析。
 解析の結果、がんと診断された女性の55%、男性の24%が過体重・肥満関連がん。
非ヒスパニック系黒人、非ヒスパニック系白人は他の人種と比べて過体重・肥満関連がんのリスクが高い。
黒人、ネイティブアメリカン、アラスカ先住民の男性も
白人男性と比べてリスクが高い。

多くの国民は過体重・肥満とがんの関連を知らない
 今回の報告によると、2005年から2014年の間に、大腸がんを除いた過体重・肥満関連がんは7%増加しており、
大腸がんはスクリーニングの効果によって23%低下。
過体重、肥満に関連しないがんは13%減少していた。
大腸がんを除いた過体重・肥満関連がんは75歳未満の成人で増加。
多くの米国人は過体重・肥満が幾つかのがん種と関連しているという認識がない。
CDCのBrenda Fitzgerald長官は「米国人の大多数は推奨体重を超過しており、過体重や肥満はがん発症リスクを高めるため、
今回の報告は懸念すべき材料である。しかし、健康的な体重を維持することで、誰もががんを予防することができる」と述べた。

新型コロナウイルス感染症、日本では急減。理由は?
こんにちは。
日本では、新型コロナウイルス感染症が急速に減少しています。
2021年8月26日の、24950人をピークに一気に感染者数が急減です。

<日本 コロナ 感染者数>
で検索してみると、まるで断崖のように急峻に下がっています。

急減の理由ですが、政府コロナ分科会の尾身茂会長は9月28日、記者会見し
(1)一般市民の感染対策強化
(2)人流、特に夜間の滞留人口減少
(3)ワクチン接種率の向上
(4)医療機関・高齢者施設での感染者の減少
(5)気象の要因

の5つの要素を示されました。。

さて、尾身会長の指摘する理由について考察してみます。
(1)に関しては日本人は、欧米に比べればもともとそれなりに対策しています。
三密を避ける、マスク、手洗い、うがい、ソーシャルディスタンス・・・など、
今更、8月下旬から強化されたとはとても言えません。

(2)に関しても、8月26日のあと急に人流が減ったとは言えません。

(3)のワクチンですが、接種完了率83%のシンガポールで、
急劇に新型コロナ感染症が増加していることから考えて、
デルタ株に対しては、ワクチンは無効です。

(4)に関しては、勿論少し影響はあるでしょうが、
日本人全体の急劇な感染の減少の要因とは、全く考えられません。

ここまで、いずれも『尾身会長、何を今更、仰ってるの』といった印象で、
これだけ急な減少の要因とは、とても言いがたいです。

(5)の気象の要因はあると、私も思います。
真夏を過ぎて、エアコンで密閉空間ということが、減ったのが大きいと思います。
コロナ感染予防に換気はとても大切と思います。

あと一つ、(6)番目は、新型コロナウイルスそのものの戦略で、
一旦、矛先を収めた可能性があります。
コロナウイルスは本来、風邪のウイルスですから、
冬のほうが活動生は増すはずで、一旦、休眠みたいなイメージです。

なお日本人は、欧米人に比べて、歴史的に<風邪のコロナウイルス>
何回も経験しているので、自然免疫が、あるていど訓練されているので
感染しても、欧米人より発症しにくいし、重症化しにくい可能性はあります。

一方、<日本人が集団免疫獲得>とまでは達成してないと思います。
①冬場になると、換気をしなくなる。
②コロナウイルスそのものも、冬場に活動的になる可能性がある。


①②より、2021年~2022年の冬場には、
新型コロナウイルスがまた流行する可能性があると思います。
油断は禁物です。


江部康二
シンガポール、 ワクチン8割接種でも感染者急増
こんんちは。
2021/10/6(水) 18:50配信のヤフーニュースに
https://news.yahoo.co.jp/articles/2cdec93ab9ab536ea6d92ced26c839eac6eef5a1
シンガポール、
ワクチン8割接種でも感染者急増
産経新聞

【シンガポール=森浩】

という記事が掲載されました。
以下の青字の記載は記事の要約です。

【シンガポールで新型コロナウイルスの感染者が急増。
ワクチン接種完了率は世界でもトップレベルの83%。
5日発表の新規感染者数は1日として初めて3千人を超えた。
感染力が強い変異株「デルタ株」の拡大を防ぎきれていない状況。
一方で重症化率は低いことから、新型コロナとの共存を図る「ウィズコロナ」を進める方針。
シンガポールは厳格な行動規制などで感染拡大を押さえ込んでいたが、8月下旬から感染者が急増。
ワクチン接種完了者を対象にレストランでの1組5人までの食事を認めるなど制限を一部緩和した影響とみられる。
感染者の多くは、接種完了後でも感染する「ブレークスルー感染」。
10月5日発表の新規感染者は3486人だが、
過去28日間の感染者約4万人のうち、98%以上は無症状か軽症。
酸素吸入が必要な患者は1・4%で、
集中治療室への入院が必要な患者は0・1%にとどまる。
政府は重症化率の低さはワクチン普及の効果とみている。
ローレンス・ウォン財務相は2日、
高いワクチン接種率を背景に「遅かれ早かれ、多くの人が感染することになるだろうが、
数日後には自宅で回復するだろう」と述べた。
ただ、感染者拡大には警戒感を抱いており、9月27日からは外食を1組2人までに制限するなど、
再度の規制強化にも踏み切った。
同時にワクチン接種を完了した50歳以上の国民に3度目の接種を行う計画も進めており、
規制とワクチンの両輪で対応していく方針。】


新型コロナワクチン接種完了率83%のシンガポールで、
新型コロナ感染者が急増ということです。
ワクチンはファイザー社かモデルナ社のものです。
これは、現在、蔓延っている「デルタ株」に対しては、
ワクチンに感染予防効果や発症予防効果がないことを
示しています。
従って、接種完了率が90%、95%になっても、
デルタ株の流行を阻止することは困難です。

一方、重症化率が低いのはワクチンの効果であり、接種の意義はありそうです。

<シンガポール コロナ 感染者数>
で検索してみると、
2021/8/28頃から、感染者数が右肩上がりで、急増しています。
ワクチン接種完了者を対象にレストランでの1組5人までの食事を認めるなど制限を一部緩和した影響のようです。
データでみると、
確かに感染予防効果や発症予防効果は期待できません。

感染予防効果や発症予防効果は期待できないのですから
ワクチン接種者でも、制限緩和などそもそも無理筋であったわけです。

次に、
<シンガポール コロナ 死者数 >
で検索してみると、
2021/9/20頃から、死者数が右肩上がりで、急増しています。
98%以上は無症状か軽症とされていますが、
死者数は、すごい勢いで増加しているので
全くもって油断は禁物です。

デルタ株に対して、ワクチンが無効とすれば、
感染予防には、日本国民一人一人が初心に戻ること、
すなわち、
『三密を避ける、マスク、手洗い、うがい、換気、ソーシャル・ディスタンスを保つ』
などの励行が必要と思います。
特に、対面や隣り合っての会話を伴う会食が大きな感染リスクとなるので
注意が必要です。
マスクなしでの、複数人数のカラオケも勿論NGです。

私達糖質セイゲニストも、スーパー糖質制限食実践で、
『血中ケトン体高値』『AGEs蓄積が最小限』『慢性炎症予防』

の三つをを確保して、免疫力向上に努めることが肝要と思います。
なお充分な睡眠や規則正しい生活など日常的なことも大切ですね。

2021年10月現在、日本では新型コロナ感染者は、急減しています。
理由はよくわかりませんが、換気ウイルス自体の戦略が関与していると思います。
ということは、冬になって、窓を閉め切って暖房が始まり、
ウイルスも活動期に入れば、
新型コロナ感染症が再燃する可能性は高いと思います。
油断は禁物です。


江部康二





増補新版 糖質制限の大百科 (宝島社)。9/14(火)発売。
こんばんは。

増補新版 糖質制限の大百科 単行本
江部 康二  (監修)
出版社 ‎ 宝島社 (2021/9/14)

https://amzn.to/3tsRm0w

daihyakka.jpg


9月14日(火)、発売です。
シリーズ累計52万部突破! 最新の食品成分表「八訂」に対応しています。

本当に「正しい」やりかた、知っていますか?
おなかいっぱい食べてやせる、もっと健康になる!

糖質制限の基礎知識から、外食&市販品活用のコツ、ひと目でわかるOK・NG食品、
109のかんたん糖質制限レシピまで、この1冊で知りたいことがぜんぶわかる! 巻末に食品別糖質含有量一覧付き。

本書が、ブログ読者の皆さんのお役に立てれば、嬉しい限りです。


今日からできる、無理なくやせる医師が教える正しい糖質制限

p6
やせる・若返る・健康になるいいことずくめの糖質制限

糖質制限では、血糖値を直接上げる唯一の栄養素である糖質を控えます。
そのため、食事をしても血糖値の急激な上昇を招くことはありません。
これこそが、糖尿病だけにとどまらず、あらゆる不調や疾患の予防・改善につながるのです。
 さらに、血糖値の急上昇が起きるとインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンは、別名“肥満ホルモン”とも呼ばれます。
過剰に分泌されることで体脂肪が蓄積され、肥満を引き起こすからです。
これらを引き起こさない糖質制限は、血糖値の乱高下をなくし代謝を安定させることで、精神的にも落ちつきます。
全身の血流も改善するため、美肌や美髪など、美容にも役立つのです。

p7
誰もがストレスなく実践できる糖質制限糖質制限のうれしいポイントは、
誰もがストレスなく取り組めるという点です。カロリー制限のような面倒な計算は不要。
ボリュームたっぷりの肉料理もOKです。そのため「食べたりない」という欲求不満とも無縁で、
正しく種類を選べばお酒を飲むこともできます。
食べものや飲みものの種類を選べば、自分のライフスタイルに合わせて思いきり食事を楽しむことができるので、
継続的に実践でき、確実に効果を実感できるのです。

p8
糖尿病の治療食として
スタートした糖質制限


日本で糖質制限をはじめたのは、私が理事長を務めている京都の高雄病院で、
当時の院長であった私の兄である江部洋一郎です。1999年のことでした。
私自身は、2001年、担当する患者さんに糖尿病治療の一環として、
糖質制限の指導を行ったところ、劇的な効果が見られました。
それ以降、当院では糖尿病の治療食として糖質制限食を実践し続けています。
従来、糖尿病に対する日本での治療方針は、カロリー制限一辺倒でした。
しかし、糖質を制限することのないカロリー制限食では、
糖尿病の大きなポイントである食後高血糖のコントロールができません。
糖質を制限せずにカロリーコントロールを行ったところで、
結局、病状は悪化し、薬に頼ることになってしまいます。
これに対して、糖質制限はまったく異なる考えかたで治療を行います。
カロリーや脂肪を制限するのではなく、「糖質を制限した食事を摂る」ことが基本となります。
糖質さえ控えれば、たんぱく質や脂質はしっかり食べてOKです。カロリー計算も必要ありません。


以下などが、増補した内容になります。
P153
Q9新型コロナウイルスに対して糖質制限は有効でしょうか?


A
糖質制限で免疫力を高めることで、ウイルスに強い体になります。
糖質制限食を実践している人は、糖質を食べている人に比べると、
血中ケトン体が 高値であり、AGEsの蓄積も最小限ですんでいます。
ケトン体は脂肪酸の分解産物ですが、それが高値であると、
心臓・腎臓・脳保護作用が期待できます。
スーパー糖質制限食なら、よりケトン体高値となるので、さらに効果が期待できます。
心臓・腎臓・脳が元気に活動していれば、当然免疫力も高まります。
また欧米の研究で、ケトン体がサイトカインストームを予防する可能性があります。・・・


江部康二
人体の基礎代謝。基礎代謝の比率。信頼度の高いデータ。
こんにちは。
今日は、基礎代謝、基礎代謝の比率について考察してみます。

基礎代謝とは、
①仰向けに寝る
②食事はなし
③適温でリラックスした状態

①②③の条件を満たしたときに消費されるエネルギーのことです。

人体の基礎代謝の比率に関して、いろんなデータがネット上で出回っています。
例えば厚生労働省のe-ヘルスネットのデータは以下です。

厚生労働省e-ヘルスネット 基礎代謝の比率
骨格筋  22%
肝臓   21%
脳    20%
心臓   9%
腎臓   8%
脂肪組織 4%
その他  16%



しかしながら、それらの中で一番信頼できるデータが、

<人における組織・器官の代謝率:成人>
肝臓27%、脳19%、心臓7%、腎臓10%、筋肉18%、その他19% 

<人における組織・器官の代謝率:新生児>
肝臓20%、脳44%、心臓4%、腎臓7%、筋肉5%、その他20%


であり、「 FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告」1989、13ページのTABLE 2に記載されています。
日本語訳はありましたが絶版です。

一般に通説として筋肉が基礎代謝の比率で一番多いとか言われていて、私も深く検証せずにそう思っていたのですが、
肝臓27%、筋肉18%というのは意外でした。
新生児の脳の比率は、すごいですね。

ともあれ、糖質制限食(高脂質・高タンパク食)においては、人体最大の基礎代謝率を占める肝臓が、
糖新生で活性化されるので、
糖質制限食で基礎代謝が増加するという仮説は、なかなか説得力があると自画自賛しています。
糖質セイゲニストにおいては、糖新生が多い分、肝臓の比率は27%より少し多い可能性もあります。

通常は、筋肉量の増加が基礎代謝の増加なのですが、例えば甲状腺機能亢進症でも、
基礎代謝の増加のために体重減少が生じます。

「エネルギー・蛋白質の必要量―FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告-ヒトにおける基礎代謝率」は、医歯薬出版 (1990/03)で単行本になっているのですが、とっくに絶版です。


原著が以下のサイトに載っています。

http://www.fao.org/docrep/MEETING/004/M2845E/M2845E00.HTM
Joint FAO/WHO/UNU Expert Consultation on
Energy and Protein Requirements
Rome, 5 to 17 October 1981
BASAL METABOLIC RATE IN MAN
by
J.V.G.A. Durnin
University of Glasgow
Glasgow
Scotland

TABLE 2.Metabolic Rates of Organs and Tissues in Man


アマゾン
http://www.amazon.co.jp/dp/4263702476

エネルギー・蛋白質の必要量―FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会報告 (WHOテクニカル・レポート・シリーズ)
単行本 – 1990/3
FAO/WHO/UNU合同特別専門委員会 (著), 井上五郎 (著)医歯薬出版 (1990/03)
残念ながら絶版です。


江部康二



『インターバル速歩』と体力、『一日に8000歩』との比較で優位。
こんにちは。

スポーツの秋到来ですが、なかなか急に運動したりすると
膝を痛めたり足首を痛めたりするので、身の程にあった運動が良いです。

その意味では、『ウオーキング』が一番手軽で安全です。
本日のブログでは、『インターバル速歩』『体力』などについて、検討してみました。

http://www.jtrc.or.jp/interval/interview.php
科学的エビデンスが支えるインターバル速歩
信州大学大学院特任教授
NPO法人熟年体育大学リサーチセンター副理事
医学博士能勢博


まずはこのサイトを覗いてみました。
能勢博士によれば、

ヒトの体力は20歳代をピークとし、30歳を過ぎると、
誰しも10歳加齢するごとに5~10%ずつ低下していくそうです。

これを防ぐために
アメリカ・スポーツ医学会(ACSM)は、
個人の最大体力の 60~80%に相当する強度の運動を、
1日20分以上、週に3日以上実施する個別運動処方を推奨しています。
そうすれば6カ月で体力が10%向上し、
それに比例して生活習慣病の症状が改善するそうです。
しかし、通常のウォーキングでは運動強度が低すぎて、
効果が上がらない、とのことです。

そこで、能勢博士が推奨するのが「インターバル速歩」です。
いつでも、どこでも、誰でも、そして安価に、
体力向上のための運動トレーニングができます。

インターバル速歩ですが、
これは、「速歩」と、「緩歩」を3分間ずつ交互に行うものです。
これを速歩が1日トータルで15分以上になるように、
週に4日以上実践すればOKです。
速歩ばかり、行えばよいようなものですが、
なかなか速歩を5分、10分連続的に
続けるのは体力的に難しい人が多いようです。
それで、3分交代なのですね。
ウィークデ―が忙しい人は、週末にまとめてトータルの速歩時間が
週60分になるように実施してもいいそうです。

能勢博士の研究によれば
インターバル速歩を5ヶ月間行えば、

1)体力が最大20%増加。
2)生活習慣病指標が20%改善。
3)医療費が20%抑制。


とのことで、これを「20%の法則」と呼ぶそうです。

私は、現在71歳ですが、階段を4階くらいまでは駆けあがります。
まあ、一気に上るのは6階が限界ですが・・・。( ̄_ ̄|||)
速歩を続けても、まったくしんどくありません。

運動は、以前は平均すると2週間に1回くらい、おじさんのテニス(ダブルス)を
4セットくらい行っていたのですが、コロナ禍で、
2020年3月以降は一切行けていません。
スポーツジムは、通っていません。

そのわりに体力が全然落ちないので、少し不思議に思っていたのですが
能勢博士の研究や説明で、腑に落ちました。

「速歩が1日トータルで15分以上になるように、週に4日以上」

これが目標なら、江部康二は、1979年29歳で高雄病院就職以来、
毎日速歩で院内を、60分以上は、歩いていましたので軽くクリアです。
また、高雄病院理事長室が、丘の上に立つ建物の中にあるので、
毎日坂道を数往復しているのも筋力維持に良さそうです。
基本、私の歩行は、ほとんどが速歩で、ゆっくり歩きは
あまりありません。
幸い、速歩で、60分間以上歩き続けても
全く息切れもありません。
手持ちの、ヤマサの活動量計で測定すると、
歩数の60~70%が速歩(パワー ウオーク)でした。

生来のせっかちな性格と早歩きパターンが、
71年間、結果として、私の体力を保ってくれたようで、
ありがたいことでした。


☆☆☆
NHKでもインターバル速歩が取り上げられています。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_13.html
運動の健康効果「インターバル速歩に挑戦!」
松本大学大学院 根本賢一教授
更新日2016年9月7日

NHKの上記サイト、とてもわかりやすく、説明されていますので
是非、覗いてみてください。
インターバル速歩では、筋トレもしていないのに
太ももの筋力が13%上がったのは特筆ものですね。

以下、一部を抜粋です。

・・・インターバル速歩とは?
インターバル速歩は、速歩の分数が1日合計15分以上になるよう行うのが基本です。
3分の速歩を5回でも、1分の速歩を15回でもかまいません。
週に4日以上行うのがお勧めですが、無理をせず徐々に行うようにして下さい。・・・

・・・60歳前後の中高年を1日8000歩以上のウォーキングを行うグループと、
1日15分以上のインターバル速歩を行うグループに分け、
5ヵ月間、週4日以上行って、最大酸素摂取量と太ももの筋力を比較すると、
ウォーキングのグループはほとんど変化がなかったのに対して、
インターバル速歩のグループは最大酸素摂取量が9%上がり、
太ももの筋力が13%上がりました。

最大酸素摂取量が上がるということは、全身の持久力が高まることを示しています。
全身の持久力が高まると
心臓の病気や糖尿病などの生活習慣病になりにくくなります。・・・


江部康二
血糖調節システム。空腹時・食後。正常人・糖尿人。糖質あり・なし。 
こんにちは。
今回は、血糖調節システムについて検討してみます。
人体の血糖調節は、なかなか精妙で複雑なシステムにより維持されています。
血糖値は、
 
「摂取する食材」「消化・吸収」「肝臓によるグリコーゲン分解・糖新生と糖の取り込み」「運動」「ストレス」
「インスリン・グルカゴンなどホルモン」「女性の生理」・・・

 
などなど、いろいろな要素が合わさって調節されています。
 
 
1) 空腹時
 
食物吸収が終了した直後(食事開始2時間後)には、肝臓のグリコーゲン分解が、循環血液中に入るブドウ糖の主要な供給源です。
食後数時間が経過し、絶食状態が持続すると、血糖値維持のために、筋肉など多くの組織のエネルギー源は、ブドウ糖から脂肪酸やケトン体に変わります。
そして、ブドウ糖の供給源は、肝のグリコーゲン分解から糖新生(*)に切り替わります。
なお、筋肉には「グルコース6リン酸→グルコース」 とする回路がないので筋肉中のグリコーゲンからはグルコース(ブドウ糖)は作れません。
 
2) 主食摂食時(糖質あり)
 
血糖値を直接上昇させるのは、糖質・脂質・タンパク質のうち、糖質だけです。
糖質摂食時には、消化管から吸収されたブドウ糖は、門脈血からまず肝臓に約50%取り込まれ、それ以外が血液の大循環に回ります。
肝細胞でのブドウ糖取り込み自体は、糖輸送体Glut2(**)を介して行われ、インスリン追加分泌とは関係ありません。
しかし、肝に取り込まれたブドウ糖は、インスリンによりグリコーゲンとして蓄えられます。
糖質を摂取して血糖値が上昇すれば、正常人では速やかにインスリンが追加分泌されます。この場合、追加分泌は基礎分泌の数倍~10数倍レベルの大量となります。
例えば基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、30~50~70μU/mlとかです。
肝臓に取り込まれなかったブドウ糖は、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったブドウ糖は、インスリン追加分泌により細胞表面に移動した糖輸送体GLUT4により、骨格筋細胞や脂肪細胞に取り込まれます。骨格筋が、約70%の血糖を取り込みます。
これにより血糖値も速やかに下がります。
 
筋肉中に取り込まれた血糖は、エネルギー源として使われ、残りはグリコーゲンとして蓄えられます。
取り込まれず余った血糖は、インスリンにより脂肪組織か肝臓に取り込まれ、中性脂肪に変換され脂肪細胞に蓄えられます。
 
インスリン濃度が高いと、脂肪細胞の毛細血管にあるリポ蛋白リパーゼが活性化されて、血液中の中性脂肪が分解されて、脂肪酸とグリセロールになります。脂肪酸は、筋肉や体細胞や脂肪細胞のエネルギー源となります。
グリセロールはほとんどエネルギー源にはなりませんが、肝臓での糖新生の原料となります。
余剰の脂肪酸は、脂肪細胞に取り込まれて、中性脂肪として蓄えられます。
 
インスリンは、中性脂肪の合成を促進し、中性脂肪の分解を抑制します。
インスリンが肥満ホルモンたる所以です。
 
糖尿人では、<肝臓のグリコーゲン分解と糖新生>が摂食時にも抑制されにくいので、食後高血糖となります。
また糖尿人は、門脈血からの肝臓のブドウ糖取り込みも低下しているので、この面でも食後高血糖を起こしやすいのです。
 
さらに糖尿人の場合は、血液中のブドウ糖(食後高血糖)は、
<インスリン分泌不足>と<筋肉や脂肪細胞におけるインスリン抵抗性>により、
処理されにくいので、食後高血糖が遷延します。
また、インスリン作用不足による脂質代謝異常、アミノ酸代謝異常、高血糖そのものによるインスリン作用低下、インスリン拮抗ホルモン優位など、様々な因子が重なり合って、高血糖が持続します。
 
さらに、糖尿人の一部においては、胃不全麻痺(***)による内容物の排出遅延があり、
吸収も遅延して通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。
 
 
3) 糖質制限食を摂取時(糖質がごく少量)
 
糖質摂取が野菜分のごく少量なので、食後血糖値はほとんど上昇しません。
追加分泌インスリンもごく少量で、基礎分泌の2~3倍くらいです。
正常人で基礎分泌が5μU/mlなら追加分泌は、10~15μU/mlとかです。
糖質制限食を摂取時は、食事している最中にも脂質が常に燃えています。
また食事中にも、肝臓でアミノ酸などから糖新生も行われています。
このため糖質摂取がごく少量でも低血糖にはならないのです。
糖尿人が糖質制限食を実践すれば、食後高血糖が改善しますが、糖新生により低血糖にはなりません。
正常人が糖質制限食を実践すれば、食後血糖値は正常値の範囲で低めとなります。
 
例えば正常人で食後1時間のピークの血糖値は、
糖質ありでは、130~160mg/dl
糖質制限ならせいぜい110~120mg/dl
くらいです。
勿論、肝臓で糖新生しますので、低血糖にはなりません。
 
 
4) 運動時
 
安静時には、インスリンの基礎分泌はありますが少量なので、糖輸送体(Glut4)は細胞表面に出てこれず、筋肉細胞・脂肪細胞は血糖をほとんど取り込まめません。
 
運動時(筋収縮時)には筋肉細胞の糖輸送体(Glut4)がインスリン追加分泌がなくても細胞表面に移動して、
血糖を取り込むことが可能となり、血糖値が下がります。
筋肉細胞が血糖を取り込んでエネルギー源とした後、筋肉中のグリコーゲンが満杯になれば、取り込みはストップします。
脂肪細胞は、運動には無関係です。
ジョギングや歩行ていどの軽い運動が適切とされています。
糖尿人でインスリンの基礎分泌があるていど以上不足していると、
運動によりかえって血糖値が上昇することがあるので注意が必要です。
バーンスタイン医師によれば、個人差はありますが、空腹時血糖値170mg/dlを超えているような場合は、
そのような可能性があるとのことです。
また、心拍数が一定以上上昇する運動だと、アドレナリンや副腎皮質ホルモンなどのインスリン拮抗ホルモンが分泌されますので、
血糖値が上昇することがあります。
 
 
4) ストレス
 
急性のストレスがあると、アドレナリン、グルカゴン、副腎皮質ステロイドホルモンなど血糖値を上げるホルモンが分泌されますので血糖値が上昇します。
例えば、風邪をひいたらストレスが生じ、血糖値は結構上昇します。
20~30mg/dlの上昇が3日~数日間続くこともあります。
ぎっくり腰などの痛みでも血糖値は上昇し、痛みが強い間は持続します。
また、新型コロナワクチンを接種したあと、
3~4日間血糖値が上昇した糖尿人もおられました。
不眠や怒りでも血糖値は上昇します。
糖尿人にとって、ストレスもなかなか侮れません。
 
 
このように、
血糖値は、1)、2)、3)、4)などの因子が複雑に絡み合ったシステムにより調節されています。
たかが血糖値されど血糖値、なかなか一筋縄ではいきませんね。
 
江部康二
 
 
 
(*)糖新生
①脂肪組織→グリセロール(中性脂肪の分解物)→肝臓→糖新生→脂肪組織・筋肉
②筋肉→アミノ酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
③ブドウ糖代謝→乳酸→肝臓→糖新生→筋肉・脂肪組織
 
①②③はごく日常的に誰でも行っており、肝臓、筋肉、脂肪組織の間で行ったり来たり、日々糖新生の調節が行われているわけです。
糖新生の調整は、インスリンが行っています。
インスリンは、強力な糖新生抑制因子です。
インスリン不足だと肝臓がブドウ糖をつくり過ぎることになります。
 
 
(**)糖輸送体(Glut:glucose transporter)
ブドウ糖が細胞膜を通過して細胞内に取り込まれるためには、
グルコーストランスポーター(糖輸送体)と呼ばれる膜蛋白が必要です。
 
Glut1~Glut14が報告されています。
Glut1(脳、赤血球、網膜などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut2(肝臓、膵臓のβ細胞などの糖輸送体)はインスリン非依存性です。
Glut4(筋肉細胞、脂肪細胞の糖輸送体)はインスリン依存性です。
 
 
(***)胃不全麻痺
バーンスタイン医師(米国の1型糖尿病の医師で糖質制限食実践中)の本にも記載されている<胃排泄遅延・胃不全麻痺>が
年期の入った糖尿人ではありえます。
欧米人には、胃不全麻痺が結構多いようですが日本人でも当然ありえます。
胃不全麻痺のある糖尿人は、夕食を午後6時頃食べても、胃からの排泄が遅延して吸収が遅くなり、
通常よりかなり遅れて血糖値が上昇することがあります。
そのため翌朝の空腹時血糖値が高値となることがあります。
 


高血糖の記憶。質の良いHbA1cと質の悪いHbA1c。食後高血糖。
【日付
21/10/12
高血糖の記憶について
おはようございます。
いつも色々な知識を教えていただき有難うございます。

先生が高血糖の記憶と呼ばれているものについてお聞きしてよろしいでしょうか。
当方40代女性です。糖質制限歴1年弱です。
先日、心雑音を指摘され、たまに息苦しさや胸痛を感じることもあり、
心臓エコーをとりました。とりあえず弁膜症ではないと言われました。
1か月後に造影剤CTをとることになっています。

検査説明で、もしプラークなどがたまっていたら手術の可能性もないことはありませんと言われ、
こちらで糖尿病によりステント手術を受けたことがある方のコメントを思い出しました。

私は過去で最高ではhba1cが6.2だったことがありますが、
このぐらいの数値で高血糖の記憶の可能性は十分にあるでしょうか?
検査しないとわからないのは重々承知ですが、検査日がかなり先なので不安です。
絶対は勿論ないので、確率的な観点でよいので、教えていただけませんでしょうか?】



こんにちは。
「高血糖の記憶」について、コメント・質問を頂きました。

まずは
「高血糖の記憶」という概念について説明します。
現在血糖コントロール良好でも、
過去数年~10年、HbA1cが8~9%などの期間があれば、
すでに一定の動脈硬化が存在します。
糖質制限食を実践して、2~3ヶ月で、HbA1cが6.9%以下に改善しても、
過去の高血糖時代の動脈硬化は、残存しているということです。

従って、糖尿病の新規患者さんには、既存の動脈硬化の有無を確認するために、
「眼底検査」「頸動脈エコー」を必ず、してもらいます。
高雄病院には眼科がないので、眼科を受診して貰います。
必要がありそうなら、循環器科でも冠動脈などのチェックをしてもらいます。

糖尿病患者さんが、スーパー糖質制限食を実践して、HbA1c6.9以下を達成すれば、
そこからは、新たな借金は生じませんが、
過去の借金である「高血糖の記憶」は消えません。

糖尿病合併症の元凶のメインとされる「AGEs」は、
まさに高血糖の記憶のメインでもあります。

さらに糖尿病ではない人でも、<糖化⇒老化>という事がありますので
糖質制限食で、AGEsの産生を最小限にすることは、
いわゆる老化現象を最小限にできるということでもあります。

なお、原則的には「高血糖の記憶」は消えにくいのですが、
実はAGEs(終末糖化産物)も分解代謝されにくいことは事実ですが
それでも一定ていど分解代謝されることもわかってきました。
例えば、運動習慣により、一定ていどAGEsが分解代謝される可能生がありますが、
詳しい検討はなされていません。

実際、私の糖尿病患者さんにおいても、糖質制限食実践で、
冠動脈のプラーク(血管壁のこぶ、動脈硬化の産物)が、小さくなったケースがあります。
また、眼科の定期的受診で、以前は確実に糖尿病網膜症が徐々に進行していたのが、
糖質制限食実践以後は、進行が停止して、眼科医がびっくりしたという患者さんも、
おられます。
さらに、長年の糖尿病で、糖尿病網膜症だったのが、
進行が止まり、その後やや改善したという患者さんもおられました。

従って、原則的には「高血糖の記憶」は、消えにくいことは間違いないですが
糖質制限食の実践や運動により、個別のケースでは、一定の改善が期待できるようです。


質問の方は、糖質制限歴1年弱で、HbA1c6.2%が過去最高とのことです。
まず、心配ないと思いますが、
心エコー、頸動脈エコー、造影CTを撮影されるなら、
それらに異常がなければ、安心と言えます。

HbA1c検査の弱点は、食後高血糖を見逃すという点です。
つまり平均血糖値を見ているので、
食後200mg/dlであっても、夜中に65mg/dlとかであれば、
平均血糖値としてのHbA1cは6.2%くらいになり、一見、良好です。
しかしこのようなHbA1cは、
食後高血糖が存在し、血糖変動幅が大きく
「酸化ストレスリスク」となる「質の悪いHbA1c」です。
これでは、動脈硬化を予防できません。

これに対して、スーパー糖質制限食実践なら、
食後高血糖はなくなり、血糖変動幅増大もなくなりますので
達成されたHbA1cは、「質の良いHbA1c」であり、
動脈硬化の予防ができます。



江部康二
エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2018と糖質制限食
こんにちは。
糖質制限食実践において、相対的にタンパク質摂取が増えます。
慢性腎臓疾患(CKD)がある場合は、どの程度のタンパク制限が必要なのですしょう?
検討してみましょう。

日本腎臓病学会のサイト
http://www.jsn.or.jp/guideline/guideline.php

の中で、
エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン 2018
をPDFファイルで閲覧することができます。

<CKD診療ガイドライン2018>
https://cdn.jsn.or.jp/data/CKD2018.pdf
CQ 2 CKDの進行を抑制するためにたんぱく質摂取量を制限することは推奨されるか?14ページ

CKDの進行を抑制するためにたんぱく質摂取量を制限することを推奨する.B1
ただし,画一的な指導は不適切であり,個々の患者の病態やリスク,アドヒアランスなどを総合的に判断し,
腎臓専門医と管理栄養士を含む医療チームの管理の下で行うことが望ましい

『・・・以前から高齢者では,たんぱく質摂取制限に伴う低栄養の懸念から,
一定のたんぱく質摂取を確保すべきとの見解がある.
たんぱく質摂取制限によってCVD発症,感染症,サルコペニア,フレイルを
増減させたことを直接示した研究はなかったが,
高齢者を中心に過度なたんぱく質摂取制限は
QOLや生命予後悪化につながる可能性もあり,
その実施においては腎臓専門医と管理栄養士を含む医療チームの管理の下で
行われることが望ましいと考えられる.・・・』


CKDの進行を抑制するために、たんぱく質摂取量を制限することを推奨していますが、
画一的な指導は不適切で、個々の患者の病態やリスク、
アドヒアランスなどを総合的に判断するとあります。
そして推奨レベルはB1ですので、あまり強くありません。
また、高齢者へのたんぱく制限は低栄養の懸念があるので、
一定量のたんぱく質を確保するほうが良いという見解です。
結局糖質制限食のその患者さんへ寄与するメリットと、高たんぱく食による腎機能悪化のリスクを天秤にかけて、一人一人、個別に対応することとなります。
糖尿病や肥満がある人には、糖質制限食のメリットは大変大きいものがあります。

第16章 糖尿病性腎臓病(DKD)
この項目では、栄養療法への言及はありません。

CQ 3 DMを伴うCKD患者にHbA1c 7.0%未満の血糖管理は推奨
されるか?

推 奨  糖尿病性腎症患者におけるHbA1c 7.0%未満の血糖管理は,
早期腎症から顕性腎症への進行を抑制するために推奨されるが,
顕性腎症期以降の進行抑制に関するエビデンスは不十分である.
HbA1c 7.0%未満の血糖管理では低血糖に注意する


こういうことなら、糖尿病性腎臓病の場合は、通常のCKDに比べて、
糖質制限食の出番が多いです。
糖質制限食なら低血糖の懸念はほぼなくて、血糖コントロールが可能なので、
大きな利点と言えます。


<日本腎臓学会編、慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014年版>
これまで多くの研究で、CKDにおける食事タンパク質摂取量の効果が調べられた。
ガイドライン「慢性腎臓病に対する食事摂取基準 2014年版」では、
CKDステージ1および2におけるタンパク質摂取に関しては、
「過剰な摂取をしない」と記載されている。
また、その過剰を示す指示量として、進行するリスクのあるCKDにおいては、
1.3g/kg BW/日を越えない事が目安とされている。
ステージ G3aでは、0.8~1.0 g/kg BW/日、G3b以降では、
エネルギーを十分確保した上で 0.6~0.8g/kgBW/日が推奨されている。

<慢性腎臓病に対する食事療法基準 2014 年版>

表1 CKDステージによる食事療法基準

ステージ(GFR)         たんぱく質(g/kgBW/日)

ステージ1(GFR≧90)      過剰な摂取をしない
ステージ 2(GFR 60~89)     過剰な摂取をしない
ステージ 3a(GFR 45~59)     0.8~1.0
ステージ 3b(GFR 30~44)     0.6~0.8
ステージ 4(GFR 15~29)      0.6~0.8
ステージ 5(GFR<15)       0.6~0.8
     5D(透析療法中)      0.9~1.2


慢性腎臓病に対する食事療法基準では、上記の如く記載されています。
透析になると、たんぱく摂取基準量が増えますので、糖質制限食を実践しやすくなります。

CKDステージによる食事療法基準によれば、糖尿病腎症第3期で、
蛋白尿が陽性の段階でもGFRが60ml/分以上あれば、
たんぱく制限は必要ないわけです。
糖質制限食が実践しやすいです。

過剰を示す具体的な指示量としては、
進行するリスクのある CKDにおいては 1.3 g/kg 標準体重/日を
超えないことが 1 つの目安としてあります。
この量は、CKD患者さんが対象なので、CKDがない人においては
もっと食べることが可能と思われます。
例えば、私は糖尿人ですがコントロール良好で合併症もなく
腎機能にも何の問題もないので、もっと多くたんぱく摂取してもOKと
思われます。
厚生労働省も腎機能が正常な人のたんぱく質摂取の上限は設定していません。
まあ、自己責任でしっかり高たんぱく食を食べようと思います。



<米国糖尿病学会>

これに対して、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

『糖尿病腎症の所見のない糖尿病患者では、最適な血糖コントロール、あるいは、心血管疾患リスクの改善のための理想的な蛋白質摂取量に関しては、これを推奨するに足る十分なエビデンスは存在しない。したがって、目標は個別化されなければならない。C

糖尿病腎症(微量アルブミン尿、および、顕性蛋白尿)を有する糖尿病患者では、通常の摂取量以下に蛋白質摂取量を減量することは、血糖状態、心血管リスク、あるいは、糸球体ろ過率低下の経過に変化を与えないので、推奨されない。A』


糖尿病腎症のない糖尿病患者での理想的な蛋白質摂取量のエビデンスは、存在しないと断定しています。

さらに踏み込んで、糖尿病腎症を有する患者においても、「蛋白質制限は推奨しない」とランクAで断定しています。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

その後も、この見解は踏襲されています。


<高雄病院の方針>

現時点で高雄病院では、糖尿病腎症でもeGFRが60ml/分以上の場合は、
糖尿病コントロールのためにも糖質制限食を推奨しています。

糖尿病腎症で、腎機能悪化の最大のリスクは
「食後高血糖」と「平均血糖変動幅増大」と考えられるからです。

糖尿病腎症第3期以降で、eGFRが60ml/分未満の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応するようにしています。

万一スーパー糖質制限食でクレアチニン値の悪化傾向があれば、「超低たんぱく・低糖質・高脂肪食」・・・即ちケトン食も、腎不全に一考の余地ありと現在検討中です。

<結論>

1)GFRが60ml/分以上の場合は、タンパク質制限よりも血糖コントロールを優先して、
  糖尿病腎症でも、普通にスーパー糖質制限食を実践することを推奨する。 

2)GFRが60ml/分未満の場合は、よく相談して糖質制限食を実践するかどうか個別に対応する。

3)GFRが60ml/分未満で、スーパー糖質制限食を選択開始した場合、毎月腎機能検査を実施して、
 血清クレアチニン値を測定し、その結果でスーパー糖質制限食を継続するか否かを決める。


江部康二
糖質セイゲニストのビタミンC必要量は少量ですむ?マサイ族は?
【日付 名前
21/10/09 ロカボー
ビタミンCについて
いつも貴重な情報をありがとうございます。

ビタミンCの摂取量について質問させてください。
厚生労働省から推奨されている成人の1日のビタミンC摂取量は100㎎とされていますが、スーパー糖質制限を行っている場合もこの推奨量は食事から摂取した方が良いのでしょうか?

私の知り合いで2人ほどスーパー糖質制限を実践している知人がいるのですが、
彼らの話だとブロッコリーや葉物野菜はほとんど食べていないそうで、
ビタミンCの摂取を意識していないと言っていました。
もちろん果物も全く食べてないそうです。
それでも健康的に生活を送れているので、
ビタミンCはそれほど意識して摂取する必要は無いのかな?
と思い質問させて頂きました。

私自身は普段から葉物野菜やブロッコリーは食べているので、
1日に50~100㎎程度はビタミンCを摂取していると思いますが、
以前一か月くらい実験的にビタミンCを摂取せず過ごしてみても
体調の変化は特にみられませんでした。】



こんにちは。
ロカボーさんから、
糖質セイゲニストは、ビタミンCの必要量が少なくてすむのではないかと
コメント・質問をいただきました。

我が畏友、夏井睦先生のブログに、以下の記述がありました。http://www.wound-treatment.jp/title_new_2019-08.htm
(ここから引用)
私はここ数年,野菜は意識して食べていませんが,それでも体調は大丈夫みたいです。
ビタミンC摂取量はほぼゼロと思われますが,未だに壊血病は発症していません。
 先史時代には野菜は単なる雑草で,そのままでは食べられない代物でした。
ヒトがそういう「煮ても焼いても食えない」雑草を品種改良して,
今日の「野菜」にしたのです。
つまり,ヒトが野菜を食べるようになったのは過去数千年です。
 それ以前のヒト属は野菜は食べずに暮らしていて,
しかも絶滅していなかったのですから,ヒトの健康に野菜は必要ないのかも。
(引用終わり)


夏井先生、食物繊維は大腸での腸内細菌による短鎖脂肪酸生成に必要らしいので
海藻や青汁で摂取している
そうです。

ビタミンCは、抗酸化作用などがあります。
糖質セイゲニストの場合は、酸化ストレスが少ないので、
ビタミンCの必要量はかなり少なくてすむ可能性があります。
従って、夏井流でOKの人もいると思います。

一方で、個人差があるので、一般的な糖質セイゲニストは
まあ、安全率をかけて、
野菜から「ビタミンC+食物繊維」を摂取するのがよいと思います。

実は、マサイ族もビタミンC摂取量は極めて少なく、
血中濃度は壊血病レベルですが、健康です。
マサイ族も夏井先生と同様に糖質制限食です。
ビタミンCは、抗酸化作用などがあります。
糖質セイゲニストの場合は、酸化ストレスが少ないので、
マサイ族と同様に、ビタミンCの必要量はかなり少なくてすむ可能性があります。
マサイ族も野菜や果物は全く食べません。
一方で、一般的な糖質セイゲニストは
まあ、安全率をかけて、野菜から「ビタミンC+食物繊維」を摂取するのがよいと思います。

<マサイ族と牛乳とヨーグルトとビタミンC>

 東アフリカ、ケニアからタンザニアにかけて住むマサイ族は、主たる食事として牛乳、ヨーグルト、牛の生き血を取る伝統的食生活を送ってきました。
これらの食事では、ビタミンC摂取が非常に少なくなりますが、彼らの健康度は良好でした。  
 サバンナの民、マサイ族の独特な食生活から「ヒトにとって必要な栄養素」について考えてみます。
マサイ族の主食は現在でも牛乳とヨーグルトです。牛乳、ヨーグルト合わせて1日に2〜3Lも摂取します。
毎日、牛の放牧をしながら何kmも歩き、その間、牛乳を入れた「キブユ」というひょうたんを腰にぶら下げ続けているので、数日間で牛乳は自然発酵し、ヨーグルトになります。
長時間歩いていますから、主に摂取するのは新鮮な牛乳より、搾乳してから2〜3日が経過したものや、さらに時間がたってヨーグルトになったものの方が主となります。
 この主食だけで不足する鉄分は、牛の生き血を週に数回、牛乳に混ぜて飲むことで補います。

<野菜や果物を食べないマサイ族のビタミンC摂取量は>

 彼らの伝統的食生活では、野菜や果物は一切食べないそうです。となるとビタミンCをいかに摂取しているのかが不思議です。
ヒトはビタミンCを体内で合成できず、必ず食物から摂取せねばなりません。マサイ族にとって牛は財産であり、殺して牛肉を食べることはありません。
ヤギやヒツジも飼っていて、こちらはお祝いごとや家族に病人が出て栄養をつけたい時には食べるといいます。この時、ヤギやヒツジの生レバーや生の小腸も食用になります。
 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」で、野菜や果物に含まれるビタミンCを調べてみると、
100gあたり赤ピーマン170mg、パセリ120mg、甘ガキ70mg、イチゴ62mg、ゆでブロッコリー54mgなどとなります。
牛の生レバーのビタミンC含有量は100g中30mg、生の小腸は同じく15mgです。
ヤギやヒツジの生レバー、生小腸のデータは載っていないのですが、牛に準ずる程度でしょう。
しかしマサイ族は日常的に生レバーや生小腸を食べているわけではありません。
一方、牛の血漿(けっしょう)に含まれるビタミンCは1.4〜3.6mg/dLで、人の血漿(0.6〜1.4mg/dL)より高いそうです。
しかしそれでも、牛の血を1L飲んだところで摂取できるビタミンCはせいぜい30mgです。やはり十分な量とは言えません。
 彼らの主食である牛乳はどうでしょうか。彼らが飲む新鮮な牛乳の中には、ビタミンCが2.2mg/dL含まれています。
ひょうたんに入れて、数日間発酵させてから飲む場合、この量は減少します。
例えばひょうたんの中で4日間経過すると、0.4mg/dLにまで減ってしまいます。
つまり牛乳、ヨーグルト、牛の生き血から得られる日々のビタミンC摂取量は、せいぜい1日30mg程度。
厚生労働省の推奨量である1日100mgに到底足りません。

<極端に低い血中ビタミンC濃度>
 マサイ族と居住エリアが重なり、主に農耕生活を行うバンツー族という人々がいます。バンツー族は穀物、野菜など何でも食べます。
ケニアの研究者が、この二つの種族の食生活と血液検査データを比較検討した論文があります。(注1)
前述のマサイ族が飲む牛乳のビタミンC含有量を調べたのもこの論文です。
 マサイ族21人、バンツー族24人を対象に調べた論文のデータによると、伝統的な食事をしているマサイ族の血清ビタミンC濃度は、0.16mg/dLです。バンツー族は0.56mg/dL。
厚労省の「日本人の食事摂取基準2015年」は、日本人に1日100mgのビタミンC摂取を推奨し、日本の大手検査会社エスアールエルは日本人の血清ビタミンC濃度の基準値を0.55〜1.68mg/dL としています。
つまりバンツー族では日本人の基準値の正常下限であり、マサイ族に至っては極端に低値ということです。
白血球の中に含まれるビタミンCの濃度でも、マサイ族はバンツー族の半分以下だと言います。

<なぜマサイ族やイヌイットに壊血病が起きないのか>
 マサイ族、バンツー族ともに総じて身体に異常はないそうです。
論文では結論として、マサイ族の血清ビタミンC濃度が低いのは、単純に食物から摂取するビタミンCが少ないからと考えられるとし、
これほど低いのに(ビタミンC不足で起きる)壊血病や貧血などは見られない理由については、さらなる研究が必要と締めくくっています。
 アラスカのイヌイットが生肉、生魚を主食とする伝統的食生活を送っていた頃は、野菜と果物の摂取が極めて少なかったため、ビタミンC摂取不足による壊血病のリスクが指摘されていました。
イヌイットのビタミンC摂取量は、カナダの白人と比較してかなり少量でした。
イヌイットの妊娠中の女性の平均ビタミンC摂取量は28mg/日で、血清ビタミンC濃度は0.25mg/dL。一方、カナダ全国の白人の妊婦になるとそれぞれ平均133mg/日、1.01mg/dLでした。 
イヌイットの血清ビタミンC濃度は、壊血病になる危険ラインの0.2mg/dL未満の場合も多いのです。(注2)
しかし、そういうイヌイットには歯肉出血が高率に見られたそうですが、死に至るような重症の壊血病が多発しているというデータはありません。
 壊血病は、15世紀から17世紀の大航海時代、船員の間に死者が続出して、非常に恐れられた病気でした。
ビタミンCと壊血病の関係が明らかになったのは、1932年のことです。
 血清ビタミンC濃度が同レベルに低いイヌイットとマサイ族ですが、イヌイットは歯肉出血のリスクが生じていた程度、
マサイ族にいたってはビタミンC不足の影響が感じられない健康な状態でした。
イヌイットにおいても壊血病のリスクはあるものの、死者が出るような事態はありませんでした。

<糖質制限食の徹底でビタミンCは少量で済む?>
 大航海時代の船員にビタミンC不足による壊血病の死者が続出したのに対して、イヌイットやマサイ族にはそれが無かった理由について、
私は「糖質制限食を実践している者は、ビタミンCの必要量が少なくて済むのではないか」という仮説を持っています。
 糖質制限食実践中の人は、高血糖や高インスリン血症という酸化ストレスリスクが極めて少なくなります。
ビタミンCの主要な作用の一つは抗酸化作用で、体内の活性酸素を消去してくれます。
伝統的食生活を送っていた頃のイヌイットやマサイ族は、「スーパー糖質制限食」を実践している状態なので、酸化ストレスが極めて少なくなります。
結果としてビタミンCの必要量も、糖質を食べている人(大航海時代の白人の船員たちのような)に比べるとかなり少量で済んだ可能性があります。
 全く健康なマサイ族と、多少のリスクがあるイヌイットの差は、生活している環境からくる酸化ストレスの差が多少あったためかもしれません。
例えばイヌイットの暮らす北極圏は、太陽からの強力な紫外線にさらされており、紫外線は酸化ストレスリスクです。

<ビタミンCの必須量を探ると人類の食生活史が見えるかも…>
 あくまでも仮説ですが、このように考察すると、人類の本当の血清ビタミンC基準値はどの程度に設定すべきなのかという疑問が浮かびます。
本当のビタミンC摂取必要量はどのくらいなのでしょう? 
人類が700万年の進化の過程でいったい何を食べてきたのかを考察するのに、人体で合成できないビタミンCの必須量を考えることは非常に重要だと思われます。
 ヒトはアスコルビン酸合成能、つまり体内でビタミンCを合成する機能を進化の過程で失いました。
アスコルビン酸を作り出すプロセスの中で、重要な役割を果たす酵素、L-グロノラクトンオキシダーゼが霊長類と一部の哺乳類では突然変異により失われているのです。
その時期は3500万〜5500万年前と推定されています。(注3)
 「人類」と一口にいっても、人類史の中では多くの「種」の人類が生まれては消え、現在残っているのは現生人類(ホモ・サピエンス)だけです。
他の種も含めて人類はすべてビタミンCを合成できなかったと考えられています。
そのため、すべての人類は野草や果実からビタミンCを摂取していたはずです。
現生人類においても、伝統的食生活を営んでいたマサイ族やイヌイット以外は、野草や果実からビタミンCを摂取していたと考えられます。
 マサイ族やイヌイットの研究から、糖質制限食実践者においてはビタミンC必要量がかなり少なくて済む可能性が見えてきた、と私は考えています。
しかしながら、我々はマサイ族ではありませんので、現時点では糖質制限食を実践しつつ、
葉野菜、ブロッコリー、ゴーヤーなどからしっかりビタミンCを摂取することを推奨します。


注1:"Low ascorbate status in the Masai of Kenya" The American Journal of Clinical Nutrition 27: MARCH 1974, pp. 310-314.
http://www.ajcn.org/cgi/reprint/27/3/310.pdf
注2:"Neonatal hypertyrosinemia and evidence of deficiency of ascorbic acid in Arctic and subarctic peoples" 624-626 CMA JOURNAL/OCTOBER 4,1975/VOL.113
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1956727/pdf/canmedaj01544-0034.pdf
注3:井村裕夫「進化医学 人への進化が生んだ疾患」:19ページ、2012年、羊土社


江部康二



スーパー糖質制限食とエビデンス。米国糖尿病学会見解の変遷。
【21/10/08 おばQ
極端な糖質制限で糖尿病合併症になる?
先生こんにちは。ツイッターで「極端な糖質制限で糖尿病合併症になる」と何の根拠も示さずに書いている医師を見かけたのですが、医師の言うことだからと真に受けている人も多いようです。そのようなことはありませんよね?】


こんにちは。
おばQ さんから、
糖質制限食に関して、ネガティブな情報をツイッターで発信する医師がいるとの
コメントを頂きました。

結論から言いますと、『スーパー糖質制限食』実践で、
厳格に糖質摂取を制限しても問題はありません。

これに関しては、米国糖尿病学会のお墨付きがあります。

米国糖尿病学会のトレーシー・ブラウン現CEOは、
自らスーパー糖質制限食を実践中であり、
それによりインスリン注射を中止できています。

米国糖尿病学会とスーパー糖質制限食とエビデンスについて、
以下、経時的に検討してみました。

<米国糖尿病学会(ADA)の糖質制限食に対する見解の変遷>

①ADAは、2007年まで糖尿病の食事療法において糖質制限食は推奨しないとしていた。

②2008年、「食事療法に関する声明2008」において、

 「減量が望まれる糖尿病患者には低カロリー食、もしくは低炭水化物食によるダイエットが推奨される」と、

 1年の期限付きで、糖質制限食の有効性を認める見解を記載。

③2011年、肥満を伴う糖尿病患者に2年間の期限付きで糖質制限食の有効性を容認。

④2013年10月、「食事療法に関する声明2013」において期限や限定なしで、糖質制限食を容認

⑤2019年4月、コンセンサス・レポートで糖質制限食が、エビデンスも最も豊富と記載。

⑥2020年4月、「栄養療法」

 地中海式、低炭水化物、およびベジタリアン食事パターンは、

 いずれも研究で良好な結果が示されている

 健康的な食事パターンの例である。

 個別の食事計画は、個人の好み、ニーズ、

 および目標に焦点を当てるべきである。

 糖尿病患者の全体的な炭水化物摂取量を減らすことは、

 血糖値を改善するために最も多くのエビデンスが示されているので、

 個人のニーズや好みに応じた様々な食事パターンに

 適用することができる。



米国糖尿病学会(ADA)は、
蓄積したエビデンスに基づき、見解を発表しています。
2007年までは、エビデンス不足のため、糖質制限食を否定しています。
その後、エビデンスの蓄積により、徐々に糖質制限食を肯定していき、
2013年10月には、正式に容認するに到りました。
さらに、2019年4月には、糖質制限食が最もエビデンスが豊富と明言しました。
糖質制限食に関しては
Low-Carbohydrate or Very Low-Carbohydrate Eating Patterns
(低炭水化物食、超低炭水化物食)

と記載してあります。

タンパク質の摂取比率は、一定なので、超低炭水化物食は、間違いなく高脂肪食です。
高雄病院のスーパー糖質制限食はこの「超低炭水化物食」に相当し、脂質摂取比率は56%です。
2020年のADA「栄養療法」においても『糖質制限食が最もエビデンスが豊富』と再び明言してあります。
2021年のADA(米国糖尿病学会)「栄養療法」も、2020年と同様の記載です。

耐糖能が悪化する可能性があるような
食事療法を米国糖尿病学会が容認することはあり得ません。
すなわち、糖質制限食の安全性は、米国糖尿病学会により担保されていると言えます。

江部康二
動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トークvol.7『メタボリックシンドロームとは』
こんばんは。
日本糖質制限医療推進協会のYouTubeチャンネル、
今回は、
ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.7『メタボリックシンドロームについて』
https://www.youtube.com/watch?v=_GF3D7FSWWI

です。

前回はインスリン抵抗性についての動画でしたが
今回はメタボリックシンドロームについて、わかりやすく解説します。

メタボリックシンドロームは内臓脂肪の蓄積によって生じるインスリン抵抗性により、
高血圧、高脂血症、高血糖などの複数のリスクが重なることにより動脈硬化をもたらし、
心筋梗塞や脳梗塞などを発生させやすくする病態です。
高血圧、高脂血症、高血糖はそれぞれ軽度でも、重なることにより
大きなリスクとなるので、注意が必要なのです。
日本では、ウエスト周囲径(おへその高さの腹囲)が男性85cm、女性90cm以上で、
かつ血圧・血糖・脂質の3つのうち2つ以上が基準値から外れると、
「メタボリックシンドローム」と診断されます

糖質制限食の視点で考察すると以下の緑の図の流れとなります。
すなわち、
最上流には「糖質の頻回過剰摂取」とそれに伴う「インスリン頻回過剰分泌」があり、
そこからメタボリックシンドロームへの流れが始まるのです。
当然ながら、メタボリックシンドロームは、糖質制限食で改善・予防できます。

            糖質の頻回過剰摂取
                ↓
   食後血糖急上昇によるインスリン頻回過剰追加分泌
                ↓
内臓脂肪肥満となり、TNFα(ティエヌエフアルファ)などの分泌が高まる
                ↓
            インスリン抵抗性出現
                ↓
     高血圧、高脂血症、高血糖 の出現と動脈硬化を起こす。
     さらにインスリン過剰分泌の悪循環。
                ↓
           メタボリックシンドローム 

*メタボリックシンドロームの全ての指標が糖質制限食で改善



ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.1『糖質制限食と新型コロナ』 2021年03月25日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=YcpCTJQakeY&t=8s
▼ vol.2『糖質制限食とは』 2021年04月08日 (木)
https://www.youtube.com/watch?v=VLyBDm9zOv8
▼ vol.3『糖尿病とは』2021年5月17日(月)
https://www.youtube.com/watch?v=qri3THy-71U&t=205s
▼ vol.4『血糖値について』2021年7月15(木)
https://www.youtube.com/watch?v=P1tNrNWZ6bs
▼ vol.5『インスリンの役割と問題点』2021年8月11日(水)
https://www.youtube.com/watch?v=GnIskFRK_uA&t=9s
▼ vol.6『インスリン抵抗性について』
http://koujiebe.blog95.fc2.com/blog-entry-5731.html
是非、ご視聴頂ければ幸いです。


江部康二


以下の青字の記載は、事務局からのお知らせです。

*********

ブログ読者の皆様、弊会のYouTube動画を多数ご覧いただいておりまして、ありがとうございます。


江部理事長による動画「ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
vol.7」の配信をご案内申し上げます。

今回のテーマは「メタボリックシンドローム」で、・メタボリックシンドロームとはどのような病態か
・メタボリックシンドローム発症の流れ
・糖質制限食実践による内臓脂肪肥満の改善例 等について解説しております。

ドクター江部の糖質オフ!健康トーク
▼ vol.7『メタボリックシンドローム(代謝症候群)』
https://youtu.be/_GF3D7FSWWI <https://youtu.be/_GF3D7FSWWI>

ご覧いただけますと、また、ご興味のある方へシェアしていただけますと幸いです。

▼協会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A
<https://www.youtube.com/channel/UCdh9uz2_XnhDyJj9pHDDW1A>

一般社団法人 日本糖質制限医療推進協会
https://www.toushitsuseigen.or.jp/

*********
菓子職人糖質制限マンスリーケーキ。三食チョコレートムースケーキ。
こんにちは。

菓子職人糖質制限マンスリーケーキ、
2021年10月は、新作の
『三色チョコレートムースケーキ』

https://www.kashishokunin.co.jp/toushitsuseigen/products/monthly/monthly10.php

100gあたり
炭水化物 16.8g
糖質 12.2g
食物繊維 4.6g
エリスリトールを除く糖質が3.99g

main_monthly10.jpg


cut.jpg


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のご案内です。
3種類(ダーク、ミルク、ホワイト)のチョコレートを使った香り高いチョコレートムースケーキです。

2021年9月29日(水)
15時 血糖値:116mg
三食チョコレートムースケーキ100g摂取
16時 60分後血糖値:110mg


糖質含有量が3.99gですが、血糖値がかえって下がりました。
3.99gの糖質に対して
私の追加分泌インスリンがでて、
「3.99g×3mg=12mg」分の上昇予定をカバーして
少し余裕があって余った分、血糖値が下がったのでしょう。
糖尿病の入院患者さんでも、糖質制限食摂取で、
時々食前より食後血糖値が下がることがあります。

ともあれ、糖質制限三色チョコレートムースケーキ
確実に糖質制限OK食品であり、チョコレート好きの私には
とてもありがたい一品です。
ブログ読者の皆さんも、是非、ご賞味あれ。

江部康二
赤肉・加工肉のがんリスクについて。
こんにちは。
https://www.ncc.go.jp/jp/index.html
国立がん研究センターのホームページがリニューアルされました。

そのサイトで、赤肉・加工肉のがんリスクについて記載してあるので、
検討してました。
赤肉(Red meat )は、牛・豚・羊肉などの肉のことで、
脂肪分が少ない部位を示す「赤身肉」とは異なります。

国際がん研究機関(IARC)の加工肉等の発がん性についての発表(2015年10月26日)によれば、加工肉について「人に対して発がん性がある(Group1)」と、
主に大腸がんに対する疫学研究の十分な証拠に基づいて判定されました。
赤肉については疫学研究からの証拠は限定的ながら、
メカニズムを裏付ける相応の証拠があることから、
「おそらく人に対して発がん性がある(Group2A)」と判定しています。

これに対して、日本の国立がん研究センンターの見解は、
大腸がんの発生に関して、
日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉が大腸がんリスクに与える影響は
無いか、あっても、小さい
としています。

2013年の国民健康・栄養調査によると日本人の赤肉・加工肉の摂取量は
一日あたり63グラム(うち、赤肉は50グラム、加工肉は13グラム)で、
世界的に見て最も摂取量の低い国の一つです。

ということで、ここまでは、普通の日本人の場合は、
こと赤肉・加工肉の摂取量に関しては、気にしなくても良いということとなります。

一方、我々糖質セイゲニストはどうなのでしょう。
糖質制限食の場合、糖質を減らす分、相対的に赤肉・加工肉の摂取量も増えます。
私の場合は、魚貝類と肉類が、1:1くらいの割合です。
加工肉のハムやベーコンも時々食べます。

IARCは、赤肉は調理後の重量で週500グラム以内、加工肉はできるだけ控えるように、
と勧告しています。調理後は20%程度重量が減少するので、調理前なら、625gです。
これなら、ほぼクリアしていると思います。
魚貝類や鶏肉も普通に食べているので、欧米の赤肉中心の食事の方々に比べたら
ハードルは低いと言えます。

さらに、糖質制限食実践者なら、
<食後高血糖><食後高インスリン血症><平均血糖変動幅増大>
という三大酸化ストレスと活性酸素の産生が最小限ですむので、
発がんリスクも最小限となります。
つまり糖質セイゲニストなら、少々赤肉や加工肉を食べても安全と言えます。


江部康二


☆☆☆
以下の青字の記載は、国立がん研究センターの
情報提供
赤肉・加工肉のがんリスクについて
です。

情報提供
赤肉・加工肉のがんリスクについて

https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2015/1029/index.html
2015年10月29日
国立研究開発法人国立がん研究センター

この度の国際がん研究組織(IARC)による以下の発表について、
当センターによる解説と当センターが2011年に発表した
日本人における赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについてお知らせいたします。

解説
IARC主催の10か国、22人の専門家による会議で赤肉(注1)(牛・豚・羊などの肉)、加工肉の人への発がん性についての評価が行われました。
評価は全世界地域の人を対象とした疫学研究(エビデンス)、動物実験研究、メカニズム研究からなる科学的証拠に基づく総合的な判定です。

その結果、加工肉について「人に対して発がん性がある(Group1)」と、
主に大腸がんに対する疫学研究の十分な証拠に基づいて判定されました。
赤肉については疫学研究からの証拠は限定的ながら、
メカニズムを裏付ける相応の証拠があることから、
「おそらく人に対して発がん性がある(Group2A)」と判定しています。

疫学研究からの証拠を評価する際には、複数の疫学研究を精査して、
バイアスや偶然、他の要因の影響(交絡)の可能性を否定出来る質の高い研究に、よ
り重きが置かれるため、
ここでいう十分な証拠とはそのような影響を排除した上で成立したものと言えます。
そのような影響を否定できない場合は総合判定でGroup 2A以下となります。

また、すでに2007年に世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)による評価報告書で、
赤肉、加工肉の摂取は大腸がんのリスクを上げることが「確実」と判定されており、
赤肉は調理後の重量で週500グラム以内、加工肉はできるだけ控えるように、
と勧告しています。
高用量の摂取地域を含む海外の評価における結果はある程度一致しているとも言えます。

表1に分類の定義を示します。
Group1に位置付けられたものは他に喫煙やアスベストなどこれまでに100以上あります。IARCではある条件下(たとえば事故や職業などの特殊環境下での大量曝露、地域特有の食事摂取状況)であっても発がん性の有無を警告する意味において行いますので(いわゆる「ハザードの同定」)、
同じグループに分類されたものでも公衆衛生上のインパクトは要因の分布や疾病構造によります。
要因が疾病に与えるインパクトを算出する疾病負担研究プロジェクトでは喫煙に起因する全世界のがん死亡は年間100万であったのに対し、
アルコールは60万、大気汚染は20万、
加工肉では3万4千人であったことが示されています。

今回の結果を踏まえて以後どのように公衆衛生上の目標を定めるかは、
各国の赤肉などの摂取状況とその摂取量範囲でのリスクの大きさに基づいた「リスク評価」、さらには、
がんや他の疾患への影響などを踏まえて行われるべきものです。

日本人における赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて
IARCの評価の基となった全世界地域の論文の赤肉摂取の範囲はおおむね一日50グラムから100グラムで、
中には200グラム以上にわたる非常に高い地域もありました。

2013年の国民健康・栄養調査によると日本人の赤肉・加工肉の摂取量は一日あたり63グラム(うち、赤肉は50グラム、加工肉は13グラム)で、
世界的に見て最も摂取量の低い国の一つです。

当センターがん予防・検診研究センター予防研究グループでは、
国内の45歳から74歳の男女約8万人を対象に赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて追跡調査を行ったコホート研究の結果を、2011年に発表しています。

同研究は、赤肉・加工肉の摂取量に応じて低い方から高い方に5グループに分けてその後の大腸がんの発生リスクとの関連を検討した研究で、
女性では毎日赤肉を80グラム(注2)(調理前の重量。調理後は20%程度重量が減少する)以上食べるグループで結腸がんのリスクが高く、
それ以下の摂取量ではリスク上昇はみられていません。

男性では鶏肉も含む肉全体では摂取量の最も高い第5グループでリスク上昇がみられましたが、赤肉では特に関連はみられていません。
また、加工肉については男女ともに関連はみられていません。
大腸がんの発生に関して、
日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は
無いか、あっても、小さいと言えます。
食物繊維のエネルギー換算は?ゼロ?
こんばんは。

<炭水化物=糖質+食物繊維>

です。
そして、
『①糖質は人体に消化吸収されて血糖値を上げてエネルギーも含有する。
②食物繊維は消化吸収されず血糖値を上げずエネルギーも含有しない。』

というのが、一般的な理解です。
①は正しいのですが、
②は正確ではありません。

確かに、食物繊維は人体には吸収されませんが、
腸内細菌の餌となるものがあります。
腸内細菌は食物繊維を餌にして短鎖脂肪酸を産生しますが、
それがエネルギーを含有しているのです。
つまり、血糖値は上昇させませんが、
エネルギーは含有している食物繊維があるのです。

実は、食物繊維のエネルギー換算は、 
0kcal/g、1kcal/g、2kcal/gの三群
があります。

食物繊維の発酵・分解性はその種類によって異なっているので、三群に大別されるのです。
ペクチンのように腸内細菌によって容易に発酵・分解され、短鎖脂肪酸を産生して、エネルギーを供給するもの、
セルロースのように腸内細菌による発酵・分解をほとんど受けず、
短鎖脂肪酸を生成しないもの、これらの中間的なものがあります。

一般財団法人日本食品分析センター
Japan Food Research Laboratories
No.34 Jul. 2003
食物繊維の熱量(エネルギー)について


によれば、

平成15年2月17日付の厚生労働省の2種の通知
『「栄養表示基準等の取扱いについて」の 一部改正について』(食新発 第 0217001 号)ならびに
『「栄養表示基準における栄養成分等の 分析方法等について」の一部改正について』(食新発 第 0217002 号)により、

栄養表示基準に おける食物繊維の熱量(エネルギー)の取扱いが改正されました。
食物繊維は最大で1g 当たり2kcal であり、大腸内の腸内細菌による 発酵・分解を受け難いものでは、
その発酵・分解性に応じて1g 当たり1kcal あるいは0kcal とされたようです。

奥ら(*)は、
食物繊維の発酵・分解性に基づいて食物繊維素材のエネルギー換算係数を決めるに当たっての基準として
以下を提案しています。

①発酵・分解率が 75%以上のもの2 kcal/g
②発酵・分解率が 25%以上,75%未満のもの 1 kcal/g
③発酵・分解率が 25%未満のもの0 kcal/g


市販食物繊維素材のエネルギー換算係数(奥らの表を簡略化して以下作成)
① 2kcal/g:  タマリンドシードガム、グァーガム、
             グァーガム酵素分解物
             小麦胚芽、湿熱処理でんぷん(難消化性でんぷん)、
             水溶性大豆食物繊維(WSSF)、プルラン
② 1kcal/g:  アラビアガム、難消化性デキストリン、
              ビートファイバー
③ 0kcal/g:  低分子化アルギン酸ナトリウム、寒天、
              キサンタンガム、ジェランガム、サイリウム種皮、
              セルロース、ポリデキストロース

☆☆☆ 
コーンファイバー、水溶性コーンファイバー(アラビノキシラン)、小麦ふすま、specialty dextrin、
難消化性でんぷんに関しては、データが少なかったが暫定的に、2kcal/gを用いる。


参考文献(*)
奥 恒行,山田 和彦,金谷 建一郎:日本食物繊維研究会誌,6,81-86(2002)


江部康二
高雄病院の「糖尿病・糖質制限食入院治療」についてのご案内。
こんばんは。

今回は、高雄病院の「糖尿病・糖質制限食入院治療」についてのご案内です。
高雄病院の「糖尿病・糖質制限食入院治療」ですが、
基本的には、まず外来診察を経て、担当医が入院の適応ありと判断して、
入院の手続きが始まります。

現在、新型コロナウイルス感染症が蔓延していますので、
遠方の患者さんも、外来受診が必要となっています。
感染予防のために、
『前もってイベルメクチン錠を内服して頂く』
『14日間の自宅待機で無症状であることを確認して頂く』
など新たな手続きが必要となっています。
これらのことも、外来診察予約時や受信時に担当職員から詳しく説明があります。



入院時に「CGM」(☆)を装着します。
初回入院の場合は、
入院初日と2日目までは、通常の糖尿病食(高糖質食)でCGMでチェックします。
3日目からは、スーパー糖質制限食に切り替えてCGMでチェックします。

糖尿病や肥満が改善すれば、
高脂血症、喘息、痛風、睡眠時無呼吸症候群、高血圧、脂肪肝も良くなると思います。

糖尿病という病名がありますので、健康保険が効きます。

高雄病院には、2021年現在、月に平均10名の糖尿人が、
全国から糖質制限食治療を希望して入院されます。
コロナの影響で、入院制限していた時期もあり、例年より少し少なめです。

遠方の方は、入院して糖質制限食で糖尿病自己管理の体験をし知識を会得してもらい、
退院されたら地元の医師にフォローしていただきます。

京都や近くの糖尿人でも、外来で、なかなか血糖値が下がりきらない時などは、
入院すると改善する人がほとんどですので、
『コントロール・教育入院』がお奨めです。
14日間あれば、コントロール・教育入院が可能です。
勿論健康保険が効きます。

入院3日目からのスーパー糖質制限食開始日から内服薬を中止しても、
コントロール良好となることがほとんどです。
その後、退院前には、グルコバイ(100)1錠を、食直前30秒に内服して、
あえて炊いたご飯2/3膳(約100gで糖質量は、約37g)など摂取して、
食後血糖値がどのくらい上昇するかを試して実験することがあります。

食後2時間で180mg/dl未満ならまあまあで、140mg/dl未満なら合格です。
グルコバイだけで力が及ばない時は、
「グルコバイ+グルファスト」食直前30秒に内服で試します。
期間的に余裕があれば、パンやうどんなども試します。
これは、退院後どうしても、
或いはやむを得ず糖質摂取せざるを得ないときのための
シミュレーションです。(^^)

インスリン注射をされている時は、3~4週間あった方が確実に減量できます。
インスリンの量は1/3以下になります。
内因性インスリンがあるていど残存している方は、
インスリン離脱できることもあります。
2型だけでなく、1型の糖尿人でも、インスリンの量は1/3以下になります。

入院して、CGMを装着することで、
「通常のカロリー制限の糖尿病食」と「糖質制限食」の効果の大きな差がリアルタイムに確認できます。

血糖値を直接上げるのは糖質だけで、タンパク質・脂質はあげないということを、
身をもって体験することで、糖質制限食へのモチベーションが高まります。
「通常のカロリー制限の糖尿病食(高糖質食)」摂取だと食後の血糖値は、インスリン注射や経口血糖降下剤を内服していても、
軽く200~240mg/dlを超える
ことがほとんどです。

「スーパー糖質制限食」だと、
同一カロリー摂取しても、食後血糖値は140~180mg/dl未満
となります。

入院して糖質制限食を摂取してCGM検査を実施しているのは、
日本中で高雄病院以外には、ほとんどありません。

入院中はその他、心電図、胸部レ線、頭部CTや頸動脈エコーなど、
糖尿病に関連するいろいろな検査もあります。

一日の尿をためて、尿糖測定やインスリン分泌量測定(尿中Cペプチド測定)も行います。
一日尿のCペプチド測定で、トータルなインスリンの分泌量がチェックできます。
早朝空腹時の血中IRI(インスリン)かCペプチド(インスリン注射をしている人はこちらを測定)を調べることで、
基礎分泌のインスリンがどのくらいでているかわかります。
インスリン抵抗性の検査やインスリン追加分泌能の検査もあります。
管理栄養士による具体的な栄養指導も2回あります。
 
糖質制限食を体験し学ばれて、退院後は地元の病院で通院され、
6ヶ月に一回くらい京都観光を兼ねて、高雄病院に来て頂いている方もおられます。
遠方の場合、年に一回、糖質制限食入院をされる方もおられます。

入院・外来治療の実績があれば、
高雄病院への電話で栄養相談やメールでの質問もOKです。

高雄病院では現実に、関東、北海道、九州、東海、中部、中国、九州地方など、
様々な遠方地域の糖尿人の入院も多いです。
北海道から沖縄まで万遍なくこられます。

全国の糖尿人の方々も、糖質制限食入院治療ご希望の場合は、
高雄病院 075-871-0245
まで、電話され、
入院担当職員とご相談いただければ幸いです。
(^_^)


江部康二

(☆)CGM
CGM(Continuous Glucose Monitoring):持続ブドウ糖測定。
CGM測定装置のごく細いビニール製の管を、専用の器具で皮下に装着します。
パチンという感じで装着しますが、痛みはありません。
24時間、組織間液のブドウ糖を測定できて、14日間継続可能です。
CGMはインスリンポンプを実施している患者さんがいる病院でないと
健康保険では検査できません。
高雄病院では、2016年12月から、CGMが健康保険で検査可能となりました。
スーパー糖質制限食で、HbA1c、肥満、脂肪肝、改善。
【21/10/02 山口
ありがとうございました
55歳寺院住職の男性です

コロナ自粛の日々段々と体重が増えたなぁ喉が乾くなぁと歳だから?
思っていた本年六月頃、年3回程受けて居た血液検査の結果で主治医から
「酷い数値が出たんで大変な状態だから直ぐに来い」と電話を頂き
結果6月17日付けで

血糖値 163
HbA1c 9.5
クレアチン 0.60
中性脂肪 233
γGTP 94
ALT 76
AST 45


で「お前は糖尿病に成っているカロリー制限と有酸素運動をしつつ
エクメット配合錠HDを朝夕2回に飲め」と指示され帰宅し

亡父が糖尿病で皿に大量の薬を毎食飲み、カロリー制限でヤツれていき、
ウォーキングで汗だらけに成る姿を見ておりましたので危機感を覚え

Amazonでオムロンのスマフォ連動体脂肪体重計を注文しつつ
先生の著書数冊をKindleで購入
172cm 体重95kg 体脂肪率30.3%でした。

自宅階段をゆっくりと膝が曲がっている時間を長くとる様に昇り降りを
膝が笑うまで繰り返しを毎日と、
スーパー糖質オフを続けての7月15日の検査では

血糖値 124
HbA1c 7.6
クレアチン 0.70
中性脂肪 116
γGTP 35
ALT 57
AST 33


と変化し主治医は
「何をしたんですか?こんなに下がる筈は無いんだが?」
とエクメット錠を半分の朝1回に減らす指示を頂き
「糖質制限を徹底的にやりました」伝えたところ、
主治医からの
「糖質を抜き過ぎるのは危険だから動悸が激しく成ったり手が震えたりしたら低血糖のサインだからラムネをポケットに常備してそうなった時には直ぐ食べるように」
と指示され
体重84kg 体脂肪率28.5

階段昇降が楽になりヒンズースクワットに変更し
スーパー糖質オフを続け朝夜のプロテイン導入した次の8月24日付けの検査では

血糖値101
HbA1c 6.3
クレアチン0.67
中性脂肪172
γGTP 35
ALT 44
AST 24


で主治医は「取り敢えず薬は止めて一ヶ月様子見しましょう」との指示
体重81kg 体脂肪率27.2

シックスパッドEMSを複数購入身体中に貼り付けて就寝前にトレーニングと
ヒンズースクワットで鍛えた9月24日の検査は
「問題有る様なら電話で呼び出します、
数値に問題無ければ10月の通院では話しましょう」
と言われ特に電話が有りませんので検査結果は未だ見ておりません
10月2日の体重79.4kg 体脂肪率23.9

自分の場合高校時代に筋トレを激しく行い仮面ライダーの様な身体を目指し
二十代で緩み
三十代に危機感から週3のジム通いで筋トレ
四十代に痛風と腰痛で筋トレを止め肥満

漢はチンタラ喰うな!甘い菓子は女子供の食い物!毎日飲んだくれてるヤツはクズ!飲み会で飲めないとか言ってるヤツも情け無い!ガキに良い物食わして本物の味を覚えさせるなぞ間違ってる!吉野家だのトンカツ屋だのの食事で幸せを感じられる舌に育てた方が良い!と育てられたので
菓子 元々食べない
ジュース  元々飲まない
酒ビール  晩酌はしないが飲み会ではウワバミ ウイスキー ジン ウオッカ 焼酎で問題無し
甘いオカズ  嫌い
パン  嫌い

とほぼ白米ドカ食いで肥満した様に思われます為 
白米を少しでも食べると我慢出来なくなりそうでスーパー糖質オフを続けております

肉、葉野菜を大量に摂って満足しているのかとも思われます

寺院住職の仕事の特性も有り、自宅勤務ですので、
子供の食事の事も有り家族と別に食事を自炊し、
女房に頼らないのが成功の秘訣に成ったかと思われます

現在は体重は80kg近く有りBMIはまるで改善されとりませんが、
ジーンズ33インチから31インチに最近30インチに買い替え
スーツ夏冬買い替え等で逆三角形の身体を取り戻せたと家族共々喜んでおります

先生の著書に出逢えなければどうなっていたかが怖く感謝に堪えません。
有難う御座いました。】


こんばんは。
山口さんから、
「スーパー糖質制限食で、HbA1c、肥満、脂肪肝、改善。」
というとても嬉しいコメントを頂きました。

山口さん、拙著のご購入、ありがとうございます。
拙著が、お役に立てて、嬉しい限りです。

『2021/6/17
172cm 体重95kg 体脂肪率30.3%
血糖値 163
HbA1c 9.5
クレアチン 0.60
中性脂肪 233
γGTP 94
ALT 76
AST 45』


当初は、BMIが30.3%ですから、アメリカでも肥満ですね。
約1ヶ月後の
『7/15
体重84kg 体脂肪率28.5
血糖値 124
HbA1c 7.6
クレアチン 0.70
中性脂肪 116
γGTP 35
ALT 57
AST 33』


1ヶ月後には、BMIが28.5%なので、アメリカでは肥満ではないです。
良かったです。
HbA1cも1ヶ月で、1.9%も減少ですから、
主治医もビックリの驚異的改善です。
また、<糖質制限食+エクメット内服>なら、低血糖の心配はないので
安心して続けましょう。
血糖値、中性脂肪、脂肪肝も、かなり改善です。

『8/24
体重81kg 体脂肪率27.2
血糖値 101
HbA1c 6.3
クレアチン 0.67
中性脂肪 172
γGTP 35
ALT 44
AST 24 』


HbA1cは、7.0%未満の6.3%と改善し、
すでにコントロール良好の域に達しています。
また空腹時血値も101mg/dlと正常値となっています。
素晴らしい成果です。

『主治医は「取り敢えず薬は止めて一ヶ月様子見しましょう」との指示』
薬を止めることができたのは、大きな成果です。
主治医も糖質制限賛成派ではないようですが、糖質制限するなとは
言っておられないので、良かったです。

『10月2日の体重79.4kg 体脂肪率23.9』

172cm。79.4kg。BMI:26.8です。
もうひと頑張りですね。

『菓子 元々食べない
ジュース  元々飲まない
甘いオカズ  嫌い
パン  嫌い
ほぼ白米ドカ食いで肥満した』 


甘い物やジュースを飲まなくても、
白米ドカ食いで肥満。
これも仰る通りと思います。
砂糖以外の糖質も、血糖を上昇させ、肥満ホルモンインスリンを分泌させるので
太る原因となります。

あとは、新型コロナ対策として、
私達糖質セイゲニストは、スーパー糖質制限食実践で、
『血中ケトン体高値』『AGEs蓄積が最小限』『慢性炎症予防』
を確保して、免疫力向上に努めることが肝要と思います。



江部康二
コロナワクチンの効果は?α、β、γ株はOK。デルタ株は無効。
【21/10/01 ライフワーク光野
科学を無視した偏向記事
 小生、分からなくなってきました。
下記は女性雑誌の記事「コロナワクチンは疑念あり」とする結論が
如何に巧妙に導きだされたかを検証するお話で説得力があります。

「科学を無視した偏向記事の書き方」

https://www.youtube.com/watch?v=BG-xKBXBvUM

このyoutube、ブログの諸氏にも一読(一聴?)の価値ありと推奨申し上げます。】


ライフワーク光野さん。
「科学を無視した偏向記事の書き方」
https://www.youtube.com/watch?v=BG-xKBXBvUM

リスタートのたかしさんのユーチューブ視聴しました。

この方の言っておられることは、基本正しいと思います。
確かに、アルファ株、ベータ株、ガンマ株までは、
新型コロナワクチンが効いています。
しかし、デルタ株に変異したあとは、イスラエルや米国では悲惨な状況です。

すなわち、新型コロナウイルス感染症ですが、
アルファ株、ベータ株、ガンマ株までは、ワクチンが有効でした。
しかしデルタ株に変異してからは、ワクチンは無効です。

<イスラエル コロナ 死者数>
<イスラエル コロナ 感染者数>

で、グーグルで検索してみてください。
イスラエルは国民の78%が、2回ワクチンを接種しています。
そのイスラエルで
2001年8月1日以降、新規死者数と新規感染者数が急増しています。

ワクチン接種完了率   7日間の新規死者数(人口100万人あたり)
2021/09/12現在    
イスラエル 78%            25.43人
スペイン 75.02%            10.6人
イギリス 64.5%            14.3人
イタリア 63.92             6.7人
フランス 62.47%            11.1人 
米国   54.4%             34.1人
日本   51.1%             3.5人
ブラジル 34.5%             15.2人
インド  12.9%             1.4人


数値は
NHKのサイト(9月13日時点)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/world_progress/ 

を参照しました。

ワクチン接種完了率が低くて、医療水準も低い、
インドのほうが、ワクチンをしっかり接種している先進国より
はるかに死者数が少ないのには、驚きを禁じ得ません。

ワクチン接種完了率が僅か12.9%のインドの新規死者数が、1.4人というのは、
日本よりも少ないです。

これは、あくまでも仮説ですが、インドではイベルメクチンを処方している州が、
多いことが関与しているのかもしれません。


ワクチン接種完了率   7日間の新規死者数(人口100万人あたり)
2021/9/30現在
イスラエル 80%             15.22人
スペイン 78.23%             6.65人
イタリア 67.68%             6.33人
イギリス 65.73%             13.9人
フランス 65.58%             6.5人 
日本   59.54%             2.2人
米国   54.81%             41.4人
ブラジル 41.58%             47.9人
インド  16.82%             1.2人


数値は
NHKのサイト(9月30日時点)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/world_progress/ 

を参照しました

2021/9/12に比し、9/30のデータです。
イスラエル、スペイン、フランスは、減少傾向です。
イギリス、イタリア、日本は、微減です。
増加しているのは、米国とブラジルで、厳しい状況です。

そして、ワクチン接種完了率の最も低いインドが
相変わらず、1.2人と圧倒的に低い
です。
これでは、死亡予防効果は、『ワクチン接種』よりも、
『イベルメクチン内服』のほうがはるかに高いとしかいいようがありません。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210928/k10013279591000.html
シンガポール ワクチン接種80%超も 感染増加で再び規制を強化

2021年9月28日
というNHKのニュースも飛び込んできました。
シンガポールでは、新型コロナウイルスのワクチン接種を終えた人が人口の82%
世界的に高い水準となり、政府が、先月から行動制限の緩和をすすめてきました。
しかし、その後、感染力の強い変異ウイルスの「デルタ株」が広がり、
26日、一日の感染者数としてはこれまでで最も多い1939人の感染が確認されました。

江部康二